第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、企業の収益改善や雇用環境の改善を背景とした個人消費の持ち直しにより景気は緩やかな回復基調にありましたが、期後半にかけては、新興国経済の減速、資源価格の下落、中東・欧州等での地政学リスクの高まり、為替動向が円高に転じたこと等により、市場の不透明感が増しています。海外経済におきましては、利上げを開始した米国では、堅調な雇用を背景に民間消費が底堅く、景気の拡大が継続しており、欧州経済も個人消費の改善を背景に総じて緩やかな回復がみられました。一方、中国及び東南アジア等の新興国市場においては、中国経済の減速を受け、成長は鈍化傾向で推移いたしました。

 当社グループが属する機械業界におきましては、国内では、政府の補助金政策や老朽化設備の更新需要により、好調な設備投資需要が継続しました。北米のエネルギー関連の需要は停滞したものの、北米及び欧州では総じて好調な自動車や航空宇宙の分野を中心に旺盛な設備投資需要が見られました。中国及び東南アジア諸国では、下期以降の景気減速の影響により設備投資需要の落ち込みが見られました。

 このような事業環境の中、当社グループでは、昨年度に発表いたしました金属3Dプリンタを新たな事業の柱に成長させるべく、既存の工作機械事業や産業機械事業の拡大を図ってまいりました。上半期においては、中国最大の工作機械展示会(CIMT 2015)やタイでのInterMold Thailand2015など国際的な工作機械見本市に、放電加工機をはじめとする多様な製品を出展し、積極的な営業活動を行いました。また、2015年10月にイタリア・ミラノで開催された欧州工作機械見本市(EMO MILANO 2015)においては、リニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「VL600Q」や金属3Dプリンタ「OPM250E」をヨーロッパで初出展し、ソディックブランドの強化に取り組みました。さらに、引き続き各事業において研究開発にも力を入れ、最新制御技術を採用し加工性能を向上させたワイヤ放電加工機や車両の軽量化を目指す自動車部品をターゲットとした射出成形機など市場のニーズに対応した製品を開発いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比20億55万円増(3.3%増)の651億46百万円となりました。また利益面では、営業利益は前連結会計年度比14億61百万円増(29.9%増)の63億53百万円、経常利益は前連結会計年度比71百万円増(1.3%増)の57億19百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比6億17百万円増(17.4%増)の41億67百万円となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

  セグメントの業績は次のとおりです。

工作機械事業  …工作機械事業は、主に放電加工機の製造・販売、その保守サービスや消耗品の販売を行っております。工作機械の設備投資需要は、国内市場においては、政府の補助金政策や老朽化設備の更新需要により、自動車、スマートフォン関連を中心に需要は総じて堅調に推移しました。海外においては、北米地域では、エネルギー関連の需要は低迷したものの、自動車、航空宇宙、医療機器関連からの需要が堅調に推移しました。欧州に関しては、自動車、航空宇宙関連を中心に需要が底堅く推移しましたが、ロシア等一部の地域において減速感が見られました。一方、中華圏においても、自動車、スマートフォン関連などから需要が見られましたが、経済減速に伴い期後半にかけては力強さを欠く結果となりました。その他アジア地域においては、タイやインドネシアは自動車関連などでの需要が振るわず低調に推移しましたがインド等では新たな需要が見られました。以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度比10億5百万円増(2.1%増)の477億89百万円となりました。

産業機械事業  …産業機械事業では、主に射出成形機の製造・販売、その保守サービスや消耗品の販売を行っております。産業機械の設備投資需要は、期後半にかけて国内では、スマートフォン関連からの需要には一服感が見られていますが、自動車関連の車載部品やヘッドライト部品など高付加価値部品向けの設備需要は堅調でした。海外では、北米地域では底堅い需要がありましたが、中華圏を含むアジア地域において、価格競争や経済減速の影響が見られました。以上の結果、前連結会計年度比4億43百万円増(5.4%増)の86億33百万円となりました。

