文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社の経営方針は、工作機械メーカーとして「独創的で、精度良く、頑丈で、故障しない機械を最善のサービスとコストでお客様に供給すること」です。コネクテッド・インダストリーズ(IoT、インダストリー4.0)の高まりを背景に、工作機械(マシニングセンタ、ターニングセンタ、複合加工機、5軸加工機及びその他の製品)、ソフトウエア(ユーザーインタフェース、テクノロジーサイクル、組込ソフトウエア等)、計測装置、修理復旧サポート、アプリケーション、エンジニアリングを包括したトータルソリューションの提供を行い、全世界のお客様にとってなくてはならない企業を目指しております。
(2) 経営戦略及び経営環境
2020年(以下、「来期」)の全社受注を4,200億円と2019年(以下、「当期」)の4,094億円の実績に対し2.6%増を見込んでおります。新型コロナウイルスの影響が拡大している状況ではありますが、地域別には米国が回復の足取りを示している他、東南アジアも大底から脱しつつあります。一方、日本、欧州は2018年まで大きく伸張した反動もあり、来期は横ばい圏で推移するものと計画しております。中国は短期的には不透明でありますが、工程集約機、自動化等の潜在需要が旺盛なことから年度後半には回復していくものと期待しております。業種別には引き続き航空・宇宙関連、医療関連、金型関連が堅調に推移する他、半導体製造装置関連の寄与度も高まっていくものと考えております。一方で、自動車関連は引き続き低調に推移するものと見込んでおります。
当社は、自動化、5軸化・複合化、ソフトウエア、先端技術を今後の事業テーマとするとともに、当期より導入したカンパニー制により利益と業務の厳格な管理と経営者育成を進めてまいります。
自動化につきましては、自動化システムの受注に占める比率が年々増加しており、自動化システムを構成する各機器をモジュール化、規格等を統一し導入時のリードタイム短縮や短期間でのレイアウト変更を可能とするプログラミング不要のロボットシステム「MATRIS」を開発する等の対応を行っております。
5軸化・複合化につきましては、複雑形状の加工を可能とする5軸加工機・複合加工機の受注が60%超を占めるまでとなりましたが、国内におけるさらなる普及を目的としてDMG MORI 5軸加工研究会を発足させ、お客様への機械貸出やプライベートレッスン実施によるオペレーター養成を行っております。
ソフトウエアにつきましては、当社開発のオペレーションシステムCELOSを通じて、アプリケーションによるお客様の利便性向上を図り、スマートファクトリーを進めてまいります。
先端技術につきましては、アディティブ・マニュファクチャリング(積層造形、以下、「AM」)や超音波等の技術の用途拡大を進めてまいります。
当社は、業界のリーディング・カンパニーとして、幅広いステークホルダーの期待に応えるべく、SDGs(Sustainable Development Goals)への取り組みを強化しております。環境面においては、省エネ技術(GREENmode)によるエネルギー消費量抑制や製造現場の排出量モニタリングによるCO2排出の抑制、リスク管理体制面で厳格な輸出管理手続に基づいた製品の平和利用を担保することによる大量破壊兵器製造防止、人材の活用と育成面で、事業所内での保育園開園等、働きやすい環境の整備や従業員国籍の多様性、在社上限10時間、12時間インターバル制の導入や有給休暇の完全取得を目指すことでメリハリをつけた働き方で生産性の向上を目指しております。この他、DMG森精機奨学基金への拠出、大学、高等専門学校への助成、学術関連団体との提携による研究開発等の社会貢献を行っております。
以上のように、顧客価値創造を実現し、事業規模、収益性、財務基盤において、継続的な企業価値向上に努めてまいります。
(3) 目標とする経営指標
需要変化の激しい工作機械業界の事業環境や市場動向に迅速に対応し、工作機械業界におけるグローバルワンの地位を維持・継続するためには、利益率の向上、財務体質の強化、資本収益性の向上が最重要課題であると考えております。
来期は、全社受注4,200億円、売上収益4,000億円、営業利益200億円、純有利子負債700億円以下、フリーキャッシュフロー130億円以上、Net Dept/Equityレシオ(純有利子負債株主資本比率)0.5を目指しております。
当社グループでは、顧客価値創造並びに企業価値のさらなる向上のために、たゆまぬ努力を継続してまいります。
(4) 対処すべき課題
①製品開発
当期にR&Dカンパニーを発足し、要素技術、新機種開発、既存機種の改善改良、マニュアル、知財からなる組織構成で運営しております。
要素技術に関しては自動化・省人化を実現するために自動化システムの開発を強化するとともに、自動化システムで重要になる切り屑処理、プロセスモニタリング、機上計測、機械の稼働状況モニタリング、長時間にわたる運転での精度維持等の技術開発を、新機種開発においては複合加工機、5軸加工機とAM機の強化を進めております。全体では約30件の開発プロジェクトを当期から進行させており、来期にその大部分を製品化するとともに、来期も同程度の新規開発プロジェクトを追加いたします。
