(1) 業績
当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益が376,631百万円(3,130,766千EUR)、営業利益が1,961百万円(16,307千EUR)、税引前当期損失が1,064百万円(8,850千EUR)、親会社の所有者に帰属する当期損失が7,826百万円(65,058千EUR)となりました。なお、前連結会計年度に決算期を3月31日から12月31日に変更したことにより、決算期変更の経過期間となることから、対前期増減率は記載しておりません。
当社グループは、2009年のDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFT(以下、「AG社」)との協業提携から、当期に完全経営統合を行う過程において事業及び資産の見直しを行い、重複資産の整理やノンコアビジネスからの撤退に伴う一時費用を当期に計上いたしました。この結果、投資有価証券売却益を含めた一過性の利益及び損失を除いた営業利益は約130億円(108百万EUR)となりました(EUR建表示は当期期中平均レート120.3円で換算しております)。当期中に完全経営統合に関係する特殊な会計処理や費用処理は終了し、日本、ドイツ、アメリカで全体の約半分を構成するバランスの取れた販売体制を構築しており、2017年は米国子会社の収益改善や重複資産の整理等の効果が具体化し、企業戦略を強力に展開してまいります。
当社グループは、2016年4月にAG社の株式12,108,437株を追加購入し、75%超の持株比率となりました。グループの結束強化と経営資源のさらなる有効活用のために、連結対象会社DMG MORI GmbHとAG社の間でドミネーション・アグリーメントを締結し、AG社の商業登記簿への登記完了を経て発効することとなりました。本発効により、当社とAG社の経営資源を一体のものとして活用する完全一体経営が可能となり、部品共通化、機種統合、顧客管理システム及びサービス・パーツシステムの共有、グローバル生産能力の最適活用により経営効率化を進めております。
イノベーティブな商品とサービスでお客様のご要望を一手に引き受けるべく、事業戦略につきましては、IoTやインダストリー4.0に関するソリューション提供を充実させております。当社の技術を結集したテクノロジーサイクルは、切削サイクル、ハンドリングサイクル、計測サイクル、モニタリングサイクルという4つの機能と、機械本体、切削工具や周辺機器等のオープンイノベーション、組込ソフトウエア、CELOS等のHMI(ヒューマンマシンインタフェース)を融合させた新しいソリューションの形です。製品、工具、素材、ソフトウエア等あらゆるデータの組み合わせを最適化し、テクノロジーサイクルの拡充を進めております。テクノロジーサイクルによりオペレーション効率を向上させる「スマートマシン」だけでなく、DMG MORI Messengerというソフトウエアを通して工場の機械の稼働状況を一目で確認・管理する「スマートファクトリー」やマイクロソフト社のクラウドプラットフォーム「Azure」を使用することにより、世界中の工場における機械の稼働状況の確認を可能にする「スマートカンパニー」に至るまでIT新技術を最大限に活用することで、機械と工場、工場と工場をつなげ、お客様の生産性と利益の向上に貢献いたします。これらへの取組みのひとつとして、社内工場のさらなる製造効率改善のために伊賀事業所をスマートファクトリーと位置付け、組立作業の見える化、進捗管理システムを導入する等、発注、作業工程、品質、在庫のタイムリーな管理体制の構築を進めております。CELOSを通して収集された機械の稼働状況、センサからの各種情報、加工データ等のBIG DATAを解析することで機械の設計改善だけではなく、機械の故障を事前に把握するための予防保全にも役立たせる等お客様の生産性と効率性の向上のための仕組みづくりにも取り組んでおります。
販売面につきましては、9月に米国シカゴの「IMTS 2016」及び独国シュツットガルトの「AMB 2016」、10月に伊国ミラノの「BIMU 2016」、11月には東京で開催された「JIMTOF 2016」にそれぞれ出展いたしました。「IoT/インダストリー4.0&DMG MORIスマートファクトリー」をテーマに、世界初出展を含む最新鋭の工作機械を展示するとともに、21種類のテクノロジーサイクルをご紹介いたしました。センサ搭載機や独国シェフラー社と共同で取り組む実証プロジェクト「マシンツール4.0」や、自動化システムソリューションとしてRobo2Goやモジュール型ロ ボットシステムによる機械稼働率向上のご提案も合わせてご紹介し、お客様から大変ご好評をいただきました。
製品、サービス面につきましては、あらゆる生産現場で活躍するソリューションベースマシンCMX Vシリーズの販売を開始いたしました。これまでの立形マシニングセンタの標準オプションを網羅した全290種類の多彩なオプションを取り揃え、お客様のニーズに合わせてカスタマイズ可能であり、全9種類のテクノロジーサイクルもオプションで搭載できることから、さまざまな業種の幅広いワークに対応する高い汎用性で、お客様の生産性向上に寄与いたします。また、より高品質なサービスをご提供するため、日本国内で販売する機械本体の無償修理・保守 サービス期間を2年から5年に延長できる「セロスクラブ・プラチナ」の販売を11月より開始いたしました。大変ご好評をいただいているセロスクラブにIoT支援パッケージを付加し、工場からの保守、機械でのセンシング・モニタリングを活用し、6ヵ月毎の1日点検によって5年間の保証サービスを提供しております。
