第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は1935年の創立以来、社是「技術は正しく」をメーカーとしてのバックボーンとし、「常に最先端技術を追求し、お客様にご満足いただける精巧比なき、価値ある製品をつくり、社会に貢献する」ことを経営の基本理念としております。併せて、人と自然環境の融合を視野に入れた製品づくりに積極的に取り組んでいるところであります。

これらの実行と実現には裏付けとなる確かな企業力が必要不可欠です。工作機械、半導体関連装置の両分野における「総合砥粒加工機メーカー」として当社グループは技術開発力・生産力・営業力など持てる経営資源を駆使することはもちろん、発想力・企画力など創造的なパワーを結集し、岡本工作機械でなければ成し得ないグローバルな事業展開を積極的に推進してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標、中長期的な経営戦略

当社の経営戦略につきましては、有価証券報告書提出日現在において以下のように定めております。

 

当社グループは、中長期的な戦略として、売上及び収益率の安定化、資金効率の改善により『景気に左右されることなく利益を上げ得る強固な経営体質』の確立・定着を目指しております。実現に向けた取り組みとして、「世界に類のない「総合砥粒加工機メーカー」として、平面研削盤・半導体ウェハ研磨装置でグローバルNo.1を目指す」を2030年の長期ビジョンに掲げ、各種施策を通じて市場での競争力の向上、安定的な売上と粗利の確保に取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的な事業収益力を示すものとして売上高営業利益率を重視しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、中長期的な経営戦略として掲げた『景気に左右されることなく利益を上げ得る強固な経営体質』の確立・定着を目指し、以下の課題に取り組んでおります。

 

① 売上の安定化と利益重視の施策

ⅰ. 安定的な売上と粗利の確保

・ 超高精度研削盤:販売事例の世界展開

・ 汎用研削盤:業種、機種、地区別販売戦略の展開

・ 半導体関連装置:成長市場に向けた新製品の開発

・ 既存機種の後継機・新機種の開発

ⅱ.コスト削減策

・ 外部支出費の削減

・ 新製品、大型特殊仕様機種のコスト管理強化

・ 全社的な品質管理システムの確立

・ 最適生産拠点への生産シフトの継続、徹底

ⅲ.社内環境整備

・ 超高精度研削盤の製造・開発に見合った環境整備

・ 販売強化のための拠点の整備

・ 内製化、増産要求に応えるための生産拠点の充実

・ 顧客に対し高い付加価値を提供する仕組みの構築

ⅳ.各子会社の収益向上と体質強化

② 資金効率の改善及び有利子負債の削減

ⅰ. 棚卸資産の削減

ⅱ.売上債権の回収促進

ⅲ.機動的な資金調達

 

(5) 経営環境

当社グループの経営を取り巻く今後の環境につきましては、世界的な製造業の設備投資動向や半導体市場の成長を背景に、中長期的な成長機会が見込まれる一方、米国における関税政策の動向や中国との貿易摩擦、ならびに為替変動や地政学リスクが、エネルギーや原材料価格及び調達コストに与える影響に注視が必要な状況が継続するものとみられます。

工作機械市場につきましては、AIとIoTを活用した生産性の向上、省エネ化やCO2削減など環境負荷の低減に寄与する製品が要求されております。成長市場である北米、中国への展開に加えインドなどの新興国では今後も工作機械需要の拡大が予想され市場シェアの拡大を進めてまいります。また、グローバルでの機種統合や再構築を推進し、収益力の改善を実行いたします。精密歯車につきましては、ロボット需要の増加による、需要の拡大を予想しております。高付加価値製品の拡販や技術力の向上を通じて、事業の幅を広げながら安定的な収益確保のための体制を構築してまいります。

半導体市場につきましては、通信技術の発達やAIディープラーニング、自動運転の本格化等を背景に半導体需要の緩やかな回復が見られるものの、世界的なインフレによるパソコンやスマートフォン向けの需要低迷などにより、市況の回復は遅れております。一方で、在庫調整正常化に向けて、次世代パワー半導体、高周波通信デバイス向けの半導体ウェーハなどで一部需要が出てきております。今後も半導体市場の継続成長による競争環境激化を予測しており、パワー半導体向けの次世代新機種の先行開発と生産キャパシティ増強のための生産設備や技術開発棟の投資を行うことによる競争優位性の構築及び強化が必要であると認識しております。

当社グループは2024年5月22日付「資本業務提携、第三者割当による新株式の発行並びに主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」にて公表した通り、三井物産株式会社との資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携契約により、両社の経営資源・ノウハウを活用することで、工作機械・半導体関連装置の両事業での成長を加速することが可能となるほか、三井物産グループの事業基盤や知見を活用し、新たな収益の柱を構築し、企業価値向上に努めてまいります。

このような経営環境のもと、当社グループは2025年3月期を初年度とする4ヵ年の中期経営計画「INOFINITY 700 Innovation×Infinity」を策定し、以下の目標達成に向けて取り組んでおります。

 

①長期ビジョン

 世界で類のない「総合砥粒加工機メーカー」として、平面研削盤・半導体ウェーハ研磨装置でグローバルNo.1を目指す。

 

