第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「わたしたちは、世界中でお客様の価値最大化に貢献していきます。」という企業理念のもと、実際に事業活動を展開していくにあたって、法令を遵守し社会規範・企業倫理に従って行動するという観点から、具体的「行動基準」を定め、当社グループ共通の尺度として周知徹底を図っております。

また、地球環境保全、社会貢献、人権尊重等について企業としての社会的責任を果たすとともに、CS(顧客満足)を基盤として企業価値の最大化を図り、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会等の全てのステークホルダーの期待に応えていきます。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題

当社グループは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組んでおります。

 

①目標とする経営指標

当社グループは、「経営改革プラン」最終年度である2024年3月期の目標値として下記の項目を設定しております。

 


 

②対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症拡大、米中貿易摩擦やウクライナ情勢等の地政学リスク継続、半導体・電気品を中心とした調達品の不足、部材価格・エネルギー価格・物流費の高騰などにより、当社グループを取り巻く経営環境は不透明感、不確実性が増しております。当社グループは、このような経営環境に対応し、さらに次の時代へ向かっていく新たな企業に生まれ変わるために、「経営改革プラン」を引き続き遂行してまいります。

生産戦略につきましては、引き続き国内外生産拠点の再編を進めてまいります。また、DX戦略を推進し、高品質なものづくりを実現してまいります。

事業戦略につきましては、今後製造業が直面する「メガトレンド」に卓越した技術力で応え、社会的課題の解決と企業価値向上の両立を目指すため策定した「長期ビジョン2030」をもとに、エネルギー関連と生産性の向上を軸として事業ポートフォリオを設定することで、目指すポートフォリオに向けた技術開発を推進し、常に顧客に寄り添いニーズに合った商品を創出、提供し続けてまいります。また、M&A/アライアンスなどを活用し、当社グループの企業価値向上に向けた投資を推進してまいります。

また、ISO9001、14001をベースとした品質・環境管理を徹底し、当社グループの将来を担う人材の育成、法令遵守および社会貢献などESG活動にも積極的に取り組んでまいります。

 

 

(3) 次期の見通し

今後の経済環境は、新型コロナウイルス感染症による経済への影響が緩和されることに伴い先進国を中心に経済活動の回復が進むと期待されますが、ウクライナ情勢の悪化、部材需給逼迫、エネルギー価格高騰などに加え、中国のロックダウンによる経済活動への影響など、依然先行き不透明な状況が続くものと考えられます。

このような状況のもと、世界市場の需要動向を見極めたうえで、脱炭素化社会の実現へ向けた自動車のEV化や風力発電などの再生可能エネルギー関連へ対応した商品の提供と開発、需要が拡大しているリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の増産体制の構築、商品力・生産性の向上を目指したDX戦略の推進など、各施策を実行していきます。

2023年3月期の見通しについては、売上高1,200億円、営業利益60億円、経常利益54億円、親会社株主に帰属する当期純利益42億円を予想しています。

なお、通期見通しにあたっての為替レートは、1米ドル=120円を前提としています。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であり、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

(1) 期末経営成績の変動について

当社グループは、扱う商品が生産財という事業の特性から、売上高、営業損益が期末に偏る傾向があります。従って、売上高及び利益の一部が翌期にずれ込んだ場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 競合等の影響について

当社グループは、射出成形機、工作機械などの生産財を製造・販売していますが、同業との間に、品質、価格、サービス等において競合が生じています。今後、需要の低下または過剰供給が生じ販売競争が激化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 海外依存リスクについて

当社グループの海外売上高は全体の66%を占めておりますので、世界各地域の政治、経済、社会情勢の変化や各種規制、為替レートの変動、その他突発的な外部要因などが、業績に影響を与える可能性があります。

また、国際的な海上物流における需給バランス等により、海上運賃上昇、船舶確保のリスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 半導体、電気品、部材等の調達品の納入遅延、価格上昇について

当社グループの製品に使用される半導体、電気品、部材等の調達品は国際的な需給バランス・エネルギー価格・為替等の影響により納入遅延、価格上昇のリスクが発生いたします。

調達品については複数調達リソースの確保、代替調達品の使用とともに販売価格への反映等を行いリスクの軽減をはかっていますが、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 金利変動リスクについて

当社グループは、事業資金の一部を金融機関から借入金として調達しております。当社グループとしては、中期経営計画に則り、財務体質の強化に注力する方針でありますが、現行の金利水準が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) 退職給付債務について

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づき算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。割引率や運用利回りに変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 自然災害、感染症の流行、戦争及びテロ等による影響について

当社グループは、グローバルに事業を展開しており、多くの国に製造・販売拠点を設けております。それらの地域において、大地震・水害等の自然災害、感染症の流行、戦争及びテロ等が発生した場合、調達品の確保を含め当社グループの生産、業績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。

