文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
<社是>
技術を大切に 人を大切に 地球を大切に
<経営理念>
世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足を目指す。
<長期ビジョン>
ESG経営の推進によりお客様や社会とともに持続的に成長し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続け、2030年に経常利益200億円を目指す。
① 経営理念
当社の創業者である田熊常吉は、1912年の「タクマ式汽罐(ボイラ)」発明により国内産業の発展に大きく貢献しました。1938年にはボイラを通じて社会へ貢献するという「汽罐報国」の精神を掲げ当社を創業。以来、当社グループは、この精神を継承し、あらゆる種類のボイラを手がけるとともに、ボイラで培った技術を活かして廃棄物処理プラントや水処理プラントなどの環境衛生分野へ進出し、エネルギーの活用と環境保全の分野を中心に事業を広げ、社会の発展と課題の解決に貢献してまいりました。当社グループの経営理念はこの創業の精神にあり、事業活動を通じて社会の長期的、持続的な発展に貢献することが、当社グループの変わらぬ価値観です。
② 長期ビジョン(Vision2030)
グローバルでは気候変動問題の深刻化、また、新興国を中心に人口増加・都市化の急速な進展による衛生環境の悪化や、エネルギー需要の増加などが懸念されます。一方、国内においては人口減少・高齢化による内需の縮小、人材・担い手不足や財政の逼迫、インフラの老朽化などが懸念されており、将来に向けて持続可能な社会をいかに実現していくかが重要な課題です。このような中長期のトレンド・社会課題を踏まえ、当社グループは中長期の経営の指針として「長期ビジョン(Vision2030)」を策定しております。
当社グループは本ビジョンの下、事業活動を通じてお客様や社会の課題を解決することでESGに関する重要課題に取り組み持続的な成長を目指す、ESG経営を推進します。このESG経営の核となる事業活動の展開に際しては、当社グループの強みであるエネルギーの活用や環境保全に関する技術・ノウハウと、長期にわたるアフターサービス等を通じて培われたお客様との信頼関係を基に、「お客様の良きパートナー」となり、不屈の発明家精神を継承した当社グループの「イノベーション」によって生み出された有益な技術・サービスを通じて、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にお客様や社会の課題を解決いたします。この事業活動を通じてESGに関する重要課題に取り組み、お客様や社会とともに持続的に成長することで、2030年に経常利益200億円を目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
第13次中期経営計画(2021~2023年度)
当社グループは、Vision 2030の実現に向けたファーストステップとして、2021年4月よりタクマグループ第13次中期経営計画(2021~2023年度)をスタートさせました。第13次中計では、前中計までに構築した経営基盤・事業基盤をベースに、さらなる成長への布石を打つことをテーマとしております。
[第13次中計の基本方針]
経営基盤の強化により、各事業において従来のビジネスの一層の強化を図ると同時に、将来の環境変化への対応を加速させる。これらの事業活動を通じてESG経営を推進し、お客様や社会とともに持続的な成長を目指す。

a. ESG経営の推進
当社グループは、第13次中計の策定にあたり、Vision 2030で掲げたESG経営の推進による「お客様や社会とともに持続的な成長」を実現していくため、様々なESG課題について、ステークホルダーにとっての重要度と、自社にとっての重要度の双方の観点から整理し、当社グループが優先的に取り組むべき7つの重要課題(マテリアリティ)を特定しております。
<重要課題(マテリアリティ)>
マテリアリティに対する具体的な取り組み・目標とその進捗については、CSR報告書等を通じて情報発信してまいります。
b. 経営基盤の強化
デジタル技術の急速な進展や2050年カーボンニュートラルなど、環境変化のスピードが加速するなか、それらの変化を先取りし、さらなる成長を実現していくため、人材、デジタル技術等への積極的な資源配分・投資により経営基盤の強化を図ります。この取り組みを通じて、従来のビジネスの一層の強化と将来の環境変化への対応を加速させていきます。
c. 数値目標
Vision 2030で掲げた2030年度の経常利益200億円に向けて、第13次中計はそのファーストステップとして着実な成長を目指すものとし、数値目標として、計画期間(3か年)累計の連結経常利益360億円を設定しております。
(3) 経営環境
自然災害の甚大化等、気候変動の影響が顕在化しつつあるなか、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーへの期待はますます高まっており、また、公共インフラの老朽化に伴う更新・延命化需要など、当社グループの主要事業領域においては、足元では引き続き堅調な需要が存在しております。一方、中長期的には人口減少・高齢化等の社会構造の変化に伴う需要の変化、行政サービスの外部化(民間活用)の進展による包括委託の増加や、地域課題解決に向けたニーズの高度化・多様化など、事業環境は大きく変化していくものと認識しております。