また、2017年は全社を挙げて働き方改革への取組みを一層強化いたします。在宅勤務の拡充、社内託児所の設置、コアタイム制の導入、残業ゼロに向けた意識改革で、公私共にバランスの取れたワークライフバランス作りを進め、生産性及び効率性の向上に積極的に取り組んでまいります。
当社は、製品とサービスのより一層の品質向上とお客様への高付加価値ソリューションの提供、オープンイノ ベーションの推進をはじめとしたパートナー企業との連携と共存共栄、当社の企業価値の最大化を促進してまいります。
工作機械の需要につきましては、日本工作機械工業会が発表している2016年の受注は、前年比15.6%減となりましたが、当社の同期間における受注は円ベースで4.4%減に留まり、EURベースでは6.8%増を確保することができました。
国内市場は、年前半から年央にかけて需要の調整局面がありましたが、「JIMTOF 2016」の効果もあり、期末にかけては受注に動きが見られました。
北米市場は、直接販売・サービスのビジネスモデルへの変更が順調に進展し、当社の受注は円ベースでも前年比でプラスを維持しております。特に「IMTS 2016」では、お客様の生産効率改善に向けたIoTの取組みが高く評価された他、世界初出展のCMX Vシリーズが大好評を得ました。
欧州市場は、引き続き堅調であり受注はプラスで推移しております。プライベートショーも活況を呈しており、今後も緩やかに伸張していくものと期待しております。
中国市場は、ほぼ底打ちを確認しております。年央以降は、前四半期比でほぼ横ばいでの推移となっており、まだ本格回復は期待できないものの、2017年4月開催の北京ショー(CIMT 2017)は需要を刺激する大きな要素となるものと期待しております。
その他、アジア・オセアニア市場は、需要は総じて低迷しております。その中で、台湾、ベトナム、インド、 オーストラリアは比較的健闘しております。
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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売上収益 |
(百万円) |
318,449 |
376,631 |
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営業利益 |
(百万円) |
31,140 |
1,961 |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 又は損失(△) |
(百万円) |
26,900 |
△7,826 |
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基本的1株当たり当期利益又は損失(△) |
(円) |
216.53 |
△67.80 |
なお、セグメントの動向及び業績は以下のとおりです。
マシンツールでは、売上高は388,585百万円となり、セグメント利益は11,669百万円となりました。
インダストリアル・サービスでは、売上高は133,359百万円となり、セグメント利益は1,777百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
連結キャッシュ・フロー計算書
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
18,628 |
18,237 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△26,892 |
△10,008 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
71,859 |
△18,376 |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
(百万円) |
62,168 |
△15,826 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
83,577 |
67,750 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は前期末に比べ15,826百万円減少し、当連結会計年度末は67,750百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、18,237百万円の収入となりました。主な増加要因は、減価償却費及び償却費17,691百万円、その他非資金損失4,188百万円、金融費用3,223百万円、引当金の増加2,086百万円であり、主な減少要因は、営業債務及びその他の債務の減少7,480百万円、法人所得税の支払額6,100百万円であります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、10,008百万円の支出となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出11,607百万円、無形資産の取得による支出3,634百万円であり、主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入4,963百万円であります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、18,376百万円の支出となりました。主な増加要因は、長期借入による収入59,870百万円、ハイブリッド資本の発行による収入49,505百万円、社債発行による収入29,872百万円であり、主な減少要因は、非支配持分の取得による支出61,543百万円、短期借入金の純減少額58,978百万円、長期借入金の返済による支出16,765百万円、社債の償還による支出15,000百万円であります。
