(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な雇用環境を受け個人消費が持ち直しているほか、輸出回復を背景に企業収益も改善傾向にあり景気は緩やかな回復が見られました。海外経済において、米国経済は雇用環境の改善や堅調な個人消費、企業業績の回復が下支えとなり景気は拡大基調が継続しました。欧州経済も個人消費の拡大を背景に堅調に推移しました。一方で、米国新政権の経済政策や英国のEU離脱問題が世界経済に及ぼす影響や欧州各国での国政選挙などの地政学リスクもあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。減速していた中国経済は政府主導のインフラ投資や不動産販売の拡大等を背景に期末にかけて拡大基調が見られ、アジアでも輸出の回復により持ち直しの動きがみられました。
当社グループが属する機械業界においては、国内は昨年6月に採択された政府の補助金が一部寄与しましたが全体的には低調に推移しました。北米では、新政権発足により慎重な動きも見られましたが、自動車や航空宇宙の分野を中心に底堅い需要が継続しており、欧州も総じて自動車、航空宇宙関連の需要が底堅く推移しています。中国市場は期後半にかけて自動車、スマートフォン向けの設備投資の動きがあり回復傾向となりました。
このような事業環境の中、当社グループでは、アメリカでのIMTS2016や東京でのJIMTOF2016など世界的な工作機械の展示会に出展しソディックブランドの強化に取り組みました。JIMTOFでは精密金属3Dプリンタ「OPM250L」からサイズアップした「OPM350L」及び金属3Dプリンタ専用射出成形機「MR30」による「プラスチック成形革命」の実演に加え、放電加工機や射出成形機の新機種及びIoTを活用したシステムを展示するなど、積極的な営業活動を展開しました。研究開発においては、IT機器の筐体や部品の軽量化が求められる自動車部品の新工法として、世界初となるアルミ合金対応の射出成形機を開発し、販売を開始しました。また、2016年4月には加賀事業所で食品機械事業新工場の稼働を開始し、拠点の集約による生産効率の向上を目指すほか、食品機械の研究室も新設し研究開発機能を強化しております。
当社グループの業績は、国内では、自動車及びスマートフォン関連の需要は見られましたが、期後半にかけては3月に採択された補助金待ちの影響もあり全体的には低調に推移しました。海外については、北米は自動車、航空宇宙、医療機器関連から好調な受注が続きました。欧州はロシア・トルコ等一部の地域では需要の低迷が見られましたが、全体では堅調な需要が継続しました。中国では前期末にかけて受注が低迷した結果、第1四半期は売上が伸び悩みましたが、高精度機の需要の高まりを受け、昨年の春節以降は受注が好調に推移したほか、例年受注が減速する第3四半期以降も高い水準を維持しました。東南アジアでは、上期は厳しい状況が続きましたが、下期には自動車関連を中心に回復基調が見られたほか、スマートフォン関連で高水準な受注がありました。しかしながら、為替レートが前期に比べ円高で推移したこと等により、売上高は前期比で減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比33億33百万円減(5.1%減)の618億12百万円となりました。また利益面では、営業利益は前連結会計年度比11億16百万円減(17.6%減)の52億36百万円、経常利益は前連結会計年度比10億98百万円減(19.2%減)の46億20百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比5億22百万円減(12.5%減)の36億44百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
工作機械事業 …工作機械事業は、主に放電加工機の製造・販売、その保守サービスや消耗品の販売を行っております。工作機械事業の設備投資需要は、国内においては、車載用コネクタやスマートフォン関連の電子部品やレンズ向けの需要が見られましたが、期後半にかけては3月に採択された補助金待ち等の影響もあり伸び悩む結果となりました。海外においては、北米では自動車、航空宇宙、医療機器関連から需要が引き続き好調だったことに加え、今まで低迷していたエネルギー関連も期後半にかけては回復の兆しが見られました。欧州においては、ロシアやトルコ等の一部の地域は厳しい環境が続きましたが、ドイツ、イギリス、イタリアを中心に自動車、航空宇宙関連からの需要が堅調でした。中国では自動車及びスマートフォン関連からの高精度機需要の高まりを受け、昨年の春節以降好調な受注が続いており、例年受注が減速する第3四半期以降も高水準の受注が継続しました。アジアでは、韓国の半導体やスマートフォン関連が回復してきたほか、タイやインドネシアなどでも自動車関連を中心に期後半にかけて回復傾向にあります。しかし為替レートが前期に比べ円高に推移した結果、当事業の売上高は前連結会計年度比44億34百万円減(9.3%減)の433億55百万円となりました。
産業機械事業 …産業機械事業では、主に射出成形機の製造・販売、その保守サービスや消耗品の販売を行っております。産業機械の設備投資需要は、国内では車載用コネクタやスマートフォン関連の電子部品やレンズなど、高付加価値部品向けに高精度射出成形機の需要は引き続き堅調に推移しました。海外においても、北米の医療機器・自動車関連からの堅調な需要に加え、中国及びアジア地域ではスマートフォンのレンズや防水対応用のシリコーン成形に加え、自動車のコネクタ関連から高水準な需要が継続しており、第4四半期の売上高は大幅に増加いたしました。以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度比7億33百万円増(8.5%増)の93億66百万円となりました。
