文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足を目指すことを経営理念としております。
この経営理念のもと、「再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続け」ること、そして目指すべき利益レベルとして「2020年度に経常利益100億円」を掲げ、事業環境が大きく変動するなかにおいても、安定的に100億円以上を獲得し得る体制を構築することを企業ビジョンとしており、その実現を目指し事業活動を展開しております。また、このビジョンは当社単独ではなく当社グループ全体の力を結集することにより、その成果として実現できるものと考えており、連結決算における収益の最大化と企業価値の増大を経営の基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの主要事業領域においては、足元では引き続き堅調な需要が見込まれるものの、中長期的には国の政策変更や社会構造の変化に伴い事業環境が大きく変化していくことが予想されます。このような認識のもと、当社グループでは将来予想される事業環境の変化を見据え、企業ビジョンの達成とその後の着実な成長に向けて企業力を高めていくことをテーマとする第12次中期経営計画(2018~2020年度)を鋭意推進しております。
なお、当社グループの業績において、新型コロナウイルス感染症による重要な影響は見られておらず、引き続き、同中計を鋭意推進していく所存です。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、連結経常利益を最重要経営指標と位置付けております。
第12次中期経営計画は、現中長期ビジョンの最終ステージであり、ビジョンで掲げた「安定的に100億円以上」の達成に向けて、計画期間(3か年)累計の連結経常利益330億円を数値目標として設定しております。
(4) 対処すべき課題
第12次中期経営計画では、以下の5つを基本方針として掲げております。
① 収益基盤のより一層の強化・拡大
当社グループの商品は納入から20年、30年と長期に渡りお使いいただくものが多く、より長く、より効果的に活用していただくために継続して質の高いアフターサービスを提供していくことが、お客様と当社グループ相互の利益につながり、長期的かつ安定的な収益の基盤となる。多様化する顧客ニーズに的確に対応し、プラント・製品のライフサイクルを通じて質の高いソリューションを提供し続けていくことにより、収益基盤の更なる強化・拡大を図る。
② 持続的成長の確保
これまでの事業活動を通じて蓄積してきた技術・実績・経験・ノウハウなどの「強み」をベースとして、独自性のある技術・サービス・ビジネスモデルを継続的に生み出し顧客価値を創造するとともに、顧客ニーズの変化や新たな社会的課題の出現等、外部環境の変化に迅速に対応し、競争優位を確保・創出していくことで持続的な成長の確保につなげる。
③ ビジネスプロセス変革等による生産性の向上
社会構造の変化や、顧客ニーズ・社会的課題の高度化・多様化など、外部環境の変化に伴い複雑化してきたビジネスプロセスを抜本的に見直して再構築し、より付加価値の高い業務に注力することで生産性を高め、人的資源の効果的活用と提供価値の更なる向上を目指す。
④ 人材の活躍促進
当社グループの今後の事業展開に不可欠な多様な人材の採用・育成を推進するとともに、社員一人ひとりが意欲的に仕事に取り組み、持てる能力を最大限発揮し活躍できる環境づくりを進めていく。
⑤ コンプライアンス経営の継続的推進
継続的な啓発・教育活動によりコンプライアンス意識は着実に根付いてきているが、これまで積み上げてきた品質等への信頼を揺るがすことのなきよう、引き続き改善を怠ることなく活動していくとともに、内部通報制度やCSR意識調査等の仕組みを効果的に運用・活用し、グループ全体のコンプライアンス意識の更なる浸透・向上を図る。
(5) 経営環境
気候変動の影響が顕在化しつつあるなか、低炭素・脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーへの期待はますます高まっており、また、公共インフラの老朽化に伴う更新・延命化需要など、当社グループの主要事業領域においては、足元では引き続き堅調な需要が存在しております。一方、中長期的には国の政策変更や、少子高齢化・人口減少等の社会構造の変化に伴う需要の変化、行政サービスの外部化(民間活用)の進展による包括委託の増加やニーズの高度化・多様化など、事業環境は大きく変化していくものと認識しております。
なお、足元のセグメント毎の事業環境は以下のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染症の社会・経済への影響が今後拡大・深刻化した場合には、いずれのセグメントにおいても、需要減退・発注延期に伴う新規受注の減少、受注済案件の納期延長に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
[環境・エネルギー(国内)事業]
自治体向けのごみ処理プラント、下水処理プラント及び民間事業者向けのバイオマス発電プラント等の建設(EPC事業)並びにそれらのプラントのメンテナンス、運転管理、運営等のアフターサービスを主要な事業としております。
EPC事業は、環境規制等の法規制、自治体・民間事業者への助成政策など国の政策や、公共投資・民間設備投資の動向などの影響を受けやすく、中長期的に需要が大きく変動する傾向にあります。一方、メンテナンス等のアフターサービス事業は、プラントの稼働後20~30年間のライフサイクルにわたって安定した需要が見込まれます。
