第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループの経営方針は、次のとおりです。

「素材と加工の技術力で社会に貢献する」

 

事業セグメントごとの経営理念等は次のとおりです。

①精密部品事業

1.技術は究極を目指し

2.競争と協調を尊び

3.技術注力企業として社会に貢献する

当事業セグメントでは、お客様が技術的に困られている部分に対して解決の手法を提供することで存在の価値を顕現してきました。技術的に困るということは一般に知られていない技術が必要であるということですから、その解決に向けては過去の手法を探すのではなく、問題の本質的な部分を検討することを特に重視して、その解決に向けて現段階で考えうる最良の技術要素を選択できることを意図しています。

一般的に解決しがたい問題は、当然当社にとっても難しい課題となりますが、社内では、時には競い合いながら、時には協力しながら課題に対峙していきます。

当社は、経済を支える“モノづくり”のなかで、モノづくりの源流である部品加工にこだわっていきます。そしてさまざまな分野で総合メーカーを支えられる企業となるために、先端技術と供給力を持つ「部品加工のリーディングカンパニー」を目指します。

②機能材料事業

「私たちは、地球上の大切な資源であるアルミニウムを、

私たちの技術、技能の向上を通じて、

より役に立つ姿に変えることにより、社会に貢献します。」

・当事業セグメントでは、半導体用アルミニウム材料の生産や、半導体製造装置を含む産業機械用の部品の製作・加工をコアに事業展開しております。そのため、半導体メーカーや半導体製造装置メーカー等の動向を注視しつつ、当社の製品・技術の強みを需要家に訴求する事業展開に努め、事業の安定化と成長を推し進めます。

(2)経営戦略等

当社グループは、「Fusion2028」と称して、2026年8月期から2028年8月期を期間とする中期事業計画を策定し、株式会社マルマエと2025年4月に株式取得したKMアルミニウム株式会社の統合作業及びシナジー創出に注力する方針です。

中期事業計画の基本的な戦略は、グループ2社が属する半導体分野の技術的なニーズをとらえると共に、両社の技術協力によって市場成長を超えるグループの成長を実現しようとするものです。

具体的な戦略は次のとおりです。

新素材・新技術の創出で顧客ニーズを取り込む

半導体製造工程のクライオエッチングに必要な低温対応素材の開発や、絶縁性の高いコーティングの開発を進める

消耗品受注拡大で安定成長を狙う

エッチング装置やCVD装置において、真空中で使用される高付加価値な消耗品であるESCや電極類の生産に必要な技術力を高め、受注を拡大する。結果として、半導体設備投資のみに左右されず、安定成長できる経営を目指す。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期事業計画「Fusion2028」を通して、生産手法や管理手法の革新を計る指標として投下資本利益率であるROICを採用し重要な経営指標として位置付けており、同中期事業計画の期間中にグループ全体でのROIC15%を目標としております。なお、当連結会計年度におけるROICは、6.7%であります。

 

(4)経営環境

当社グループの経営環境は、グループの属している市場環境に左右される一面を有しています。主な販売分野である半導体等の市場は景気変動に伴い大幅な需要の変動が起こります。これらの変動に対応するために、消耗品の受注拡大を行うとともに固定費の抑制を主な対応策としております。消耗品受注の拡大につきましては、通常の営業活動に加え、研究開発も積極的に進める方針です。また、固定費の抑制につきましては、需要の変動に対応するため、協力企業の育成と活用を行うことと、全社的にDX化を進める事で実現していきます。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①精密部品事業の課題

競争の激化と受注価格低下

当事業の属する業界は中小中堅の同業社が多く、厳しい競争のある業界です。参入障壁の低い案件は競争から価格は低下します。そのような業界のなかで、当事業セグメントでは、参入障壁の高い真空パーツへ取り組み受注拡大を狙い、また、独創的な加工手法や徹底的に行う生産性改善手法によりコスト低減を続け市場価格の低下に先回りした対応をしております。しかしながら、保有する技術の陳腐化が進むことから今後も継続的に技術開発を行う必要があります。そのため、当事業セグメントにおいてはR&Dの強化と人材育成に注力する方針です。

人の持つ技術力や営業力が最も重要な当事業セグメントの強みであるため、強みを持つ人材の安定化と育成が重要な課題となっております。しかしながら、継続的に改善が進みながらも、高い能力を持つ人材に頼る部分が多く、時間外労働や休日出勤の偏りが生じております。このような状況から、多様な勤務形態を構成することで個々の負担を減らし、社員満足度の向上と人材の安定化を図り、長期的な人材育成プランを実現していく方針です。

②機能材料事業の課題

当事業の属する事業環境においては、2022年度後半からの半導体関連市場は減速しており、特に半導体製造装置市場は米国の対中輸出規制の影響も加わり低迷しておりましたが、2024年を底に回復傾向にあります。

そのような環境認識を踏まえ、当事業セグメントの中長期ビジョンである「高付加価値アルミニウムを通じて変化する社会の発展に貢献する活力のある会社」の下、2026年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定しました。

この計画では、従来取り組んできた、事業ポートフォリオの最適化、生産性向上等を活かした、高収益体質の実現及びアルミ超高純度品・半導体装置部材市場における揺るぎないプレゼンスの実現に向けて以下を重点課題として取組んでまいります。

イ.高付加価値アルミニウム加工会社への変革と深化

ロ.あらゆる事業環境への対応できるレジリエント力の醸成

ハ.特定ユーザーに過度に偏重をしない顧客基盤拡充

ニ.先進的な製品の開発・投入による事業領域拡大に向けた取組みの強化・推進

ホ.設備の点検保全の強化、多能工化・人材教育、生産管理の強化等を通じたものづくり力の強化

ヘ.あらゆる局面でも収益確保しうる高収益体質の実現

ト.財務体質強化による自己資本強化と資産効率向上

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティの基本的な考え方

当社グループは、経営方針である「素材と加工の技術力で社会に貢献する」の実現に向け、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現とグループの持続的な企業価値向上を両立させる「サステナビリティ経営」を推進します。 当社グループの素材と加工の技術は、情報社会の発展と持続可能な社会の実現に不可欠なものです。これらの事業を通じて社会に価値を提供し続けるため、以下の基本方針に基づき、サステナビリティへの取り組みをグループ全体で推進します。

<サステナビリティ基本方針>

1.先端産業を支える技術と供給力で、情報社会の発展に貢献する

2.持続可能な社会の実現を目指す

3.誰もが活躍できる環境を整える

4.健全な経営基盤を確立する

(2)サステナビリティ全般に関する「ガバナンス」と「リスク管理」

  ①ガバナンス

気候変動課題を含むサステナビリティに関する課題への取り組みは、取締役会の監督のもと、ESG委員会を中心に推進しております。これらの課題は中長期的な経営課題への取り組みとなるため、経営陣がメンバーとして参画し、経営へのインパクトを高めています。委員長を女性社外取締役が務めることで社外の知見を入れて、議論の活性化を図っています。また、従業員メンバーは幅広い部門から選任し、現場からの課題意識や意見を課題解決に反映する体制としております。

