当連結会計年度におけるわが国経済は、中国を始めとする新興国の景気が減速したほか、円安が円高に転じたことなどから、概ね堅調に推移していた企業業績に落ち込みが見られるなど、景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような経済情勢の下、当社グループの主要事業は、ごみ処理施設では環境意識の高まりから地球温暖化の防止や省資源・省エネルギーの推進により老朽化した施設の更新工事や改良工事などが計画されております。また、バイオマス発電設備でも再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度などのエネルギー政策により今後とも需要が見込まれております。
当連結会計年度の業績につきましては、バイオマス発電設備の建設工事では、引き続き旺盛な引き合いがあるなか順調に受注しており、ごみ処理施設でも基幹改良工事や定期修繕、運転管理などを受注しております。しかしながら、ごみ処理施設の建設工事については、この4月になって受注に至ったものの、当連結会計年度においては受注がなかったことから、受注高は99,919百万円と前連結会計年度に比べ13,843百万円(12.2%)の減少となりました。
一方、売上高は113,088百万円と過年度に受注していたごみ処理施設の建設工事が大きく進捗していることなどから、前連結会計年度に比べ9,213百万円(8.9%)の増加となりました。この結果、受注残高は139,425百万円となりました。
損益面においては、売上高が増加したことから、営業利益は9,189百万円と前連結会計年度に比べ966百万円(11.8%)の増加となりました。負ののれん償却額がなくなるなど営業外収益が減少しておりますが、経常利益は9,646百万円と前連結会計年度に比べ529百万円(5.8%)の増加となりました。しかし、特別利益がなかったほか、特別損失が減少したものの、繰越欠損金の減少に伴い税金費用が増加したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は7,817百万円と前連結会計年度に比べ212百万円(2.6%)の減少となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
[環境・エネルギー(国内)事業]
バイオマス発電設備の建設工事では、引き続き旺盛な引き合いがあるなか順調に受注しており、ごみ処理施設でも基幹改良工事や定期修繕、運転管理などを受注しております。しかしながら、ごみ処理施設の建設工事については、この4月になって受注に至ったものの、当連結会計年度においては受注がなかったことから、受注高は75,609百万円と前連結会計年度に比べ12,431百万円(14.1%)の減少となりました。一方、売上高は88,494百万円と過年度に受注していたごみ処理施設の建設工事が大きく進捗していることなどから、前連結会計年度に比べ8,532百万円(10.7%)の増加となりました。
損益面では、売上高が増加したことから、営業利益は9,834百万円と前連結会計年度に比べ935百万円(10.5%)の増加となりました。
[環境・エネルギー(海外)事業]
海外プラントのメンテナンスにかかる受注はあるものの、バイオマス発電ボイラは当連結会計年度で受注に至っておらず、受注高は861百万円と前連結会計年度に比べ1,342百万円(60.9%)の減少となりました。また、受注しているバイオマス発電ボイラは大きく進捗する段階になく、売上高は830百万円と前連結会計年度に比べ577百万円(41.0%)の減少となりました。
損益面では、前連結会計年度の営業利益2百万円から223百万円の営業損失となりました。
[民生熱エネルギー事業]
貫流ボイラ、真空式温水機の高効率商品への更新需要及び部品販売や補修などのメンテナンス需要の獲得に努めておりますが、受注高は16,450百万円と前連結会計年度に比べ203百万円(1.2%)の減少となりました。売上高は16,390百万円と前連結会計年度に比べ214百万円(1.3%)の減少となりました。
損益面では、営業利益は896百万円と前連結会計年度に比べ2百万円(0.2%)の減少となりました。
[設備・システム事業]
建築設備の受注が増加したほか、半導体産業用設備でも順調に受注しており、受注高は7,331百万円と前連結会計年度に比べ192百万円(2.7%)の増加となりました。売上高は7,663百万円と前連結会計年度に比べ1,516百万円(24.7%)の増加となりました。