EPC事業は、足元では引き続き需要は旺盛で、ごみ処理プラントでは老朽化に伴う更新・延命化需要、下水処理では汚泥焼却プラントの更新における省エネ・創エネ型への転換需要、また、民間事業者向けでは電力の固定価格買取制度を活用したバイオマス発電プラントや廃プラスチック類を燃料とする発電プラントなどの需要が存在しており、当面は引き続き堅調に推移するものと見込んでおります。また、アフターサービス事業では、ごみ処理におけるプラント運営の包括委託の増加、下水道事業における包括委託へ向けた動き、民間事業者向け当社納入プラントの増加によるアフターサービス対象プラントの増加や運営委託ニーズなど、今後の需要拡大が期待されます。
[環境・エネルギー(海外)事業]
海外におけるバイオマス発電プラント、廃棄物発電プラントの建設及びメンテナンスを主要な事業とし、現地法人を有するタイ国並びに台湾を拠点に、東南アジアを中心に事業展開を進めております。
東南アジアでは豊富なバイオマス資源を背景に引き続きバイオマス発電プラントの需要が見込まれ、中長期的にも高い市場ポテンシャルを有しておりますが、主力のバガス燃焼プラントではインド、中国メーカーとの厳しい競争環境が継続しております。また、都市化の進展により廃棄物発電のニーズは高まっているものの、制度・基準の未整備や政府の資金不足などにより安定的な市場を形成するまでには至っておりません。
[民生熱エネルギー事業]
商業施設や工場などの熱源装置として利用される小型貫流ボイラ、真空式温水機など、汎用ボイラの製造、販売、メンテナンスを主要な事業としております。
国内の汎用ボイラ市場は成熟市場であるものの、更新需要を中心に引き続き一定の需要が見込まれており、また、海外では東南アジアを中心に需要の拡大が見込まれております。
[設備・システム事業]
空調設備、給排水設備など建築設備の設計・施工と、クリーン機器、洗浄装置など半導体産業用設備の製造、販売、メンテナンスを主要な事業としております。
建築需要は当面は引き続き堅調に推移すると見込まれており、また、半導体製造装置市場も短期的には変動しながらも中長期的には拡大が期待されます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・資機材及び工事価格の高騰
各種プラントのEPC事業においては、受注から納入まで3~5年程度と長期にわたるものが多く、見積から発注までのタイムラグが生じることから、その間に経済情勢の変動等により資機材や工事価格が大幅に上昇し、それを請負金額に反映することが困難な場合には、プロジェクトの採算悪化により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資機材・工事価格動向のモニタリング・予測に加え、新規取引企業の開拓による調達先の多様化や、プロジェクト受注前の早期の段階より協力企業との連携を密にし、関係強化を図ることなどにより、コストアップリスクの排除に努めております。
・製品・サービスの瑕疵等
当社グループが提供する製品・サービスの瑕疵や設計・施工上の問題等により、性能未達や納期遅延、あるいは人的・物的被害を引き起こす重大な事故等が生じた場合、その修復のための多大な費用負担や多額の損害賠償責任を負い、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態の発生により、当社グループに対する社会的評価やブランド価値が低下し、その後の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、EPC事業においては、計画・設計・施工の各段階で関係する部門長(本部長・センター長)を交えたデザインレビューを実施し、設計不備等の不具合発生を抑止するとともに、大型プロジェクトや新技術導入等の高リスクプロジェクトについては、「プロジェクトリスク管理規程」に基づき、見積引合い段階のリスク評価、受注後のリスク管理・モニタリング等を通じて、リスクの発現抑制に努めております。また、運転管理・運営等の事業においては、各種規程・マニュアルを整備し、教育・研修活動によりその浸透を図るとともに、定期的なモニタリングを通じてリスクの発現抑制に努めております。
・事業環境の変化
国の政策変更により自治体・民間事業者への助成制度が縮小された場合や、景気後退等により民間設備投資が縮小した場合には、各種プラントの新設・更新需要が減退し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、需要の減退により競合他社との価格競争が激化し、受注価格の下落により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、第12次中期経営計画の基本方針に基づき、独自性ある技術・サービスの開発等、EPC事業における競争優位の確保・創出に努める一方で、プラントのライフサイクルにわたって安定した需要が見込まれるメンテナンス、運転管理、運営等のアフターサービス事業の強化に注力しております。収益基盤のより一層の強化・拡大を図り、将来の環境変化に対応し得る強靭な事業基盤・経営基盤の構築を目指しております。
・コンプライアンス