(3) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の償却に関する事項)
日本基準ではのれん及び耐用年数を確定できない無形資産を一定期間で償却しておりますが、IFRSでは定期償却を実施しておりません。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて4,232百万円増加しております。
(開発費の資産化に関する事項)
日本基準では社内開発費の全額を費用処理しておりますが、IFRSでは社内開発費のうち、一定の要件を満たした部分について資産計上しております。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて293百万円増加しております。
(退職給付に係る調整累計額及び費用に関する事項)
[退職給付に係る調整累計額]
日本基準では退職給付に係る負債の純額(数理計算上の差異)の増減による資本の増減影響はその他の包括利益累計額に表示しておりますが、IFRSではその他の資本の構成要素に認識した上で利益剰余金に振り替えております。この影響により、当連結会計年度末におけるIFRSのその他の構成要素及び利益剰余金は、日本基準のその他の構成要素及び利益剰余金に比べてそれぞれ164百万円減少し、同額増加しております。
[退職給付に係る費用]
日本基準では退職給付に係る負債の純額(数理計算上の差異)について一定期間で償却しておりますが、IFRSでは定期償却を実施しておりません。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて115百万円増加しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
前年同期比(%) |
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マシンツール(百万円) |
369,085 |
- |
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インダストリアル・サービス(百万円) |
11,334 |
- |
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合計(百万円) |
380,420 |
- |
(注)1.上記金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度は、決算期変更により9ヵ月決算となっておりますので、前年同期比については記載しておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
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受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
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受注実績 |
366,888 |
- |
116,699 |
- |
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合計 |
366,888 |
- |
116,699 |
- |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前連結会計年度は、決算期変更により9ヵ月決算となっておりますので、前年同期比については記載しておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
前年同期比(%) |
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マシンツール(百万円) |
267,873 |
- |
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インダストリアル・サービス(百万円) |
108,731 |
- |
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全社(百万円) |
26 |
- |
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合計(百万円) |
376,631 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度は、決算期変更により9ヵ月決算となっておりますので、前年同期比については記載しておりません。