損益面では、営業利益は351百万円と前連結会計年度に比べ305百万円(665.3%)の増加となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は48,335百万円と前連結会計年度末に比べ3,327百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,728百万円の資金の増加(前連結会計年度は21,726百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が9,379百万円となり、売上債権により7,951百万円の減少、工事損失引当金により1,731百万円の減少となったものの、仕入債務により6,866百万円の増加となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、445百万円の資金の減少(前連結会計年度は160百万円の資金の減少)となりました。これは主に、貸付金の回収による収入が243百万円となったものの、有形固定資産の取得による支出が656百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,899百万円の資金の減少(前連結会計年度は3,706百万円の資金の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が1,895百万円となったほか、配当金の支払額が826百万円となったことによるものであります。
当連結会計年度における当社グループの生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
環境・エネルギー(国内)事業 | 64,195 | 13.9 |
環境・エネルギー(海外)事業 | 830 | △2.9 |
民生熱エネルギー事業 | 10,602 | △3.3 |
設備・システム事業 | 6,456 | 23.3 |
計 | 82,084 | 11.8 |
セグメント間の内部取引高(△) | △279 | 25.9 |
合計 | 81,805 | 11.7 |
(注) 1.金額は総製造費用で示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における当社グループの受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
環境・エネルギー(国内)事業 | 75,609 | △14.1 | 130,709 | △9.0 |
環境・エネルギー(海外)事業 | 861 | △60.9 | 1,462 | 2.2 |
民生熱エネルギー事業 | 16,450 | △1.2 | 3,415 | 1.8 |
設備・システム事業 | 7,331 | 2.7 | 3,950 | △7.8 |
計 | 100,251 | △12.1 | 139,537 | △8.6 |
セグメント間の内部受注高(△) | △332 | 21.2 | △112 | 59.3 |
合計 | 99,919 | △12.2 | 139,425 | △8.6 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.民生熱エネルギー事業は一部見込生産も行っております。上記の受注高及び受注残高には、受注生産分のほか見込生産分のうち納入先の確定したものも含まれております。
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
環境・エネルギー(国内)事業 | 88,494 | 10.7 |
環境・エネルギー(海外)事業 | 830 | △41.0 |
民生熱エネルギー事業 | 16,390 | △1.3 |
設備・システム事業 | 7,663 | 24.7 |
計 | 113,378 | 8.9 |
セグメント間の内部売上高(△) | △290 | 17.8 |
合計 | 113,088 | 8.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足を目指すことを経営理念としております。
この経営理念のもと、「再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続け」ること、そして目指すべき利益レベルとして「2020年度に経常利益100億円」を掲げ、事業環境が大きく変動するなかにおいても、安定的に100億円以上を獲得し得る体制を構築することを企業ビジョンとしており、その実現を目指し事業活動を展開しております。また、このビジョンは当社単独ではなく当社グループ全体の力を結集することにより、その成果として実現できるものと考えており、連結決算における収益の最大化と企業価値の増大を経営の基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、これまでの成果をベースとして、更に事業の量と質を高め、「持続的成長の実現」をめざすものとして、第11次中期経営計画(2015~2017年度)を鋭意推進しております。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、連結経常利益を最重要経営指標と位置付けております。
第11次中期経営計画においては、持続的成長へ向けて、事業の量と質を着実に拡大させていくことを目指し、以下の数値目標を設定しております。(いずれも連結ベース)
① 計画期間(平成27~29年度)累計の受注額 : 4,000億円
② 計画期間(平成27~29年度)累計の売上高 : 3,600億円
③ 計画期間(平成27~29年度)累計の経常利益 : 270億円
第11次中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度終了時点における上記指標の実績数値は以下の通りです。
受注額(平成27年度) : 999億円
