当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境・所得環境のほか、企業収益も改善しており、個人消費にも持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続いております。一方、中国を始めとする新興国の景気減速、英国のEU離脱や米国の政治情勢など海外経済の不確実性の高まりもあり、景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような経済情勢の下、当社グループの主要事業においては、環境意識の高まりから地球温暖化の防止や省資源・省エネルギーへの取り組みが進められているなか、ごみ処理施設では、老朽化した施設の更新工事や改良工事などの計画があり、バイオマス発電設備では、電力の固定価格買取制度などエネルギー政策の後押しにより、今後とも需要が見込まれております。
当連結会計年度の業績につきましては、ごみ処理施設の建設工事や基幹改良工事、運転・維持管理のほか、バイオマス発電設備や下水汚泥焼却発電設備の建設工事なども受注しており、受注高は191,026百万円と前連結会計年度に比べ91,106百万円(91.2%)の大幅な増加となりました。
また、売上高については、ごみ処理施設やバイオマス発電設備の建設工事などが順調に進捗しており、116,309百万円と前連結会計年度に比べ3,220百万円(2.8%)の増加となりました。この結果、受注残高は214,142百万円となりました。
損益面においては、売上高が増加したほか原価低減も進んだことから、売上総利益が増加しており、研究開発費など販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益は10,973百万円、経常利益は11,605百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8,550百万円と前連結会計年度に比べ1,784百万円(19.4%)、1,959百万円(20.3%)、733百万円(9.4%)の増加となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
[環境・エネルギー(国内)事業]
ごみ処理施設の建設工事や基幹改良工事、運転・維持管理のほか、バイオマス発電設備や下水汚泥焼却発電設備の建設工事なども受注しており、受注高は163,505百万円と前連結会計年度に比べ87,896百万円(116.3%)の大幅な増加となりました。また、売上高については、ごみ処理施設やバイオマス発電設備の建設工事などが順調に進捗しており、90,643百万円と前連結会計年度に比べ2,148百万円(2.4%)の増加となりました。
損益面では、営業利益は11,726百万円と前連結会計年度に比べ1,892百万円(19.2%)の増加となりました。
[環境・エネルギー(海外)事業]
東南アジアにおいて新たにバイオマス発電ボイラを受注したことから、受注高は3,070百万円と前連結会計年度に比べ2,209百万円(256.5%)の増加となりました。売上高は2,222百万円と前連結会計年度に比べ1,392百万円(167.7%)の増加となりました。
損益面では、営業損失が前連結会計年度の223百万円から154百万円となりました。
[民生熱エネルギー事業]
貫流ボイラや真空式温水機の高効率商品への更新需要、部品販売や補修などのメンテナンス需要の獲得に努めており、受注高は16,724百万円と前連結会計年度に比べ274百万円(1.7%)の増加となりました。売上高は17,164百万円と前連結会計年度に比べ774百万円(4.7%)の増加となりました。
損益面では、営業利益は916百万円と前連結会計年度に比べ20百万円(2.3%)の増加となりました。
[設備・システム事業]
建築設備の受注が増加したほか、半導体産業用設備もおおむね順調に受注しており、受注高は8,041百万円と前連結会計年度に比べ710百万円(9.7%)の増加となりました。一方、売上高は6,666百万円と前連結会計年度に比べ997百万円(13.0%)の減少となりました。
損益面では、営業利益は322百万円と前連結会計年度に比べ29百万円(8.3%)の減少となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は57,132百万円と前連結会計年度末に比べ8,797百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9,590百万円の資金の増加(前連結会計年度は6,728百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が11,605百万円となったものの、仕入債務が2,143百万円の減少となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、142百万円の資金の増加(前連結会計年度は445百万円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が575百万円、投資有価証券の取得による支出が473百万円となったものの、貸付金の回収による収入が1,327百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,787百万円の資金の減少(前連結会計年度は2,899百万円の資金の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額が992百万円となったほか、長期借入金の返済による支出が672百万円となったことによるものであります。