食品機械事業 …食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラントなどの開発・製造・販売、その保守サービスを行っております。国内においては、コンビニエンスストアやスーパーマーケット及び外食チェーン店向けを中心に、より高品質な調理麺の製造を目的とした設備の需要が継続しているほか、製菓業界や包装米飯・包装惣菜業界からも需要が増加しています。海外においても、日本食ブームの影響等を受け、北米やアジア地域でロングライフ麺や冷凍麺製造設備の需要が見られました。受注は概ね計画通りに推移しましたが、平均単価が比較的大きい当事業において、複数の案件で検収が来期にずれ込んだため、当事業の売上高は前連結会計年度比1億33百万円減(3.7%減)の34億29百万円となりました。
その他 …その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業、当社製品などのリース事業から構成されております。精密金型・精密成形事業は自動車関連から堅調な需要が継続したほか、リニアモータ及びセラミックスの外販も好調に推移いたしました。以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度比5億円増(9.7%増)の56億61百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ87億9百万円増加(前年同期比31.9%増)し、当連結会計年度末の残高は360億37百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、83億73百万円(前連結会計年度は65億79百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益41億93百万円、減価償却費26億97百万円、仕入債務の増加24億32百万円等の増加要因によるもので、たな卸資産の増加10億51百万円等で一部相殺されています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、21億32百万円(前連結会計年度は27億73百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億48百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、31億34百万円(前連結会計年度は28億54百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入による収入110億円、社債の発行による収入80億円によるものですが、長期借入金の返済による支出116億61百万円、自己株式の取得による支出30億円等で一部相殺されています。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (平成28年4月1日~平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
工作機械事業 |
42,348 |
95.2 |
|
産業機械事業 |
10,062 |
120.5 |
|
食品機械事業 |
3,302 |
100.5 |
|
報告セグメント計 |
55,713 |
99.2 |
|
その他 |
7,004 |
112.2 |
|
合計 |
62,718 |
100.5 |
(注)1.金額は、販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
3.上記の金額には、サービス売上等の生産を伴わないものは含めておりません。
(2)受注状況
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
工作機械事業 |
34,894 |
95.5 |
6,053 |
112.5 |
|
産業機械事業 |
10,049 |
161.1 |
3,338 |
266.5 |
|
食品機械事業 |
4,311 |
115.7 |
3,416 |
176.4 |
|
合計 |
49,255 |
106.0 |
12,808 |
149.5 |
(注)1.上記の金額には、サービス・消耗品等の受注は含まれておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (平成28年4月1日~平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
工作機械事業 |
43,435 |
90.7 |
|
産業機械事業 |
9,373 |
108.5 |
|
食品機械事業 |
3,429 |
96.3 |
|
報告セグメント計 |
56,237 |
93.6 |
|
その他 |
8,342 |
110.3 |
|
計 |
64,580 |
95.5 |
|
調整額 |
△2,767 |
- |
|
合計 |
61,812 |
94.9 |
(注)1.金額にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、最高の製品を提供し、お客様の「ものづくり」をサポートすることによって、社会の発展に貢献することを基本方針としており、社名の由来である「創造(SO)」「実行(DI)」「苦労、克服(C,K)」の理念の下、お客様と共に困難な問題を解決することによって、お客様に信頼して頂くことが企業の継続的発展のために最も重要なことと考えております。
