文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・理念
当社グループは、経営理念「顧客・市場から評価され得る経営品質の創造」「グループの成長・発展を目指す一体運営の実践」「株主・社員・社会への調和のとれた成果の還元」の3つを経営の柱とし、お客様満足と市場での優位性を得る製品品質と経営戦略で、さらなるグループの企業価値の創造を追求してまいります。
(2)中期経営計画
(前中期経営計画の振り返り)
2017年6月、110周年を迎えました当社グループは《変革への挑戦 社会の変革ニーズへの対応》を基本方針とし5年間にわたる中期経営計画「CHANGE& CHALLENGE Ver2」を策定いたしました。5年計画のうち初年度からの3年間を構造改革期と位置づけ、生産活動、生産管理活動、営業活動を中心に抜本的な改革に取り組み収益体質の回復、事業基盤の確立を進めてまいりました。その結果、マーケット環境の好転もあり流通問屋向けへの販売が堅調に推移したことや、構造改革施策の取り組みにより着実に成果をあげることができました。
しかしながら、不採算品の海外OEMへの切り替えや収益性の高い製品の受注の減少により工場稼働率が低下し、製造原価における固定費負担が高まったことによる売上総利益率の低下が見られました。
(新中期経営計画の策定)
2020年度からの3年間は再成長から次なるステージに向かう飛躍の年にするため、新中期経営計画Make The Next Stage『変革と飛躍』~あらゆる変化に挑み、飛躍するMIEグループ~を策定しました。ユーザーが持っている高付加価値ニーズを汲み取った提案営業による物件受注の強化及びユーザーを満足させるモノづくりの実現、グループ横断バリューチェーンのプロセス改革及びITシステム化による生産性向上・可視化向上によりグループ・製販一体となって顧客ニーズに対応してまいります。基本方針とそれらを実現するべく策定した重点戦略を着実に実行し、数値目標を達成してまいります。
新中期経営計画の位置づけ
・再成長から次なるステージに向かう飛躍の3年間
・Make The Next Stage 『変革と飛躍』 ~あらゆる変化に挑み、飛躍するMIEグループ~
・グループ・製販一体となって顧客ニーズに対応していく
(3)経営環境
当連結会計年度については、エンドユーザーである造船業界においては端境期にあり、また、半導体業界においては米中貿易摩擦の影響を受け、設備投資が鈍化したことにより、当社業界は厳しい経営環境となりました。
今後の見通しにつきましては、半導体業界及び化学業界において少しずつ案件が出始め、徐々に回復の兆しがみられていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により主力の流通問屋向けの需要が在庫調整等によって先行き不透明な状況が続くと見込まれます。
当社グループは、流通問屋向けの商流を中心としているため、業績は市況に左右される要素が大きい傾向にあります。新型コロナウイルス感染拡大による市況の停滞により当社グループへの影響は必至ですが、沈静化後の回復は十分可能と考えております。
こういった状況下、継手の技術力・品質力を生かしたモノづくりのメリットで、ユーザーニーズを取り込み、市況に左右されない付加価値の高い製品受注を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき課題
新中期経営計画において優先的に対処すべき課題として「新たなマーケットの開拓」「モノづくりの再生」を掲げ、中長期的な課題を解決するため2つの戦略テーマを設定しております。
テーマ① ユーザーが持っている高付加価値ニーズを汲み取った提案営業による物件受注の強化及びユーザーを満足させるモノづくりの実現
テーマ② グループ横断バリューチェーンのプロセス改革及びITシステム化による生産性向上・可視化向上
(5)目標とする経営指標
当社グループは、経営指標として売上高、売上総利益率及び経常利益を採用しております。これらを重要な指標として認識し、重点戦略を着実に実行し、収益の安定的な確保を進め、目標の達成に努めてまいります。
なお、達成目標等の数値計画につきましては既に策定済ではありますが、足許では新型コロナウイルスの影響が予測できないこともあり、今後内容精査の上、適切な時期に改めて開示することとしています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)ステンレス鋼材の需要の変動
当社グループは、ステンレス製管継手部門が事業の90%以上占めているため、国内はもとより国際的なステンレス鋼材の需給変動が、業績に及ぼす可能性があります。
2020年度の業績予想において、年間平均でステンレス鋼材が前年比1トン当たり10ドル変動した場合の売上原価に与える影響は、年間4百万円と予想しております。
なお、当社グループは、ステンレス鋼材の価格変動を月一度開催される経営会議で確認し、大きな変動があった場合は、OEM先との価格交渉及び販売価格の改定などの対策を講じております。
(2)原材料価格の変動
ニッケル、クロム、モリブデン、鉄などの原材料価格は国際的な指標価格や資源需給により大きく変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2020年度の業績予想において、主要材であるニッケルについては、LMEにおいて年間平均で前年比1ポンド当たり0.1ドル変動した場合の売上原価に与える影響は、年間5百万円と予想しております。
なお、当社グループは、当該原材料の価格変動を月一度開催される経営会議で確認し、大きな変動があった場合は、OEM先との価格交渉及び販売価格の改定などの対策を講じております。
(3)為替の変動(円安)
当社グループは製品の一部について海外OEM調達を行っており、為替の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
2020年度の業績予想において、為替レート変動が連結税引前利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間7百万円と試算しております。
なお、当社グループは、為替変動のリスクに備えるため、為替の動向を注視し、状況に応じ為替予約を実施しております。
(4)有価証券の価値変動によるリスク