売上高(平成27年度) : 1,130億円
経常利益(平成27年度) : 96億円
(4) 会社の対処すべき課題
第11次中期経営計画では、以下の6つを基本方針として掲げております。
① EPC事業での市場ポジションを維持・拡大
当社のこれまでの実績と経験を活かした強みを発揮することで高度化する顧客ニーズに応え、プラント更新需要を取り込み、市場ポジションを維持・拡大する。
(※EPC事業:プラントの設計・調達・建設まで一括して請負う事業)
② ベース収益事業の拡大
EPC事業で顧客に納めた既設プラントは、顧客にとって公共サービスあるいは事業活動を行う上での重要な事業資産である。これら資産の運営・維持管理において、効率的運用、長寿命化等の顧客ニーズに適応したサービスを提供することにより、長期的に顧客と win-win の関係を構築し、ベース収益の拡大をはかる。
③ 成長市場の取り込み
当社の強みを発揮できる商品・サービスを核とし、海外展開する上で必要な企業総合力を着実に高める。国内市場においても既存市場の周辺市場開拓・商品開発を促進し、成長のエンジンとして育成していく。
④ 財務体質の更なる強化
質の高い商品・サービスを、継続して提供できる企業としてお客様に長期間安心してお付き合いいただくため、今後も財務体質強化の取組みを継続する。
⑤ 人材マネジメント
当社事業の方向性に合致した人事制度改革、環境整備を進め、戦略的人材配置とともに優秀な人材の採用、育成を推進する。
⑥ 健全な企業風土の醸成
グループ全体にコンプライアンス及びCSRの意識は着実に浸透、定着してきている。今後も継続、改善を怠ることなく実行していく。
(5) 会社の支配に関する基本方針
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を取締役会において決議しており、直近では平成25年6月27日開催の第109期定時株主総会において「当社株式の大規模買付行為への対応方針」として承認されておりましたが、その有効期限は、第112期定時株主総会の終結時までとなっておりました。
当社では、社会・経済情勢の変化、買収防衛策をめぐる動向及び様々な議論の進展を踏まえ、そのあり方について検討してまいりました結果、平成28年4月27日開催の取締役会において内容を一部変更した上で更新することを決定し、平成28年6月28日開催の第112期定時株主総会において「当社株式の大規模買付行為への対応方針」として承認されております。
その概要は以下のとおりであります。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足を目指すことを経営理念としております。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、この理念を理解したうえで様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を、継続的に確保・向上させていくものでなければならないと考えております。
当社取締役会は、あらゆる大規模な買付行為に対して否定的な見解を有するものではありません。また、大規模買付行為については、それを受け入れるべきか否かの最終的な判断は、当社取締役会ではなく当社株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。しかし、株式の大規模な買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益を明確に毀損するもの、大規模な買付行為に応じることを株主の皆様に強要して不利益を与えるおそれがあるもの等、必ずしも対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにはならないと思われるものも存すると考えられます。そのような大規模な買付行為に対しては、当社としてあらかじめ何らかの対抗措置を講ずる必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する取り組み
(イ) 第11次中期経営計画による企業価値向上の取り組み
当社は、平成27年度から平成29年度までの3ヵ年を対象期間とした第11次中期経営計画に取り組んでおります。
概要
事業の質と量を高め、持続的成長を実現するために以下の6つの基本方針を掲げております。
①EPC事業での市場ポジションを維持・拡大
②ベース収益事業の拡大
③成長市場の取り込み
④財務体質の更なる強化
⑤人材マネジメント
⑥健全な企業風土の醸成
数値目標
計画期間(平成27年度から平成29年度)累計(連結ベース)
受注額 : 4,000億円
売上額 : 3,600億円
経常利益 : 270億円
(ロ) コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み
