第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による金融・財政政策などにより、円安基調の継続や株高が進行し、緩やかな回復基調で進行いたしましたが、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れするなど、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況の中にあって当社グループは、営業部門におきましては、受注拡大のため営業活動効率の改善と既存得意先の深耕に全力を尽くし、業績の向上に鋭意努力してまいりました。

 生産工場及び工事工場におきましては、安全衛生活動の更なる充実とコスト削減を進め、作業効率の改善を推し進めてまいりました。

 また、研究開発などの技術部門におきましては、既存技術の改良や新規技術の開発と実用化に鋭意努力してまいりました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は8,362百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。損益面におきましては、営業利益は491百万円(同74.5%増)、経常利益は509百万円(同68.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は437百万円(同60.9%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

①  工事施工

 提案型営業による新規案件、新規顧客の獲得及び徹底したコスト削減により受注拡大に努めました結果、アルミダイカスト関連工事、連続鋳造ロール工事、鉄鋼関連の保全工事、現地機械加工工事の受注は減少しましたが、トッププレート工事、粉砕ミル工事、プラズマ粉体肉盛工事が増加した結果、売上高は5,842百万円(前連結会計年度比0.4%増)、セグメント利益は727百万円(同25.8%増)となりました。

②  溶接材料

 直販体制による既存顧客への販売強化、品質向上及び営業力強化による新規顧客の獲得に努めました結果、当社の主力でありますフラックス入りワイヤなどの製品の売上高は572百万円(前連結会計年度比3.5%減)、また、商品のアーク溶接棒、TIG・MIGなどの溶接材料の売上高は879百万円(同5.6%減)となり、溶接材料の合計売上高は1,452百万円(同4.8%減)、セグメント利益は249百万円(同12.4%減)となりました。

③  その他

 環境関連装置及び自動車関連のアルミダイカストマシーン用部品の販売を更に進めました結果、売上高は1,068百万円(前連結会計年度比15.0%増)、セグメント利益は90百万円(同44.7%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ200百万円減少し、1,153百万円となりました。

 営業活動によって使用された資金は、29百万円となりました。(前連結会計年度は238百万円の収入)

 投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ、78百万円減の42百万円となりました。

 財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ、0百万円減の127百万円となりました。

 なお、キャッシュ・フローの詳細については、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

工事施工

240,320

99.1

溶接材料

533,931

91.3

合計

774,251

93.6

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.工事施工の数値は、工事材料として使用されるトッププレート(耐摩耗用クラッド鋼板)の生産実績であります。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

溶接材料

707,648

93.5

その他

535,557

110.3

合計

1,243,205

100.1

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

工事施工

5,920,169

104.2

374,805

126.2

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

工事施工

5,842,243

100.4

溶接材料

1,452,368

95.2

その他

1,068,085

115.0

合計

8,362,697

101.1

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

  至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

新日鐵住金株式会社

1,219,747

14.7

1,102,663

13.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後において、企業価値の向上、顧客の拡大、事業領域の確立を実現していくため、以下の重点実施項目を掲げ、経営基盤の強化充実を図ってまいります。

① 安全第一

安全衛生管理方針のもと、安全衛生活動を最優先して、従業員の安全と健康を確保してまいります。

② 既存技術の再構築とレベルアップ

溶接材料においては、主力である既存の製品とその他の商品群のレベルアップに努めてまいります。

工事施工においては、技術の向上と伝承に努めてまいります。

③ 新技術、新製品・新商品開発と売上拡大

 新技術、新製品・新商品の開発は、当社の重要な戦略であり、開発部門(尼崎研究所・白山研究所・環境技術室)が創出した技術商品を、営業部門応援のもと、売上拡大に全力で取り組んでまいります。

④ 営業活動の効率化と高度化

 新商品の売上推進、海外展開等、営業部門においては更なる高度な知識、手段が必要となるため、それに応えるべく営業活動の高度化を進めてまいります。その一環として、自動車部会・溶接材料販売促進部会・鉄鋼部会の部会活動を更に推進してまいります。

⑤ 業務のスピードアップとコスト削減

 各部門は、日常の業務においてスピード感を持って業務を推進し、更なる効率化を図るとともに、全部署において原価・経費等の具体的な削減への取り組み事項を策定し、全社的なコスト削減を図ってまいります。

⑥ 内部統制の充実

 内部統制システムの確実な実践と有効な内部監査のレベルアップを図ってまいります。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 取引先メーカーの設備投資動向の影響について

