第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当グループは、「我々は需要家の信頼に応え、たゆまぬ研究開発に努め、最高の技術を提供する」との社訓をもとに、経営の基本理念を以下のとおり定めております。

①職務遂行の全ての場面において、法令・社会規範・定款・社内規則を遵守します。

②たゆまぬ技術開発と品質向上で、より便利で快適な社会づくりに貢献する商品・サービスを提供します。

③個人を尊重し、強いチームワークを育む明るい職場をつくります。

④グローバルで革新的な経営により、未来への新たな事業フィールドを拓きます。

⑤地球環境の保護が人類共通のテーマと認識し環境に配慮した企業活動を行います。

 

また、次の基本方針を掲げ、株主、顧客、取引先、地域社会及び社員にとって、より高い企業価値の創造に努めてまいります。

①ブランド力の向上

②組織の強化

③徹底したお客様第一主義

④独創的な製品のタイムリーな市場投入

⑤品質・コストに根差したものづくり力の強化

⑥健康で生き生きと働ける夢のある職場づくり

 

(2) 経営戦略、目標とする経営指標等

当グループは、ロボット技術で未来を切り拓いていくことを成長戦略の基本としており、常に新しい価値の創造に挑戦し続けます。

主力の電子部品実装ロボットやロボット搬送システムを駆使した工作機械の分野で独創的な製品をタイムリーに市場に提供し続けるとともに、ロボット技術を軸に時代を捉え変革にチャレンジすることでものづくりを極め、ロボットメーカーとして躍進してまいります。

さらに、事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値向上につなげていくため、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)を意識した経営を推進してまいります。

当社は、事業活動における収益性や資本効率の向上を図るため、営業利益を重視しております。また、2018年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定し、『デジタル革命を先取りした次世代型商品の開発ならびに生産・販売革新により業界No.1ブランドを築く』のコーポレートビジョンのもと、さらなる事業の成長を目指しております。事業ごとの方針は以下のとおりです。

 

ロボットソリューション

ロボットメーカーとして業界No.1ブランドを築き、その体制を確固たるものとしていきます。そのために新機種の市場投入や生産ラインの前後工程を含めたFUJIブランド商品の充実を図るとともに、トータルソリューションの提案、IoTを活用したスマートファクトリーの実現等、新しいものづくり体制の構築に重点的に取り組んでまいります。

 

マシンツール

安定的な収益の確保が出来る体質の構築に取り組んでまいります。そのために販売・技術・生産の各機能と当社豊田事業所・中国・北米の各拠点の連携を強めることで事業価値を高め、自動車関連のみならず新市場・新規顧客の開拓を推し進めます。また、2019年4月に竣工した豊田事業所の新工場棟を活用し、IoTによる生産性向上や徹底したコストダウンに重点的に取り組んでまいります。

 

当グループは、こうした基本戦略を通して、全てのステークホルダー(株主様、お客様、お取引先、従業員、地域社会等)の皆様と利益を共有し、共に夢のある未来を創っていくことを目指してまいります。

 

 

(3) 経営環境

当グループを取り巻く環境は、設備の自動化・省人化のニーズは高まっているものの、米中貿易摩擦の一段の激化、英国のEU離脱問題に加え、いまだ世界的な広がりを見せる新型コロナウイルスの経済への影響等もあり、先行きは非常に不透明であり、景気の底割れが懸念されます。

ロボットソリューション事業におきましては、次世代通信規格である5Gが普及し始めたことにより、スマートフォンの高性能化やクラウドサービス需要の拡大が一段と進むと思われ、新型コロナウイルス感染症の終息後を視野に入れたサーバー・ネットワーク等のインフラ、パソコン、スマートフォン、さらにはこれらを支える半導体関連分野における設備投資が見込まれますが、一方で競合他社との価格競争は引き続き激しいものと想定されます。こうした状況において、ハイエンドモデルNXTRの市場投入を推し進めるとともに、既存製品の競争力向上にも引き続き取り組み、さらなるマーケットシェアの拡大に努めてまいります。