<ESG委員会の構成と役割>

委員長 :社外取締役

メンバー:代表取締役社長、取締役、従業員10名(幅広い部門から選任)

開催頻度:原則月1回

主な責務:1.サステナビリティに関する重要課題の特定と対応方針の策定

2.サステナビリティリスク・対策の特定と評価、対応策の審議

3.サステナビリティ目標の設定とKPIのモニタリング

<取締役会との連携>

・ESG委員会の議論内容を月次で取締役会に報告

・取締役会からのフィードバックと指示に基づき、戦略を適宜調整

以上のように、サステナビリティ課題に対して全社的な推進体制を整備し、経営層が積極的に関与する形でガバナンスを強化しております。

なお、当社グループでは、2026年8月期よりグループ一体でサステナビリティ推進体制の整備を進めています。

提出会社及び主要子会社を含めたグループESG委員会の運営を本格化し、取締役会の監督のもと、ガバナンス・リスク管理・人的資本・環境対応を統合的にモニタリングする仕組みを構築中です。

現在は、KPI及びモニタリング体制の見直しを進めており、2026年8月期にその運用基盤を確立する予定です。

②リスク管理

ESG委員会は、気候関連を含むサステナビリティのリスク及び機会の管理を管掌しております。同委員会は全社的なリスク管理も担当し、サステナビリティ関連のリスク及び機会を組織全体の影響とともに評価及び管理しており、それぞれを短期・中期・長期の視点から、財務への影響度を定量的に評価しております。特に重要度が高いリスク及び戦略的に重要な機会については、対応策や実行計画を策定し、取締役会や関連部署と情報を共有しており、この対応の進捗状況はESG委員会によって継続的にモニタリングされております。リスク及び機会の評価は年に1回行われ、その結果は取締役会に報告され、必要な指示を受けております。

 

 

(3)サステナビリティに関する「戦略」と「指標と目標」

当社グループは顧客の厳しい要求に応える高度な技術力と安定した供給力を強みとしています。2030年に向けた長期ビジョンの実現と中期事業計画「Fusion2028」の達成に向けて、経営戦略および財務目標と連動したサステナビリティ戦略を展開しています。

特に人材は当社グループの技術力と供給力を支える最重要の経営資源であり、優秀な技術者の育成・確保や製造人材のスキル向上を戦略的に進めています。これらの人的資本への投資を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。

 

a.人的資本経営への取り組み

 当社グループは人的資本を、企業価値を構成する最重要価値と位置付け、事業競争力の源泉である人材の安定的な確保と育成を重要な経営課題として認識しています。この課題に対処するため、グループ全体の人材戦略として「人材育成方針」と「社内環境整備方針」を策定しました。

 

1.人材育成方針

グループの持続的な成長には、従業員一人ひとりが自律的にキャリアを形成し、能力を最大限に発揮できる環境が不可欠です。

● 技術開発力の強化と伝承

競争力の源泉である技術の陳腐化を防ぐため、技術開発を継続的に行います。グループの強みを維持・発展させるため、長期的な視点での人材育成に注力します。

● 多能工化と専門人材の育成

変化する事業環境に対応するため、多岐にわたる業務スキルを持つ多能工の育成を推進します。また、高度な技術や専門性を持つ人材を確保し、戦略的な配置を行うことで、グループの競争力を高めます。

● 対話を通じたスキル伝承と評価

上司と部下が日々の業務で対話を重ね、具体的な業務スキルを伝えていくことを人材育成の基本とします。これにより、従業員の多様な個性を活かし、働きがいのある職場を実現するための人事制度や体制を整備します。

2.社内環境整備方針

当社グループは、従業員一人ひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を整えることが、グループの持続的な成長の基盤であると認識し、以下の施策を推進します。

● 仕事と育児・介護の両立支援

育児や介護などのライフイベントに柔軟に対応できるよう、制度の充実を図ります。誰もが仕事とプライベートのバランスを保ちながら、長期的なキャリアを形成できる職場環境の整備に取り組みます。

● 従業員エンゲージメントの向上と対話の促進

従業員が働きがいと仕事に対する充実感を高められるよう、多角的なアプローチでエンゲージメントの向上を目指します。具体的には、上司と部下が業務を通じて対話を重ねる文化を醸成し、互いの成長を促します。また、エンゲージメントサーベイなどのツールも活用し、現状と課題を客観的に把握することで、効果的な改善活動を実行します。

● 心身の健康と安全への配慮

従業員の心身の健康維持と増進を目的とした環境整備を進めます。安全で快適な職場環境を確保するだけでなく、従業員同士の対話を促進し、心の健康にも配慮した取り組みを推進します。

 

b.人的資本に係る指標と目標

 当社グループは、事業の持続的な成長と企業価値の向上に向けて、人的資本の強化を経営上の重要課題として位置付けています。
 その取組の進捗を定量的に把握するため、以下の指標及び目標を設定し、ESG委員会において月次でモニタリングを行っています。

 なお、本表に記載の数値はすべて単体の実績及び目標値です。
 2025年4月に当社グループへ加わった主要子会社については、2026年8月期よりグループの人的資本に関する情報共有を開始し、モニタリング体制の整備を進めています。今後は、提出会社及び主要子会社を含めたグループ全体で、指標定義や目標設定の統一を図り、管理体制を強化していく予定です。

 

1.エンジニア育成の推進

当社の中核競争力である技術力と供給力を持続的に高めるため、エンジニアの育成を重点課題として位置付けています。高度な技術を有する人材を計画的に増やし、受注拡大と成長基盤の強化を図ります。

※当社では、従来「プログラマー」と呼称していた製造技術職を、2025年より「エンジニア」に呼称変更しています。

指標(単体)

目標

2023年8月期

実績

2024年8月期

実績

2025年8月期

実績

エンジニアの人数

2030年まで100育成

71名

70名

75

 

2.多様化の推進

多様な人材が参画し、それぞれの能力を発揮できる環境づくりは、人材の確保と定着を促進し、将来の人手不足リスクの低減につながります。多様性の推進は、組織内での知識共有と技術継承を促し、事業継続力の強化を通じて持続的成長に寄与します。

指標(単体)

目標

2023年8月期

実績

2024年8月期

実績

2025年8月期

実績

女性正社員比率

2030年まで20%以上

12.6%

13.1%

14.0

女性役職者比率

(GR長以上)

2030年まで18%以上

10.2%

16.0%

15.7

障がい者雇用率

継続目標3.00

2.86%

2.26%

2.62

 