 当社グループの売上高に占める販売先上位10社の割合は、平成28年3月期において46.4%となっており、これら上位10社の中でも鉄鋼業及び非鉄金属製造業が上位を占めております。当社グループの業績は、これらの業界をはじめとした顧客の設備投資動向の影響を強く受けることから、当社グループの顧客の設備投資需要が悪化した場合には、工事施工の受注減少、あるいは、受注価格または当社グループ製・商品価格の値下げ要請による同業他社との競合の激化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 仕入先への依存について

 当社グループのブランドにて販売している溶接材料の一部、並びにトッププレートの原材料となる混合粉末の配合及びブレンド加工については、特定の協力会社に対して、当社グループの技術標準に基づき製造委託または加工委託を行っております。
 当社グループの当該溶接材料の一部は、昭和55年からニツコー熔材工業株式会社(大阪市)に製造委託を行っており、平成28年3月期の商品仕入高に占める同社からの仕入割合は16.7%となっております。
 一方、混合粉末は、平成2年からジャンテック株式会社(東京都中央区)に加工委託を行っており、平成28年3月期の原材料仕入高に占める同社からの仕入割合は43.3%と高い水準にあります。
 当社グループは両社との間において、基本契約の他に機密保持に関する覚書等を交わしており、原材料及び商品の安定調達を図るとともに、独自の技術及びノウハウの流出防止に努めております。
 しかし何らかの事情により、これらの安定調達に支障が生じたり、あるいは、当社グループ独自の技術やノウハウが第三者に流出した場合には、製造・加工委託の代替先の確保に時間を要し、あるいは、競合商品の新たな市場投入によるシェアの低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 協力会社への外注について

 当社グループは、機械加工または熱処理加工等、社内の設備や技術では対応が困難な工程、あるいは汎用的な溶接作業等、原価の低減または生産能力の補完に寄与する工程等については外注を活用しております。
 当社グループは、外注先の品質管理及び納期管理に努めるとともに、能力の高い外注先の確保・育成に努めておりますが、当社グループの外注先が、必要な技術的・経済的資源を維持できない場合、あるいは、当社グループが適時・適切に有能な外注先を確保・活用できない場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 原材料価格の変動について

 近年、当社グループ製・商品の原材料価格が上昇しております。これに対処するため、当社グループは顧客に対する販売価格への転嫁の要請、当社グループの生産性向上及びコスト削減等を実施しておりますが、今後、原材料価格が大幅に高騰した場合には、適時・適切に販売価格へ転嫁できる保証はなく、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、多様化された顧客ニーズに対応するため、溶接技術をキーワードに、地球環境、作業環境へ配慮した製品、商品、装置の研究開発を基本コンセプトとして取組んでおります。

 研究開発体制は、開発委員会の統制のもと、尼崎研究所、白山研究所及び環境技術室において推進し、研究開発スタッフは21名で、これは総従業員の約9%に当たっております。

 当連結会計年度における各セグメント別の主な開発テーマ、研究開発状況は次のとおりであります。また、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発費は、①工事施工関係15百万円、②溶接材料関係15百万円、③その他21百万円であり、総額は52百万円となっております。

① 工事施工関係

研究・開発テーマ

研究・開発状況

トッププレート施工法の開発

従来品に比べて耐食性、耐摩耗性を向上させた製品の開発が完了しました。腐食試験での評価も完了し、実機テストの評価中です。今後は、高温域でも高硬度が維持できる製品の開発を進めます。

2軸耐摩耗バレルの施工法の開発

バレル内面への高硬度材料の肉盛方法の開発が完了し、実機テストの評価を進めます。今後は、更なる高硬度材料の肉盛方法の開発を進めます。

 

② 溶接材料関係

研究・開発テーマ

研究・開発状況

金型用溶接材料の開発

切削性、耐ヒートクラック性に優れた材料開発が完了しました。アルミ溶損試験も完了し、実機マシンにてテスト評価中です。今後は、さらに切削性に優れた材料開発を進めます。

MTワイヤの生産性の向上及び製造コストの削減

軟鋼系用フラックス入りワイヤの実機テストの評価で、新たに発生した問題の解決を進めています。今後は、製造コスト削減をテーマとした新たな材料開発を進めます。

新溶接材料の開発

高温での機械的性質の目標値を達成できる材料を試作中です。今後は、試作材の高温域での各機械的性質を調査し、新材料の開発を進めます。

 