②連結数値目標

 中期経営計画の最終年度である2028年3月期には、連結売上高700億円、連結営業利益率16%、ROE17~18%、連結配当性向45%以上とする。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、社是、経営理念、行動規範に基づき、企業活動を通じて持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な企業価値向上を目指し、サステナビリティ基本方針を策定しております。

 

(サステナビリティ基本方針)

・常に最先端技術を追求し、環境に配慮した製品・サービスを開発、提供していくことで、地球環境を保全する社会の実現に貢献します。

・多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できるよう人事制度や 教育研修体制を整備し、自分らしく活躍するための職場環境づくりを推進します。

・法令を遵守するとともに、健全なガバナンスにより社会から信頼される経営を行い、継続的な企業価値の向上を目指します。

 

(1)ガバナンス

 当社は、サステナビリティ基本方針に基づくサステナビリティ課題への取り組みをより一層推進するため、2024年4月1日にサステナビリティ委員会を設置いたしました。

 当委員会は当社の中長期的な価値創造のため、以下の職責を果たし、(i)サステナビリティをめぐる課題に対する取締役会による検討を支援し、また、(ii)経営陣による業務執行上の意思決定、また、全社的リスクマネジメントの取組みにおいて、サステナビリティの観点が戦略的かつ大局的に統合されるよう促す役割を担っております。

(1)サステナビリティ基本方針の策定及び改訂

(2)サステナビリティ課題についての具体的な施策推進及びその推進体制に対する助言と監督

(3)サステナビリティ課題に関する開示方針及び開示内容の検討

 

 当委員会は、代表取締役社長を委員長に、取締役及び各本部長を委員として構成し、上記(1)~(3)等の事項を審議のうえ、取締役会への報告を行います。

 また、同委員会は、原則として年1回以上の開催を基本としていますが、当事業年度においては計3回開催し、サステナビリティに関する方針、目標の設定、実施計画の策定や、リスク・機会の特定、目標に対する進捗管理を担っております。取締役会では、同委員会で検討した重要なリスク・機会についての審議・決定やモニタリング等を行っております。

 

(サステナビリティ委員会)

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(2)リスク管理

当社グループでは、リスク管理委員会において、毎年当社グループ全社を対象にした重要リスクの抽出・評価を行い、当社グループにとって優先的に取り組むべきリスクを特定し、当社グループ全体でリスクの低減活動を推進しております。これらの活動につきましては、その内容を取締役会において定期的に報告しております。

リスク管理委員会は、リスク管理統括部署(総務部)とリスク管理責任者(各部門長)から構成されており、各所管部署及びグループ会社からの報告内容をリスク管理統括部署が取り纏め、それを議論、評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、その内容を取締役会へ報告する体制となっております。

サステナビリティ関連リスクは、サステナビリティ委員会が中心となり、リスクの特定・評価を行い、取締役会に報告の上、担当部門において実行に移されます。

また、同委員会にて実施状況をモニタリングし、リスク軽減に努めると共にリスク管理委員会と連携することにより、全社的なリスクとして統合的に管理する体制を構築しております。

 

(当社のリスク管理体制について)

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(3)人材戦略

 当社はこれまで、工作機械、半導体関連装置の両分野における「総合砥粒加工機メーカー」としてお客様のニーズに応えるべく、技術開発や品質・コスト・納期の継続的な改善とグローバルな供給網の構築に取り組み、成長を続けてまいりました。これからは従来の取り組みに加え、新たな価値やサービスの提供に取り組んでまいります。大きな環境変化の中で当社のさらなる成長を支える人材の育成は最重要のテーマであります。人事制度の再構築・計画的な人材育成・採用力の強化を主要な取組テーマとし、グローバルで活躍できる人材育成に注力してまいります。

 なお、2024年5月22日開催の取締役会において、三井物産株式会社(以下「割当先」又は「三井物産」といいます。)との間で資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。)を行うこと及び割当先に対する第三者割当による新株式の発行を決議し、本資本業務提携についての契約を締結いたしました。

 本資本業務提携を通じて、人材戦略・コーポレート機能において三井物産グループからの様々な支援を受けることが可能となり、より盤石な経営基盤を構築することで企業価値の向上を実現できると考えております。

 具体的には、三井物産グループ企業から当社グループへの人材受入れを通じた半導体関連装置事業・工作機械事業の両事業における管理及び市場調査機能強化や、当社グループから三井物産グループ企業への人材派遣も含めた人材交流を行うこと等によるグローバル人材育成、三井物産グループへの参画を背景とした、採用における当社グループとしての認知度向上等を図ってまいります。

 また、企業価値向上のためにはオーガニック成長のみならず、インオーガニック成長の追求も重要であると認識しており、当社グループは、三井物産と連携しながらM&A戦略の策定・実行を行ってまいります。さらに、三井物産との協力によるDX・IT・セキュリティ戦略やサステナビリティへの取組みの強化等、コーポレート機能全般に係る体制の強化も進めてまいります。

 