当社グループは、現在までその中で培った貴重な経験を集約して、新たな技術・製品を開発することにより、多くのビジネスチャンスを見つけてまいりました。
今後におきましてもこの企業理念を守り、技術的優位性が高く、お客様に資する製品の開発に努め、収益力の強化につながるよう、グループ全社を挙げて取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、中長期的な株主の皆様への利益還元と、財務体質の強化を重視しており、その前提となる経営指標は、連結経常利益率とD/Eレシオを採用しております。当連結会計年度においては、連結経常利益率7.5%、D/Eレシオ0.92倍となりました。連結経常利益率及びD/Eレシオにつきまして、下記の数値目標を早期に達成できるよう努めてまいります。
|
区 分 |
数値目標 |
|
連結経常利益率 |
10%以上 |
|
D/Eレシオ |
0.5倍以下 |
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業領域は、放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機、食品機械、これら当社製の機械装置を使用して精密な金型や成形品を製造する事業及びファインセラミックス部材、リニアモータなど当社グループの製品を製造するために開発した技術を使用した応用機器の外部販売など、「ものづくり」に関係する多岐に渡るビジネスを展開しております。
当社グループでは「未来を創る」をコンセプトとして、お客様の「ものづくり」のお手伝いをする中で培ったコア技術を応用することによりお客様が必要とされる生産財を一貫して提供できる体制を整えること、組織の再編を通じて経営資源の最適化を図ることにより、収益力の一層の強化を図っております。また、中長期的な成長を実現するため中長期計画を策定し、経営基盤の強化に努めております。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては内外の市場動向が挙げられます。国内市場は、引き続き、日銀の金融緩和政策や政府の補助金政策のほか、老朽化設備の更新需要などもあり、今後も継続した需要が見込まれます。海外市場においては、北米及び欧州では自動車及び航空宇宙関連の需要は堅調に推移しており、足元では総じて緩やかな回復が見込まれています。また、米国新政権による減税、規制緩和、インフラ投資などが期待される一方、自由貿易協定の見直しなど世界経済に及ぼす影響が懸念されています。また、英国のEU離脱問題、欧州各地での国政選挙など不確定要素や、欧州・中東・近隣諸国での情勢不安による地政学リスクの高まり、米国での追加利上げに伴う為替変動リスクなどもあり依然として先行きは不透明な状況にあります。中国及び東南アジア等の新興国市場では、減速していた中国経済が足元では拡大基調にあることに加え、人件費の高騰や自動化対応のための高精度機の需要は引き続き増加していくと予想されます。
こうした中、工作機械事業及び産業機械事業におきましては、日本・欧米などの成熟市場と中国市場、東南アジアをはじめとする新興国市場それぞれに応じた事業展開を推進しております。成熟市場においては、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守メンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器及び消耗品の販売強化を図ってまいります。中国市場及び新興国市場においては、景気減速の影響もあり、価格競争が激化しております。その状況の中で、新興国市場のニーズを反映した低価格機種の開発、販売を強化するとともに、拠点整備などを推進し、収益力の確保を図っております。当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。
また、次世代のものづくりを担う金属3Dプリンタを新たな成長ドライバーに事業の拡大を図っております。金属3Dプリンタにおいて、加工速度・加工精度の向上、製品ラインナップの拡充、対応する金属粉の種類の充実など、研究開発に力を入れ、販売を強化しています。2016年4月からは日本、中国及びその他アジア地域に加え、金属3Dプリンタの先行市場である欧米地域での営業活動を開始いたしました。さらにまた、大型機「OPM350L」の開発により、金型だけでなく部品加工の分野まで裾野を広げることでさらなる需要の創造、拡大を目指してまいります。さらに、ものづくりのすべての工程が当社グループの技術のみで完結できるワンストップソリューションの強みを活かし、「プラスチック成形革命」をキーワードに、金型製造リードタイムの短縮や生産コストの削減に加えて、金属3Dプリンタで製造した金型専用の射出成形機を活用して成形サイクルの短縮を実現してまいります。
さらに、景気動向に左右されにくい事業ポートフォリオ構築を目指し食品機械事業にも注力してまいります。国内市場では、調理麺の品質向上を目的とした設備の導入、海外市場においては膨大な人口と豊かな食文化をもつ中国の存在、日本食ブームの高まりなど、食品機械事業の成長性は非常に高いと言えます。加えて製麺機の技術を応用して、製菓業界や包装米飯・包装惣菜業界など、製麺業界以外にも販売先の拡大を進めております。今後は放電加工機と同様、食品機械業界のリーディングカンパニーとなることを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。