長期にわたって当社の企業価値を守りかつ着実に増大させてゆくためには、事業の発展のみならず企業運営において明確なガバナンスが確立されていること、すなわち経営に対する株主の監督機能が適切に発揮され、また執行者による業務執行の過程が透明で合理的・効率的でかつ遵法であることが必要不可欠であります。そのためにはコーポレート・ガバナンスの強化が当社にとって経営の最重要課題の一つであるという認識のもと、内部統制システムの構築を行うとともに、コンプライアンス意識の徹底を図るため「タクマグループ会社倫理憲章」及び「タクマグループ会社行動基準」を定め、全役職員に配布し、啓蒙・教育に努めております。さらに内部通報窓口である「ヘルプライン」を社内及び社外に設置し、社内通報制度を確立しております。
また、当社はコーポレート・ガバナンス体制の一層の深化を目指し、平成27年5月1日施行の「会社法の一部を改正する法律」によって新たに創設された「監査等委員会設置会社」に移行しました。新たに設置した監査等委員会に独立性の高い社外取締役3名を配置することにより、業務執行者に対する監督機能を一層強化し企業価値を継続的に向上させる所存であります。
(ハ) 安定した株主還元策
当社は、激化する市場での競争力を確保するため企業体質の強化を図りつつ、業績等を総合的に勘案しながら、株主の皆様への安定した利益還元を行うことを方針としております。
なお、内部留保金は、将来の企業価値増大に必要な資金として、研究開発費や設備投資、戦略投資などに充当する方針であります。
③ 不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とし当社の企業価値ひいては株主共同の利益を明白に損なうおそれのある大規模買付行為に対し、下記のとおり、一定の対抗措置を講じることを可能とすることを目的としたものであります。
当社株式に対して大規模な買付行為が行われた場合に、当社が設定した大規模買付ルール(①大規模買付者による当社取締役会への事前の必要情報提供、②当社取締役会による一定の評価期間経過後の大規模買付行為の開始)に則り、大規模買付者に対して、事前に大規模買付行為に関する情報提供を求めます。その後、大規模買付者から提供された情報を検討・評価し、当社取締役会としての意見を公表します。また、当社取締役会が必要と判断した場合に、大規模買付者の提案の改善についての交渉、当社株主の皆様に対し代替案の提示を行います。
大規模買付ルールを適正に運用し、当社取締役会の判断の合理性、公正性を担保するために、取締役会から独立した組織として、当社社外取締役及び外部有識者で構成する特別委員会を設置しております。特別委員会は、大規模買付行為に関して、当社取締役会に対し、大規模買付者から提供された必要情報が十分であるか、不足しているかの助言及び対抗措置の発動の是非についての勧告を行います。
大規模買付者がルールを遵守しない場合、またはルールを遵守した場合であっても、大規模買付行為が当社株主共同の利益を損なうと判断される場合には、当社株主共同の利益ひいては当社企業価値を守ることを目的として、特別委員会の意見を最大限に尊重した上で、大規模買付者による権利行使は認められないとの行使条件を付した新株予約権の無償割当を行うことができるものとします。
④ 本対応方針の合理性
(イ) 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容にも十分配慮しております。
(ロ) 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本対応方針は、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、株主の皆様が適切な判断をするために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されたものです。
(ハ) 株主意思を重視するものであること
本対応方針は、平成28年6月28日開催の定時株主総会において、承認されており、株主の皆様の意向が反映されたものとなっております。加えて、当社株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。
(ニ) 独立性の高い社外者の判断を重視していること
当社は、取締役会の恣意的な対抗措置の発動を排除し、株主の皆様のために、本対応方針の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立性の高い特別委員会を設置しております。
(ホ) 合理的な客観的要件を設定していること
大規模買付行為に対する対抗措置は合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
(ヘ) デッドハンド型、スローハンド型の買収防衛策ではないこと
本対応方針は当社株主総会で廃止することができるものとされており、デッドハンド型買収防衛策(取締役の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役任期は1年であり(監査等委員である取締役は除く。)、期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策(取締役の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもありません。
当社グループは、事業等のリスクに対し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・経済の動向等