(4)社内環境整備

社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善・強化に取り組んでおります。仕事と育児等の両立支援については、出産前後や育児期間に対応した休暇・休業・職場復帰制度、時短勤務制度など、多様な制度を整備し、働きやすい職場環境の構築に積極的に取り組んでおります。特に、2022年10月には産後パパ育休制度を設け、男性従業員による育児休職制度の利用も徐々に進んでおります。さらに従業員の育児と就業の両立支援を目的として、2024年10月に「育児におけるフレックスタイム制度」を導入いたしました。本制度は、2024年5月31日に公布された改正育児・介護休業法において、2025年10月1日から事業主に義務付けられる「柔軟な働き方を実現するための措置」に先駆けて、1年前倒しで導入したものであり、法令以上の水準で積極的な対応を講じたものです。また、同法においては対象期間が「3歳以上から小学校就学前まで」とされていますが、当社ではより幅広い育児支援を実現すべく、対象年齢を「小学校3年生修了時(年度末)まで」に拡大して運用しております。制度導入以降、利用者数は徐々に増加しており、従業員の多様なライフステージに対応した柔軟な働き方の実現に寄与しております。

また、当社は就業時間の適正な管理に加え、会議の時間短縮及び効率化の推進等を通じて、長時間労働の削減にも努めております。これらの施策は従業員の健康保持・増進に資するだけでなく、仕事と育児や介護等との両立を支援し、ひいては生産性の向上やイノベーションの創出を促し、企業価値の向上につながるものと考えております。

 

(5)指標及び目標

 また、当社グループでは、上記「(3)人材戦略」及び「(4)社内環境整備」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2030年3月まで15以上

10.3

男性正規雇用労働者の育児休業取得率(注)1

2030年3月まで75以上

68.2

(注)1.当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グル

ープに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、一部連結子会社を除いた目標及び実績を記載しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 市況変動について

当社グループが販売する工作機械、半導体関連装置業界は、景気変動の影響を受け易い特徴があり、設備投資や個人消費の動向が企業業績に与える影響は小さくありません。特に、景気の停滞期には、設備投資や個人消費の低迷による需要の冷え込みから業界全体の受注総額が縮小し、当社グループの業績を悪化させる要因となります。

当社グループにつきましては、市況変動による業績への影響を最小限に抑えるため、「世界に類のない「総合砥粒加工機メーカー」として、平面研削盤・半導体ウェハ研磨装置でグローバル No.1 を目指す」を長期ビジョンに掲げ、各種施策を通じて市場での競争力の向上、安定的な売上と粗利の確保に取り組んでおります。

 

(2) 有利子負債への依存について

当社グループの直近3期の連結会計年度末有利子負債残高及び総資産に占める割合は下記のとおりであります。

当社は、借入金比率の削減による財務体質の強化に努めておりますが、今後の経済情勢等により、市場金利が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

 有利子負債残高(百万円)

6,389

9,368

11,823

 総資産(百万円)

55,098

60,164

66,804

 総資産に占める割合(%)

11.6

15.6

17.7

当社グループの対応につきましては、営業キャッシュ・フローにより借入金の返済を進めることを第一に、資金調達が必要な場合には債権の流動化など調達方法の多様化を図ることにより、有利子負債残高の圧縮に取り組んでおります。

 

(3) 資金調達について

当社グループは、銀行からの借入金による資金調達を中心に、シンジケートローン等の方法により調達方法の多様化を図っておりますが、契約内容に一定の財務制限条項等が付されている場合があり、当該事由に抵触した場合には当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。

 

(4) 海外事業展開について

当社グループは国内に加え、タイ、シンガポール、中国に生産拠点を有し、一貫生産体制や国内の販売先へ直接輸送可能な体制を構築することに取り組んでおります。また米国、欧州及びアジアを含む海外拠点を通じたグローバルな販売網を有しており、マーケティング機能強化などによるさらなる販売網の強化に取り組んでおります。そのため、為替動向のほか、国によって政情の悪化、予期せぬ法律、規制の変更による経済活動の停滞などにより、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの対応につきましては、原材料の調達先、取引通貨の決定、最適生産拠点の決定を慎重に行うと共に、各拠点との適時円滑な情報共有が可能となる人材の確保・育成を行っております。

 

(5) 自然災害等の異常事態の発生について

当社グループは、国内に加え、タイ、シンガポール、中国に生産拠点、米国、欧州、アジアに販売拠点を有しております。そのため、新型コロナウイルス感染症拡大のような事象や、大規模な自然災害のような異常事態が発生した場合には、各拠点の事業活動が停滞し、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では本社の安中工場において、緊急事態が発生した際の損失の最小化を図ることを目的としてBCP(事業継続計画)を策定しております。

 

(6) 固定資産の減損について

当社グループは生産設備を中心とした固定資産を保有しておりますが、経営環境の悪化による事業の収益性の低下又は保有資産の市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)繰延税金資産について

当社グループは税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得等に関する見積りや仮定に基づき計算しておりますが、実際の課税所得等は見積りや仮定と異なる可能性があり、将来において繰延税金資産の全部または一部が回収できないと判断した場合には、繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)棚卸資産の評価について

