第1 【公開買付要項】

 

1 【対象者名】

株式会社太陽工機

 

2 【買付け等をする株券等の種類】

普通株式

 

3 【買付け等の目的】

(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を2,988,000株(所有割合(注):50.81%)所有し、対象者を連結子会社としております。今般、公開買付者は、2024年11月1日開催の取締役会において、対象者株式の全て(ただし、譲渡制限付株式報酬として対象者の取締役以外の職員に付与された対象者の譲渡制限付株式(以下「本非取締役保有譲渡制限付株式」といいます。)を含み、譲渡制限付株式報酬として対象者の取締役に付与された対象者の譲渡制限付株式(以下「本取締役保有譲渡制限付株式」といい、本非取締役保有譲渡制限付株式と併せて「本譲渡制限付株式」といいます。)、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として本公開買付けを実施することを決議いたしました。

 

(注) 「所有割合」とは、対象者が2024年11月1日に公表した「2024年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「対象者第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(5,956,400株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(76,192株)を控除した株式数(5,880,208株)に対する割合をいい、小数点第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。

 

本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を932,200株(所有割合:15.85%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。なお、買付予定数の下限である932,200株(所有割合:15.85%)は、対象者第3四半期決算短信に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(5,956,400株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(76,192株)を控除した株式数(5,880,208株)の3分の2に相当する株式数の1単元(100株)未満に係る数を切り上げた株式数(3,920,200株)から、本書提出日現在、公開買付者が所有する対象者株式の数(2,988,000株)を控除した株式数(932,200株)としております。これは、本公開買付けにおいては、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを企図としているところ、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされるため、本取引の実施を着実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるよう買付予定数の下限を設定したものです。一方、公開買付者は、対象者株式の全て(ただし、本非取締役保有譲渡制限付株式を含み、本取締役保有譲渡制限付株式、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを企図しておりますので、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(932,200株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

 

公開買付者は、本公開買付けにより対象者株式の全て(ただし、本非取締役保有譲渡制限付株式を含み、本取締役保有譲渡制限付株式、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本取引の一環として、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本完全子会社化手続」といいます。)を実施することを予定しております。

なお、対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、下記「(5) 上場廃止となる見込み及びその理由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載された本完全子会社化手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。

公開買付者は、下記「8 買付け等に要する資金」の「(2) 買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「③ 届出日以後に借入れを予定している資金」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)からの借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに本銀行融資を受けることを予定しております。また、対象者が2024年11月1日に公表した「支配株主であるDMG森精機株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2024年11月1日開催の取締役会において、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。かかる対象者の取締役会決議の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針

① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、1948年10月に株式会社森精機製作所として設立されました。1979年11月に株式会社大阪証券取引所(現・株式会社大阪取引所)(以下「大阪取引所」といいます。)市場第二部に株式を上場、次いで1981年11月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1983年9月には東京・大阪両証券取引所の市場第一部銘柄に指定されました。その後2013年10月に商号を現在のDMG森精機株式会社へ変更し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所プライム市場に株式を上場しております(なお、2013年7月に行われた東京証券取引所と大阪取引所の現物市場統合により、現在は、大阪取引所には上場していません。)。

本書提出日現在、公開買付者グループ(公開買付者並びに公開買付者の子会社及び関連会社をいいます。以下同じです。)は、公開買付者、対象者を含む連結子会社126社及び持分法適用関連会社9社で構成されております。公開買付者の経営方針は、工作機械メーカーとして「独創的で、精度良く、頑丈で、故障しない機械、自動化システム、デジタル技術を、最善のサービスとコストでお客様に供給すること」であり、コネクテッド・インダストリーズ(IoT(注1)、インダストリー4.0(注2))の高まりを背景に、工作機械(マシニングセンタ、ターニングセンタ、複合加工機、5軸加工機、アディティブ・マニュファクチャリング機及びその他の製品)、ソフトウェア(ユーザーインタフェース、テクノロジーサイクル、組込ソフトウェア等)、計測装置、修理復旧サポート、アプリケーション、エンジニアリングを包括したトータルソリューションの提供を行い、全世界のお客様にとってなくてはならない企業を目指しております。

公開買付者グループは、グローバルに116のマーケティング・販売・エンジニアリング・サービス関連の拠点を持ち、お客様に密着した販売・サービス体制を構築しており、付加価値提案を通じて、お客様の課題解決に貢献しております。また、直販体制を通じ、高精度・高品質な製品をお客様に直接届け、お客様からのフィードバックを製造・開発に反映することで、お客様価値向上につなげております。

 

今後、先進国及び新興国での賃金上昇やオペレーター不足等に起因し、工程集約・自動化・DX(デジタル・トランスフォーメーション(注3))のニーズは一層高まっていくものと予想され、また、カーボンニュートラルの実現と競争力向上の両立に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション(注4))のニーズもより高まっている中、公開買付者は2022年12月14日付で、2023年1月1日から2025年12月31日までを期間とする「中期経営計画2025」を公表しました。「中期経営計画2025」においては、公開買付者は工程集約・自動化・DX・GXにより、お客様へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、またそれらを通じて地球環境保護にも貢献する、MX(マシニング・トランスフォーメーション(注5))戦略による持続的成長を目指しており、MXの推進によるお客様の生産性向上とサステナブルな社会の実現を目指すことを掲げております。

(注1) 「IoT」とは、Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」と呼ばれ、自動車、家電、ロボット、施設等あらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることをいいます。

(注2) 「インダストリー4.0」とは、2011年にドイツ連邦政府が公表した施策であり、工場内の機械設備及び製品をスマート化し、それらをインターネットに接続し、全ての機械設備、製品及び人間との間で、いつでも、どこでも、誰とでもコミュニケーションできるネットワーク・システムの構築を主眼としています。

(注3) 「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」とは、工程集約や自動化における全プロセスで生じる情報を、デジタル・AI技術を通して収集・分析・可視化し、そのフィードバックを元にプロセスを改善する仕組みのことをいいます。

(注4) 「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」とは、工程集約、自動化による生産性の向上や中間仕掛品の削減等経営資源の最適化と、製品及び周辺機器の省エネ化により、お客様での製品使用時のCO2削減を実現する仕組みのことをいいます。

(注5) 「MX(マシニング・トランスフォーメーション)」とは、工程集約・自動化によるGXへの貢献、そしてこの一連の工程をDXで実現する仕組みのことをいいます。

 

一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は1986年3月に有限会社太陽工機として創業し、1988年5月に現商号である株式会社太陽工機に組織変更されたとのことです。その後、2007年12月に株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)に株式を上場、2010年4月にジャスダック証券取引所と大阪取引所の合併に伴い、大阪取引所(JASDAQ市場)に上場し、2010年10月には大阪取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪取引所JASDAQ(スタンダード)に上場したとのことです。さらに2013年7月に東京証券取引所と大阪取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所スタンダード市場に移行しているとのことです。

対象者は、本書提出日現在、子会社及び関連会社を有しておらず、対象者単体で、研削盤の製造及び販売を行っているとのことです。研削盤は、旋盤やマシニングセンタ等の工作機械で加工したワークピース(加工対象となる部品)を、高速で回転する砥石を用いて表面を滑らかに研磨加工する(研削加工)工作機械であり、1マイクロメートル(0.001mm)単位の高い精度が求められる自動車エンジンのトランスミッションに使用されるシャフトや各種産業機械に使用されるベアリング等の部品の品質保持に用いられるとのことです。

対象者は、「太陽工機の研削盤を世界中のより多くのお客様にご利用いただき、生産効率向上のメリットを享受していただきたい」を基本理念として事業を行っており、工作機械業界の中にあって、高い精度と剛性を兼ね備えた研削盤と研削技術を提供することによって、お客様の抱える課題を解決し、グローバルな未来産業社会を基礎から支える企業を目指しているとのことです。また、社会的責任を果たすべく、内外の法令を遵守しフェアな企業活動に徹すること、企業価値を高め株主・顧客・従業員等のステークホルダーの方々に報いることを目指しているとのことです。

対象者を取り巻く外部環境については、対象者が属する工作機械業界は、経済環境の変化により需要が大きく変動する業界であるとのことです。足元の事業環境は、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰、円安による物価上昇等の影響を受けている状況とのことです。こうした状況下において、対象者は市況に適応した会社規模を維持しつつ、好不況に左右されずに収益を確保できる基盤を構築するとともに、企業体制の安定化に取り組んでいるとのことです。今後も持続的な成長と安定した経営基盤の整備のため、以下の項目を重点課題と位置づけ、取組みを行っているとのことです。

 

(ⅰ)営業展開

国内市場においては、立形研削盤の開発・販売をリードしており、ブランド名としても浸透してきており今後は海外市場をさらに拡大していく予定とのことです。ドイツ・アメリカでの展示会出展、海外からのお客様の工場見学、海外のサービススタッフへのトレーニング、欧州での駐在員の増員等により、海外における営業活動とサービス体制を強化し、さらなる海外市場の深耕を進めていくとのことです。

(ⅱ)製品開発

労働力不足や熟練技術の補完を目的とした自動化・省人化ニーズは今後も継続的な需要が見込まれることから、研削盤を核としたトータルシステムの開発力をより一層向上させ、自動化システムをセットにした拡販を進めていく方針とのことです。設立以来40年弱で培ってきた確かな研削技術を基盤に、新市場開拓も見据えた製品開発を進めていくとのことです。

(ⅲ)法令等遵守

法令等遵守を徹底するための施策と、全ての役員・従業員を対象とした教育研修を継続的に実施し、コンプライアンス意識の醸成と浸透を図っているとのことです。今後も法令等の改正や社会的要請の動向に応じて、コンプライアンス強化に向けた取組みを行っていくとのことです。

 

公開買付者と対象者の資本関係としては、2001年5月に、公開買付者が、株式会社池貝から対象者株式を取得し、対象者を公開買付者の連結子会社としたことに始まります。その後、2007年12月の対象者株式のジャスダック証券取引所上場時における新株発行及び売出しにより公開買付者の持株比率は51.59%(所有株式数:1,494,000株。なお、対象者が2019年1月1日を効力発生日として対象者株式1株につき2株への株式分割を行ったことによりその後2,988,000株に増加。)となり、本書提出日現在において対象者株式2,988,000株(所有割合:50.81%)を所有するに至っております。

(注6) 本段落における持株比率とは、2007年12月18日時点の対象者の発行済株式総数(2,896,000株)に対する割合をいい、小数点第三位を四捨五入しております。

 

公開買付者は、対象者の上場会社としての独立性を尊重しながら、対象者及び公開買付者グループの中長期的な成長の観点から、両社間の資本関係について慎重な検討を重ねてきました。

しかし、公開買付者は、対象者株式が上場している状況においては、上場会社としての独立性の確保の必要性及び公開買付者と対象者の少数株主との間での潜在的な利益相反の懸念があり、経営資源の共有や迅速な意思決定という観点で制約があると認識しており、資本関係の見直しはいずれ必要になるものと考えておりました。

かかる中、対象者における近年の注力市場が、公開買付者グループが強いプレゼンス、リソースを有する海外市場であること、また2024年1月に公開買付者が対象者と同じく新潟・長岡エリアに本社工場を構え、横中ぐりフライス盤の製造、販売及びCAD/CAMシステムの開発、販売、アフターサービスを行っている倉敷機械株式会社(現商号は、DMG MORI Precision Boring株式会社で、以下「DMG MORI Precision Boring」といいます。)を連結子会社としたことを踏まえて、公開買付者は、対象者とのビジネス上のシナジーをさらに高めることが期待される状況になったと考えました。