当連結会計年度における当社グループの生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
環境・エネルギー(国内)事業 |
62,223 |
△3.1 |
|
環境・エネルギー(海外)事業 |
2,112 |
154.5 |
|
民生熱エネルギー事業 |
11,260 |
6.2 |
|
設備・システム事業 |
5,370 |
△16.8 |
|
計 |
80,967 |
△1.4 |
|
セグメント間の内部取引高(△) |
△347 |
24.2 |
|
合計 |
80,620 |
△1.4 |
(注) 1.金額は総製造費用で示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における当社グループの受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
環境・エネルギー(国内)事業 |
163,505 |
116.3 |
203,571 |
55.7 |
|
環境・エネルギー(海外)事業 |
3,070 |
256.5 |
2,310 |
58.0 |
|
民生熱エネルギー事業 |
16,724 |
1.7 |
2,974 |
△12.9 |
|
設備・システム事業 |
8,041 |
9.7 |
5,326 |
34.8 |
|
計 |
191,342 |
90.9 |
214,183 |
53.5 |
|
セグメント間の内部受注高(△) |
△315 |
△4.9 |
△41 |
△63.4 |
|
合計 |
191,026 |
91.2 |
214,142 |
53.6 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.民生熱エネルギー事業は一部見込生産も行っております。上記の受注高及び受注残高には、受注生産分のほか見込生産分のうち納入先の確定したものも含まれております。
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
環境・エネルギー(国内)事業 |
90,643 |
2.4 |
|
環境・エネルギー(海外)事業 |
2,222 |
167.7 |
|
民生熱エネルギー事業 |
17,164 |
4.7 |
|
設備・システム事業 |
6,666 |
△13.0 |
|
計 |
116,696 |
2.9 |
|
セグメント間の内部売上高(△) |
△387 |
33.4 |
|
合計 |
116,309 |
2.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足を目指すことを経営理念としております。
この経営理念のもと、「再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続け」ること、そして目指すべき利益レベルとして「2020年度に経常利益100億円」を掲げ、事業環境が大きく変動するなかにおいても、安定的に100億円以上を獲得し得る体制を構築することを企業ビジョンとしており、その実現を目指し事業活動を展開しております。また、このビジョンは当社単独ではなく当社グループ全体の力を結集することにより、その成果として実現できるものと考えており、連結決算における収益の最大化と企業価値の増大を経営の基本方針としております。
(2) 経営環境
国内市場は、成熟傾向にあるものの、原発依存度の低減や温暖化対策等の観点からバイオマス等の再生可能エネルギーへの期待はますます高まっており、加えて、ごみ処理施設の老朽化に伴う更新・延命化需要等、当社グループの主要事業領域である環境・エネルギーの各分野において引き続き堅調な需要が存在しております。一方で、エネルギー回収の高効率化、プラントの長寿命化、プラント運営における付加的機能等、顧客ニーズはより高度化、多様化してきております。
また、海外市場は、都市化の進展や環境意識の高まり、再生可能エネルギーの活用に向けた政策等を背景として、経済成長が見込まれる東南アジアを中心に、中長期的に環境・エネルギー分野の需要が拡大する見込みです。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、これまでの成果をベースとして、更に事業の量と質を高め、「持続的成長の実現」を目指すものとして、第11次中期経営計画(2015~2017年度)を鋭意推進しております。
(4) 目標とする経営指標
当社グループは、連結経常利益を最重要経営指標と位置付けております。
第11次中期経営計画においては、持続的成長へ向けて、事業の量と質を着実に拡大させていくことを目指し、以下の数値目標を設定しております。(いずれも連結ベース)
① 計画期間(平成27~29年度)累計の受注額 : 4,000億円
② 計画期間(平成27~29年度)累計の売上高 : 3,600億円
③ 計画期間(平成27~29年度)累計の経常利益 : 270億円
第11次中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度終了時点における上記指標の実績数値は以下のとおりです。