当社グループは、受注残及び受注予測に基づき生産活動を行っており適正な在庫水準の維持に努めております。しかしながら、市場環境の変化、客先の設備投資動向等により滞留在庫が発生し、棚卸資産の評価を見直すこととなった場合には、棚卸資産の評価損が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 業績の季節変動について

当社グループは、工作機械を生産販売しており、顧客の設備投資動向の影響を受けることから、出荷や納期が期末に集中する傾向にあり、売上高・利益が下期に偏る傾向があります。こうした状況から、生産、開発キャパシティの見える化を推進し、生産、開発、販売計画の連動による生産活動の効率化を目指しております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の緊迫化による地政学的リスクの高まりや、中国景気の減速による影響など、先行き不透明な状況が続きました。

わが国経済は、社会活動及び経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善により、景気の緩やかな回復の動きが見られる一方で、不安定な国際情勢での物価上昇や円安の進行もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の中で当社グループは、今期を初年度とする新たな中期経営計画「“INOFINITY 700” Innovation × Infinity」を策定し、「世界に類のない『総合砥粒加工機メーカー』として、平面研削盤・半導体ウェーハ研磨装置でグローバルNo.1を目指す」ことを長期ビジョンとして掲げ、2030年3月期の売上高700億円の目標達成に向け、三井物産株式会社との資本業務提携を締結するなど、更なる企業価値向上に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して6,640百万円増加し、66,804百万円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末と比較して3,946百万円減少し、26,241百万円となりまし

た。

また、純資産は、前連結会計年度末と比較して10,586百万円増加し、40,563百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度における連結売上高は43,734百万円(前年同期比12.9%減)、営業利益は3,015百万円(前年同期比50.8%減)、経常利益は2,916百万円(前年同期比53.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,024百万円(前年同期比55.6%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(工作機械)

工作機械は、売上高は30,861百万円(前年同期比2.3%減)、セグメント利益(営業利益)は1,380百万円(前年同期比31.8%減)となりました。

(半導体関連装置)

半導体関連装置は、売上高は12,872百万円(前年同期比30.8%減)、セグメント利益(営業利益)は3,001百万円(前年同期比44.3%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末と比較して3,303百万円増加し、14,722百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は2,112百万円(前年同期は929百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,812百万円及び減価償却費2,082百万円により資金が増加した一方で、仕入債務の減少3,107百万円、契約負債の減少2,097百万円及び法人税等の支払額2,105百万円により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は5,095百万円(前年同期は3,634百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,352百万円及び有形固定資産の取得による支出3,813百万円により資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は10,493百万円(前年同期は1,237百万円の獲得)となりました。これは主に株式の発行による収入9,762百万円により資金が増加したことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

工作機械

23,095

99.4

半導体関連装置

8,869

79.7

          合計

31,964

93.0

(注)金額は製造原価によっております。

 

 

 b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

工作機械

26,478

98.3

9,638

68.7

半導体関連装置

7,973

137.6

20,186

80.5

         合計

34,451

105.3

29,824

76.3

 

 

 

 c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

工作機械

30,861

97.7

半導体関連装置

12,872

69.2

          合計

43,734

87.1

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ミクロ技研株式会社

7,793

15.5

5,228

12.0

ファナック株式会社

4,548

10.4

(注)1.前連結会計年度のファナック株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して6,640百万円増加し、66,804百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が1,996百万円減少した一方で、有価証券が6,500百万円、有形固定資産が2,015百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末と比較して3,946百万円減少し、26,241百万円となりました。主な要因は、短期借入金が2,469百万円増加した一方で、電子記録債務が2,407百万円、契約負債が2,097百万円、未払法人税等が1,089百万円減少したことによるものであります。

また、純資産は、前連結会計年度末と比較して10,586百万円増加し、40,563百万円となりました。主な要因は、第三者割当による新株式の発行により、資本金が4,903百万円、資本剰余金が4,903百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.8%から60.7%となりました。

2)経営成績

売上高は、主に半導体関連装置の売上が減少したことにより、前連結会計年度と比較して12.9%減少の43,734百万円となりました。

利益面では、QCD改善活動や内製化による変動費削減など、引き続き徹底したコスト削減に重点を置き、収益性の向上に努めてまいりましたが、半導体関連装置の売上高減少の影響が大きく、売上総利益率は、前連結会計年度と比較して1.6ポイント悪化し29.3%となりました。

営業利益は、販売費及び一般管理費が主に人件費の増加により前連結会計年度を上回ったこと、及び売上総利益の減少により、当連結会計年度は3,015百万円(前連結会計年度は6,133百万円)、営業利益率は前連結会計年度と比較して5.3ポイント悪化し6.9%となりました。

営業外損益では、主に支払手数料及び為替差損の計上により、前連結会計年度と比較して249百万円費用(純額)が増加しました。以上の結果、経常利益は2,916百万円(前連結会計年度は6,284百万円)となりました。

税金費用は、前連結会計年度と比較して、税金等調整前当期純利益の減少に伴う課税所得の減少等により、法人税、住民税及び事業税が1,108百万円減少しました。また、法人税等調整額は、当連結会計年度に繰延税金資産の増加等があったことにより186百万円減少し、合計で1,294百万円の減少となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して55.6%減少の2,024百万円となりました。