マシンツール事業では米中貿易摩擦に続き、新型コロナウイルスの感染拡大による影響により、工作機械業界全体が厳しい状況で推移しております。工作機械市場は既に成熟した市場ではありますが、今後も自動化や効率化のための設備投資需要が見込まれることから、自動車関連市場のみならず、新たな市場開拓にも努めてまいります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当グループは「デジタル革命を先取りした次世代型商品の開発ならびに生産・販売革新により業界No.1ブランドを築く」をコーポレートビジョンとして掲げ、独創性の高い製品のタイムリーな市場投入、開発スピードの向上、熾烈化するグローバル競争への対応を事業上の対処すべき課題として位置付けております。

主力のロボットソリューション事業におきましては、電子部品実装ロボットに加えて前後工程を含めた生産ライン全体のトータルソリューションを提供することにより、マーケットシェアの拡大を目指します。また、次世代通信規格である5Gの関連分野、車載、半導体関連等の成長市場での顧客獲得に注力します。

開発面では、新機種の市場投入、ソフトウェアや基幹ユニットの品質向上に引き続き取り組むとともに、統合生産システム「Nexim」の機能を強化し、当社が推進する「FUJI Smart Factory」による顧客の電子部品製造ライン全体の最適化ソリューションを提供してまいります。また、2018年8月に新たにグループに加わったファスフォードテクノロジ株式会社の持つ半導体関連技術と当社の電子部品実装ロボットで培った独自技術の連携により、両分野にまたがる新しい事業領域において新たな価値を創造し、シナジー効果を追求します。

生産面では、IoTを活用して生産工程の自動化・省人化を加速させ、品質の安定及び生産効率の向上に努めてまいります。

マシンツール事業におきましては、販売・技術・生産の各機能と当社豊田事業所・中国・北米の各拠点の総合連携力を強めることで事業価値を高めてまいります。また、当社主力市場である自動車関連以外での新規顧客獲得に注力します。

開発面では、販売戦略と連動した新製品開発や既存機種の機能向上に取り組みます。

生産面では、IoTを活用した業務の効率化により、生産性向上を推し進めるとともに、徹底的なコストダウンに注力してまいります。

基礎研究分野においては、要素技術の発展に努め、各事業部の新製品開発やイノベーションを支援してまいります。また、新規事業の開発を積極的に推進していくとともに、将来を見据えた新規事業のビジネス化を目指してまいります。

財務面では、高水準の研究開発投資を継続し、生産・販売革新によって業界No.1ブランドを築くとともに、将来の成長に向けた周辺事業、新規事業への戦略的投資や設備投資も積極的に進めていくことで、企業価値の増大を目指してまいります。さらに株主価値向上の観点から、資本効率の向上、継続的な株主還元にも経営の最重要政策として取り組み、常に安定的な配当の維持・継続に努めてまいります。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い世界的な経済活動の停滞が長期化した場合、金融市場において信用収縮のリスクも懸念されることから、不測の事態に備えるために十分な手元流動性を確保することにも留意してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは当グループに関する全てのリスクを網羅したわけではなく、現時点では予見できないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当グループの経営成績等の状況に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

なお、当グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であり、これらのリスク管理体制等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

(1) 市場環境の変動による影響

当グループは、世界の各地域に販売拠点を置きグローバルな事業展開を行っており、電子部品実装ロボットや工作機械等の当グループの主力製品の需要変動は、各国の政情・経済や顧客の設備投資動向等に左右されます。

主力であるロボットソリューション事業においては、スマートフォンを中心とする通信機器関連をはじめ、コンピュータ、サーバー、車載等の分野向けに販売しており、景気変動に伴う電子機器の販売動向や顧客の設備投資動向に大きく影響を受けます。マシンツール事業は主要顧客である自動車業界の設備投資動向に大きく影響を受けます。

両事業とも、景気の先行き不透明感から市場環境の厳しさが増しております。FUJIブランド商品の拡充や市場拡大等に取り組むとともに、収益体制の強化を図ってまいりますが、今後当グループの想定を超える急激な需要の変化があった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競争激化による影響