なお、足元のセグメント毎の事業環境は以下のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染症の社会・経済への影響が今後拡大・深刻化した場合には、需要減退・発注延期に伴う新規受注の減少、受注済案件の納期延長に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
[環境・エネルギー(国内)事業]
自治体向けのごみ処理プラント、下水処理プラント及び民間事業者向けのバイオマス発電プラント等の建設(EPC事業)並びにそれらのプラントのメンテナンス、運転管理、運営、新電力事業等のアフターサービスを主要な事業としております。
EPC事業は、環境規制等の法規制、自治体・民間事業者への助成政策など国の政策や、公共投資・民間設備投資の動向などの影響を受けやすく、中長期的に需要が大きく変動する傾向にあります。一方、メンテナンス等のアフターサービス事業は、プラントの稼働後20~30年間のライフサイクルにわたって安定した需要が見込まれます。
EPC事業は、足元では引き続き需要は旺盛で、ごみ処理プラントでは老朽化に伴う更新・延命化需要、下水処理では汚泥焼却プラントの更新における省エネ・創エネ型への転換需要、また、民間事業者向けでは電力の固定価格買取制度を活用したバイオマス発電プラントや廃プラスチック類を燃料とする発電プラントなどの需要が存在しており、当面は引き続き堅調に推移するものと見込んでおります。また、アフターサービス事業では、ごみ処理におけるプラント運営の包括委託の増加、下水道事業における包括委託へ向けた動き、民間事業者向け当社納入プラントの増加によるアフターサービス対象プラントの増加や運営委託ニーズなど、今後の需要拡大が期待されます。
[環境・エネルギー(海外)事業]
海外におけるバイオマス発電プラント、廃棄物発電プラントの建設及びメンテナンスを主要な事業とし、現地法人を有するタイ国並びに台湾を拠点に、東南アジアを中心に事業展開を進めております。
東南アジアでは豊富なバイオマス資源を背景に引き続きバイオマス発電プラントの需要が見込まれ、中長期的にも高い市場ポテンシャルを有しておりますが、主力のバガス燃焼プラントではインド、中国メーカーとの厳しい競争環境が継続しております。また、都市化の進展により廃棄物発電のニーズは高まっているものの、制度・基準の未整備や政府の資金不足などにより安定的な市場を形成するまでには至っておりません。
[民生熱エネルギー事業]
商業施設や工場などの熱源装置として利用される小型貫流ボイラ、真空式温水機など、汎用ボイラの製造、販売、メンテナンスを主要な事業としております。
国内の汎用ボイラ市場は成熟市場であるものの、更新需要を中心に引き続き一定の需要が見込まれており、また、海外では東南アジアを中心に需要の拡大が見込まれております。
[設備・システム事業]
空調設備、給排水設備など建築設備の設計・施工と、クリーン機器、洗浄装置など半導体産業用設備の製造、販売、メンテナンスを主要な事業としております。
建築需要は一時的な落ち込みが見られるものの中長期的には堅調に推移すると見込まれており、また、半導体製造装置市場も短期的には変動しながらも中長期的には拡大が期待されます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・資機材及び工事価格の高騰
各種プラントのEPC事業においては、受注から納入まで3~5年程度と長期にわたるものが多く、見積から発注までのタイムラグが生じることから、その間に経済情勢の変動等により資機材や工事価格が大幅に上昇し、それを請負金額に反映することが困難な場合には、プロジェクトの採算悪化により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資機材・工事価格動向のモニタリング・予測に加え、新規取引企業の開拓による調達先の多様化や、プロジェクト受注前の早期の段階より協力企業との連携を密にし、関係強化を図ることなどにより、コストアップリスクの排除に努めております。
・製品・サービスの瑕疵等
当社グループが提供する製品・サービスの瑕疵や設計・施工上の問題等により、性能未達や納期遅延、あるいは人的・物的被害を引き起こす重大な事故等が生じた場合、その修復のための多大な費用負担や多額の損害賠償責任を負い、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態の発生により、当社グループに対する社会的評価やブランド価値が低下し、その後の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、EPC事業においては、計画・設計・施工の各段階で関係する部門長(本部長・センター長)を交えたデザインレビューを実施し、設計不備等の不具合発生を抑止するとともに、大型プロジェクトや新技術導入等の高リスクプロジェクトについては、「プロジェクトリスク管理規程」に基づき、見積引合い段階のリスク評価、受注後のリスク管理・モニタリング等を通じて、リスクの発現抑制に努めております。また、運転管理・運営等の事業においては、各種規程・マニュアルを整備し、教育・研修活動によりその浸透を図るとともに、定期的なモニタリングを通じてリスクの発現抑制に努めております。