3.仕事と育児・介護の両立

ライフステージに応じて働き続けられる環境を整えることは、従業員の定着率向上と熟練人材の蓄積につながります。柔軟な働き方の実現は、生産性と企業の信頼性向上に寄与します。

なお、2025年8月期を達成時期として掲げた目標(女性75%以上、男性30%以上)は男女ともに達成したため、今後は男女ともに75%以上の水準を維持することを新たな目標としています。

指標(単体)

目標

2023年8月期

実績

2024年8月期

実績

2025年8月期

実績

女性の育児休業取得率

2025年まで75以上

(達成)

100%

100%

男性の育児休業+育児目的休暇

2025年まで30以上

(達成)

100%

75%

100

 

4.働きやすさの改善

従業員の健康と生活の安定を支える福利厚生への投資は、安心して働ける職場づくりを促進し、集中力や創造性を高めます。働きやすい環境は長期的な企業価値の基盤となります。

福利厚生費は計画的に拡充を進めており、2025年11月に社員食堂が開設しました。これにより、次期には年間12万円/人の水準達成を見込んでいます。

指標(単体)

目標

2023年8月期

実績

2024年8月期

実績

2025年8月期

実績

一人当たり福利厚生費

2025年まで12万円/年

95,332円

100,309円

111,023

 

5.エンゲージメントサーベイ(新規目標)

従業員の意識や職場環境に関する意見を定量的に把握し、経営や人事施策に反映することで、組織の課題を早期に特定・改善します。

提出会社では2025年2月よりエンゲージメントサーベイの運用を開始し、2028年までに電気・機械業界の平均水準に相当するスコアの達成を目標としています。

定期的な測定と改善を通じて、エンゲージメントの向上と働きがいのある職場づくりを推進します。

なお、本取組は提出会社単体で実施するものであり、今後の運用状況を踏まえてグループへの展開を検討していきます。

 

他、マテリアリティ及びサステナビリティの戦略については統合報告書をご参照ください。

https://www.marumae.com/sus_report.html

 

c.気候変動対応

 当社グループは製造過程において、大量の電力及び化石燃料を消費しています。また、主要顧客である半導体業界においても、気候変動対応は重要な経営課題となっています。このような事業環境に加え、社会の一員として持続可能な地球環境への貢献も重要な責務と認識しており、当社グループは気候変動課題を重要な経営課題として位置付け、2040年のネットゼロ実現を目指しています。

 主要子会社での具体的な計画については、2026年8月期に策定し、モニタリングを行っていきます。

 

気候関連のリスク及び機会

分類

リスク・機会

当社グループへの影響

対応策

移行

リスク

政策・法規制リスク

・炭素税導入による製造コスト上昇

・環境関連の情報開示義務の厳格化

・自社発電比率の向上(2028年27%以上、2040年50%以上)

・環境情報開示体制の整備

市場リスク

・半導体業界全体のネットゼロ化による環境基準の厳格化

・顧客企業のサプライチェーン全体での環境負荷低減要求

・エネルギーコストの上昇

・製造プロセスの環境負荷低減

・サプライチェーン全体での排出量削減

・自社発電比率の向上(2028年27%以上、2040年50%以上)

技術リスク

・低炭素技術への移行による既存設備の陳腐化

・競合他社の環境技術革新による競争力低下

・省エネ設備への計画的な更新

・AIやIoTを活用した製造プロセスの最適化

評判リスク

・環境対応の遅れによる企業評価の低下

・ステークホルダーからの評価低下

・環境情報の積極的な開示

・環境目標の設定と進捗管理

・ステークホルダーとの対話強化

物理

リスク

急性リスク

・台風・豪雨による設備被害や操業停止

・サプライチェーンの寸断

・事業継続計画(BCP)の強化

・設備補強

・機動的な生産システムの構築

・サプライチェーンの多様化

慢性リスク

・平均気温上昇による冷却需要の増加

・従業員の健康への影響と生産性低下

・高効率の空調システムの導入

・作業環境の改善

機会

資源効率

・エネルギー効率の高い製造プロセス導入によるコスト削減

・空調及びポンプの高効率化

・生産プロセスの効率化

エネルギー減

・再生可能エネルギーの導入による環境負荷低減

・エネルギーコストの安定化

・2028年までに自社発電再エネ比率27%以上

・2040年までに50%以上を目指す

市場

・環境考慮による競争優位性の確保

・顧客からの評価向上

・サプライチェーン全体でのGHG排出削減の取り組み

・顧客の環境要求への早期対応

レジリエンス

・気候変動対応による事業継続性の向上

・サプライチェーンの多様化・強靭化による調達リスク低減

・事業継続計画(BCP)の強化

・サプライチェーンの多様化

 

気候変動関連のリスクと機会への対応(単体)

 当社は、2040年までのネットゼロ達成に向けて、以下の段階的な取り組みを実施しています。

2024年8月期

・取締役会でのGHG削減計画の審議

・排出量削減計画の見直しと具体的施策の策定

2025年8月期

・太陽光発電設備500kWの増設及び蓄電池設備の発注

2028年8月期までの取り組み

・全事業所への太陽光発電・蓄電池の前倒し導入(投資総額6.4億円)

・太陽光発電設備設置容量3,400kW以上の達成

・蓄電池容量2,500kWhの整備

・自社発電比率27%以上の実現

2040年に向けた長期戦略

・再生可能エネルギーへの継続的投資

・自社発電再エネ比率50%以上の達成

・サプライチェーン全体でのGHG排出削減施策の展開

 

d.気候変動に係る指標と目標

1.GHG排出量

・基準年度(2024年度)の排出量を基準として設定

・2040年度までにネットゼロを達成

2.再生可能エネルギー導入

・太陽光発電設備:3,400kW以上(2028年度)[実績:1,487kW(2025年8月期)]

・蓄電設備容量:2,500kWh(2028年度)

・自社発電比率(単体):27%以上(2028年度)、50%以上(2040年度)[実績:13.3%(2025年8月期)]

 

これらの目標達成に向けて、取締役会及びESG委員会による定期的なモニタリングと施策の見直しを実施します。

気候変動課題に関する詳細については、統合報告書及びCDP質問書への回答をご参照ください。

●統合報告書:https://www.marumae.com/sus_report.html

●CDP質問書への回答:https://www.marumae.com/img/sustainability/pdf/cdp.pdf

また、温室効果ガス排出量の数値につきましては、以下のページをご参照ください。

●ESGデータ:https://www.marumae.com/sus_3.html

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループの業績は多岐にわたる変動要因の影響を受ける可能性があります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)主要市場での需要の急激な変動について(発生可能性:中 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは、主に半導体業界及びFPD業界を対象として、その生産ラインで用いられる各種生産設備部品及び部材やアルミニウム材料の製造・販売を行っていますが、半導体業界におきましてシリコンサイクル、FPD業界におきましてクリスタルサイクルと呼ばれる業界特有の好不況の波が存在します。