 

対象者及びDMG MORI Precision Boringは、国内においてはお客様から製品の品質の高さ、アフターサービスの迅速性等で高い評価を得ていると公開買付者は考えております。今後は、両子会社とも海外でのプレゼンスを高め、高い成長を目指していくためには、長岡地区における生産能力拡大と優秀な人材の獲得、あるいは、対象者及びDMG MORI Precision Boring間における人材の相互補完を中心とする経営資源の融通も必要になります。これら経営資源の相互融通、効率化を進め、また、迅速な意思決定を進めることがますます重要になっていくと公開買付者は考えております。

 

以上から、2024年1月下旬、対象者及び公開買付者グループのさらなる成長のために、本公開買付けを通じ対象者を公開買付者の完全子会社とすることを検討すべきであるとの考えに至りました。そして、公開買付者は2024年8月上旬、以下の(ⅰ)乃至(ⅲ)に記載する取組みやシナジー効果にも鑑み、中長期的な対象者及び公開買付者グループの発展のためには、公開買付者グループが対象者とより強固に連携していくことが重要であり、また、対象者が上場を維持して独立した経営を継続するよりも、対象者が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループとしてより一体的で綿密に連携した業務運営を行うことが、MXの推進によるお客様の生産性向上とサステナブルな社会の実現を目指す公開買付者グループの事業成長に資するものであると考えたことから、その実現のために本取引の一環として本公開買付けを実施することが適切であるとの考えに至りました。

 

公開買付者は、本取引により対象者を完全子会社化することで、以下のような取組みやシナジー効果を期待できると考えております。

 

(ⅰ)公開買付者からのサポートによる対象者のさらなる成長

お客様は、グローバル市場でオペレーターの不足、環境負荷軽減への対応から、工程集約、自動化による経営資源の効率化を進め、CO2削減を図り、これら一連のプロセスをデジタル化により、見える化・管理することでさらに生産効率の改善を求めております。しかし、対象者においては、グローバルにこれらのニーズに対応するための人材採用・育成、また、今後の生産能力拡大に向けての供給能力の対応に課題があるものと推察しております。これらの課題に対しても、公開買付者が対象者を完全子会社化することで、より迅速に多面的なサポートを提供できると考えております。また、宇宙、航空機、半導体製造装置関連や医療機器向け等、超精密部品の加工が求められる分野をはじめとして、金属加工における研削工程の重要性がますます高まっております。公開買付者が切削型工作機械の開発で培ってきたノウハウと豊富な開発リソースを対象者と存分に共有することにより、対象者の研削盤のさらなる高精度化と開発期間の短縮化を実現できるものと考えております。

また、対象者のさらなる成長のためには、海外顧客の開拓が重要となると理解しております。しかしながら、足元では地政学リスクの高まりも含め厳格な輸出管理体制が要求されており、また対象者の海外拡販のためのネットワークや人員は単独では十分ではないものと考えております。よって対象者の海外顧客の開拓のためには公開買付者グループの輸出管理ノウハウや公開買付者グループが既に有している海外ネットワークの活用が必要であると考えております。

対象者が公開買付者の完全子会社となることにより、現状では少数株主の利益保護のために、公開買付者と対象者の間に利益相反が起こり得る販売価格情報など一定の制約のもと行われている両社間の情報共有、とりわけ輸出管理上必要となる、業種や株主構成等のお客様属性や場合によっては予定加工物の図面といった販売先情報の共有上の障壁の撤廃や、グループ内取引価格設定の迅速化が見込めます。これらにより、公開買付者グループが有するグローバルでの経営資源やネットワークを迅速かつ柔軟に提供することが可能となり、対象者のさらなる成長を実現できるものと考えております。

(ⅱ)新潟・長岡エリアにおけるシナジーの追求

DMG MORI Precision Boringは対象者と同様に新潟・長岡エリアに本社工場を構えております。DMG MORI Precision Boringは、公開買付者グループでその発行済み株式の100%を所有しているため、対象者もまた公開買付者の完全子会社となることで、対象者とDMG MORI Precision Boringの両社間において、人材の融通、調達・物流面での連携強化、インフラストラクチャーの共用化等、一層の経営プラットフォームの共通化を図ることが可能となると考えております。その結果、両社のさらなる競争力強化・成長を実現できると考えております。

また公開買付者としては、両社が共に手を取り合い成長することで、新潟・長岡エリアを公開買付者グループ、ひいては日本の工作機械のブランド地区とすることを企図しております。

対象者が公開買付者の完全子会社となることにより、さらなるシナジーの追求及び新潟・長岡エリアのブランド地区構想が実現するものと考えております。

 

(ⅲ)親子上場の解消によるコーポレート・ガバナンス強化

2023年12月に東京証券取引所は「少数株主保護及びグループ経営に関する情報の充実」を公表し、親子上場企業への開示拡充を求める等、コーポレート・ガバナンス強化と、それに伴う親子上場に対する厳しい視線は世の中の一つの潮流となっていると理解しております。

結果、多くの企業グループでは親子上場解消によるコーポレート・ガバナンスの強化を企図した動きが見られ、実際に親子上場企業は減少していると認識しております。

本取引を通じて、対象者の少数株主と公開買付者との間で生じる利益相反リスクを回避し、公開買付者グループ及び対象者の安定的かつ迅速な企業経営を可能としてまいりたいと考えております。

 

上記背景、目的、期待するシナジー効果を踏まえ、公開買付者は、本取引についての具体的な検討や手続の準備を行うために、2024年8月上旬に公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、2024年8月上旬に公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)をそれぞれ選任して、本取引に関する検討及び対象者との協議を行う体制を構築しました。

その後、公開買付者は、2024年8月22日に、対象者に対して、本取引の検討・協議を開始したい旨の申入れを行い、2024年9月5日に、本取引の背景及び目的、本取引のストラクチャー等について記載した初期的な意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出しました。

 

その後、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のための対象者に対するデュー・ディリジェンスを2024年9月上旬から同年10月中旬まで実施し、並行して対象者及び本特別委員会(以下「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」で定義いたします。以下同じです。)との間で、対象者及び本特別委員会に対し、本取引の意義及び目的並びに対象者の完全子会社化後の対象者の経営方針を説明するとともに、対象者及び本特別委員会との間で、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)についての協議・交渉を続けてまいりました。具体的には、2024年9月5日の本意向表明書の提出により本取引の目的、本取引後の経営関与方針、本取引のスキーム等を提案した後、公開買付者は、2024年10月17日、本特別委員会を通じて対象者によるヒアリングを受け、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるデメリット・メリットその他の影響及び程度並びに本取引後に予定している経営方針等について説明をするとともに、これに対する質疑応答を行いました。その後、対象者からは、公開買付者が提案・説明した本取引の意義及び目的並びに本完全子会社化手続後の対象者の経営方針について、再質問、意見又は提案は受けておりません。また、公開買付者は、第三者算定機関であるみずほ証券による対象者株式価値の試算、対象者株式の市場株価の動向及び本公開買付けへの応募の見通し等を勘案し、2024年10月2日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,700円(なお、本公開買付価格として提案した1,700円は、同提案日の前営業日である2024年10月1日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,373円に対して23.82%(小数点第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、2024年10月1日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,312円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して29.57%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,333円に対して27.53%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,414円に対して20.23%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行いました。なお、本公開買付価格1,700円は、対象者において剰余金の配当が行われない前提での価格です。以下、本公開買付価格の提案箇所について同様です。その後、2024年10月8日に、対象者から、本取引と類似の親会社による公開買付けを通じた上場子会社の完全子会社化事例における一定期間のプレミアム水準と照らして不十分であり、また、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)のディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による初期的価値算定レンジと照らして不十分であるとして本公開買付価格の再検討を要請されました。当該要請を踏まえ、公開買付者は、2024年10月15日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,800円(なお、本公開買付価格として提案した1,800円は、同提案日の前営業日である2024年10月11日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,338円に対して34.53%、2024年10月11日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,344円に対して33.93%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,317円に対して36.67%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,401円に対して28.48%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行いました。これに対して、2024年10月17日、対象者から、引き続き本取引と類似の親会社による公開買付けを通じた上場子会社の完全子会社化事例における一定期間のプレミアム水準と照らして不十分であり、また、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券及び本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計事務所(以下「赤坂国際会計」といいます。)のDCF法による初期的価値算定レンジと照らして不十分であるとして本公開買付価格1,950円での再提案の検討を要請されました。当該要請を踏まえ、公開買付者は、2024年10月22日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,850円(なお、本公開買付価格として提案した1,850円は、同提案日の前営業日である2024年10月21日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,343円に対して37.75%、2024年10月21日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,359円に対して36.13%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,308円に対して41.44%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,389円に対して33.19%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行いました。これに対して、2024年10月24日、対象者から、引き続き類似する他社事例との比較において低いプレミアム水準であり、また、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券及び本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計のDCF法による初期的価値算定レンジと照らして不十分であるとして本公開買付価格1,900円での再提案の検討を要請されました。その後、公開買付者は、2024年10月28日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,875円(なお、本公開買付価格として提案した1,875円は、同提案日の前営業日である2024年10月25日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,309円に対して43.24%、2024年10月25日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,344円に対して39.51%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,300円に対して44.23%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,379円に対して35.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする最終提案を行いました。これに対して、2024年10月30日、本特別委員会から、2024年10月28日付の提案は少数株主の利益に配慮された価格である一方で少数株主の価値最大化を追求する観点から本公開買付価格を1,900円とする再提案の検討を再度要請されました。その後、2024年10月31日、公開買付者は、対象者株式の市場株価に対して十分なプレミアムが付されたものであり、少数株主の利益に資するものであると判断し、価格の引き上げは行わない旨の回答をいたしました。これに対して、同日、本特別委員会から、引き続き少数株主の価値最大化を追求する観点から本公開買付価格を1,890円とする再提案の検討を改めて要請されました。当該要請を受け、同日、公開買付者は、改めて本公開買付価格を1,875円から引き上げることが困難である旨を回答いたしました。その結果、対象者及び本特別委員会から、最終的な意思決定は2024年11月1日に開催される対象者の取締役会での決議によることを前提として、公開買付者の提案を応諾し、本公開買付価格を1,875円とする旨の回答を受領し、合意に至りました。

以上の経緯、その後の協議・交渉を経て、公開買付者は、2024年11月1日開催の取締役会において、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的として、本公開買付価格を1,875円とする本公開買付けを実施することを決議いたしました。

 

② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯

対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より2024年8月22日に、本取引の検討・協議を開始したい旨の申し入れを受け、その後2024年9月5日に、公開買付者より本取引を行うことに関する書面での提案を受領したとのことです。これらを受けて、対象者は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者が対象者の支配株主(親会社)であり、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し本取引の公正性を担保するため、2024年9月12日開催の対象者取締役会において、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、対象者及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、それぞれ選任したとのことです。

 

