第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、1958年の設立以来、「社会への奉仕」「顧客への奉仕」「技術開発」「個人能力の開発」「職場の和」という基本方針のもとに、工作機械産業の特殊工具分野における「ものづくり」を通じて、産業界や社会の発展に貢献してまいりました。

今後、ここまでに蓄積してきた技術をさらに進化させることにより幅広い事業活動の展開を図り、安定収益を確保して企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするすべてのステークホルダーのご期待に応えられる企業集団であり続けるよう、努力してまいります。

 

(2)目標とする経営指標等

当社グループは、安定配当が可能な収益を確保することにより、企業価値を高め、株主価値の最大化を図ることを重要な経営課題としております。

具体的には、事業の収益力を示す営業利益率を重視し、連結ベースで6%以上の水準を確保・維持することを目標として掲げております。

 

(3)経営環境ならびに経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたものの、当社グループの主要な取引先であります自動車産業界では、一部地域を除いて本格的に生産体制が戻りつつある状況にあります。しかしながら、世界的な自動車販売台数の見通しにつきましては、依然不透明な状況であります。

また、米中の貿易摩擦などにより先行きの不透明な状況にあり、中国子会社をはじめとする当社グループの受注環境に影響を及ぼしております。

さらに、自動車産業界は100年に一度の大変革期と言われております。当社グループにおいても新しい付加価値をつけた製品をお客様へ提供することで取引の深耕を進め、新たな需要を掘り起こすことが課題となっております。

具体的には、「売上最大」「経費最小」「時間最短」を目指し、以下の取り組みを進めてまいります。

① 脱ガソリン車の流れに沿った新製品の開発とその事業化及び収益化

② 製品とIT技術の融合による、これまでにない付加価値サービスの開発

③ With コロナ時代の働き方改革

 

(4)グループ中期経営計画の要旨

① 守るべきものは「創業の心」

創業以来培ってきた「創業の心」を守り、次世代へつなげていく

「経営理念」「経営基本方針」「富士精工DNA」「長期経営ビジョン」

 

② 目指すものは「Good Company」

長期経営ビジョン「Good Company」を目指すために、以下の視点でテーマを設定

「カーボンニュートラル」「財務体質の強化」「人材開発」

 

③ 中期マスタープランの実施

トップビジョンの達成を目指して、以下の取り組みを実施

ア.既存製品・技術は温存しつつ、今ある経営資源の最適配分を行う

イ.当社が進めてきたFTE事業コンセプトをこれからも大事にし、FUJI Total Connected-max Engineering Companyとして、「ものづくり現場の困りごとを解決する企業」であり続ける

ウ.企業コンセプト「C-max」に新たな意味づけを行い、C-MaX循環企業へと変身し、新しい事業へのキーワードとしてサステナビリティ(持続可能な成長)を実現する

  C-MaX:Circular-Management Transformation

エ.従業員個々の能力を高め、長く働くことができる環境づくりと人材開発を行う

 

(新型コロナウイルス感染症への対応)

 当社グループは、従業員の健康と安全を最優先事項としたうえで事業活動への影響を最小化するため、リモート会議やテレワークの推進、アルコール消毒や手洗いの徹底等の感染防止策を講じております。今後においては、状況の変化に適切かつ迅速に対応し、状況に応じた感染防止対策に取り組んでまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)戦略リスク

① 市場動向の変化に関するリスク

当社グループは、自動車産業界を主要な取引先としており、対象地域は日本をはじめ、米国、欧州、アジア等世界各地に及んでおります。

したがいまして、各地域における景気の減速または後退、需要の変化等により自動車産業界における設備投資や工具需要の減少等が進むことにより、当社グループの経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。

② 海外の事業展開に関するリスク

当社グループは自動車産業界を主要な取引先としており、主要ユーザーの海外進出への対応と市場に近接した最適地での生産・販売体制を確立するため、米国、欧州、アジア等世界各地で海外拠点を構築しております。

したがいまして、海外各国における法律や税制規則の変更、その他の社会的、政治的な諸情勢の変動により、当社グループの事業活動に障害が生じる可能性があります。

これらのリスクに対し、グループ会社と連携し定期的な情報収集に努めておりますが、リスクが顕在化した場合には当社グループの経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業リスク

