当第3四半期連結累計期間における経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における業績は、売上収益は349,342百万円(2,847,130千EUR、前年同四半期比1.1%減)、営業利益は28,573百万円(232,873千EUR、前年同四半期比21.5%増)、税引前四半期利益は24,158百万円(196,894千EUR、前年同四半期比20.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は15,266百万円(124,424千EUR、前年同四半期比14.4%増)となりました(EUR建表示は、2019年1月から9月の期中平均レート122.7円で換算しております)。
当社では事業戦略として、5軸加工機・複合加工機の普及、自動化、デジタル化を掲げており、多彩なテクノロジーサイクルを付加した最新鋭の5軸加工機・複合加工機を自動化システムやDMQP(DMG森精機認定周辺機器)と併せてお客様に提案することで、お客様の製造工程の集約を推進しております。また、機械の保守・管理や遠隔操作等にデジタル技術を応用するため、伊賀事業所において次世代通信規格「5G」を活用した実証実験を進めております。デジタル化による付加価値をお客様に直接提供するサービスとして、ポータルサイト「my DMG MORI」を導入致しました。これにより、お客様は事業所毎の保有機の基本情報やマニュアル、出張修理復旧の履歴を確認できるとともに写真や動画を添付して修理復旧をオンラインで直接依頼することやスペアパーツの発送状況を把握することが可能となります。加えて、生産管理ソフトウエアメーカーTULIP社へ資本参加し、SMEs(Small Medium Enterprises)でのデジタル技術を活用した工程改善を後押しいたします。直感的な操作で使いやすい同社のアプリ作成のプラットフォームを活用することで、お客様は専門的なプログラミングの知識を必要とすることなく、製造プロセスの改善、効率化を行うことが可能となります。既に当社グループの独国フロンテン工場の主軸生産工程にも当該ソフトウエアが導入され、生産性改善、品質向上に貢献しております。さらに、これらの新しい取組から見込まれる将来的な需要の増加に対応すべく、生産能力の増強も行ってまいります。Lakshmi Machine Works Limitedに委託してインドのお客様向け立形マシニングセンタの現地生産を開始する他、国内では2023年までの長期計画で伊賀事業所と奈良事業所の大規模改修を予定しております。
技術面につきましては、AIを活用して過去の受注・機械修理復旧事例を素早く検索するシステムを開発いたしました。当社の先端技術研究センターが開発したこの新システムでは、内製したAIを使用して各単語に複数の単語が関連付けられており、一度のキーワード検索で類似事例の仕様書や報告書を探し出すことが従来のシステムよりも簡単にできるようになっております。これにより、見積や機械設計・修理復旧にかかる時間の短縮と社員のスキルによる対応の差の縮小に貢献いたします。また、11月からは横形マシニングセンタNHXシリーズにゼロスラッジクーラントタンクを標準装備して販売開始いたします。タンク内でクーラントを攪拌し、微細なスラッジの堆積を抑えて効率的に回収し処理する当社の新技術を標準搭載することで、より多くのお客様の生産現場で清掃作業の時間や故障を減少させ、効率向上に貢献いたします。当社は、引き続き最先端の技術開発によって顧客価値の向上と社会的価値の創出に努めてまいります。
販売面では、7月に伊賀事業所で実施したイノベーションデーに続き、8月にはチェコのDMG MORIテクノロ ジーセンタのグランドオープンイベントを、10月にはポーランドのファモット工場にて自社展示会オープンハウスを開催いたしました。また、9月に独国ハノーバーで開催されたEMO2019と10月に名古屋で開催されたMECT2019に出展いたしました。EMOでは、10,000㎡の面積を誇るホール2を貸し切って世界初披露機を含む45台の機械と29件の自動化システムを展示した他、MECTでは、全ての展示機での実演加工によって実践的な技術ノウハウを説明いたしました。MATRISや大規模自動化システム、CELOSを中心としたデジタルファクトリーの様子を動画で紹介することで、会場には展示していない技術についてもお客様に提案することが可能となりました。11月には独国ゼーバッハ工場にてオープンハウスの開催を予定しており、お客様に当社の最新技術を体験して頂きます。
当社は、「よく遊び、よく学び、よく働く」をモットーに、社員の心身共に充実した生活を応援しております。当社の部活動の一つである「BIRDMAN HOUSE 伊賀」が第42回鳥人間コンテスト2019(讀賣テレビ放送株式会社主催)の人力プロペラ機部門で大会新記録を樹立し優勝いたしました。機体部品の製作には当社の機械が使用
され、伊賀事業所で製作されております。また、当社の機械で部品製作を行っていたDMG MORI SAILING TEAMの新艇「DMG MORI Global One号」が完成し、仏国ロリアンにて進水式を行いました。チームは、2020年11月に開催される単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレース「Vendée Globe 2020」への出場に向け、まずは仏国やポルトガルにてトレーニングを積み重ね、予選レースである「The Transat」や「Transat NY-Vendée」に出場いたします。この他、工作機械技術研究財団MTTRFへの研究助成活動、森記念製造技術研究財団を通じた博士課程の学生への給付型奨学金の支給、切削加工ドリームコンテストの主催等を継続していくことで、今後も製造業の発展に貢献してまいります。