また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年9月12日開催の対象者取締役会において、柿沼康弘氏(対象者独立社外取締役)、多賀谷実氏(対象者独立社外取締役)、高橋明人氏(弁護士、高橋・片山法律事務所)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会に対し、①本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかという点を含む。)、②本取引に係る手続の公正性が確保されているか、③本取引の条件(本公開買付けにおける買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか、④上記①から③を踏まえて、本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、⑤対象者取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。なお、対象者の社外取締役は2名(柿沼康弘氏及び多賀谷実氏)、社外監査役は2名(森岡正樹氏及び宮沢啓嗣氏)であるところ、森岡正樹氏は公開買付者の出身者であること、また宮沢啓嗣氏は対象者の取引先である株式会社第四北越銀行の出身者であることを考慮し、より独立性の高い柿沼康弘氏及び多賀谷実氏を本特別委員会の委員とすべきものと判断し、一方で審議の充実の観点からは当該委員の員数は3名以上とすることが望ましいため、対象者において柿沼康弘氏及び多賀谷実氏に加え、外部有識者1名を当該委員として選任したとのことです。その上で、対象者はアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言も参考にし、長年にわたり企業法務をはじめとした法律に関する職務に携わり、その経歴を通じて培った専門家としての豊富な経験、知見を有する外部有識者である高橋明人氏を本特別委員会の委員として選任したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する対象者取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当該取引条件による本取引に賛同しないことを決議しているとのことです。さらに、対象者取締役会は、本特別委員会に対し、①本特別委員会が必要と認める場合には、独自のフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用は対象者が負担する)、又は、対象者のアドバイザーを承認する権限、②対象者の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、③本特別委員会が必要と認める場合には、公開買付者との間で本取引の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付与することを決議しているとのことです。なお、本特別委員会は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2024年10月2日、独自の第三者算定機関として赤坂国際会計を選任しているとのことです。

また、対象者は、本特別委員会において、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けたとのことです。

さらに、対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けているとのことです(かかる検討体制の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における独立した検討体制の構築」をご参照ください。)。

 

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

上記の体制の下、対象者は、野村證券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってきたとのことです。

具体的には、2024年10月2日、対象者は、公開買付者より、対象者の開示した財務情報等の資料に基づく対象者の事業及び財務の状況の分析結果、対象者株式の過去の市場株価推移に係る分析結果及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に考慮し、本公開買付価格を1,700円とする提案を受領したとのことです。公開買付者からの提案に対し、同月8日、対象者は、本特別委員会において、本取引と類似した案件におけるプレミアム水準、及び対象者の第三者算定機関である野村證券による当該時点における対象者株式の価値算定結果を踏まえて協議の結果、対象者が本公開買付けへの応募を推奨する水準に満たないとして、本公開買付価格の再検討を要請したとのことです。その後、同月15日、対象者は、公開買付者より本公開買付価格を1,800円とする再提案を受領したとのことです。公開買付者からの再提案に対し、同月17日、対象者は、本特別委員会において、上記の理由に加えて、本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計による当該時点における対象者株式の価値算定結果も踏まえて協議の結果、対象者が本公開買付けへの応募推奨する水準に満たないとして、本公開買付価格を1,950円に引き上げることを要請したとのことです。その後、同月22日、対象者は、公開買付者より本公開買付価格を1,850円とする再提案を受領したとのことです。公開買付者からの再提案に対し、同月24日、対象者は、本特別委員会及びその後の協議の結果、対象者が本公開買付けへの応募を推奨する水準に満たず、少数株主の皆様の価値最大化の観点で、本公開買付価格を1,900円に引き上げることを公開買付者に対し要請したとのことです。その後、同月28日、対象者は、公開買付者より本公開買付価格を1,875円とする最終提案を受領したとのことです。公開買付者からの最終提案について、対象者は本特別委員会委員を含めて慎重に協議の結果、当該最終提案は対象者の少数株主の皆様の利益にご配慮いただいた価格と考えている一方、本特別委員会として少数株主の皆様の価値最大化を追求する観点から、同月30日、公開買付者に対し、再度本公開買付価格を1,900円に引き上げることを要請したとのことです。その後、同月31日、対象者は、公開買付者より、同月28日における最終提案は本取引と類似した案件におけるプレミアム水準と比べて十分なプレミアム水準が確保されており、かつ、対象者の少数株主の皆様にとって不利益とならないよう最大限に配慮したプレミアムが付されているとして、同月28日における最終提案価格である1,875円を維持するとの回答を受領したとのことです。公開買付者からの回答に対し、対象者は、同月31日に実施された本特別委員会にて協議の結果、公開買付者に対し、少数株主の皆様の価値最大化の観点で、本公開買付価格を1,890円に引き上げることを要請したとのことです。その後、同月31日、対象者は、公開買付者より改めて本公開買付価格を1,875円とする最終提案を受領したとのことです。対象者は、公開買付者からの最終提案を踏まえ、本特別委員会委員を含めて慎重に協議の結果、同月31日、公開買付者の最終提案を応諾し、本公開買付価格を1,875円とする旨の回答を行ったことで、公開買付者との間で本公開買付価格について合意に至ったとのことです。

 

(ⅲ)判断内容

以上の経緯の下で、対象者は、2024年11月1日開催の対象者取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに2024年10月31日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)、並びに本特別委員会の独自の第三者算定機関である赤坂国際会計より、本特別委員会を通じて提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(赤坂国際会計)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の一連の手続及び本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。

 

対象者は、2001年5月に公開買付者の連結子会社となって以降、事業の成長、ひいては対象者の企業価値向上を図るため、両社が保有する経営資源を可能な限り相互に活用し、連携の強化を試みてきたとのことです。具体的には、主に海外における、対象者製品の公開買付者グループのグローバルな拠点網を通じた販売やアフターサービスの提供、公開買付者グループの一員としての国際的な展示会への出展を通じた対象者ブランド力の強化、技術人材及び営業人材の相互交流といった取組みを実行してきたとのことです。一方、工作機械市場における足元の動向を見ると、地政学リスクの高まりに伴う輸出管理に関する要求水準の向上や、顧客の製造ラインの省人化・効率化ニーズの高まりの中で、工作機械の自動化・複合化等さらに高付加価値な製品の需要拡大といった変化が生じているとのことです。こうした環境の変化の中で、さまざまな事業課題にタイムリーに対応し、対象者の持続的な企業価値の向上を実現するためには、対象者と公開買付者が一層の一体感とスピード感をもって連携し、これまで実行してきた取組みにとどまらず、さらに強固な事業上の相互連携を実現する必要が生じていると考えているとのことです。

他方で、対象者は独立した上場会社であるため、公開買付者以外の少数株主にも配慮しつつ、対象者単独として適切な意思決定・機関決定プロセスを経る必要があり、公開買付者との経営資源の相互活用については、公開買付者と少数株主との利益相反への懸念や対象者の独立性の確保の観点から、一定の制約や限界が存在していたとのことです。本取引後においては、そうした制約を回避し、相互連携を深化させることで、下記のようなシナジーの実現に繋がるものと考えているとのことです。

 

Ⅰ.海外市場における受注獲得に向けた連携強化

対象者が強みを有する立形研削盤市場においては、国内市場は周期的な変動を伴いつつも緩やかな成長に留まる見通しであり、対象者のさらなる成長のためには、高い市場成長の見込まれる海外市場の開拓と市場シェアの獲得が不可欠であると考えているとのことです。特に公開買付者が強みを有する欧米市場においては、潜在的な顧客は存在するものの、対象者の主力製品である立形研削盤に対する認知が低い点に課題があると考えており、公開買付者の欧米を中心としたグローバルな販売網とアフターサービスの提供基盤を活用することで、対象者の事業成長の蓋然性を高めることが可能になると考えているとのことです。

 

Ⅱ.生産力の強化及び事業効率化に向けた多面的な連携強化

対象者は2025年12月期から2026年12月期にかけて、公開買付者の子会社であるDMG MORI Precision Boringと共同で新潟・長岡での新工場の建設を予定しており、飛躍的な生産能力の拡大を見込んでいるとのことです。本取引の実施を通じて、同工場におけるDMG MORI Precision Boringとの人材や調達・物流の共通化、生産設備の共同利用等により、公開買付者と少数株主との利益相反への懸念や対象者の独立性の確保といった制約に捉われず、事業運営の効率化を図ることが可能になると考えているとのことです。

 

Ⅲ.技術ノウハウの共有を通じた製品の付加価値向上

公開買付者が強みを有する工作機械の自動化・複合化技術を対象者製品に取り込むことにより、さらに付加価値の高い製品を開発し、製品単価を向上させることが可能になると考えているとのことです。また、公開買付者は製造の標準化において先進的な取組みを行っており、こうした技術を取り込むことで、これまで完全受注生産であった生産体制から、汎用機・セミカスタム機等は共通した機構の見込み手配・生産が可能となり、これまで納期に期間を要することを理由に獲得できなかった受注の獲得や、製品の納入にかかるリードタイムの短縮による顧客満足度の向上、運転資本の回転率の向上に繋がると考えているとのことです。

 

 

なお、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、上場会社として享受してきた知名度や信用力、人材の確保に影響を及ぼす可能性が考えられるところ、対象者の現在の財務状況等を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、また、これまでの長きにわたる事業活動や社会活動を通じて、工作機械業界におけるブランド力や知名度は既に浸透し、従業員や取引先を含めた多数のステークホルダーとの信頼関係も構築できていると考えたとのことです。また、公開買付者は上場会社であり高い社会的信用及び認知度を有していると考えられることから、公開買付者の完全子会社になったとしても、上場会社である現状と比して対象者の社会的信用や採用活動への悪影響が生じることは考えにくいことから、今後も継続して対象者株式の上場を維持する必要性は高くないと判断したとのことです。

また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり1,875円は対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。

 

(ア)当該価格が、対象者において、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果、合意された価格であること。

 

(イ)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(野村證券)における算定結果のうち、市場株価平均法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であること。

 

(ウ)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(赤坂国際会計)における算定結果のうち、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の中央値を上回っていること。

 

(エ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年10月31日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,375円に対して36.36%、2024年10月31日から直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,335円に対して40.45%、同直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,293円に対して45.01%、同直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,373円に対して36.56%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2024年10月31日までに公表され、かつ成立した、親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例55件におけるプレミアム水準(公表日前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値それぞれからのプレミアムの中央値(それぞれ42.41%、43.37%、42.31%、40.87%)及び平均値(それぞれ43.47%、45.32%、44.38%、42.31%))と比較して、公表日の前営業日、直近1ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム(それぞれ36.36%、40.45%、36.56%)は過去の類似事例におけるプレミアム水準を下回るものの、過去の類似事例において、36.36%、40.45%、36.56%を下回るプレミアム水準の案件がそれぞれ17件、22件、21件存在しており、また、過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムは過去の類似事例におけるプレミアム水準を上回っていることから、本公開買付価格は対象者株式の市場株価に対して合理的な水準のプレミアムが付されていると認められること。

 

 

(オ)当該価格は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

 

こうした判断の下、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年11月1日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。対象者取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、本取引後における対象者の経営方針について、対象者の役職員が一丸となってこれまで築き上げてきたブランド・事業基盤を生かしつつ、公開買付者グループが有する経営資源やネットワークを提供することにより、対象者及び公開買付者グループの企業価値向上に資する経営を推進していく予定です。

また、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)新潟・長岡エリアにおけるシナジーの追求」に記載のとおり、対象者と同じ新潟・長岡エリアに本社工場を構えるDMG MORI Precision Boringとは、人材の融通、調達・物流面での連携強化、インフラストラクチャーの共用化、一層の経営プラットフォームの共通化を図っていくことを予定しております。

本取引後の対象者の経営体制(取締役会の構成及び員数並びに執行役員の人数等を含む。)については、現在の経営体制を尊重することを基本とし、変更や追加の役員派遣の要否については検討を開始していませんが、具体的な役員構成やその他の経営体制については対象者と協議の上、今後決定していきたいと考えております。なお、公開買付者は、本取引実施後も、対象者の従業員の待遇について現状を維持することを想定しており、対象者の取引先との関係についても、現時点では変更を予定しておりません。