食品機械事業  …食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラントなどの開発・製造・販売、その保守サービスを行っております。国内では、コンビニエンスストアやスーパーマーケット及び外食チェーン向けなどに、調理麺の品質向上を目的とした設備投資需要が継続して見られました。海外においても、アジアや北米地域を中心に、日本食ブームの影響により食品機械の需要が増加し、着実に売上高を伸ばしています。以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度比7億71百万円増(27.6%増)の35億62百万円となりました。

 

その他     …その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造販売を行う要素技術事業、放電加工機、マシニングセンタ及び射出成形機などのリース事業から構成されております。当連結会計年度においては、精密金型・精密成形事業において自動車関連向けに好調な需要が見られ、リニアモータの外販も引き続き順調に推移しましたが、半導体メーカー向けセラミックスの外販が落ち込んだことにより、売上高は減少いたしました。以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1億65百万円減(3.1%減)の51億61百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ68百万円減少(前年同期比0.2%減)し、当連結会計年度末の残高は273億28百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、65億79百万円(前連結会計年度は82億98百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益57億48百万円、たな卸資産の減少9億80百万円等の増加要因によるもので、法人税等の支払額14億28百万円、仕入債務の減少12億74百万円等で一部相殺されています。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、27億73百万円(前連結会計年度は1億44百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出24億6百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、28億54百万円(前連結会計年度は52億43百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出131億68百万円、配当金の支払による支出11億6百万円によるものですが、長期借入れによる収入が113億44百万円で一部相殺されています。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度 (百万円)

(平成27年4月1日~平成28年3月31日)

前年同期比(%)

工作機械事業

44,500

98.9

産業機械事業

8,354

117.2

食品機械事業

3,284

125.9

 報告セグメント計

56,138

102.6

その他

6,243

108.7

合計

62,383

103.2

 (注)1.金額は、販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

3.上記の金額には、サービス売上等の生産を伴わないものは含めておりません。

 

(2)受注状況

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

36,522

99.4

5,381

85.1

産業機械事業

6,239

74.2

1,252

56.8

食品機械事業

3,726

134.9

1,936

168.6

合計

46,488

97.0

8,570

88.6

 (注)1.上記の金額には、サービス・消耗品等の受注は含まれておりません。

    2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度 (百万円)

(平成27年4月1日~平成28年3月31日)

前年同期比(%)

工作機械事業

47,873

102.1

産業機械事業

8,638

105.3

食品機械事業

3,562

127.6

 報告セグメント計

60,073

103.8

その他

7,561

95.9

67,635

102.8

調整額

△2,489

合計

65,146

103.3

 (注)1.金額にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。

2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社グループ(当社及び連結子会社)が対処すべき課題は、以下のように考えております。

 

<景気変動の影響について>

 工作機械・産業機械業界の業績は、製造業の設備投資の動向に左右されやすいと言われております。当社グループが、今後成長を継続していくためには、世界各地のマーケットの状況を的確に把握し、その市場にあった製品群を投入することにより、地域経済の景気動向に左右されにくい製品構成にする必要があります。また、製品開発においても、不断の研究開発の結果として、常に最先端技術を応用した新製品を市場に投入することにより、より幅広い顧客層を獲得し、安定した収益構造の構築を目指します。

 

<新市場への対応について>

 当社グループは、成長市場である東南アジア・中国市場において、他社に先駆けて生産・開発拠点や販売拠点の拡充を進めてまいりました。その結果、これらの地域では日本同様の高いマーケットシェアを確保しております。しかし「ものづくり」の世界においても、新興成長国の台頭が見られ、工作機械各社もインドやブラジル、ロシア、東欧などに積極的に販売子会社の設立や代理店へのサポートの強化などを進めています。今後も各市場の動向を注視し、適切な対応を継続してまいります。

 

<原価低減について>

 製造面では、設計の見直しや更なる重要部材の調達コスト削減を推進するとともに、たな卸資産の適正化や生産工程の再検討、市場環境に柔軟に対応できる国際的な調達ルートの確立など、原価管理の厳格化を進める必要があり、特に産業機械事業において収益力強化のため原価低減に向けた取り組みを開始いたしました。

 

