第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「熱・水・環境の分野で、環境に優しい社会、きれいで快適な生活の創造に貢献します」を企業理念に掲げ、その実現のため、エネルギーの有効利用や環境関連の分野で有用な製品やサービスを独自の技術力で創出し、世界のお客様のお役に立つことを目指しております。

そのうえで、企業価値の最大化を目指して透明性や効率性の高い経営に努め、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待と信頼にお応えするとともに、健全な成長を図って企業の社会的責任を果たしてまいりたいと考えております。

さらに、当社グループは、「我々はわが社を最も働きがいのある、最も働きやすい職場にしよう」をモットーに信頼・連帯感・誇りで結ばれる風通しの良い職場の実現を目指し、働きがいのある企業風土づくりや人財育成などに取り組み、成長し続けるための基盤強化を図ってまいる所存です。

 

(2) 経営戦略等

① 中期経営計画

当社グループは、スーパーメンテナンス会社(商品やサービスを通じてお客様と持続的につながり続ける会社)を目指し、国内は、お客様に熱・水・環境の分野においても独自技術によるトータルソリューションをグループの総合力で進化させながら提供することにより、事業の拡大を図ってまいります。海外においては、省エネルギーと環境保全の提案など国内で長年培ったビジネスモデルを展開し、事業基盤の強化と収益力の向上に努めてまいります。また、グローバルな市場のニーズにマッチした新製品の開発や設計・製造一体となった品質の追求に取り組み、企業ブランドの浸透を図ってまいります。

 さらには、中長期的な企業価値向上を図るべくESG経営への取り組みを継続するとともに、働き方改革や生産性の向上に向けたIT技術の活用に取り組み、グループの成長基盤を強化してまいります。

 当社グループは、永続的な成長と安定的な収益を実現するため、3年分の中期計画を作成し、以下を目標に経営を行ってまいります。なお、中期計画は事業環境の変化等を考慮して毎年見直す「ローリング方式」により立案しております。

(単位:百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

売上収益

155,000

163,000

172,000

営業利益

20,000

22,000

23,500

当社グループ一丸となって目標の達成を目指してまいります。

なお、現時点では暫定的に3か年の数値計画を上記のとおり策定しておりますが、新型コロナウイルス感染症

の収束時期やその後の各国経済の回復過程等、事業環境には不透明感が強いことから、今後、業績予想の修正が必要となった場合には、数値計画の見直しを実施する予定です。

 

② 経営指針

1.グループの総合力でグローバル化を推進する

ミウラグループ全部門の協力で積極的に海外展開を推進し、ミウラの商品とサービスが世界標準となるよう目指します。

2.テクノサービスで世界のベストパートナー企業を目指す

ボイラを通じて培ったお客様との信頼関係を活かして、お客様の抱える熱・水・環境に関する問題解決提案型の企業となります。それにより、お客様と更に強固な信頼関係を構築することを目指します。

3.社員の潜在能力が最大限に発揮できる職場作りを目指す

全ての社員に、より良い変化を求めてチャレンジできる機会を均等に与え、多様な価値観を尊重しつつ、公平で活力ある会社とします。そして、個人の能力を最大限に引き出すことにより、世界と戦える人材を育てます。商品開発・製造については、関係する各部門が機能的に協力する四位一体改革(設計・製造・調達各部門並びに協力会社との品質向上改革)を推進します。

 

 

 

 

 

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、いかなる市場環境のもとでも利益を着実に拡大していくことが、企業価値の増大と株主利益の向上につながるものと考えており、さらなる営業利益の増加とROE(自己資本当期純利益率)10%を経営目標としております。

2023年3月期には、営業利益20,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益15,200百万円を年度経営目標として収益性の向上に取り組んでまいります。

 

(4) 経営環境

 2023年3月期の当社グループを取り巻く国内の事業環境は、鋼材価格の上昇、原油価格の高騰や人手不足の影響に伴う生産コスト・物流コストの上昇に加え、新型コロナウイルス感染症の影響も引続き見込まれることにより、経済環境は依然として不透明な状況が続くものと見込まれますが、行動制限緩和に伴う営業活動拡大により、設備投資需要は回復していくと思われます。海外の事業環境は国や地域によって大きく異なるため、画一的な判断は困難でありますが、各国の状況に合わせた営業活動を進めてまいります。