 

(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

公開買付者及び対象者は、本書提出日現在において、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、対象者における本取引の検討において構造的な利益相反状態が生じ得ることに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、それぞれ以下の措置を実施しております。

なお、公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者株式2,988,000株(所有割合:50.81%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定しておりませんが、本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け後に公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるよう買付予定数の下限を設定しております。

また、公開買付者及び対象者は、公開買付者及び対象者において以下の措置を講じていることから、対象者の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えております。

 

なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置に関する記載については、対象者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

③ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

⑤ 対象者における独立したリーガル・アドバイザーからの助言

⑥ 対象者における独立した検討体制の構築

⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

⑧ 取引保護条項の不存在

⑨ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

 

以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

 

(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより対象者株式の全て(ただし、本非取締役保有譲渡制限付株式を含み、本取締役保有譲渡制限付株式、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法による本完全子会社化手続を実施することを予定しております。

 

① 株式売渡請求

公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対し株式売渡請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する対象者株式の全部を取得します。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた対象者株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会にてかかる株式売渡請求を承認する予定とのことです。

株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

 

② 株式併合

他方で、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、対象者株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年2月中旬頃を予定しています。

本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うよう対象者に要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、対象者に対して、公開買付者のみが対象者株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式を含み、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定です。

株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。

上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

上記の①株式売渡請求及び②株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定です。

 

 

なお、本譲渡制限付株式については、本譲渡制限付株式に係る割当契約書において、譲渡制限期間中に、会社法第180条に規定する株式併合(当該株式の併合により、割当契約によって各人に割り当てられた株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限る。)の効力発生日、又は会社法第179条第2項に規定する株式売渡請求に関し会社法第179条の2第1項第5号に規定する特別支配株主が対象者株式を取得する日(以下これらを総称して「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が到来する場合には、対象者は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、本譲渡制限付株式の全てを無償で取得するとされていたことから、対象者は、2024年11月1日開催の取締役会において、本譲渡制限付株式のうち本非取締役保有譲渡制限付株式を株式売渡請求又は株式併合の対象とするため、本非取締役保有譲渡制限付株式の各所有者との間で、譲渡制限期間中に、株式売渡請求又は株式併合(当該株式の併合により本非取締役保有譲渡制限付株式の割当者の有する本非取締役保有譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなることとなる場合に限ります。)が行われる場合には、対象者は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日において、同日において譲渡制限が解除されていない本非取締役保有譲渡制限付株式の譲渡制限を解除する旨を含む割当契約書の変更契約を締結することを決議したとのことです。したがいまして、本非取締役保有譲渡制限付株式については、株式売渡請求又は株式併合の対象となる予定です。本完全子会社化手続においては、本譲渡制限付株式(本公開買付けに応募された本譲渡制限付株式を除く。)については、上記規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日において譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、株式売渡請求又は株式併合の対象とし、スクイーズアウト効力発生日の前営業日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式についてはスクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、対象者により無償取得される予定です。

 

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(5) 上場廃止となる見込み及びその理由

対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する手続に従って、対象者株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式を含み、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することを予定していますので、その場合、対象者株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。

 

(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

該当事項はありません。

 

 

4 【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1) 【買付け等の期間】

① 【届出当初の期間】

 

買付け等の期間

2024年11月5日(火曜日)から2024年12月16日(月曜日)まで(30営業日)

公告日

2024年11月5日(火曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

(電子公告アドレス https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

 

② 【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

該当事項はありません。

 

③ 【期間延長の確認連絡先】

該当事項はありません。

 

(2) 【買付け等の価格】

 

株券

普通株式1株につき 金1,875円

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券

(    )

株券等預託証券

(    )

算定の基礎

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としてフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、みずほ証券は、みずほ銀行と同じ株式会社みずほフィナンシャルグループの一員であり、みずほ銀行は、公開買付者に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を行っております。また、みずほ銀行は、公開買付者に対して本銀行融資を行う予定ですが、みずほ証券は、本公開買付けを含む本取引に関して、公開買付者及び対象者との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、利益相反が生じる可能性がある場合には、公開買付者に対し、利益相反状況の説明と同意取得を行う等適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で対象者の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、公開買付者とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、みずほ証券を公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として選定いたしました。

みずほ証券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、対象者の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から2024年10月31日付で対象者株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得しました。なお、公開買付者は、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

 

 

本株式価値算定書において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価基準法:1,293円から1,375円

類似企業比較法:894円から1,375円

DCF法   :1,503円から2,043円

 

市場株価基準法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月31日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値1,375円、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,335円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,293円及び同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,373円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,293円から1,375円と算定しております。

類似企業比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たり株式価値の範囲を894円から1,375円と算定しております。

DCF法では、対象者から提供を受けた事業計画(2024年12月期から2030年12月期)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が対象者に対して2024年9月上旬から2024年10月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が2024年12月期第3四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,503円から2,043円と算定しております。なお、当該事業計画は、本取引の実行を前提としておりません。また、上記DCF法の算定の基礎となる対象者の事業計画については、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年12月期において、欧米を中心とした海外におけるマーケットシェアの拡大や自動化やパッケージ化を通じた付加価値の向上に伴う継続的な製品単価の向上により、大幅な増益を見込んでおります。

なお、みずほ証券がDCF法による算定の前提とした対象者の事業計画には、対象者が2024年11月1日付で公表した「業績予想の修正に関するお知らせ」の内容が織り込まれております。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

公開買付者は、みずほ証券から取得した本株式価値算定書の算定結果に加え、対象者に対して2024年9月上旬から2024年10月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果を踏まえ、最終的に2024年11月1日開催の取締役会において本公開買付価格を1,875円とすることを決定いたしました。

なお、本公開買付価格である1,875円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月31日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,375円に対して36.36%、2024年10月31日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,335円に対して40.45%(小数点第三位を四捨五入しております。以下プレミアム率の計算について同じです。)、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,293円に対して45.01%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,373円に対して36.56%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。

また、本公開買付価格である1,875円は、本書提出日の前営業日である2024年11月1日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,395円に対して34.41%のプレミアムを加えた価格となります。

 

 

算定の経緯

(本公開買付価格の決定に至る経緯)

公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のための対象者に対するデュー・ディリジェンスを2024年9月上旬から同年10月中旬まで実施し、並行して対象者及び本特別委員会との間で、対象者及び本特別委員会に対し、本取引の意義及び目的並びに対象者の完全子会社化後の対象者の経営方針を説明するとともに、対象者及び本特別委員会との間で、本公開買付価格についての協議・交渉を続けてまいりました。具体的には、2024年9月5日の本意向表明書の提出により本取引の目的、本取引後の経営関与方針、本取引のスキーム等を提案した後、公開買付者は、2024年10月17日、本特別委員会を通じて対象者によるヒアリングを受け、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるデメリット・メリットその他の影響及び程度並びに本取引後に予定している経営方針等について説明をするとともに、これに対する質疑応答を行いました。その後、対象者からは、公開買付者が提案・説明した本取引の意義及び目的並びに対象者の完全子会社化後の対象者の経営方針について、再質問、意見又は提案は受けておりません。また、公開買付者は、第三者算定機関であるみずほ証券による対象者株式価値の試算、対象者株式の市場株価の動向及び本公開買付けへの応募の見通し等を勘案し、2024年10月2日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,700円(なお、本公開買付価格として提案した1,700円は、同提案日の前営業日である2024年10月1日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,373円に対して23.82%、2024年10月1日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,312円に対して29.57%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,333円に対して27.53%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,414円に対して20.23%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行いました。なお、本公開買付価格1,700円は、対象者において剰余金の配当が行われない前提での価格です。以下、本公開買付価格の提案箇所について同様です。その後、2024年10月8日に、対象者から、本取引と類似の親会社による公開買付けを通じた上場子会社の完全子会社化事例における一定期間のプレミアム水準と照らして不十分であり、また、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券のDCF法による初期的価値算定レンジと照らして不十分であるとして本公開買付価格の再検討を要請されました。当該要請を踏まえ、公開買付者は、2024年10月15日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,800円(なお、本公開買付価格として提案した1,800円は、同提案日の前営業日である2024年10月11日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,338円に対して34.53%、2024年10月11日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,344円に対して33.93%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,317円に対して36.67%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,401円に対して28.48%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行いました。これに対して、2024年10月17日、対象者から、引き続き本取引と類似の親会社による公開買付けを通じた上場子会社の完全子会社化事例における一定期間のプレミアム水準と照らして不十分であり、また、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券及び本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計のDCF法による初期的価値算定レンジと照らして不十分であるとして本公開買付価格1,950円での再提案の検討を要請されました。当該要請を踏まえ、公開買付者は、2024年10月22日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,850円(なお、本公開買付価格として提案した1,850円は、同提案日の前営業日である2024年10月21日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,343円に対して37.75%、2024年10月21日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,359円に対して36.13%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,308円に対して41.44%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,389円に対して33.19%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする提案を行いました。これに対して、2024年10月24日、対象者から、引き続き類似する他社事例との比較において低いプレミアム水準であり、また、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券及び本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計のDCF法による初期的価値算定レンジと照らして不十分であるとして本公開買付価格1,900円での再提案の検討を要請されました。その後、公開買付者は、2024年10月28日に、対象者に対して、本公開買付価格を1,875円(なお、本公開買付価格として提案した1,875円は、同提案日の前営業日である2024年10月25日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,309円に対して43.24%、2024年10月25日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,344円に対して39.51%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,300円に対して44.23%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,379円に対して35.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする最終提案を行いました。これに対して、2024年10月30日、本特別委員会から、2024年10月28日付の提案は少数株主の利益に配慮された価格である一方で少数株主の価値最大化を追求する観点から本公開買付価格を1,900円とする再提案の検討を再度要請されました。その後、2024年10月31日、公開買付者は、対象者株式の市場株価に対して十分なプレミアムが付されたものであり、少数株主の利益に資するものであると判断し、価格の引き上げは行わない旨の回答をいたしました。これに対して、同日、本特別委員会から、引き続き少数株主の価値最大化を追求する観点から本公開買付価格を1,890円とする再提案の検討を改めて要請されました。当該要請を受け、同日、公開買付者は、改めて本公開買付価格を1,875円から引き上げることが困難である旨を回答いたしました。その結果、対象者及び本特別委員会から、最終的な意思決定は2024年11月1日に開催される対象者の取締役会での決議によることを前提として、公開買付者の提案を応諾し、本公開買付価格を1,875円とする旨の回答を受領し、合意に至りました。

 

 

 

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)

公開買付者及び対象者は、本書提出日現在において、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、対象者における本取引の検討において構造的な利益相反状態が生じ得ることに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、それぞれ以下の措置を実施しております。

なお、公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者株式2,988,000株(所有割合:50.81%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定しておりませんが、本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け後に公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるよう買付予定数の下限を設定しております。また、公開買付者及び対象者は、公開買付者及び対象者において以下の措置を講じていることから、対象者の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えております。

また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置に関する記載については、対象者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としてフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、2024年10月31日付で本株式価値算定書を取得いたしました。詳細については、上記「算定の基礎」をご参照ください。

 

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、対象者取締役会における本公開買付価格に関する意思決定の公正性を担保するために、対象者及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対し、対象者の株式価値の算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2024年10月31日付で、本株式価値算定書(野村證券)を取得したとのことです。