・事業環境の変化
国の政策変更により自治体・民間事業者への助成制度が縮小された場合や、景気後退等により民間設備投資が縮小した場合には、各種プラントの新設・更新需要が減退し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、需要の減退により競合他社との価格競争が激化し、受注価格の下落により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、第13次中期経営計画の基本方針に基づき、デジタル技術の活用や研究開発の強化、パートナーシップの推進等の経営基盤の強化により、EPC事業におけるリーディングカンパニーとしてのポジションの維持・拡大を図るとともに、プラントのライフサイクルにわたって安定した需要が見込まれるメンテナンス、運転管理、運営等のアフターサービス事業(ストック型ビジネス)の強化に注力しております。事業環境の変化に対応し得る収益基盤として、また、成長の中核を担うドライバーとしてストック型ビジネスの更なる拡大を目指してまいります。
・気候変動
気候変動の影響と考えられる自然災害等が深刻さを増しており、世界の平均気温上昇を抑えるべく、温室効果ガス(GHG)排出量削減が求められております。豪雨や台風などの頻発化・激甚化による工事遅延やサプライチェーンの分断、低炭素・脱炭素社会への移行に伴う各種法規制の強化、政策・市場の変化等が生じ、当社グループの対応が遅れた場合には、事業コストの増加や各種プラントの新設・更新需要の減退等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ESG経営の推進において、優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の1つとして「気候変動対策への貢献」を掲げており、エネルギーの有効活用と環境保全の技術を用いた製品・サービスの提供を通じて、再生可能エネルギーの普及やエネルギー効率の改善、資源保全・環境負荷低減と未利用資源の有効活用へ取り組んでおります。また、2022年4月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動に関するリスク低減と機会創出に向けた対応策を策定しております。TCFD提言に基づき情報開示を進めるとともに、引き続き事業活動を通じて気候変動の緩和や環境負荷の低減を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
・コンプライアンス
当社グループは、国内及び事業を展開する各国・地域の法令・諸規制に服しており、法令等遵守の徹底に努めておりますが、万が一、重大な法令違反等が発生した場合には、過料や課徴金、損害賠償等による多額の損失や、営業停止等の行政処分による受注機会損失が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態の発生により、当社グループに対する社会的評価が低下し、その後の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「コンプライアンス」を企業活動の重要な基盤と位置付け、継続的な啓発・教育活動によりその浸透・定着を図ってまいりました。引き続き、内部通報制度やCSR意識調査等の仕組みを効果的に運用・活用し、継続してその改善に取り組んでいくことで、グループ全体のコンプライアンス意識の更なる浸透・向上を図ってまいります。
・新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症の影響が今後さらに拡大・長期化した場合には、需要減退・発注延期に伴う新規受注の減少や受注済案件の納期延長に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
当社グループでは、お客様をはじめとする関係者の皆様や従業員の安全を第一に、手洗いうがいの励行やマスクの着用、時差出勤等による感染予防・拡大対策を継続して徹底し、ごみ処理・水処理プラントやエネルギープラントなど、社会生活や生産・事業活動を維持するうえで不可欠な製品・サービスを継続して提供できるよう努めてまいります。また、WEB会議やTV会議、在宅勤務等を積極的に活用することで引き続き感染リスクの低減を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
(1) 経営成績
当連結会計年度の業績は、ごみ処理プラントやバイオマス発電プラントなど引き続き堅調な需要を着実に受注に結び付け、受注高は期首の目標(180,000百万円)を上回る192,244百万円となり、受注高としては過去最高となりました。
