文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「熱・水・環境の分野で、環境に優しい社会、きれいで快適な生活の創造に貢献します」を企業理念に掲げ、その実現のため、エネルギーの有効利用や環境関連の分野で有用な製品やサービスを独自の技術力で創出し、世界のお客様のお役に立つことを目指しております。
そのうえで、企業価値の最大化を目指して透明性や効率性の高い経営に努め、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待と信頼にお応えするとともに、健全な成長を図って企業の社会的責任を果たしてまいりたいと考えております。
さらに、当社グループは、「我々はわが社を最も働きがいのある、最も働きやすい職場にしよう」をモットーに信頼・連帯感・誇りで結ばれる風通しの良い職場の実現を目指し、働きがいのある企業風土づくりや人財育成などに取り組み、成長し続けるための基盤強化を図ってまいる所存です。
(2) 経営戦略等
① 中期経営計画
当社グループは、スーパーメンテナンス会社(商品やサービスを通じてお客様と持続的につながり続ける会社)を目指し、国内は、お客様に熱・水・環境の分野においても独自技術によるトータルソリューションをグループの総合力で進化させながら提供することにより、事業の拡大を図ってまいります。海外においては、「熱プロバイダー」として、さまざまな国や地域のお客様の熱需要にお応えできるよう積極的な人的投資、各エリアでの拠点網拡充、従業員教育の充実を図るとともに、グループ各社が相互に尊重しあい、市場におけるポジショニングや強みを認識することで、シナジーを創出いたします。また、グローバルな市場のニーズにマッチした新製品の開発や設計・製造一体となった品質の追求に取り組み、企業ブランドの浸透を図ってまいります。
さらには、中長期的な企業価値向上を図るべくESG経営への取り組みを継続するとともに、働き方改革や生産性の向上に向けたIT技術の活用に取り組み、グループの成長基盤を強化してまいります。
中期計画として、以下を目標に経営を行ってまいります。なお、中期計画は経営環境の変化に応じて毎年見直す「ローリング方式」から、3年後の目標値を固定する「固定方式」へ変更いたしました。この変更により3年後の目標値を明確化して取り組んでまいります。
(単位:百万円)
|
|
2026年3月期 |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
|
売上収益 |
271,500 |
284,500 |
300,000 |
|
営業利益 |
32,600 |
34,500 |
36,500 |
② 経営指針
1.グループの総合力でグローバル化を推進する
ミウラグループ全部門の協力で積極的に海外展開を推進し、ミウラの商品とサービスが世界標準となるよう目指します。
2.テクノサービスで世界のベストパートナー企業を目指す
ボイラを通じて培ったお客様との信頼関係を活かして、お客様の抱える熱・水・環境に関する問題解決提案型の企業となります。それにより、お客様とさらに強固な信頼関係を構築することを目指します。
3.社員の潜在能力が最大限に発揮できる職場作りを目指す
全ての社員に、より良い変化を求めてチャレンジできる機会を均等に与え、多様な価値観を尊重しつつ、公平で活力ある会社とします。そして、個人の能力を最大限に引き出すことにより、世界と戦える人材を育てます。商品開発・製造については、関係する各部門が機能的に協力する四位一体改革(設計・製造・調達各部門並びに協力会社との品質向上改革)を推進します。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、いかなる市場環境のもとでも利益を着実に拡大していくことが、企業価値の増大と株主利益の向上につながるものと考えており、さらなる営業利益の増加とROE(自己資本当期純利益率)13%以上を経営目標としております。
2026年3月期には、営業利益32,600百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益26,500百万円を年度経営目標として収益性の向上に取り組んでまいります。
(4) 経営環境
2026年3月期の当社グループを取り巻く国内の事業環境は、人件費やエネルギー価格の上昇に伴う原材料コスト・物流コストなどの増加や貿易政策変更による影響が見込まれますが、設備投資需要は安定して推移すると思われます。海外の事業環境は国や地域によって大きく異なるため、画一的な判断は困難でありますが、各国の状況に合わせた営業活動を進めてまいります。
今後の見通しについて、国内においては、脱炭素社会の実現のため、クリーンな熱を供給することが我々の存在意義と認識し、まずはお客様視点での「トータルソリューション」提案活動を推進してまいります。
海外においては、国や地域によって大きく状況は異なりますが、環境規制や環境負荷低減に伴うボイラの提案、新規顧客開拓や負荷分析実施による省エネ提案営業の強化により、機器販売を推進してまいります。メンテナンス事業は、人財育成に注力し、有償保守契約の取得件数増加や再契約率向上に努めてまいります。
(5) 対処すべき課題
当社グループは「お客様との信頼関係をベースに一つでも多くの製品・サービスの提供を通じてお客様と持続的につながり続ける会社」の実現を目標に取り組んでまいりました。引き続き、諸々の環境変化を踏まえ、新たな社会ニーズへの対応を加速化させながら、①環境負荷低減 ②トータルソリューション ③ワンストップサービスをスローガンに既存事業の収益体質の強化、新たにより多くのお客様とつながりをもつことのできる製品・サービスの提供、グローバル展開に取り組んでまいります。そのために、新製品・新サービスの研究開発、独創的な技術を獲得するM&A、環境保全・安全・品質等を高めるための投資、生産性向上に向けたシステムの構築、そして従業員教育等に積極的に投資を行ってまいります。
① 新製品の開発・新サービスの開発
国内においては、ボイラだけでなくランドリー機器、舶用機器、水処理機器、食品機器、メディカル機器、未利用熱回収装置、環境分析装置などの環境課題解決のための新製品の開発やメンテナンスをベースとした新サービスの開発で、あらゆるお客様の付加価値を最大化できるトータルソリューションを提供する新製品の開発を引き続き積極的に進めてまいります。
② グローバル展開
「熱プロバイダー」としてお客様の熱需要にお応えできるよう、さまざまな国や地域へ展開してまいります。積極的な人的投資、各エリアでの拠点網拡充、従業員教育の充実を図るとともに、グループ各社が相互に尊重しあい、市場におけるポジショニングや強みを認識することで、シナジーを創出いたします。また、グローバル展開のスピードアップを図るため、海外での他社との協業やM&Aも引き続き積極的に進めてまいります。
③ トータルソリューションによる事業の拡大
当社グループは、中長期の経営戦略として、トータルソリューションに基づいた事業拡大を掲げております。具体的には、主力製品であるボイラを核として周辺機器をつなぐことにより、お客様の工場全体で抱えられている問題を解決し、お客様に更なる成長をしていただける環境作りを目的とした活動です。当社グループはこのトータルソリューションを拡大し、進化させるため、引き続き他社との協業やM&Aも検討してまいります。
④ 働き方改革への取り組み
当社グループは、お客様の信頼を得るためには、経験を積み、質の高いサービスを提供することが必要不可欠であり、そのためには、従業員同士がしっかりとコミュニケーションをとり、意思疎通が図れて働きやすい職場にすることが必要であると考えております。これまで、継続的に人事制度の充実やワークライフバランスの推進などを行うことにより、育児・介護などの事情を抱えた従業員が活躍できるような職場の実現に注力してきておりますが、当社グループで働く外国人や障がい者の方々も増加していることから、今後はさらに従業員の多様性を尊重し、それぞれの個性が活かせる職場づくりを積極的に進めてまいります。