複合加工機、5軸加工機、自動化システム機を効率的に運用するための重要な要素であるマニュアルの電子化を進めております。電子化したマニュアルは、お客様専用サイトの「my DMG MORI」から閲覧していただくことができ、冊子での保管が不要で、必要な項目の検索性も大幅に改善しております。来期は動画も導入し、さらに検索性にすぐれ一目で理解いただけるマニュアルを提供いたします。知財戦略にも積極的に取り組み、特許出願件数は当期に前期比64%増、さらに来期には当期比40%増とすることで独自技術の権利化を進めてまいります。
②品質
経営理念の「独創的で、精度良く、頑丈で、故障しない機械を最善のサービスとコストでお客様に供給することを通して、ターニングセンタ、マシニングセンタ、複合加工機、研削盤で、グローバルワンを目指す」を基本方針として、品質=お客様満足を合言葉に、全社一丸となって製品や修理復旧の品質向上に努めております。最近では、5軸化、複合化、自動化、IoT、レーザ加工やAM等の最先端加工法の活用等をお客様ニーズといち早くとらえ、これらのお客様の期待に応える工作機械や周辺装置、アプリケーションソフトウエアの提供に注力しております。また、お客様満足活動をはじめとするCS活動を通じて得たお客様の声を真摯に受け止め、製品や修理復旧の徹底的な改善改良を計画するとともに、再発防止を確実に行うことにより、お客様の信頼を獲得することを行動の基本としております。
③安全保障貿易管理
近年、世界の安全保障環境の不安定化が益々顕著になってきたことに伴い、大量破壊兵器の不拡散や通常兵器の過度の蓄積防止に対する国際的な関心が一段と高まっております。このような環境の中、当社グループにおいては、輸出関連法規の遵守に関する内部規程(コンプライアンス・プログラム)を定め、厳正に適用しております。さらに、当社製品には、不正な輸出を防止する目的で、据付場所からの移設を検知すると稼働できなくする装置を搭載し、厳格な輸出管理を実践しております。なお、2012年より中国・天津、そして当期よりインド・コインバトールにて工作機械の製造を開始しております。輸出関連法規上、より厳格な管理が必要となる国での海外生産を行うにあたり、定期的に訪問を実施したうえでの監査並びに輸出管理研修を行っております。安全保障貿易管理につきましては、重点課題として今後とも継続して取り組んでまいります。
④法令遵守
経営者自ら全従業員に対し法令及び企業倫理に基づいた企業活動の徹底を指示し、役員・従業員のコンプライアンス意識の向上と浸透を図っております。当社グループでは、グローバルな事業展開に対応したコンプライアンス体制を構築するために、日本を含む各国においてコンプライアンス担当者を選任し、これらを連携させることにより、各国の制度に適応しながら統制の取れた体制の確立に取り組んでおります。また、役員・従業員向けの各種教育研修を日本だけでなく各国においても企画し、継続的に実施しております。これらの他、従前より内部監査部が主管部署として、定期的に法令遵守活動のモニタリングを実施する体制を整備しており、引き続き、内部管理の強化に努めてまいります。
4月より導入されました勤務間インターバル制度については、当社では勤務間インターバルを12時間にすると同時に在社時間を最大12時間として対応いたしました。来期はこれをさらに進め、在社時間の制限を原則10時間として従業員の健康維持、ワークライフバランスの適正化に取り組んでおります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要市場(日本、米州、欧州及び中国・アジア等)の状況
当社グループの地域別連結売上収益の構成比は、当連結会計年度において、日本16.9%、米州17.0%、欧州52.2%、中国・アジア13.9%となっております。当社グループが製品又は修理復旧を販売、提供するいずれかの地域において景気動向が悪化することで当該製品又は修理復旧に対する需要が低下した場合は、当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。
(2) 設備投資需要の急激な変動
工作機械産業は従来から景気の変動に左右されやすいと言われてまいりましたが、アジア並びにBRICs、中央 ヨーロッパ等の新興国の経済が拡大してきております。日本、米州、欧州各地域の工作機械市場も中長期的には安定的に成長してきておりますが、当社グループの業績は景気変動による設備投資の増減の影響を大きく受ける傾向にあり、何らかの要因で各地域で設備投資需要が落ち込んだ場合には、製品単価、販売数ともに急速かつ大幅に下落することがあり、当社グループの事業、業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。
(3) 市場競合の影響