<財務面について>

 平成28年3月末現在で当社グループの有利子負債は、約338億26百万円となっております。当期はD / E レシオは0.75倍、連結経常利益率は8.8%となりました。引き続きD / Eレシオ0.5倍以下及び連結経常利益率10%以上の経営数値目標達成に向けて、財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。今後も有利子負債の圧縮を含め様々な施策を行い、株主の皆様に対して継続した利益還元を可能にする強固な財務体質を早期に確立いたします。

4【事業等のリスク】

 当社グループ(当社及び連結子会社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項には以下のようなものがあります。当社グループとしては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点はご留意ください。

なお、文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)景気動向が当社グループに与える影響

 当社グループの業績は、自動車、家電、精密機器、半導体、航空宇宙分野、医療機器分野、その他の業界の業績、設備投資動向に大きく影響を受ける傾向があります。また、世界同時不況のような状況に陥った場合は、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。

 

(2)新規事業に関するリスク

 当社グループは、上記(1)にあるように製造業の景気動向に業績が左右されやすい構造になっていますので、常に新しい顧客層を取り込む必要があるため、新製品を市場に投入しております。しかし、その新しい製品をお客様に理解して頂き、売上高・利益の増加に貢献するまでには、時間を要する場合があり、そのような場合には、研究開発費、販売促進費などの費用は、その回収に先行して発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替相場の大幅な変動によるリスク

 当社グループにおける海外売上高の連結売上高に占める割合は63.8%であり、それぞれの国の経済状況に大きく依存します。また、海外との取引は米ドル、ユーロ、人民元等で決済されており、為替変動によっては、業績に影響を与える場合があります。特に工作機械事業において主要製品の90%以上をタイ及び中国の現地法人が製造しているため、タイバーツ・中国人民元における対円・対米ドル為替相場の大幅な高騰が発生すると製品の製造コストの増大につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4)海外生産に対するリスク

 上記(3)為替相場の大幅な変動で挙げましたとおり、工作機械事業における主要製品の90%以上をタイ及び中国の現地法人が製造しております。従って、当該国の経済状況や政治状況の劇的な変化等が発生した場合には、製品の安定した供給が不可能となり納期や品質に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)法的規制のリスク

 当社グループの技術及び製品(以下、「製品等」という)については、外国為替及び外国貿易法の第25条及び第48条により、輸出等が規制されています。当社グループとしては、当社の輸出管理室において製品等が違法に輸出されないよう厳しくチェックしておりますが、万一製品等が懸念される国、需要者等へ違法に販売された場合、法的な制裁や社会的な信用の失墜などで業績に影響を与える可能性があります。

(6)競合に対するリスク

 国内外に競合企業が存在するので、他社の技術で当社グループのカバーできる範囲を大きく超えた製品が開発された場合、当社は市場占有率を失う可能性があります。また、当社グループに関しましては、競合他社とは、技術力で差別化する戦略を採っておりますが、他社の値下げ攻勢により、当社グループ製品の販売価格も引き下げざるをえない状況になった場合、利益を圧迫する可能性があります。

(7)仕入れに関するリスク

 機械の主要構造体である鉄鋳物や加工タンクなどに使用されるステンレス材、消耗品等に使われる真鍮や銅等の価格の高騰が長期化した場合、当社製品の原価に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、受注の一時的集中や天災等の影響による仕入先の部材供給能力低下などで、部材の需要量が供給量を大きく超えた場合、生産数量の不足から受注機会を損失する可能性があります。

(8)災害に関するリスク

 当社グループの工場、事業所などにおいて、万一大きな産業事故や自然災害が発生した場合には、社会的信用の失墜や、補償などを含む事故対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償などによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)有利子負債のリスク

 平成28年3月末現在の有利子負債残高は約338億26百万円となっております。事業資金の調達及び返済は、金利情勢その他の外的環境に左右されるため、金利が上昇するなどした場合には業績に影響が及ぶ可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

シンジケートローンの概要

(1)融資枠設定金額

20億円

(2)借入人

株式会社ソディックエフ・ティ

(3)契約日

平成27年12月21日

(4)契約満了日

平成29年12月20日

(5)借入形態

コミットメントライン

(6)資金使途

運転資金

(7)借入可能通貨

(8)アレンジャー

株式会社横浜銀行

(9)エージェント

株式会社横浜銀行

(10)貸付人

株式会社横浜銀行

株式会社北國銀行

株式会社宮崎銀行

 