当グループは、事業を展開する市場において、価格や機能を含む様々な要素での競争にさらされており、厳しい状況が続いております。今まで以上に競合他社との競争が熾烈なものになることが予想され、IoT・AI技術を活用しお客様のニーズに合った魅力的な製品開発とサービス体制・販売網の強化、ソリューション営業の推進が急務だと考えております。そのほか、コスト削減の追求等にも取り組み、収益性の向上に努めておりますが、顧客が製造する電子機器や自動車等の市場価格の下落に伴う設備調達コスト低減要求や競合他社との価格競争により有利な価格決定を行うことが困難な状況に置かれる場合があります。販売台数の減少や販売価格の下落が当グループの想定を大きく上回りかつ長期にわたった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替変動による影響

当グループは、顧客メーカーの積極的な海外展開、特に中国をはじめとするアジア地域への製造拠点の集中化に伴い、海外への売上高が大きな比率を占めております。輸出取引は円建て取引を基本とすることで為替リスクの回避に努めておりますが、為替変動の影響を受け海外の競合他社に比べ価格競争力が低下することにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外販売子会社(アメリカ・ドイツ)との輸出取引については外貨建て取引を原則としており、急激な為替変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 技術開発による影響

当グループは、顧客の要求を捉え、積極的な開発投資と技術開発活動を継続的に実施しております。現在では電子部品実装ロボットと工作機械を事業の柱に据え、既存製品の性能向上に取り組むとともに、産業用多関節ロボット、介護ロボット、大気圧プラズマ装置、宅配ロッカー、リニアモータ等の新規分野への事業展開を進めております。また、米国・シリコンバレーにあるFUJI Innovation Lab.等を積極的に活用し、ロボット技術に基づいたイノベイティブな新規事業創出に努めております。しかしながら、顧客要求の高度化や、市場での急速な技術革新による当グループの開発技術の陳腐化により、開発した製品を計画通り販売できない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当グループは、品質マネジメントシステム規格ISO9001を取得し、品質保証体制及び顧客満足に資するサービスサポート体制の強化に努めております。しかしながら、当グループの製品は先端技術を駆使し、新たな分野の開発技術も多く採用していることから予期せぬ不具合が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 部材等の調達による影響

当グループの製品を構成する鋼材・鋳物・電気材料等、主要部材の市場価格の高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の部材については需要集中等による供給不足や供給業者の被災及び事故等による供給中断が発生する可能性があります。当グループとしては、安定的な調達のために複数供給者からの購入体制をとる等の対応に努めてまいりますが、長期にわたり部材の入手が困難な場合、生産が不安定となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 大規模災害等による影響

当グループは、製造、販売及びサービス拠点をグローバルに展開しており、想定を超えた大規模災害や感染症の世界的流行等により、影響を受ける可能性があります。特に、当グループの主要な生産拠点が集中しております愛知県は、南海トラフ地震の防災対策推進地域であり、当該地域において大規模地震が発生した場合には、生産設備の破損や物流機能の停止等により生産・納入活動が停止し、業績に影響を及ぼす可能性があります。当グループといたしましては、災害等の発生時の被害最小化を図るため、事業継続計画の策定、耐震対策、防災訓練等の対策を講じリスクの最小化に努めております。

また、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は全世界に及んでおり、当グループは感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や時差出勤・在宅勤務等の対応に取り組んでおります。しかし、今後の感染拡大の規模や終息の時期についての見通しはたっておらず、生産活動や販売活動の停止、サプライチェーンの停滞等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権による影響

当グループが開発・生産している製品について、特許権・商標権等の取得とその保護に努めておりますが、保有する知的財産権を不正に使用した第三者による類似製品等の製造・販売を完全には防止できない可能性があります。また、当グループの製品開発時には第三者の知的財産権を侵害しないように細心の注意を払っておりますが、結果的に知的財産権を侵害したとして第三者から訴訟を提起され、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 法的規制による影響

当グループは、事業活動を行う国・地域において、事業の投資に関する許認可・輸出制限・関税賦課をはじめとするさまざまな法的規制や環境法令等の適用を受けております。当グループは継続的なコンプライアンスの実践に努めております。しかしながら、規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報セキュリティによる影響

当グループは、情報システムの管理体制を構築し、徹底したセキュリティ対策や従業員教育等の施策を実施しております。しかしながら、コンピュータウィルス、不正アクセスやサイバー攻撃による予期せぬ障害が発生した場合には、生産をはじめとする事業活動の停止や情報漏洩による当グループの信用低下、顧客等に対する損害賠償等が発生する可能性があり、その場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) のれんの減損による影響