一方、売上高は、ごみ処理プラントの建設工事が大きく進捗した前期に比べ12,633百万円減少の134,092百万円となりました。この結果、受注残高は58,151百万円増加の445,304百万円となりました。
損益面においては、売上高の減少により、営業利益は前期に比べ544百万円減少の9,928百万円、経常利益は381百万円減少の10,647百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は94百万円減少の7,434百万円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による先行きの不透明感から、一部において、設備投資意欲の減退や計画延期等の影響も見られ、また、鋼材をはじめとする資機材価格の上昇など先行きに留意が必要な状況となっております。
当連結会計年度のセグメントごとの業績は次のとおりです。
当社グループの事業セグメントは、環境・エネルギー(国内)事業、環境・エネルギー(海外)事業、民生熱エネルギー事業及び設備・システム事業の4事業から構成され、そのうち環境・エネルギー(国内)事業が売上高の大部分を占める最も重要な事業セグメントになります。(当連結会計年度においては、セグメント間売上控除前の売上高合計の約8割、調整額消去前の営業利益合計の約9割を当該セグメントが占めております。)
当連結会計年度においては、引き続き堅調な需要の獲得に努め、ごみ処理プラントのDBO事業やバイオマス発電プラントの建設工事などを受注し、一部計画中止による契約解除があったものの、受注高は前期に比べ4,273百万円増加の164,865百万円となりました。
≪当連結会計年度の主な受注案件≫
一般廃棄物処理プラント: ごみ処理プラントのDBO事業3件、長期O&M1件、
エネルギープラント : バイオマス発電プラントの新設6件、長期O&M1件、
産業廃棄物処理プラントの新設1件
水処理プラント : 下水処理場向け砂ろ過設備の大型更新工事1件
一方、プラント納入後のメンテナンスや運転管理、O&M等のアフターサービス事業は着実に拡大しているものの、主にEPC事業における案件構成の変化により、売上高は前期に比べ12,113百万円減少の108,657百万円、営業利益は568百万円減少の10,906百万円となりました。
なお、受注残高433,351百万円に占めるDBO事業等の長期O&M(契約期間10年以上で民間事業者向けを含む)の割合は約5割になります。
引き続き、ごみ処理プラント、バイオマス発電プラント、下水汚泥焼却発電プラントの継続的な受注獲得により、リーディングカンパニーとしてのポジションの維持・拡大を図るとともに、運営事業の更なる品質向上と収益力強化、延命化やソリューション提案の推進、新電力事業の拡大等によりストック型ビジネスの更なる拡大を図ってまいります。
≪受注・売上推移(四半期累計)≫

≪受注・売上推移(四半期毎)≫

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動が大きく制限され、また、計画の延期等も相次ぐなど厳しい環境下にありましたが、台湾において廃棄物発電プラントの設備更新工事1件を受注し、受注高は前期に比べ1,152百万円増加の2,035百万円となりました。
一方、売上高は、台湾およびタイの現地法人におけるメンテナンス売上が中心となったことから、バイオマス新設案件の売上計上があった前期に比べ183百万円減少の1,005百万円、営業損失は前期の140百万円から218百万円となりました。
バイオマス発電プラントの継続的な受注獲得に向けて、引き続き、海外調達範囲の拡大等により一層のコストダウンを図るとともに、タイの現地法人を通じたメンテナンスサービスの充実等により、付加価値の向上、競合との差別化を図ってまいります。また、タイ・台湾を中心に、今後の需要を取り込むべく、現地企業とのパートナーシップ等、廃棄物発電プラントの受注獲得に向けた体制構築を進めてまいります。
≪受注・売上推移(四半期累計)≫

[民生熱エネルギー事業]
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた設備稼働率や新規設備需要に復調の兆しが見られたものの、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の断続的な発出や、感染再拡大への懸念など先行きの不透明感から本格的な回復には至らず、大型案件の受注・売上計上のあった前期に比べ、受注高は693百万円減少の16,830百万円、売上高は433百万円減少の16,498百万円となりました。
一方、損益面では、コロナ禍による営業活動の制約に伴う営業費用の減少等により、営業利益は32百万円増加の672百万円となりました。
引き続き、更新需要やメンテナンスを中心に国内事業の維持・拡大、タイの現地法人を拠点に海外事業の拡大を図るとともに、ヒートポンプと真空式温水機を組み合わせたハイブリッド給湯システムや、木質チップ焚バイオマスボイラなど、脱炭素社会を見据えた新たな熱源装置市場の開拓に取り組んでまいります。
≪受注・売上推移(四半期累計)≫