(1) 製品開発
これまで日本とドイツで蓄積してきた技術を最大限に活かした効率良い製品開発を行っております。生産性向上やより良いサービスの提供を狙いとして、外観デザインの統一も行いながら日本とドイツでの機種統合を進めております。一方、自動化システムの強化に加え、ギヤ加工、計測や高精度加工等を容易にする組込ソフト、テクノロジーサイクルの開発にも注力し、より多くのソリューションをお客様に提供できるようにしてまいります。またセンシング技術やIoTを駆使して予知保全や最適加工条件の提供も重要課題として取り組んでおります。
(2) 品質
製品企画から販売、サービスに至るまで、製品を通じてお客様と関わるすべての活動を品質と捉え、全社員一丸となって日々品質向上に努めております。一桁違う品質を達成してお客様に感動を提供することを合言葉に、機械本体、ソフトウエア、周辺装置等の隅々まで気配りした製品造りを目指しております。また、日本、欧州、アメリカ、中国、ロシアの各工場どこで造られた製品でも、お客様に同等かつ高品質であると感じていただけることを目標に、開発、生産、サービスや営業活動の各プロセスの統一も確実に行ってまいります。
(3) 安全保障貿易管理
近年、世界の安全保障環境、特にアジア・中東・東ヨーロッパ地域の安全保障環境の不安定化が顕著になってきたことに伴い、大量破壊兵器の不拡散や通常兵器の過度の蓄積防止に対する国際的な関心が一段と高まっております。このような環境のなか、当社グループにおいては、輸出関連法規の遵守に関する内部規程(コンプライアンス・プログラム)を定め、厳正に適用しております。さらに、当社製品には、不正な輸出を防止する目的で、据付場所からの移設を検知すると稼働できなくする装置を搭載し、厳格な輸出管理を実践しております。安全保障貿易管理につきましては、重点課題として今後とも継続して取り組んでまいります。
(4) 法令遵守
経営者自ら全従業員に対し法令及び企業倫理に基づいた企業活動の徹底を指示し、また、役員・従業員向けの各種教育研修を企画し、継続的に実施することで役員・従業員の意識の向上と浸透を図っております。グ ローバルな事業展開に対応し、日本国内のみならず各国においても、法令遵守のための体制の構築を図っております。また、従前より内部監査部が主管部署として、定期的に法令遵守活動のモニタリングを実施する体制を整備しており、引き続き、内部管理の強化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要市場(日本、米州、欧州及び中国・アジア等)の状況
当社グループの地域別連結売上収益の構成比は、当連結会計年度において、日本14.7%、米州14.8%、欧州58.1%、中国・アジア12.4%となっております。当社グループが製品又はサービスを販売、提供するいずれかの地域において景気動向が悪化することで当該製品又はサービスに対する需要が低下した場合は、当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。
(2) 設備投資需要の急激な変動
工作機械産業は従来から景気の変動に左右されやすいと言われてまいりましたが、アジア並びにBRICs、中央 ヨーロッパ等の新興国の経済が拡大してきております。日本、米州、欧州各地域の工作機械市場も中長期的には安定的に成長してきておりますが、当社グループの業績は景気変動による設備投資の増減の影響を大きく受ける傾向にあり、何らかの要因で各地域で設備投資需要が落ち込んだ場合には、製品単価、販売数ともに急速かつ大幅に下落することがあり、当社グループの事業、業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。
(3) 市場競合の影響
工作機械業界は参入企業数が多く、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、当社グループはそれぞれの市場において厳しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定を行うことが困難な状況になっております。当社グループとしては、技術力強化による差別化製品の開発、原材料等のコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しておりますが、将来的に市場シェアの維持及び拡大又は収益性の保持が困難となった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 企業合併・買収及び資本・業務提携
当社グループは、企業の合併・買収や資本・業務提携を事業基盤の強化を図るための重要な戦略の一つと位置付けており、今後、かかる企業合併・買収や資本・業務提携の成否によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月にAG社を連結対象会社としておりますが、AG社の事業、業績及び財務状況の動向は、当社グループに大きな影響を与える可能性があります。
(5) 米ドル、ユーロ等の対円為替相場の大幅な変動
