第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループの経営の基本方針は、創業以来培ってきた精密技術を基礎に市場ニーズを絶えず先取りし、新しい価値の創造を通じ、社会に貢献することです。

お客様のご要望に合致した「高精度」「高速」「高剛性」の製品を提供することにより、長期的に成長を持続させていきます。

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題

経営環境につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しており、その認識に基づき、以下の課題に取り組んでまいります。

(中長期的課題)

当社グループは、中長期的経営戦略として、以下の重点課題に対し積極的に取り組んでおります。

① 成長分野を狙った新製品の投入

今後、成長が期待される分野、例えば環境・省エネ対応が求められる自動車向け部品、更に高度化するHDD・IT分野・医療分野等に、お客様の要請に十分応えられる新製品の市場投入に全力で取り組んでまいります。

② 成長地域を狙った事業戦略

中長期的には、引き続き重視しなければならないアジア市場(中国・東南アジア・インド等)への生産・販売・アフターサービス体制の更なる強化を図ってまいります。

③ 経営の効率化と顧客満足度の向上

企業グループとしての総合力を高めるため、関係会社も含め営業・生産・管理体制の強化と高効率経営を図ってまいります。

また、引き続きお客様のニーズに合致した新製品の提供とサービスの充実に努め、常に顧客満足度の向上を目指し、お客様に信頼される経営に全力で取り組んでまいります。

(新型コロナウイルス感染症への対策について)

新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしております。当社グループにおきましても、海外生産拠点の一時的な稼働停止や、売上収益減少などの影響がありました。このような状況下、当社グループは各国政府や地域行政機関の方針に従い、従業員の安全と健康の確保および事業活動の持続のため、次のような対策を適時実施してまいりました。

・社員の出社前の検温、体調確認を徹底。工場においては、入場前に全員の検温を実施。

・本社、営業部門等における在宅勤務と時短勤務の積極的な運用。

・国内工場(新潟県長岡市)では休業対応を実施。(休業日は1人最大 月6日)

・展示会等イベントの中止。原則、出張の禁止。対面打合せを自粛し電話会議等を活用。

・海外子会社においては、現地の政府方針に基づく従業員の在宅勤務、自宅待機など対応。

・海外子会社の稼働状況、従業員の状況、現地政府の方針などの情報収集に努め、必要な対策を実施。

これらの対策を進め、提出日現在では、生産活動に重大な支障はなく、営業活動も徐々に回復しつつあると認識しております。引き続き、各地域の動向を注視するとともに的確に対応し、感染予防や拡大防止のための適切な管理に努め、事業への影響の低減を図ってまいります。

 

以上のような活動と同時に環境保全やコンプライアンスなど、CSR活動にも積極的に取り組み、株主やお客様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様に信頼される企業として、最大限の経営努力をしてまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 景気変動による影響

工作機械業界は、景気変動の影響を受けやすい業界でありますが、当社グループは高効率経営を目指し、固定費削減等により、予期せぬ市場規模の縮小による業績への影響を少なくすべく努力を続けております

しかし、想定外の急激な変化が生じた場合には、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(2) 原材料価格の変動による影響

当社グループ製品の主要原材料である鋳物・鋼材などは、為替相場の動向、国際的な需給の状況などに大きく影響されております。これらによる原材料価格の上昇は、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(3) 為替変動による影響

当社グループ製品の販売は、海外向けの比率が年々上昇しております。輸出は原則円建で行っており、為替変動の直接的な影響はないものの、急激な円高は海外の代理店・ユーザーから販売価格の引き下げの要求を受けます。また、中国子会社のウェイトが高まるにつれ、人民元の為替レートの変動が、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(4) 海外での事業活動による影響

当社グループは、中国・インド子会社でも工作機械を製造・販売しており、また、韓国、タイ、ドイツ等の子会社を通じて製品の販売及びアフターサービスを行っておりますが、これらの国における、政情の悪化、法律・規制の変更等が、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 品質に関する影響

当社グループは、積極的に新製品を開発し市場に投入するとともに、品質の向上にグループを挙げて取り組んでおります。予期せぬ事故・サービス不良等の問題が発生した場合には、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(6) 知的財産権に関わる影響

