第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れするリスクが残るなか、各種政策の効果もあって、雇用と所得環境では改善傾向が続きました。また、生産や輸出は横ばいとなっているものの、個人消費や設備投資は底堅い動きがみられるなど緩やかな回復基調が続きました。

当社の主な販売分野である半導体業界におきましては、スマートフォン需要が牽引した他、自動車や産業機器等幅広い分野向けに市場は順調に推移しました。FPD業界におきましては、当期前半の設備投資は低調に推移しましたが、後半はスマートフォン向けの中小型液晶パネルからテレビ向けの液晶パネルに関連する設備投資が一斉に始まり回復しました。

このような経済状況のもと、当社は、市場環境が好調を維持する半導体製造装置の顧客内におけるシェア拡大に注力し、需要拡大に合わせて生産設備増強や流動的人材の活用で生産体制の強化を図ることで売上高は好調に推移しました。FPD分野では、第2四半期までは客先における受注停滞に伴い低迷しましたが、第3四半期より需要拡大に伴い回復しました。その他分野におきましては、新型スマートフォンに関連した製造装置部品及びユニットのリピート受注が続くなど好調を維持しました。損益面では、売上高増加と生産性向上により営業利益は前年同期を大きく上回りました。なお、「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に係る補助金」により特別利益が15百万円発生しております。

この結果、当事業年度の業績は、売上高が2,124百万円(前年同期比34.0%増)、営業利益は450百万円(前年同期比68.3%増)、経常利益は435百万円(前年同期比70.5%増)、当期純利益は559百万円(前年同期比85.0%増)となりました。

なお、当社は精密切削加工事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、397百万円となり、前事業年度末と比較して234百万円増加しております。

主な要因は、営業活動によって獲得した626百万円のキャッシュ・フロー及び、有形固定資産の取得等を行った投資活動に伴う支出185百万円並びに長期借入金の返済等による財務活動によるキャッシュ・フローが△206百万円であったことによるものであります。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、626百万円(前年同期は88百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益449百万円、減価償却費115百万円を計上したこと、利息の支払額20百万円、売上債権の減少による資金の増加74百万円、仕入債務の増加による資金の増加43百万円、未払消費税等の増加による資金の増加12百万円、たな卸資産の増加による資金の減少79百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、185百万円(前年同期は14百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出180百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、206百万円(前年同期は239百万円の使用)となりました。これは長期借入れによる収入1,349百万円、長期借入金の返済による支出1,315百万円、自己株式の取得による支出246百万円等によるものであります。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成23年

8月期

平成24年

8月期

平成25年

8月期

平成26年

8月期

平成27年

8月期

自己資本比率(%)

3.3

0.7

5.6

22.4

32.7

時価ベースの自己資本比率(%)

23.3

21.8

99.7

117.1

167.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

18.4

6.6

9.0

14.1

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

3.1

11.7

9.3

5.9

29.8

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業活動キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

2【生産、受注及び販売の状況】

当社は、精密切削加工事業の単一セグメントであるため、セグメントの記載に代えて製品分野別に記載しております。

(1)生産実績

当事業年度の生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野別の名称

当事業年度

(自 平成26年9月1日

至 平成27年8月31日)

前年同期比(%)

半導体製造装置関連部品(千円)

1,170,547

160.0

FPD製造装置関連部品(千円)

577,826

145.1

その他(千円)

335,277

77.5

合計(千円)

2,083,651

133.4

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

当事業年度の受注状況を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

半導体製造装置関連部品

1,236,927

160.8

158,621

168.7

FPD製造装置関連部品

757,344

186.2

237,586

422.7

その他

368,623

82.7

47,055

343.3

合計

2,362,895

145.7

443,263

270.4

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

当事業年度の販売実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野別の名称

当事業年度

(自 平成26年9月1日

至 平成27年8月31日)

前年同期比(%)

半導体製造装置関連部品(千円)

1,172,328

160.9

FPD製造装置関連部品(千円)

575,958

144.4

その他(千円)

376,054

82.1

合計(千円)

2,124,341

134.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成25年9月1日

至 平成26年8月31日)

当事業年度

(自 平成26年9月1日

至 平成27年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本発条株式会社

344,836

21.8

536,816

25.3

東京エレクトロン宮城株式会社

152,916

9.6

339,737

16.0

株式会社シンクロン

412,306

26.0

297,912

14.0

 