サステナビリティを巡る課題対応は、リスクの減少のみならず、収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しております。特に当社グループは、省エネ等で気候変動問題に寄与する商品も多く手がけており、今後大きな変容が予想されるエネルギー事情を見据えて経営資源を配分し、積極的かつ能動的に取り組んでいくことは、中長期的な企業価値の向上の観点からも非常に重要であると考え、情報開示を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とはさまざまな要因により大きく異なる可能性があります。
(1) サステナビリティ
① ガバナンス
a.サステナビリティマネジメント
当社グループが考えるサステナビリティは、グループすべての従業員が企業理念とモットーを共有し、一人ひとりが活きいきと働き、お客様のお役に立ち、それが地球環境保全や社会貢献につながり、企業としても成長していくことであります。
ミウラグループ理念体系及び企業行動規範を踏まえて策定した「サステナビリティ基本方針」のもと、サステナビリティ経営を推し進める仕組みとして、サステナビリティ推進会議を設置し、体系的に活動を行っております。
<サステナビリティ基本方針>
b.サステナビリティ推進体制
当社グループでは、サステナブルな経営を推進する仕組みとしてサステナビリティ推進会議を年4回開催し、サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)の推進に取り組んでおります。推進会議は、社長執行役員が指名するサステナビリティ推進担当役員を議長とし、関連部門の執行役員等で構成しております。推進会議では、価値創造プロセスとその持続性に重要な影響を及ぼす課題としてミウラグループマテリアリティを特定し、その解決に向け、具体的な取り組みを整理し、各部門が長期的に目指す姿としてKPIを設定し、関連性の高いSDGsとの関係を整理し、方針・計画・施策の審議決定(Plan)、各部門での遂行(Do)、進捗管理=推進会議での進捗報告(Check)、各部門の取り組みの促進(Action)を行っております。経営会議及び取締役会へ審議・決議事項等を定期的に報告・提案を行い、取締役会が監督するガバナンス体制により、サステナビリティ経営を推進しております。
2025年3月期のサステナビリティ推進会議は、ミウラグループマテリアリティについて各部門のKPI進捗管理及び計画の見直し、リスクマネジメントにおけるリスクマップ評価の見直し及び進捗確認、CDP(Carbon Disclosure Project)スコアの結果情報の共有及び今後の対策、健康経営の指標である健康サーベイの結果の共有及び今後の運用について議論を行いました。
<サステナビリティマネジメント体制図>
② リスク管理
当社グループは、サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)を特定し、リスクと機会を評価しております。評価されたリスクや機会は、サステナビリティ推進会議において定期的に進捗の報告・管理を行っております。その中でも、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクについては、コーポレートリスクとして、当社グループ全体のリスク管理プロセスに組み込んで管理されております。詳細については、「
(2) 気候変動への取組
当社グループは、気候変動を世界共通の重大な課題であると認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づき、気候変動にかかるリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響等について、2022年5月に当社ホームページにて開示いたしました。また、2023年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。技術・製品・サービスの提供を通じて、世界的な共通目標であるカーボンニュートラルの実現に向けて、グループ一丸となって取り組んでまいります。
① ガバナンス
当社グループは、気候関連課題が事業に密接に結びつき、事業活動に大きな影響を与えると考え、気候変動に関する取り組みは、サステナビリティ推進会議で検討・立案し、経営会議での審議を経て社長執行役員を議長とする取締役会で決議・監督する体制としております。サステナビリティ推進会議はサステナビリティ推進担当役員を議長とし、各部門から選任された推進責任者、推進担当者及び事務局で構成され、定期的に開催しております。
・取締役会は、気候変動問題に関する取り組みを決議・監督する。
・経営会議は、気候変動問題に関する取り組みを審議する。
・サステナビリティ推進会議は、気候変動問題に関する取り組みを検討・立案する。
② リスク管理
当社グループは、各部門で抽出した気候変動による影響をサステナビリティ推進会議で検討し、従来のリスクマネジメント体制の枠組に気候変動リスクを追加した上で管理しております。
気候変動リスク(移行リスク、物理リスク)を含むすべてのリスクは、経営会議で統合管理しており、事業リスク影響評価を確認の上リスク対応項目を決定し、特に重要な事項を取締役会に上程しております。取締役会は、リスクマネジメントに関する特に重要な事項を審議・決議し監督しております。
・BCP検討委員会は、経営会議の諮問機関として必要に応じて組織される。
・経営会議は、気候変動リスクを含むすべてのリスクを統合し、意思決定を担う。
③ 戦略
当社は、シナリオ分析を行い、気候変動に関する重要リスク・重要機会を洗い出し、それらが及ぼす具体的な財務的影響額の評価を行っております。国内機器販売事業のボイラ事業については、主要事業であること、従来化石燃料を使用していることから今後のGHG(温室効果ガス)排出量削減規制の影響を強く受ける可能性があること、気候変動対策として、新技術の市場参入機会が存在すること、これら3つの事情を踏まえてシナリオ分析を行いました。シナリオ分析は、IEA(国際エネルギー機関)等が公表する「シナリオ」に基づき、4℃シナリオと1.5℃シナリオの2つのシナリオを用いて、2030年、2050年時点における影響を考察しております。
シナリオ分析
国内機器販売事業のボイラ事業・アクア事業における特に重要な気候変動関連リスク・機会及び財務的影響
国内機器販売事業における戦略・具体的な取組
④ 指標と目標
当社グループは、気候変動に関わる影響を重要課題と認識しており、自社の事業活動及び販売する製品・サービスの環境負荷を低減させるために、長期的なGHG排出量削減目標を定めて取り組んでおります。GHG排出量削減目標に従って、継続的に各種取り組みを推進するとともに、達成状況の評価を行ってまいります。
目標及び削減方針、排出量及び削減実績は以下のとおりであります。
なお、算定範囲は、三浦工業株式会社、株式会社三浦マニファクチャリング、三浦アクアテック株式会社、三浦工機株式会社、三浦環境マネジメント株式会社、株式会社ミウラ・エス・エー、ミウラジョブパートナー株式会社であります。
当連結会計年度の実績は、当社ウェブサイトにて2025年10月中を目途に公開予定であります。
https://www.miuraz.co.jp/csr/esgdata.html
目標及び削減方針
排出量及び削減実績(Scope1・2)
|
|
2014年 3月31日 (基準年) |
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