当社グループは従来から放電加工機や射出成形機等をネットワークに接続し活用するアプリケーションソフトウエアを提供してまいりましたが、近年のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やインダストリー4.0(ドイツ政府が推進する製造業の高度化・デジタル化)などの動きを踏まえて、さらなる生産性向上、生産自動化など、様々な取り組みを強化してまいります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
また近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
<景気変動の影響について>
工作機械・産業機械業界の業績は、製造業の設備投資の動向に左右されやすいと言われております。当社グループが、今後成長を継続していくためには、世界各地のマーケットの状況を的確に把握し、その市場にあった製品群を投入することにより、地域経済の景気動向に左右されにくい製品構成にする必要があります。また、製品開発においても、不断の研究開発の結果として、常に最先端技術を応用した新製品を市場に投入することにより、より幅広い顧客層を獲得し、安定した収益構造の構築を目指してまいります。
<新市場への対応について>
当社グループは、成長市場である東南アジア・中国市場において、他社に先駆けて生産・開発拠点や販売拠点の拡充を進めてまいりました。その結果、これらの地域では日本同様の高いマーケットシェアを確保しております。しかし「ものづくり」の世界においても、新興成長国の台頭が見られ、工作機械各社もインドやブラジル、ロシア、東欧などに積極的に販売子会社の設立や代理店へのサポートの強化などを進めています。今後も各市場の動向を注視し、適切な対応を継続してまいります。
<原価低減について>
製造面では、設計の見直しや更なる重要部材の調達コスト削減を推進するとともに、たな卸資産の適正化や生産工程の再検討、市場環境に柔軟に対応できる国際的な調達ルートの確立など、原価管理の厳格化を進める必要があり、収益力強化のため原価低減に向けた取り組みを推進しております。
<財務面について>
平成29年3月末現在で当社グループの有利子負債は、409億53百万円となっております(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)。当期はD / E レシオは0.92倍、連結経常利益率は7.5%となりました。引き続きD / Eレシオ0.5倍以下及び連結経常利益率10%以上の経営数値目標達成に向けて、財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。今後も有利子負債の圧縮を含め様々な施策を行い、株主の皆様に対して継続した利益還元を可能にする強固な財務体質を早期に確立いたします。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項には以下のようなものがあります。当社グループとしては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点はご留意ください。
なお、文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動によるリスク
当社グループの業績は、自動車、家電、精密機器、半導体、航空宇宙分野、医療機器分野、その他の業界の業績、設備投資動向に大きく影響を受ける傾向があります。また、世界同時不況のような状況に陥った場合は、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。
(2)新規事業に関するリスク
当社グループは、上記(1)にあるように製造業の景気動向に業績が左右されやすい構造になっていますので、常に新しい顧客層を取り込む必要があるため、新製品を市場に投入しております。しかし、その新しい製品をお客様に理解して頂き、売上高・利益の増加に貢献するまでには、時間を要する場合があり、そのような場合には、研究開発費、販売促進費などの費用は、その回収に先行して発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替相場の大幅な変動によるリスク
当社グループにおける海外売上高の連結売上高に占める割合は62.7%であり、それぞれの国の経済状況に大きく依存します。また、海外との取引は米ドル、ユーロ、人民元等で決済されており、為替変動によっては、業績に影響を与える場合があります。特に工作機械事業において主要製品の90%以上をタイ国及び中国の現地法人が製造しているため、タイバーツ・中国人民元における対円・対米ドル為替相場の大幅な高騰が発生すると製品の製造コストの増大につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(4)海外事業におけるリスク
上記(3)為替相場の大幅な変動リスクの項目でも挙げましたが、当社グループは主要製品の大半を海外にて生産しており、海外売上高比率も高く、特に中国市場における売上高は30%程度を占めるなど依存度は年々高まっています。当社グループが事業活動を展開する国や地域において、予期しない法律または規制の変更、不測の政治体制または経済政策の変化、テロ・戦争・天災・その他の要因による社会混乱などが発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
(5)法的規制のリスク
当社グループの技術及び製品(以下、「製品等」という)については、外国為替及び外国貿易法の第25条及び第48条により、輸出等が規制されています。当社グループとしては、当社の輸出管理室において製品等が違法に輸出されないよう厳しくチェックしておりますが、万一製品等が懸念される国、需要者等へ違法に販売された場合、法的な制裁や社会的な信用の失墜などで業績に影響を与える可能性があります。