6【研究開発活動】

 研究開発活動の拠点として、横浜本社技術研修センターに研究開発部門を置き、中国上海、米国カリフォルニア州シリコンバレーに研究開発子会社を開設しております。この世界3極体制のもと、技術研修センターを軸に、機械構造設計開発、放電加工機用電源の開発、放電加工機及びマシニングセンタなどの性能向上の研究を行っております。さらに中国上海、カリフォルニア州シリコンバレーなどの地域性を利用し、各種ソフトウエア開発、CNC装置開発、モーションコントローラ開発などの工作機械の基礎技術となる研究開発を実践しております。
 なお、基礎・応用研究には、当社グループの合計で34億8百万円(工作機械事業26億28百万円、産業機械事業3億61百万円、食品機械事業72百万円、その他3億46百万円)の研究開発費を投入いたしました。

 

 当連結会計年度における主な研究開発の成果は、以下のとおりであります。

・リニアモータ駆動ワイヤ放電加工機の開発(工作機械事業)
従来機の加工性能をさらに向上させたリニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「ALシリーズ」を開発いたしました。加工時に張ったワイヤ電極が弧を描くように膨らむ現象を抑える機能(タイコレス制御Ⅱ)などの最新のワイヤ放電加工制御技術を標準搭載するほか、最新の19インチ横型タッチパネルの採用により、操作面でも見やすさ、使いやすさが向上しています。

 

・高品位マシニングセンタの開発(工作機械事業)
市場の拡大が加速するスマートフォンやタブレット端末機、先端医療機器市場向けのプラスチック部品の金型製造に対応するため、より微細で精密な加工が可能となる高品位マシニングセンタ「UH650L」を開発いたしました。自社開発の新型PWMアンプの採用により高速な加工が可能となり、また高剛性かつ高精度なスピンドルの搭載により幅広い用途の加工に適合します。

 

・超小物製品用 射出成形機の開発(産業機械事業)
汎用性のあるギア・ワッシャなどの機械要素部品・機構部品や、外内装部品などのさらに広い分野・範囲のメカニカルな超小物部品の成形を実現する直圧全電動 超小物製品用 射出成形機「mm03」を開発いたしました。また、当社製射出成形機の中で最小スペースを実現したモデルであり、レイアウトの自由度が高まるため、設置環境が向上します。

 

・中型高付加価値製品用 射出成形機の開発(産業機械事業)
車両の軽量化のため金属部品から樹脂部品への置き換えが加速する自動車分野の、車載用の大型レンズや機構部品をターゲットに、複雑な意匠形状で肉厚深物の中型成形品において高い歩留りを実現する中型高付加価値製品用 射出成形機「TRシリーズ」を開発いたしました。220トンから450トンまでのラインナップをそろえ、お客様の様々な要望に対応できます。

 

・トレーフィーダーの開発(食品機械事業)
コンビニエンスストアやスーパー等で販売されている調理麺やお弁当、お惣菜などの製造ラインにおいて、容器トレーの自動供給が可能となり省人化につながるトレーフィーダー「TCF-2400」を開発いたしました。容器トレーのサイズ・形状を変更しても、段取り替えが容易にできる品種登録機能を備えています。また、「麺ほぐし機」や「スープ充填機」など当社の他の食品機械と連結し利用することで、容器トレーへの麺投入を自動化し、品目の多いお弁当にもフレキシブルに対応できます。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1) [業績]」をご参照下さい。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク (1)景気動向が当社グループにあたえる影響」にあるように、当社グループの業績は、顧客の設備投資意欲に大きく依存する傾向にあります。これをできうる限り回避し、安定した企業経営を行うため、グループ各社において効率性を重視した研究開発投資を行い、従来にない多様な製品・サービスを提供することにより、顧客層を広げ景気変動の業績に対する影響を極力抑えることを経営課題としております。また同様の目的で、景気動向に左右されにくい傾向にある食品機械事業や高い成長性が見込まれるLED照明分野に取り組むなど、事業基盤の安定を図っております。