当グループは、産業用ロボット及び半導体製造装置メーカーとしての総合提案力を強化するため、2018年8月にファスフォードテクノロジ株式会社(以下「FFT」といいます。)の株式を取得し、当連結会計年度末においてのれん12,844百万円を計上しております。今後、経営環境の変化等によりFFTの収益性が低下した場合や当初想定したシナジーが実現しなかった場合には、のれんの減損損失計上により、当グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 固定資産の減損による影響

当グループは、有形固定資産や無形固定資産を保有しておりますが、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合や資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失計上により、当グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 有価証券の価格変動による影響

当グループは、事業の拡大・発展及び安定化・効率化に資する取引関係の構築・強化を目的に投資有価証券を保有しておりますが、市場価額が著しく下落した場合、当グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の低迷を背景に景気に足踏み感が見られておりましたが、今年に入ってからは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響から経済活動が停滞し、企業業績の悪化懸念から設備投資に対する慎重な姿勢が見られました。世界経済においても、米中貿易摩擦の激化に加え新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、景気の減速感が一段と強まり、製造業の設備投資は伸び悩みました。

このような環境のなかで、当グループは、『お客様に感動を!』のコーポレートスローガンのもと、ロボット技術を軸に時代を捉え未来を切り拓いていくことを成長戦略の基本とし、変革にチャレンジしてまいりました。主力の電子部品実装ロボットや工作機械の分野でこれまで培ってきた自動化技術をさらに醸成させた独創的な製品の開発に取り組み、電子部品実装工程の全自動化を目指し世界初の自動部品補給システムを搭載したハイエンドモデルNXTRを発表しました。また、グループ会社間の連携による国内外の販売・技術サポート体制の強化やトータルソリューションの推進、顧客満足度の向上により、継続的なマーケットシェアの拡大に努めるとともに、IoTを活用したより効率的で無駄のない生産環境の整備と充実を進め、収益性の向上を目指してまいりました。

なお、当社は、電子部品実装ロボットの市場規模が年々拡大しているインドにおいて、現地代理店のサポートを強化することで顧客満足度を向上させ、さらなる拡販を推し進めるため、2019年12月19日付でフジ インディア コーポレイション プライベート リミテッドを設立しました。また、今後需要の拡大が見込まれるリニアモータの製造子会社として、2020年2月13日付でFUJIリニア株式会社を設立しました。

当グループの当連結会計年度の経営成績は、既存のロボットソリューション事業において売上を伸ばしたことに加え、2018年9月30日をみなし取得日としてファスフォードテクノロジ株式会社(以下「FFT」といいます。)を連結の範囲に含めた影響により売上高は140,967百万円と、前連結会計年度と比べて11,863百万円(9.2%)増加しました。

海外売上高は、スマートフォン端末、次世代通信規格5Gインフラ等の通信関連向け設備投資が、中国、台湾、ベトナム等の市場において大きく伸びたことにより126,188百万円と、前連結会計年度と比べて12,443百万円(10.9%)増加しました。売上高に占める海外売上高の割合は89.5%(中国45.7%、他アジア23.2%、欧州9.8%、米国6.4%、その他4.4%)と、前連結会計年度と比べて1.4ポイント上昇しました。国内売上高は、ロボットソリューション及びマシンツール両セグメントにおいて、産業用機器、自動車関連向け設備が軟調に推移したため、前連結会計年度と比べて580百万円(3.8%)減少し14,779百万円となりました。

価格競争の激化による売価下落等により、営業利益は19,571百万円と、前連結会計年度に比べて3,535百万円15.3%)減少し、経常利益は20,119百万円と、前連結会計年度に比べて3,334百万円14.2%)減少しました。

特別利益として投資有価証券売却益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて1,891百万円11.2%)減少し、14,963百万円となりました。

以上の結果、1株当たり当期純利益は163円81銭と、前連結会計年度の184円52銭から20円71銭減少しました。

また、自己資本利益率(ROE)は9.1%となり、前連結会計年度に比べて1.7ポイント低下しました。

 

