第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、基本理念として、以下の内容を掲げています。

1.技術は究極を目指し

2.競争と協調を尊び

3.技術注力企業として社会に貢献する

当社は、お客様が技術的に困られている部分に対して解決の手法を提供することで存在の価値を顕現してきました。技術的に困るということは一般に知られていない技術が必要であるということですから、その解決に向けては過去の手法を探すのではなく、問題の本質的な部分を検討することを特に重視して、その解決に向けて現段階で考えうる最良の技術要素を選択できることを意図しています。

一般的に解決しがたい問題は、当然当社にとっても難しい課題となりますが、社内では、時には競い合いながら、時には協力しながら課題に対峙していきます。

当社は、経済を支える“モノづくり”のなかで、モノづくりの源流である部品加工にこだわっていきます。そしてさまざまな分野で総合メーカーを支えられる企業となるために、先端技術と供給力を持つ「部品加工のリーディングカンパニー」を目指します。

(2)経営戦略等

当社は、「Innovation2021」と称して、2019年8月期から2021年8月期を期間とする新たな新中期事業計画を策定し、基本方針である「革新」をキーワードとしながら、生産手法や管理手法を革新することで永続できる企業を目指すことを目標としております。

新中期事業計画の基本的な戦略は、電子ビーム等の新しい接合技術や真空パーツ製造における自動化、また前後工程における協力会社とのオープンイノベーションを通じて新しい付加価値を創造することが柱となります。

なお、中期事業計画の策定については、当社の主な営業分野である半導体製造装置・FPD製造装置の市場環境の分析に新計画の目標と戦略を織込んだものでありますが、当中期事業計画に関する具体的な内容については平成30年10月10日に開示いたしました「中期事業計画の策定に関するお知らせ」をご参照ください。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、新中期事業計画「Innovation2021」を通して、生産手法や管理手法の革新を計る指標として投下資本利益率であるROICを採用し重要な経営指標として位置付けており、同中期事業計画の期間中に資産ベース20%、負債ベース15%を目標としております。なお、当事業年度におけるROICは、資産ベース16.3%、負債ベース11.5%であります。

(4)経営環境

当社の経営環境は、当社の属している市場環境に左右される一面を有しています。主な販売分野である半導体とFPDの市場は景気変動に伴い大幅な需要の変動が起こります。これらの変動に対応するために、新分野の拡大を行うとともに固定費の抑制を主な対応策としております。新分野の拡大につきましては、通常の営業活動に加え、研究開発も積極的に進める方針です。また、固定費の抑制につきましては、需要の変動に対応するため、協力企業の育成と活用を行うことと、社内業務の切り分けと定型化を進め、有期雇用契約社員や派遣社員を活用する方針です。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

競争の激化と受注価格低下

当社の属する業界は中小の同業社が多く、厳しい競争のある業界です。参入障壁の低い案件は競争から価格は低下します。そのような業界のなかで、当社は参入障壁の高い真空パーツへ取り組み受注拡大を狙い、また、独創的な加工手法や徹底的に行う生産性改善手法によりコスト低減を続け市場価格の低下に先回りした対応をしております。しかしながら、保有する技術の陳腐化が進むことから今後も継続的に技術開発を行う必要があります。そのため、当社においてはR&Dの強化と人材育成に注力する方針です。

②「人」に対する取組み

当社は、人の持つ技術力や営業力が最も重要な強みであるため、強みを持つ人材の安定化と育成が重要な課題となっております。しかしながら、継続的に改善が進みながらも、高い能力を持つ人材に頼る部分が多く、時間外労働や休日出勤の偏りが生じております。このような状況から、多様な勤務形態を構成することで個々の負担を減らし、社員満足度の向上と人材の安定化を図り、長期的な人材育成プランを実現していく方針です。

M&Aスキームの構築

当社は、新規分野の拡大や生産力の確保などの目的でM&Aを進める方針を持っておりますが、対象とする会社に未上場企業が想定されることから当該会社の連結ないし営業譲受のスキーム構築が課題となっております。

これは、一般的に中小規模の未上場企業において内部統制システムが構築されていないことや製造原価の把握が貧弱である場合があります。そのような企業に対し画一的な内部統制の構築や製造原価の把握を強いることは、場合によっては企業風土の破壊や生産性への悪影響を及ぼすことが懸念されます。管理体制の貧弱な企業に対して、どのような管理システムを構築するのか、また、企業風土と収益構造を維持したままでの製造原価把握システムの構築は、今後の中小製造業のM&Aにおいては重要な課題です。これらの課題に対して具体的な案件を進めながら、可能な限り汎用的スキームを構築していく方針です。