工作機械業界は参入企業数が多く、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、当社グループはそれぞれの市場において厳しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定を行うことが困難な状況になっております。当社グループとしては、技術力強化による差別化製品の開発、原材料等のコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しておりますが、将来的に市場シェアの維持及び拡大又は収益性の保持が困難となった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 企業合併・買収及び資本・業務提携
当社グループは、企業の合併・買収や資本・業務提携を事業基盤の強化を図るための重要な戦略の一つと位置付けており、今後、かかる企業合併・買収や資本・業務提携の成否によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月にDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFT(以下、「AG社」)を連結対象会社としておりますが、AG社の事業、業績及び財務状況の動向は、当社グループに大きな影響を与える可能性があります。
(5) 米ドル、ユーロ等の対円為替相場の大幅な変動
当社グループの事業、業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算額に影響を与えます。また、為替変動は外貨建で取引されている製品・パーツ及び修理復旧の価格及び売上収益にも影響を与えます。この影響を低減するため、日本、中国・アジアの円建取引、米州の米ドル建取引、欧州のユーロ建取引のバランスをとるように努めておりますが、それでもなお、為替相場の変動によって当社グループの事業、業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。
(6) 天然資源、原材料費の大幅な変動
想定を大幅に超えた原材料価格の急激な高騰に見舞われた場合は、当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。原材料価格の高騰に対しては、仕入先への価格交渉等によるコストダウンの推進や製品価格への転嫁によってカバーする方針ですが、価格の高騰が続く場合や仕入先への価格交渉等が実現しない場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 安全保障貿易管理
当社グループが事業を展開する多くの国及び地域における規制又は法令の重要な変更は、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループのコア事業であります工作機械は各国の輸出関連法規上、規制貨物に分類されており、国際的な輸出管理の枠組みにより規制を受けております。国際情勢の変化により規制が強化されることとなれば、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 特定業種への依存
当社グループの販売は、自動車及びその関連業界に対する割合が相対的に高くなっております。したがって、当該業界における経営環境の変動が、今後の当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 取引先の信用リスク
当社グループとしても取引先の信用リスクについては細心の注意を払っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当該リスクの顕在化によって、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)財務制限条項
コミットメントライン契約等の一部借入金の契約には財務制限条項が付されております。今後、財務制限条項への抵触等があった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)知的財産権
当社グループは、研究開発、新製品開発を通じて多くの新技術やノウハウを生み出しており、これらの貴重な技術・ノウハウを特許出願することにより、知的財産権の活用を図っております。しかし当社グループの知的財産権に対して第三者からの無効請求や、侵害差止請求等が提起された場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟に関するリスク
当社グループは、顧客の要求する機能・仕様を満足し、かつ安全性に配慮した適性品質の追求に努めており、グローバルベースで品質管理の徹底を図っております。しかしながら、当社グループの製品に重大な不具合が存在し、重大な事故やクレーム、リコール等の起因となった場合、多額の製品補償費用等が発生する可能性があります。
この他、当社グループは、国内外において業務を展開しておりますが、こうした業務を行うにあたり、業務上発生する責任に基づく損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があります。
現時点では当社グループの業績に重大な影響を与えるような訴訟は提起されておりませんが、今後、重大な訴訟が提起され、当社グループに不利な判断が下された場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)自然災害・疫病等の影響