当社グループが保有する技術については、特許出願を行い知的財産権として取得することにより技術の保全を図っております。しかし、他社から当社グループの知的財産権が侵害された場合や、当社グループの知的財産権に対する無効請求や、侵害差止請求等が提起された場合、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(7) 取引先の動向による影響

当社グループは、電子機器・情報通信関連業界、自動車業界をはじめとして多岐に渡る取引先と取引を行っており、取引先の置かれている環境、信用リスク等については細心の注意を払っております。しかし、取引先との契約の変更、事業環境の変化、業績悪化等により、特に取引額の大きい取引先の状況に変化が生じた場合には、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(8) 自然災害等による影響

当社グループは製造、販売及びサービス拠点をグローバルに展開しているため、予測不可能な自然災害、コンピュータウィルス、テロ等といった多くの事象によって引き起こされる災害に影響を受ける可能性があります。

当社グループの主要な製造拠点は、国内では新潟県にあり、海外では中国浙江省及びインド  タミル・ナードゥ州オラガダムにあります。万が一、当該地域で大規模な震災、水害またはその他の災害等が発生し、製品供給が不可能、あるいは遅延することとなった場合は、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(9) 新型コロナウイルス感染症の拡大による影響

世界的規模で拡大している新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、感染予防や拡大防止に向けた対策を実施し、また、グループ全体の生産、販売、在庫、物流などの状況把握に努め、事業への影響の低減を図ってまいりました。しかし、今後、感染がさらに拡大し長期化した場合、各国政府によるロックダウン等の政策が決定された場合などに、生産拠点の一時稼働停止、販売・サービス活動の休止、需要の低迷などにより、当社グループの生産・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

当期における当社グループを取り巻く環境につきましては、国内外ともに市況の調整局面が続く中、更に新型コロナウイルスの感染拡大の影響も加わり、足元で一層厳しさが増してきている状況にあります。

その結果、売上収益は49,310百万円(前期比28.0%減)、営業利益は4,549百万円(同55.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,001百万円(同67.7%減)と前期比減収減益となりました。

国内売上収益は9,792百万円(前期比28.3%減)海外売上収益は39,518百万円(同27.9%減)となり、海外売上収益比率は前年と同水準の80.1%でした。

 

(セグメントごとの経営成績)

a. 日本につきましては、売上収益は26,315百万円(前年比33.8%減)、セグメント利益は552百万円(前年比76.0%減)となりました。

b. 中国につきましては、売上収益は30,577百万円(前年比35.5%減)、セグメント利益は3,253百万円(前年比58.2%減)となりました。

c. インドにつきましては、売上収益は2,526百万円(前年比15.5%減)、セグメント利益は155百万円(前年比10.4%減)となりました。

d. 韓国につきましては、売上収益は2,502百万円(前年比107.7%増)、セグメント利益は327百万円(前年比455.2%増)となりました。

e. その他につきましては、売上収益は724百万円(前年比3.1%増)、セグメント利益は28百万円(前年同期はセグメント損失13百万円)となりました。

セグメント利益は売上収益から売上原価および販売費及び一般管理費を控除して算定しております。

 

(新型コロナウイルス感染症拡大の影響)

新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしております。当社グループにおきましても、海外生産拠点の一時的な稼働停止や、各地域での経済活動停滞による売上収益減少などの影響がありました。

・中国工場は、中国政府による春節休暇延長中、一時稼働を停止。現在は正常に稼働中であります。

・インド工場は、ロックダウンの影響により稼働を停止しておりましたが、部分的に再開しております。

 

(財政状態)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて7,831百万円減少し、61,860百万円となりました。

これは主に、有形固定資産が777百万円、無形資産が732百万円増加した一方、営業債権及びその他の債権が4,891百万円、棚卸資産が4,118百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて6,833百万円減少し22,787百万円となりました。

これは主に、営業債務及びその他の債務が3,996百万円、借入金が2,254百万円、契約負債が609百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて998百万円減少し、39,073百万円となりました。