① 価格競争の激化に関するリスク

当社グループが主要な取引先とする自動車産業界におきましては、関連取引企業に対するコストダウンの要請が非常に厳しく、当社グループの主力商品であります超硬工具も常に厳しい価格競争のもとに置かれております。

この状況のもと、当社グループにおきましては、生産性向上をはじめとする業務の合理化活動や海外拠点の現地調達等によるコスト低減を図り、価格競争力の維持確保に努めておりますが、競合他社との価格競争に勝てない場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 取引先の技術革新に関するリスク

当社グループの主力商品であります超硬工具は、アルミをはじめとする金属素材を切削加工するために使用されております。

したがいまして、自動車部品の素材が金属から樹脂へと変更される等の技術革新が急激に進んだ場合や、電動化の推進によってエンジンなどの需要が減少した場合、超硬工具による切削加工そのものが減少する事態となり、これが当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 原材料費の高騰に関するリスク

当社グループの主力商品であります超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステン、コバルト等といった希少金属(レアメタル)を原材料としております。

したがいまして、これらの希少金属の需要が急激に増加、あるいは産出量・生産量が減少した場合、原材料費の高騰が懸念され、これが当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)経営リスク

① 為替レートの変動に関するリスク

当社グループにおきましては、在外連結子会社、在外持分法適用会社の個別財務諸表を現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表作成時に円換算しております。

したがいまして、現地通貨ベースで経営成績に変動がない場合であっても、為替レートの変動が当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付に関するリスク

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。

このため、実際の金利水準の変動や年金資産の運用利回りの悪化が、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報管理に関するリスク

当社グループは、開発・営業に関する秘密情報を保有しております。情報管理については、情報セキュリティ基本方針を定め、コンピュータネットワークや情報システムの管理及び秘密情報の漏えい防止対策等の徹底を図っております。

しかしながら、停電、ネットワーク等の通信障害、人為的ミスや外部からの不正アクセス等による情報漏えい等予期せぬ事象により、重要なデータの消失・毀損、業務の中断・遅延、社会的信用の低下、損害賠償責任の履行等が、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)災害リスク

① 地震等の災害発生に関するリスク

当社グループの本社所在地であります愛知県豊田市は、東海地震の地震防災対策強化地域及び東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されておりますが、生産拠点の海外シフトや生産品目のすみ分けを推進しており、生産に関するリスクは分散されつつあります。

しかしながら、その対応にも限界があり、東海地震が発生した場合、本社施設等に重大な影響が及んで一時的に商品供給体制が停止する可能性があります。

② 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

当社グループは、従業員の健康と安全を最優先事項としたうえで事業活動への影響を最小化するため、リモート会議やテレワークの推進、アルコール消毒や手洗いの徹底等の感染防止策を講じております。今後においては、状況の変化に適切かつ迅速に対応し、状況に応じた感染防止対策に取り組んでまいります。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響が再拡大した場合には、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、長期化しているウクライナ情勢の緊張のもと、世界的な半導体不足及び原油高の影響が顕在化してきており、当社グループの受注環境は依然として不透明感が続いております。

わが国経済におきましては、新型コロナウイルス感染症対策としての行動制限の緩和が政府より打ち出され、経済活動は一部の業種に持ち直しの兆しが見られるものの、円安の急激な進行により物価上昇が見られ、企業活動、家計の消費行動に重大な影響が見られます。

当社グループの主要な取引先であります自動車産業界におきましては、電動化の推進、自動運転や安全装備などの技術開発への投資は継続されるものの、半導体不足の影響を強く受けており、生産額の計画値に対して下振れリスクが強く懸念されます。

このような状況のもと、当社グループは前連結会計年度から継続して、工作機械分野での収益機会の獲得及びデータとデジタル技術の融合による生産効率の一層の向上を目的とした活動を行っております。また、カーボンニュートラル推進課を新設し、地球温暖化防止への活動を行っております。

この結果、当連結会計年度における業績は、売上高は19,747百万円(前連結会計年度比1.8%減)、営業利益は59百万円(前連結会計年度比83.6%減)、経常利益は671百万円(前連結会計年度比18.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は188百万円(前連結会計年度比71.7%減)となりました。

なお、当連結会計年度から、「その他」に含まれていた「欧州」について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。

 ア.日本

当地域におきましては、国内の自動車生産は世界的な半導体不足の影響などを受け、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準には至らず、売上高は8,776百万円(前連結会計年度比2.4%減)となりました。