当社グループにおきましては、メーカーの設備投資動向に左右されない消耗品などの安定的な販売が見込める分野の受注に注力するなどの対策を行い、業績への影響を最小限にすべく努力しております。

しかしながら、これらの景気変動によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(2)景気変動に関するリスクについて(発生可能性:中 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループの販売する各種生産設備部品及び部材は、日本国内で利用される製品だけでなく、顧客の製品に組み込まれて海外に輸出される製品も含まれています。そのため、日本の景気動向だけではなく、世界的な景気後退により大きな影響を受けることがあります。米中貿易摩擦の長期化、ロシアによるウクライナへの侵攻、環境問題、政治又は経済要因等、何らかの理由で国内外の景気が下振れした場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(3)のれんの減損に関するリスクについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは、企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上しております。借入に際しては財務制限条項(コベナンツ)を設定し、減損リスクへの対応を図っておりますが、今後の事業環境の変化等により期待する効果が得られない場合は、当該のれんについて減損損失を計上することになり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。なお、連結会計年度末の残高は4,696百万円となっております。

(4)特定の取引先への依存について(発生可能性:中 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当連結会計年度の販売実績上位3社の構成比率は、50.0%となっております。

これらの主要販売先との間では、今後も継続的な取引が見込まれることと、1社当たりの依存度を減らす方針に基づき新規の取引先拡大に向けた営業を展開しておりますが、何らかの要因でこれらの主要な販売先との取引が縮小した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(5)価格競争について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループの属する精密部品事業の業界は、多数の同業他社がひしめく、非常に参入業者の多い厳しい競争のある業界です。それらの精密部品群のなかでも当社グループは、高付加価値部品を得意分野としております。

機能材料事業は、半導体製造装置向けアルミニウム部材を主力としております。主力製品は競合他社が少なく、現状では価格競争が生じにくい一方で、徹底したコスト改善による原価低減、品目別の原価・品質管理の強化により、コスト競争力の維持・向上を図っております。

しかしながら、今後は他社との競争が激しくなり、価格の下落を加速させる可能性があります。あるいは、為替相場の変動によって海外の同業他社との競争力が落ちる可能性があります。

これら競争の激化により、価格競争力を維持できなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(6)人材確保について(発生可能性:中 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループの継続的な事業運営において、将来的なビジョンを見据えた上での人材確保・育成は必要不可欠なものと認識しております。当社グループは、新卒採用強化のほか、成果と連動した報酬制度や休日数の見直しを行い、働き方や価値観の多様化に対応した人事制度の構築や労働環境の整備に取り組んでおります。また、人材の育成については、各種資格の取得支援や各種研修・教育を実施しております。しかしながら、人材を適時確保できない場合や人材が大量に社外へ流出してしまった場合、あるいは育成等が計画どおり進まない場合には、必要な人材を確保することが困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7)原材料等の調達に関するリスクについて(発生可能性:中 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは、アルミ等を原材料とした製品を製造しておりますが、円安・地政学リスク等により当社グループの使用する原材料価格が上昇しております。機能材料事業におきましては、超高純度アルミ製品の原料を調達しておりますが、特に当該製品に用いる原料(6Nインゴットや特定規格のインゴット等)は、品質要件の特性から供給メーカーが事実上限定されており、市場の寡占性に起因して価格及び供給の変動性が高い状況にあります。当社グループは、工程管理と原価削減の徹底を図り、複数の取引先と契約を結び安定的な調達・供給を心がけておりますが、予想以上の材料価格の急騰や長期にわたって高騰が続くことにより、原材料価格の高騰分をコスト削減などで吸収できず売価に転嫁できない場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(8)情報セキュリティに関するリスクについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは事業全般において様々なコンピューターシステム及びITネットワークを活用しております。このため、ISO27001を取得するとともに、各種情報セキュリティ管理規程を定め、全ての役員及び従業員等に対する情報の取り扱いについて規範を定め、全社を対象にした情報セキュリティ委員会を立ち上げ組織的強化を図ることで、情報セキュリティの対策を実施しています。

しかしながら、人的ミス、機器の故障、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等により情報通信システムに不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、顧客データ等の情報流出等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(9)部品製造技術等のノウハウについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループが有する部品製造技術のノウハウの一部は、CAD/CAM等のデータとして保管され、パスワードによるデータへのアクセス制限やデータ消失に備えたネットワークストレージへのバックアップなどを行っております。

また、複雑形状加工技術、工作機械制御技術及び新素材加工技術など業界の動向に対応した技術の開発及び獲得のため研修を行い技術力の維持・向上に努めております。

しかしながら、当社グループが有する部品製造ノウハウの流出又は消失が起こった場合や業界の動向に対応した技術の開発及び獲得が遅れた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(10)当社グループ製品に不具合が生じた場合について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは全生産拠点において国際品質規格であるISO9001を取得するとともに、社内において品質管理体制を確立しておりますが、種々の要因により不良品の発生の可能性があります。

当社グループ製品に何らかの不具合が発生した場合には、当社グループ及び当社グループの部品製造技術に対する信頼が著しく損なわれる可能性があり、また、設計上の欠陥、製造時の欠陥により、エンドユーザー等より製造物責任を追及される可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(11)研究開発(R&D)について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループは自社事業の生産性向上と新技術開発及び新たな事業の創出などを目標としてR&D活動を実施しておりますが、活動が停滞した場合は、利益率の低下や投下資金の回収ができず、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(12)財産権等について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループは、他社の特許権等の知的財産権を侵さないよう細心の注意を払い、受注と技術開発にあたっていますが、第三者の特許権等の知的財産権を侵害するとして損害賠償等の請求を受ける可能性があります。

また当社グループが所有している特許においては特許が侵されるリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(13)今後の資金調達について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは、事業活動の拡大を図るための設備投資等の資金需要に対し、主に金融機関等から資金調達をしております。資金調達については、金融機関との間で信頼関係を築いており、今後も必要な資金につきましては、調達可能と考えておりますが、適切な時期に金融機関等からの資金調達ができない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(14)今後の設備投資計画について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループは、生産能力拡大のため継続的な設備投資を実施しておりますが、新たな設備が計画通りに稼働しない場合や想定通りの受注が取れないなど計画と乖離する場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(15)有利子負債依存度について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループは、金融機関からの借入を中心に資金調達を行っており、一部の借入は変動金利であります。したがいまして、金融環境の変化等により借入金利が上昇した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末における有利子負債が13,531百万円、総資産に対する有利子負債依存が53.2%となっておりますが、現金及び預金を4,252百万円保有していることから、実質有利子負債は9,278百万円、総資産に対する有利子負債依存度は36.5%となっております。