3.最近2事業年度の主な輸出先、輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。

( )内は総販売実績に対する輸出高の割合であります。

輸出先

前事業年度

(自 平成25年9月1日

至 平成26年8月31日)

当事業年度

(自 平成26年9月1日

至 平成27年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

シンガポール

87,235

100.0

116,302

100.0

合計

87,235

(5.5%)

100.0

116,302

(5.5%)

100.0

 

3【対処すべき課題】

当社は、中期事業計画のなかで以下を対処すべき課題と捉えております。

①市場変動

当社の属する半導体とFPDの市場は景気変動に伴い大幅な需要の変動が起こります。これらの変動に対応するために、新分野の拡大を行うとともに固定費の抑制をおもな対応策としております。新分野の拡大につきましては、通常の営業活動に加え、M&Aも積極的に進める方針です。また、固定費の抑制につきましては、需要の変動に対応するため、協力企業の育成と活用を行うことと、社内業務の切り分けと定型化を進め、期間契約社員や派遣社員の比率を高める方針です。

②競争の激化と受注価格低下

当社の属する業界は中小の同業社が多く、厳しい競争のある業界です。参入障壁の低い案件は競争から価格は低下します。そのような業界の中で、当社は参入障壁の高い真空パーツへ取り組み受注拡大を狙い、また、独創的な加工手法や徹底的に行う生産性改善手法によりコスト低減を続け市場価格の低下に先回りした対応をしております。しかしながら、保有する技術の陳腐化が進むことから今後も継続的に技術開発を行う必要があります。そのため、当社においてはR&Dの強化と人材育成に注力する方針です。

③「人」に対する取組み

当社は、人の持つ技術力や営業力が最も重要な強みであるため、強みを持つ人材の安定化と育成が重要な課題となっております。しかしながら、継続的に改善が進みながらも、高い能力を持つ人材に頼る部分が多く、時間外労働や休日出勤の偏りが生じております。また、人事考課制度につきましても改善の余地があると判断しております。このような状況から、給与制度を含む人事制度を改革することにくわえて、勤務体系を変更することで負担を減らし、社員満足度の向上で人材の安定化を図り、長期的な人材育成プランを実現していく方針です。

④M&Aスキームの構築

当社は、新規分野の拡大や生産力の確保などの目的でM&Aを積極的に進める方針を持っておりますが、対象とする会社に未上場企業が想定されることから当該会社の連結ないし営業譲受のスキーム構築が課題となっております。

これは、一般的に中小規模の未上場企業において内部統制システムが構築されていないことや製造原価の把握が貧弱である場合があります。そのような企業に対し画一的な内部統制の構築や製造原価の把握を強いることは、場合によっては企業風土の破壊や生産性への悪影響を及ぼすことが懸念されます。管理体制の貧弱な企業に対して、どのような管理システムを構築するのか、また、企業風土と収益構造を維持したままでの製造原価把握システムの構築は今後の中小製造業のM&Aにおいては重要な課題です。これらの課題に対して具体的な案件を進めながら、可能な限り汎用的スキームを構築していく方針です。

4【事業等のリスク】

当社の業績は多岐にわたる変動要因の影響を受ける可能性があります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)主要市場での需要の急激な変動について

当社は、主に半導体業界及びFPD業界を対象として、その生産ラインで用いられる各種生産設備部品の製造・販売を行っていますが、半導体業界におきましてシリコンサイクル、FPD業界におきましてクリスタルサイクルと呼ばれる業界特有の好不況の波が存在します。

当社におきましては、メーカーの設備投資動向に左右されない消耗品などの安定的な販売が見込める分野の受注に注力するなどの対策を行い、業績への影響を最小限にすべく努力しております。

しかしながら、これらの景気変動によって、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

最近5年間の売上高及び製品分野別売上高の推移は下表のとおりであります。

回次

第24期

第25期

第26期

第27期

第28期

決算年月

平成23年8月

平成24年8月

平成25年8月

平成26年8月

平成27年8月

売上高(千円)

1,266,923

1,103,288

1,162,616

1,585,355

2,124,341

 

精密切削加工事業小計

1,261,979

1,103,288

1,162,616

1,585,355

2,124,341

 

半導体製造装置関連部品(千円)

521,213

490,552

485,105

728,510

1,172,328

 