受注額(平成27~28年度累計) : 2,909億円
売上高(平成27~28年度累計) : 2,293億円
経常利益(平成27~28年度累計) : 212億円
(5) 会社の対処すべき課題
第11次中期経営計画では、以下の6つを基本方針として掲げております。
① EPC事業での市場ポジションを維持・拡大
当社のこれまでの実績と経験を活かした強みを発揮することで高度化する顧客ニーズに応え、プラント更新需要を取り込み、市場ポジションを維持・拡大する。
(※EPC事業:プラントの設計・調達・建設まで一括して請負う事業)
② ベース収益事業の拡大
EPC事業で顧客に納めた既設プラントは、顧客にとって公共サービスあるいは事業活動を行う上での重要な事業資産である。これら資産の運営・維持管理において、効率的運用、長寿命化等の顧客ニーズに適応したサービスを提供することにより、長期的に顧客と win-win の関係を構築し、ベース収益の拡大をはかる。
③ 成長市場の取り込み
当社の強みを発揮できる商品・サービスを核とし、海外展開する上で必要な企業総合力を着実に高める。国内市場においても既存市場の周辺市場開拓・商品開発を促進し、成長のエンジンとして育成していく。
④ 財務体質の更なる強化
質の高い商品・サービスを、継続して提供できる企業としてお客様に長期間安心してお付き合いいただくため、今後も財務体質強化の取組みを継続する。
⑤ 人材マネジメント
当社事業の方向性に合致した人事制度改革、環境整備を進め、戦略的人材配置とともに優秀な人材の採用、育成を推進する。
⑥ 健全な企業風土の醸成
グループ全体にコンプライアンス及びCSRの意識は着実に浸透、定着してきている。今後も継続、改善を怠ることなく実行していく。
(6) 会社の支配に関する基本方針
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を取締役会において決議しており、平成28年6月28日開催の第112期定時株主総会において「当社株式の大規模買付行為への対応方針」として承認されております。
その概要は以下のとおりであります。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足を目指すことを経営理念としております。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、この理念を理解したうえで様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を、継続的に確保・向上させていくものでなければならないと考えております。
当社取締役会は、あらゆる大規模な買付行為に対して否定的な見解を有するものではありません。また、大規模買付行為については、それを受け入れるべきか否かの最終的な判断は、当社取締役会ではなく当社株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。しかし、株式の大規模な買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益を明確に毀損するもの、大規模な買付行為に応じることを株主の皆様に強要して不利益を与えるおそれがあるもの等、必ずしも対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにはならないと思われるものも存すると考えられます。そのような大規模な買付行為に対しては、当社としてあらかじめ何らかの対抗措置を講ずる必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する取り組み
当社は昭和13年(1938年)の創業以来、ボイラ業界のパイオニアとして産業用、動力用、船舶用、空調用などあらゆる種類のボイラを生産し、「ボイラならタクマ」とのご信頼をいただいてまいりました。また、経済成長にともなう、環境公害問題にもいちはやく取り組み、昭和38年(1963年)には機械式ごみ焼却炉国内第一号機を完成させたのをはじめとして環境事業にも進出いたしました。以来、ボイラプラントなどの熱エネルギー分野とごみ処理プラント、水処理プラント、産業廃棄物処理プラントなどの環境分野に事業展開を図り、これらの分野に経営資源を集中することによって、より高い企業価値を創出してまいりました。当社は、今後とも、再生可能エネルギーと環境保全分野でのリーディングカンパニーとして社会に必須の存在でありつづけ、中長期的な事業戦略に基づいた経営を継続する所存であります。
(イ) 第11次中期経営計画による企業価値向上の取り組み
当社は、平成27年度から平成29年度までの3ヵ年を対象期間とした第11次中期経営計画に取り組んでおります。
概要
事業の質と量を高め、持続的成長を実現するために以下の6つの基本方針を掲げております。
①EPC事業での市場ポジションを維持・拡大
②ベース収益事業の拡大
③成長市場の取り込み
④財務体質の更なる強化
⑤人材マネジメント
⑥健全な企業風土の醸成
(ロ) コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み