|
|
排出量(Scope1) |
(t-CO2) |
|
|
|
|
|
|
排出量(Scope2) |
(t-CO2) |
|
|
|
|
|
|
排出量(Scope1・2) |
(t-CO2) |
|
|
|
|
|
|
削減実績(2013年度比) |
(%) |
- |
△22.2 |
△7.6 |
△31.3 |
△38.8 |
排出量及び削減実績(Scope3)
|
|
2020年 3月31日 (基準年) |
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
|
|
排出量(Scope3) |
(万t-CO2) |
|
|
|
|
|
|
排出原単位(Scope3) |
(t-CO2/百万円) |
245.8 |
206.4 |
215.7 |
196.6 |
168.3 |
|
削減実績(2019年度比) |
(%) |
- |
△16.0 |
△12.2 |
△20.0 |
△31.5 |
(3) 人的資本・多様性への取組
① 戦略
当社グループは、企業理念とモットーを実現するために、人的資本・多様性への取り組みにおいて以下の方針を掲げております。
<人財育成方針>
当社グループでは、お客様に役立つ「技術・生産力」「営業・販売力」「メンテナンス力」とお客様に愛され信頼される「サービス力」を高める人財育成に力を入れております。また、今後の新たな事業展開に必要な新しい技術・専門知識の修得、さらなるグローバル化に向け海外事業を牽引するグローバル人財の育成も重要であると考えております。従業員の多様性を尊重し、これからも人財への投資(人財育成)を積極的に行ってまいります。
<社内環境整備方針>
当社グループでは、従業員が活きいきと働けるよう、働き方改革や仕事と家庭との両立支援制度、福利厚生の充実など、より働きがいのある、働きやすい職場の実現を目指して職場環境の整備に取り組んでおります。2024年度には、役割等級制度の導入を中心とした人事制度の改革を行っております。今後も、従業員の成長を促して支援することに注力し、従業員の「成長したい」という意欲や挑戦を可能な限り応援してまいります。
詳細については、「統合報告書2024」 人財戦略をご参照ください。
https://www.miuraz.co.jp/assets/pdf/ir/integrated/2024/14.pdf
② 指標と目標
各指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。なお、当社においては具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社で行われていないため、当社グループにおける記載が困難であることから、提出会社のものを記載しております。
a.熱ソムリエ対象資格 資格保有数
お客様へ最適な提案やトータルソリューションを実現できる人財として、熱の技術力や知識力の証であるエネルギー管理・電気・管工事・高圧ガスに関わる資格保有、さらにお客様とのコミュニケーションを深めて信頼関係を築ける従業員を「ミウラ熱ソムリエ」として認定し、報奨金と手当を支給する社内制度を設立しております。2024年度は、新たに6名の熱ソムリエが誕生し、2025年3月末時点では、14名の熱ソムリエ認定者が活躍しております。また、熱ソムリエの予備軍となる「熱マスター」制度を定め、熱ソムリエへの足がかりとなる仕組みを構築しております。
当社では自社製品のメンテナンスだけでなく、お客様が必要としている「熱」を提供できる熱ソムリエの人財育成はとても重要であると認識しており、各種公的資格取得のための支援や対策講座や実習などを開設し、積極的に支援しております。
指標と目標
|
指標 |
目標 |
|
|
熱ソムリエ対象資格 資格保有数 |
|
2026年度末に2021年度末と比較して対象資格保有数を30%以上増加 |
直近5か年の熱ソムリエ対象資格 資格保有数
|
|
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
2025年 3月31日 |
|
|
熱ソムリエ対象資格 資格保有数 |
(個) |
1,199 |
1,233 |
1,384 |
1,597 |
1,784 |
(注) 算定範囲は三浦工業単体であります。
b.研修受講者数(延べ人数)及び1人当たりの教育関連費用
当社では、職種毎の教育分科会の代表者及び経営層で構成する検討会で次年度の教育方針を毎年決定し、教育計画を策定・実施しております。当事業年度は「10万機器とつなぐまるごとメンテナンスを成功させるための土台作り」を教育方針に掲げ、取り組んでまいりました。今後も商品やサービスを通じてお客様とのつながりを大切にし、よりお客様に省エネ・環境保全で貢献できる技術力とサービス力を修得できる研修を充実させてまいります。
指標と目標
|
指標 |
目標 |
|
|
研修受講者数(延べ人数)及び1人当たりの 教育関連費用 |
|
教育を通し、当社の強みである「技術・生産力」「営業・販売力」「メンテナンス力」の総合力や専門性を発揮できる人財、海外における事業展開を支えるグローバル人財、自ら考えてチャレンジできる人財の育成を図ります。 |
直近5か年の研修受講者数(延べ人数)及び社員1人当たりの教育関連費用
|
|
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
2025年 3月31日 |
|
|
研修受講者数(延べ人数) |
(名) |
1,638 |
3,033 |
3,971 |
4,067 |
4,603 |
|
社員1人当たりの教育関連費用 |
(千円) |
47 |
55 |
75 |
84 |
100 |
(注) 1 算定範囲は三浦工業単体であります。
2 教育関連費用には、自社及び外部の研修や講習を受講するために要した費用及び資格取得に要した費用等も
含まれております。
c.女性管理職比率
女性従業員のキャリア育成について支援強化を継続しており、外部研修の受講奨励や女性技術者等の他社交流会による意識改革に取り組むとともに、役職者登用の拡大と育成強化を進めております。
近年では、女性従業員が活躍できる領域を拡大するために、フィールドエンジニア職や営業職への女性の採用や社内公募制度により活躍志向の人財発掘をしております。また、ジョブローテーションの推進や管理職候補者向け研修対象の拡大により、キャリアアップ支援を強化しております。これらを通じて、管理職候補者の計画的な拡充や強みを活かした専門領域等での上位役職への登用に取り組んでまいります。
指標と目標
|
指標 |
目標 |
|
|
|
|
|
直前5か年の女性従業員数、女性役職者数及び比率
|
|
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
2025年 3月31日 |
|
|
女性従業員 |
(名) |
797 |
801 |
796 |
824 |
856 |
|
女性従業員比率 |
(%) |
24.6 |
24.3 |
24.2 |
24.7 |
25.4 |
|
女性役職者 |
(名) |
276 |
295 |
320 |
327 |
336 |
|
女性役職者比率 |
(%) |
15.2 |
15.6 |
16.5 |
16.7 |
17.6 |
|
うち係長相当職 |
(名) |
28 |
29 |
30 |
28 |
29 |
|
女性係長相当職比率 |
(%) |
11.0 |
10.7 |
10.9 |
10.4 |
12.0 |
|
うち管理監督者(課長以上) |
(名) |
16 |
19 |
22 |
23 |
22 |
|
女性管理監督者比率 |
(%) |
2.6 |
2.9 |
3.3 |
3.4 |
|