(16)企業買収・資本提携・事業譲受(M&A)について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループは、半導体、FPD、IT器材、半導体装置部材、基礎素材の各分野を主な販売分野としておりますが、これらの分野は景気変動の幅が大きいことから、新しい分野への営業を拡大する目的と、既存分野での新しい顧客開拓や新技術獲得にむけてM&Aも選択肢として進める方針であります。しかしながら、M&Aによって財務バランスが崩れたり、取得した企業及び事業が期待通りの成果を上げられなかった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(17)減損会計について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として事業所単位を基本とした資産のグルーピングを行っております。

今後の市場環境の悪化等の要因により、当社グループの事業用資産が減損会計適用の検討対象となり、当社グループの事業所において営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスになった場合や、保有する固定資産の市場価格が著しく下落した場合など、固定資産の減損会計の適用により追加の特別損失や営業外費用の計上が必要となる可能性があります。

(18)見込生産について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループの精密部品事業は、主として個別受注による受注生産を行っておりますが、近年顧客からの納期短縮要請が年々強まっており、受注のリードタイムより製造のリードタイムが長い製品については、顧客からの発注見込情報等により受注確度が高いと判断した場合に、材料の先行手配と見込生産を行っております。最終的に受注に至らない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(19)受注契約案件の採算性に関するリスクについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

受注契約案件のうち、期末時点で将来の損失が見込まれ、かつその損失を合理的に見積もることが可能なものについては、受注金額が帳簿価額に見積追加製造原価を加味した見込製造原価を下回る場合に当該差額について受注損失引当金を計上しております。また、見込生産している仕掛品については、受注見込金額から見積追加製造原価を控除した正味売却価額が帳簿価額を下回る場合に当該差額を棚卸評価損として計上しております。当社グループは、受注案件別に採算性を管理しており、低採算案件や原材料価格等の高騰により採算の悪化が見込まれるものについては、受注金額の交渉や製造工程の見直しによる製造原価の低減を行っておりますが、需要低迷による稼働率の低下が生じた場合は、製造原価の単価上昇により、不採算案件が増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(20)繰延税金資産について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループは、将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っていますが、将来の課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産を減額することで、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(21)為替相場の変動について(発生可能性:大 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループの当連結会計年度における外貨建取引比率は5.2%となっております。

為替相場の変動状況によっては、販売時と入金時の為替相場の変動による損失の計上や、外貨建資産負債の為替換算差損の計上が起こるほか、当社グループ顧客とその最終仕向国との間の為替変動による実質価格の変動が当社グループ顧客の受注状況に影響を受ける可能性等、今後の当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(22)大規模災害等に係るリスクについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:大)

当社グループの生産拠点は、鹿児島県出水市、埼玉県朝霞市及び福岡県大牟田市に所在しており、その主要設備の多くを鹿児島県出水市及び福岡県大牟田市に所有しております。当該地区において風水害や地震等の自然災害が発生した場合や当社グループ鹿児島県出水市内の事業所の30km圏内にある川内原子力発電所に災害等が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(23)労働災害に係るリスクについて(発生可能性:中 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループの事業は、クレーン、フォークリフト、大型機械、ロボットの操作、製品溶接等の危険を伴う作業が含まれております。当社グループは、当該状況を踏まえて安全管理の徹底を図り、労働災害及び事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意を払うように努めております。しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や重大な事故が発生した場合、労働災害及び事故に伴う補償問題が生じる可能性があるほか、社会的な信用及び販売先からの信用を失うことに繋がり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(24)土壌汚染等の環境リスクについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループが保有する出水事業所及び大牟田工場の一部の土地に土壌汚染対策法に定められた基準値を超える土壌汚染物質が存在しております。現時点においては対処不要の旨を県と確認しておりますが、汚染物質の対策等が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(25)ESGに関するリスクについて(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループは、ESGへの取組を経営上の重要課題として認識し、2028年までに当社グループの精密部品事業に属する全事業所のすべての屋根にパネルを設置し、蓄電池を導入するとともに、2030年までに限界利益当たりのCO排出量を5割以上(2021年比)削減し、2040年にはカーボンニュートラルを目指します。機能材料事業におきましては、2030年までにCO排出量を4.6割(2013年比)削減する目標を掲げております。また、取締役の多様性を推進する方針等を打ち出すなど積極的に取り組んでおりますが、ESGへの取組が市場の期待に対し十分かつ適切でなかった場合、当社グループの事業価値や受注に影響を及ぼす可能性があります。

(26)業績予想の修正について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:中)

当社グループが上場する金融商品取引所の規則に基づいて公表する業績予想は、公表時点における入手可能な情報に基づき判断したものであります。したがいまして、国内外の経済環境が変化した場合や予想の前提となった条件等に変化があった場合は、業績予想を修正する可能性があります。

(27)配当政策について(発生可能性:低 発生時期:特定時期なし 影響度:小)

当社グループは、株主に対する利益還元につきましては、重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財務状況を勘案しつつ、配当による株主への利益還元に努める方針としております。今後につきましても会社業績の動向に応じて株主への利益還元に取り組む方針でありますが、当社グループの事業が計画通りに進展しない場合など、当社グループの業績が悪化した場合には、配当の実施をしない、あるいは予定していた配当額を減ずる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度における業績は、売上高が11,403百万円、営業利益は2,103百万円、経常利益は1,936百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,355百万円となりました。

なお、当連結会計年度は連結財務諸表の作成初年度であるため、前連結会計年度(前事業年度)との比較分析は行っておりません。

 

事業セグメントごとの概要につきましては、次のとおりであります。

(精密部品事業)

売上高は7,709百万円、セグメント利益は1,823百万円でした。

(機能材料事業)

連結を開始した4月から8月までの5か月間における売上高は3,693百万円でした。

また、のれん償却額125百万円を控除した後のセグメント利益は385百万円となりました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年セグメントの数値は相当するセグメント区分へ変更しております。

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、25,423百万円となりました。

流動資産は、10,477百万円となりました。主な内容は、現金及び預金4,252百万円、売掛金2,360百万円、仕掛品1,826百万円等であります。

固定資産は、14,945百万円となりました。主な内容は、建物及び構築物2,183百万円、機械装置及び運搬具4,387百万円、土地2,503百万円、のれん4,696百万円等であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債総額は、17,271百万円となりました。

流動負債は、4,623百万円となりました。主な内容は、買掛金1,384百万円、1年内返済予定の長期借入金1,356百万円、未払法人税等646百万円、その他流動負債821百万円等であります。

固定負債は、12,648百万円となりました。主な内容は、長期借入金12,000百万円であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、8,151百万円となりました。主な内容は、資本金1,241百万円、資本剰余金1,964百万円、利益剰余金5,394百万円等であります。自己資本比率の割合は32.1%となりました。