当社グループの経営成績及び財務状況は、公共投資や民間設備投資の動向、新規参入企業の増加等による価格競争や市場の構造変化、原材料等価格の変動、株式市況等の影響を受ける可能性があります。
・自然災害
地震や風水害等の大規模な自然災害の発生により影響を受ける可能性があります。
・カントリーリスク
事業の海外展開に伴い、各国の経済状況や為替変動だけでなく、各地域におけるテロ、戦争、自然災害、感染症等の不可抗力により影響を受ける可能性があります。
・安全、品質
当社グループの製品の製造、据付工事、運転管理、その後の運用における、人為的ミスや製品の欠陥等による事故や災害により、当社グループの経営成績、財務状況及び社会的評価等に影響を受ける可能性があります。また、特に新技術を導入した場合など、受注したプラント等で、予期せぬ不具合等が発生し、当初見込んでいた以上のコスト増となる等により影響を受ける可能性があります。
・知的財産権
当社グループが保有もしくは取得している特許及び商標等の知的財産を保護できないこと、あるいは、違法に侵害されることによって、また逆に、当社グループが他者の知的財産権侵害を回避する場合等により、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
・その他の要因
当社グループが事業遂行する限りにおいて、政府等による規制、仕入先の供給体制、国内外での人材確保、重要人材の喪失、訴訟の発生等の影響を受け、場合によっては当社グループの経営成績及び財政状態に様々な影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術導入契約
契約会社名 | 契約項目 | 契約年月 | 契約の相手方名称 | 契約の有効期間 |
㈱タクマ | 液体の連続層ろ過装置 | 1979年4月 | (スウェーデン王国) | 2018年12月まで |
㈱タクマ | 有機性固形廃棄物の嫌気発酵プロセス | 2011年12月 | (スイス連邦) | 10年間、以後1年毎に自動更新 |
(注) 1.上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を支払うほか、販売高に対して一定割合を支払っております。
2.契約の更改により、有効期間を2018年12月までとしております。
(2) 技術供与契約
契約会社名 | 契約項目 | 契約年月 | 契約の相手方名称 | 契約の有効期間 |
㈱タクマ | N型パーム屑焚水管ボイラ | 1982年9月 | (インドネシア共和国) | 15年間、以後1年毎に自動更新 |
㈱タクマ | ろ過式集塵装置用助剤 | 1993年7月 | (日本) | 10年間、以後1年毎に自動更新 |
㈱タクマ | 衝撃波を利用した排ガス処理装置内のダスト除去技術 | 2005年11月 | (日本) | 10年間、以後1年毎に自動更新 |
㈱タクマ | 石炭焚ボイラ | 2007年6月 | (インドネシア共和国) | 10年間、以後1年毎に自動更新 |
(注) 上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を受取るほか、販売高に対して一定割合を受取っております。
持続可能な循環型社会の実現と原子力発電や化石燃料に過度に依存しない社会の構築に向けて、環境保全と再生可能エネルギー活用の分野を当社グループの主要事業領域と位置づけ、ここでの事業に経営資源を集中し、リーディングカンパニーとして社会で必須の存在であり続けることを企業ビジョンに掲げ、研究開発をすすめております。
当社グループの研究開発活動は、技術部門をエンジニアリング統轄本部に集約し、グループ各社との相互連携および社外の研究機関や大学との共同研究などを通じて、技術力の強化と伝承並びに新たな技術・商品・サービスの開発を積極的にすすめております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は743百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動は以下のとおりであります。
(1) 環境・エネルギー事業
① 廃棄物処理関係では、ライフサイクルコストの低減やエネルギー回収の増大につながる独自技術の開発を主な目的として次世代型ストーカの実証炉(処理量10t/日規模)を自社工場内に建設いたしました。この実証炉を活用し、燃焼改善による有害物質(窒素酸化物、ダイオキシン類など)の低減および発電効率の上昇に関する開発などを実施しております。また、アンモニアガスの代替として尿素を利用した安全で安価、高効率な窒素酸化物低減システムの開発につきましては、実証試験を終了し販売を始めております。さらに、産業廃棄物焼却炉で長期耐久実績のある水冷式ストーカを都市ごみ焼却炉に適用することにより、従来の空冷式ストーカに比べ耐久性の向上による維持管理費の低減を目的として、材質の改良も含め引き続き実証試験をすすめております。
② エネルギー関係では、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度関連で引き合いの多い未利用木質バイオマスなど各種燃料の燃焼・発電利用に向けた要素技術の開発を引き続き実施しております。また、木質バイオマス燃焼灰の有効利用技術の開発を林野庁補助事業として実施し、肥料として活用できる目途をつけました。