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(工作機械)

国内市場におきましては、中小企業での投資が鈍化したことや、平面研削盤のメインユーザーとなる金型業界向けを中心に需要が低迷したため、受注、売上ともに前年度を下回りました。

海外市場におきましては、米国では、9月以降の金利引き下げや新大統領の決定もあり、企業の投資意欲が上向きの動きを見せたため、受注においては前年度を上回りました。一方で、売上は前期の受注低迷により減少しております。欧州では、前期に受注したEV関連向けの大型平面研削盤などに支えられ、売上は前年度を上回りましたが、ウクライナ情勢を巡る不透明感の高まりを背景に経済の停滞が続いており、受注は前年同期にはわずかに届きませんでした。中国では、政府による消費財買い替え政策を背景に家電関係で小型成形研削盤の受注があったものの、景気の減速によりEV関連向けを中心に新規受注が伸び悩んだため、受注、売上ともに前年度より減少しております。

以上の結果、売上高は30,861百万円(前年同期比2.3%減)、セグメント利益(営業利益)は1,380百万円(前

年同期比31.8%減)となりました。

なお、セグメント資産は、前連結会計年度末と比較して1,863百万円増加し、33,483百万円となりました。これは主に有形固定資産が増加したことによるものであります。

 

(半導体関連装置)

半導体市場におきましては、パソコン、スマートフォン向けの設備投資需要が低迷している一方で、通信技術の発達やIoT、AIディープラーニング、自動運転の本格化等を背景として市場の成長が見込まれております。市況低迷の中、在庫調整正常化に向けて、次世代パワー半導体、高周波通信デバイス向けの半導体ウェーハなどで一部需要が出てきております。

このような状況の中で当社グループは、半導体事業の収益力維持、向上を目指して、ウェーハ業界向けのポリッシャーやグラインダの次世代新機種開発などの諸施策を進めてまいりました。その結果、売上につきましては、国内や欧州、東アジアにウェーハ生産用ファイナルポリッシャーや米国向けにグラインダを販売したものの、ユーザーの市況による生産調整で投資計画の先送りの影響もあり、前年同期に比べ減少いたしました。受注につきましては、国内、東アジアの次世代パワー半導体や高周波通信デバイス向けの取引先からグラインダやファイナルポリッシャーなどの受注を獲得し前年同期を上回ることができました。

以上の結果、売上高は12,872百万円(前年同期比30.8%減)、セグメント利益(営業利益)は3,001百万円(前

年同期比44.3%減)となりました。

なお、セグメント資産は、前連結会計年度末と比較して127百万円増加し、15,536百万円となりました。これは主に売掛金が増加したことによるものであります。

 

セグメント別の売上高の推移

 

工作機械事業

(百万円)

半導体関連装置事業

(百万円)

合計

(百万円)

2025年3月期

30,861

12,872

43,734

2024年3月期

31,604

18,594

50,198

2023年3月期

31,305

14,219

45,524

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、当社グループ製品製造のための原材料及び部品購入費の他、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金、生産体制の強化・合理化を目的とした生産設備の新設及び更新等の設備資金であります。

このような資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を投入している他、不足分については銀行借入金及び売上債権の流動化などにより資金を調達することとしております。調達につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向、既存借入金の返済時期等を考慮の上、金額及び方法を適宜判断して実施しております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上高の約4.0ヶ月相当の水準となっており、当社グループの事業運営上、妥当な流動性を保持していると考えております。

 

今後予定しております生産設備の新設及び更新等につきましては、「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設等」に記載のとおり、自己資金及び借入金による調達を予定しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【重要な契約等】

(資本業務提携契約の締結、及び第三者割当による新株式の発行)

当社は、2024年5月22日開催の取締役会において、三井物産株式会社(以下「三井物産」とする)との間で資本業務提携(以下「本資本業務提携」とする)を行うこと及び三井物産に対する第三者割当による新株式の発行(以下「本第三者割当」とする)を決議し、2024年6月7日に同社からの払込みが完了しております。その結果、当社の主要株主である筆頭株主に異動がありました。

 

Ⅰ.本資本業務提携の概要

1.本資本業務提携の理由

当社は1935年の創立以来、社是「技術は正しく」をメーカーとしてのバックボーンとし、「常に最先端技術を追求し、お客様にご満足いただける精巧比なき、価値ある製品をつくり、社会に貢献する」ことを経営の基本理念としております。あわせて、人と自然環境の融合を視野に入れた製品づくりに積極的に取り組んでいるところであります。

また、直近では長期戦略「ビジョン2030」を策定し、「世界に類のない「総合砥粒加工機メーカー」として、平面研削盤・半導体ウェハ研磨装置でグローバルNo.1を目指す」ことを長期ビジョンとして掲げております。長期ビジョンの中におきましては、特に半導体関連装置事業を主力セグメントとして位置付けております。半導体市場は、通信技術の発達やIoT、AI・ディープラーニング、自動運転の本格化等を背景とした市場成長が見込まれますが、特に次世代半導体として注目される化合物半導体市場は、より一層の市場成長が予測されております。