 今後の見通しについて、国内においては、脱炭素社会の実現のため、「熱ソムリエ」として、クリーンな熱を供給することが我々の存在意義と認識し、お客様視点での「トータルソリューション」提案活動を推進してまいります。

 海外においては、国や地域によって大きく状況は異なりますが、環境規制や環境負荷低減に伴うボイラの提案、新規顧客開拓や負荷分析実施による省エネ提案営業の強化により、機器販売を推進してまいります。メンテナンス事業は、人財育成に注力し、有償保守契約の取得件数増加や再契約率向上に努めてまいります。

 

(5) 対処すべき課題

当社グループは、2020年3月期より「お客様との信頼関係をベースに一つでも多くの製品・サービスの提供を通じてお客様と持続的につながり続ける会社」の実現を目標に取り組んでまいりました。2022年3月期においては、国内海外ともに新型コロナウイルス感染症は収束しておりませんが、行動制限も以前よりは緩和されていることもあり、営業活動への影響は徐々に小さくなっております。2023年3月期は、諸々の環境変化を踏まえ、従来とは異なる社会ニーズへの対応を加速化させながら、引続き環境負荷低減、トータルソリューション、ワンストップサービスをスローガンに既存事業の収益体質の強化、新たにより多くのお客様とつながりをもつことのできる製品・サービスの提供、日本で培ったビジネスモデルの展開に取り組んでまいります。そのために、新製品・新サービスの研究開発、独創的な技術を獲得するM&A、環境保全・安全・品質等を高めるための投資、生産性向上に向けた情報システムの再構築、そして従業員教育等に積極的に投資を行ってまいります。

 

①  新製品の開発・新サービスの開発

 国内においては、ボイラだけでなくランドリー機器、舶用機器、水処理機器、食品機器、メディカル機器、未利用熱回収装置、環境分析装置、燃料電池などの環境課題解決のための新製品の開発やメンテナンスをベースとした新サービスの開発で、あらゆるお客様の付加価値を最大化できるトータルソリューションを提供する新製品の開発を引続き積極的に進めてまいります。

 

②  海外への日本のビジネスモデルの展開

 世界のお客様に、日本と同等の品質のサービスを提供できるよう、人的投資を積極的に行い、各国の拠点網の拡充、従業員教育の充実を図ってまいります。

 

③  トータルソリューションによる事業の拡大

 当社グループは、中長期の経営戦略として、トータルソリューションに基づいた事業拡大を掲げております。具体的には、主力製品であるボイラを核として周辺機器をつなぐことにより、お客様の工場全体で抱えられている問題を解決し、お客様に更なる成長をしていただける環境作りを目的として活動しております。当社グループはこのトータルソリューションを拡大し、進化させるため、引続き他社との協業やM&Aも検討してまいります。

 

④ 働き方改革への取り組み

 当社グループは、お客様の信頼を得るためには、経験を積み、質の高いサービスを提供することが必要不可欠であり、そのためには、従業員同士がしっかりとコミュニケーションをとり、意思疎通が図れて働きやすい職場にすることが必要であると考えております。これまで、継続的に人事制度の充実やワークライフバランスの推進などを行うことにより、育児・介護などの事情を抱えた従業員が活躍できるような職場の実現に注力してきておりますが、当社グループで働く外国人や障がい者の方々も増加していることから、今後はさらに従業員の多様性を尊重し、それぞれの個性が活かせる職場づくりを積極的に進めてまいります。

 

⑤ 女性の登用

 当社グループは、特に女性従業員のキャリア形成について支援強化を継続しており、外部研修受講奨励や女性技術者等の他社交流会による意識改革とあわせ、女性管理監督者比率目標を3%と掲げ、役職者登用の拡大と育成強化を進めてまいりました。

 近年では、従来の女性活躍領域を超えた社内公募制度の開始及び領域の拡大を実施し、活躍志向の人財発掘とキャリアアップ支援を強化しております。引続き、主任・係長のジョブローテーションの推進、役員や女性上位役職者参画によるオフサイトミーティングの開催並びにフィールドエンジニア職、営業職の採用及び教育等を通じて、課長候補者の計画的な拡充、強みを生かした専門領域等での上位役職への登用に取り組んでまいります。直前5ヶ年の女性役職者数及び比率