(注) 1 算定範囲は三浦工業単体であります。
2 女性役職者比率は、当社の全役職者に対する女性の割合を記載しております。
3 女性係長相当職比率は、当社の全係長相当職に対する女性の割合を記載しております。
4 女性管理監督者比率は、当社の全管理監督者(課長以上)に対する女性の割合を記載しております。
d.有給休暇取得率
働き方改革の一環として有給休暇取得率の目標を2026年度末に80%以上と定め、有給休暇取得促進に取り組んでおります。事業年度ごとに計画有休日数が異なるため、有給休暇取得率に増減がみられますが、引き続き、計画有休の確実な取得、土日祝日と組み合わせた3連休・4連休の取得、メモリアル休暇(社員にとって大切な日の有給休暇利用)の取得を推進してまいります。
指標と目標
|
指標 |
目標 |
|
|
|
|
|
直近5か年の有給休暇取得率
|
|
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
2025年 3月31日 |
|
|
有給休暇取得率 |
(%) |
72.1 |
64.9 |
82.1 |
70.0 |
|
(注) 算定範囲は三浦工業単体であります。
e.従業員エンゲージメント
第三者調査会社にて2回目となる従業員エンゲージメント調査を実施いたしました。「多様な働き方」や「IT環境」の制度整備により満足度が上がり、前回より3ポイント上昇しスコア52.6となりました。2029年度末までにスコア55を目標に、組織長を責任者として各職場にてアクションプランを策定し、改善活動を開始しております。改善活動を通して会社と従業員が一緒になってモットーである「働きやすさや働きがい」を高め、成長できる組織風土づくりを推進してまいります。
指標と目標
|
指標 |
目標 |
|
|
|
|
|
直近5か年の従業員エンゲージメントスコア
|
|
2021年 3月31日 |
2022年 3月31日 |
2023年 3月31日 |
2024年 3月31日 |
2025年 3月31日 |
|
|
従業員エンゲージメントスコア |
|
- |
- |
- |
49.6 |
|
(注) 1 算定範囲は三浦工業単体であります。
2 株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントレーディングで
あります。エンゲージメントスコアとは、従業員の企業に対する愛着や相互理解、相思相愛度合いを数値化
した偏差値であります。「50」が全参加企業・組織の平均となります。
当社グループの経営目標の達成を阻害するさまざまなリスクのうち、特に品質、環境、情報セキュリティ、財務、コンプライアンス、労働災害、災害問題等を主要なリスクとして、これらの部門を担当する各執行役員が推進者となりリスク管理の推進と対応策の整備に努めております。また、事業リスク影響評価への対応・検証については、リスク管理の最高責任者である社長執行役員により年1回開催されるリスクマネジメント定例会で審議しております。審議内容は経営会議に報告され、次期の活動方針の承認を得ております。また、リスク管理に関する方針の策定やリスク対策等のうち、重要案件については取締役会で審議しております。
リスクマネジメント体制図
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 減損会計に関するリスクについて
当社グループでは、事業の用に供する不動産をはじめとするさまざまな資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損処理を行う可能性があり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、企業買収・資本提携等を実施しております。当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーが達成できなかった場合、のれん等の減損処理により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 知的財産権について
当社グループは、知的財産権としての特許を重視しており、必要な特許の積極的な取得に努めております。しかし、特許取得により、当社グループの技術情報が開示され、それをもとに他社が関連技術、関連製品の開発を行う特許侵害の可能性があり、その場合は特許係争リスクを抱えることになります。また、製品開発に関しては特許侵害のないように注意を払っておりますが、他社からの特許侵害の訴訟を受ける可能性を完全に払拭することはできません。他社から特許侵害の訴訟を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品及びサービスの欠陥について
当社グループは、顧客満足を第一にお客様に安心してお使いいただける製品及びサービスの提供に取り組んでおりますが、これらすべての製品及びサービスに欠陥がなく、リコールが発生しないという保証はありません。当社グループの製品は、ほとんどが生産財であり、また、主要機種は定期的な保守点検を実施しておりますので、大規模なリコールや賠償につながる可能性は少ないと考えております。しかしながら、賠償責任保険でカバーできる範囲を超えるような予想外の重大な欠陥が発生した場合には、直接的な損害にとどまらず、製品及びサービスへの信頼性や評価にも影響を与え、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等について
当社グループは、顧客満足を第一にお客様に安心してお使いいただける製品及びサービスの提供に取り組んでおりますが、大震災等の自然災害が発生した場合、生産、販売、メンテナンス体制等に混乱が生じる可能性があります。お客様に対する製品及びサービスの提供を維持するため、災害発生時の行動基準「ミウラグループ事業継続計画」を制定しており、随時見直しを行っておりますが、特に当社及びグループ企業の本社機能、生産設備に大きな影響を及ぼす災害が発生した場合には、直接的な損害にとどまらず、製品及びサービスへの信頼性や評価にも影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 労災・事故について
当社グループは、対人・対物を問わず、事故の防止対策には万全を期しておりますが、生産現場で重要な機械設備に偶発的な故障・事故が発生した場合や、施工現場で重大な労働災害が発生した場合には、生産・営業活動に支障をきたし、復旧活動に係る費用の発生、納期遅延による賠償金の発生並びに社会的な信用失墜により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) カントリーリスクについて
当社グループは、複数の国で事業活動を展開しております。各国の政治・経済・社会・法制度等の変化や暴動・テロ・疫病等(新型コロナウイルス感染症含む)の発生による経済活動の制約及びサプライ・チェーンや流通網の遮断等が発生した場合、当社グループの生産活動、販売活動及びメンテナンス活動に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 原材料価格の変動について
当社グループの主力製品である小型貫流ボイラは、主要缶体部分に鋼板・鋼管を使用しており、また、水管ボイラは受注生産のため、他の製品と比べ納期が長く、特殊な鋼板・鋼管を使用しております。このため、鋼材価格が急激に高騰した場合、製造コストの削減や販売価格への転嫁などで対応できない可能性があります。これら原材料価格の上昇は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) サプライヤからの部品供給について