当社グループの保有する投資有価証券について、経営環境により財政状態が悪化し、取得価額に比べ大きく低下した場合又は市場価格が下落した場合、減損処理による投資有価証券評価損を計上する場合があり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)新型コロナウイルス等、感染拡大によるリスク
当社グループの従業員及び海外OEM先において、新型コロナウイルス等が感染拡大した場合、一時的に操業停止や輸入停止など、経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループ従業員においては、自宅待機や時差出勤、毎日の検温等を実施し、従業員の安全と健康を第一とした対応を実施し、また、海外OEM先については、主に中国や東南アジアなど複数の調達先に分散し、新型コロナウイルス等の影響の最小化を図っております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ユーザーニーズに応えるべく積極的な営業活動を戦略テーマとしている当社グループにおいては、緊急事態宣言・外出自粛等の影響により営業活動が制限されている状況が続いており、業績に影響を及ぼす可能性があります。一方、海外OEM先からの調達については、各国のロックダウン等で一時的に影響がありましたが、現状は安定的に調達活動が行えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴い緩やかな回復基調にありましたが、消費税の増税後の停滞感や海外における米中の貿易摩擦、新型コロナウイルス感染拡大により、不安定な状況となっております。
当社グループのステンレス業界につきましても、依然として需要の回復には至っていない中、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛等の防止策の影響による厳しい状況下での活動を余儀なくされました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は、5,576百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。売上総利益につきましては、1,057百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。この結果、営業利益は241百万円(前連結会計年度比10.8%減)、経常利益は210百万円(前連結会計年度比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は167百万円(前連結会計年度比19.5%減)となりました。
当社グループは、ステンレス製管継手部門へ事業を集中してまいりました結果、同部門の売上高、営業利益に占める割合がこの2年間いずれも90%を超えております。このため、事業の種類別セグメントは省略しております。
(2)生産実績、仕入実績及び販売実績の主な区分別内訳
生産実績、仕入実績及び販売実績の主な区分別内訳は次のとおりであります。
① 生産実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減金額(千円) |
|
金額(千円) |
金額(千円) |
||
|
溶接継手 |
503,948 |
494,997 |
△8,950 |
|
フランジ |
57,671 |
62,315 |
4,644 |
|
その他 |
127,643 |
143,667 |
16,023 |
|
合計 |
689,262 |
700,981 |
11,718 |
(注)1 溶接継手:工場用管継手、建築用管継手
フランジ:フランジ
その他 :プレハブ加工、バルブ、下請加工、資材売他
2 上記の金額には、消費税等は含めていません。
② 仕入実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減金額(千円) |
|
金額(千円) |
金額(千円) |
||
|
溶接継手 |
2,529,357 |
2,445,749 |
△83,608 |
|
フランジ |
1,078,329 |
863,025 |
△215,304 |
|
その他 |
483,485 |
446,447 |
△37,037 |
|
合計 |
4,091,172 |
3,755,221 |
△335,950 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含めていません。
③ 販売実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減金額(千円) |
|
金額(千円) |
金額(千円) |
||
|
溶接継手 |
3,676,682 |
3,650,000 |
△26,682 |
|
フランジ |
1,274,977 |
1,230,159 |
△44,817 |
|
その他 |
768,809 |
696,323 |
△72,486 |
|
合計 |
5,720,470 |
5,576,483 |
△143,986 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱大一商会 |
855,274 |
15.0 |
877,172 |
15.7 |
|
イシグロ㈱ |
797,413 |
13.9 |
748,887 |
13.4 |
2 上記の金額には、消費税等は含めていません。
(3)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ115百万円増加し、6,046百万円となりました。これは主に、たな卸資産が71百万円、その他(流動資産)が17百万円、その他(投資その他の資産)が17百万円それぞれ減少しましたが、現金及び預金が88百万円、受取手形及び売掛金が27百万円、電子記録債権が83百万円、リース資産が15百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