 

 

2018年

3月31日

2019年

3月31日

2020年

3月31日

2021年

3月31日

2022年

3月31日

女性役職者

(名)

228

239

255

276

295

女性役職者比率

(%)

13.5

13.9

14.4

15.2

15.6

うち管理監督者(課長以上)

(名)

16

16

16

16

19

女性管理監督者比率

(%)

3.0

2.9

2.7

2.6

2.9

  (注)1 女性役職者比率は、当社の全役職者に対する女性の割合を記載しております。

2 女性管理監督者比率は、当社の全管理監督者(課長以上)に対する女性の割合を記載しております。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営目標の達成を阻害するさまざまなリスクのうち、特に品質、環境、情報セキュリティ、財務、コンプライアンス、労働災害、災害問題等を主要なリスクとして、これらの部門を担当する各執行役員が責任者と

なりリスク管理の推進と対応策の整備に努めております。また、リスク管理に関する方針の策定やリスク対策等のうち、重要案件については取締役会で審議しております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 減損会計に関するリスクについて

 当社グループでは、事業の用に供する不動産をはじめとするさまざまな資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損処理を行う可能性があり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、企業買収・資本提携等を実施しております。当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーが達成できなかった場合、のれん等の減損処理により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 知的財産権について

 当社グループは、知的財産権としての特許を重視しており、必要な特許の取得を積極的に努めております。しかし、特許取得により、当社グループの技術情報が開示され、それをもとに他社が関連技術、関連製品の開発を行う特許侵害の可能性があり、その場合は特許係争リスクを抱えることになります。また、製品開発に関しては特許侵害のないように注意を払っておりますが、他社からの特許侵害の訴訟を受ける可能性を完全に払拭することはできません。他社から特許侵害の訴訟を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品及びサービスの欠陥について

 当社グループは、顧客満足を第一にお客様に安心してお使いいただける製品及びサービスの提供に取り組んでおりますが、これらすべての製品及びサービスに欠陥がなく、リコールが発生しないという保証はありません。当社グループの製品は、ほとんどが生産財であり、また、主要機種は定期的な保守点検を実施しておりますので、大規模なリコールや賠償につながる可能性は少ないと考えております。しかしながら、賠償責任保険でカバーできる範囲を超えるような予想外の重大な欠陥が発生した場合には、直接的な損害にとどまらず、製品及びサービスへの信頼性や評価にも影響を与え、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 災害等について

 当社グループは、顧客満足を第一にお客様に安心してお使いいただける製品及びサービスの提供に取り組んでおりますが、大震災等の自然災害が発生した場合、生産、販売、メンテナンス体制等に混乱が生じる可能性があります。お客様に対する製品及びサービスの提供を維持するため、災害発生時の行動基準「ミウラグループ事業継続計画」を制定しており、随時見直しを行っておりますが、特に当社及びグループ企業の本社機能、生産設備に大きな影響を及ぼす災害が発生した場合には、直接的な損害にとどまらず、製品及びサービスへの信頼性や評価にも影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 気候変動に関するリスクについて

 気候変動による地球温暖化の影響に対する世界的な動きとして、脱炭素社会に向けた規制強化や技術革新が進められておりますが、化石燃料からクリーンエネルギー資源への移行により、当社グループの主力製品であるボイラの売上に影響を及ぼす可能性があります。

 また、市場の需要を踏まえて環境負荷低減の製品の開発に取り組んでおりますが、脱炭素社会への急速な移行による、予測を超えた操業コストの増加や開発の遅れによる販売機会の損失により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、気候変動を世界共通の重大な課題であると認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報を当社ホームページ(https://www.miuraz.co.jp/news/ir/2022/1257.php)に掲載しております。

 