当社グループは、「ミウラグループ事業継続計画」の策定により安全在庫の確保、サプライヤの代替先の検討といった、有事に備えた対策を講じております。しかし、予期しない政治的・経済的要因の発生、災害や疫病等(新型コロナウイルス感染症含む)によるサプライヤからの部品供給停止といった不測の事態により、調達価格の高騰あるいは調達量、納期の確保が困難となる場合には、生産遅延、販売機会の損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティについて
当社グループは、生産管理・販売管理及び財務等に関する情報をネットワークを通して管理しており、情報システムの重要性が増大しております。コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにつきましては、十分な予防措置を講じておりますが、予期し得ない外部からの侵入や攻撃がなされた場合、その内容や規模によっては、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、内部統制への対応として、財務報告の信頼性を維持し高めることが求められている中、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適正なIT業務運用に努めております。しかしながら、予期し得ない統制上の問題が生じた場合には、財務報告の信頼性を担保できないような状況が起こり得ることも考えられます。
(10) コンプライアンスについて
当社グループは、事業活動を展開している各国において、さまざまな法的規制を受けております。グループ全体でこれらの規制を遵守すべく、リスク管理体制の整備を進めておりますが、万が一これらの規制を遵守できない事象が発生した場合、当社グループの事業活動が制限される可能性や費用負担の増加につながる可能性があります。特に、関税・輸出入規制や圧力容器及び大気汚染防止規定、化学物質規制などの改正により、機器の生産や販売に大きな影響を受ける可能性があります。
また、従業員に向けて定期的なコンプライアンス教育を実施しておりますが、重大なコンプライアンス違反や事業活動に際し法令等に触れる事態が発生した場合には、当社グループの信用低下や損害の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 為替の変動について
当社グループは、海外における事業も展開しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの取り扱い商品の一部は、海外での取引を行っておりますので、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人財の確保について
当社グループは、事業継続及び拡大のためには、有能な人財を確保・育成する必要があります。しかしながら労働市場における獲得競争は激化しており、人財の確保・育成や雇用の継続が計画どおり進まない場合には、競争力の低下や労働力不足による製品・サービスの安定供給への支障など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新商品の開発について
当社グループは、ボイラを中心とした低炭素・脱炭素を実現する商品・サービスの開発で、顧客の付加価値を最大化できるトータルソリューションに取り組んでおります。これらの開発は不確実なものであり、顧客ニーズに合致した技術や優位性のある商品・サービスをタイムリーに提案できない可能性があります。また、顧客ニーズの変化や技術革新・デジタル革命の進化に追随できない可能性があります。優位性のある新商品・サービスを開発できない場合やトータルソリューションの取り組みが遅延した場合、そして顧客や市場が求めるカーボンニュートラルの取り組みが停滞した場合は、将来の成長と収益性を低下させる等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(14) 税務に関するリスクについて
当社グループは、各国の税法に準拠して税額計算し、適正に納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクについて、移転価格ポリシーに基づいて適正な取引価格を決定し取引を行っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加で税負担が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 資金繰りについて
当社グループは、事業活動及び将来の成長のための投融資資金を内部資金及び金融機関からの借入により調達しております。このような事業環境下で、金融市場の変動や信用状況の悪化等により、資金調達が困難となるリスクが存在します。また、予期せぬ事態が発生した場合、想定外の資金流出が発生することもあり得ます。これらの資金繰りに関連するリスクが現実的に発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
|
|
売上収益
(百万円) |
営業利益
(百万円) |
営業利益率
(%) |
税引前 当期利益 (百万円) |
当期利益
(百万円) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円) |
基本的 1株当たり 当期利益 (円) |
|
2025年3月期 |
251,341 |
25,324 |
10.1 |
29,629 |
23,363 |
23,312 |
206.35 |
|
2024年3月期 |
159,695 |
23,061 |
14.4 |
26,789 |
19,467 |
19,368 |
175.00 |
|
前期比 |
57.4% |
9.8% |
- |
10.6% |
20.0% |
20.4% |
17.9% |
当連結会計年度における日本経済は、緩やかな回復傾向が続いておりますが、その一方でエネルギー価格、物流価格の高騰、地政学リスクや貿易政策の変化など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中で当社グループは、環境負荷低減に向けた最適なエネルギー提案など、お客様の抱えられている問題を解決する「トータルソリューション」の提案活動や省エネ製品の開発、ワンストップサービスの提供に向けたスーパーメンテナンス会社の実現を推進してまいりました。
当連結会計年度の連結業績につきましては、機器販売事業で、食品機械、舶用機器、アクア機器、ボイラ及び関連機器が堅調に推移しております。また、メンテナンス事業も堅調に推移しております。海外においては、The Cleaver-Brooks Company, Inc.(以下、「Cleaver-Brooks社」という。)の買収により、機器販売事業、メンテナンス事業の売上が大幅に増加しております。利益面につきましては、ミウラフェアの開催、人件費の増加やM&A費用の計上がありましたが、買収による増収効果により増益となりました。
売上収益は251,341百万円(前期比57.4%増)、営業利益は25,324百万円(前期比9.8%増)、税引前当期利益は29,629百万円(前期比10.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は23,312百万円(前期比20.4%増)となり、いずれの利益も過去最高益を更新しました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ69.2%増の157,115百万円となりました。売上収益原価率は62.5%と前連結会計年度と比べ4.3ポイントの増加となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ55.1%増の69,419百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ9.8%増の25,324百万円となり、営業利益率は10.1%と前連結会計年度と比べ4.3ポイントの減少となりました。