2【事業等のリスク】

当社の業績は多岐にわたる変動要因の影響を受ける可能性があります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)主要市場での需要の急激な変動について

当社は、主に半導体業界及びFPD業界を対象として、その生産ラインで用いられる各種生産設備部品の製造・販売を行っていますが、半導体業界におきましてシリコンサイクル、FPD業界におきましてクリスタルサイクルと呼ばれる業界特有の好不況の波が存在します。

当社におきましては、メーカーの設備投資動向に左右されない消耗品などの安定的な販売が見込める分野の受注に注力するなどの対策を行い、業績への影響を最小限にすべく努力しております。

しかしながら、これらの景気変動によって、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

最近5年間の売上高及び製品分野別売上高の推移は下表のとおりであります。

回次

第27期

第28期

第29期

第30期

第31期

決算年月

平成26年8月

平成27年8月

平成28年8月

平成29年8月

平成30年8月

売上高(千円)

1,585,355

2,124,341

2,242,452

3,035,527

4,588,864

 

精密部品事業小計

1,585,355

2,124,341

2,242,452

3,035,527

4,588,864

 

半導体製造装置関連部品(千円)

728,510

1,172,328

1,205,241

2,150,684

3,410,983

 

FPD製造装置関連部品(千円)

398,741

575,958

947,897

771,000

1,060,634

 

その他(千円)

458,103

376,054

89,312

113,843

117,245

(注)1.売上高には消費税等が含まれていません。

2.財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、三優監査法人の監査を受けておりますが、製品分野別売上高については、当該監査を受けておりません。

(2)価格競争について

当社の属する精密部品業界は、多数の同業他社がひしめく、非常に参入業者の多い厳しい競争のある業界です。それらの精密部品群のなかでも当社は、高付加価値部品を得意分野としております。

しかしながら、今後は他社との競争が激しくなり、価格の下落を加速させる可能性があります。あるいは、為替相場の変動によって海外の同業他社との競争力が落ちる可能性があります。

これら競争の激化により、価格競争力を維持できなくなった場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(3)特定の取引先への依存について

当事業年度の販売実績上位3社の構成比率は日本発条株式会社が32.9%(前期構成比率30.3%)、東京エレクトロン宮城株式会社が31.4%(前期構成比率28.6%)、東京エレクトロン九州株式会社が11.8%(前期構成比率8.6%)となっており、上位3社の構成比率が76.1%(前期上位3社構成比率67.5%)と8.6ポイント増加しております。

これらの主要販売先との間では、今後も継続的な取引が見込まれることと、1社当たりの依存度を減らす方針に基づき新規の取引先拡大に向けた営業を展開しておりますが、何らかの要因でこれらの主要な販売先との取引が縮小した場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(4)財産権等について

当社は、他社の特許権等の知的財産権を侵さないよう細心の注意を払い、受注と技術開発にあたっていますが、第三者の特許権等の知的財産権を侵害するとして損害賠償等の請求を受ける可能性があります。

また当社が出願している特許においては特許が侵されるリスクがあり、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(5)部品製造技術等のノウハウについて

当社が有する部品製造技術のノウハウの一部は、CAD/CAM等のデータとして保管され、パスワードによるデータへのアクセス制限やデータ消失に備えたネットワークストレージへのバックアップなどを行っております。

また、複雑形状加工技術、工作機械制御技術及び新素材加工技術など業界の動向に対応した技術の開発及び獲得のため研修を行い技術力の維持・向上に努めております。

しかしながら、当社が有する部品製造ノウハウの流出又は消失が起こった場合や業界の動向に対応した技術の開発及び獲得が遅れた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(6)当社製品に不具合が生じた場合について

当社製品については、社内において品質管理体制を確立しておりますが、種々の要因により不良品の発生の可能性があります。

当社製品に何らかの不具合が発生した場合には、当社及び当社の部品製造技術に対する信頼が著しく損なわれる可能性があり、また、設計上の欠陥、製造時の欠陥により、エンドユーザーより製造物責任を追及される可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(7)研究開発(R&D)について