かかる状況を今後の当社グループの成長の好機と捉え、当社グループでは次世代半導体ウェハ向けポリッシャ、グラインダ、バックグラインダ等の開発や拡販に注力しております。また、2023年11月には半導体製造装置や真空装置等の組立・製造を手掛ける大和工機株式会社を完全子会社化する等、M&Aも活用しつつ、半導体関連装置事業における事業基盤の強化を図っております。

一方で、著しい成長が見込まれる次世代半導体市場の成長を捉え、当社グループの企業価値を一層高めていくには、競合他社対比で優位性のある製品を開発し、顧客に対し製品の魅力を訴求するためのショールーム等の設備が必要であります。また、これらの投資実行に際しては、今後の市況変化に対して柔軟に対応するために、資金調達は借入れではなくエクイティ性の資金で調達することが必要であると考えております。さらに、かかる成長機会を捉えていくためには、自力での販売活動・顧客開拓のみならず、外部パートナー企業のリソースも活用したうえで拡販を図っていくことに加えて、製品・サービスの付加価値を向上させるために、外部パートナー企業とのアライアンス体制を構築することが必要不可欠であると考えております。

一方、三井物産は中期経営計画2026の実現に向け、日本の産業構造変化を支えるビジネスモデルの構築、日本の光る技術を生かしたパートナーとの海外事業開拓等を通じ、「国内ビジネスの持続的な深化」を推進する方針を掲げております。また三井物産は長年にわたり、ものづくり・産業機械領域において事業基盤を築き、新たな事業機会創出に取り組んでおります。

このような状況において、2023年7月に三井物産より当社へ直接コンタクトがあり、当社との協業に関する初期的な打診があったことから、各種事業における協業に関する議論を続けてまいりました。また、協議を継続する中において、2023年11月に三井物産より当社への出資に関する初期的な意向の申し出があったことから、その後両社間で資本業務提携に関する本格的な協議を継続してまいりました。協議の結果、両社間で半導体関連装置事業・工作機械事業の両事業において、両社の経営資源・ノウハウを有効活用することで事業展開を加速させることが可能であり、ひいては資本業務提携を行うことが両社の企業価値向上に資するという結論に至ったことから、本資本業務提携を決定いたしました。

 

2.本資本業務提携の内容

(1)資本提携の内容

当社は、本第三者割当により、三井物産に当社普通株式1,985,900株(議決権数 19,859個)を割り当てます。

2024年3月31日現在の議決権総数(46,336個)に、本第三者割当により増加する議決権数(19,859個)を加味した議決権総数(66,195個)を基準とした議決権比率は、30.00%となります。

 

(2)業務提携の内容

① 半導体関連装置事業における提携

② 工作機械事業における提携

③ 人材戦略・コーポレート機能における提携

 

(3)合意の目的

当社及び三井物産は、高いグローバルシェアを誇る平面研削盤の事業基盤と技術的強みを生かした半導体製

造装置をはじめとする当社の強みと、グローバルかつ広汎な事業ポートフォリオと総合商社として培ってきたガバナンス等を通じた価値付加機能、ビジネスノウハウ、多様な人材をはじめとする三井物産の総合力を融合させ、当社の長期ビジョン(『世界に類のない「総合砥粒加工機メーカーとして、平面研削盤・半導体ウェハ研磨装置でグローバルNo.1を目指す』)の実現にとどまらない当社の持続的成長を目指すものです。

 

(4)取締役会における検討状況その他の当社における合意に係る意思決定に至る過程

2023年7月に三井物産より当社へ直接コンタクトがあり、当社との協業に関する初期的な打診があったこと

から、各種事業における協業に関する議論を続けてまいりました。また、協議を継続する中において、2023年11月に三井物産より当社への出資に関する初期的な意向の申し出があったことから、その後両社間で本資本業務提携に関する本格的な協議を継続してまいりました。

本第三者割当により割り当てる本新株式の数は1,985,900株(議決権数19,859個)であり、2024年3月31日

時点での当社発行済株式総数4,717,895株(議決権総数46,336個)を分母とする希薄化率は42.09%(議決権ベースでの希薄化率は42.86%)と本第三者割当に係る議決権ベースでの希薄化率が25%以上となることから、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条に基づき、①経営者から一定程度独立した者による当該割当の必要性及び相当性に関する意見の入手又は②当該割当に係る株主総会決議などによる株主の意思確認手続のいずれかが必要となります。

当社は、本第三者割当については、対象となる割当先に対して割当を行って本資本業務提携を強化・促進す

る必要があること、割当予定先は当社普通株式を長期的に保有する方針であるため、本新株式が短期的・大量に市場で売却されることによる流通市場への悪影響は原則として生じないと考えられること、また、臨時株主総会の開催に伴う費用についても、相応のコストを伴うことから、総合的に勘案した結果、経営者から一定程度独立した特別委員会による本第三者割当の必要性及び相当性に関する意見を入手することといたしました。