野村證券は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本特別委員会は、初回の会合において、野村證券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認したとのことです。なお、対象者は、対象者及び公開買付者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって野村證券の独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。

 

 

 

(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要

野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて、対象者の株式価値の算定を行い、対象者は野村證券から2024年10月31日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得したとのことです。

本株式価値算定書(野村證券)において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

市場株価平均法:1,293円~1,375円

類似会社比較法:652円~921円

DCF法   :1,612円~2,983円

 

市場株価平均法では、2024年10月31日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における基準日の終値1,375円、直近5営業日の終値の単純平均値1,325円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,335円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,293円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,373円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,293円~1,375円までと算定しているとのことです。

類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社として株式会社ツガミ、オークマ株式会社、株式会社岡本工作機械製作所、浜井産業株式会社、株式会社牧野フライス製作所、株式会社和井田製作所、ミクロン精密株式会社の7社を選定した上で、企業価値に対する営業利益の倍率、償却前営業利益の倍率(以下「EBITDAマルチプル」といいます。)及び時価総額に対する純利益の倍率を用いて、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を652円~921円までと算定しているとのことです。

DCF法では、対象者が作成した2024年12月期から2030年12月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2024年12月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,612円~2,983円までと算定しているとのことです。なお、割引率は7.00%~8.00%を採用しており、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及びマルチプル法を採用し、永久成長率は0.00%~0.50%、EBITDAマルチプルは5.0倍~7.0倍として対象者株式の1株当たりの株式価値を算定しているとのことです。

野村證券がDCF法による算定の前提とした対象者が作成した本事業計画に基づく財務予測の具体的な数値は以下のとおりであり、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、(ⅰ)新工場の竣工に伴う生産キャパシティの飛躍的な拡大、(ⅱ)欧米を中心とした海外におけるマーケットシェアの拡大、(ⅲ)自動化やパッケージ化を通じた付加価値の向上に伴う継続的な製品単価の向上により、2025年12月期から2026年12月期において営業利益が857百万円から1,195百万円へと増加し、前期比で約39%の大幅な増益となることを見込んでいるとのことです。さらに、2024年12月期から2025年12月期及び2025年12月期から2026年12月期におけるフリー・キャッシュ・フローは、新工場建設に係る設備投資負担の影響により、それぞれ▲77百万円から▲358百万円、▲358百万円から▲4,320百万円へと大幅な減少を見込んでいる一方、2026年12月期から2027年12月期及び2027年12月期から2028年12月期におけるフリー・キャッシュ・フローは、(ⅰ)上記の施策による売上高の成長及び収益性の向上に伴う大幅な増益、(ⅱ)売上高が成長することに伴う運転資本の増加により、それぞれ▲4,320百万円から736百万円、736百万円から1,337百万円へと大幅な増加を見込んでいるとのことです。

なお、野村證券がDCF法による算定の前提とした本事業計画には、対象者が2024年11月1日付で公表した「業績予想の修正に関するお知らせ」の内容が織り込まれているとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年

12月期

(3ヶ月)

2025年

12月期

2026年

12月期

2027年

12月期

2028年

12月期

2029年

12月期

2030年

12月期

売上高

3,304

10,500

11,700

13,500

14,500

15,500

16,500

営業利益

541

857

1,195

1,520

1,890

2,180

2,470

EBITDA

581

1,000

1,405

2,002

2,396

2,686

2,976

フリー・キャッシュ・フロー

▲77

▲358

▲4,320

736

1,337

1,536

1,416

 

③ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者プレスリリースによれば、本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、対象者及び公開買付者から独立した第三者算定機関である赤坂国際会計に対し、対象者の株式価値の算定を依頼し、2024年10月31日付で本株式価値算定書(赤坂国際会計)を取得しているとのことです。

赤坂国際会計は対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係る赤坂国際会計に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要

赤坂国際会計は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて対象者株式の価値算定を行い、本特別委員会は2024年10月31日付で本株式価値算定書(赤坂国際会計)を取得しているとのことです。

本株式価値算定書(赤坂国際会計)において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

市場株価法  :1,293円~1,375円

類似会社比較法:887円~1,291円

DCF法   :1,275円~2,233円

 

市場株価法では、2024年10月31日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日終値1,375円、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,335円、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,293円及び過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,373円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,293円から1,375円と算定しているとのことです。

類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業として株式会社和井田製作所及びミクロン精密株式会社を選定したうえで、その市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を887円から1,291円までと算定しているとのことです。

DCF法では、本事業計画や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2024年12月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,275円~2,233円までと算定しているとのことです。なお、割引率は9.4%~11.8%を採用しており、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率は0.0%~1.0%として対象者株式の1株当たりの株式価値を算定しているとのことです。

 

 

 

なお、赤坂国際会計がDCF法による算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測の具体的な数値は以下のとおりであり、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、(ⅰ)新工場の竣工に伴う生産キャパシティの飛躍的な拡大、(ⅱ)欧米を中心とした海外におけるマーケットシェアの拡大、(ⅲ)自動化やパッケージ化を通じた付加価値の向上に伴う継続的な製品単価の向上により、2025年12月期から2026年12月期において営業利益が 857百万円から1,195百万円へと増加し、前期比で約39%の大幅な増益となることを見込んでいるとのことです。さらに、2024年12月期から2025年12月期及び2025年12月期から2026年12月期におけるフリー・キャッシュ・フローは、新工場建設に係る設備投資負担の影響により、それぞれ59百万円から▲384百万円、▲384百万円から▲4,405百万円へと大幅な減少を見込んでいる一方、2026年12月期から2027年12月期及び2027年12月期から2028年12月期におけるフリー・キャッシュ・フローは、(ⅰ)上記の施策による売上高の成長及び収益性の向上に伴う大幅な増益、(ⅱ)売上高が成長することに伴う運転資本の増加により、それぞれ▲4,405百万円から630百万円、630百万円から1,248百万円へと大幅な増加を見込んでいるとのことです。

なお、赤坂国際会計がDCF法による算定の前提とした本事業計画には、対象者が2024年11月1日付で公表した「業績予想の修正に関するお知らせ」の内容が織り込まれているとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。

 

(単位:百万円)

 

2024年

12月期

(3ヶ月)

2025年

12月期

2026年

12月期

2027年

12月期

2028年

12月期

2029年

12月期

2030年

12月期

売上高

3,304

10,500

11,700

13,500

14,500

15,500

16,500

営業利益

541

857

1,195

1,520

1,890

2,180

2,470

EBITDA

581

1,000

1,405

2,002

2,396

2,686

2,976

フリー・キャッシュ・フロー

59

▲384

▲4,405

630

1,248

1,460

1,341

 

 

赤坂国際会計は、対象者の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者の資産又は負債について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価又は鑑定を行っておらず、第三者機関への評価又は鑑定の依頼も行っていないとのことです。対象者の予測財務情報については、対象者の最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。赤坂国際会計の算定は、2024年10月31日までに赤坂国際会計が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。

 

 

 

④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

対象者プレスリリースによれば、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者から本取引の検討・協議を開始したい旨の申し入れを受けた2024年8月22日以降、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も得つつ、特別委員会の委員の候補者となる対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役について、独立性及び適格性の確認を行ったとのことです。対象者は、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって特別委員会を構成するべく、特別委員会の委員の各候補者が公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、2024年9月12日開催の対象者取締役会における決議により、柿沼康弘氏(対象者独立社外取締役)、多賀谷実氏(対象者独立社外取締役)、高橋明人氏(弁護士、高橋・片山法律事務所)の3名から構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問したとのことです。なお、対象者の社外取締役は2名(柿沼康弘氏及び多賀谷実氏)、社外監査役は2名(森岡正樹氏及び宮沢啓嗣氏)であるところ、森岡正樹氏は公開買付者の出身者であること、また宮沢啓嗣氏は対象者の取引先である株式会社第四北越銀行の出身者であることを考慮し、より独立性の高い柿沼康弘氏及び多賀谷実氏を本特別委員会の委員とすべきものと判断し、一方で審議の充実の観点からは当該委員の員数は3名以上とすることが望ましいため、対象者において柿沼康弘氏及び多賀谷実氏に加え、外部有識者1名を当該委員として選任することとしたとのことです。その上で、対象者はアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言も参考に、長年にわたり企業法務をはじめとした法律に関する職務に携わり、その経歴を通じて培った専門家としての豊富な経験、知見を有する外部有識者である高橋明人氏を本特別委員会の委員として選任したとのことです。本特別委員会の委員長としては多賀谷実氏が就任しており、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されていないとのことです。なお、本特別委員会の委員報酬は、柿沼康弘氏及び多賀谷実氏については固定額の報酬、高橋明人氏については稼働時間に時間単価を乗じて算出した報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。

また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、①本特別委員会が必要と認める場合には、独自のフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用は対象者が負担する)、又は、対象者のアドバイザーを承認する権限、②対象者の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、③本特別委員会が必要と認める場合には、公開買付者との間で本取引の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付与することを決議したとのことです。

上記の取締役会においては、対象者の取締役6名のうち、公開買付者の関係者である森雅彦氏及び大石賢司氏を除く取締役4名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行っているとのことです。また、上記の取締役会においては、対象者の監査役4名のうち公開買付者の出身者である森岡正樹氏を除く監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べたとのことです。

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年9月12日から2024年10月31日までの間に合計8回、合計約10時間にわたって開催され、必要に応じて都度電子メール又は電話連絡を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行うなどして、本諮問事項について、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。

具体的には、本特別委員会は、まず、2024年9月12日、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認するとともに、本特別委員会としても、必要に応じてこれらのアドバイザーから専門的助言を受けることに異議がないことを確認したとのことです。

 

 

 

また、本特別委員会は、第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性、実績等を検討の上、2024年10月2日、対象者及び公開買付者から独立した独自の第三者算定機関として赤坂国際会計を選任したとのことです。本特別委員会は、赤坂国際会計が対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないことを確認したとのことです。

その上で、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を担保するために講じるべき措置について検討を行ったとのことです。

加えて、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、公開買付者に対して、本取引を実施する目的・理由等、この時期に本取引を行うことを選択した背景・目的、本取引後の対象者の経営方針・ガバナンス等、本取引の手続・条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、公開買付者の小林弘武氏(代表取締役副社長)及び中澤文彦氏(常務執行役員)から直接説明を受け、質疑応答を行ったとのことです。また、本特別委員会は、対象者から、本取引の意義・目的、公開買付者が想定している本取引実施後の施策の内容及び経営体制・経営方針等に関する対象者経営陣としての見解及び関連する情報を聴取するとともに、これらの事項について質疑応答を行ったとのことです。

さらに、本特別委員会は、本事業計画の内容、前提条件及び作成経緯等について対象者から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認したとのことです。その上で、上記「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「③ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、野村證券及び赤坂国際会計は、本事業計画を前提として対象者株式の価値算定を行い、本特別委員会は、野村證券及び赤坂国際会計から、それぞれが実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答を行い、これらの事項について合理性を確認したとのことです。

本特別委員会は、2024年10月2日に対象者が公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,700円とする最初の提案を受領して以降、対象者が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、対象者において交渉を担当する野村證券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、野村證券から受けた財務的見地からの助言も踏まえてその内容について審議・検討を行ったとのことです。また、野村證券から公開買付者に対する交渉方針及び回答書について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、野村證券に対して指示・要請を行う等、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与したとのことです。その結果、対象者は、2024年10月28日に公開買付者より本公開買付価格を1株当たり1,875円とする旨の最終回答書を受領し、その後複数回の本公開買付価格引上げに関する打診を経て、2024年10月31日に本公開買付価格を1株当たり1,875円とすることで合意に至りました。結果として、計3回、最初の価格提案から10.29%(小数点第三位を四捨五入しております。)の価格の引き上げを受けるに至ったとのことです。

