第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2019年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
 

(1) 経営方針

当社グループは、経営理念「モノづくりをもっと面白く」を策定しております。テクノロジーの進化が加速しているモノづくりの現場では、日々困難な問題に取り組んでおります。当社グループは、お客様とともに「モノづくりをもっと面白く」し、社会の発展に貢献してまいります。

この経営理念において、「目指す姿」としては、「唯一無二」「永続的な成長」「働きがい」を掲げております。また、行動指針としては、「Challenge(チャレンジ)」「Customer(顧客志向)」「Cooperation(ボーダレスな連携)」「Character(持ち味を活かす)」「Speed(スピード)」を掲げております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、市場環境の変化に対応すべく「中期経営計画」を2020年3月期中に検討・抽出し、新たに「中長期経営戦略」を定め、成長戦略を描いてまいります。
 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、「連結売上高」「連結営業利益」「連結売上高営業利益率」「自己資本利益率」を重要な経営指標と考えております。

 

(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループでは、主力製品であった電着ダイヤモンドワイヤの販売が太陽電池市場における中国での補助金の削減などで急激に悪化したことにより、新たな成長の柱としての製品を市場投入していかなければならないと考えております。また、輸送機器業界においても、自動車のEV化など市場環境の大きな変換期を迎えており、当社グループを取り巻く経営環境は、今後も一段と厳しさを増すものと想定されます。

このような状況の中、当社グループにおいては、各市場動向を分析・予測するとともに、中長期経営課題として掲げました「新たな製造・開発体制の構築」、「戦略的な海外展開」、「人材の育成・効率的な人員配置」を着実に実行してまいります。

 

主な施策

(1) 新たな製造・開発体制の構築

・2018年10月に用地取得した千葉県袖ケ浦市で、2020年度中に新工場を稼働

・需要拡大が見込まれる製品の生産能力増強

・既存の生産拠点における生産品目の再編成や開発拠点の整備

 

(2) 戦略的な海外展開

・業務提携したチロリット社との製品相互供給により顧客サービスを向上

・インドに販売子会社を設立し、インド市場への本格参入

・世界各地域の市場ニーズと当社体制のギャップを明確化し、最適な海外拠点体制を構築

・海外子会社の内部統制管理を強化

 

(3) 人材の育成・効率的な人員配置

・人事システムの再構築

・戦略的な人事異動等

 

以上の経営課題を踏まえ、新たな中期経営計画を策定し、旭ダイヤモンドグループとして中長期的な成長を成し遂げることを目指し、全力を尽くしてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 製品の取引の継続性について

当社グループは、その主要取引先等に対して、納入数量、価格等に関する長期的な契約を締結しておりません。今後、十分な受注が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の調達について

当社グループは、主な原材料として天然・人工ダイヤモンド、金属及び樹脂類を多数使用しております。今後、これらの調達において、供給元の操業停止又は供給能力の制約などにより、必要な原材料の調達ができなくなった場合、もしくは原材料価格の高騰により生産コストが上昇した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 景気動向について

当社グループは、電子・半導体、輸送機器、機械、石材・建設などの広範囲の業界に対し、ダイヤモンド工具を供給しておりますが、景気変動が各業界の取引先へ影響を与える場合、工具の需要にも影響を受ける事となります。今後、十分な受注が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 他社との競合について

当社グループは、日々、競合他社との技術・納期・価格競争などが行われるなか、高品質化・短納期化・技術サービスの充実化に努めております。今後、競合他社との競争に対して、迅速かつ適切に対応できず、十分な収益性が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 品質問題について

当社グループは、品質管理基準に従って製造活動を行っておりますが、すべての製品について欠陥がなく、クレームが発生しないという保証はありません。今後、大規模なクレームの発生により、多額の費用が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 固定資産の減損

当社グループは、国内工場の再編に取り組んでいます。また、製造拠点がある海外子会社の生産体制を見直し、国内工場から海外子会社への一部製造移管も進んでおります。これらの再編に伴い、既存の生産設備の中には、今後、減損の兆候が発生する可能性があります。当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さないと判断し、減損を認識する事となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外事業について

当社グループは、フランス、台湾、中国、インドネシア、タイに製造拠点を有し、アジア・オセアニア、欧州、北米地区を中心とした海外事業を展開しており、連結地域別売上高のおよそ半分は海外向けの売上となっております。今後、政情不安、法的規制の変更、急激な為替レートの変動、金融不安、賃金上昇、貿易戦争、テロ・戦争の勃発など予期しない様々な問題が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 業務提携・企業買収に関するリスク

当社グループは、他社との業務提携や企業買収が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。その実施に際しては十分な検討を行いますが、当初想定した事業計画通りのシナジー効果を得ることができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害について

当社グループは、国内外に有する製造拠点において、日々災害防止に努めております。今後、大地震、暴風雨、洪水などが発生し、当社グループの生産設備及び情報システムへの直接的な被害や、社会インフラの損壊による電力供給不足等、もしくは取引先からの材料の供給不足等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報セキュリティについて