長期にわたって当社の企業価値を守りかつ着実に増大させてゆくためには、事業の発展のみならず企業運営において明確なガバナンスが確立されていること、すなわち経営に対する株主の監督機能が適切に発揮され、また執行者による業務執行の過程が透明で合理的・効率的でかつ遵法であることが必要不可欠であります。そのためにはコーポレート・ガバナンスの強化が当社にとって経営の最重要課題の一つであるという認識のもと、内部統制システムの構築を行うとともに、コンプライアンス意識の徹底を図るため「タクマグループ会社倫理憲章」及び「タクマグループ会社行動基準」を定め、全役職員に配布し、啓蒙・教育に努めております。さらに内部通報窓口である「ヘルプライン」を社内及び社外に設置し、社内通報制度を確立しております。
また、当社はコーポレート・ガバナンス体制の一層の深化を目指し、平成28年6月28日の第112期定時株主総会の決議をもって、平成27年5月1日施行の「会社法の一部を改正する法律」によって新たに創設された「監査等委員会設置会社」に移行しました。新たに設置した監査等委員会に独立性の高い社外取締役3名を配置することにより、業務執行者に対する監督機能を一層強化し企業価値を継続的に向上させる所存であります。
(ハ) 安定した株主還元策
当社は、激化する市場での競争力を確保するため企業体質の強化を図りつつ、業績等を総合的に勘案しながら、株主の皆様への安定した利益還元を行うことを方針としております。
なお、内部留保金は、将来の企業価値増大に必要な資金として、研究開発費や設備投資、戦略投資などに充当する方針であります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成28年6月28日開催の第112期定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき、「当社株式の大規模買付行為への対応方針」(以下、「本対応方針」という。)を継続導入しました。
本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とし当社の企業価値ひいては株主共同の利益を明白に損なうおそれのある大規模買付行為に対し、下記のとおり、一定の対抗措置を講じることを可能とすることを目的としたものであります。
当社株式に対して大規模な買付行為が行われた場合に、当社が設定した大規模買付ルール(①大規模買付者による当社取締役会への事前の必要情報提供、②当社取締役会による一定の評価期間経過後の大規模買付行為の開始)に則り、大規模買付者に対して、事前に大規模買付行為に関する情報提供を求めます。その後、大規模買付者から提供された情報を検討・評価し、当社取締役会としての意見を公表します。また、当社取締役会が必要と判断した場合に、大規模買付者の提案の改善についての交渉、当社株主の皆様に対し代替案の提示を行います。
大規模買付ルールを適正に運用し、当社取締役会の判断の合理性、公正性を担保するために、取締役会から独立した組織として、当社社外取締役及び社外有識者で構成する特別委員会を設置しております。特別委員会は、大規模買付行為に関して、当社取締役会に対し、大規模買付者から提供された必要情報が十分であるか、不足しているかの助言及び対抗措置の発動の是非についての勧告を行います。
大規模買付者がルールを遵守しない場合、またはルールを遵守した場合であっても、大規模買付行為が当社株主共同の利益を損なうと判断される場合には、当社企業価値ひいては当社株主共同の利益を守ることを目的として、特別委員会の意見を最大限に尊重した上で、大規模買付者による権利行使は認められないとの行使条件を付した新株予約権の無償割当を行うことができるものとします。
本対応方針の詳細につきましては、当社ウェブサイト(http://www.takuma.co.jp/)に掲載していますのでそちらをご覧ください。
④ 本対応方針の合理性
(イ) 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日から適用を開始した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5. いわゆる買収防衛策」の内容にも十分配慮しております。
(ロ) 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本対応方針は、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、株主の皆様が適切な判断をするために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されたものです。
(ハ) 株主意思を重視するものであること
本対応方針は、平成28年6月28日開催の定時株主総会において承認されており、株主の皆様の意向が反映されたものとなっております。加えて、本対応方針の有効期間(平成31年6月開催予定の定時株主総会終結の時まで)の満了前であっても、当社株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。
(ニ) 独立性の高い社外者の判断を重視していること
当社は、本対応方針の導入にあたり、取締役会の恣意的な対抗措置の発動を排除し、株主の皆様のために、本対応方針の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、特別委員会を設置しております。
独立性の高い特別委員会により、当社取締役会が恣意的に対抗措置の発動を行うことのないよう厳しく監視することによって、当社の企業価値ひいては当社株主共同の利益に資する範囲で本対応方針の運用が行われる仕組みが確保されています。