当社グループは、国内及び事業を展開する各国・地域の法令・諸規制に服しており、法令等遵守の徹底に努めておりますが、万が一、重大な法令違反等が発生した場合には、過料や課徴金、損害賠償等による多額の損失や、営業停止等の行政処分による受注機会損失が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態の発生により、当社グループに対する社会的評価が低下し、その後の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「コンプライアンス」を企業活動の重要な基盤と位置付け、過去数次に渡る中期経営計画において基本方針の一つに掲げ、継続的な啓発・教育活動によりその浸透・定着を図ってまいりました。引き続き、内部通報制度やCSR意識調査等の仕組みを効果的に運用・活用し、継続してその改善に取り組んでいくことで、グループ全体のコンプライアンス意識の更なる浸透・向上を図ってまいります。
・新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るい、国内においても流行の再燃や社会・経済への影響の長期化が懸念されております。国内において流行が再燃し、これまで以上に事態が深刻化した場合、需要減退・発注延期に伴う新規受注の減少や受注済案件の納期延長に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
当社グループでは、お客様をはじめとする関係者の皆様や従業員の安全を第一に、手洗いうがいの励行やマスクの着用、時差出勤等による感染予防・拡大対策を継続して徹底し、ごみ処理・水処理プラントやボイラプラントなど、社会生活や生産・事業活動を維持するうえで不可欠な製品・サービスを継続して提供できるよう努めてまいります。また、WEB会議やTV会議、在宅勤務等を積極的に活用することで引き続き感染リスクの低減を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の業績は、ごみ処理プラントやバイオマス発電プラントを中心に引き続き堅調な需要を着実に受注に結び付け、受注高は期首の目標(140,000百万円)を上回る148,830百万円となりました。
また、受注済みプラントの建設工事が順調に進捗したことから、売上高は前期に比べ12,503百万円増加の134,454百万円となりました。この結果、受注残高は14,376百万円増加の345,315百万円となりました。
損益面においては、売上高は増加したものの、環境・エネルギー(国内)事業において、納入プラントの一部不具合にかかる対策工事費用を計上したことなどにより、営業利益は前期に比べ2,003百万円減少の9,600百万円、経常利益は2,033百万円減少の10,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,408百万円減少の7,445百万円となりました。
なお、当連結会計年度の経営成績において、新型コロナウイルス感染症による重要な影響は見られておりません。
当連結会計年度のセグメントごとの業績は次のとおりです。
当社グループの事業セグメントは、環境・エネルギー(国内)事業、環境・エネルギー(海外)事業、民生熱エネルギー事業及び設備・システム事業の4事業から構成され、そのうち環境・エネルギー(国内)事業が売上高の大部分を占める最も重要な事業セグメントになります。(当連結会計年度においては、セグメント間売上控除前の売上高合計の約80%、調整額消去前の営業利益合計の約90%を当該セグメントが占めております。)
当連結会計年度においては、引き続き堅調な需要の獲得に努め、ごみ処理プラントのDBO事業(建設・運営事業)1件、設備更新工事1件、またバイオマス発電等の民間事業者向けでも新設プラント7件のほかO&M1件を受注しました。しかしながら、複数件の大型バイオマス発電プラント(発電出力:50~75MW級)の受注があった前期に比べ、受注高は30,473百万円減少の123,154百万円となりました。
一方、受注済みプラントの建設工事が順調に進捗したことから、売上高は14,399百万円増加の108,123百万円となりました。この結果、受注残高は337,322百万円となり、このうちDBO・O&Mなどの長期運営事業が約4割を占めております。
また、損益面では、納入した民間向け産業廃棄物処理プラントにおいて一部不具合があり、これにかかる対策工事費用を計上したことなどにより、営業利益は1,785百万円減少の10,619百万円となりました。
引き続き、バイオマス発電プラントの更なる受注獲得、下水汚泥焼却発電システムの競争力強化等、持続的成長の確保に向けた取り組みを推進するとともに、ごみ処理プラント運営事業の収益力強化、運営ノウハウの水処理・バイオマスへの水平展開、メンテナンス体制の強化などアフターサービス事業の強化により、収益基盤のより一層の強化・拡大を図ってまいります。
当連結会計年度においては、新設プラントの受注獲得に向けた取り組みの結果、ミャンマー向けのバガス燃焼プラントを受注したことから、受注高は前期に比べ551百万円増加の1,351百万円となりました。
一方、売上高は受注済みのバガス燃焼プラントの建設工事が大きく進捗した前期に比べ、1,913百万円減少の1,143百万円、損益面では、売上高の減少に伴い前期の営業利益163百万円から202百万円の営業損失となりました。
引き続き、バイオマス発電プラントの継続的な受注確保に向けて、競争力の強化、競争優位の創出に向けた取り組みを進めるとともに、廃棄物発電プラントの受注獲得に向けて体制構築を進めてまいります。
当連結会計年度においては、引き続き更新需要の獲得やメンテナンス受注の拡大に取り組んだ結果、前期に比べ、受注高は448百万円増加の17,925百万円、売上高は913百万円増加の17,868百万円、営業利益は61百万円増加の966百万円となりました。
引き続き、更新需要やメンテナンスを中心に国内事業の維持・拡大を図るとともに、タイ国の現地法人を拠点に海外事業の拡大を目指してまいります。