当社は自社事業の生産性向上と新技術開発及び新たな事業の創出などを目標としてR&D活動を実施しておりますが、活動が停滞した場合は、利益率の低下や投下資金の回収ができず、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(8)医療機器の法的規制等について

当社は今後医療機器の販売を予定しておりますが、医療機器は患者の生命及び健康に影響を及ぼす可能性があるため、品質の適正な保持、医療現場における正しい方法での使用が求められることから、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」において、製造から販売に至る各流通過程での遵守事項が定められております。当社は、同法に基づく第二種医療機器製造販売業を取得しておりますが、販売責任者の資格要件、品質管理の実施要件、トレーサビリティ(販売履歴の記録)の実施等、同法が求める各種要件を満足できない場合は、医療機器の販売が行えない可能性があります。

(9)訴訟等の可能性について

当社は今後医療機器の販売を予定しておりますが、販売を開始した時に当社の医療機器製造販売の業務において、商品の瑕疵、設置・調整の不備等があった場合、医療事故に繋がる可能性があります。また、販売に際しての仕様説明や納入後の取扱い説明の内容、仕入先の倒産等によるアフターサービス継続条件の変更など、取扱商品に関する様々な事項について取引先と見解の相違が発生する可能性があります。当社は、医療機器製造販売業で要求される品質管理体制を十分に整備したうえで、医療機器の販売を行う計画ですが、医療事故等が発生した場合、訴訟等に至ることが考えられ、その内容によっては、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、当社の賃貸取引・管理等に関連して、取引先から訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容・結果によっては、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(10)有利子負債依存度について

当社は、金融機関からの借入を中心に資金調達を行っており、一部の借り入れは変動金利であります。したがいまして、金融環境の変化等により借入金利が上昇した場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

最近3年間の有利子負債残高及び同残高の総資産に占める割合は下記のとおりであります。

回次

第29期

第30期

第31期

決算年月

平成28年8月

平成29年8月

平成30年8月

残高

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

有利子負債残高合計

1,234,717

48.0

1,591,344

29.4

2,286,742

28.3

 

期末借入金残高

1,234,717

48.0

1,591,344

29.4

2,286,742

28.3

その他の有利子負債の残高

総資産額

2,569,688

100

5,418,820

100

8,088,371

100

(11)今後の資金調達について

当社は、事業活動の拡大を図るための設備投資等の資金需要に対し、主に金融機関から資金調達をしております。資金調達については、金融機関との間で信頼関係を築いており、今後も運転資金及び設備投資資金につきましては、調達可能と考えておりますが、適切な時期に金融機関からの運転資金及び設備投資資金を調達できない場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(12)今後の設備投資計画について

当社は、事業活動の拡大を図るための設備投資を計画しておりますが、近隣の土地や新規の建物及び設備等の取得が計画と乖離する場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(13)企業買収・資本提携・事業譲受(M&A)について

当社は、戦略としてM&A戦略を持っていますが、この戦略により取得した企業及び事業が期待通りの成果を上げられなかった場合は、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(14)大規模災害等に係るリスクについて

当社の生産拠点は、鹿児島県出水市及び埼玉県朝霞市に所在しており、その主要設備の多くを本社(鹿児島県出水市)に所有しております。当該地区において地震等の自然災害が発生した場合、及び原子力発電所事故による災害が発生した場合には被害を受ける可能性があります。

災害発生により生産活動ができない場合、人材の流出、顧客への製品納入の遅延、売上の低下、修復費用等により、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(15)労働災害に係るリスクについて

当社の事業は、クレーン、フォークリフト、大型機械、ロボットの操作、製品溶接等の危険を伴う作業が含まれております。当社は、当該状況を踏まえて安全管理の徹底を図り、労働災害及び事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意を払うように努めております。しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や重大な事故が発生した場合、労働災害及び事故に伴う補償問題が生じる可能性があるほか、社会的な信用及び販売先からの信用を失うことに繋がり、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(16)土壌汚染等の環境リスクについて

当社が保有する土地に土壌汚染対策法に定められた基準値を超える土壌汚染物質が存在しております。現時点においては対処不要の旨を当局と確認しておりますが、汚染物質の対策等が必要になった場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(17)業績予想及び配当予想の修正について

当社が上場する金融商品取引所の規則に基づいて公表する業績予想及び配当予想は、公表時点における入手可能な情報に基づき判断したものであります。したがいまして、国内外の経済環境が変化した場合や予想の前提となった条件等に変化があった場合は、同規則に基づいて、業績予想及び配当予想を修正する可能性があります。