当連結会計年度においては、拡大基調にある市場環境を受けて半導体産業用設備は堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により民間向けの建築設備工事において計画延期等の影響が見られ、受注高は前期に比べ1,248百万円減少の8,917百万円となりました。
また、売上高は前期に比べ319百万円増加の8,590百万円となったものの、建築設備事業における競争環境激化の影響などもあり、営業利益は220百万円減少の656百万円となりました。
引き続き、建築設備事業においては、営業力・施工能力の強化により受注の拡大を図るとともに、半導体産業用設備においては商品競争力の強化等により収益の拡大を図ってまいります。
≪受注・売上推移(四半期累計)≫

当社グループでは、昨年4月より2021~2023年度を計画期間とする第13次中期経営計画をスタートさせており、同中計では数値目標として計画期間(3か年)累計の連結経常利益360億円を掲げております。初年度となる当連結会計年度においては、経常利益106億円と計画を若干下回るスタートとなりましたが、環境・エネルギー(国内)事業を中心に着実に受注を積み上げており、引き続き、同中計の目標達成に向けて鋭意取り組んでまいります。但し、新型コロナウイルス感染症の影響について、これまで以上に事態が深刻化した場合、需要減退・発注延期に伴う新規受注の減少や受注済案件の納期延長に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は174,535百万円と前連結会計年度末に比べ3,206百万円の減少となりました。これは主に、繰延税金資産が2,562百万円の減少となったことによるものであります。
負債は80,181百万円と前連結会計年度末に比べ7,005百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金が5,302百万円の減少となったことによるものであります。
純資産は94,354百万円と前連結会計年度末に比べ3,799百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が4,657百万円の増加となったことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は53.8%と前連結会計年度末に比べ3.1ポイントの増加となり、1株当たり純資産額は1,162円87銭と前連結会計年度末に比べ53円00銭の増加となりました。
なお、当連結会計年度末の財政状態において、新型コロナウイルス感染症による重要な影響は見られておりません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は41,244百万円と前連結会計年度末に比べ1,713百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9,000百万円の資金の増加(前連結会計年度は1,680百万円の資金の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が10,789百万円となり、法人税等の支払額が4,633百万円となったものの、仕入債務により3,745百万円の増加となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,394百万円の資金の減少(前連結会計年度は2,053百万円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,510百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,112百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,903百万円の資金の増加)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が5,200百万円の減少となったほか、配当金の支払額が2,924百万円となったことによるものであります。
当社グループは、運転資金をはじめ、将来の事業展開に備えた設備投資、研究開発にかかる資金について、自己資金、前受金のほか、金融機関からの借入金によることとしており、今後も事業活動に必要な資金の調達に困難が生じることはないと考えております。なお、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、新型コロナウイルス感染症をはじめとする不測の事態等に備えて流動性を補完しております。
(4) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における当社グループの生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は総製造費用で示しております。
当連結会計年度における当社グループの受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 民生熱エネルギー事業は一部見込生産も行っております。上記の受注高及び受注残高には、受注生産分のほか見込生産分のうち納入先の確定したものも含まれております。