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

ロボットソリューション

売上高は127,763百万円と、前連結会計年度と比べて16,226百万円(14.5%)増加しました。これは主に、中国・アジア向けのスマートフォン及び次世代通信規格5G関連向け設備が引き続き堅調に推移したことによるものです。一方、従前からの景気の先行き不透明感に加え、新型コロナウイルス感染拡大による懸念から、欧米での設備投資は軟調に転じました。

事業活動といたしましては、市場シェア向上のため新規顧客獲得と顧客満足度を高めるサービスの提供を目指し、ソフトウェアや基幹ユニットの品質向上をはじめ、営業及び技術が連携した市場開拓やソリューション営業の推進に重点的に取り組んでまいりました。また、子会社化したFFTの業績寄与も売上増加の要因となりました。

営業利益は、価格競争の激化等により、23,353百万円となり、前連結会計年度と比べて1,663百万円(6.6%)減少しました。

セグメント資産は130,144百万円となり、前連結会計年度と比べて6,191百万円(5.0%)増加しました。これは主に、中国・他アジア向けの売上高拡大により売掛金が増加したこと等によるものであります。また、子会社であるFFTにおいて、生産増や売上増加によりたな卸資産が増加したほか、新社屋建設に伴い固定資産が増加したこと等も増加要因であります。

当年度は中期経営計画の2年目であり、『FUJIブランド30』として掲げた市場シェア30%の最終目標に向けて、順調に推移しております。次年度においては、NXTⅢのモジュールコンセプトを継承しながらもさらなる自動化に対応したハイエンドモデルNXTRの本格的な市場投入に加え、基幹ソフト「Nexim」をベースにお客様の生産ラインのIoT化を支える「FUJI Smart Factory」構想を加速させ、引き続き継続的にシェア30%以上を目標として取り組んでまいります。

 

マシンツール

売上高は10,839百万円と、前連結会計年度と比べて4,820百万円(30.8%)減少しました。これは、米中貿易摩擦の激化による市場停滞に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による影響のため厳しい状況に直面し、主に北米、中国市場において販売台数が大きく減少したことによるものです。

営業損益は636百万円の損失(前期:営業利益1,661百万円)となりました。

セグメント資産は、主に売上減に伴う受取手形及び売掛金の減少等により、15,689百万円となり、前連結会計年度と比べて4,540百万円(22.4%)減少しました。

中期経営目標につきましては、米中貿易摩擦の激化による市場停滞に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による影響のため、主に北米、中国市場で販売台数が大きく減少し、当初目標の達成には至っておりません。しかしながら、新規市場・新規顧客の開拓を主目標と掲げ、更に「販売、技術、生産」という3つの機能と「豊田事業所、中国昆山之富士、フジ マシン アメリカ」という3つの拠点が、互いのリソースを有効活用することで利益体質への変換を図ってまいります。

 

その他

制御機器製造、電子機器製造、画像処理開発等のその他事業の売上高は2,364百万円となり、前連結会計年度と比べて457百万円(24.0%)増加しました。また、営業損益は0百万円の損失(前期:営業損失88百万円)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は126,770百万円となり、前連結会計年度末から8,241百万円増加しました。これは主に有価証券が6,447百万円減少した一方、現金及び預金が13,076百万円増加したことによるものであります。固定資産は71,733百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,103百万円減少しました。これは主に株価下落等により投資有価証券が4,645百万円減少したことによるものであります。

この結果、資産合計は、198,504百万円となり、前連結会計年度末から4,137百万円増加しました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は28,839百万円となり、前連結会計年度末から5,675百万円増加しました。これは主に設備関係未払金及び設備関係支払手形(いずれも流動負債のその他に含みます)が3,020百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が1,776百万円増加したほか、社債からの振替により1年内償還予定の社債が7,227百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,725百万円となり、前連結会計年度末と比べ7,853百万円減少しました。これは主に社債から1年内償還予定の社債への振替によるものであります。