これは主に、利益剰余金が732百万円増加した一方、その他の資本の構成要素が1,537百万円減少したことによるものです。その他の資本の構成要素の減少の内訳は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が171百万円、在外営業活動体の換算差額が1,366百万円減少であります。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は47.7%から52.5%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比190百万円減少し、10,921百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、7,994百万円の増加(前連結会計年度は1,643百万円の増加)となりました。

これは主に、税引前利益4,259百万円、減価償却費1,242百万円、棚卸資産の減少3,058百万円、営業債権及びその他の債権の減少4,470百万円により資金が増加した一方、営業債務その他の債務の減少3,211百万円、契約負債の減少521百万円、法人所得税の支払等1,343百万円により資金が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、3,246百万円の減少(前連結会計年度は1,362百万円の減少)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得2,209百万円、無形資産の取得798百万円により資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は4,261百万円の減少(前連結会計年度は355百万円の増加)となりました。

これは主に、短期借入金の減少2,254百万円、配当金の支払1,244百万円により資金が減少したことによるものです。

 

③ 生、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

23,313

71.9

中国(百万円)

18,631

67.2

インド(百万円)

2,340

75.1

韓国(百万円)

その他(百万円)

合計(百万円)

44,284

70.0

(注)1. 記載金額は標準仕切価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 韓国、その他については生産を行っておりません。

 

b. 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注見込みによる生産方式をとっておりますので、受注の状況の

記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

20,899

69.7

中国(百万円)

22,888

67.7

インド(百万円)

2,491

83.8

韓国(百万円)

2,446

213.9

その他(百万円)

584

100.9

合計(百万円)

49,310

72.0

(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税は含まれておりません。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 当連結会計年度の経営成績等の分析

(売上収益)

売上収益は、前期比28.0%減49,310百万円となりました。

売上地域別では、国内売上が前期比28.3%減の9,792百万円、海外売上が同27.9%減の39,518百万円となり、海外比率は80.1%となりました。

 

当連結会計年度の海外売上収益の地域別内訳は次のとおりであります。

 

中国

アジア

米国

欧州

Ⅰ 海外売上収益(百万円)

23,005

9,084

4,607

2,821

39,518

Ⅱ 連結売上収益(百万円)

 

 

 

 

49,310

Ⅲ 連結売上収益に占める

海外売上収益の割合(%)

46.7

18.4

9.3

5.7

80.1

(注)1. 国又は地域の区分は、地理的近接度によっております。

2. 各区分に属する主な国又は地域

(1)アジア…インド、韓国、タイ、シンガポール、フィリピン

(2)米国…アメリカ合衆国、メキシコ

(3)欧州…スイス、ドイツ、フランス、イタリア

3. 海外売上収益は、当社及び連結子会社の本邦以外の国又は地域における売上収益であります。

 

(営業利益)

営業利益は、前期比55.5%減4,549百万円となりました。主として減収効果によるものであります。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比67.7%減2,001百万円となりました。営業利益と同様に、主として減収効果によるものであります。

 

(セグメント)

セグメントごとの経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

国内市場および海外市場ともに調整局面が続く中、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大が加わり、中国セグメントの売上収益が前期比35.5%減少、日本セグメントの売上収益が前期比33.8%減少しました。売上収益の減少に合わせて営業利益も同様に前期比減少となりました。

 

b. 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

c. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

営業活動による資金などにより、中国安徽省の新工場建設など「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載の設備投資を計画しております。

 

② 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づいて作成されております。なお、個々の「重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り」と「新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは製品開発、技術開発において、長年培った精密加工の技術をベースに、顧客のニーズに迅速に対応し、高速、高精度、高剛性機をスピーディーに開発する為、活発な製品開発活動を行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、1,863百万円であります。

研究開発は主に当社(日本)で行っております。

環境・安全・省エネ対応の自動車関連部品(電動パワステ、次世代ブレーキ、環境対応エンジン)の加工や、今後ますます高精度化する情報・通信関連分野、特にハードディスク駆動装置(HDD)などパソコン関連部品、携帯電話・デジタルカメラなど小型情報端末部品、医療関連部品等の超精密加工部品に対応できる、小型・高速高精度加工機の開発に力を注いでおります。

当連結会計年度の主な成果は、CNC精密自動旋盤BW26/32J、SS267/327-Ⅲ-5AX、

 S205/206-Ⅱの開発であります。