(ホ) 合理的な客観的要件を設定していること
本対応方針においては、上述のとおり、大規模買付行為に対する対抗措置は合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
(ヘ) デッドハンド型、スローハンド型の買収防衛策ではないこと
本対応方針は当社株主総会で廃止することができるものとされており、したがって、本対応方針は、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。なお、当社の取締役(監査等委員であるものを除く。)の任期は1年であり、期差任期制を採用していないため、スローハンド型の買収防衛策(取締役の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもありません。
当社グループは、事業等のリスクに対し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・経済の動向等
当社グループの経営成績及び財務状況は、公共投資や民間設備投資の動向、新規参入企業の増加等による価格競争や市場の構造変化、原材料等価格の変動、株式市況等の影響を受ける可能性があります。
・自然災害
地震や風水害等の大規模な自然災害の発生により影響を受ける可能性があります。
・カントリーリスク
事業の海外展開に伴い、各国の経済状況や為替変動だけでなく、各地域におけるテロ、戦争、自然災害、感染症等の不可抗力により影響を受ける可能性があります。
・安全、品質
当社グループの製品の製造、据付工事、運転管理、その後の運用における、人為的ミスや製品の欠陥等による事故や災害により、当社グループの経営成績、財務状況及び社会的評価等に影響を受ける可能性があります。また、特に新技術を導入した場合など、受注したプラント等で、予期せぬ不具合等が発生し、当初見込んでいた以上のコスト増となる等により影響を受ける可能性があります。
・知的財産権
当社グループが保有もしくは取得している特許及び商標等の知的財産を保護できないこと、あるいは、違法に侵害されることによって、また逆に、当社グループが他者の知的財産権侵害を回避する場合等により、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
・その他の要因
当社グループが事業遂行する限りにおいて、政府等による規制、仕入先の供給体制、国内外での人材確保、重要人材の喪失、訴訟の発生等の影響を受け、場合によっては当社グループの経営成績及び財政状態に様々な影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術導入契約
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契約会社名 |
契約項目 |
契約年月 |
契約の相手方名称 |
契約の有効期間 |
|
㈱タクマ |
液体の連続層ろ過装置 |
1979年4月 |
(スウェーデン王国) |
2018年12月まで |
|
㈱タクマ |
有機性固形廃棄物の嫌気発酵プロセス |
2011年12月 |
(スイス連邦) |
10年間、以後1年毎に自動更新 |
(注) 上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を支払うほか、販売高に対して一定割合を支払っております。
(2) 技術供与契約
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契約会社名 |
契約項目 |
契約年月 |
契約の相手方名称 |
契約の有効期間 |
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㈱タクマ |
N型パーム屑焚水管ボイラ |
1982年9月 |
(インドネシア共和国) |
15年間、以後1年毎に自動更新 |
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㈱タクマ |
ろ過式集塵装置用助剤 |
1993年7月 |
(日本) |
10年間、以後1年毎に自動更新 |
|
㈱タクマ |
衝撃波を利用した排ガス処理装置内のダスト除去技術 |
2005年11月 |
(日本) |
10年間、以後1年毎に自動更新 |
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㈱タクマ |
石炭焚ボイラ |
2007年6月 |
(インドネシア共和国) |
2017年5月まで |
(注) 1.上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を受取るほか、販売高に対して一定割合を受取っております。
2.契約の有効期間を2017年5月までとし、更新しておりません。
持続可能な循環型社会の実現と原子力発電や化石燃料に過度に依存しない社会の構築に向けて、環境保全と再生可能エネルギー活用の分野を当社グループの主要事業領域と位置づけ、ここでの事業に経営資源を集中し、リーディングカンパニーとして社会で必須の存在であり続けることを企業ビジョンに掲げ、研究開発をすすめております。