当連結会計年度においては、建築設備事業を中心に引き続き堅調な需要の獲得に努めたものの、同事業において大型案件の受注があった前期に比べ、受注高は1,777百万円減少の6,790百万円、売上高は995百万円減少の7,840百万円となりました。
一方、損益面では、売上高は減少したものの利益率の改善により、営業利益は22百万円増加の384百万円となりました。
引き続き、堅調な需要を着実に取り込み、安定的収益の確保に努めてまいります。
当社グループでは、2018~2020年度を計画期間とする第12次中期経営計画を推進しており、同中計では数値目標として計画期間(3か年)累計の連結経常利益330億円を掲げております。当連結会計年度までの累計で、経常利益は226億円となり、受注残高も3,453億円に達するなど、目標達成に向けて概ね順調に進捗しております。
当社グループの業績において、新型コロナウイルス感染症による重要な影響は見られておらず、引き続き、同中計の目標達成に向けて鋭意取り組んでまいります。
但し、新型コロナウイルス感染症の影響について、これまで以上に事態が深刻化した場合、需要減退・発注延期に伴う新規受注の減少や受注済案件の納期延長に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は163,498百万円と前連結会計年度末に比べ7,509百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が15,623百万円の減少となったものの、受取手形及び売掛金が23,841百万円の増加となったことによるものであります。
負債は78,458百万円と前連結会計年度末に比べ5,557百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金、電子記録債務があわせて6,087百万円の増加となったことによるものであります。
純資産は85,040百万円と前連結会計年度末に比べ1,952百万円の増加となりました。これは主に、自己株式の取得等により自己株式が1,942百万円の減少となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が5,377百万円の増加となったことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は51.8%と前連結会計年度末に比べ1.2ポイントの減少となり、1株当たり純資産額は1,043円15銭と前連結会計年度末に比べ42円81銭の増加となりました。
なお、当連結会計年度末の財政状態において、新型コロナウイルス感染症による重要な影響は見られておりません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は44,753百万円と前連結会計年度末に比べ16,273百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11,732百万円の資金の減少(前連結会計年度は10,817百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が10,139百万円となったものの、売上債権により23,614百万円の減少となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、202百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,382百万円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が2,621百万円となったものの、有形固定資産の取得による支出が1,520百万円、投資有価証券の取得による支出が1,253百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,350百万円の資金の減少(前連結会計年度は9,119百万円の資金の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額が2,067百万円となったほか、自己株式の取得による支出が1,999百万円となったことによるものであります。
当社グループは、運転資金をはじめ、将来の事業展開に備えた設備投資、研究開発にかかる資金について、自己資金、前受金のほか、金融機関からの借入金によることとしており、今後も事業活動に必要な資金の調達に困難が生じることはないと考えております。なお、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、新型コロナウイルス感染症をはじめとする不測の事態等に備えて流動性を補完しております。
(4) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における当社グループの生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.金額は総製造費用で示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における当社グループの受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.民生熱エネルギー事業は一部見込生産も行っております。上記の受注高及び受注残高には、受注生産分のほか見込生産分のうち納入先の確定したものも含まれております。