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。経営者は、見積りが必要な事項について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
① 工事損失引当金
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 繰延税金資産
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1) 技術導入契約
(注) 上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を支払うほか、販売高に対して一定割合を支払っております。
(2) 技術供与契約
(注)1. 上記契約に対する対価は、主として契約時に一時金を受取るほか、販売高に対して一定割合を受取って
おります。
(注)2. 会社分割(簡易新設分割)により、2022年4月から三井金属パーライト株式会社となっております。
(注)3. 当連結会計年度において契約を終了いたしました。
ESG経営の推進によりお客様や社会とともに持続的に成長し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続けることを長期ビジョンに掲げ、持続可能な社会の実現に向け、研究開発をすすめております。
当社グループの研究開発活動は、技術部門をエンジニアリング統轄本部に集約し、グループ各社との相互連携及び社外の研究機関や大学、企業との共同研究などを通じて、技術力の強化と伝承並びに新たな技術・商品・サービスの開発を積極的にすすめております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) 環境・エネルギー事業
① 廃棄物処理関係では、ライフサイクルコストの低減やエネルギー回収の増大につながる独自技術の開発を主な目的として、自社工場内に設置した多目的実証炉(ストーカ式実証炉)を活用し、燃焼改善による有害物質(窒素酸化物、酸性ガス、ダイオキシン類など)の低減及び発電効率の向上(高効率化)に関する開発などを継続しております。また、ごみ焼却プラントの排ガスに含まれるCO2を回収し化学品などの原料となるカーボンを生み出す技術やバイオガスから高濃度のメタンを生成するバイオメタネーションの研究開発をすすめたほか、カーボンニュートラルの実現に向けたオープンイノベーションプラットフォーム「C2Xプロジェクト」に参画するなど、CO2の分離・回収・利用に関する技術の研究開発を行っております。さらに、AIを活用した燃焼制御システム「ICS」など、AIやIоTを活用した安全・安心で効率的な施設運営に資する技術の開発を継続しております。
② エネルギー関係では、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度関連で引き合いの多い未利用木質バイオマスの活用など、各種バイオマス燃料の燃焼・発電利用に向けた要素技術の開発を引き続き実施したほか、バイオマス発電プラントにおける省エネルギー型CO2分離回収技術についての研究開発をすすめております。
③ 水処理関係では、下水汚泥焼却発電システム、上向流移床型砂ろ過装置に関する技術開発を引き続き実施しております。下水汚泥焼却発電システムでは、バイオマスなど新たな補助燃料についての研究開発をすすめております。
これら当事業に係る研究開発費は
(2) 民生熱エネルギー事業
真空式温水機では、ハイエンドモデルである「スーパーバコティンヒーターGTL-800」(ガス焚)の超低NOx仕様として、「スーパーバコティンヒーターGTL-800X」(ガス焚) を開発し、市場投入しました。本製品には新開発のメタルファイバーバーナを搭載し、低負荷運転時の運転効率を向上させたほか、NOx排出量の大幅な削減を実現しました。
貫流ボイラでは、従来機のスーパーエクオスシリーズ「EQi-2000/2500 NM/LM」(ガス焚)について、エコノマイザの高性能化により更なる高効率化を実現しました。なお、本製品は2022年4月に市場投入しております。
引き続き、真空式温水機や貫流ボイラの更なる改良開発をはかり、脱炭素社会を見据えた製品開発をすすめてまいります。
当事業に係る研究開発費は
(3) 設備・システム事業
半導体工場向けの洗浄装置では、微細な泡で洗浄効果を高め薬液の使用量を低減することができるマイクロバブル洗浄技術を用いた洗浄装置において、大学との共同研究を継続し、基礎物性の把握、大学の設備を用いた精緻な分析評価を行うなど、開発をすすめております。また、マイクロバブル発生技術の半導体・電子産業以外の業界への用途展開を目的とし、オゾンナノバブル水の殺菌技術について大学と共同研究を継続して行っております。
半導体工場のクリーンルーム向けのケミカルフィルタでは、高機能化、長寿命化を目指したフィルタの開発を実施しております。また、分析監視装置では、測定項目の拡充などの改良開発をすすめており、引き続き、クリーンルームにおける超清浄空間の維持管理対策をトータルソリューションで提供できるよう、商品開発をすすめてまいります。
当事業に係る研究開発費は