当社グループの研究開発活動は、技術部門をエンジニアリング統轄本部に集約し、グループ各社との相互連携及び社外の研究機関や大学との共同研究などを通じて、技術力の強化と伝承並びに新たな技術・商品・サービスの開発を積極的にすすめております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は972百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動は以下のとおりであります。
(1) 環境・エネルギー事業
① 廃棄物処理関係では、ライフサイクルコストの低減やエネルギー回収の増大につながる独自技術の開発を主な目的として、次世代型のストーカ式実証炉を自社工場内に建設しております。この実証炉を活用し、燃焼改善による有害物質(窒素酸化物、ダイオキシン類など)の低減及び発電効率の向上(高効率化)に関する開発などを継続しております。また、産業廃棄物焼却炉で長期耐久実績のある水冷式ストーカを都市ごみ焼却炉に適用することにより、従来の空冷式ストーカに比べ耐久性の向上による維持管理費の低減を目的として、材質の改良も含め引き続き実証試験をすすめております。さらに、独立して管理・評価していた各種データを総合的に活用する「運転・維持管理総合支援システム」を運用しており、AIやIoTを活用した燃焼の安定化や遠隔監視に資する技術の開発に取り組んでまいります。
② エネルギー関係では、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度関連で引き合いの多い未利用木質バイオマスなど各種燃料の燃焼・発電利用に向けた要素技術の開発を引き続き実施しております。
③ 水処理関係では、下水汚泥焼却発電システムと、アナモックスプロセスによる新規窒素除去システム関連の技術開発を引き続き実施いたしました。下水汚泥焼却発電では、汚泥の含水率が変動しても安定して焼却できる技術の開発をすすめております。また、アナモックスプロセスでは、適用対象排水を拡大するための開発を行っております。
これら当事業に係る研究開発費は853百万円であります。
(2) 民生熱エネルギー事業
油を燃料とする貫流ボイラ、真空式温水機において、より少ない蒸気、温水消費量でも連続燃焼ができるバーナを開発いたしました。
これは、燃焼の発停回数の減少を実現することで、発停にともなう換気動作により放熱したボイラを温めなおすことによる燃料の消費を抑え、ランニングコストを低減し、省エネルギー化を可能とするものであります。今後、貫流ボイラや真空式温水機に搭載して順次市場に投入してまいります。
当事業に係る研究開発費は51百万円であります。
(3) 設備・システム事業
半導体業界が活況を取り戻し、半導体製造装置への投資も増加してきていることから、半導体工場向けの洗浄装置について開発、商品化に取り組んでおります。洗浄効果が優れている枚葉式の小径ウェーハ洗浄装置を商品化したほか、大気圧下でのプラズマを用いた表面処理技術、微細な泡で洗浄効果を高め薬液の使用量を低減することができるマイクロバブル洗浄技術を用いた洗浄装置の開発をすすめております。
引き続き、洗浄装置の更なる改良開発をはかり、顧客ニーズに対応した商品開発をすすめてまいります。
当事業に係る研究開発費は68百万円であります。
(1) 財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は140,201百万円と前連結会計年度末に比べ7,586百万円の増加となりました。これは主に、流動資産のその他が948百万円の減少となったものの、現金及び預金が8,802百万円の増加となったことによるものであります。
負債は72,473百万円と前連結会計年度末に比べ1,331百万円の減少となりました。これは主に、未払法人税等が1,275百万円の増加となったものの、支払手形及び買掛金、電子記録債務があわせて2,248百万円の減少となったことによるものであります。
純資産は67,727百万円と前連結会計年度末に比べ8,917百万円の増加となりました。これは主に、剰余金の配当により利益剰余金が992百万円の減少となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が8,550百万円、その他有価証券評価差額金が1,299百万円の増加となったことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は48.1%と前連結会計年度末に比べ4.0ポイントの増加となり、1株当たり純資産額も815円77銭と前連結会計年度末に比べ107円59銭の増加となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、116,309百万円と前連結会計年度に比べ3,220百万円の増加となりました。
売上総利益は25,615百万円となり、販売費及び一般管理費が14,641百万円となりましたので、これを控除した結果、営業利益は10,973百万円となりました。
営業外収益が775百万円、営業外費用が143百万円となり、経常利益は11,605百万円となりました。
特別利益、特別損失が発生しなかったため、税金等調整前当期純利益は11,605百万円となりました。
税金費用が3,030百万円、非支配株主に帰属する当期純利益が24百万円となりましたので、これらを控除した親会社株主に帰属する当期純利益は8,550百万円となりました。なお、セグメント別の売上高及び営業利益の概要については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。