当社グループの事業、業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算額に影響を与えます。また、為替変動は外貨建で取引されている製品・サービスの価格及び売上高にも影響を与えます。この影響を低減するため、日本、中国・アジアの円建取引、米州の米ドル建取引、欧州のユーロ建取引のバランスをとるように努めておりますが、それでもなお、為替相場の変動によって当社グループの事業、業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。
(6) 天然資源、原材料費の大幅な変動
想定を大幅に超えた原材料価格の急激な高騰に見舞われた場合は、当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。原材料価格の高騰に対しては、仕入先への価格交渉等によるコストダウンの推進や製品価格への転嫁によってカバーする方針ですが、価格の高騰が続く場合や仕入先への価格交渉等が実現しない場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 安全保障貿易管理
当社グループが事業を展開する多くの国及び地域における規制又は法令の重要な変更は、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループのコア事業であります工作機械は各国の輸出関連法規上、規制貨物に分類されており、国際的な輸出管理の枠組みにより規制を受けております。国際情勢の変化により規制が強化されることとなれば、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 特定業種への依存
当社グループの販売は、自動車及びその関連業界に対する割合が相対的に高くなっております。したがって、当該業界における経営環境の変動が、今後の当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 取引先の信用リスク
当社グループとしても取引先の信用リスクについては細心の注意を払っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当該リスクの顕在化によって、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)財務制限条項
コミットメントライン契約等の一部借入金の契約には財務制限条項が付されております。現在、財務制限条項が付された借入金残高はありません。今後、財務制限条項への抵触等があった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)知的財産権
当社グループは、研究開発、新製品開発を通じて多くの新技術やノウハウを生み出しており、これらの貴重な技術・ノウハウを特許出願することにより、知的財産権の活用を図っております。しかし当社グループの知的財産権に対して第三者からの無効請求や、侵害差止請求等が提起された場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟に関するリスク
当社グループは、顧客の要求する機能・仕様を満足し、かつ安全性に配慮した適性品質の追求に努めており、グローバルベースで品質管理の徹底を図っております。しかしながら、当社グループの製品に重大な不具合が存在し、重大な事故やクレーム、リコール等の起因となった場合、多額の製品補償費用等が発生する可能性があります。
このほか、当社グループは、国内外において業務を展開しておりますが、こうした業務を行うにあたり、業務上発生する責任に基づく損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があります。
現時点では当社グループの業績に重大な影響を与えるような訴訟は提起されておりませんが、今後、重大な訴訟が提起され、当社グループに不利な判断が下された場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)自然災害等の影響
当社グループは、販売及びサービス拠点をグローバルに展開しているため、予測不可能な自然災害、コンピュータウィルスといった多くの事象によって引き起こされる災害によって影響を受ける可能性があります。
当社グループの製造拠点は、国内では三重県、奈良県、神奈川県及び新潟県にあり、海外ではアメリカ、中国、欧州各地等6ヵ国にあります。これらの製造拠点のいずれかが、地震・洪水等の天災の影響を受け、製品供給が不可能、あるいは遅延することとなった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)環境問題
当社グループは、事業の遂行にあたり、様々な環境関連の法令及び規制の適用を受けています。当社グループは、これらの法規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、現在行っている又は過去に行った事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来、環境関連の法規制や環境問題に対する社会的な要求がより厳しくなることによって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限される可能性があります。したがって、今後の環境関連の法規制の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の連結対象会社であるDMG MORI GmbHとDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFTとの間でのドミネーション・アグリーメントが2016年8月24日に発効されました。