(負債の部)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ44百万円減少し、4,724百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が41百万円、未払金が12百万円、未払法人税等が14百万円、その他(流動負債)が13百万円それぞれ増加しましたが、短期借入金が20百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が126百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べ159百万円増加し、1,321百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益167百万円を計上したことによるものであります。
(4)キャッシュ・フロー
|
(単位:百万円) |
|
項目 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
287 |
291 |
4 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△34 |
△36 |
△1 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△174 |
△170 |
4 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
77 |
88 |
11 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
389 |
478 |
88 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、88百万円増加し、478百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、291百万円(前連結会計年度は287百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加で110百万円資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益で209百万円、たな卸資産の減少で71百万円、仕入債務の増加で41百万円、資金がそれぞれ増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、36百万円(前連結会計年度は34百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出で33百万円、資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、170百万円(前連結会計年度は174百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入で40百万円資金が増加しましたが、長期借入金の返済による支出で166百万円、短期借入金の返済による支出で20百万円、資金がそれぞれ減少したものであります。
(5)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
連結財務諸表の作成においては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積もり及び判断を行っておりますが、見積もりにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループにおいては、コロナウイルス感染拡大の経営環境への影響は最低1年続くものと予測しております。また、取引先企業の業績悪化による貸倒損失の計上及び貸倒引当金の追加計上、固定資産の減損損失の計上など財務諸表に影響を及ぼす事項については、当連結会計年度の財務諸表の金額に対する重要な影響は認められないとして計上しておりませんが、新型コロナウイルス感染の広がり方や収束時期等によっては、翌連結会計年度において重要な影響を及ぼす可能性があります。
②連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、期初より主力である流通問屋向けの汎用品(一般品)受注が減少したことにより、厳しいスタートとなりましたが、その後、各エンドユーザー業界における設備投資の回復見込みにより、徐々に需要が回復いたしました。最終的には、売上は前年同期比マイナス2.5%の5,576百万円、売上総利益は、前年同期比で93百万円減少し、1,057百万円となりました。販管費の削減など、経費の圧縮に努めましたが、経常利益は、前年同期比で23百万円減少し、210百万円となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
④戦略的状況と見通し
当社グループの戦略的状況と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、営業活動により得た資金を財源とし、設備投資や借入金の返済に充てております。設備投資については、主として生産性向上に資する生産設備やITシステムを中心として投資を行っております。また、運転資金につきましては、2017年に締結したシンジケート・ローンにより資金繰りは安定しており、加えて近年安定的に利益を計上することができるようなったことから、月商の2ヶ月程度の流動性資金を確保できております。
しかしながら、財政状態は未だに脆弱であり、連結ベースでの利益剰余金はマイナスであることから、2008年以降は配当を見送らせていただいております。今後、安定的な収益な確保及び必要な設備投資を実施し、足元の財政基盤を固めた上で将来的に配当を実現できるよう努めてまいります。
なお、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、即時に借入可能なコミットメントラインに基づく借入枠を設定しており、万一の緊急時における資金調達に備えております。
新型コロナウイルス感染拡大による業績及び資金繰りに与える中長期的な影響を考慮し、連結子会社において日本政策金融公庫により「新型コロナウイルス感染特別貸付」を受けております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)キャッシュ・フロー」に記載しております。
特記事項はありません。
特記事項はありません。