また、継続して経費最小活動に取り組んだものの、売上原価や販売費及び一般管理費の増加を吸収することはできず、セグメント損失は452百万円(前連結会計年度は222百万円のセグメント損失)となりました。

 イ.アジア

当地域におきましては、自動車生産が徐々に回復しているものの、中国国内における行動制限による生産活動への影響が大きく、売上高は5,658百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。

また、労務費高騰などにより固定費負担が増加したものの、生産性の改善が進んだことなどにより、セグメント利益は163百万円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。

 ウ.北米・中米

当地域におきましては、円安による好影響はあるものの、需要に一服感が見られ、工具需要が減少していることなどにより、売上高は2,280百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。

また、物価の上昇が継続的に続いており、それにともなって売上原価の上昇に歯止めがかからず、セグメント利益は152百万円(前連結会計年度比5.2%減)となりました。

 エ.オセアニア

当地域におきましては、断熱材の需要が引き続き堅調に推移したことより、売上高は2,315百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。

また、堅調な受注に支えられ利益を確保したものの、材料費の高騰などにより、セグメント利益は97百万円(前連結会計年度比45.5%減)となりました。

 オ.欧州

当地域におきましては、景気後退の懸念から新車需要の落ち込みは見られるものの、生産性向上への期待の高い工具需要を取り込み、売上高は715百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。

また、最低賃金の上昇、原材料費の高騰などにより利益は圧迫されたものの、生産性の向上などにより利益を確保することとなり、セグメント利益は62百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して415百万円減少し、8,275百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は918百万円(前連結会計年度比57.0%減)となりました。

これは主に、法人税等の支払額230百万円、棚卸資産の増減額204百万円などにより使用したものの、減価償却費1,036百万円、税金等調整前当期純利益477百万円などにより獲得したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,427百万円(前連結会計年度比28.7%増)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出635百万円、有価証券の取得による支出600百万円、定期預金の預入による支出413百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は313百万円(前連結会計年度比61.7%減)となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出297百万円、配当金の支払額159百万円などによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ア.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

   (自 2022年3月1日

    至 2023年2月28日)

前年同期比(%)

日本(千円)

7,183,130

101.2

アジア(千円)

2,376,466

98.7

北米・中米(千円)

494,433

109.8

オセアニア(千円)

2,291,996

111.4

欧州(千円)

32,693

97.4

合計(千円)

12,378,720

102.8

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については含んでおりません。

 

イ.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

   (自 2022年3月1日

    至 2023年2月28日)

前年同期比(%)

日本(千円)

3,239,429

87.0

アジア(千円)

1,984,620

85.8

北米・中米(千円)

111,345

115.2

オセアニア(千円)

14,887

99.6

欧州(千円)

195,581

110.5

合計(千円)

5,545,864

87.7

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については含んでおりません。

 

ウ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

8,979,497

97.6

2,064,052

110.9

アジア

5,467,232

90.4

708,713

78.8

北米・中米

2,956,505

125.6

1,161,798

239.1

オセアニア

2,281,683

105.6

99,148

74.4

欧州

768,380

120.0

162,682

147.5

合計

20,453,299

100.3

4,196,395

120.2

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については含んでおりません。

 

エ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

   (自 2022年3月1日

    至 2023年2月28日)

前年同期比(%)

日本(千円)

8,776,498

97.6

アジア(千円)

5,658,337

94.4

北米・中米(千円)

2,280,681

97.2

オセアニア(千円)

2,315,844

111.2

欧州(千円)

715,973

104.6

合計(千円)

19,747,336

98.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売数に対する割合は、

当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの財政状態及び経営成績等の分析、検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標等」に記載してあります目標に対する結果につきましては、従業員が一丸となって「売上最大」「経費最小」「時間最短」に取り組んでまいりましたが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、目標とする営業利益率には届きませんでした。

当社グループとしましては、進展する脱ガソリン車の流れに沿った新製品の開発、製品とIT技術の融合による付加価値サービスの開発を進め、今後も「グループ中期経営計画」を着実に実行していくことで、目標の達成を目指してまいります。

 

③ 当連結会計年度末の財政状態の分析・検討内容

ア.資産の部

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,233百万円増加し、28,141百万円となりました。

流動資産は、原材料及び貯蔵品が270百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して351百万円増加し、16,558百万円となりました。