この結果、税引前当期利益は前連結会計年度に比べ10.6%増の29,629百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、20.4%増の23,312百万円となりました。
また、基本的1株当たり当期利益は206円35銭、親会社所有者帰属持分当期利益率は12.1%となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
なお、報告セグメントの利益は、当連結会計年度より、当社グループの収益全体に対する被取得企業の貢献度をより明確にすることを目的とし、営業利益から「買収により認識した無形資産の償却費等」及び「M&A関連費用」を控除した金額としており、前者には取得原価の配分により認識された無形資産の償却費及び棚卸資産の再評価額が、後者にはファイナンシャルアドバイザリー費用等が含まれております。
前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分に基づき作成しております。
|
|
売上収益 |
セグメント利益 |
|||||
|
2024年3月期 (百万円) |
2025年3月期 (百万円) |
前期比 (%) |
2024年3月期 (百万円) |
2025年3月期 (百万円) |
前期比 (%) |
||
|
国内 |
機器販売事業 |
77,358 |
84,156 |
8.8 |
8,263 |
7,492 |
△9.3 |
|
メンテナンス事業 |
41,439 |
44,604 |
7.6 |
11,392 |
12,382 |
8.7 |
|
|
海外 |
機器販売事業 |
29,672 |
79,742 |
168.7 |
2,811 |
8,159 |
190.2 |
|
メンテナンス事業 |
11,167 |
42,755 |
282.8 |
1,439 |
7,549 |
424.3 |
|
|
その他及び調整額 |
56 |
81 |
42.9 |
△134 |
△67 |
- |
|
|
合計 |
159,695 |
251,341 |
57.4 |
23,773 |
35,515 |
49.4 |
|
国内機器販売事業
国内機器販売事業は、食品機械で大型案件の販売があったことや舶用機器、アクア機器、ボイラで販売が堅調に推移したことにより売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は84,156百万円と前期(77,358百万円)に比べ8.8%増となりました。セグメント利益は、原材料価格の上昇、ミウラフェアの開催など営業活動に伴う費用の増加や販売機器構成の変化もあり、7,492百万円と前期(8,263百万円)に比べ9.3%減となりました。
国内メンテナンス事業
国内メンテナンス事業は、有償保守契約売上の堅調な推移や舶用機器の部品販売増加により売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は44,604百万円と前期(41,439百万円)に比べ7.6%増となりました。セグメント利益は、12,382百万円と前期(11,392百万円)に比べ8.7%増となりました。
海外機器販売事業
海外機器販売事業は、Cleaver-Brooks社の買収により売上が増加しました。また、韓国ではボイラ販売が堅調に推移しております。この結果、当事業の売上収益は79,742百万円と前期(29,672百万円)に比べ168.7%増となりました。セグメント利益は、8,159百万円と前期(2,811百万円)に比べ190.2%増となりました。
海外メンテナンス事業
海外メンテナンス事業は、Cleaver-Brooks社の買収により売上が増加しました。各国や各地域においては、有償保守契約の積極的な提案による契約件数の増加で売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は42,755百万円と前期(11,167百万円)に比べ282.8%増となりました。セグメント利益は、7,549百万円と前期(1,439百万円)に比べ424.3%増となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内機器販売事業 |
34,200 |
10.0 |
|
国内メンテナンス事業 |
4,160 |
△11.8 |
|
海外機器販売事業 |
41,441 |
294.9 |
|
海外メンテナンス事業 |
4,834 |
238.4 |
|
合計 |
84,636 |
77.3 |
(注) 1 金額は、製造原価により表示しております。
2 海外機器販売事業及び海外メンテナンス事業の増加は、主にCleaver-Brooks社の買収によるものであります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
国内機器販売事業 |
10,399 |
36.3 |
13,444 |
42.5 |
|
海外機器販売事業 |
39,514 |
- |
32,859 |
- |
(注) 1 金額は、販売価格により表示しております。
2 受注生産は、国内機器販売事業においては主に舶用ボイラ及び舶用機器の受注生産であり、海外機器販売事業においては主にボイラ及び関連機器の受注生産によるものであります。
3 国内機器販売事業の受注高及び受注残高の増加は、主に為替の影響により海外向け舶用ボイラ及び舶用機器の受注が好調に推移したためであります。
4 海外機器販売事業の受注高及び受注残高の増加は、主にCleaver-Brooks社の買収によるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内機器販売事業 |
84,156 |
8.8 |
|
国内メンテナンス事業 |
44,604 |
7.6 |
|
海外機器販売事業 |
79,742 |
168.7 |
|
海外メンテナンス事業 |
42,755 |
282.8 |
|
その他 |
81 |
42.9 |
|
合計 |
251,341 |
57.4 |
(注) 1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2 海外機器販売事業及び海外メンテナンス事業の増加は、主にCleaver-Brooks社の買収によるものであります。
③ 財政状態の状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
増減 |
|
資産合計 |
240,962 |
439,572 |
198,609 |
|
負債合計 |
59,446 |
233,852 |
174,406 |
|
資本合計 |
181,515 |
205,719 |
24,203 |