さらに、本特別委員会は、野村證券から、複数回、対象者が開示又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認したとのことです。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、並びに野村證券から受けた財務的見地からの助言、2024年10月31日付で提出を受けた本株式価値算定書(野村證券)及び本株式価値算定書(赤坂国際会計)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出したとのことです。

 

 

 

1.本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかという点を含む。)

《結論》

本公開買付けを含む本取引の目的は合理的と認められる(本取引が対象者の企業価値向上に資する)と考える。

《理由》

・ 対象者らから説明を受けた「(a)本取引の目的及び必要性・背景事情」、並びに「(b)本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」について、対象者の現在の事業内容及び経営状況を前提とした具体的なものであると考えられること

・ まず上記(a)に関して、対象者を取り巻く市場環境及びそれを踏まえた対象者の基本的な対応の方向性として、大要、対象者が属する工作機械業界は、経済環境の変化により需要が大きく変動する業界であるとのところ、足元の事業環境は、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰、円安による物価上昇等の影響を受けている状況であるとのことであり、こうした状況下において、対象者は市況に適応した会社規模を維持しつつ、好不況に左右されずに収益を確保できる基盤を構築するとともに、企業体制の安定化に取り組んでいるとのこと、また、今後も持続的な成長と安定した経営基盤の整備のため、営業展開、製品開発及び法令等遵守の各項目を重点課題と位置づけ、取組みを行っていくとの点は、いずれも対象者の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合すると考えられるとともに、対象者に固有の状況も踏まえた上で、対象者の取り組むべき基本的な方向性を示すものとして合理的なものであると言えること

・ 加えて、同じく上記(a)に関して、対象者は、2001年5月に公開買付者の連結子会社となって以降、事業の成長、ひいては対象者の企業価値向上を図るため、両社が保有する経営資源を可能な限り相互に活用し、連携の強化を試みてきたとのこと、具体的には、主に海外における、対象者製品の公開買付者グループのグローバルな拠点網を通じた販売やアフターサービスの提供、公開買付者グループの一員としての国際的な展示会への出展を通じた対象者ブランド力の強化、技術人材及び営業人材の相互交流といった取組みを実行してきたとのこと、その一方で、工作機械市場における足元の動向を見ると、地政学リスクの高まりに伴う輸出管理に関する要求水準の向上や、顧客の製造ラインの省人化・効率化ニーズの高まりの中で、工作機械の自動化・複合化等さらに高付加価値な製品の需要拡大といった変化が生じているとのこと、こうした環境の変化の中で、さまざまな事業課題にタイムリーに対応し、対象者の持続的な企業価値の向上を実現するためには、対象者と公開買付者が一層の一体感とスピード感をもって連携し、これまで実行してきた取組みにとどまらず、さらに強固な事業上の相互連携を実現する必要が生じていると考えているとの各点は、上記の対象者を取り巻く市場環境及びそれを踏まえた対象者の基本的な対応の方向性を前提として、さらに対象者と公開買付者とのこれまでの協働、関係性、さらに近時の工作機械市場・業界の具体的な状況を踏まえて、今般の本取引の検討を進めているものとして合理的な対応であると考えられること

・ さらに、公開買付者においては、対象者の上場会社としての独立性を尊重しながら、対象者及び公開買付者グループの中長期的な成長の観点から、両社間の資本関係について慎重な検討を重ねてきたとのところ、対象者株式が上場している状況においては、上場会社としての独立性の確保の必要性及び公開買付者と対象者の少数株主との間での潜在的な利益相反の懸念があり、経営資源の共有や迅速な意思決定という観点で制約があると認識しており、資本関係の見直しはいずれ必要になるものと考えていたとのこと、かかる状況の下、公開買付者が、本取引を通じて対象者株式の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることにより、上場子会社である対象者との構造的な利益相反リスクを解消し、対象者を含む公開買付者グループの連携をさらに進めるとともに、意思決定を迅速化させることが可能と考えるとの点は、上記のとおり、対象者において事業環境の変化の中で、さまざまな事業課題にタイムリーに対応し、対象者の持続的な企業価値の向上を実現するためには、対象者と公開買付者が一層の一体感とスピード感をもって連携し、これまで実行してきた取組みにとどまらず、さらに強固な事業上の相互連携を実現する必要が生じていると考えているとの対象者の認識、意向にも沿うものであり、対象者における持続的な企業価値向上のための対応として合理的なものと言えること

 

 

 

・ また上記(b)に関して、まず公開買付者側から対象者に対して現時点において提示されている想定シナジー(本取引を経て期待されるシナジー)は、「(ⅰ)公開買付者からのサポートによる対象者のさらなる成長」、「(ⅱ)新潟・長岡エリアにおけるシナジーの追求」及び「(ⅲ)親子上場の解消によるコーポレート・ガバナンス強化」とのことであり、その具体的な内容は対象者プレスリリース最新版ドラフトに記載されているとおりであるところ、これらはいずれも現時点で対象者において課題として認識している状況、また今後の取組みを検討している事項にも沿うものと考えられ、公開買付者側からの提案内容としては、まずは合理的なものと考えられること

・ 加えて、同じく上記(b)に関して、上記(ⅰ)から(ⅲ)の公開買付者側から対象者に対して現時点において提示されている想定シナジーを踏まえ、さらに対象者側においても検討を行った上で、本取引の後に実現を目指すシナジー(すなわち取り組むべき施策)として、「① 海外市場における受注獲得に向けた連携強化」、「② 生産力の強化及び事業効率化に向けた多面的な連携強化」及び「③ 技術ノウハウの共有を通じた製品の付加価値向上」が挙げられており、上記同様、その具体的な内容は対象者プレスリリース最新版ドラフトに記載されているとおりであるところ、まず上記①について工作機械メーカーにおいて今後の海外展開は避けられないものと考えられ、公開買付者のリソースやノウハウを対象者において活用することは現実的かつ有効な対応であると考えられること、また上記②については特にDMG MORI Precision Boringとの経営資源の融通を主軸に検討が行われており、施策(及び実現を目指すシナジー)としての具体性は高いものと考えられること、さらに上記③についても上記本取引の背景事情でも触れた「顧客の製造ラインの省人化・効率化ニーズの高まりの中で、工作機械の自動化・複合化等さらに高付加価値な製品の需要拡大といった変化が生じている」との市場環境へ対応するための合理的なものと考えられること

・ 他方で、上記①から③の施策の実行にあたっては、費用支出が先行する可能性もあり得、短期的には対象者の財務状況や業績の悪化をもたらすリスクもあると考えられ、対象者が上場を維持したままこれらの各施策を実行した場合、資本市場から十分な評価が得られず対象者の株式価値が毀損する可能性があると言え、今般予定されている本取引の実施により対象者が公開買付者の完全子会社となり対象者株式が非公開化されることは、一時的な費用支出の先行や短期的な業績悪化が株価に与え得る影響にとらわれず、より迅速な意思決定を可能として、対象者の成長戦略を推進するための対応として合理的なものであると考えられること

・ なお、本取引に伴う対象者の非公開化によるデメリットとして、一般的には、上場会社というステータスを失うことにより、(ア)資本市場から資金調達を行うことができなくなること、また(イ)上場会社として享受してきた知名度や信用力、人材の確保に影響を及ぼす可能性等の懸念があり得るものの、上記(ア)については、対象者の現在の財務状況等を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれないとのこと、また上記(イ)については、対象者のこれまでの長きにわたる事業活動や社会活動を通じて、工作機械業界におけるブランド力や知名度は既に浸透し、従業員や取引先を含めた多数のステークホルダーとの信頼関係も構築できていると考えているとのこと、加えて公開買付者は上場会社であり高い社会的信用及び認知度を有していると考えられることから、対象者が公開買付者の完全子会社になったとしても、上場会社である現状と比して対象者の社会的信用や採用活動への悪影響が生じることは考えにくいとのことであり、これらの事情を踏まえると対象者の非公開化(完全子会社化)によるデメリットは限定的であると整理することは合理的なものと考えられること

 

2.本取引に係る手続の公正性が確保されているか

《結論》

本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されていると考える。

 

 

 

《理由》

・ 対象者は本取引への対応を検討するに当たり、対象者における検討及び意思決定の過程に対する公開買付者の影響を排除するべく、対象者及び公開買付者のいずれからも独立した本特別委員会を設置していること

・ 本特別委員会の委員全3名の過半数である2名はいずれも対象者の独立社外取締役であり、残る1名は外部の専門家である弁護士であること

・ さらに当該独立社外取締役のうち1名が本特別委員会委員の互選により同委員会の委員長に選定されていること

・ 対象者は、本取引への対応を検討するに当たり、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確保すべく、対象者株式に係る株式価値の算定を、対象者及び公開買付者のいずれからも独立した第三者算定機関である野村證券へ依頼した上で、株式価値算定書を取得していること、また野村證券の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること

・ また対象者は、本取引に関する法的助言を得るべく、対象者及び公開買付者のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任していること、またアンダーソン・毛利・友常法律事務所の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること

・ さらに本特別委員会においても、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確認すべく、対象者株式に係る株式価値の算定を、対象者及び公開買付者のいずれからも独立した第三者算定機関である赤坂国際会計へ依頼した上で、株式価値算定書を取得していること、また赤坂国際会計の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること

・ 今般の本完全子会社化手続を含む本取引は、対象者の支配株主(親会社)である公開買付者との間で実施されるものであることから、構造的かつ典型的な利益相反性が生じる可能性があり得るところ、対象者においては、上記の体制のもと、本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある旨を認識して、対象者から公開買付者に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきたと言えること

・ 対象者と公開買付者との間の協議及び交渉の方針に関して、対象者及び対象者のフィナンシャル・アドバイザーでもある野村證券から本特別委員会に対して交渉方針等の説明が行われた上で、本特別委員会において確認された当該交渉方針の下に公開買付者との交渉が進められたこと

・ 対象者と公開買付者との間の協議及び交渉の具体的な状況についても、適時に本特別委員会への報告が行われてきており、かつ特に本公開買付価格に関する協議及び交渉の局面においては、当該報告の内容を踏まえ本特別委員会から対象者及び対象者のフィナンシャル・アドバイザーでもある野村證券に対して意見を述べるとともに、必要と考えられる提言及び要請等を行うなど、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の交渉過程に本特別委員会が実質的に関与可能な体制が確保されていること

・ その上で、条件の妥当性及び公正性並びに現実性といった事情について、対象者において全般的な検証を重ねた上で、公開買付者との複数回に及ぶ協議を経て本公開買付価格の妥当性についての検討を行い、今般取締役会決議が予定されている価格についての最終的な調整が進められたこと

・ その後、最終的に対象者及び公開買付者間で本公開買付価格を含む本取引の条件について合意するに至り、対象者において、当該合意された価格をもって、取締役会で決議を予定している本公開買付価格となったこと

・ さらに、いわゆる二段階買収等に関しても、早期かつ詳細な開示及び説明を行う予定とのことであり、対象者株主の適切な判断機会の確保に努めていると言えること、その他公開買付者及び対象者が作成し開示する予定の各開示書類において、対象者株主(とりわけ少数株主)が本公開買付けを含む本取引の各条件の妥当性等を判断するために必要かつ相当と考えられる情報が開示される予定となっていること