このため、当社は、経営者から一定程度独立した者として、当社の独立社外取締役である吉見威志氏並びに

当社の独立社外監査役である瀬川雅夫氏及び山岡通浩氏の3名によって構成される特別委員会を設置し、本第三者割当の必要性及び相当性に関する客観的な意見を求め、必要性及び相当性が認められる旨の意見書を2024年5月22日付で入手しております。

これらの検討・手続きを経て、2024年5月22日開催の当社取締役会において、本資本業務提携の内容および第三者割当に関する事項について最終的な審議が行われた結果、同日付で本資本業務提携契約の締結を決議いたしました。

 

(5)合意が当社の企業統治に及ぼす影響

当社と三井物産との本資本業務提携契約においては、三井物産が、原則として当社の取締役候補者2名((i)非常勤の社外取締役候補者2名又は(ii)常勤の社内取締役候補者及び非常勤の社外取締役候補者各1名)を推薦できること、ならびに当社が、三井物産の推薦に基づく取締役候補者を選任議案として株主総会に付議することについて合意しておりました。

この合意に基づき、2024年6月に開催された当社定時株主総会において、三井物産が推薦した常勤取締役

1名および非常勤の社外取締役1名が選任され、現在いずれも当社取締役として在任しております。

さらに、当社が特定の事項を行い又は決定する場合には、三井物産に対して当該事項に関する通知を行

い、三井物産からの事前の同意を得ることが求められております。

加えて、当社は、三井物産が、本資本業務提携の趣旨に鑑み、本第三者割当により取得する当社株式を中

長期的に保有する方針であることを口頭で確認しております。

本契約において、三井物産は割当日より2年間は、当社の事前の書面による同意なくして、保有する当社

の普通株式その他の株式等を第三者に対して譲渡、処分又は承継してはならないことを合意しております。

当社は、三井物産が本第三者割当の払込みから2年以内に本第三者割当により発行される株式の全部又は

一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対して書面により報告すること、当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得しております。

 

3.本資本業務提携の相手先の概要

(1)

名称

三井物産株式会社

(2)

所在地

東京都千代田区大手町一丁目2番1号

(3)

代表者の役職・氏名

代表取締役社長  堀 健一

(4)

事業内容

金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進などの各分野において、全世界に広がる事業拠点とその情報力を活かし、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンスなどを多角的に行っており、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など多角的に展開

(5)

資本金

343,441百万円

(6)

設立年月日

1947年7月25日

(7)

発行済株式数

2,905,248,272株(自己株式を含みます。)

(8)

決算期

3月31日

(9)

従業員数

連結56,400名 / 単体5,388名

(10)

主要取引先

該当事項はありません。

(11)

主要取引銀行

株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社国際協力銀行

(12)

大株主及び持株比率

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口):16.97%

BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT:10.46%

株式会社日本カストディ銀行(信託口):5.91%

日本生命保険相互会社:2.42%

STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001:1.83%

STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234:1.74%

JPモルガン証券株式会社:1.58%

JP MORGAN CHASE BANK 385781:1.39%

大樹生命保険株式会社:1.06%

NATSCUMCO:0.97%

(13)

当事会社間の関係

 

 

資本関係

相手先は当社普通株式 1,985,900株(議決権所有割合 30.34%)を所有しております。

 

人的関係

常勤取締役1名および非常勤の社外取締役1名が、当社取締役として在任しております。上記のほか、2025年3月31日現在、相手先からの当社への在籍出向者が1名おります。

 

取引関係

三井物産の連結子会社であります三井物産マシンテック株式会社との間で営業取引があり、2025年3月期の取引高は223百万円です。

 

関連当事者への

該当状況

相手先の持分法適用関連会社であり、関連当事者に該当します。

(14)

最近3年間の経営成績及び財政状態(連結 IFRS)

決算期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

資本合計

6,565,148

7,769,943

7,762,632

総資産

15,380,916

16,899,502

16,811,509

1株当たり
親会社所有者帰属持分(円)

2,088.75

2,518.40

2,626.04

収益

14,306,402

13,324,942

14,662,620

売上総利益

1,396,228

1,319,715

1,288,366

当期利益
(親会社の所有者に帰属)

1,130,630

1,063,684

900,342

基本的1株当たり当期利益
(親会社の所有者に帰属)(円)

360.91

352.80

306.73

1株当たり配当額(円)

70

85

100

(単位:百万円。特記しているものを除く)

(注)1.三井物産の概要については、2025年3月31日現在の内容であります。

2.三井物産は、東京証券取引所プライム市場、名古屋証券取引所プレミア市場、札幌証券取引所及び福岡証券取引所に上場しており、三井物産が東京証券取引所に提出したコーポレート・ガバナンス報告書(最終更新日、2025年4月9日)において「当社は、反社会的勢力に対しては毅然とした態度で対応し、反社会的勢力及び反社会的勢力と関係ある取引先とは、いかなる取引もしないことを方針としています。」と定めていることを確認することにより、三井物産及びその役員が反社会的勢力とは一切関係がないと判断しております。

 