(6) カントリーリスクについて

 当社グループは、複数の国で事業活動を展開しております。各国の政治・経済・社会・法制度等の変化や暴動・テロ・疫病等(新型コロナウイルス感染症含む)の発生による経済活動の制約及びサプライ・チェーンや流通網の遮断等が発生した場合、当社グループの生産活動、販売活動及びメンテナンス活動に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、生産活動は、サプライ・チェーンの停滞等による部材調達懸念が把握されております。販売活動は、顧客の設備投資意欲減退の影響を受けて受注機会の減少や製品納入の延期等が懸念されます。今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期にわたる場合には、当社グループの生産活動、販売活動に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社で定めたガイドラインに基づき、従業員自身で実施する感染症対策に加え、出張制限や不特定多数を対象とする会合への参加自粛、お客様の弊社来訪自粛要請など、当社グループ内での感染阻止に取り組み、販売活動及び生産活動への影響を最小限に止めています。

 

 

(8) 原材料価格の変動について

 当社グループの主力製品である小型貫流ボイラは、主要缶体部分に鋼板・鋼管を使用しており、また、水管ボイラは受注生産のため、他の製品と比べ納期が長く、特殊な鋼板・鋼管を使用しております。このため、鋼材価格が急激に高騰した場合、製造コストの削減や販売価格への転嫁などで対応できない可能性があります。これら原材料価格の上昇は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) サプライヤからの部品供給について

 当社グループは、「ミウラグループ事業継続計画」の策定により安全在庫の確保、サプライヤの代替先の検討といった、有事に備えた対策を講じております。しかし、予期しない政治的・経済的要因の発生、災害や疫病等(新型コロナウイルス感染症含む)によるサプライヤからの部品供給停止といった不測の事態により、調達価格の高騰あるいは調達量、納期の確保が困難となる場合には、生産遅延、販売機会の損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報セキュリティについて

 当社グループは、生産管理・販売管理及び財務等に関する情報をネットワークを通して管理しており、情報システムの重要性が増大しております。コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにつきましては、十分な予防措置を講じておりますが、予期し得ない外部からの侵入や攻撃がなされた場合、その内容や規模によっては、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 また、内部統制への対応として、財務報告の信頼性を維持し高めることが求められている中、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適正なIT業務運用に努めております。しかしながら、予期し得ない統制上の問題が生じた場合には、財務報告の信頼性を担保できないような状況が起こり得ることも考えられます。

 

(11) 法的規制等について

 当社グループは、事業活動を展開している各国において、さまざまな法的規制を受けております。グループ全体でこれらの規制を遵守すべく、リスク管理体制の整備を進めております。万が一これらの規制を遵守できない事象が発生した場合、当社グループの事業活動が制限される可能性や費用負担の増加につながる可能性があります。特に、関税・輸出入規制や圧力容器及び大気汚染防止規定などの改正により、機器の生産や販売に大きな影響を受ける可能性があります。

 

(12) 為替の変動について

 当社グループは、海外における事業も展開しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの取扱商品の一部は、海外での取引を行っておりますので、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 

 

売上収益

 

(百万円)

 

営業利益

 

(百万円)

 

営業利益率

 

(%)

 

税引前

当期利益

(百万円)

 

当期利益

 

(百万円)

親会社の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

基本的

1株当たり

当期利益

(円)

2022年3月期

143,543

19,441

13.5

20,421

14,402

14,415

127.74

2021年3月期

134,732

17,858

13.3

18,165

12,711

12,695

112.62

前期比

6.5%

8.9%

12.4%

13.3%

13.6%

13.4%

 

 当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症が依然として収束しておりませんが、行動制限が以前に比べ緩和されていることもあり、営業活動への影響は徐々に小さくなっております。しかしながら、鋼材価格の上昇や半導体不足、地政学的な問題も発生しており、先行きの不透明感は依然として高い状態であります。

 このような状況の中で当社グループは、お客様と社員の安全確保を第一優先とし、感染防止対策を実施した上で、「熱・水・環境の分野で、環境に優しい社会、きれいで快適な生活の創造に貢献します」の企業理念のもと、お客様の抱えられている問題を解決する「トータルソリューション」の提案活動を推進してまいりました。

 当連結会計年度の連結業績につきましては、国内においては、機器販売事業で主力の小型貫流ボイラやメディカル機器に設備投資需要の回復がみられ、販売が増加し、メンテナンス事業も堅調に推移しました。海外においては、機器販売事業で前期に新型コロナウイルス感染症の影響で販売が低調だった国や地域において、設備投資需要の回復がみられ、メンテナンス事業は堅調に推移しました。