当社グループは、販売及び修理復旧拠点をグローバルに展開しているため、予測不可能な自然災害、疫病、コンピュータウィルスといった多くの事象によって引き起こされる災害によって影響を受ける可能性があります。
当社グループの製造拠点は、国内では三重県、奈良県、神奈川県及び新潟県にあり、海外ではアメリカ、中国、欧州各地等6ヵ国にあります。これらの製造拠点のいずれかが、地震・洪水等の天災の影響や疫病等による工場閉鎖により、製品供給が不可能、あるいは遅延することとなった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)環境問題
当社グループは、事業の遂行にあたり、様々な環境関連の法令及び規制の適用を受けております。当社グループは、これらの法規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、現在行っている又は過去に行った事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来、環境関連の法規制や環境問題に対する社会的な要求がより厳しくなることによって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限される可能性があります。したがって、今後の環境関連の法規制の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益が485,778百万円(3,978,527千EUR)(前期比3.1%減)、営業利益が37,339百万円(305,809千EUR)(前期比3.0%増)、税引前当期利益が31,451百万円(257,587千EUR)(前期比0.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が17,995百万円(147,379千EUR)(前期比2.8%減)となりました。
工作機械が使用される製造現場では10年毎に飛躍的な技術革新が起こっており、当社は、新時代の技術要求に応えられる生産設備をお客様に提供すべく、5軸・複合加工機やAM機をプラットフォームとした自動化・デジタル化の促進を事業戦略として掲げております。5軸・複合加工機によって生産工程が集約されることで、搬送や計測の自動化の需要が高まり、その帰結として、デジタル技術を活用したセンシングやAIを用いたデータ解析が進み、そこから学習された結果が工作機械本体のさらなる高性能化をもたらすという好循環を生みます。デジタル化による付加価値をお客様に直接提供するサービスとして、ポータルサイト「my DMG MORI」を導入し、お客様が事業所毎の保有機の基本情報やマニュアル、出張修理復旧の履歴を確認することを可能とし、写真や動画を添付して修理復旧をオンラインで直接依頼することやスペアパーツの発送状況を把握することが可能となりました。そしてAMは、従来の切削加工では不可能だった複雑形状や軽量化を実現できる点で、導入したお客様にとって新たなビジネスチャンスとなります。当社には、テクノロジーサイクルやDMQP(DMG森精機認定周辺機器)等の取り組みを通じて、これまでに蓄積してきた加工技術や周辺機器に関する豊富なノウハウがあります。また、11月に発表した株式会社ニコンとの包括的な業務提携は、同社の持つ計測やカメラ技術を適用することによって工作機械の高度化を可能にします。さらに、グローバルな販売・修理復旧体制の構築によりお客様との直接のコンタクトを重視してきた当社は、古い工作機械のリプレイス需要や国境を越えた設備投資のご相談に対し、いち早く対応してまいりました。7月には伊賀事業所に最新の倉庫管理システムを取り入れたグローバルパーツセンタを開所しております。こうした知見を強みに上述の好循環を加速化し、工場全体の稼働率を向上させるトータルソリューションプロバイダーを目指してまいります。これらの新しい取り組みから見込まれる将来的な需要の増加に対応すべく、ラクシュミ・マシンワークスに委託してインドのお客様向け立形マシニングセンタの現地生産を開始した他、国内において2023年までの長期計画で伊賀事業所と奈良事業所の大規模改修を行い、生産能力の増強を予定しております。
技術面では、大型部品を安定して加工できるターニングセンタNLX 6000|1000、全軸に搭載したスケールフィードバックと高い剛性、冷却機能によって高い位置決め精度を実現した立形マシニングセンタDMP 70、AM機LASERTEC 12 SLMを開発した他、AMの発展とともに注目を集めるトポロジー最適化技術を活用し、切削能力を据え置きながらも大幅な剛性向上と軽量化を達成した工作機械を製作しております。また、タンク内のクーラントを攪拌することで微細なスラッジの堆積を抑えつつ効率的に回収する当社の独自技術「ゼロスラッジクーラントタンク」の標準搭載機種のラインナップを継続して拡大しております。当社は、今後もより多くのお客様に最適な最先端技術を提案できるよう様々な新製品を開発し、生産性向上に貢献いたします。