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。経営者は、見積りが必要な事項について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、需要の減退に伴う事業環境の変化等により繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合は、繰延税金資産の取崩により業績を悪化させる可能性があります。
② 工事損失引当金
当社グループは、受注工事の損失に備えるため、連結会計年度末受注残となる請負工事のうち、発生する工事原価の見積額が、受注額を大幅に超過することが判明したものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる超過額を計上しております。しかし、資機材や工事価格の大幅な上昇等により見積りを超えた原価が発生する場合は、工事損失引当金の計上により業績を悪化させる可能性があります。
(1) 技術導入契約
(注) 上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を支払うほか、販売高に対して一定割合を支払っております。
(2) 技術供与契約
(注) 上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を受取るほか、販売高に対して一定割合を受取っております。
持続可能な循環型社会の実現と原子力発電や化石燃料に過度に依存しない低炭素・脱炭素社会の構築に向けて、環境保全と再生可能エネルギー活用の分野を当社グループの主要事業領域と位置づけ、ここでの事業に経営資源を集中し、リーディングカンパニーとして社会で必須の存在であり続けることを企業ビジョンに掲げ、研究開発をすすめております。
当社グループの研究開発活動は、技術部門をエンジニアリング統轄本部に集約し、グループ各社との相互連携及び社外の研究機関や大学、企業との共同研究などを通じて、技術力の強化と伝承並びに新たな技術・商品・サービスの開発を積極的にすすめております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) 環境・エネルギー事業
① 廃棄物処理関係では、ライフサイクルコストの低減やエネルギー回収の増大につながる独自技術の開発を主な目的として、自社工場内に設置した多目的実証炉(ストーカ式実証炉)を活用し、燃焼改善による有害物質(窒素酸化物、酸性ガス、ダイオキシン類、水銀など)の低減及び発電効率の向上(高効率化)に関する開発などを継続しております。また、環境省の中小廃棄物処理施設における先導的廃棄物処理システム化等評価・検証事業として採択された「CO2分離膜を適用した次世代低炭素型高効率バイオガス発電システム及びコンバインドシステムの開発」を継続してすすめております。さらに、独立して管理・評価していた各種データを総合的に活用する「運転・維持管理総合支援システム(POCSYS)」を運用するなど、AIやIoTを活用した燃焼の安定化や遠隔監視に資する技術の開発を継続しております。POCSYSは、新たに開設した「Solution Lab」において、機能とサービスの拡充をすすめており、今後とも、より安全・安心で効率的な施設運営に資するAIやIoTの活用を目指してまいります。
② エネルギー関係では、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度関連で引き合いの多い未利用木質バイオマスの活用など、各種バイオマス燃料の燃焼・発電利用に向けた要素技術の開発を引き続き実施しております。
③ 水処理関係では、下水汚泥焼却発電システムと、アナモックスプロセスによる新規窒素除去システムに関係する技術開発を引き続き実施しております。下水汚泥焼却発電システムでは、排ガス中に含まれる窒素酸化物の低減技術の開発をすすめました。また、アナモックスプロセスでは、適用対象排水を拡大するための開発を行っております。
これら当事業に係る研究開発費は
(2) 民生熱エネルギー事業
高効率と高機能を追求したスーパーエクオスシリーズの高圧仕様モデルとして、貫流ボイラ「スーパーエクオスEQiH-3000NM/LM」(ガス焚)を開発し、市場投入しました。最高使用圧力1.57MPa仕様と1.96MPa仕様をラインナップし、高圧蒸気が必要な用途においても幅広く対応可能となりました。また、業界トップクラスの超高効率に加え、最低出力を低減し出力を多段階で制御できるガスバーナを搭載したことにより、大幅な省エネ運転を実現しました。
このほか、貫流ボイラ「エクオスEQSH-502KM/AM/NM/LM」(ガス焚・油焚)を開発し、市場投入しました。本製品は従来機のエクオスシリーズEQS-502の高効率新型モデルであり、エコノマイザ搭載により更なる高効率化を実現しました。
当事業に係る研究開発費は
(3) 設備・システム事業
半導体工場向けの洗浄装置では、微細な泡で洗浄効果を高め薬液の使用量を低減することができるマイクロバブル洗浄技術を用いた洗浄装置において、大学との共同研究を継続し、基礎物性の把握、大学の設備を用いた精緻な分析評価を行うなど、開発をすすめております。また、マイクロバブル発生技術の半導体・電子産業以外の業界への用途展開を目指し、オゾンナノバブル水の殺菌技術について大学と共同研究を開始しました。
半導体工場のクリーンルーム向けのケミカルフィルタでは、高機能化、長寿命化を目指したフィルタの開発を実施しています。
引き続き、洗浄装置、ケミカルフィルタなどの更なる改良開発をはかり、顧客ニーズに対応した商品開発をすすめてまいります。
当事業に係る研究開発費は