(6)競合に対するリスク
国内外に競合企業が存在するので、他社の技術で当社グループのカバーできる範囲を大きく超えた製品が開発された場合、当社は市場占有率を失う可能性があります。また、当社グループに関しましては、競合他社とは、技術力で差別化する戦略を採っておりますが、他社の値下げ攻勢により、当社グループ製品の販売価格も引き下げざるをえない状況になった場合、利益を圧迫する可能性があります。
(7)仕入れに関するリスク
機械の主要構造体である鉄鋳物や加工タンクなどに使用されるステンレス材、消耗品等に使われる真鍮や銅等の価格の高騰が長期化した場合、当社製品の原価に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、受注の一時的集中や天災等の影響による仕入先の部材供給能力低下などで、部材の需要量が供給量を大きく超えた場合、生産数量の不足から受注機会を損失する可能性があります。
(8)災害に関するリスク
当社グループの工場、事業所などにおいて、万一大きな産業事故や自然災害が発生した場合には、社会的信用の失墜や、補償などを含む事故対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償などによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)有利子負債のリスク
平成29年3月末現在の有利子負債残高は409億53百万円となっております(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)。事業資金の調達及び返済は、金利情勢その他の外的環境に左右されるため、金利が上昇するなどした場合には業績に影響が及ぶ可能性があります。また、当社の業績が著しく悪化した場合には、金融機関からの資金調達が困難になる可能性があります。
当社は、平成28年4月1日開催の取締役会において、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換社債型新株予約権付社債間限定同順位特約付)の発行を決議し、平成28年4月18日に払込が完了しております。
詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
研究開発活動の拠点として、横浜本社技術研修センターに研究開発部門を置き、中国上海、米国カリフォルニア州シリコンバレーに研究開発子会社を開設しております。この世界3極体制のもと、技術研修センターを軸に、機械構造設計開発、放電加工機用電源の開発、放電加工機及びマシニングセンタなどの性能向上の研究を行っております。さらに中国上海、カリフォルニア州シリコンバレーなどの地域性を利用し、各種ソフトウエア開発、CNC装置開発、モーションコントローラ開発などの工作機械の基礎技術となる研究開発を実践しております。
なお、基礎・応用研究には、当社グループの合計で35億18百万円(工作機械事業25億61百万円、産業機械事業3億46百万円、食品機械事業91百万円、その他5億18百万円)の研究開発費を投入いたしました。
当連結会計年度における主な研究開発の成果は、以下のとおりであります。
・リニアモータ駆動ワイヤ放電加工機の開発(工作機械事業)
従来機の加工性能をさらに向上させた、油加工液仕様のリニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「AP450L(oil)」を開発いたしました。総合産業である自動車業界からの要求に応え、超微細精密領域での加工に適しています。また、最新の19型 横型タッチパネルNC装置「SPW電源」を搭載し操作性も向上しています。
・リニアモータ駆動形彫り放電加工機の開発(工作機械事業)
形彫り放電加工機のベストセラーモデル「AGシリーズ」の精密加工向けモデルとしてリニアモータ駆動形彫り放電加工機「AG400LP」を開発しました。放電安定システム「アークレスplus」を搭載することで厳しい加工環境においても放電状態が安定して持続します。高速加工、電極消耗の抑制、梨地から鏡面までの幅広い多彩な加工面質の実現など、性能が格段に向上しています。自動車部品やスマートフォンの金型など、精密加工分野に適しています。
・細穴放電加工機の開発(工作機械事業)
細穴放電加工機「Kシリーズ」の新製品「K3HS」を開発しました。最新の電源を搭載しており、鉄系、超硬合金、銅、アルミ、チタンなど様々な加工材質に対してバリや電食の無い加工ができます。自動車産業、医療機器、電気電子産業等での部品加工において、ドリル加工では困難であった細くて深い穴の加工が可能となります。
・高品位マシニングセンタの開発(工作機械事業)
市場の拡大が加速するスマートフォンやタブレット端末機、自動運転化による自動車部品の高精度化ニーズに対応するため、より微細で精密な金型加工が可能となる高品位マシニングセンタ「UH430LN4X」を開発いたしました。新・NC装置「LN4X」の搭載により、各軸制御サイクルの高速化及び駆動系サーボ応答が向上し、微細精密領域での高品質な仕上げ加工が可能となります。
・精密金属3Dプリンタの開発(工作機械事業)
大型化、多様化する金属3Dプリンタへのニーズに対応するため、2014年10月から販売している「OPM250L」からサイズアップした精密金属3Dプリンタ「OPM350L」を開発しました。最大造形寸法を350×350×350㎜に拡大、レーザーの機能向上により加工速度を向上しています。ヒューム処理能力も大幅に向上し、長時間連続運転ができます。従来機と同等の加工面質、加工精度を実現しつつ、より大型の造形物に対しての加工速度が飛躍的に向上しています。