販売面では、1月の独国・フロンテン工場を皮切りに当社の工場で最先端技術をお客様に体験いただけるオープンハウスやイノベーションデーを開催し、好評をいただいております。また、4月に「中国国際機械展覧会(CIMT 2019)」、9月に独国・ハノーバーで開催された「EMO 2019」の他、世界各地で開催された展示会に出展し、実機を用いた実演加工による実践的な技術ノウハウを説明する他、動画を用いて会場に展示していないMATRISや大規模自動化システム、CELOSを中心としたデジタルファクトリーといった技術を紹介するという新しい試みを行っております。工場全体の自動化・デジタル化をより多くのお客様に提案するため、12月に東京で開催された「2019 国際ロボット展」に初出展し、自律走行型ロボット「WH-AGV 5」の実演や多品種少量生産・24時間連続稼働等を実現する生産システムを紹介いたしました。
当社では、社員が自律的に自身の時間をマネジメントし、心身ともに充実した生活を送ってスキルアップできる風土を重視しており、「よく遊び、よく学び、よく働く」をモットーに掲げ、あらゆる領域で優秀な人材を確保し、より安心して長く働き続けられる体制を整えてまいります。総労働時間の上限を見直し、全社員が定められた在社制限時間内で効率的に働きつつ、全社をあげたTQM活動による業務の本質的改善や新規システムの勉強等を進めてまいります。また、当社の部活動の一つである「BIRDMAN HOUSE 伊賀」が第42回鳥人間コンテスト2019(讀賣テレビ放送株式会社主催)の人力プロペラ機部門で大会新記録を樹立して優勝しております。機体部品の製作には当社の機械を使用し、伊賀事業所で製作を行っております。また、当社の機械で部品製作を行っていたDMG MORI SAILING TEAMの新艇「DMG MORI Global One」号が完成し、仏国・ロリアンにて進水式を行いました。チームは、2020年11月に開催される単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレース「Vendée Globe 2020」への出場に向け、フランスやポルトガルにてトレーニングを積み重ね、予選レースである「The Transat」や「Transat NY-Vendée」に出場いたします。環境保護の取り組みとしては、ドイツではCO2-Neutralを目指した活動を始めており、日本でも太陽光発電の利用や緑化政策、バイオマス発電の研究を進めております。さらに、工作機械技術研究財団MTTRFへの研究助成活動や将来の工作機械産業の発展のための優秀な人材の育成支援として、森記念製造技術研究財団を通じた博士課程の学生への給付型奨学金の支給を行っております。当社は、グローバルにステークホルダーを持つ企業として社会的に求められる責任を果たし、持続可能な発展によって継続的に企業価値を高めてまいります。
当社の当期受注額は4,094億円となり、前期比では23%減となりました。一方で、5軸・複合加工機等工程集約を目的とした機械の構成比が64%まで向上し、併せて自動化・デジタル化が進展したことから1台当たりの受注単価は前期に比べ6%向上いたしました。また、機械復旧サービス、補修部品の受注額は堅調に推移し3%増となりました。
地域別の機械受注金額は、前期まで好調に推移した反動から、日本が前期比42%減、米州及び中国を含むアジアはそれぞれ同27%減、同29%減となりましたが、53%を占めるEMEA(欧州、中東及びアフリカ)は同16%減と比較的減少幅は軽微に留まりました。産業別には、航空機・医療関連・金型業界向けが比較的堅調に推移いたしました。2018年半ば以降大きく落ち込んでいた半導体製造装置業界向けは漸く引合いが増加してきており、今後の受注増へ期待が持てます。一方、自動車関連業界向けは、自動車需要が調整局面にあること、技術変化への見極めを進めていることなどから弱含みの状況が続いております。
四半期毎の全社受注額は、2018年第1四半期の1,486億円をピークに、2019年第4四半期の880億円まで2年間減少し、ほぼボトム圏にあるものと考えております。お客様における労働力、エンジニア不足への中長期における対応意識は変わっておりません。当社は、強みである工程集約機及びAM機を中心に、自動化・デジタル化を推進し、受注の増大に邁進してまいります。
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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売上収益 |
(百万円) |
501,248 |
485,778 |
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営業利益 |
(百万円) |
36,261 |
37,339 |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
(百万円) |
18,517 |
17,995 |
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基本的1株当たり当期利益 |
(円) |
144.09 |