 利益面につきましては、増収効果や販売商品の構成変化もあり、増益となりました。

 売上収益は143,543百万円(前期比6.5%増)、営業利益は19,441百万円(前期比8.9%増)、税引前当期利益は20,421百万円(前期比12.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は14,415百万円(前期比13.6%増)となりました。

 売上原価は、前連結会計年度に比べ6.0%増の84,556百万円となりました。売上収益原価率は58.9%と前連結会計年度と比べ0.3ポイントの減少となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ6.5%増の40,229百万円となりました。

営業利益は、前連結会計年度に比べ8.9%増の19,441百万円となり、営業利益率は13.5%と前連結会計年度と比べ0.2ポイントの増加となりました。

この結果、税引前当期利益は前連結会計年度に比べ12.4%増の20,421百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、13.6%増の14,415百万円となりました。

また、基本的1株当たり当期利益は127円74銭、親会社所有者帰属持分当期利益率は9.4%となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。

 

売上収益

セグメント利益

2021年3月期

(百万円)

2022年3月期

(百万円)

前期比

(%)

2021年3月期

(百万円)

2022年3月期

(百万円)

前期比

(%)

国内

機器販売事業

60,416

63,122

4.5

4,882

5,831

19.4

メンテナンス事業

34,797

37,012

6.4

9,524

9,637

1.2

ランドリー事業

12,583

13,112

4.2

178

322

80.8

海外

機器販売事業

19,707

22,476

14.1

2,054

2,357

14.7

メンテナンス事業

7,173

7,761

8.2

1,236

1,310

6.0

その他及び調整額

54

58

9.1

△18

△16

合計

134,732

143,543

6.5

17,858

19,441

8.9

 

国内機器販売事業

 国内機器販売事業は、前期において好調に推移した舶用機器が、当期は国内での新造船建造量の減少により売上が大きく落ち込みましたが、ボイラ機器、メディカル機器などで設備投資需要の回復がみられ、売上が増加しました。この結果、当事業の売上収益は63,122百万円と前期(60,416百万円)に比べ4.5%増となりました。セグメント利益は、増収効果及び利益率の高い製品や部品の売上が増加したことにより、5,831百万円と前期(4,882百万円)に比べ19.4%増となりました。

 

国内メンテナンス事業

 国内メンテナンス事業は、有償保守契約件数の増加や省エネ等の提案活動の推進により、売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は37,012百万円と前期(34,797百万円)に比べ6.4%増となりました。セグメント利益は、9,637百万円と前期(9,524百万円)に比べ1.2%増となりました。

 

国内ランドリー事業

 国内ランドリー事業は、新型コロナウイルス感染症によるホテルや病院などのリネンサプライやクリーニング需要の減少により、お客様の設備投資意欲が引続き減退しておりますが、アフターコロナに向けた生産性の向上、省人化や省エネなどを目的に、更新が延期されていた老朽化設備において需要回復の兆しがみられ、売上が増加しました。この結果、当事業の売上収益は13,112百万円と前期(12,583百万円)に比べ4.2%増となりました。セグメント利益は、増収の影響や経費削減により322百万円と前期(178百万円)に比べ80.8%増となりました。

 

海外機器販売事業

 海外機器販売事業は、前期において新型コロナウイルス感染症の影響で設備投資需要が減少していた国や地域で需要の回復がみられ、売上が増加しました。一方中国においては、米中関係の不透明さによる経済成長への不安から、お客様の設備に対する投資回収の判断基準が厳しくなり、市場全体において投資への慎重な姿勢が取られました。また、年間を通じて各地で散見されておりました新型コロナウイルス感染症によるロックダウンや移動制限は期末になるに従い都市部に至り、当社の営業活動が停滞し、かつお客様におかれましても工場稼働率の低下がみられ、部品や消耗品の販売が減少しました。環境規制の緩和が継続される中、ボイラの負荷・使用状況の分析をもとにソリューション提案を実施し、更新需要や新規案件を確保しましたが、業績は横ばいとなりました。この結果、当事業の売上収益は22,476百万円と前期(19,707百万円)に比べ14.1%増となりました。セグメント利益は、2,357百万円と前期(2,054百万円)に比べ14.7%増となりました。