・ 利害関係を有すると整理される対象者取締役及び対象者監査役について、対象者における本取引の検討に加わっておらず、また今後開催される本取引に関する取締役会に関しその審議及び決議にも参加しない予定であることなど、意思決定過程における恣意性の排除に努めていると言えること

 

 

 

・ 本公開買付けにおいては、本公開買付けに関する対象者プレスリリース最新版ドラフトに記載のとおりの内容の買付予定数の下限が設定される予定である。この点、当該下限の設定により、本公開買付けへの応募が少ない場合には、本公開買付けを通じた対象者株式の買付け等が行われないことになり、この点は対象者の少数株主(いわゆる一般株主)の意向を可能な限り尊重するものと言えること

・ なお、本公開買付けにおいては、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」の条件設定は行われていないものの、公開買付者は対象者の支配株主(親会社)であり既に相当数の対象者株式を保有しており、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」はかえって本公開買付けの成立を不安定なものとする可能性があり得るところである(すなわち、支配株主(親会社)である公開買付者が対象者完全子会社化の意向を示した以上、仮に今回本公開買付けが成立しなかったとしても、将来のいずれかの時点において再度同様の取引が実施される可能性があり、少数株主が不安定な立場に置かれる可能性もあり得ると言える)。加えて、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」は本公開買付けへの応募を希望する少数株主(すなわち、市場における対象者株式の流動性が必ずしも高いとは言えない状況の中、対象者株式の売却機会を希望する株主)の利益に資さない可能性もあり得るところである。そのため、他のいわゆる公正性担保措置について相当程度の配慮が行われていると言えること等を踏まえると、形式的に「マジョリティ・オブ・マイノリティ」が無いことを特に注視しなければならない状況には無いものと考えられること

・ 本公開買付けにおいて、その買付期間は30営業日と法令上の最短期間である20営業日よりも長期の期間が設定される予定であること、また対象者は公開買付者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するようないわゆる取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意を行っていないこと等から、いわゆるマーケット・チェックの観点において特段不合理な状況には無いものと考えられること。なお、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックに関しては、情報管理の観点等から実務上その実施は必ずしも容易とは言えず、従って本件においてもそのような対応が行われていないことのみをもって、マーケット・チェックの点で不合理な状況が生じるものでは無いと考えられること

・ 本取引においては、対象者株式の非公開化のために、いわゆる二段階買収の手続が予定されている(現状、本公開買付けの結果次第で、株式売渡請求又は株式併合のいずれかの手続によることが予定されている)が、株式売渡請求に関連する少数株主(一般株主)の権利保護を目的とした会社法上の規定として、裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行うことが可能とされていること。また、株式併合に関連する少数株主(一般株主)の権利保護を目的とした会社法上の規定として、所定の条件のもと、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する普通株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者普通株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められていること。かかる申立てが行われた場合の価格の決定は、最終的には裁判所が判断することとなり、対象者の少数株主(一般株主)においては、かかる手続を通じて経済的な利益の確保を図ることが可能とされていること

・ 以上のとおり、本完全子会社化手続の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点について、具体的な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた対象者株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること

 

 

 

3.本取引の条件(本公開買付けにおける買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか

《結論》

本取引の条件(本公開買付けにおける買付価格を含む。)の妥当性が確保されていると考える。

《理由》

・ 対象者において、本取引の条件、とりわけ本公開買付けにおける対象者株式に係る本公開買付価格の公正性・妥当性を確保するために、その検討及び判断に際して、対象者株式に係る株式価値算定のための独立の第三者算定機関(以下「本第三者算定機関」といいます。)として野村證券を選任し、本第三者算定機関から株式価値算定書を取得した上で、当該株式価値算定書を参考としていること

・ 本第三者算定機関作成の株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること

・ 上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該算定の前提となっている対象者の事業計画の内容に関する対象者及び本第三者算定機関から本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、対象者の事業計画の作成経緯及び対象者の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論として当該事業計画を合理的なものであると考えていること

・ これらを踏まえ、本第三者算定機関作成の株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること

・ また、当該株式価値算定書を基礎として対象者においても本取引の必要性及びメリット、対象者の今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮した上で、本公開買付価格の検討を行ってきたと言えること

・ 対象者において、本第三者算定機関を経験豊富なフィナンシャル・アドバイザーとして起用し、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を複数回にわたり実施したと言えること

・ 対象者において本第三者算定機関から取得した株式価値算定書を前提に、対象者と公開買付者との間で合意された本公開買付価格は、当該算定結果の範囲内であること。特にDCF法による算定との関係では、算定レンジの範囲内の価格となっていること

・ 上記対象者選任の本第三者算定機関に加えて、本特別委員会においても、本取引の条件、とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確認するべく、対象者株式に係る株式価値算定のための独自の第三者算定機関として赤坂国際会計を選任し、赤坂国際会計から株式価値算定書を取得した上で、当該株式価値算定書を参考としていること

・ 赤坂国際会計作成の株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること

・ 上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該算定の前提となっている対象者の事業計画については、上記のとおり対象者及び本第三者算定機関から本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、対象者の事業計画の作成経緯及び対象者の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論として当該事業計画を合理的なものであると考えていること

・ これらを踏まえ、赤坂国際会計作成の株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること

・ 対象者と公開買付者との間で合意された本公開買付価格は、赤坂国際会計による算定結果の範囲内であること。特にDCF法による算定との関係では、算定レンジの中央値を超える価格となっていること

 

 

 

・ 本答申書提出日(上記両株式価値算定における市場株価法に係る算定基準日)の対象者株式の取引終値(1,375円)並びに直近1ヶ月平均、直近3ヶ月平均及び直近6ヶ月平均の終値の単純平均値(1,335円、1,293円及び1,373円)に対して約36.36%から約45.01%に相当するプレミアムが付されたものとなっている。本公開買付けに関する対象者プレスリリース最新版ドラフトに記載されている過去の類似事例におけるプレミアムの実例(その具体的な内容、数字は次項目記載のとおりである)を踏まえると、本公開買付価格に付されたプレミアムは特段異なる水準を提示しているものとは考えられず、十分に合理的水準であると推定されること

・ また、上記「過去の類似事例におけるプレミアムの実例」の詳細は以下のとおりであり、本特別委員会は下記の内容について対象者のフィナンシャル・アドバイザーである野村證券から説明を受け、下記の各内容を前提に検討を行ったものである。すなわち、本取引と同様に親会社による完全子会社化の事例(経済産業省が「M&A指針」を公表した2019年6月28日から2024年10月31日までの間に公表され、かつ成立した55件)におけるプレミアム水準(公表日前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値それぞれからのプレミアムの中央値(それぞれ42.41%、43.37%、42.31%、40.87%)及び平均値(それぞれ43.47%、45.32%、44.38%、42.31%))との比較において、本公開買付価格は、公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値の単純平均値及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム(それぞれ36.36%、40.45%、36.56%)は、上記過去の類似事例におけるプレミアム水準を下回るものの、過去の類似事例において、36.36%、40.45%、36.56%を下回るプレミアム水準の案件がそれぞれ17件、22件、21件存在しているとのことであり、また、過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム(45.01%)は過去の類似事例におけるプレミアム水準(すなわち42.31%及び44.38%)を上回っていることから、本公開買付価格は対象者株式の市場株価に対して合理的な水準のプレミアムが付されたものと評価できると考えられること

・ これらの対象者における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確保し、またこれらに関する対象者の判断及び意思決定について、その過程から恣意性を排除するための方法として合理性・相当性を有するものと考えられること

・ さらに、対象者からの説明によれば、本完全子会社化手続の条件に関しても、今後特段の事情が無い限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定、決定する予定であること

・ この点、本完全子会社化手続は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続として行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であり、時間的に近接した両手続における取引条件が同一のものとなるようにすることは合理的と考えられること

・ 買付予定数の上限・下限や撤回等の条件、二段階買収に関する事項などをはじめとする本公開買付価格以外の本取引の諸条件についても、本公開買付けの成立を不安定にしたり強圧性を生じさせたりする等、少数株主にとって不利となるような条件は設定されておらず、妥当であると考えられること

 

4.上記1から3までを踏まえ、本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか

《結論》

上記1から3までを踏まえると、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える。

《理由》

・ 上記1から3までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)が対象者の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見あたらず、従って本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)は対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考える

 

 

 

5.対象者取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非

《結論》

上記1から4までを踏まえれば、現時点において、対象者取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは相当(すなわち「是」)である(従って、対象者取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うこと、及び②本公開買付け後に株式併合又は株式売渡請求の方法を用いた本完全子会社化手続を実施する旨の決議を行うことは、対象者の少数株主にとって不利益なものでない)と考える。

《理由》

これまでに述べたとおり、1.本公開買付けを含む本取引の目的が合理的と認められる(本取引が対象者の企業価値向上に資する)と考えられること、2.本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えられること、3.本取引の条件(本公開買付けにおける買付価格を含む。)の妥当性が確保されていると考えられること、4.上記1から3を踏まえると、本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられることからすると、現時点において、対象者取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは相当(すなわち「是」)である(従って、対象者取締役会が、① 本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うこと、及び②本公開買付け後に株式併合又は株式売渡請求の方法を用いた本完全子会社化手続を実施する旨の決議を行うことは、対象者の少数株主にとって不利益なものでない)と考えられ、これに反する事情は現時点において特段見当たらない

 

⑤ 対象者における独立したリーガル・アドバイザーからの助言

対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、対象者及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。

なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておらず、本取引に係るアンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

⑥ 対象者における独立した検討体制の構築

対象者プレスリリースによれば、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に関する検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。具体的には、対象者は、2024年8月22日に、本取引の検討・協議を開始したい旨の申入れを受け、その後2024年9月5日に、公開買付者より本取引を行うことに関する書面での提案を受領したことを踏まえ、本取引に関する検討(対象者の株式価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉を行う検討体制を構築したとのことです。検討に関与するメンバーは、公開買付者グループ(対象者を除く。)各社の役職員を兼務していない対象者の役職員のみから構成されるものとし、かかる取扱いを継続しているとのことです。また、対象者の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得たとのことです。

 

 

 

⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

対象者プレスリリースによれば、対象者取締役会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言、野村證券から得た財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書(野村證券)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の一連の手続及び本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討したとのことです。その結果、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引によりシナジーの実現を見込むことができ、対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当なものであり、本公開買付けは対象者の少数株主の皆様に対して合理的な水準のプレミアムを付した価格での対象者株式の売却の機会を提供するものであるとの判断に至ったことから、2024年11月1日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。

上記の対象者取締役会においては、対象者取締役6名のうち、森雅彦氏は公開買付者の代表取締役を兼務しており、また、大石賢司氏は公開買付者の出身者であるため、対象者の少数株主との間の利益相反による影響を可能な限り排除し、本取引に係る意思決定における公正性、透明性及び客観性を担保する観点から、これら2氏を除く4名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の取締役会には、対象者監査役4名のうち、公開買付者の出身者である森岡正樹氏を除く監査役3名全員が出席し、出席した監査役全員一致で、上記の決議に異議がない旨を決議したとのことです。

また、対象者取締役のうち森雅彦氏及び大石賢司氏並びに対象者監査役のうち森岡正樹氏は、上記と同様の観点から、本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場で本取引の協議及び交渉に参加していないとのことです。