詳細については、「連結財務諸表注記 34.ドミネーション・アグリーメント」をご参照下さい。
2009年の協業開始より、これまで当社とDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFT(以下、「AG社」)で蓄積してきた技術や経験を最大限に活かした商品やサービスをご提供すべく、グループの力を結集して日々の研究開発活動を推進しています。また、欧州、日本、米国での開発効率や各工場での生産性を最大化するために、機種統合、主軸等主要ユニット、機械操作盤、機械デザイン等の統一や共通化、 CADシステムや開発プロセスの統一についても精力的に取組んでいます。最近では、機械本体の開発だけでなく、お客様がワークを完成させるまでの最適なソリューションを提供するために、ロボットやローダ等を使ったワーク自動搬送や計測システム、加工やワーク完成までのプロセスを最適にするためのアプリケーションソフトウエア、工場の機械の状態や稼動状況を一目で確認管理できるようにするための機械のセンシングや機械間、工場間のネットワーク化のための技術開発にも注力しています。
2016年度は、290種類の多彩なオプションによりお客様のご要望に合わせたカスタマイズ化が容易な立形マシニングセンタ「CMX Vシリーズ」を米国シカゴで開催された国際見本市「IMTS2016」で発表する等、合計で8機種の新機種開発を行い発表しました。2017年度は、ターニングセンタ、マシニングセンタ、複合加工機等13の新機種発表を予定しています。
レーザ加工、超音波加工等最先端技術の分野では、レーザ焼入れ技術と高硬度材切削加工技術を組み込み、焼入れ部品の工程集約が可能となるターニングセンタの開発を行い、2016年6月に開催された「IGA INNOVATION DAYS 2016」で発表しました。また新分野のレーザ積層造形(Additive Manufacturing)においては、国内外の著名大学の先生方と加工プロセスや積層材料信頼性評価等に関して共同研究をさせていただきながら開発を進めています。共同研究で得られた知見や成果は、切削加工とレーザ積層造形を複合したハイブリッド機「LASERTEC 3D」シリーズに反映させて、「LASERTEC 3D」シリーズの商品力をさらに高めていく予定です。
年々要求が高まっている自動化システムについては、既に開発されたパレット搬送システムLPP、RPP等に加えて、ワーク供給、洗浄、計測等の機能を有しカスタマイズが容易なモジュールシステムや、これまでと比べて短時間でロボット運転の準備ができるロボットシステム「Robo2GO」の開発を行い2016年に発表しました。
また、お客様がお困りな煩雑で手間と時間がかかる段取り等の作業を一手に引き受け、お客様に一括でソリュー ションをご提案するために、「テクノロジーサイクル」の開発に注力しています。「テクノロジーサイクル」を用いることによって、これまで専用機や専用プログラム、特殊な工具で行っていた加工・段取り・計測を汎用的な工作機械や標準的な工具・治具等で、誰もが簡単かつ短時間で素早い立上げと高い品質を実現することができます。2016年度はギヤ加工等の加工支援機能、工具長計測の支援機能、自動化システムによるハンドリング機能、センシング技術を活用したモニタリング機能等、合計11種類の「テクノロジーサイクル」を発表しました。2017年度は新たに15種類の機能のリリースを予定、お客様により付加価値の高いソリューションを提案していく計画です。
IoTやインダストリー4.0に関しては、「スマートマシン」、「スマートファクトリー」、「スマートカンパニー」のコンセプトを「JIMTOF2016」で発表しました。機械の最適稼動や予知保全を実現するセンシング、機械及び周辺機器や工場間を安全に接続する通信、人工知能AI等を活用した大容量データの解析及び活用、さらに自社開発操作盤ERGOlineやオペレーティングソフトウエアCELOSを介したヒューマンインタフェース等の機能開発を、AG社、ビー・ユー・ジーDMG森精機とともに進めると同時に、各パートナー企業とも連携しながらオープンイノベーションとして取組んでいます。
機種集約については、協業開始時点に両社で約300種類あった機種数を2016年末で約190機種まで集約しました。2020年までに150機種に集約する計画で進めています。ユニットの共通化に関しては、既に欧州、日本、米国で生産しているマシニングセンタや複合加工機に対して内製開発した統合主軸の搭載が完了しています。新たにターニングセンタ用主軸、ATC/工具マガジン、刃物台等について内製ユニット開発を2016年にスタートさせました。2017年度は、これらの開発したユニットを、欧州、日本、米国で生産している製品に順次搭載していく計画です。また昨年のAG社との統一CADシステム運用開始に続き、2017年度は統一開発部品表の運用開始も予定しています。これらの運用開始により日本、米国、欧州各開発拠点で作成された設計図面の相互利用が可能となり、DMG MORIグループ内での機種統合、部品共通化や最適地生産が促進されると考えています。
このようにDMG MORIグループ全体が一丸となって研究開発を進めています。これらの活動を推進することによって、お客様に最大の価値をご提供し、お客様の発展、ひいては全世界の製造業の発展に寄与していきたいと考えております。