 

海外メンテナンス事業

 海外メンテナンス事業は、有償保守契約の積極的な提案による契約件数の増加により売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は7,761百万円と前期(7,173百万円)に比べ8.2%増となりました。セグメント利益は、1,310百万円と前期(1,236百万円)に比べ6.0%増となりました。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内機器販売事業

26,353

1.5

国内メンテナンス事業

3,826

12.0

国内ランドリー事業

2,613

72.5

海外機器販売事業

8,003

18.3

海外メンテナンス事業

1,168

6.2

合計

41,965

8.3

 (注) 金額は、製造原価により表示しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における国内機器販売事業の受注実績を示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

国内機器販売事業

7,708

52.6

5,777

25.5

 (注) 1 金額は、販売価格により表示しております。

 2 受注生産は、舶用ボイラ及び舶用機器のみであります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内機器販売事業

63,122

4.5

国内メンテナンス事業

37,012

6.4

国内ランドリー事業

13,112

4.2

海外機器販売事業

22,476

14.1

海外メンテナンス事業

7,761

8.2

その他

58

9.1

合計

143,543

6.5

 (注) 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

 

③ 財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2021年3月31日)

当連結会計年度

(2022年3月31日)

増減

資産合計

196,342

219,154

22,812

負債合計

50,843

58,919

8,075

資本合計

145,498

160,235

14,737

 

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ22,812百万円増加し、219,154百万円となりました。流動資産は、主に営業債権及びその他の債権が4,052百万円、棚卸資産が3,772百万円それぞれ増加し、一方で、その他の金融資産が2,553百万円減少した結果、7,913百万円の増加となりました。非流動資産は、主に持分法で会計処理されている投資が14,613百万円増加したことにより、14,898百万円の増加となりました。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ8,075百万円増加し、58,919百万円となりました。流動負債は、主に営業債務及びその他の債務が2,001百万円、契約負債が1,921百万円増加したことにより、7,640百万円の増加となりました。非流動負債は、その他の金融負債が562百万円増加したこと等により、435百万円の増加となりました。

 資本合計は、主に利益剰余金が9,967百万円増加し、その他の資本の構成要素が3,013百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ14,737百万円増加し、160,235百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は73.1%となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ収入が3,540百万円減少し、19,442百万円の収入となりました。これは主に「営業債務及びその他の債務の減少による支出」が減少し、かつ「契約負債の増加による収入」が増加したものの、「営業債権及びその他の債権の減少による収入」が減少し、かつ「棚卸資産の増加による支出」が増加したためです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が3,407百万円増加し、14,481百万円の支出となりました。これは主に「定期預金の払戻による収入」が増加し、かつ「投資の取得による支出」が減少したものの、「投資の売却又は償還による収入」が減少し、「持分法で会計処理されている投資の取得による支出」が増加したためです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ収入が4,602百万円増加し、3,389百万円の支出となりました。これは主に「短期借入金の増加による収入」及び「長期借入れによる収入」、並びに「自己株式の売却による収入」が増加したためです。

以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ2,613百万円増加し、40,041百万円となりました。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しております。

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の実績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性の維持及び効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。当社は、運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を図り、グループ内の資金管理を当社に集中させることで、グループ内の資金管理の一元化・効率化に努めております。また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のために十分な現金及び現金同等物を確保し、金融情勢等を勘案し、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しております。

当社は、株式会社格付投資情報センター(R&I)より発行体格付Aを取得しております。金融・資本市場からの必要な資金調達において、一定水準の格付の維持・向上は重要と考えております。

当社グループは、運転資金等の短期資金及び設備投資等の長期資金については、今後も引続き堅調な営業活動によるキャッシュ・フローを主な資金源と考えており、将来の事業拡大に伴う長期資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本と考えております。