(18)配当政策について

当社は、株主に対する利益還元につきましては、重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財務状況を勘案しつつ、配当による株主への利益還元に努める方針としております。今後につきましても会社業績の動向に応じて株主への利益還元に取り組む方針でありますが、当社の事業が計画通りに進展しない場合など、当社の業績が悪化した場合には、配当の実施をしない、あるいは予定していた配当額を減ずる可能性があります。

(19)繰延税金資産について

当社は、将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っていますが、将来の課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産を減額する事で、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(20)為替相場の変動について

当社の前事業年度の輸出比率は5.1%、当事業年度の輸出比率は3.5%となっております。

為替相場の変動状況によっては、販売時と入金時の為替相場の変動による損失の計上や、外貨建資産負債の為替換算差損の計上が起こるなど、今後の当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(21)減損会計について

当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として事業所単位を基本とした資産のグルーピングを行っております。

今後の市場環境の悪化等の要因により、当社の事業用資産が減損会計適用の検討対象となり、当社の事業所において営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローが継続してマイナスになった場合や、保有する固定資産の市場価格が著しく下落した場合など、固定資産の減損会計の適用により追加の特別損失の計上が必要となる可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、設備投資や生産、消費者物価は緩やかに上昇し、個人消費や輸出は持ち直し、企業の景況判断や企業収益、雇用・所得環境は改善しているなど、景気は緩やかに回復しました。

当社の主な販売分野である半導体業界におきましては、スマートフォンに関連する半導体やデータセンターサーバー向けの半導体需要を背景に、3D NANDやDRAMの生産に向けた設備投資が拡大しましたが、終盤一時的に停滞傾向となりました。FPD業界におきましては、液晶では中国向けに複数の第10.5世代大型液晶パネルの設備投資計画が進展しながらも、携帯端末向けの中小型有機ELパネル投資には停滞傾向が出始めました。

このような経済状況のもと、半導体分野では、需要拡大局面に合わせて出水事業所の稼働開始や電子ビーム溶接機の導入など生産設備の増強を前倒しで行うとともに、流動的人材を確保し、生産体制の強化を図ることで受注及び売上高は順調に拡大しました。FPD分野では、有機EL向けと第10.5世代液晶パネル向けの受注が拡大し売上高も順調に推移しました。費用面では、売上高の増加に伴い材料費と外注加工費も増加したことに加え、急拡大する半導体製造装置市場の需要に備えるために生産設備の増強や人材採用を積極的に進めていることで、減価償却費や労務費等が増加し製造原価は増加しました。また、半導体分野の一時的な停滞に関連し、8月に工場稼働率が停滞したことで期末棚卸高が減少し製造総利益率の悪化が見られました。販売費及び一般管理費につきましては、当初想定していなかったパイオニアプラズマディスプレイ株式会社からの出水事業所取得に伴い、登録免許税が平成29年12月に51百万円発生したほか、人件費が増加したことを主因に前期より196百万円増加しました。

この結果、当事業年度の業績は、売上高が4,588百万円(前期比51.2%増)、営業利益は1,234百万円(前期比61.4%増)、経常利益は1,211百万円(前期比64.3%増)、当期純利益は866百万円(前期比60.8%増)となりました。

なお、当社は精密部品事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,612百万円となり、前事業年度末と比較して186百万円増加しております。

主な要因は、営業活動によって獲得した829百万円のキャッシュ・フロー及び、有形固定資産の取得等を行った投資活動に伴う支出2,458百万円並びに長期借入金による収入及び株式の発行により財務活動によるキャッシュ・フローが1,814百万円であったことによるものであります。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、829百万円(前年同期は626百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益1,215百万円、減価償却費349百万円を計上したこと、利息の支払額17百万円、売上債権の増加による資金の減少325百万円、たな卸資産の増加による資金の減少149百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2,458百万円(前年同期は681百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,447百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、1,814百万円(前年同期は1,966百万円の獲得)となりました。これは長期借入れによる収入1,300百万円、長期借入金の返済による支出604百万円、株式の発行による収入1,309百万円、配当金の支払による支出190百万円等によるものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成26年

8月期

平成27年

8月期

平成28年

8月期

平成29年

8月期

平成30年

8月期

自己資本比率(%)

22.4

32.7

38.1

57.9

63.5

時価ベースの自己資本比率(%)

