文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営理念「モノづくりをもっと面白く」を策定しております。テクノロジーの進化が加速しているモノづくりの現場では、日々困難な問題に取り組んでおります。当社グループは、お客様とともに「モノづくりをもっと面白く」し、社会の発展に貢献してまいります。
この経営理念において、「目指す姿」としては、「唯一無二」「永続的な成長」「働きがい」を掲げております。また、行動指針としては、「Challenge(チャレンジ)」「Customer(顧客志向)」「Cooperation(ボーダレスな連携)」「Character(持ち味を活かす)」「Speed(スピード)」を掲げております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2023年5月12日の取締役会において、「中期経営計画2025」を策定しました。その主な内容と進捗状況については、下記「(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」において記載しております。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長を果たし、全てのステークホルダーの利益を増大させる目的として、「連結売上高」「連結営業利益」「連結売上高営業利益率」「親会社株主に帰属する当期純利益」「自己資本利益率」を重要な経営指標と考えております。
(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」を策定し、さらに2030年の目指すべき姿として「VISION2030」を掲げ、7年後のあるべき姿として、『世界のモノづくりを支えるグローバルニッチトップメーカーへ』を設定し、グローバルでの持続的な成長と高収益を実現するため、3つの重点テーマのもと、改革を推進しております。
「中期経営計画2025」の重点テーマ
①電子・半導体業界向け工具への注力
電子・半導体セグメントに経営資源を集中させ、収益性の高い製品の生産体制を整備した上で拡販に努め、高収益体制の構築を目指します。特に、脱炭素社会を背景として、需要が急拡大しているパワー半導体用SiC加工製品やSiウェーハ向け超微粒次世代ホイールの開発を進めます。その他、営業部門の効率化等にも取り組みます。
上記の取り組みにより、注力製品5品目(面研ホイール、電着ワイヤ、CMPコンディショナ、面取りホイール、ダイシングブレード)の売上を2022年度比で50億円の増加を見込んでおります。
②経営基盤強化
業務効率化に資するシステムや次世代を担う人材等に投資することで、経営基盤の強化を図り、「経営数値の見える化」や「業務の効率化」を実現する基幹システム等の導入を進め、中長期グループ経営方針に沿った経営を実現し、次世代を担う従業員の採用と育成、働きがいのある職場づくりによる組織力の向上を目指してまいります。また、高品質で信頼できる旭ブランドのイメージ確立も目指してまいります。
③リソースの最適化
グループ内での事業領域整理・製造販売拠点の再編を進め、内部リソースを最適化しつつ、製品の外部調達や販売委託等の外部リソースも取り入れ、「内・外」での最適な連携を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ基本方針>
当社グループでは、サステナビリティ基本方針として、『当社グループは、経営理念「モノづくりをもっと面白く」をすべての事業活動の根幹として、人を育て、技術を磨き、社会の「できないをできる」に変え続ける企業として、これからも社会と共に歩み続けます。』を掲げ、役員や従業員の一人ひとりが経営理念を実践し、事業を通じて社会へ貢献し、ステークホルダーの皆様と共に持続可能な成長を実現していくため、サステナビリティポリシーを10の側面で守るべき基本的事項として定めております。サステナビリティポリシーについては、当社ホームページをご確認ください。
<気候変動に関する取組>
(1) ガバナンス
当社は、ISO14001を取得しており、環境マネジメントシステムを構築しております。また、気候関連のリスク及び機会について検討を開始しており、当社の環境システム検討会議や温室効果ガス排出量削減担当において一次的な検討を実施したうえで、重要事項については取締役会に報告しております。
当社では、気候変動が当社グループの事業活動にもたらすリスク及び機会について検討を開始しております。
今後、当社の事業活動に重要な影響を及ぼすリスク及び機会を特定したのちに、それらのリスク及び機会に関する対応策を講じていく方針ですが、当社は製造業であり、製造拠点における二酸化炭素排出量は特に重要であるため、国内工場における二酸化炭素排出量の削減に関する取組をすでに開始しております。
今後、リスク及び機会の検討を進め、二酸化炭素排出量以外のリスクの低減や機会の創出を目指してまいります。
当社にとって重要課題である二酸化炭素排出量削減に対し、その対応について環境システム検討会議や温室効果ガス排出量削減担当にて検討しております。環境システム検討会議は国内の各工場の責任者が出席し、実務の視点からリスク等の評価を行い、対応を検討しております。なお、検討後の報告については「(1)ガバナンス」に記載の通りであります。
今後GHGプロトコルに則って正式な排出量の計算を実施してまいりますが、当社で独自に計算した結果として2013年3月期の当社国内工場における二酸化炭素排出量は16,542t-CO2であり、これを2030年までに38%削減する目標を掲げております。2022年3月期においては25%の削減を達成しており、2030年度の目標達成に向け努めてまいります。
なお、この目標は、今後のTCFDに対する取組の進捗に応じて適宜見直しを図ってまいります。
<人的資本に関する取組>
当社では、2023年4月に人事制度を改定すると共に、以下の人材育成方針及び社内環境整備方針を掲げ、中長期的な人材育成に取り組んでおります。
人材育成方針及び社内環境整備方針