なお、当連結会計年度末における借入金等有利子負債の残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 16.その他の金融負債」に、リース負債の残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ①連結財政状態計算書」に、また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.現金及び現金同等物」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループは、ボイラ事業を中心として新事業開発・熱利用・アクア・メディカル・食品機械・舶用・環境・ランドリー事業を行っておりますが、研究開発部門においては、これらの事業に貢献できる特に環境に配慮した、ミウラならではの技術を取り入れた新商品開発を目指しております。

 これらの研究開発活動は、R&D部門での要素研究や長期課題に対する研究開発と並行し、新技術・新商品の実用化に向けた技術開発を事業部の技術・設計部門が行う形態であります。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は、2,905百万円であります。

 

 当連結会計年度の主な研究開発の概要、成果及び研究開発費は、以下のとおりであります。

(1) 国内機器販売事業

① ボイラ事業

 CO2を出さないことで注目されている水素を燃焼でき、かつ低NOx化が図れるバーナの開発に成功し、本バーナを採用した水素焚き貫流ボイラ(相当蒸発量2T/H)が日本で初めて東京都低NOx・低CO2小規模燃焼機器に認定されました。また、カーボンニュートラルに貢献できるバイオマス・下水汚泥焼却炉用廃熱回収ボイラの対応にも注力しております。

② 新事業開発・熱利用事業

 燃料電池においては、現在発売中のコージェネレーションモデルに加え、発電効率65%のモノジェネレーションモデルについてもお客様先での実証に取り組んでおります。

 熱エネルギー有効活用機器では、これまで捨てられていた低温の廃温水や循環冷却水の未利用熱を、自社開発の高効率ヒートポンプで汲み上げ、ボイラ給水を加温する装置の開発やラインナップ拡充、さらに将来の脱炭素社会へ向けたカーボンニュートラル関連機器の研究開発にも着手しております。

③ アクア事業

 安全性の向上や水コストの低減ができる膜ろ過装置のモデルチェンジを行い、最新のUF膜モジュールを採用したUF膜ろ過装置を発売しました。製薬用水向けには純水ユニット(熱水殺菌仕様)を開発し、周辺設備を含めたシステム全体を再構築して発売しております。

 家庭用向け製品では、1~2人世帯向けシャワー用軟水器ソフティナ・ポッドを開発しました。引続き安全・安心な水の供給、水設備の省力化運転、水リサイクル・節水の推進、きれいで快適な生活の創造に貢献してまいります。

④ メディカル事業

 オゾンと過酸化水素の混合ガスを用いた滅菌器においては、医療機器として承認を取得して発売を開始しました。また、大型シャワー式洗浄器も商品化し、病院の滅菌器具供給部門で使われる主要機器全てに対し、当社製品を提案できるようになりました。現在、これらの機器を一括管理するクラウドシステムの開発に取り組んでおります。

⑤ 食品機械事業

 2025年の冷媒規制対応として、GWP1500以下の冷媒を用いた冷水装置の開発を進めております。また食品用の加熱釜・ニーダーの商品改良及びユーザーへの最適提案を実施するため、食材の攪拌の様子をシミュレーションできるソフトを使って開発を加速しております。

⑥ 舶用事業

 海運のGHG排出削減に向けてLNG燃料をはじめとする新燃料転換が加速する状況に応じ、船舶ボイラを中心に新燃料対応商品の開発を進めております。また、船舶のデジタル化にも対応した舶用機器のIoT化を進め、データを活用した質の高いメンテナンスサービスに向けたシステム開発に取り組んでおります。

⑦ 環境事業

 三浦環境科学研究所では、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)をはじめとする特殊環境有害物質の分析前処理を中核技術とし、農薬・シックハウス市場を新たな成長分野として位置付けた研究開発を進めております。

 当事業に係る研究開発費は、2,828百万円であります。

 なお、海外で販売されている機器についても、国内で開発を行っており、国内メンテナンス事業・海外メンテナンス事業についても、製品開発と不可分であるため、当事業に含めて記載しております。

(2) 国内ランドリー事業

 省エネルギーや省水に対応する洗濯機・乾燥機・ロールアイロナー・排水リサイクルシステム、省人化やコスト低減に対応する自動化装置、リネン材の安全・安心に対応する殺菌システムなど多様化するユーザーニーズに応えるべく活動を行っております。

 当事業に係る研究開発費は、77百万円であります。