 

(新型コロナウイルス感染拡大の影響について)

新型コロナウイルスの感染拡大は各事業における売上減少や各工場稼働率の低下等により、当社グループの生産、業績及び財務状況に影響をもたらしております。

新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、当社グループは日頃の感染予防対策を徹底して、政府や地域行政の要請等を踏まえた操業調整、不要不急の出張制限や在宅勤務等の対応を推進し、感染拡大の防止に努めております。

今後、新たな変異株などによる感染拡大により、経済活動の自粛に伴う景気の悪化、操業及び営業活動が制限される事態が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティについて

当社グループは、事業活動において機密情報として、個人情報、営業情報を保有しております。これら各種情報の取扱いには細心の注意を払っており、サイバー攻撃を含め情報への不正なアクセス、改ざん、漏洩、紛失等を防ぐために、管理体制及び取扱規則を定め、適切な措置を講じています。情報漏洩等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国など先進国を中心に回復基調で推移したものの、新型コロナウイルス感染症再拡大やロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、部材需給逼迫やエネルギー価格高騰などさらなるサプライチェーンの混乱が生じたことに加え、中国の経済活動停滞が見られるなど、先行き不透明感が一層増しています。わが国経済も輸出や生産に持ち直しの動きが続いていましたが、中国の回復停滞や自動車の減産などにより、後半では足踏みが見られました。

当社グループを取り巻く経済環境は、地域や業種により景況感に差異はあるものの、国内、北米、中国などを中心に設備投資需要の回復が進みました。また、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが加速していることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要の拡大が見られます。

このような経済環境のもとで、当社グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組むとともに、社会課題を解決する高付加価値商品の創出と高効率な生産の実現に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。また、脱炭素化や環境関連ニーズの高まりに対し、EVや再生可能エネルギー向けの製品や環境調和型製品などの開発・生産・販売への対応強化を進めました。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ326億9千3百万円増加し、1,669億8千9百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べ313億3千万円増加し、834億7千4百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ13億6千3百万円増加し、835億1千5百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の受注高は1,642億7千7百万円(前連結会計年度比85.4%増)、売上高は1,077億7千7百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。損益については、営業利益は42億3千6百万円(前連結会計年度比1,009.5%増)、経常利益は45億4千4百万円(前連結会計年度比420.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億2千5百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失28億9千8百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(成形機事業)

射出成形機においては、販売はインド、東南アジア、北米、中国などで増加しました。受注は脱炭素化の動きを背景に北米の中大型電動機が増加したことに加え、インド、東南アジアなどで増加しました。

ダイカストマシンにおいては、販売は中国、東南アジアなどで自動車向けが増加しました。受注は東南アジア、中国などで自動車向けを中心とした設備投資需要が回復したことにより、増加しました。

押出成形機においては、EV関連の設備投資需要の拡大に伴い、中国のリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の販売および受注が大幅に増加しました。

この結果、成形機事業全体の受注高は1,238億1千9百万円(前連結会計年度比94.3%増)、売上高は755億5千4百万円(前連結会計年度比17.5%増)、営業利益は36億8千3百万円(前連結会計年度比218.2%増)となりました。

 

 

(工作機械事業)

工作機械においては、販売は中国の産業機械向けおよび風力発電向けが増加しました。受注は国内の産業機械向け、建設機械向け、エネルギー関係向け、北米の産業機械向けおよびエネルギー向けが増加しました。

超精密加工機においては、車載レンズなどの需要拡大を背景に、販売は中国、台湾、受注は国内、中国の光学系金型向けが増加しました。

この結果、工作機械事業全体の受注高は287億1百万円(前連結会計年度比64.6%増)、売上高は235億7千2百万円(前連結会計年度比13.0%増)、営業利益7百万円(前連結会計年度は営業損失8億2千8百万円)となりました。

 

(制御機械事業)

制御機械においては、販売および受注は国内の半導体製造装置向けなどで電子制御装置が増加しました。

この結果、制御機械事業全体の受注高は106億8千9百万円(前連結会計年度比73.8%増)、売上高は76億6千9百万円(前連結会計年度比31.3%増)、営業利益は4億2千5百万円(前連結会計年度は営業損失3千9百万円)となりました。

 

(その他の事業)

その他の事業全体の受注高は10億6千6百万円(前連結会計年度比19.2%減)、売上高は9億8千1百万円(前連結会計年度比39.5%減)、営業利益は7千8百万円(前連結会計年度比121.5%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ92億9千2百万円増加し、517億1千万円となりました。