FPD製造装置関連部品(千円)

669,721

528,494

628,906

398,741

575,958

 

その他(千円)

71,044

84,240

48,604

458,103

376,054

 

装置組立事業 小計

4,944

 

FPD製造装置

(千円)

250

その他(千円)

4,694

(注)1.売上高には消費税等が含まれていません。

2.財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、三優監査法人の監査を受けておりますが、製品分野別売上高については、当該監査を受けておりません。

3.第25期、第26期、第27期及び第28期は、精密切削加工事業のみの単一セグメントであるため装置組立事業については表示しておりません。

(2)価格競争について

当社の属する精密機械加工部品の分野は、多数の同業他社がひしめく、非常に参入業者の多い分野です。それらの加工部品群のなかでも当社は、高付加価値部品を得意分野としております。

しかしながら、今後は他社との競争が激しくなり、価格の下落を加速させる可能性があります。あるいは、為替相場の変動によって海外の同業他社との競争力が落ちる可能性があります。

これら競争の激化により、価格競争力を維持できなくなった場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(3)特定の取引先への依存について

当事業年度の販売実績上位3社の構成比率は日本発条株式会社が25.3%(前期構成比率21.8%)、東京エレクトロン宮城株式会社が16.0%(前期構成比率9.6%)、株式会社シンクロンが14.0%(前期構成比率26.0%)となっており、上位3社の構成比率が55.3%(前期上位3社構成比率57.9%)と2.6ポイント減少しております。

これらの主要販売先との間では、今後も継続的な取引が見込まれることと、1社当たりの依存度を減らす方針に基づき新規の取引先拡大に向けた営業を展開しておりますが、何らかの要因でこれらの主要な販売先との取引が縮小した場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(4)有利子負債依存度について

当社は、金融機関からの借入を中心に資金調達を行っております。事業再生ADR手続等において借入金の圧縮を図りましたが、有利子負債依存度は依然として高水準にあります。したがいまして、金融環境の変化等により借入金利が上昇した場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

最近3年間の有利子負債残高及び同残高の総資産に占める割合は下記の通りであります。

回次

第26期

第27期

第28期

決算年月

平成25年8月

平成26年8月

平成27年8月

残高

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

有利子負債残高合計

1,482,199

89.3

1,242,683

70.4

1,276,503

58.3

 

期末借入金残高

1,480,260

89.2

1,242,472

70.4

1,276,503

58.3

その他の有利子負債の残高

1,939

0.1

211

0.0

総資産額

1,660,273

100

1,765,753

100

2,188,788

100

(5)特定の人物への依存について

当社代表取締役社長である前田俊一は、経営方針の策定、技術の革新、発想、人的ネットワーク等において中心的な役割を果たしております。当社では、同氏に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が経営から退いた場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(6)人材について

当社は、高度な切削加工技術が要求される製品に対する顧客のニーズに着目し、OJTなど独自の現場主義教育で、切削加工技術に関し高い能力を持った人材の育成に注力しております。各々の切削加工技術者がCAD/CAMでのプログラミングを含む、全工程を担当できる多能工として短期間で育成されていくことが、当社の特徴であるといえます。

しかしながら、優秀な人材の確保及びその育成が予定通りに進まなかった場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(7)小規模な会社組織であることについて

当社は平成27年8月31日現在、取締役4名、監査役3名、従業員74名、臨時雇用者37名と小規模組織であり、内部管理体制もこのような組織の規模に応じたものとなっています。小規模であるが故の人材流出によるリスク、事業拡大に伴う組織効率の低下等のリスクがあります。今後当社では、中期事業計画に沿って事業の安定化及び社内システムの拡充等の観点から内部管理体制の強化を図る予定です。

(8)財産権等について

当社は他社の特許権等の知的財産権を侵さないよう細心の注意を払い、受注と技術開発にあたっていますが、切削加工分野においても積極的に特許申請が行われており、場合によっては第三者の特許権等の知的財産権を侵害するとして損害賠償等の請求を受ける可能性があります。

(9)切削加工技術等のノウハウについて

当社が有する使用工具及び切削条件等の切削加工ノウハウの一部は、CAD/CAM等のデータとして保管され、パスワードによるデータへのアクセス制限やデータ消失に備えたネットワークストレージへのバックアップなどを行っております。