138.64 |
セグメントの動向及び業績は以下のとおりであります。なお、以下の売上収益及びセグメント損益には、セグメント間の内部取引を含めております。
マシンツールセグメントでは、航空機、医療向けの業績が堅調に推移した一方で、自動車向けは調整局面となりました。その結果、売上収益は525,219百万円(前期比7.6%減)となり、セグメント利益は34,391百万円(前期比14.4%減)となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、パーツ販売、修理復旧の業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は164,649百万円(前期比12.9%増)となり、セグメント利益は19,701百万円(前期比52.3%増)となりました。
②財政状態の状況
(ⅰ)資産
流動資産は、主として営業債権及びその他の債権が14,127百万円、棚卸資産が9,864百万円それぞれ減少したことにより、218,409百万円(前期比25,619百万円の減少)となりました。
非流動資産は、主として有形固定資産及び使用権資産が20,352百万円増加したことにより、306,196百万円(前期比21,803百万円の増加)となりました。
この結果、資産合計は524,606百万円(前期比3,816百万円の減少)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は、主として契約負債が24,177百万円、社債及び借入金が19,568百万円それぞれ減少したことにより、272,553百万円(前期比41,984百万円の減少)となりました。
非流動負債は、主としてその他の金融負債が13,407百万円、社債及び借入金が11,250百万円それぞれ増加したことにより、124,246百万円(前期比24,527百万円の増加)となりました。
この結果、負債合計は396,799百万円(前期比17,457百万円の減少)となりました。
(ⅲ)資本
資本は、主として利益剰余金が8,900百万円増加した一方で、自己株式が2,251百万円減少したことにより、127,807百万円(前期比13,640百万円の増加)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
49,398 |
43,647 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△19,020 |
△23,546 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△65,433 |
△19,019 |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
(百万円) |
△37,605 |
327 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
27,368 |
27,695 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ327百万円増加し、当連結会計年度末は27,695百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、43,647百万円の収入(前期は49,398百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益31,451百万円、減価償却費及び償却費23,079百万円、営業債権及びその他の債権の減少額12,600百万円、棚卸資産の減少額7,312百万円であり、主な減少要因は、契約負債の減少額22,189百万円、法人所得税の支払額13,337百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、23,546百万円の支出(前期は19,020百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出14,564百万円、無形資産の取得による支出6,612百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、19,019百万円の支出(前期は65,433百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入19,949百万円、社債の発行による収入9,955百万円であり、主な減少要因は、社債の償還による支出20,000百万円、長期借入金の返済による支出17,410百万円、配当金の支払額6,691百万円、リース負債の返済による支出5,402百万円であります。
④生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前年同期比(%) |
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マシンツール(百万円) |
400,861 |
△12.4 |