有形固定資産は、主に当社本社工場製造設備等219百万円、熊本工場製造設備等227百万円、アジア子会社の工場製造設備等72百万円、オセアニア子会社の工場製造設備等50百万円の設備投資を実施いたしました。

なお、有形固定資産合計は、前連結会計年度末と比較して12百万円増加し、8,312百万円となりました。

投資その他の資産は、前連結会計年度末と比較して725百万円増加し、2,655百万円となりました。これは主に、投資有価証券350百万円、退職給付に係る資産317百万円がそれぞれ増加したことなどによるものであります。

イ.負債の部

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して263百万円減少し、4,385百万円となりました。

これは主に、退職給付に係る負債が330百万円減少したことなどによるものであります。

ウ.純資産の部

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して1,496百万円増加し、23,756百万円となりました。

これは主に、退職給付に係る調整累計額682百万円、為替換算調整勘定637百万円がそれぞれ増加したことなどによるものであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・検討内容

ア.キャッシュ・フロー

各キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

イ.資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払等であります。

また、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等により必要とする資金を調達しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はございません。

5【研究開発活動】

当社グループにおきましては、自動車産業の電動車シフトにともなう取引先の新たな部品試作や量産に貢献する製品や技術の開発及び加工現場における高速高能率化やフレキシブル生産対応を実現する製品・商品の提供を研究開発活動の基本方針としております。

直近では「モーターなどの電動車部品生産用工具」や「水素タンクなどの燃料電池車生産用治具」をはじめとした特殊工具や特殊治具、さらにはそれらの周辺装置の開発テーマを中心に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は114百万円(売上高比率0.6%)であります。

当社グループは生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動は主に当社を中心とした日本セグメントで行っております。なお、お客様との秘密保持契約に該当しない当連結会計年度における主な研究開発の成果は、次のとおりであります。

 

(1)工具観察治具

当製品は社内での業務効率化の中で生まれた製品であります。開発評価部署では、数多くの加工評価を進めておりますが、その中で必ずマイクロスコープを使い、刃先状態を確認する作業が発生します。その頻度は高く、また、様々な角度からの測定をする必要があること、それによる姿勢変更の段取りには多くの時間を要し、評価業務の中で最も時間をかけている作業の1つでありました。そこで、当社は樹脂製品加工機を使い、段取り工数を大幅に削減することができる治具を開発しました。この製品は当社だけでなく、生産ラインで工具を使用しているお客様においても工具の観察作業をしていることから、製品として展開をしております。CFRP素材であり、高剛性でありながら軽量かつお客様のニーズに柔軟に合わせることができるため、お客様の改善活動に寄与できる製品となっております。

 

(2)G-oneホルダ

当製品はアルミ部品の高精度穴加工をターゲットとして開発された製品であり、高精度な加工を維持しつつ、高能率、長寿命、低コスト、セッチング簡易化に貢献する製品であります。当社の技術研究の成果より導いた切刃の最適化で、切削抵抗を抑制し、部品の塑性変形を抑制することで従来の2工程(粗化工・仕上加工)を必要とした高精度加工を1工程に集約し、加工時間の短縮を実現しております。この効果に付随してカーボンニュートラル実現に向けた環境調和型製品としても位置付けできるため、今後の更なる改良を進め、多くのお客様に喜ばれる製品を目指します。

 

(3)新たな取組み

当社は切削工具の他に、部品把持用のワークチャック、マテハンホルダ、付加価値治具や樹脂製品開発にも力を入れており、お客様の生産ラインにおける全体最適化を目指しております。また、製品開発において基礎となる研究にも力を入れており、異常検知の基礎理論、システム構築に必要な「モニタリング・解析技術研究」、実験を行わなくても結果を予測できる「CAE解析技術研究」、安定した加工を実現する「振動解析技術研究」、マシニングセンタを使った素材の接合技術である「摩擦攪拌接合技術研究」、モーターなどの電動車部品生産で使われる「裁断技術研究」などを進めており、当社製品への付加価値向上、新製品開発の技術基礎となる研究を進めております。

また、大学・お客様・設備メーカー・他業種メーカーとの連携もスタートさせており、当社の技術だけでは補えない開発アプローチにも取り組み、技術開発力向上に向けた基盤作りを進めております。将来を見通すことが非常に困難である現状において、様々な活動を通じてお客様のニーズに応える技術力を高めていくことで、日本のものづくりに貢献するとともに会社の発展に寄与してまいります。