また、複雑形状加工技術、工作機械制御技術及び新素材加工技術など業界の動向に対応した技術の開発及び獲得のため研修を行い技術力の維持・向上に努めております。

しかしながら、当社が有する切削加工ノウハウの流出又は消失が起こった場合や業界の動向に対応した技術の開発及び獲得が遅れた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(10)当社製品に不具合が生じた場合について

当社製品については、社内において品質管理体制を確立しておりますが、種々の要因により不良品の発生の可能性があります。

当社製品に何らかの不具合が発生した場合には、当社及び当社の切削加工技術に対する信頼が著しく損なわれる可能性があり、また、設計上の欠陥、製造時の欠陥により、エンドユーザーより製造物責任を追及される可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(11)大規模災害等に係るリスクについて

当社の生産拠点は、鹿児島県出水市及び埼玉県朝霞市に所在しており、当該地区において地震等の自然災害が発生した場合、及び原子力発電所事故による災害が発生した場合には被害を受ける可能性があります。

災害発生により生産活動ができない場合、顧客への製品納入の遅延、売上の低下、修復費用等により、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(12)労働災害に係るリスクについて

当社の事業は、フォークリフト及び大型機械の操作、製品溶接等の危険を伴う作業が含まれております。当社は、当該状況を踏まえて安全管理の徹底を図り、労働災害及び事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意を払うように努めております。しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や重大な事故が発生した場合、労働災害及び事故に伴う補償問題が生じる可能性があるほか、社会的な信用及び販売先からの信用を失うことに繋がり、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(13)為替相場の変動について

当社の前事業年度の輸出比率は5.5%、当事業年度の輸出比率は5.5%となっております。

為替相場の変動状況によっては、販売時と入金時の為替相場の変動による損失の計上や、外貨建資産負債の為替換算差損の計上が起こるなど、今後の当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(14)減損会計について

当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として事業所単位を基本とした資産のグルーピングを行っております。

今後の市場環境の悪化等の要因により、当社の事業用資産が減損会計適用の検討対象となり、当社の事業所において営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローが継続してマイナスになった場合や、保有する固定資産の市場価格が著しく下落した場合など、固定資産の減損会計の適用により追加の特別損失の計上が必要となる可能性があります。

(15)今後の設備投資計画、及び資金調達について

当社は、事業活動の拡大を図るための設備投資等の資金需要に対し、主に金融機関から資金調達をしております。設備投資については、金融機関との間で信頼関係を築いており、今後も運転資金及び設備投資資金につきましては、調達可能と考えておりますが、適切な時期に金融機関からの運転資金及び設備投資資金を調達できない場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(16)業績予想及び配当予想の修正について

当社が上場する金融商品取引所の規則に基づいて公表する業績予想及び配当予想は、公表時点における入手可能な情報に基づき判断したものであります。したがいまして、国内外の経済環境が変化した場合や予想の前提となった条件等に変化があった場合は、同規則に基づいて、業績予想及び配当予想を修正する可能性があります。

(17)配当政策について

当社は、株主に対する利益還元につきましては、重要な経営課題と認識しており、適切な時期において、経営成績及び財務状況を勘案しつつ、配当による株主への利益還元に努める方針としております。しかしながら、財務基盤の強化を目的として内部留保の充実、また事業再生計画による債務弁済及び財務体質の改善を図るため、配当を実施しておりませんでしたが、平成27年1月末日をもって事業再生計画を終結したことと当事業年度の利益状況等を鑑みて、上場以来初めてとなる1株当たり36円の期末配当を実施することといたしました。

今後につきましては、会社業績の動向に応じて株主への利益還元に取り組む方針でありますが、当社の事業が計画通りに進展しない場合など、当社の業績が悪化した場合には配当の実施をしない、あるいは予定していた配当額を減ずる可能性があります。

(18)繰延税金資産について

当社は、将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っていますが、将来の課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産を減額する事で当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(19)企業買収・資本提携・事業譲受(M&A)について

当社は新たな戦略としてM&A戦略を持っていますが、この戦略により取得した企業及び事業が期待通りの成果を上げられなかった場合は、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(20)研究開発(R&D)について

当社は自社事業の生産性向上と新技術開発及び新たな事業の創出などを目標としてR&D活動を実施しておりますが、活動が停滞した場合は、利益率の低下や投下資金の回収ができず、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