人材育成の基本は、職場での多様な業務経験を通じて成功・失敗体験を積み重ね、やりがいや成長を実感することで、自律的な成長のサイクルに結びつけることであると考えております。そのためには、上司が部下の特性を把握し、個々の強みを活かせる業務を割り当て、『挑戦する場』を提供することが重要であると考えており、当社では、上司と部下が信頼関係を築き、良好な意思疎通を図ることを重視しております。また、職場環境については、安全と健康の確保、快適な労働環境の整備に努めております。
① 人事制度体系
当社の人事制度は、等級と役職を連動させ、勤続年数にとらわれずに職責に見合った処遇の実現を目指しております。また、個々のモチベーションを高めて成長を促進させるため、上司と部下が日頃から率直な意見交換を行うと共に、半期毎の面談で成果・行動の振り返りと今後の課題設定を行うことを重視しております。
② 自己申告制度
当社では、半期毎の評価実施時に自己申告制度で個々のキャリアの希望を申告し、上司との面談を通じて今後の方向性を共有します。会社が目指す方向性と個々のキャリアの方向性を一致させることで、よりチャレンジングな業務の機会を提供し、個々の成長を促進します。また、自己申告の情報を配置転換に活用し、全社的な適材適所の実現を目指してまいります。
③ 教育研修体系
当社では、キャリアの節目毎に行う階層別教育に加え、必要となる知識・スキルを集中的に学ぶ教育研修を行っております。近年では半導体向けの顧客に幅広く対応できる人材を育成するため、選抜メンバーに1年間の研修を行い、グローバルに活躍できる人材を送り出しております。また、技術系の新入社員については、当社の基礎技術を習得するため1年間の研修実施後に配属しております。
この人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき、新人事制度や自己申告制度、教育研修の運用を通じて、働きがいのある職場づくりに努めます。その成果を確認するための当社の指標と目標を以下に掲げます。
●指標と目標
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品の取引の継続性について
当社グループは、その主要取引先等に対して、納入数量、価格等に関する長期的な契約を締結しておりません。今後、十分な受注が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主な原材料として天然・人工ダイヤモンド、金属及び樹脂類を多数使用しております。今後、これらの調達において、供給元の操業停止又は供給能力の制約などにより、必要な原材料の調達ができなくなった場合、もしくは原材料価格の高騰により生産コストが上昇した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、電子・半導体、輸送機器、機械、石材・建設などの広範囲の業界に対し、ダイヤモンド工具を供給しておりますが、景気変動が各業界の取引先へ影響を与える場合、工具の需要にも影響を受ける事となります。今後、十分な受注が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日々、競合他社との技術・納期・価格競争などが行われるなか、高品質化・短納期化・技術サービスの充実化に努めております。今後、競合他社との競争に対して、迅速かつ適切に対応できず、十分な収益性が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 業務提携・企業買収に関するリスク
当社グループは、他社との業務提携や企業買収が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。その実施に際しては十分な検討を行いますが、当初想定した事業計画通りのシナジー効果を得る事ができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新型コロナウイルス感染症について
世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおいては、従業員の健康と安全を第一に衛生管理の徹底、時差出勤等の対応を行い、感染予防・拡大防止に努めております。今後、感染地域や感染者が再び拡大するなどで、当社グループの生産・営業活動が制限を受ける事態が発生する様な場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症対策が進み景気の持ち直しが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格高騰や年度後半は急激な円安によるインフレで景況感は足踏み状態となりました。世界経済においても、中国上海でのロックダウンによるサプライチェーンの混乱や資源価格高騰に伴うインフレが景気低迷要因となり、この先も経済活動減速の懸念が残ります。
このような状況の中、当社グループでは、製品開発や顧客需要に応える生産体制整備の効果もあり、前年度と比較して売上高は増加しました。売上構成比の高い電子・半導体業界ではシリコンウェーハ、化合物半導体加工用工具の販売が伸びました。また、輸送機器業界では航空機業種での生産回復、機械業界では工作機械業種向け特殊工具の販売が伸び、当連結会計年度は前年度を上回る結果となりました。
その結果、当連結会計年度における財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における営業利益は、2,506百万円と前期と比べ305百万円(10.9%)の減益となりました。