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インダストリアル・サービス(百万円) |
20,531 |
35.6 |
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合計(百万円) |
421,392 |
△10.9 |
(注)1.上記金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
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受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
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受注実績 |
409,385 |
△22.9 |
145,703 |
△34.2 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前年同期比(%) |
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マシンツール(百万円) |
341,911 |
△8.4 |
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インダストリアル・サービス(百万円) |
143,845 |
12.5 |
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全社(百万円) |
21 |
△14.7 |
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合計(百万円) |
485,778 |
△3.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、2019年度の目標とした経営指標に対しては、売上収益4,857億円(目標5,000億円)、純有利子負債755億円(目標650億円以下)、フリーキャッシュフロー201億円(目標300億円)で未達、営業利益373億円(目標360億円)で達成となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額32,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。当期末における当該借入残高は、18,400百万円であります。
当期末における有利子負債の残高は、108,696百万円(前期末比8,318百万円の減少)となっております。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
①のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の償却に関する事項
日本基準ではのれん及び耐用年数を確定できない無形資産を一定期間で償却しておりますが、IFRSでは定期償却を実施しておりません。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて4,370百万円増加しております。
②開発費の資産化に関する事項
日本基準では社内開発費の全額を費用処理しておりますが、IFRSでは社内開発費のうち、一定の要件を満たした部分について資産計上しております。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて94百万円減少しております。
③退職給付に係る調整累計額及び費用に関する事項
(ⅰ)退職給付に係る調整累計額
日本基準では退職給付に係る負債の純額(数理計算上の差異)の増減による資本の増減影響はその他の包括利益累計額に表示しておりますが、IFRSではその他の資本の構成要素に認識した上で利益剰余金に振り替えております。この影響により、当連結会計年度末におけるIFRSのその他の資本の構成要素及び利益剰余金は、日本基準のその他の資本の構成要素及び利益剰余金に比べてそれぞれ521百万円増加し、同額減少しております。
(ⅱ)退職給付に係る費用
日本基準では退職給付に係る負債の純額(数理計算上の差異)について一定期間で償却しておりますが、IFRSでは定期償却を実施しておりません。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて215百万円増加しております。
当社の連結対象会社であるDMG MORI GmbHとAG社との間でのドミネーション・アグリーメントが2016年8月24日に発効されました。
詳細については、「連結財務諸表注記 34.ドミネーション・アグリーメント」をご参照下さい。
2009年の協業開始より、これまで当社とAG社で蓄積してきた技術や経験を最大限に活かした商品やサービスをご提供すべく、グループの力を結集して日々の研究開発活動を推進しております。当社では当期にR&Dカンパニーを発足し、要素技術、新機種開発、既存機種の改善改良、マニュアル、知財からなる組織構成で運営しております。