この結果、負債合計は、30,564百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,177百万円減少しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は167,939百万円となり、前連結会計年度末から6,315百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が14,963百万円増加した一方、配当金の支払により利益剰余金が4,110百万円減少したことと、投資有価証券の株価下落によりその他有価証券評価差額金が3,683百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は84.4%(前連結会計年度末は83.1%)となりました。1株当たり純資産額は1,834円76銭(前連結会計年度末は1,767円30銭)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から13,054百万円増加し43,907百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、22,560百万円の収入(前期:4,186百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益20,712百万円や減価償却費6,825百万円等のプラス要因が法人税等の支払額7,054百万円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、5,100百万円の支出(前期:28,458百万円の支出)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出11,911百万円等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、3,993百万円の支出(前期:4,111百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額4,109百万円等によるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料及び部品の購入費のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また運転資金、戦略投資資金及び設備投資資金は内部留保金を充当することを基本方針とし、将来の成長に向けた周辺事業、新規事業への戦略的投資や設備投資のために一定水準の内部留保を維持してまいります。一方、必要に応じて借入れによる資金調達も検討してまいります。重要な資本的支出及びその資金の調達源につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い世界的な経済活動の停滞が長期化した場合、金融市場において信用収縮のリスクも懸念されることから、不測の事態に備えるために十分な手元流動性を確保することにも留意してまいります。

なお、当社は、資金需要に対する機動性・安全性の確保及び財務リスクの低減を図るため、主要取引金融機関と総額120億円の特定融資枠契約を締結しております。

 

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行われておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。

重要な会計方針及び見積りの内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a 有価証券の減損処理

当グループは、保有するその他有価証券のうち、時価のあるものについては、個々の銘柄の有価証券の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合は回復可能性の判定の対象とし、減損の要否を判定しております。また、時価のないものについては、実質価額が取得原価に比べ50%以上低下した場合には、原則として減損処理を行っております。将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、減損処理が必要となる可能性があります。

 

b 固定資産の減損

当グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、事業用資産については管理会計上の事業区分を基礎にグルーピングを行っており、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行っております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識しております。将来、新たに資産グループの回収可能価額が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

のれんの減損

当グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性については子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、今後、経営環境の変化等により収益性が低下した場合や当初想定したシナジーが実現しなかった場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。

 

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

ロボットソリューション

131,116

5.9

マシンツール

10,812

△35.5

報告セグメント計

141,929

1.0

その他

2,496

29.4

合計

144,425

1.4

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。

 

b 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

ロボットソリューション

136,585

26.9

26,504

49.9

マシンツール

7,723

△48.0

5,333

△36.9

報告セグメント計

144,308

17.8

31,837

21.8

その他

2,507

42.8

313

83.2

合計

146,815

18.2

32,150

22.2

(注) 金額は消費税等を含んでおりません。

 

c 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

ロボットソリューション

127,763

14.5

マシンツール

10,839

△30.8

報告セグメント計

138,602

9.0

その他

2,364

24.0

合計

140,967

9.2

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

アメリカンテック カンパニー

リミテッド(中国)

23,165

17.9

41,682

29.6

 

2.金額は消費税等を含んでおりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

合弁契約

合弁会社名

内容

出資額

設立年月

FUJIリニア株式会社

(資本金200百万円)

リニアモータの開発、製造及び販売

当社

契約締結先※

268百万円

132百万円

2020年2月

※ 合弁契約上の取決めにより契約締結先の名称公表は差し控えさせていただきます。

 

5【研究開発活動】

当グループは、デジタル革命を先取りした次世代型製品を開発すべく、世界の先進の顧客が求める最先端の自動化装置、システムの研究開発に重点的に取り組んでおります。

研究開発活動は主に当社にて、セグメントごとに行っており、各セグメントに属さない基礎研究及び要素技術開発等の研究開発活動は開発センターが行っております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は、8,803百万円であります。なお、研究開発費の総額には、開発センターで行っている各セグメントに配分できない研究費用1,041百万円が含まれております。

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

ロボットソリューション

主力機種NXTシリーズをはじめとする電子部品実装ロボットのさらなる機能強化に向けた開発等を行っております。当期においては、電子部品実装工程の全自動化を目指し、世界初の自動部品補給システムを搭載したハイエンドモデルNXTRの開発に注力してまいりました。

当セグメントに係る研究開発費の金額は6,951百万円であります。

 

マシンツール

研究開発費の金額は僅少のため、内容についての記載は省略しております。

 

その他

研究開発費の金額は僅少のため、内容についての記載は省略しております。