なお、当連結会計年度における各活動によるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、112億9千9百万円の増加になりました。これは主として、棚卸資産の増加による支出85億3千7百万円があったものの、仕入債務の増加額65億5千5百万円、契約負債の増加による収入102億7千5百万円等があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、12億6千4百万円の減少になりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出12億5千2百万円等があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、21億8百万円の減少になりました。これは主として、長期借入金の返済による支出5億円、配当金の支払額18億1千1百万円等があったことによります。

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

56.4

61.2

50.0

時価ベースの自己資本比率(%)

33.6

50.3

49.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.7

74.7

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

66.0

2.2

128.3

 

(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産

2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー

4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動キャッシュ・フロー/利払い

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

成形機(百万円)

86,475

61.1

工作機械(百万円)

26,408

37.9

制御機械(百万円)

16,174

208.9

報告セグメント計(百万円)

129,058

65.3

その他(百万円)

418

△53.2

合計(百万円)

129,476

64.0

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.生産高の実績については、製品の製造を行っている当社、㈱不二精機製造所、東栄電機㈱、SHIBAURA MACHINE (SHANGHAI) CO.,LTD.、SHIBAURA MACHINE MANUFACTURING (THAILAND) CO.,LTD.、SHIBAURA MACHINE INDIA PRIVATE LIMITEDの連結生産高の実績となっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績及び連結会計年度末受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

受注残高(百万円)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比

(%)

当連結会計年度

(2022年3月31日現在)

前年同期比

(%)

成形機

123,819

94.3

111,024

128.6

工作機械

28,701

64.6

23,310

67.1

制御機械

10,689

73.8

6,066

107.3

報告セグメント計

163,210

87.0

140,401

114.6

その他

1,066

△19.2

389

24.7

合計

164,277

85.4

140,790

114.1

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

成形機(百万円)

75,554

17.5

工作機械(百万円)

23,572

13.0

制御機械(百万円)

7,669

31.3

報告セグメント計(百万円)

106,796

17.3

その他(百万円)

981

△39.5

合計(百万円)

107,777

16.3

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度は「経営改革プラン」の3年目にあたり、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組んでまいりました。

「経営改革プラン」の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題」を参照ください。

高収益企業への変革に向けた組織再編につきましては、これまで以上に全体最適を進めるため「事業部制」を廃止し、「カンパニー制」を採用いたしました。全社における研究開発の推進と調達を含めた生産活動の円滑化のため、「R&Dセンター」および「生産センター」を創設いたしました。併せて、最適資源配分と固定費削減に向けた希望退職と配置転換を実施いたしました。また、多様な人材の処遇、キャリア形成、専門職人材の活躍が可能な新人事制度を導入いたしました。

生産性改善に向けて、国内外生産拠点の役割を見直し、現在再編を進めております。国内におきましては、成形機カンパニーおよび鋳物・加工を沼津工場、工作機械カンパニーを御殿場工場、制御機械カンパニーおよびR&Dセンターを相模工場に集約するよう生産拠点を再編しております。また、世界的なEV化の流れを背景にEVの動力源となるリチウムイオン電池の需要が急激に高まっており、その電池材料であるセパレータフィルムの製造装置の増産体制を構築しております。海外におきましては、電動式・中小型射出成形機の生産を中国およびタイ工場に集約し、産業用ロボットの生産の一部を中国工場に移管いたしました。今後持続的な経済成長が期待できるインドにおきましては、射出成形機等の増産に向けインド工場の増設を計画しております。また、国内外の生産拠点再編に伴い、相模工場の一部敷地の有効活用に向け、物流施設の事業化に向けた整備を開始いたしました。

 

 

b.経営成績等

1)財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ326億9千3百万円増加し、1,669億8千9百万円となりました。増加の主な内訳は、現金及び預金が92億9千2百万円、商品及び製品が162億6千4百万円、仕掛品が62億1千3百万円増加したこと等によります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ313億3千万円増加し、834億7千4百万円となりました。増加の主な内訳は、支払手形及び買掛金が61億1千6百万円、契約負債が235億4千2百万円増加したこと等によります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ13億6千3百万円増加し、835億1千5百万円となりました。増加の主な内訳は、利益剰余金が11億4千7百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が6億1百万円、為替換算調整勘定が16億1千1百万円増加したこと等によります。

この結果、D/Eレシオ17.0%(前連結会計年度末は17.5%)、自己資本比率は50.0%(前連結会計年度末は61.2%)となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

中国、インド、東南アジア、北米など海外を中心に増加し、1,077億7千7百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。

(営業利益)

営業利益は、売上規模の増加や操業の改善等により、42億3千6百万円(前連結会計年度比1,009.5%増)となりました。

(経常利益)