当社グループは、事業活動を通して当社グループ及び顧客・取引先などについての個人情報や機密情報を入手する事があります。また、当社グループの営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報の厳格な管理に努めていますが、コンピュータウィルスへの感染、不正アクセス、その他不測の事態などにより、情報の漏えい・紛失、重要データの破壊・改ざんなどが起きた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における国内経済は、堅調な需要に支えられ、設備投資も伸びを示し、生産性向上への投資が活況を呈し、企業収益の増加、堅調な雇用と所得環境が続きました。しかしながら、年度後半からは中国向けを中心に輸出が大幅に減少し、在庫の増加などによる需給バランスが悪化するなど、経済状況は急激に変化しました。

世界経済は、米国では個人消費が景気全体をけん引しており、順調に拡大したものの、中国では米中貿易摩擦の影響を受けて、輸出の鈍化や財政・金融政策の引き締めもあり、企業、個人の景況感が悪化しました。また、欧州では排ガス規制の強化により自動車関連の生産調整が続いたこと等により低調となりました。

このような状況のなか、当社は積極的な販売活動と製品開発に注力してまいりました。輸送機器業界、機械業界向けの関連工具は、堅調な受注により売上を伸ばす事ができましたが、売上構成比の高い電子・半導体業界向け関連工具の売上高は電着ダイヤモンドワイヤの受注減により前期を大きく下回る結果となり、全体としても前期を下回る売上高となりました。

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

a. 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、73,047百万円と前期と比べ1,630百万円(2.2%)の減少となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、14,019百万円と前期と比べ949百万円(6.3%)の減少となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、59,028百万円と前期と比べ680百万円(1.1%)の減少となりました。

b. 経営成績

当連結会計年度の売上高は、41,046百万円と前期と比べ4,412百万円(9.7%)の減収となりました。

当連結会計年度の営業利益は、2,563百万円と前期と比べ2,077百万円(44.8%)の減益となりました。

当連結会計年度の経常利益は、3,108百万円と前期と比べ1,966百万円(38.7%)の減益となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、2,321百万円と前期と比べ706百万円(43.7%)の増益となりました。

なお、業界別の経営成績は、次の通りであります。

 

(a) 電子・半導体業界

当業界向けの売上高は、13,626百万円と前期と比べ5,630百万円(29.2%)の減収となりました。

(b) 輸送機器業界

当業界向けの売上高は、9,955百万円と前期と比べ655百万円(7.0%)の増収となりました。

(c) 機械業界

当業界向けの売上高は、10,508百万円と前期と比べ623百万円(6.3%)の増収となりました。

(d) 石材・建設業界

当業界向けの売上高は、5,158百万円と前期と比べ194百万円(3.6%)の減収となりました。

(e) その他(大学研究機関、窯業及び宝飾等)

その他の売上高は、1,796百万円と前期と比べ133百万円(8.0%)の増収となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、16,548百万円となり、前連結会計年度末と比べ、1,920百万円の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、4,449百万円(前年同期は6,439百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が3,303百万円、減価償却費が2,497百万円、法人税等の支払額が1,517百万円あったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出された資金は、5,144百万円(前年同期は2,393百万円の支出)となりました。この主な内容は、有形固定資産の取得による支出が3,885百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出された資金は、914百万円(前年同期は939百万円の支出)となりました。この主な内容は、自己株式の取得による支出が150百万円、配当金の支払額が613百万円あったことによります。

 

③ 生産実績及び受注状況

当社グループはダイヤモンド工具事業の単一セグメントでありますが、生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であってもその形状等は一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示す事はしておりません。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の経営者は、重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。

 

(たな卸資産)

当社グループのたな卸資産の評価については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価損を計上しております。今後、技術革新のスピード化による製造中止や、市場状況の悪化による陳腐化が生じた場合、たな卸資産の評価損を計上する可能性があります。

(貸倒引当金)

当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当金が必要となる可能性があります。

 

(有価証券の減損)

当社グループのその他有価証券については、期末日における時価又は実質価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合に、原則としてすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した場合に、回復可能性を判断して減損処理を行う事としております。時価のない有価証券については、当該有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合には回復可能性がないものとして判断し、30%~50%程度下落した場合には当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
 将来、投資先の株価の著しい下落もしくは業績の著しい低迷があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループの繰延税金資産については、中長期の損益見込みに基づいて将来の課税所得を検討し、回収可能性を考慮して計上しております。現時点において計上されている繰延税金資産は十分回収できると判断しておりますが、予測し得なかった損失の発生が見込まれた場合、当該繰延税金資産が法人税等調整額として費用化される可能性があります。

(退職給付)