③ その他

研究・開発テーマ

研究・開発状況

エアークエンチ装置の開発

基礎的な設計根拠の確立が終了しました。今後は、ワーク形状、体積等の変化に対しても、応用可能な設計根拠の確立と実機による能力確認を実施します。

電気分解脱臭装置の他分野への展開

新分野への展開により得られた改善項目を反映させた応用開発を進めています。また、新たに発生した問題を解決して、新分野への展開を進めます。

取鍋加熱装置の完成度の向上

コスト低減を目的とする電極の形状、数及び加熱用電源特性の変更などの開発が完了しました。これにより装置導入時のコストをカバーし、投資回収年数を短縮することが出来ました。

低圧鋳造機の金型加熱装置の開発

熱風による対流伝熱とカートリッジによる輻射加熱を利用した金型予熱装置の開発が完了しました。今後は、熱風発生器のさらなる品質向上、完成度向上を目指し、他社への展開も進めます。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの当連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、損益の計上金額並びに関連する偶発事象の見積りと判断が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

① 流動資産

当連結会計年度末における流動資産残高は5,669百万円となり、前連結会計年度末に比べて335百万円増加しました。これは、現金及び預金200百万円の減少がありましたが、受取手形及び売掛金422百万円、半成工事92百万円の増加が主な要因です。

② 固定資産

当連結会計年度末における固定資産残高は1,330百万円となり、前連結会計年度末に比べて282百万円減少しました。これは、その他の有形固定資産10百万円の増加がありましたが、機械装置及び運搬具39百万円、投資有価証券36百万円、繰延税金資産141百万円の減少が主な要因です。

③ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債残高は2,543百万円となり、前連結会計年度末に比べて136百万円減少しました。これは、支払手形及び買掛金75百万円、賞与引当金20百万円の増加がありましたが、短期借入金60百万円、未払法人税等74百万円、その他の流動負債96百万円の減少が主な要因です。

④ 固定負債

当連結会計年度末における固定負債残高は868百万円となり、前連結会計年度末に比べて3百万円増加しました。これは、長期預り金46百万円、その他の固定負債17百万円の減少がありましたが、退職給付に係る負債67百万円の増加が主な要因です。

⑤ 純資産

当連結会計年度末における純資産残高は3,587百万円となり、前連結会計年度末に比べて185百万円増加しました。これは、その他有価証券評価差額金29百万円、為替換算調整勘定114百万円、退職給付に係る調整累計額42百万円の減少がありましたが、利益剰余金381百万円の増加が主な要因です

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度の業績につきましては、営業部門におきましては、営業活動の効率化と既存得意先の深耕に全力を尽くし、売上拡大に鋭意努力してまいりました。

 生産工場及び工事工場におきましては、安全衛生活動の充実とコスト削減を積極的に実施し、業績の向上に努めてまいりました。

 また、研究開発などの技術部門におきましては、新規技術の開発と実用化を進めるとともに、既存技術の改良も行い、業績の向上に寄与してまいりました。
 その結果、当連結会計年度の売上高は8,362百万円(前連結会計年度比90百万円の増加)となりました。損益面におきましては、売上原価は6,170百万円(前連結会計年度比16百万円の増加)、販売費及び一般管理費は1,701百万円(前連結会計年度比136百万円の減少)となりました。

 これにより、営業利益は491百万円(前連結会計年度比209百万円の増加)となりました。

 営業外損益では、営業外収益が21百万円(前連結会計年度比2百万円の減少)、営業外費用が2百万円(前連結会計年度比0百万円の減少)となりました。

 以上の結果、経常利益は509百万円(前連結会計年度比207百万円の増加)となりました。

 特別損益では、特別利益が114百万円(前連結会計年度比99百万円の増加)、特別損失が1百万円(前連結会計年度比74百万円の減少)となりました。

 これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益は437百万円(前連結会計年度比165百万円の増加)となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ200百万円減少し、1,153百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益622百万円減価償却費の計上133百万円、仕入債務の増加76百万円などの資金増加要因がありましたが、為替換算調整勘定取崩益の計上111百万円、売上債権の増加423百万円、たな卸資産の増加60百万円、未払金の減少110百万円、法人税等の支払額139百万円などがあり、29百万円の支出(前連結会計年度は238百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有形固定資産の売却による収入19百万円の資金増加要因がありましたが、有形固定資産の取得による支出68百万円などがあり、42百万円の支出(前連結会計年度は120百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、短期借入金の純減額60百万円、リース債務の返済による支出11百万円、配当金の支払額55百万円などがあり、127百万円の支出(前連結会計年度は127百万円の支出となりました。

② 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料の購入及び商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費及び販売諸掛(販売に係る諸費用)であります。

 研究開発費は、一般管理費として計上されておりますが、研究開発に係る材料費及び研究員の人件費がその主要な部分を占めております。

 なお、運転資金及び設備投資資金については、内部資金または借入金により資金調達することとしております。