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,252百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、3,058百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,935百万円、減価償却費1,053百万円を計上したこと、売上債権の増加による資金の減少288百万円、棚卸資産の増加による資金の減少431百万円、仕入債務の増加334百万円、その他流動負債の増加233百万円、法人税等の支払額255百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、9,708百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,499百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出8,187百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、7,875百万円となりました。これは長期借入れによる収入10,840百万円、長期借入金の返済による支出2,664百万円、配当金の支払額443百万円等によるものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標のトレンドは下記のとおりです。

 

2025年8月期

自己資本比率(%)

32.1

時価ベースの自己資本比率(%)

80.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

4.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

28.9

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業活動キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

④生産、受注及び販売の実績

当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

日本発条株式会社

2,894,196

25.4

東京エレクトロン宮城株式会社

1,683,067

14.8

(注)1.主な相手先別の販売実績のうち、各事業年度における当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社は2025年4月にKMアルミニウム株式会社(以下、KMACという)の株式を取得するとともに同社を含めたグループとして連結会計に移行いたしました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が11,403百万円、営業利益は2,103百万円、経常利益は1,936百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,355百万円となりました。

2025年4月から8月にかけては、KMACの売上高3,693百万円が連結に加わり、業績の向上に寄与しました。一方で、のれん償却125百万円が発生したほか、同社株式の取得に関連して、営業費用として83百万円(アドバイザリー費用等)および営業外費用として60百万円(シンジケートローン契約に係るアレンジメントフィー)の一時費用が発生しました。さらに、株式取得資金の調達に伴う支払利息の増加額は74百万円となりました。

当社は、長期ビジョンとして「最先端技術でイノベーションをリードする」という方針のもと、2030年度までに売上高300億円、営業利益90億円を達成する目標をたて、今回のKMAC株式の取得も、その一環として行いました。

KMACの連結に伴い、中期事業計画を新たに策定しました。本計画では、2028年8月期までにグループ売上高250億円、営業利益56億円の達成を目標としております。また、セグメント別の営業利益率目標を設定し、精密部品事業では30%、機能材料事業では18%を目指します。さらに連結ROICの目標値を15%といたしました。

当社グループの当期業績は、各セグメントが属する市場環境の好調さも追い風となり、当初想定を上回る堅調な滑り出しであると評価しております。

事業セグメントごとの成績につきましては、次のとおりであります。

(精密部品事業)

当セグメントの業績につきまして、半導体分野では、主に半導体製造のエッチング工程やCVD工程で使用される半導体製造用消耗品の需要動向に左右されます。同部品群は、半導体製造装置の心臓部に使用される真空パーツであり、顧客である半導体装置メーカー等を経由して、エンドユーザーの各半導体工場へ出荷されます。また、当事業では、エッチング装置やCVD装置、あるいはコーターデベロッパ等の前工程半導体製造装置の構成部品である真空チャンバーや、消耗品を含むチャンバー内臓物の真空パーツ、あるいは、ボンディング装置部品など後工程部品も製造しており、それらは半導体メーカーの設備投資に連動いたします。当期においては、半導体工場の稼働率が一部メーカーを除き、全般的に向上したことと消耗品の在庫が改善したこともあって、消耗品の需要は大幅に回復いたしました。

特に、セラミック等を使用する静電チャック等の消耗品は、通常の装置部品と違い、顧客の装置メーカー以外にも、セラミックメーカー、ヒーターメーカー、デバイスメーカーなど、商流の中間にも在庫が積みあがることから、一旦需要が停滞すると、在庫調整が長引く傾向があります。2023年以降の在庫調整も、そのような事情で在庫調整が長引きましたが、当期におきましては、一部ロジックメーカー向けを除きおおむね過剰在庫は解消したと想定しております。一方で、前工程半導体製造装置部品につきましては、2023年以降、中国におけるレガシーロジックおよびメモリ設備投資が拡大する一方で、それ以外の設備投資は2024年まで停滞が続きました。2025年に入り、AI需要に関連しロジックファンダリやHBM DRAMの設備投資に明るさが出始めました。

当事業の半導体分野につきましては、このような事業および市場背景の中で、シェアの拡大もあり消耗品受注が急回復いたしました。また、前工程半導体装置部品につきましては、2023年以降には2022年のピーク時から7割も減少する状態が続いておりました。なお、2025年8月期の前工程向け装置部品の売上はピーク時の半分程度にとどまりながらも期末にかけて改善傾向が見られ始めました。このように、前工程製造装置の部品は回復が遅れながらも、半導体製造用消耗品の市場回復およびシェアの拡大によって、当事業の半導体部門としては大幅な改善がみられました。

FPD分野におきましては、当事業では、エッチング装置およびイオン注入装置等の真空チャンバーなど装置部品を生産しております。当期は中国向けのG6およびG8 OLEDの設備投資が継続しておりましたが、設備投資に一服感が出たことから、当期第4四半期には売上高の停滞がありました。今後につきましては、2025年年内は出荷が停滞しながらも、2026年にはOLED向けの投資拡大および、一部でG10.5液晶向けの投資が再開することなどで、市場の再拡大が見込まれます。

その他分野におきましては、半導体分野およびFPD分野の余力を活用し、太陽電池(PV)製造装置など異分野の受注を行っていましたが、足元では、PVの市場環境も落ち込んでいる上に当社生産キャパの余力も少なく、受注は停滞しました。今後につきましては、防衛省向けの案件に対して、すでに窓口を持つ同業者と協力しながら受注活動を行っていく方針を持っております。

費用面につきましては、当初の予想を上回る受注の増加に伴い、材料費や外注加工費などの変動費が増加いたしました。さらに、増産に向けた人材確保と既存社員への処遇改善のための給与のベースアップを実施する等、人材投資に積極的に取り組んだことで固定費は増加いたしましたが、設備稼働率の上昇により原価率が改善し、棚卸が増加したうえで受注損失引当金及び棚卸評価損が19百万円減少いたしました。

これらの結果、売上高が7,709百万円、営業利益は1,823百万円となり、営業利益率は大幅に改善いたしました。

(機能材料事業)

当セグメントにつきましては、IT器材では、主に半導体製造のスパッタリング工程で使用されるアルミターゲット用の超高純度アルミ材料を製造し、ターゲットメーカーへ販売しております。当社のアルミターゲット材は、自動車等に使用されるレガシーロジック半導体のほか、HBM DRAM等の先端メモリにも使用されており、足元では需要が拡大傾向です。当期におきましては主力のターゲット材料が好調だったほか、半導体装置用消耗品の表面処理の需要が堅調で、売上高は当初想定よりも上振れて推移いたしました。