当社グループの従業員に対する退職給付債務及び退職給付費用については、割引率、昇給率、退職率及び長期期待運用収益率などの前提条件に基づいた基礎率により計算しております。これらの計算結果が前提条件と異なる場合や、これらの基礎率が大きく変更される場合には、数理計算上の差異に大きく影響する可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、73,047百万円と前期と比べ1,630百万円(2.2%)減少となりました。資産の減少の主な要因は、現金及び預金が3,316百万円減少、受取手形及び売掛金が1,527百万円減少した事によるものであります。

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は、14,019百万円と前期と比べ949百万円(6.3%)減少となりました。負債の減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が302百万円減少、未払法人税等が994百万円減少した事によるものであります。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産の額は、59,028百万円と前期と比べ680百万円(1.1%)減少となりました。純資産の減少の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,321百万円の計上の一方で、その他有価証券評価差額金1,281百万円が減少、為替換算調整勘定が909百万円減少した事によるものであります。
  この結果、自己資本比率は79.0%となり、1株当たり純資産額は1,040円37銭となりました。

 

b. 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、41,046百万円となり、前期と比べ4,412百万円(9.7%)の減収となりました。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、2,563百万円となり、前期と比べ2,077百万円(44.8%)の減益となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、3,108百万円となり、前期と比べ1,966百万円(38.7%)の減益となりました。

 

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,321百万円となり、前期と比べ706百万円(43.7%)増加いたしました。

 

c. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社を取り巻く環境は常に変化し柔軟かつ迅速な対応を迫られております。特に、太陽電池シリコンウェーハ加工用の電着ダイヤモンドワイヤの販売は、今後さらなる市場価格の下落が予想されております。

 

d. 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、16,548百万円と前期と比べ1,920百万円(10.4%)の減少となりました。

キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、日々の運転資金、設備投資資金については、ほぼ全額を自己資金で賄う事が可能であります。

 

業界別の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。

 

電子・半導体業界

電子・半導体業界では、前期後半から太陽電池向け電着ダイヤモンドワイヤの受注が大幅に減少したことから、業界全体の売上高は大きく減少しました。その中で、半導体市場においてはメモリーや各種センサーの生産増に伴って、これら関連工具は前期を上回る販売となりましたが、携帯端末等の生産減により関連部品製造用工具の販売が減少したことから、半導体業界向け売り上げは前期同等の売上高となりました。

 

輸送機器業界

自動車業界では、中国では生産減となったものの、インド、アジアなどで前期を上回る生産になり、国内においても生産台数が増加しました。世界全体での生産台数は前期より若干下がったものの、当社は開発に注力してきた高精度歯車加工用工具の拡販、また、コンパクト工具、CBNホイールの増販により、自動車関連工具の販売は大きく増加しました。

 

機械業界

軸受や産業機械業界では、自動車や二輪車向けの生産が好調に推移し、当社は既存販売に加え、新規拡販を進めるなど販売強化に努めた結果、関連工具の販売は大きく増加しました。超硬工具業界では、自動車等の輸送機器向けの生産が堅調に推移し、工作機械業界でも国内外ともに生産が増加し、当社は拡販に努めてきた関連製品の販売が伸張し、機械業界全体の売上高は大きく増加しました。

 

石材・建設業界

国内の建設業界では公共・民間ともに工事量の減少が続き、新製品の市場投入による増販はありましたが、関連工具の販売は減少しました。また、石材関連製品の売上が減少したことから全体では前期を下回る売上高となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社の技術研究所が中心となり、各工場の生産技術部と営業部門が密接に連携を保ちながら、将来の事業の基盤となるべき基礎研究から、地球環境や資源を視野に入れた応用開発まで、幅広い研究開発活動を行っております。当連結会計年度における当社グループでの研究開発費は1,782百万円であり、業界別の研究成果は以下の通りであります。

 

(1) 電子・半導体業界

太陽電池分野で使用されている電着ダイヤモンドワイヤ(商品名「EcoMEP(エコメップ)」において、砥粒固定化方法を改善することにより、これまで対応できなかった半導体材料の加工に適用できるようになりました。従来の遊離砥粒方式と比較して大幅な加工時間の短縮が可能となり、生産の拡大が続く半導体市場への寄与が期待されます。

 

(2) 輸送機器業界

歯車加工用ドレッサでは、砥粒層の根本的な見直しにより寿命を大幅に伸ばす事に成功しました。さらに、自社でブラッシュアップした加工技術を裏付けにして、一般砥石とのマッチングも提案できるようになりました。

 

(3) 機械業界

PCD、PCBNといった焼結体工具研作用ホイール(商品名「SENCIA THREE(センシアスリー)」)のラインナップを拡充しました。工具用途別に焼結材を最適化する事により、切れ味、面粗さ、寿命、精度といったさまざまな要求に対して優れた性能を発揮します。

 

(4) 石材・建設業界

高配筋コンクリート構造物を乾式で穿孔するシンウォールビットを開発し市場に投入しました。また、アスファルト切断用ブレードにおきましては、プロ業者向けの汎用タイプの製品をリニューアルしラインナップの拡充を図りました。

その他に、コンクリートを乾式で切断するブレードのラインナップ化を進めています。