当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当中間連結会計期間における業績は、売上収益は2,275億円(1,403百万EUR、前年同期比13.7%減)、営業利益は65億円(40百万EUR、前年同期比73.0%減)、税引前中間利益は33億円(20百万EUR、前年同期比84.8%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は21億円(13百万EUR、前年同期は0億円の損失)となりました(EUR建表示は2025年1月から6月の期中平均レート162.2円で換算しております)。
当中間連結会計期間の連結受注額は2,486億円となり、前年度下半期(2024年7-12月)に比べ8.4%増となりました。また、四半期ベースでは4-6月の連結受注額は1,279億円となり、前四半期比(2025年1-3月)6.1%増と2024年下半期を底に回復基調にあります。工程集約機、自動化の提案をはじめとするお客様への価値提案力がお客様に浸透し、機械1台当たりの受注単価が、2024年度平均の71.0百万円(43.3万EUR)から80.8百万円(49.8万EUR)へと引き続き伸長しています。また、連結受注の24%を占めるサービス・補修部品の受注額も安定的に推移しています。
地域別受注額は、米州(構成比:25%)が好調でした。アジア・インド(同:5%)、日本(同:11%)は堅調に推移しました。欧州(同:53%)、中国(同:6%)も既に底を脱しています。欧州、中国とも、政府の景気刺激策の効果もあり、下半期にかけて回復していくものと期待しています。産業別には、航空・宇宙・防衛、医療、データ・ハンドリング、電力、エネルギー関連向けに需要が伸長しています。
機械本体の受注残高は、2024年12月末の2,180億円から、2025年6月末には2,332億円へと増加しました。この機械受注残高とサービス・補修部品の安定した需要は、下期以降の売上増に貢献する見込みです。
当社は工程集約・自動化・DX・GXにより、お客様へより付加価値の高いソリューションを提供し生産性を向上させること、これにより環境負荷を低減させ持続可能な社会にも貢献するといった、MX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進しております。MX推進をさらに加速させ、サステナブルな社会へ貢献すると同時に、お客様とともに持続的成長を目指してまいります。
当社は、2025年4月に世界最大級の自動化システムソリューション工場として奈良事業所を開所、さらに第二本社である奈良商品開発センタの1階にも当社最新のAdditive Manufacturing(AM)機を設置した「AMイノベーションセンタ」を新設いたしました。両施設から最先端の技術とお客様の生産性向上に貢献できるソリューションを提供してまいります。この取り組みを加速させるため、「DMG森精機伊賀株式会社」「DMG森精機奈良株式会社」「DMG森精機Additive株式会社」を設立し、2025年7月より国内の機構改革を実施いたします。これにより、より効率的な意思決定を促進し、お客様価値の向上を図ってまいります。
販売面では、中国・北京で開催された世界4大工作機械展示会の一つであるCIMT(中国国際工作機械展覧会)に出展いたしました。また、アメリカ・シカゴのソリューションセンタにて『シカゴ・イノベーション・デイズ2025』を開催し、両イベントにてお客様に最新の技術や自動化ソリューションをご提案いたしました。さらに、カスタマーポータルサイトmy DMG MORIの新機能として、オンラインショップ「my DMG MORI eMarket」の本格稼働を開始いたしました。当機能により、切削工具や素材などの消耗品やスペアパーツの購入だけでなく、工具や加工プログラムに関する課題を当社エンジニアにご相談いただけます。今後もデジタルとリアルの両方でお客様とつながり、MXの更なる促進に努めてまいります。
サステナビリティの面では、2025年2月に国際環境非営利団体CDPによる調査「CDP2024」において、気候変動分野での情報開示と取り組み成果が高く評価され、最高評価である「Aリスト企業」に初めて認定されました。水セキュリティ分野においても、水リスクの把握と管理体制、取り組みが評価され、昨年に引き続き「A-」の評価を獲得しました。また、グループ最大の生産拠点である三重県伊賀事業所では、2025年2月より国内最大級となる自家消費型太陽光発電システムで全量の発電を開始いたしました。これにより、伊賀事業所の年間電力需要の約30%を賄い、年間約6,000トンのCO2排出量を削減します。今後も再生可能エネルギーの活用拡大を図るとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
人的資本経営の面では、2025年3月に健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄2025」に昨年に続き2年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議により、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人2025」の大規模法人部門「ホワイト500」にも3年連続で認定されました。当社は12時間勤務間インターバルの義務化や健康管理増進センターの設立をはじめ、「DMG森精機 健康経営宣言」*の発表や、Webinar研修、運動・栄養教室の開催などを継続して実施しております。今後も「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員が健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでまいります。
*『健康経営』は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
セグメントの動向及び業績は以下のとおりです。なお、以下の売上収益においては、セグメント間の取引を相殺消去しております。
マシンツールセグメントではメディカル、民間航空機、宇宙、発電関連向けの売上が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は146,160百万円(前年同期比14.3%減)となり、セグメント損益は2,277百万円(前年同期比71.3%減)のセグメント利益となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、部品販売、修理復旧の業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は81,304百万円(前年同期比12.7%減)となり、セグメント損益は12,649百万円(前年同期比44.9%減)のセグメント利益となりました。
②資産、負債及び資本の状況
(ⅰ)資産
流動資産は、主として棚卸資産が2,143百万円、その他の流動資産が2,107百万円増加した一方で、現金及び現金同等物が13,733百万円減少したことにより、305,594百万円(前期比12,117百万円の減少)となりました。
非流動資産は、主としてその他の無形資産が2,453百万円、のれんが2,294百万円増加したことにより、484,288百万円(前期比4,432百万円の増加)となりました。
この結果、資産合計は789,883百万円(前期比7,684百万円の減少)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は、主としてその他の金融負債が10,863百万円、社債及び借入金が5,288百万円増加した一方で、営業債務及びその他の債務が9,840百万円、引当金が4,853百万円減少したことにより、399,435百万円(前期比15百万円の増加)となりました。
非流動負債は、主としてその他の金融負債が1,824百万円、社債及び借入金が1,758百万円減少したことにより、79,003百万円(前期比2,663百万円の減少)となりました。
この結果、負債合計は478,439百万円(前期比2,648百万円の減少)となりました。
(ⅲ)資本
資本は、主として利益剰余金が5,631百万円減少したことにより、311,444百万円(前期比5,035百万円の減少)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、28,014百万円(前年同期28,519百万円)となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、1,288百万円の収入(前年同期42百万円の収入)となりました。主な増加要因は、減価償却費及び償却費16,474百万円、営業債権及びその他の債権の減少額6,785百万円であり、主な減少要因は、営業債務及びその他の債務の減少額10,415百万円、引当金の減少額6,521百万円、利息の支払額3,580百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、11,039百万円の支出(前年同期16,951百万円の支出)となりました。主な減少要因は、無形資産の取得による支出6,521百万円、有形固定資産の取得による支出5,306百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、3,277百万円の支出(前年同期3,475百万円の収入)となりました。主な増加要因は、ハイブリッド資本の発行による収入6,924百万円、短期借入金の純増加額5,626百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払額7,073百万円、リース負債の返済による支出3,531百万円であります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針及び経営戦略について、重要な変更はありません。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
要約中間連結財務諸表において適用する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第4 経理の状況」における「1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載のとおりであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の無形資産に計上された開発費を含む研究開発費の金額は、15,154百万円となっております。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社は、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額97,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。中間連結会計期間末における当該借入残高は、29,100百万円であります。
また、当期末における当社グループの有利子負債の残高は、109,980百万円(前期比3,529百万円の増加)となっております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。