 

⑧ 取引保護条項の不存在

公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

⑨ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、対象者株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式を含み、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、対象者の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。

また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、本公開買付けに係る買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を30営業日に設定しております。このように公開買付期間を比較的長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しております。

 

 

(注1) みずほ証券は、対象者の株式価値の算定に際し、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っておりません。加えて、対象者の財務予測に関する情報については、対象者の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としております。また、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。みずほ証券の算定は、2024年10月31日までの上記情報を反映したものです。

(注2) 野村證券は、対象者の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。対象者の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、対象者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2024年10月31日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、対象者の取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。

 

(3) 【買付予定の株券等の数】

 

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

2,892,208(株)

932,200(株)

―(株)

合計

2,892,208(株)

932,200(株)

―(株)

 

(注1) 応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(932,200株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(932,200株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにおいて公開買付者が買付け等を行う対象者株式の最大数である2,892,208株を記載しております。これは、対象者第3四半期決算短信に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(5,956,400株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(76,192株)及び本書提出日現在の公開買付者が所有する対象者株式の数(2,988,000株)を控除した株式数(2,892,208株)です。

(注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

 

 

5 【買付け等を行った後における株券等所有割合】

 

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

28,922

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2024年11月5日現在)(個)(d)

29,880

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年11月5日現在)(個)(g)

1,440

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2024年6月30日現在)(個)(j)

58,784

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)

49.19

買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)

100.00

 

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(2,892,208株)に係る議決権の数を記載しております。

(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年11月5日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(ただし、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。ただし、特別関係者が所有する株券等(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)についても買付け等の対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年11月5日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者が所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年6月30日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年8月9日に提出した第40期半期報告書に記載された総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの。)です。ただし、単元未満株式(ただし、対象者が所有する単元未満の自己株式を除きます。)についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第3四半期決算短信に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(5,956,400株)から、同日現在の対象者の所有する自己株式数(76,192株)を控除した株式数(5,880,208株)に係る議決権の数(58,802個)を分母として計算しております。

(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点第三位を四捨五入しております。

 

6 【株券等の取得に関する許可等】

該当事項はありません。

 

 

7 【応募及び契約の解除の方法】

(1) 【応募の方法】

① 公開買付代理人

みずほ証券株式会社    東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

② 本公開買付けに応募する際には、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載し、公開買付期間の末日の15時までに、公開買付代理人の本店又は全国各支店において応募してください。なお、オンライントレードである「みずほ証券ネット倶楽部」においては応募の受付けは行いません。

 

③ 本公開買付けに係る株券等の応募の受付けにあたっては、本公開買付けに応募する株主(以下「応募株主等」といいます。)が、公開買付代理人に証券取引口座を開設した上、応募する予定の株券等を当該証券取引口座に記録管理している必要があります。本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を経由した応募の受付けは行われません。また、本公開買付けにおいては、対象者指定の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に設定された特別口座に記録されている株券等をもって本公開買付けに応募することはできません。応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された証券取引口座又は特別口座の口座管理機関に設定された特別口座に記載又は記録されている場合は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した証券取引口座への振替手続を完了していただく必要があります。(注1)

 

④ 公開買付代理人に証券取引口座を開設しておられない応募株主等は、新規に証券取引口座を開設していただく必要があります。証券取引口座を開設される場合には、個人番号(マイナンバー)又は法人番号及び本人確認書類(注2)が必要になるほか、ご印鑑が必要になる場合があります。

 

⑤ 上記③の応募株券等の振替手続及び上記④の口座の新規開設には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。

 

⑥ 外国の居住者である株主(法人株主を含みます。以下「外国人株主」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。

 

⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、一般的に株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)

 

⑧ 応募の受付けに際し、公開買付代理人より応募株主等に対して、公開買付応募申込みの受付票が交付されます。

(注1) 対象者指定の特別口座の口座管理機関に設定された特別口座から公開買付代理人の証券取引口座に株券等の記録を振り替える手続について

対象者指定の特別口座の口座管理機関に設定された特別口座から公開買付代理人の証券取引口座に株券等の記録を振り替える手続を公開買付代理人経由又は特別口座の口座管理機関にて行う場合は、特別口座の口座管理機関に届け出ている個人情報と同一の情報が記載された「口座振替申請書」による申請が必要となります。詳細については、公開買付代理人又は特別口座の口座管理機関にお問合せくださいますようお願い申し上げます。

(注2) 個人番号(マイナンバー)又は法人番号及び本人確認書類の提出について

公開買付代理人において新規に証券取引口座を開設される場合、又は日本国内の常任代理人を通じて応募する外国人株主の場合には、次の本人確認書類等が必要になります。番号確認書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人へお問合せください。

 

 

個人株主の場合   次の表の①から③のいずれかの個人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。なお、個人番号(マイナンバー)をご提供いただけない方は、公開買付代理人であるみずほ証券株式会社にて口座開設を行うことはできません。また、公開買付代理人において既に証券取引口座を開設している方であっても、氏名、住所、個人番号(マイナンバー)を変更する場合には個人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人番号カード

(両面)

顔写真付き

 

通知カード

 

個人番号が記載された住民票の写し

又は

住民票記載事項証明書

(※当該書類は本人確認書類の1つになります。)

 

a.以下のいずれかの書類1つ(顔写真付き確認書類)

 

a.以下のいずれかの書類1つ(顔写真付き確認書類)

・運転免許証

・運転経歴証明書

・旅券(パスポート)

・在留カード

・療育手帳

・身体障害者手帳等

 

・運転免許証

・運転経歴証明書

・旅券(パスポート)

・在留カード

・療育手帳

・身体障害者手帳等

又は

 

又は

b.以下のいずれかの書類2つ(a.の提出が困難な場合)

 

b.以下のいずれかの書類1つ(a.の提出が困難な場合)

・住民票の写し

・住民票の記載事項証明書

・国民健康保険被保険者証等の各種健康保険証

・印鑑登録証明書

・国民年金手帳等

 

・国民健康保険被保険者証等の各種健康保険証

・印鑑登録証明書

・国民年金手帳等

 

 

・個人番号カード(両面)をご提出いただく場合、別途本人確認書類のご提出は不要です。

・通知カードは、通知カードに記載された氏名、住所等が住民票に記載されている事項と一致している場合に限り、個人番号確認書類としてご利用になれます。

・氏名、住所、生年月日の記載のあるものをご提出ください。

・本人確認書類は有効期限内のもの、期限の記載がない場合は6ヶ月以内に作成されたものをご提出ください。

 

 

法人株主の場合   「法人番号指定通知書」の写し、又は、国税庁法人番号公表サイトから印刷した法人番号が印刷された書面及び本人確認書類(登記事項証明書(6ヶ月以内に作成されたもので名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容を確認できるもの))が必要になります。なお、法人自体の本人確認書類に加え、取引担当者(当該法人の代表者が取引する場合はその代表者)個人の本人確認書類が必要となります。また、公開買付代理人において既に証券取引口座を開設している法人であっても、法人名称及び所在地を変更する場合には法人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。

 

外国人株主の場合  日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の上記本人確認書類に準じるもの等(本人確認書類は、自然人の場合は、氏名、住所、生年月日の記載のあるもの(※1)、法人の場合は、名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容の記載のあるもの(※2)が必要です。また、当該本人確認書類は、自然人及び法人ともに6ヶ月以内に作成されたもの、又は有効期間若しくは期限のある書類は有効なものに限ります。)及び常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書の写し(※3)が必要となります。

(※)外国に居住される日本国籍を有する株主の方は、原則として旅券(パスポート)の提出をお願いいたします。

(※)法人の場合、当該法人の事業内容の確認が必要であるため、本人確認書類に事業内容の記載がない場合は、別途事業内容の確認ができる書類(居住者の本人確認書類に準じる書類又は外国の法令の規定により当該法人が作成されることとされている書類で事業内容の記載があるもの)の提出が必要です。

(※)当該外国人株主の氏名又は名称、国外の住所地の記載のあるものに限り、①常任代理人による証明年月日、②常任代理人の名称、住所、代表者又は署名者の氏名及び役職が記載され、公開買付代理人の証券取引口座に係る届出印により原本証明が付されたもの。

 

(注3) 日本の居住者の株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)

日本の居住者である個人株主の方の場合、株式等の譲渡所得等には、原則として申告分離課税が適用されます。本公開買付けへの応募による売却につきましても、通常の金融商品取引業者を通じた売却として取り扱われることとなります。税務上の具体的なご質問等につきましては、税理士等の専門家にご確認いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

(2) 【契約の解除の方法】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時までに、応募受付けをした公開買付代理人の本店又は全国各支店に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。契約の解除は、解除書面が公開買付代理人に交付され、又は到達した時に効力を生じます。したがって、解除書面を送付する場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時までに公開買付代理人に到達しなければ解除できないことにご注意ください。

 

解除書面を受領する権限を有する者

みずほ証券株式会社    東京都千代田区大手町一丁目5番1号

(その他みずほ証券株式会社全国各支店)

 

 

(3) 【株券等の返還方法】

応募株主等が上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

 

(4) 【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

みずほ証券株式会社    東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

8 【買付け等に要する資金】

(1) 【買付け等に要する資金等】

 

買付代金(円)(a)

5,422,890,000

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(b)

60,000,000

その他(c)

8,016,000

合計(a)+(b)+(c)

5,490,906,000

 

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、本公開買付けにおける買付予定数(2,892,208株)に、本公開買付価格(1,875円)を乗じた金額を記載しております。

(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。

(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告に要する費用及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。

(注4) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

(注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

 

(2) 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

① 【届出日の前々日又は前日現在の預金】

 

種類

金額(千円)

計(a)

 

 

② 【届出日前の借入金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

③ 【届出日以後に借入れを予定している資金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

銀行

株式会社みずほ銀行

(東京都千代田区大手町一丁目5番5号)

買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注)

弁済期:2025年12月18日

金利:みずほ銀行が制定する日本円TIBORに基づく変動金利

担保:無担保

6,000,000

計(b)

6,000,000

 

(注) 公開買付者は、上記金額の融資の裏付けとして、みずほ銀行から、6,000,000千円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2024年11月1日付で取得しております。なお、当該融資の貸付実行の前提条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが定められる予定です。

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

 

④ 【その他資金調達方法】

 

内容

金額(千円)

計(d)

 

 

⑤ 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

6,000,000千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3) 【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

該当事項はありません。

 

9 【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

該当事項はありません。

 

 

10 【決済の方法】

(1) 【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

みずほ証券株式会社   東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

(2) 【決済の開始日】

2024年12月23日(月曜日)

 

(3) 【決済の方法】

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の住所宛に郵送いたします。買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか、公開買付代理人の応募受付けをした応募株主等の口座へお支払いします。

 

(4) 【株券等の返還方法】

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を公開買付期間末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後、速やかに応募が行われた時の状態に戻します。

 

11 【その他買付け等の条件及び方法】

(1) 【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(932,200株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(932,200株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

(2) 【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが発生した場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合をいいます。

撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表を行い、その後直ちに公告を行います。

 

(3) 【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項に定める基準により買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

 

(4) 【応募株主等の契約の解除権についての事項】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求しません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

(5) 【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表を行い、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

(6) 【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項ただし書に規定する場合を除きます。)は、直ちに訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

 

(7) 【公開買付けの結果の開示の方法】

本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

(8) 【その他】

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)を利用して行われるものでもなく、更に米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けできません。

本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の表明及び保証を行うことを求められることがあります。

応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。