117.1

167.2

146.4

278.1

187.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

14.1

2.0

2.2

2.5

2.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

5.9

29.8

22.9

29.2

50.7

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業活動キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

③生産、受注及び販売の実績

当社は、精密部品事業の単一セグメントであるため、セグメントの記載に代えて製品分野別に記載しております。

a.生産実績

当事業年度の生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野別の名称

当事業年度

(自 平成29年9月1日

至 平成30年8月31日)

前年同期比(%)

半導体製造装置関連部品(千円)

3,390,323

154.8

FPD製造装置関連部品(千円)

1,048,997

136.2

その他(千円)

30,957

61.4

合計(千円)

4,470,278

148.5

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注状況

当事業年度の受注状況を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

半導体製造装置関連部品

3,534,804

142.6

675,620

122.4

FPD製造装置関連部品

1,031,998

112.0

239,899

89.3

その他

68,889

192.7

37,974

合計

4,635,692

134.9

953,494

116.2

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

当事業年度の販売実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野別の名称

当事業年度

(自 平成29年9月1日

至 平成30年8月31日)

前年同期比(%)

半導体製造装置関連部品(千円)

3,410,983

158.6

FPD製造装置関連部品(千円)

1,060,634

137.6

その他(千円)

117,245

103.0

合計(千円)

4,588,864

151.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成28年9月1日

至 平成29年8月31日)

当事業年度

(自 平成29年9月1日

至 平成30年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本発条株式会社

918,389

30.3

1,507,535

32.9

東京エレクトロン宮城株式会社

867,995

28.6

1,439,649

31.4

東京エレクトロン九州株式会社

262,563

8.6

543,126

11.8

 

3.最近2事業年度の主な輸出先、輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。

( )内は総販売実績に対する輸出高の割合であります。

輸出先

前事業年度

(自 平成28年9月1日

至 平成29年8月31日)

当事業年度

(自 平成29年9月1日

至 平成30年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

シンガポール

153,578

100.0

162,332

100.0

合計

153,578

(5.1%)

100.0

162,332

(3.5%)

100.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、原材料の購入や外注加工費の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社では、事業活動に必要な現金は安定的に確保することを基本としております。

当事業年度における各キャッシュ・フローの詳しい状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社の研究開発活動は、半導体及びFPD業界の先端技術分野の技術革新に対応していくための精密部品製造技術の研究開発及び将来の新規事業に向けた製品の研究開発の2つを進めております。

なお、当社の研究開発活動の主な内容は以下のとおりです。

①半導体製造装置関連部品及びFPD製造装置関連部品における新製品の試作提案、既存製品製造の高効率化研究や高精度加工の基礎技術研究

当社の高尾野事業所製造課R&Dグループにおいて、最新鋭の工作機械を使用し研究活動を行っております。研究開発スタッフは、6名体制で既存のマシニングセンタ及びNC旋盤のほぼ全般を扱える技術者です。

②新事業分野への参入としてリハビリ装置と作業筋力補助ロボットの研究開発

新規事業分野における研究開発は、より迅速かつ効率的な開発業務の遂行を目指すため、平成28年11月に開発部を新設しました。研究開発スタッフは、5名体制で行っております。

なお、リハビリ装置と作業筋力補助ロボットの研究開発は、平成27年12月より鹿児島大学大学院理工学研究科機械工学専攻の余研究室と共同で行っております。この共同研究の期間は複数年に及ぶ見通しです。

a.リハビリ装置…脳卒中の後遺症等による片麻痺に対して有効とされる促通反復療法を省人化・ロボット化するためのリハビリ装置を、鹿児島大学の独自の特許技術などを用いて実用化する研究開発を行い、装置の製品化を目指しております。進捗状況といたしましては、社内試験用の試作機を経て実証試験機が完成しております。現在は鹿児島市内の病院で実証試験を進めており、次の段階である装置販売や臨床試験に進めたいと考えております。

b.作業筋力補助ロボット…鹿児島大学の独自のパワーアシストロボット特許技術を用いることで、身体の移動や屈曲を伴う作業の身体負荷を軽減するための研究開発を行い、開発技術の実用化・製品化を目指しております。

研究開発全体について、今後の取り組みとしましては、引き続き既存分野への研究開発を進めるほか、新事業分野への参入としての研究開発では、まずはリハビリ装置の製品化を優先して行ってまいります。

なお、当事業年度の研究開発費の総額は40百万円となっております。