③ 水処理関係では、「下水汚泥焼却発電システム」と「アナモックスプロセスによる新規窒素除去システム」の開発を引き続き実施いたしました。「下水汚泥焼却発電」では、下水汚泥の燃焼に補助燃料を必要とせず、従来不可能だと考えられていた発電が可能となり、温室効果ガスの発生量も環境省令に対し大きく低減できる技術を開発し商品化いたしました。更に、乾燥汚泥や、し渣(下水に含まれる夾雑物)との混焼試験を実施し、適応範囲の拡大を図っております。また、「アナモックスプロセス」では、従来の技術と比較して、建設や維持管理などのコスト、エネルギー使用量を大幅に低減できる技術を開発いたしました。引き続き、更なる低コスト化や適応範囲の拡大を図るための研究をすすめております。
これら当事業に係る研究開発費は598百万円であります。
(2) 民生熱エネルギー事業
低騒音化と省エネルギー化によるCO2の低減を実現した貫流ボイラエクオスシリーズにおいて新型機種を開発し、市場に投入いたしました。開発いたしました新型機種については、次のとおりであります。
簡易ボイラEQS-101~301型(油焚き)、EQS-121~351型(ガス焚き)では、従来よりも低騒音化を実現したほか、制御盤の表示項目の追加や表示方法の改善により操作性が向上し、薬剤の自動投入のコントロール機能などの付加機能も追加いたしました。また、簡易ボイラEQRH-1001型(ガス焚き)では、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、東邦ガス株式会社との共同開発により、燃焼の発停回数の減少を実現できる燃焼四位置制御を簡易ボイラで初めて採用し、運転効率をより向上させるとともに、送風機の消費電力の低減と低騒音化を達成いたしました。更に、小規模ボイラEQi(H)-6001型(ガス焚き)では、高効率化、低騒音化、省スペース化に加え、比例積分制御による安定した蒸気圧力と高品質な蒸気の供給を実現いたしました。
当事業に係る研究開発費は41百万円であります。
(3) 設備・システム事業
半導体工場向けの洗浄装置について、IoT(モノのインターネット)の発展に伴って小径ウェーハ(半導体基板の材料として用いられるもの)の需要が見込まれるため、洗浄効果が優れている枚葉式の小径ウェーハ洗浄装置を開発し商品化いたしました。
引き続き、微細な泡で洗浄効果を高め薬液の使用量を低減するなど、小径ウェーハ洗浄装置の更なる改良開発をはかり、顧客ニーズに対応した商品開発をすすめております。
当事業に係る研究開発費は103百万円であります。
(1) 財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は132,614百万円と前連結会計年度末に比べ9,487百万円の増加となりました。これは主に、投資有価証券が894百万円の減少となったものの、受取手形及び売掛金が6,982百万円の増加、現金及び預金が3,265百万円の増加となったことによるものであります。
負債は73,804百万円と前連結会計年度末に比べ3,194百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金、長期借入金があわせて1,995百万円の減少、工事損失引当金が1,731百万円の減少となったものの、支払手形及び買掛金、電子記録債務があわせて6,954百万円の増加となったことによるものであります。
純資産は58,809百万円と前連結会計年度末に比べ6,293百万円の増加となりました。これは主に、剰余金の配当により利益剰余金が826百万円の減少、その他有価証券評価差額金が510百万円の減少となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7,817百万円の増加となったことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は44.1%と前連結会計年度末に比べ1.7ポイントの増加となり、1株当たり純資産額も708円18銭と前連結会計年度末に比べ76円65銭の増加となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、113,088百万円と前連結会計年度に比べ9,213百万円の増加となりました。
売上総利益は23,344百万円となり、販売費及び一般管理費が14,154百万円となりましたので、これを控除した結果、営業利益は9,189百万円となりました。
営業外収益が799百万円、営業外費用が343百万円となり、経常利益は9,646百万円となりました。
特別利益がなく、特別損失が266百万円となり、税金等調整前当期純利益は9,379百万円となりました。
税金費用が1,569百万円、非支配株主に帰属する当期純損失が7百万円となりましたので、これらを控除した親会社株主に帰属する当期純利益は7,817百万円となりました。なお、セグメント別の売上高及び営業利益の概要については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。