当社は、顧客の短納期要請への対応及び高度な精密切削加工技術の獲得のために、試作品の製作による切削加工技術の研究開発を進めております。

精密切削加工技術の研究開発においては、製造部内に研究開発部門(R&Dグループ)を置き、その研究開発部門を中心に営業部門や生産部門と連携を図り、新製品の試作提案を行うことにより今後のリピート製品の受注活動の足がかりとしています。また、表面処理等の前後工程に対しましては、使用するテストピースを作成し、前後工程の協力会社と連携することにより製品の上流から下流まで網羅した評価や技術習得を行っております。その他に、時間短縮や高精度加工の基礎技術を獲得するために、付帯設備の導入やそのテスト加工を行い、研究開発を進めております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に更正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

(資産)

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて423百万円増加し、2,188百万円となりました。

流動資産は、前事業年度末に比べて327百万円増加し、1,234百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加(前年同期比234百万円増)、繰延税金資産の増加(同88百万円増)、たな卸資産の増加(同79百万円増)、受取手形、売掛金及び電子記録債権の減少(同74百万円減)等によるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べて95百万円増加し、954百万円となりました。これは主に、建物の増設、機械及び装置の取得等による有形固定資産の増加(同67百万円増)及び繰延税金資産の増加(同24百万円増)等によるものであります。

(負債)

当事業年度の負債総額は、前事業年度末に比べて103百万円増加し、1,473百万円となりました。

流動負債は、前事業年度末に比べて195百万円増加し、333百万円となりました。これは主に買掛金の増加(前年同期比43百万円増)、1年内返済予定の長期借入金の増加(同126百万円増)、未払費用の増加(同14百万円増)等によるものであります。

固定負債は、前事業年度末に比べて91百万円減少し、1,140百万円となりました。これは主に長期借入金の減少(同92百万円減)等によるものであります。

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて319百万円増加し、715百万円となりました。

これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金が559百万円増加、A種種類株式の取得及び消却に際し、利益剰余金が140百万円減少及び資本剰余金が106百万円減少したことによるものであり、総資産に占める自己資本比率の割合は32.7%となりました。

(3)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、538百万円増加し、2,124百万円(前年同期比34.0%増)となりました。

半導体分野では、市場環境が好調を維持するなか、顧客内おけるシェア拡大と生産体制の強化を図ることで売上高は好調に推移しました。FPD分野では前半は受注が停滞しましたが、後半は需要拡大に伴い回復しました。また、その他分野におきましては、新型スマートフォンに関連した製造装置部品及びユニットのリピート受注が続くなど好調を維持しました。

半導体分野の売上高は1,172百万円(前年同期比60.9%増)、FPD分野の売上高は575百万円(同44.4%増)、その他分野の売上高は376百万円(同17.9%減)となり、総売上高は前事業年度と比較して増加いたしました。

(営業損益)

当事業年度の売上高が538百万円増収となり、売上原価は331百万円増加し1,468百万円となり、売上原価率は69.1%と前事業年度と比較して2.6%減少しました。主な要因は、事業再生ADR手続における事業再生計画の生産構造改革が進み生産性が改善されたことにより製造費用が削減されたこと等によるものであります。この結果、売上総利益655百万円を計上することとなりました。

販売管理及び一般管理費は205百万円(前年同期比13.6%増)となりました。主な要因は、役員報酬11百万円及び租税公課3百万円の増加、研究開発費の減少2百万円等であります。

この結果、当事業年度の営業利益は450百万円(同68.3%増)となりました。

(経常損益)

営業外収益は、為替差益3百万円の増加等により前事業年度と比較して3百万円増加し、7百万円となりました。

営業外費用は、支払利息5百万円の増加等により前事業年度と比較して6百万円増加し、21百万円となりました。

当事業年度の経常利益は、支払利息の増加等の結果、435百万円(前年同期比70.5%増)となりました。

(特別損益)

当事業年度の特別利益は、補助金収入15百万円の計上によるものであります。

当事業年度の特別損失は、固定資産除却損0百万円の計上によるものであります。

 

(当期純利益)

当事業年度の当期純利益は、法人税住民税及び事業税を3百万円、法人税等調整額を△112百万円計上した結果、559百万円(前年同期比85.0%増)となりました。

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

「第一部 企業の情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。