以上の研究開発活動の結果、無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費の総額は9,377百万円となっており、セグメント別としては、マシンツール8,631百万円、インダストリアル・サービス746百万円となっております。
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
前連結会計年度に決算期を3月31日から12月31日に変更したことにより、決算期変更の経過期間となることから、対前期増減率は記載しておりません。
①売上収益
当連結会計年度における売上収益は、376,631百万円となりました。セグメント別の売上構成比は、マシンツール71.1%、インダストリアル・サービス28.9%、地域別の売上構成比は、日本14.7%、ドイツ26.4%、米州14.8%、その他欧州31.7%、中国・アジア12.4%となっております。
②費用
当連結会計年度における費用は、383,845百万円となりました。原材料費及び消耗品費165,662百万円、人件費114,121百万円、減価償却費及び償却費17,691百万円等を計上しております。
③営業損益
当連結会計年度における営業損益は、1,961百万円の営業利益となりました。セグメント別の利益は、マシンツールは11,669百万円のセグメント利益、インダストリアル・サービスは1,777百万円のセグメント利益をそれぞれ計上しております。
④当期損益
当連結会計年度における税引前当期損失は、1,064百万円を計上しております。
また、税効果会計適用後の法人所得税は4,684百万円となっております。
この結果、当期損失は5,749百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は7,826百万円となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
現在の経済環境は、中国経済の減速や原油価格の低迷が長期化しており、産業全体への影響を注視していく必要があります。工作機械の受注環境は市場全体で悪化が懸念されますが、DMG MORIグループはAG社との統合にともない豊かにした経営リソースを活用し受注拡大に取り組みます。こうした世界各地域における設備投資動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与えるものと考えております。
(3) 戦略的現状と見通し
グローバル市場における経済発展の段階的差異、金融問題、為替変動、自然災害、地政学的リスク等を背景に、製造業をとりまく生産革新、経営リソースの再配置は新たな局面を迎えております。それとともに、お客様の工作機械メーカーに対する要望も、高精度、高機能の機械の提供はもちろんのこと、オペレーションの支援、エンジニアリング、教育、アフターサービスの充実へと範囲が広がりつつあります。当社グループにおいては、蓄積してきた専門技術や強靭な営業・サービスネットワークを駆使し、事業環境の変化、お客様ニーズの変化に対応してまいります。
当社とAG社は、最先端技術の強化、製品とITを融合した新しい顧客価値の創造、より速く、より経済的に、より知的な製品の提供、お客様に合わせた最適なサービスとソリューションの提供、進化し続けることを目指しております。
当社とAG社は、2009年3月より販売、開発、購買、生産等の各分野での連携を進めてまいりましたが、さらに企業価値を創出するためには、資本面においても両社が一体となって運営されることが最善であるとの結論に至り、ドミネーション・アグリーメントの発効により両社の経営資源を一体のものとして活用する、完全一体経営が可能となりました。
製品展開においては、IoTやインダストリー4.0に関するソリューション提供を充実させ、IT新技術を最大限に活用することでお客様の生産性と利益の向上に貢献いたします。また、AG社との製品の共同開発により、従来のお客様への価値提案力を高めるとともに、新しいお客様の獲得を目指しております。今後、AG社と機種統合、部品の共通化を進める一方、アプリケーションを駆使したソリューション提供を強みに成長を図ると同時に収益性改善に努めてまいります。
生産体制については、AG社の連結化により、日本・北米・欧州・中国の世界4極生産体制を構築し、需要地ニーズに即した迅速な対応、為替変動による収益への影響低減を図っております。今後も需要地生産、納期短縮を含め、お客様によりよい製品とサービスを提供してまいります。
販売展開においては、顧客数、ソリューション、サービスの提供等の面で、業界における圧倒的な地位を確立しつつあります。また、マーケティング、直販に強みを持つAG社の営業系システムを活用し、効率的かつ効果的な営業活動を展開し、お客様との関係をより強固なものにしてまいります。
以上の経営方針のもと、顧客価値創造を実現し、事業規模、収益性、財務基盤において、業界内における競争優位を確立し、企業価値向上に努めてまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源及び資金の流動性についての分析については「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。