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ198,609百万円増加し、439,572百万円となりました。流動資産は、主にCleaver-Brooks社の買収により、営業債権及びその他の債権が23,127百万円、現金及び現金同等物が17,964百万円、棚卸資産が9,485百万円増加した一方、その他の金融資産が11,485百万円減少したことにより、41,245百万円の増加となりました。非流動資産は、主にCleaver-Brooks社の買収により、のれん及び無形資産が116,862百万円、使用権資産が14,118百万円増加、株式会社ダイキンアプライドシステムズ(以下、「ダイキンアプライドシステムズ」という。)が当社の持分法適用会社となったこと等で持分法で会計処理されている投資が17,967百万円増加したことにより、157,364百万円の増加となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ174,406百万円増加し、233,852百万円となりました。流動負債は、主にCleaver-Brooks社の買収により、営業債務及びその他の債務が9,540百万円、その他の金融負債が8,308百万円、契約負債が7,566百万円増加したことにより、31,065百万円の増加となりました。非流動負債は、主にCleaver-Brooks社の買収により、その他の金融負債が106,243百万円、繰延税金負債が22,703百万円増加したことにより、143,341百万円の増加となりました。
資本合計は、主にその他の資本の構成要素が9,024百万円減少した一方、利益剰余金が17,540百万円増加、ダイキン工業株式会社(以下、「ダイキン工業」という。)への第三者割当等により、資本剰余金が8,900百万円、自己株式で6,035百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ24,203百万円増加し、205,719百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は46.4%となりました。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、34,119百万円の収入(前連結会計年度は20,810百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期利益29,629百万円、減価償却費及び償却費14,406百万円、主な減少は、持分法による投資損益4,712百万円、法人所得税等の支払額8,753百万円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、134,627百万円の支出(前連結会計年度は1,270百万円の支出)となりました。主な内訳は、定期預金の払戻による収入32,937百万円、定期預金の預入による支出21,829百万円、子会社又はその他の事業の取得による支出126,034百万円、持分法で会計処理されている投資の取得による支出14,867百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、119,703百万円の収入(前連結会計年度は15,403百万円の支出)となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入126,000百万円、自己株式の売却による収入14,871百万円、長期借入金の返済による支出11,483百万円、配当金の支払額5,960百万円によるものであります。
以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ17,964百万円増加し、55,251百万円となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」という。)に準拠して作成しております。
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の実績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性の維持及び効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。当社は、運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を図り、グループ内資金を有効活用するために、グループ内資金管理の整備・強化及び効率化に努めております。また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のために十分な現金及び現金同等物を確保し、金融情勢等を勘案し、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しております。
当社は、株式会社格付投資情報センター(R&I)より発行体格付Aを取得しております。金融・資本市場からの必要な資金調達において、一定水準の格付の維持・向上は重要と考えております。
当社グループは、運転資金等の短期資金及び設備投資等の長期資金については、堅調な営業活動によるキャッシュ・フローを主な資金源と考えており、必要に応じて借入金による資金調達を実施しております。将来の事業拡大に伴う長期資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本と考えております。
なお、当連結会計年度末における借入金等有利子負債の残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 18.その他の金融負債」に、リース負債の残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ①連結財政状態計算書」に、また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 9.現金及び現金同等物」に記載しております。
(1) 資本業務提携及び第三者割当による自己株式の処分
当社とダイキン工業は、2024年5月30日に開催された両社の取締役会において、資本業務提携(以下、「本資本業務提携」という。)を実施することを決議いたしました。
本資本業務提携では、ダイキン工業の子会社であるダイキンアプライドシステムズの株式取得を実施することに加えて、当社は、自己株式処分により、ダイキン工業に当社の普通株式を割り当ていたします。(以下、「本自己株式処分」という。)
同日開催の取締役会において、ダイキン工業を処分先とする第三者割当による自己株式の処分を行うことも決議いたしました。なお、ダイキンアプライドシステムズの株式取得及び第三者割当による自己株式の処分は、2024年10月1日付で完了しております。
① ダイキン工業の完全子会社の合弁会社化
当社がダイキンアプライドシステムズの株式の49%を、第三者割当増資を引き受ける方法により取得し(以下、「本株式取得」という。)、ダイキンアプライドシステムズをダイキン工業及び当社の合弁会社といたしました。その結果、ダイキンアプライドシステムズは当社の持分法適用会社となりました。
なお、当社によるダイキンアプライドシステムズに対する出資額は14,700百万円であり、下記「② 第三者割当による自己株式の処分の概要」記載の、当社が実施したダイキン工業を処分先とする第三者割当による自己株式処分をダイキン工業が引き受けたことにより当社に払い込まれた資金を充当いたしました。
② 第三者割当による自己株式の処分の概要
|
1) 処分期日(払込期日) |
2024年10月1日 |
|
2) 処分株式数 |
当社普通株式5,400,000株 |
|
3) 処分価額 |
1株につき2,754円 |
|
4) 調達資金の額 |
14,871,600,000円 |
|
5) 募集又は処分方法 (処分先) |
第三者割当の方法による (ダイキン工業) |
|
6) その他 |
本自己株式処分については、金融商品取引法による有価証券届出書を提出しております。 |
③ 本自己株式処分の目的及び理由
当社ではこれまで保有する自己株式の活用を模索しておりましたが、本資本業務提携のような企業価値の向上に資する目的で自己株式処分することが望ましいと判断し、ダイキン工業と交渉を行った結果、ダイキン工業が本自己株式処分を引き受けて当社に出資し、当社に払い込まれた資金をダイキンアプライドシステムズへの出資金に充てることといたしました。