Ⅱ.本第三者割当増資の概要

1.募集の概要

(1)募集株式の種類及び数

普通株式 1,985,900株

(2)募集株式の払込金額

1株当たり4,938円

(3)払込金額の総額

9,806,374,200円

(4)発行諸費用の概算額

200,000,000円

(5)差引手取概算額

9,606,374,200円

(6)申込期日

2024年6月7日

(7)払込期日

2024年6月7日

(8)増加する資本金及び資本準備金の額

増加する資本金の額:4,903,187,100円

増加する資本準備金の額:4,903,187,100円

(9)募集及び割当の方法

第三者割当の方法により、すべての新株式を三井物産株式会社に割り当てる。

(10)その他

① 会社法その他の法律の改正等、本要項の規定中読み替えその他の措置が必要となる場合には、当社は必要な措置を講じる。

② 上記各項については、金融商品取引法による届出の効力発生を条件とする。

③ その他新株式発行に関し必要な事項は、当社代表取締役社長に一任する。

 

2.日程

(1)

本資本業務提携及び本第三者割当に関する取締役会決議日

2024年5月22日

(2)

本資本業務提携及び本第三者割当に関する契約締結日

2024年5月22日

(3)

本第三者割当の払込期日及び本資本業務提携の開始日

2024年6月7日

 

3.調達する資金の具体的な使途

差引手取概算額9,606百万円については、下記表記載の各資金使途に充当する予定であります。

具体的な使途

金額(百万円)

支出予定時期

半導体関連装置及び工作機械に関連した技術開発棟の新設、ショールームの刷新のための設備資金

5,700

2024年8月~2026年3月

次世代機種の新規開発に向けた研究開発投資

1,500

2024年8月~2026年3月

半導体関連装置及び工作機械に関連した高い付加価値を継続的に提供するための自動倉庫棟の建設資金

1,606

2024年6月~2026年2月

大和工機株式会社における半導体関連装置の生産能力向上に向けた設備更新・新規設備投資

800

2024年10月~2025年9月

(注)調達資金が充当されるまでの間は、現金又は現金同等物にて管理します。

6【研究開発活動】

当社グループは、総合砥粒加工機メーカーとして顧客の高精度/高能率要求に対応していくため、「究極の平面創成」をスローガンに、平面加工(研削・研磨)の分野において世界最高峰の技術を目指すことを主要な開発テーマとしております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は132百万円であります。

また、当社グループの研究・開発・技術スタッフは135名で、全従業員の6.0%に当たります。

なお、セグメント別の状況は次のとおりであります。

(1) 工作機械

当社の主力商品である平面研削盤関連におきましては、さらなる超精密・高精度の実現を目指し、高次元かつ安定的な商品品位を確立するため、設計のクオリティーのみならず部品加工及び組立工程における技術の向上を図りながら、各種テーブルサイズのシリーズ化と静圧スピンドル、静圧スライド搭載機の拡充に継続して取り組んでおります。

新カバーデザイン、対話型汎用ソフトのグラフィックデザインを含め操作性の向上を図りながら、すべての機構において設計再検討を行った中型平面研削盤のマイナーチェンジモデルPSG126CA-iQ、PSG127CA-iQを市場投入し、大型ワークサイズ要求に対応するべく、テーブルサイズ1,500mmのPSG156CA-iQ、PSG157CA-iQ、2,000mmのPSG206CA-iQ、PSG207CA-iQをラインナップに加えシェア拡大を図っております。

立軸ロータリ研削盤「VRGシリーズ」は、複数の被削材を並べて同時寸法合わせ等の高能率研削に最適な研削盤として、歯車、セラミックス、油圧部品をターゲットに拡販を目指しており、ロータリテーブルΦ600mmに加え、Φ1,000mmの開発が完了しました。また、グライディングセンタ「UGM64GC」は、平面研削加工では不可能な部分への加工を可能とする半導体難削材対応の研削盤として新たな市場の開拓を進めており、ロボットでのワーク搬入搬出自動化仕様の開発を完了し、お客様への新規提案を開始しました。さらに、今後、半導体関連で需要が増えると予想されるSiC(炭化ケイ素)のインゴットの専用研削盤の開発に着手しました。

当セグメントに係る研究開発費は30百万円であります。

 

(2) 半導体関連装置

半導体デバイスウエーハ関連におきましては、科学技術振興機構(JST)の支援プログラムにて採択されたSi貫通電極ウエーハ全自動研削盤の計画につきましては2024年10月に開発結果の成功認定を受けました。

また、材料シリコンウエーハ用加工機においては、様々な顧客ニーズに対応するため、ラインナップの充実を図るとともに新規装置の開発にも着手しております。さらにシリコン以外の特殊材料関連においても、EV関連で大きく飛躍が予想されるパワー半導体のSiC(炭化ケイ素)、スマートフォンに採用されているSAWフィルター用のLT(リチウムタンタレート)やLN(リチウムニオベート)、高出力照明、5G基地局電源用のGaN(窒化ガリウム)専用の高能率研削盤ポリッシュ盤の開発を進めるとともに、車載向けGPU(画像処理)に広く使用されているパッケージ基板用研削盤の開発にも着手しております。

当セグメントに係る研究開発費は102百万円であります。