営業外損益は、雇用調整助成金の減少等により、前連結会計年度に比べ1億8千3百万円の利益(純額)が減少し、3億7百万円の利益(純額)となりました。この結果、経常利益は45億4千4百万円(前連結会計年度比420.6%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別損益は、関係会社株式評価損が増加したものの、減損損失や特別退職金の減少等により、前連結会計年度に比べ1億4千万円の損失(純額)が減少し、4億6千4百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は40億7千9百万円(前連結会計年度比1,423.1%増)となりました。税金費用は法人税等合計3億5千3百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は37億2千5百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失は28億9千8百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは運転資金需要、設備投資及びM&Aを含む投資資金需要であります。

運転資金需要については、生産活動に必要な材料費・人件費及び経費等、受注獲得に向けた引合費用等の販売費、商品力強化及び新商品の開発に資する研究開発費が主な内容であります。投資資金需要については、事業規模拡大及び生産性向上を目的とした有形・無形固定資産投資、既存設備の維持、改修に係る修繕費、適切なM&A・アライアンスの実行に要する資金などが主な内容であります。

 

 

財務政策

当社グループは、運転資金投入、投資資金投入ともに営業キャッシュ・フローを源泉としつつ、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保する施策として、有利子負債による資金調達を実施しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は142億1千7百万円となりました。

金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの事業規模の維持拡大に向けた運転資金及び投資資金の調達は今後も可能であると考えております。また、国内金融機関において100億円のコミットメントラインを設定しており、手元流動性の補完にも機動的に対応が可能となっております。

今後も売上債権、棚卸資産の回転期間短縮や固定資産の稼働率向上を通じて資産効率の改善を図るとともに、大規模な設備投資、M&Aなどに向けた長期資金の調達については、中期経営計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断していくこととしております。

 

③重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、事業活動によって経常的に創出される付加価値の最大化及び株主資本の有効活用がすべてのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「売上高」、「売上高営業利益率(ROS)」、「自己資本利益率(ROE)」及び「配当性向」を重点指標として位置付けております。当連結会計年度における「売上高」は1,077億7千7百万円(前年同期比16.3%増)、「売上高営業利益率(ROS)」は3.9%(前年同期比3.5ポイント好転)、「自己資本利益率(ROE)」は4.6%(前年同期比8.0ポイント好転)、「配当性向」は48.6%(前年同期は当期純損失)となりました。引き続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取り組んでまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年9月29日開催の取締役会において、当社と三井不動産株式会社との間で、当社相模工場の南側一部敷地を用いた物流施設の事業化を共同で推進するための事業契約書を締結することについて決議し、同日付で締結いたしました。

また、2021年11月29日開催の取締役会において、当社と日精エー・エス・ビー機械株式会社との間で、主に海外新興国向けの市場において、射出成形機を始めとする分野における協業のための業務提携に向けた覚書を締結することについて決議し、2021年12月6日付で締結いたしました。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、国内外の市場の変化や成長する産業分野に貢献するために、当社のR&Dセンター・生産センターおよび各製品事業カンパニーの開発部門が中心となって、生産の高効率化と製品の高機能化に加え、エネルギー・環境に寄与する新製品創出のための研究開発を行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、2,771百万円であり、各セグメント別の研究開発の目的、主要課題及び研究開発費は次のとおりであります。なお、上述の研究開発費には、R&Dセンターで行った各セグメントに配分できない研究開発費1,478百万円が含まれております。

(1) 成形機

成形機は、射出成形機とダイカストマシンのハイサイクル化、高精度化、成形品質の向上および省エネルギー・環境負荷低減を目的として、芝浦機械エンジニアリング㈱と連携を取りながら、電動射出成形機やダイカストマシン及びそれらの付加価値向上に繋がる成形技術等の研究開発を行っております。また、押出成形機については、高機能化を目的とした混練技術やエネルギー・環境および高機能素材関連に注力した新成形システムの研究開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は、715百万円であります。

 

(2) 工作機械

工作機械は、機械の高速化・高精度化・知能化および複合加工による高生産性の実現を目的として、㈱不二精機製造所と連携を取りながら、門形マシニングセンタ、横中ぐり盤、立旋盤、横形マシニングセンタ等に関わる研究開発を行っております。精密機械分野では、超精密立形加工機、非球面加工機及びそれらの主要素である高速主軸等の要素開発や超精密加工技術等の研究開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は、273百万円であります。

 

(3) 制御機械

制御機械は、生産効率の向上に貢献することを目的として、制御の高速化・高精度化と作業の自動化・省人化に対応するため、東栄電機㈱と連携を取りながら、高機能NC制御装置・サーボ制御装置、IoT、システムロボット等の研究開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は、271百万円であります。

 

(4) その他

その他では、材料加工及び鋳造技術に係る研究開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は、32百万円であります。