(4)経営戦略の現状と見通し

当社グループの事業領域は、放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機、食品機械、これら当社グループ製の機械装置を使用して精密な金型や成形品を製造する事業及びファインセラミックス部材、リニアモータなど当社グループの製品を製造するために開発した技術を使用した応用機器の外部販売など、「ものづくり」に関係する多岐に渡るビジネスを展開しております。

当社グループでは「未来を創る」をコンセプトとして、お客様の「ものづくり」のお手伝いをする中で培ったコア技術を応用することによりお客様が必要とされる生産財を一貫して提供できる体制を整えること、組織の再編を通じて経営資源の最適化を図ることにより、収益力の一層の強化を図っております。また、中長期的な成長を実現するため中長期計画を策定し、経営基盤の強化に努めております。

工作機械事業及び産業機械事業におきましては、日本・欧米などの成熟市場と中国市場、東南アジアをはじめとする新興国市場それぞれに応じた事業展開を推進しております。成熟市場においては、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守メンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器及び消耗品の販売強化を図っております。中国市場及び新興国市場においては、景気減速の影響もあり、価格競争が激化しております。その状況の中で、市場のニーズを反映した低価格機種の開発、販売を強化するとともに、拠点整備などを推進し、収益力の確保を図っております。当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。

 また、次世代のものづくりを担う金属3Dプリンタを新たな成長ドライバーに事業の拡大を図っております。金属3Dプリンタにおいて、加工速度・加工精度の向上、製品ラインナップの拡充、対応する金属粉の種類の充実など、研究開発に力を入れ、販売を強化しています。さらに、ものづくりのすべての工程が当社グループの技術のみで完結できるワンストップソリューションの強みを活かし、「プラスチック成形革命」をキーワードに、金型製造リードタイムの短縮や生産コストの削減、成形サイクルの短縮などを実現してまいります。

 さらに、景気動向に左右されにくい事業ポートフォリオ構築を目指し食品機械事業にも注力してまいります。国内市場では、調理麺の品質向上を目的とした設備の導入、海外市場においては膨大な人口と豊かな食文化をもつ中国の存在、日本食ブームの高まりなど、食品機械事業の成長性は非常に高いと言えます。今後は放電加工機と同様、食品機械業界のリーディングカンパニーとなることを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 当社グループは従来から放電加工機等をネットワークに接続し活用するアプリケーションソフトウエアを提供してまいりましたが、近年のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やインダストリー4.0(ドイツ政府が推進する製造業の高度化・デジタル化)などの動きを踏まえて、さらなる生産性向上、生産自動化など、様々な取り組みを強化してまいります。

上記「(3)経営成績に重要な影響を与える要因について」にあるように研究開発の成果によって新しい事業を興すことにより、リスク分散を図り、安定した収益を得ることができる体制の構築を目指しております。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ68百万円減少(前年同期比0.2%減)し、当連結会計年度末の残高は273億28百万円となりました。

 営業活動の結果得られた資金は、65億79百万円(前連結会計年度は82億98百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益57億48百万円、たな卸資産の減少9億80百万円等の増加要因によるもので、法人税等の支払額14億28百万円、仕入債務の減少12億74百万円等で一部相殺されています。

 投資活動の結果使用した資金は、27億73百万円(前連結会計年度は1億44百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出24億6百万円によるものです。

 財務活動の結果使用した資金は、28億54百万円(前連結会計年度は52億43百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出131億68百万円、配当金の支払による支出11億6百万円によるものですが、長期借入れによる収入が113億44百万円で一部相殺されています。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金の合計)は338億26百万円であります。

 

(6)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ44億44百万円減少し、997億22百万円となりました。主な要因は、仕掛品が13億45百万円、原材料及び貯蔵品が9億63万円、受取手形及び売掛金が5億36百万円減少したことなどによるものです。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ47億49百万円減少し、499億63百万円となりました。主な要因は、長期借入金が19億7百万円、電子記録債務が7億51百万円、支払手形及び買掛金が6億88百万円減少したことなどによるものです。

 純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益41億67百万円を計上したものの、為替換算調整勘定25億35百万円の減少等により、前連結会計年度末に比べ3億5百万円増加し、497億58百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は、49.8%となりました。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。

 また近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。