当連結会計年度における経常利益は、3,275百万円と前期と比べ375百万円(10.3%)の減益となりました。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,765百万円と前期と比べ523百万円(15.9%)の減益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、16,389百万円となり、前連結会計年度末と比べ840百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、4,979百万円(前年同期は5,948百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が3,830百万円、減価償却費が2,882百万円、持分法による投資損益が△250百万円、投資有価証券売却損益が△555百万円、法人税等の支払額が748百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出された資金は、1,260百万円(前年同期は356百万円の支出)となりました。この主な内容は、有形固定資産の取得による支出が1,898百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出された資金は、3,145百万円(前年同期は1,077百万円の支出)となりました。この主な内容は、自己株式の取得による支出が1,540百万円、配当金の支払額が1,479百万円あったことによります。
③ 生産実績及び受注状況
当社グループはダイヤモンド工具事業の単一セグメントでありますが、生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であってもその形状等は一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示す事はしておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。なお、当社の経営者は、この連結財務諸表の作成にあたって、重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
(棚卸資産)
当社グループは、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により、棚卸資産の帳簿価額を評価しており、主に一定の保有期間を超える棚卸資産について滞留もしくは陳腐化しているとみなして評価損を計上しております。今後、市場環境の悪化等により滞留もしくは陳腐化が生じた場合、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
(貸倒引当金)
当社グループは、売掛金、未収入金その他これらに準ずる債権を適正に評価するため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上や貸倒損失が発生する可能性があります。
(有価証券)
当社グループは、保有合理性検証の結果、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資すると判断した有価証券を保有しており、これらの有価証券には価格変動性が高い市場価格のある有価証券と、市場価格のない有価証券が含まれます。当社グループは、保有する有価証券の実質価額が著しく下落した場合には、回復可能性がある場合を除き減損処理を行っております。市場価格のある有価証券については、期末日における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満程度下落した場合には、回復可能性を判断して減損処理を行うこととしております。市場価格のない有価証券については、発行会社の1株当たり純資産額が取得価額に比べ50%程度以上下落した場合には、将来の展望などを総合的に勘案して、回復可能性があると判断したものを除き減損処理を行っております。なお、将来の市況悪化又は投資先の業績不振など、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収が不能となる状況が発生した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、中長期の損益見込みを基として将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価したうえで計上しております。既に計上した繰延税金資産については、その回収可能性について毎期検討し内容の見直しを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの経営成績及び財政状態に与える影響につきましては、感染症の抑制と経済活動の両立が進み、重要な影響を及ぼすものではないと仮定し、会計上の見積りを行っております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の減損判定にあたり、管理会計の区分をもとに概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについて、将来における回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額については、将来キャッシュ・フローや正味売却可能価額等の前提条件に基づき算出しているため、事業計画の変更や市場環境の悪化等により、その前提条件に変更が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。
(退職給付)
当社グループは、従業員に対する退職給付債務及び退職給付費用について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率、長期期待運用収益率、及び直近の統計数値に基づいた死亡率等が含まれます。実際の計算結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、数理計算上の差異に影響し、当社グループの退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(事業構造改善)