要素技術に関しては自動化・省人化を実現するために自動化システムの開発を強化するとともに、自動化システムで重要になる切屑処理、プロセスモニタリング、機上計測、機械の稼働状況モニタリング、長時間にわたる運転での精度維持等の技術開発を、新機種開発においては複合加工機、5軸加工機とAM機の強化を進めております。当期には欧州での横形マシニングセンタ販売を強化するためにSIEMENSコントロール付き機種を新たに投入いたしました。またインドのラクシュミ社でのライセンス生産の開始、中国・天津工場での大型横形マシニングセンタの生産を開始してさらなる海外市場対応の強化に努めております。
熟練加工技術者が確保しにくい状況であることと、高コスト国での競争力維持のため、自動化・省人化の要求が高まっております。当社ではワークの取り付け、取り外し作業からオペレータを解放し、人間はより高度なプログラミング、初品チェック、加工技術の開発等に専念できるよう自動化システムの開発に注力しております。ワークハンドリングに関しては、従来から好評であったロボットを用いた自動化モジュールシステムのMATRISをさらに高度化し、より複雑なシステムに対応できるようにすることでシステム適用数を倍増しております。さらにAGVに協働ロボットを搭載し、レーザとカメラで障害物を検出し、自動的に回避しながら運転し、段取りステーションで非接触給電を行うことにより連続無人運転が可能な自律型走行ロボットAGVを新たに開発いたしました。
当社では当期から切屑・クーラント・ミスト部を発足させて専門的に取り組んでおります。その成果としてカメラ画像をもとに切屑の場所と堆積量をAIが推論し、クーラントの吐出角度を自動調整することで機内の切屑を排出する技術も開発し、長時間オペレータが機内の清掃を行わなくても機内がクリーンに保てる機械を実現いたします。さらに、NHXシリーズにゼロスラッジクーラントタンクを標準装備して販売を開始いたしました。これはタンク内でクーラントを攪拌し、微細なスラッジの堆積を抑えて効率的に回収し処理する当社の新技術です。これらの技術は、お客様の生産現場では清掃作業の時間や故障を減少させ、長時間の無人運転が可能になる等生産性向上に寄与いたします。
さらなる自動化、複合化を進めるために工作機械と計測装置の複合化に取り組み、機上での計測機能として非接触機上計測と非接触の工具形状摩耗測定のシステムの開発も進めております。
新機種開発においては、大型部品を安定して加工できるNLX 6000|1000は、ベルトレス駆動のモータ一体型大径主軸やその主軸と完璧に同期する回転工具主軸が特徴であり、建機・エネルギープラント業界のお客様に満足いただける新製品であります。DMP 70では全軸に搭載したスケールフィードバックと高い剛性、冷却機能によって、5㎛という高い位置決め精度を実現いたしました。その他トポロジー最適化技術を活用し、切削能力は据え置きながらも大幅な剛性向上と軽量化を達成した工作機械を製作いたしました。
AM機においては、パウダーベッド方式の、切削では不可能な複雑形状ワークの造形に適するLASERTEC 30 SLM の販売を開始いたしました。同機は、新開発のパウダーモジュールシステム「rePLUG」を採用しており、カートリッジ内に材料粉末用のフィルタを2つ搭載し、一方のフィルタ交換が必要な場合でも機械を停止せずに自動的に切り替えることで、長時間運転を可能にいたしました。またパウダーノズル方式でも直径1m以上の積層可能なAM機LASERTEC 125 3D hybridと、最長3.5mの長尺ワークの積層が可能なLASERTEC 6600 3D hybridを開発し、航空宇宙関連部品等での大型積層造形を可能といたします。
また、お客様にとって煩雑で手間と時間がかかる段取り等の作業の負担を大幅に軽減させるソリューションをご提案する「テクノロジーサイクル」の開発に注力しております。「テクノロジーサイクル」とは、機械本体、工具やロボット等の周辺機器、アプリケーションやソフトウエア、そしてCELOS等のHMI(Human Machine Interface)を融合したソリューションであります。これを用いることによって、従来は専用機や専用プログラム、複雑な工具を使って加工していた高度な製品を、簡単、短時間で、高精度に加工することを可能にしております。当期は平面の研削を行う”フラットグラインディング”、スプライン等のブローチ加工を簡単に実現可能とする”ギヤグラインディング”を新たに開発いたしました。来期はさらにテクノロジーサイクルの拡張を計画しており、今後もお客様の生産性向上につながるソリューション提供を続けてまいります。
当期には数多くの新規開発プロジェクトを進めました。これらの開発プロジェクトのほとんどは来期に製品となります。内容としては、複合加工機、AM機、自動ワーク搬送装置、テクノロジーサイクル、自動計測システム、主軸、刃物台、モータ等の要素技術等、多岐にわたります。来期にも同規模の開発を推進し、お客様に最大の価値をご提供し、お客様の発展、ひいては全世界の製造業の発展に寄与していきたいと考えております。
以上の研究開発活動の結果、無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費の総額は