④ 調達した資金の具体的な用途
本自己株式処分により調達した資金は、当社とダイキン工業との間の出資契約に基づき、ダイキンアプライドシステムズが本自己株式処分による資金調達の実行日と同日に実施した第三者割当増資において当社が出資した資金の一部として全額充当しております。なお、自己株式の処分価額の総額から発行諸費用を控除しております。
|
具体的な用途 |
金額 |
|
ダイキンアプライドシステムズの第三者割当増資に伴う出資金 |
14,700,000,000円 |
(2) 金銭消費貸借契約
当社は、Cleaver-Brooks社の買収に必要な資金を調達するため、2024年5月14日付で金融機関から以下の借入(ブリッジローン)を行いました。
(借入の概要)
1) 借入先 株式会社三井住友銀行
2) 借入金額 122,000百万円
3) 借入利率 市中金利に基づく金利
4) 借入実行日 2024年5月14日
5) 借入期間 1年
6) 担保の有無 無担保、無保証
なお、本資金については、返済済みの6,000百万円を除く116,000百万円について、以下の金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、2024年10月31日付で長期の資金への借り換えを実施いたしました。
(借入の概要)
1) 借入先 株式会社三井住友銀行、株式会社伊予銀行、株式会社愛媛銀行、株式会社りそな銀行
2) 借入金額 116,000百万円
3) 借入利率 市中金利に基づく金利
4) 借入実行日 2024年10月31日
5) 借入期間 4~7年
6) 担保の有無 無担保、無保証
(3) 金銭消費貸借契約
当社は、運転資金の調達のため、2024年6月10日付で金融機関から以下の借入を行いました。
(借入の概要)
1) 借入先 株式会社伊予銀行、株式会社愛媛銀行、株式会社京都銀行
2) 借入金額 10,000百万円
3) 借入利率 市中金利に基づく金利
4) 借入実行日 2024年6月10日
5) 借入期間 5年
6) 担保の有無 無担保、無保証
当社グループは、ボイラを中心として新事業開発・熱利用機器・水処理機器・メディカル機器・食品機械・舶用機器・環境分析機器などの事業を行っておりますが、研究開発部門においては、これらの事業に貢献できる環境に配慮した“ミウラならでは”の技術を取り入れた新商品開発を目指しております。近年では、サステナビリティ推進活動とともに、低炭素・脱炭素を実現する商品・サービスの開発への方向性を高めております。
これらの研究開発活動は、R&D部門での要素・応用研究や長期課題に対する研究開発と並行し、新技術・新商品の実用化に向けた技術開発を事業部の技術・設計部門が行う形となっております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
当連結会計年度の主な研究開発の概要、成果及び研究開発費は、以下のとおりであります。
(1) ボイラ事業
水素ボイラやアンモニア燃焼技術、バイオマス関連プラント向けの熱媒循環式の廃熱回収ボイラなどカーボン
ニュートラル(以下、CNという。)へ向けた研究開発を進めております。一方で、水素やe-methane等のCNエネルギーのインフラ整備にはまだ時間が必要であり、クリーンな天然ガスの活用はトランジション期においての重要度が再認識されつつあります。その中で、ガス焚きの主力機種であるSQ-ASシリーズをモデルチェンジし、SQ-CSシリーズとしてボイラ効率を98%から99%へ向上させて2025年3月より発売を開始いたしました。SQ-CSシリーズでは、新制御機能であるO2フィードバック制御(特許取得)を搭載しており、e-methane等への燃料変更があった場合にも調整なしでの利用が可能であります。また、自社製品だけでなく、様々な機器がつながる新IoTプラットフォーム、Webアプリケーション「+i Portal(プラスアイポータル)」を開発いたしました。お客様の設備管理をIoTを活用し合理化・高度化することで省力化・省人化のご要請にお応えするサービスを展開してまいります。
(2) 新事業開発・熱利用事業
デジタルツインを活用し、お客様の生産に必要な熱を最適にコントロールするシステムの実証に取り組み、生産負荷の変動に合わせた熱利用状態評価システムの構築、並びに蒸気システムの改善や廃熱・未利用熱を活用したボイラ給水加温システムの運用改善の提案ができるようになりました。
また、世界最高レベルとなる発電効率63%の高効率燃料電池システムを商品化いたしました。高効率な発電で約30%のCO2排出量が削減でき、自立運転機能搭載により災害時のレジリエンス強化が可能となっております。
(3) アクア事業
前事業年度に引き続き、ろ過・純水の分野を中心にシステム・エンジニアリングを強化するとともに、排水処理の分野でデジタル技術を活用した省力化・省エネの提案を開始しております。
前事業年度に販売を開始した水銀フリーのLED紫外線光源(UV-LED)を用いた水殺菌装置はラインナップの拡充を進めており、脱水銀社会の実現に大きく寄与するものと考えております。
RO装置の技術を活かしたNF装置、並びに環境負荷低減と安全性向上を実現した冷却水処理薬品の販売を開始いたしました。ボイラ用水、冷却水、リサイクル水等の分野で省エネルギー、脱炭素、節水に貢献する水処理システムとして提案を強化いたします。また、お客様設備の水管理を省力化する遠隔水質監視・管理システムの開発を推進してまいります。
(4) メディカル事業
労働力減少の課題解決に向けて滅菌物を滅菌器から保管庫まで無人搬送できるよう、搬出機・AGV・ロボットの自動運転とそれらを連携するシステムを構築いたしました。また、洗浄物を自動で認識・洗浄・搬出・搬送する洗浄システムを開発いたしました。機器管理を人からシステムへ変更し、作業効率を上げることができる機器管理システムは現在現地検証中で、開発の最終段階へと進んでおります。
従来の“メディカル横浜ラボ”は2025年度から“次世代除染技術・開発評価センター”へ名称を変更し、新技術による汚染物の除去・評価に関する研究を加速してまいります。
(5) 食品機械事業
大規模レトルト工場等への自動化システムの導入を推進しております。各種センサを用いた機器の監視・分析を基に、工場全体の運用効率を高めることができるシステムを提案し、実績も増えてまいりました。工場稼働の見える化によりメンテナンス業務の迅速化・効率化にもつながり、工場のダウンタイム低減による生産性向上も見込んでおります。
また、新たに冷水装置のメンテナンス契約制度を追加し、メンテナンスプログラムの拡充を進めております。加えて他社機器も含めたシステム監視を行い、工場全体の省エネルギーと生産性向上に貢献してまいります。
(6) 舶用事業
前事業年度に引き続き、GHG(温室効果ガス)排出削減や省エネルギー商品開発に注力しております。低炭素のLNG燃料対応ボイラの商品ラインナップの拡充、及び脱炭素燃料として期待されているアンモニア対応ボイラの開発を進めており、翌事業年度より実機検証を開始いたします。また、主機エンジン複合排熱を利用して船内電力の20~30%相当の省エネを実現するバイナリー発電システムの陸上試験機の性能評価を完了し、実商品化を進めております。一昨年より販売を開始した舶用機器通信システムについても、ボイラ水管理の自動省力化に向けた機能アップデートや機械学習による解析も進めており、翌事業年度より現地検証を開始いたします。
(7) 環境事業
環境事業では、ダイオキシン類の次世代型自動前処理・分析システムの開発を継続して進めております。また、国内外で規制強化が見込まれるPFAS(フッ素原子を含む化学物質)分析関連技術・商品の研究開発及び、既に上市済みの残留農薬分析キット(SPEEDIA)の動物用医薬品分析適用に向けた応用研究開発を進めております。