当社の第3四半期累計の受注額は3,211億円となり、前年同期比では22%減となりました。5軸加工機、複合加工機、アディティブマニュファクチャリング等先端製品の展開及び自動化、デジタル化等の価値提案の向上により、1台当たりの受注平均単価が前年度に比べ約6%向上しております。また、補修部品及び機械修理復旧の強化に取り組んでおり、当該部門の受注も前年同期比7%増と貢献しております。地域別の受注金額は、日本が前年同期比42%減と前年度までの好調からの反動が大きく出ております。米州は同29%減、中国を含むアジアは同31%減となりましたが、全社受注の50%を占める欧州は9月に開催されたEMOで先端技術、自動化提案がお客様から高く評価され計画以上の成果を挙げたこともあり、前年同期比21%減と他の地域に比べて健闘しております。産業別の受注は、引き続き航空機関連、医療関連、金型が堅調に推移する一方、自動車関連、一般機械関連、半導体製造装置関連が弱含みの展開となっております。受注金額は、前四半期との比較において、アジア地域がやや弱含みとなっておりますが、日本、米州、欧州とも横ばい圏と落ち着いてきております。お客様は中長期の成長及び収益改善に向けて、工程集約化、自動化、デジタル化等の投資を検討しており、潜在需要は十分にあるものと認識しております。当社の直販、直修理復旧の強みを活かし、潜在需要を着実に受注増に結び付けてまいります。
なお、セグメントの動向及び業績は以下のとおりです。以下の売上収益及びセグメント損益には、セグメント間の内部取引を含めて表示しております。
マシンツールセグメントでは、航空機、医療関連向けの業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は392,472百万円(前年同四半期比1.5%減)となり、セグメント損益は26,689百万円(前年同四半期比3.3%減)のセグメント利益となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、パーツ販売、修理復旧の業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は109,025百万円(前年同四半期比3.6%増)となり、セグメント損益は13,590百万円(前年同四半期比53.7%増)のセグメント利益となりました。
<参考> 四半期連結受注高(単位:億円、Million EUR)
注) EUR建表示は各四半期の実勢レートで換算しております。
②資産、負債及び資本の状況
(ⅰ)資産
流動資産は、主として棚卸資産が14,600百万円増加した一方で、営業債権及びその他の債権が10,884百万円、現金及び現金同等物が8,502百万円減少したことにより、241,099百万円(前期比2,929百万円の減少)となりました。
非流動資産は、主として有形固定資産及び使用権資産が14,216百万円、その他の金融資産が4,687百万円増加した一方で、その他の無形資産が4,979百万円、のれんが4,726百万円減少したことにより、295,023百万円(前期比10,629百万円の増加)となりました。
この結果、資産合計は536,122百万円(前期比7,699百万円の増加)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は、主として営業債務及びその他の債務が6,811百万円増加した一方で、社債及び借入金が15,613百万円、契約負債が5,795百万円、未払法人所得税が3,369百万円減少したことにより、294,896百万円(前期比19,641百万円の減少)となりました。
非流動負債は、主としてその他の金融負債が14,537百万円、社債及び借入金が10,294百万円増加した一方で、引当金が1,457百万円減少したことにより、121,903百万円(前期比22,184百万円の増加)となりました。
この結果、負債合計は416,800百万円(前期比2,543百万円の増加)となりました。
(ⅲ)資本
資本は、主として利益剰余金が6,799百万円増加した一方で、その他の資本の構成要素が3,358百万円減少したことにより、119,322百万円(前期比5,155百万円の増加)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、18,865百万円(前年同四半期22,456百万円)となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は21,171百万円の収入(前年同四半期31,852百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益24,158百万円、減価償却費及び償却費16,772百万円、営業債務及びその他の債務の増加額8,626百万円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加額21,232百万円、法人所得税の支払額8,896百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は14,815百万円の支出(前年同四半期9,303百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出9,317百万円、無形資産の取得による支出3,365百万円、投資有価証券の取得による支出2,957百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は13,488百万円の支出(前年同四半期63,132百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入19,949百万円、社債の発行による収入9,955百万円であり、主な減少要因は、社債の償還による支出20,000百万円、長期借入金の返済による支出17,235百万円、配当金の支払額6,394百万円であります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の無形資産に計上された開発費を含む研究開発費の金額は、8,792百万円となっております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。