次に、半導体装置部材分野では、主に、低圧鋳造技術を使い半導体エッチング装置用の鋳物真空チャンバーを製造しております。当製品は2021年から2022年にかけて、市場の需要が格好であった時期に顧客の需要増加に対応するため、生産能力の拡大をした一方、2023年に市場の急減速が起こるなかでも、顧客による調達先保護の方針もあり、一定程度の生産の維持が行われました。結果として、2023年に過剰な在庫が客先装置メーカー等に積み上がり、2024年から当期にかけても積み上がった過剰在庫を消化中であります。現状は、市場の実需に関係なく、一定の水準で出荷を行いながら、在庫の解消を行っていますが、変動する市場環境の中で在庫解消が長引いていました。そのような背景から、半導体装置市場には連動せず、低水準ながらも一定程度の売上高を維持して推移いたしました。

基礎素材分野ですが、同分野では電解コンデンサ用材料や、ハードディスク記憶装置(HDD)用材料、あるいは小口素材販売を行っております。電解コンデンサ材料やHDD材料は、圧延メーカーを直接の顧客として、一定期間の価格と出荷量を顧客と交渉し取り決めながら生産と出荷を行っています。また、国内外に競合企業があります。当社は品質を強みとしておりますが、ターゲット材料ほどの高純度は求められないことから、当社グループの強みが活かしにくく、低単価な業界です。そのような背景から、取引額は多く安定的ではありながらも、利益率は低い分野となっております。しかしながら、他分野で使用する材料の余剰材の活用ができることもあり、目に見えにくい業績貢献がある分野でもあります。

これらの結果、連結を開始した2025年4月から8月の当セグメントの成績は、売上高が3,693百万円となり、のれん償却額125百万円を控除した後の営業利益は385百万円となりました。

②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度末における総資産は25,423百万円、純資産は8,151百万円であり、自己資本比率は32.1%となっております。前会計年度末の総資産は11,464百万円、純資産は7,163百万円であり、総資産は大幅に増加いたしました。この増加は、主として当連結会計年度中にKMACの株式を取得し連結子会社化したこと、ならびに当該株式取得資金を金融機関より調達したことによるものであります。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は10,477百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金4,252百万円、売掛金2,360百万円、仕掛品1,826百万円等であります。当社グループでは市場の停滞期に備え手元流動性を高める方針を持っております。当連結会計年度末における現金及び預金4,252百万円は、グループ全体における足元の月次運転資金等を鑑みて適性範囲だと判断しております。棚卸資産におきましては、高水準な受注残や顧客要望による半製品在庫の増加に加え、設備投資の進捗により減価償却費が増加した結果、固定費単価が上昇し、1製品あたりの在庫金額も増加傾向にあります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は14,945百万円となりました。主な内訳は、建物及び構築物2,183百万円、機械装置及び運搬具4,387百万円、土地2,503百万円、のれん4,696百万円等であります。KMAC株式の取得に伴い発生したのれんについては、同社の事業状況および収益水準等を総合的に勘案し、16年の期間で償却する方針としています。年間の償却額は約300百万円程度となる見込みですが、グループ全体の営業利益水準およびKMACの業績水準を踏まえ、十分に回収可能な範囲であると判断しております。

(負債)

当連結会計年度末における負債の残高は17,271百万円となりました。主な内訳は、長期借入金12,000百万円、1年内返済予定の長期借入金1,356百万円、買掛金1,384百万円等であります。連結子会社であるKMX株式会社において、総額9,700百万円の資金調達を実施いたしました。その内訳は、最終返済期日を2032年1月末日とする元金均等返済のタームローン4,850百万円および同日一括返済のタームローン4,850百万円の2契約であります。
また、KMACの運転資金確保を目的として、極度額600百万円のコミットメントライン契約を取引金融機関と締結しております。これらのローン契約には財務制限条項(コベナンツ)が設定されております。主な内容は、2025年8月期以降の各連結会計年度末において2期連続で連結ベースの営業利益が赤字とならないこと。各連結会計年度末の連結純資産額が直前期末の50%以上を維持することであります。これらの条項における判定に際しては、のれんの償却および減損の影響を除外する条件となっており、のれんに起因する財務上のリスクを軽減した契約内容となっております。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高8,151百万円となりました。主な内訳は利益剰余金5,394百万円であります。当社は従前より、財務健全性の指標として自己資本比率50%程度を目安としてまいりましたが、KMACを連結子会社化したことにより、一時的にこの方針を見直しております。当連結会計年度末の自己資本比率は32.1%となり、前会計年度末(単体ベース)の自己資本比率62.5%から低下いたしました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,252百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末の営業活動によるキャッシュ・フローは、3,058百万円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,935百万円、減価償却費1,053百万円を計上したこと、売上債権の増加による資金の減少288百万円、棚卸資産の増加による資金の減少431百万円、仕入債務の増加による資金の増加334百万円、その他流動負債の増加による資金の増加233百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末の投資活動によるキャッシュ・フローは、9,708百万円の使用となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,499百万円、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出8,187百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末の財務活動によるキャッシュ・フローは、7,875百万円の獲得となりました。これは長期借入れによる収入10,840百万円、長期借入金の返済による支出2,664百万円、配当金の支払額443百万円等によるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金調達)
 当社グループは、運転資金並びに研究開発等の資金需要は自己資金を原則としておりますが、必要に応じて銀行借入等からの短期借入金により資金を調達しております。また、設備投資資金におきましては、獲得した営業キャッシュ・フローを活用するとともに減価償却期間に対応する期間で金融機関から借入を行っております。

 当連結会計年度においては、株式取得に伴い金融機関とタームローン契約を締結し97億円を、設備投資資金として12億円を調達いたしました。また、運転資金を確保するため極度額6億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、タームローン契約は変動金利であり、借入初年度の支払利息は約200百万円見込んでおります。金利変動のリスクについては、借入額のうち48.5億円に対して金利スワップ契約を締結し、将来の金利上昇リスクをヘッジする対策を行っております。

(設備投資)
 当社グループは、現中期事業計画において成長に向けた積極的な設備投資を計画しております。
精密部品セグメントにおきましては、売上高120億円の達成を目標としており、その実現に向けて3年間で約20億円程度の設備投資が必要と見込んでおります。また、機能材料セグメントにおきましては、ターゲット材料の拡販に向けた新工場の建設および既存工場の改修を計画しており、3年間で約22億円程度の投資を予定しております。これらの投資については、市場環境を注視しながら、計画的かつ段階的に実施してまいります。
これらの設備投資の資金需要につきましては、設備投資資金の約6割を金融機関からの長期借入金で賄い、残額を営業キャッシュ・フローにより充当する方針であります。

(株主還元)
当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の最重要課題の一つと位置づけており、現中期事業計画においては配当性向35%以上を目標としております。今後もこの水準を維持しつつ、成長に向けた投資とのバランスを取りながら、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。
当連結会計年度における株主還元は、主として配当によるものとし、自社株式の取得は予定しておりませんが、自社の業容に関連しない急激な株価変動等が生じた場合には、機動的に自社株買いを検討することとしております。