・金属3Dプリンタ金型専用 射出成形機の開発(産業機械事業)
上記の金属3Dプリンタで造形した金型専用の射出成形機「MR30」を開発しました。3次元冷却配管内蔵の金型を用いることでプラスチック成形品生産における樹脂成形時の冷却効果を最大限に引き出し、成形サイクルの大幅短縮と成形品の変形抑制及び歩留り向上を実現します。また、材料投入タンクや温調装置などの周辺機器を一体で備えております。
・全電動射出成形機の開発(産業機械事業)
高精度成形で独自技術を培ってきたV-LINE®の基本性能をベースとしたエントリーモデルの全電動射出成形機「MS100」を開発しました。可塑化・射出部分及び型締機構の両方にサーボモータを採用することで安定かつハイサイクルな成形が可能となります。また、新・操作パネルの採用により、見やすさを向上させ、さらなる生産性向上と省エネ効果を実現しているのが大きな特徴です。
・アルミニウム合金対応 射出成形機の開発(産業機械事業)
プラスチック射出成形機で培った技術を応用して従来のダイカスト鋳造法の課題を解決し、実用化は困難とされてきたアルミニウム合金用世界初のV-LINE® Direct Castingによる射出成形機「ALM450」を開発しました。アルミニウムを溶かす溶解シリンダと金型に射出する射出シリンダを備えており、溶解と射出の工程を分業化することで、金型に流しこむ金属の量が安定し、正確な成形が効率良く行えます。タブレット端末機やスマートフォンなどIT機器の筐体や、部品の軽量化及びコンパクト化を目指す自動車部品等の市場での需要が見込まれます。
・製麺生地混合装置の開発(食品機械事業)
調理麺の品質向上のためのニーズに対応するため、真空Extruder内蔵製麺生地混合装置「エアロッカー式真空チャンバー」を開発しました。麺生地を混合する過程において、完全に密閉された装置の中で真空処理を行いながら、麺生地を製造することで、従来よりもコシ・歯ごたえがある麺類(十割そば、米麺、生パスタなど)の製造が可能になります。また、医薬品など、食品業界以外への応用展開も見込めます。さらに、フッ素コーティングや着脱可能な内部設計によってメンテナンス性も向上しています。
文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク (1)景気動向が当社グループに与える影響」にあるように、当社グループの業績は、顧客の設備投資意欲に大きく依存する傾向にあります。これをできうる限り回避し、安定した企業経営を行うため、グループ各社において効率性を重視した研究開発投資を行い、従来にない多様な製品・サービスを提供することにより、顧客層を広げ景気変動の業績に対する影響を極力抑えることを経営課題としております。また同様の目的で、景気動向に左右されにくい傾向にある食品機械事業や高い成長性が見込まれるLED照明分野に取り組むなど、事業基盤の安定を図っております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ87億9百万円増加(前年同期比31.9%増)し、当連結会計年度末の残高は360億37百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、83億73百万円(前連結会計年度は65億79百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益41億93百万円、減価償却費26億97百万円、仕入債務の増加24億32百万円等の増加要因によるもので、たな卸資産の増加10億51百万円等で一部相殺されています。
投資活動の結果使用した資金は、21億32百万円(前連結会計年度は27億73百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億48百万円によるものです。
財務活動の結果獲得した資金は、31億34百万円(前連結会計年度は28億54百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入による収入110億円、社債の発行による収入80億円によるものですが、長期借入金の返済による支出116億61百万円、自己株式の取得による支出30億円等で一部相殺されています。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、社債(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)、長期借入金の合計)は409億53百万円であります。
(5)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ95億49百万円増加し、1,092億71百万円となりました。主な増加要因は、現金及び預金が91億83百万円増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ105億97百万円増加し、605億60百万円となりました。主な増加要因は、社債が79億95百万円、支払手形及び買掛金が14億74百万円増加したことなどによるものです。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益36億44百万円を計上したものの、為替換算調整勘定14億30百万円の減少等により、前連結会計年度末に比べ10億47百万円減少し、487億10百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は、44.5%となりました。