連結子会社である旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSASにおける収益構造の安定化を図るため事業構造改善を実施しており、製造拠点の統合により発生する費用等を見積り、事業構造改善引当金として計上しております。今後、市場環境の変化等に対応するため計画の変更が発生した場合は、追加の事業構造改善費用の計上が必要となる可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、74,177百万円と前期と比べ1,935百万円(2.7%)増加となりました。資産の増加の主な要因は、繰延税金資産が743百万円減少した一方で、投資有価証券が2,146百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、11,295百万円と前期と比べ77百万円(0.7%)減少となりました。負債の減少の主な要因は、退職給付に係る負債が208百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の額は、62,882百万円と前期と比べ2,013百万円(3.3%)増加となりました。純資産の増加の主な要因は、剰余金の配当により1,483百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,765百万円増加、その他有価証券評価差額金が1,103百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は82.5%となり、1株当たり純資産額は1,142円25銭となりました。
b. 経営成績の分析
(売上高)
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、2,506百万円と前期と比べ305百万円(10.9%)の減益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、3,275百万円と前期と比べ375百万円(10.3%)の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,765百万円と前期と比べ523百万円(15.9%)の減益となりました。
c. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
業界別の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。
電子・半導体業界
電子・半導体業界では、新型コロナウイルス感染症対策によるテレワークや在宅勤務等の見直しに伴う電子機器の需要減少や景気低迷による携帯端末等の通信機器の販売減による電子部品の生産低迷により、関連工具の販売は減少しました。一方、自動車の電動化や省電力対応に向けた化合物半導体需要が旺盛なため、関連工具の販売は増加しました。
輸送機器業界
自動車業種では、部品不足による生産変動の影響が続き、回復が思うように進まない状況が続きましたが、年度後半で海外を中心にトラック等商用車の生産回復で関連工具の販売増に寄与しました。また、新規拡販の取り組みや新製品投入を進める等販売強化に努め、当業種向け関連工具のシェアアップを進めています。一方、航空機業種では、各国で行われていた移動制限等が緩和され、航空機需要の回復に伴い、関連工具の販売は増加しました。
機械業界
軸受、工具業種では、自動車等の輸送機器や一般機械部品の生産の停滞で関連工具の販売は微増に留まりました。一方、工作機械業種では、工作機械に付属する特殊工具の品質改良が評価され受注増につながり関連工具の販売は増加しました。
石材・建設業界
国内の建設業種では、高速道路の補修工事をはじめ、国土強靭化等の施策もあり、公共工事、民間工事ともに堅調に推移しました。一方、石材業種では、墓石、建築材料等の需要低迷が止まらず販売減少が続き、全体の販売は前年度から微増となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、16,389百万円と前期と比べ840百万円(5.4%)の増加となりました。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、日々の運転資金、設備投資資金については、ほぼ全額を自己資金で賄う事が可能であります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社の研究部、各国内工場の生産技術部、技術関連部門等により構成された技術開発センターが、営業部門と密接に連携を保ちながら、将来の事業の基盤となるべき基礎研究から、地球環境や資源を視野に入れた応用開発まで、幅広い研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループでの研究開発費は
(1) 電子・半導体業界
旺盛な顧客投資による需要拡大が著しいパワー半導体向け研削砥石の開発に注力しております。超多孔質構造を有する半導体ウェーハ表面研削用メタルボンドホイール(商品名「M-cloud」)では、従来製品を大きく上回る良好な結果が客先で得られており、今後の需要増加が期待されます。
(2) 輸送機器業界
環境負荷低減化の観点から、粉塵の排出が抑制される硬質皮膜を有するブレーキディスクが増加しております。このような難加工材を研削するために、切れ味志向のメタルボンドホイール(商品名「エアロメタル」)の需要が増加しております。今後も持続可能な社会を目指し、サステナビリティに配慮した工具の開発に注力してまいります。
(3) 機械業界
独自技術で砥粒を配列した電着工具(商品名「AGホイール」)が機械業界向けに好調です。切れ味・面精度・寿命においていずれも従来製品より優れており、減速機の溝加工等に使用されております。加工対象は輸送機器業界にも広がっており、CVT溝加工でも良好な結果が得られております。
(4) 石材・建設業界
高速道路のリニューアル工事で使用されるコンクリート切断用ブレードを開発しました。独自の刃先構造と高い衝撃強度を有し、切断が難しい鉄筋比率の高い高配筋コンクリートでも切れ味良好との評価が得られております。現在、急ピッチで進められている高速道路のリニューアル工事での採用拡大を図ります。