(資金運用方針)
当社グループは、急激な市況変動に備えるため、一定水準の手元流動性を確保しておく方針を有しております。そのため、手元資金に余裕がある場合でも、設備投資の一部には金融機関からの借入を活用するなど、資金の効率的な運用を図っております。また、設備投資には償却期間に見合った長期借入金を充当し、日常的な運転資金については自己資金および短期借入金を活用することにより、資金の流動性および健全な財務体質の維持に努めております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

5【重要な契約等】

(KMアルミニウム株式会社の株式取得)

 当社は2025年3月4日付「KMアルミニウム株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」で公表しましたKMアルミニウム株式会社の株式取得に関し、2025年3月4日開催の取締役会で決議し、当社が100%出資する新設SPC(特別目的会社)「株式会社KMX」において2025年4月8日付で株式譲渡契約を締結、同日付で同社の発行する株式の100%を取得いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りであります。

 

(借入契約)

 当社は2025年3月21日付「資金の借入に関するお知らせ」で公表しましたKMアルミニウム株式会社の株式購入資金及び同社の運転資金として、2025年3月21日開催の取締役会で決議し、同日当社が100%出資する株式会社KMXにおいて金銭消費貸借契約を締結いたしました。

1.借入の概要

 

タームローンA

タームローンB

コミットメントライン

借入人

株式会社KMX:当社が100%出資するSPC(特別目的会社)

借入先

株式会社鹿児島銀行 他3行

契約日

2025年3月21日

借入日

2025年4月8日

借入金額

4,850百万円

4,850百万円

極度額600百万円

資金使途

KMアルミニウム株式会社の株式購入資金

及び付随する資金

KMアルミニウム株式会社の運転資金

金利

基準金利+スプレッド

※一部に金利スワップを設定

基準金+スプレッド

最終返済期日

2032年1月末日

返済方法

元金均等

期日一括

随時返済

担保

KMアルミニウム株式会社が保有する不動産(土地・建物)

保証

当社及びKMアルミニウム株式会社の連帯保証

 

2.財務上の特約

①2025年8月末日に終了する連結会計年度(当該連結会計年度を含む。)以降の各連結会計年度末日において2期連続で当社連結ベースでの営業利益(ただし、のれん償却前とする。)が赤字とならないよう維持する。

②2025年8月末日に終了する連結会計年度(当該連結会計年度を含む。)以降の各連結会計年度末日における当社連結ベースでの純資産の部(ただし、新株予約権、非支配株主持分及び繰延ヘッジ損益を控除する。また、本株式取得に係るのれん償却費及び減損処理を実施した場合における当該減損額を足し戻す。以下本号において同じ。)が直前に終了した連結会計年度末日の純資産の部の50%以上の金額であるよう維持する。

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、先端技術分野である半導体及びFPDにおける技術革新への対応を目的とした精密部品製造技術の研究開発、将来の新規事業に向けた製品の研究開発、業務効率化を目的とした社内基幹システム開発・DX推進、鋳造技術の向上及び改善に寄与する、素材特性向上の開発などを行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は99百万円であります。

また当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の概要は、以下のとおりです。

 

(精密部品事業)

①半導体製造装置関連部品及びFPD製造装置関連部品における新製品の試作提案、既存製品製造の高効率化研究や高精度加工の基礎技術研究

高効率化研究や高精度加工基礎技術研究のより効率的な業務の遂行を目指すため、出水事業所技術課R&Dグループにおいて、最新鋭の工作機械を使用し研究活動を行っております。研究開発は14名体制で行っており、既存のマシニングセンタ及びNC旋盤のほぼ全般を扱える技術者です。

②新事業分野への参入としての研究開発

新規事業分野における研究開発は開発部開発課技術開発グループにおいて、研究開発は7名体制で行っております。

リハビリ装置の研究開発は、2022年5月より鹿児島大学余永名誉教授と技術顧問契約を締結し、共同研究を行っております。この技術顧問契約の期間は複数年に及んでおります。また、2025年4月より、鹿児島工業高等専門学校谷口准教授と共同研究を開始し、一般使用者への販売を想定した、機能、構造設計、評価試験を行っております。

新事業分野への参入として、新たに、2024年12月より鹿児島大学片野田教授と共同研究契約を締結し、鹿児島ハイブリッドロケット部品の設計・開発の共同研究を開始しました。この共同研究契約の期間は複数年に及んでおります。

リハビリ装置…脳卒中の後遺症等による片麻痺に対して有効とされる促通反復療法を省力化・ロボット化するためのリハビリ装置を、鹿児島大学の独自の特許技術などを用いて実用化する研究開発を行い、装置の製品化を目指しております。

鹿児島ハイブリッドロケット…ハイブリッドロケットは、液体酸化剤と固体燃料を使用する推進方式のロケットで、安全性が高く制御が容易でコストも安価に製作可能です。鹿児島県内の企業、大学、自治体の産学官共同で、小型ロケットの設計・開発・発射を行っており、2019年より5台の小型ロケットの打ち上げ実績があります。

③各種システムの開発と構築

当社の開発部開発課情報システムグループにおいて、生産管理システム、工程管理システム、販売・購買管理システム、在庫管理システム、勤怠管理システムなど社内で必要とする各種システム構築と運用を行っております。あわせて、ネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティ等の情報インフラ構築やDX推進を行い、作業効率や生産性の向上を推進しております。研究開発は8名体制で行っております。

 

研究開発全体について、引き続き既存分野への研究開発を進めると同時に、システムの開発や改善により効率的な業務遂行を図るほか、新事業分野への参入を目指した研究開発を行っております。

なお、当連結会計年度における精密部品事業の研究開発費は41百万円であります。

 

(機能材料事業)

超高純度アルミニウム製品では、半導体用ターゲットなどの成長分野の品揃えを拡充するため、アルミ電解コンデンサ箔用の高純度化技術(3N⇒4N)を基に、自社での高純度化技術(5N0⇒5N5)の開発を図っております。

アルマイト製品では、使用環境下でのナノオーダーの異物発生を低減するため、不可避不純物を制御したアルミニウム素材と封孔処理(耐食性、耐摩耗性、硬度等を向上させる表面処理)技術を開発し、陽極酸化皮膜処理(素材であるアルミニウムを陽極とし、酸性浴に浸漬させ電気分解を行うこと)製品への展開を図っております。

上記のような、高純度化技術を基にした高性能化、高機能化製品の開発を主眼としておりますが、それに加え地球環境を守る観点から、省資源、省エネルギー、超高純度アルミニウム材のリサイクルなど、環境に配慮した製品開発にも積極的に取組んでおります。

なお、当連結会計年度における機能材料事業の研究開発費は57百万円であります。