文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な雇用環境が継続する中、個人消費も持ち直しつつあり、全体的には緩やかな回復が見られました。海外経済においては、米国経済は雇用環境の改善及び堅調な個人消費が下支えとなり景気は拡大基調が継続しており、欧州経済も個人消費の拡大を背景に堅調に推移しました。一方で、米国新政権の経済政策や英国のEU離脱問題が世界経済に及ぼす影響、今年予定されている欧州各国での国政選挙などの地政学リスクもあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。また、中国及び東南アジア等の新興国では、経済成長の鈍化が継続しています。
当社グループが属する機械業界においては、国内は政府の補助金が一部寄与しましたが全体的には低調に推移しました。北米では、新政権発足により慎重な動きも見られましたが、自動車や航空宇宙の分野を中心に底堅い需要が継続しており、欧州でもドイツを中心に自動車・航空宇宙関連が底堅く推移しています。中国及び東南アジア諸国では、一部回復傾向にありますが、全体としては弱さが見られました。
このような事業環境の中、当社グループでは、11月に東京ビッグサイトにて開催された世界的な工作機械の展示会であるJIMTOF2016に出展し、精密金属3Dプリンタの大型機「OPM350L」及び金属3Dプリンタ専用射出成形機「MR30」による「プラスチック成形革命」の実演に加え、放電加工機や射出成形機の新機種及びIoTを活用したシステムを展示するなど、積極的な営業活動を展開しソディックブランドの強化に取り組みました。
当社グループの業績は、国内では6月に採択されたものづくり補助金の効果が一部あったものの、全体的には低調に推移しました。海外については、北米は自動車・航空宇宙・医療機器関連から好調な受注が続きました。欧州はロシア・トルコ等一部の地域では落ち込みが見られますが、全体では堅調な需要が継続しました。中国では前期末にかけて受注が低迷した結果第1四半期は売上が伸び悩みましたが、高精度機の需要の高まりを受け、昨年の春節以降は受注が好調に推移したほか、例年受注が減速する第3四半期においても高い水準を維持しました。東南アジアでは、上期は厳しい状況が続きましたが、足元では自動車関連を中心に回復基調が見られたほか、スマートフォン関連で高水準な受注が見られました。しかしながら、為替レートが前年同期に比べ円高で推移したこと等により、売上高は減少いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比45億16百万円減(前年同四半期比9.3%減)の442億94百万円となりました。利益面では、営業利益は前年同四半期比12億83百万円減(前年同四半期比27.7%減)の33億46百万円、経常利益は前年同四半期比14億92百万円減(前年同四半期比34.3%減)の28億64百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期比9億31百万円減(前年同四半期比27.2%減)の24億88百万円となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
工作機械事業 …工作機械事業の設備投資需要は、国内においては、6月に採択されたものづくり補助金の効果もあり、一部自動車関連から堅調な需要が見られましたが、総じて自動車・スマートフォン関連で低調な結果となりました。海外においては、北米では自動車、航空宇宙、医療機器関連からの好調な需要が継続しているのに加え、今まで低迷していたエネルギー関連も足元では回復基調にあります。欧州においては、ロシアやトルコ等で落ち込みが見られましたが、ドイツ、イギリス、イタリアを中心に自動車、航空宇宙関連からの需要が引き続き堅調でした。中国では自動車及びスマートフォン関連からの高精度機需要の高まりを受け、昨年の春節以降好調な受注が続いており、例年受注が減速する第3四半期においても高水準の受注が継続しています。アジアでは韓国は依然として需要が低迷していますが、タイやインドネシアなどでは自動車関連を中心に足元では受注が回復傾向にあります。しかし為替レートが前年同期に比べ円高に推移した結果、当事業の売上高は前年同四半期比49億58百万円減(13.6%減)の316億30百万円となりました。
産業機械事業 …産業機械の設備投資需要は、国内では車載用コネクタやスマートフォン関連の電子部品やレンズなど、高付加価値部品向けに高精度射出成形機の需要が継続しました。海外においても、北米の医療機器・自動車関連が堅調を維持したほか、中国及びアジア地域ではスマートフォンのレンズや防水対応用のシリコーン成形など、自動車及びスマートフォン関連から旺盛な需要があり、第3四半期以降足元では過去最高水準の受注が継続しています。以上の結果、当事業の売上高は前年同四半期比1億77百万円減(2.8%減)の61億11百万円となりました。
食品機械事業 …食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラント及びその応用製品などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っております。国内においては、コンビニエンスストアやスーパーマーケット及び外食チェーン店向けを中心に、より高品質な調理麺の製造を目的とした設備需要が継続しているほか、製菓業界や包装米飯・包装惣菜業界からも需要が増加しています。海外においても、日本食ブームの影響等を受け、中国でのロングライフ麺やアメリカでの冷凍麺製造設備等の需要が見られました。以上の結果、当事業の売上高は前年同四半期比2億19百万円増(10.8%増)の22億53百万円となりました。
その他 …その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業、当社製品などのリース事業から構成されております。精密金型・精密成形事業は引き続き自動車関連からの需要が堅調だったほか、リニアモータ及びセラミックスの外販も好調でした。以上の結果、当事業の売上高は前年同四半期比3億99百万円増(10.2%増)の42億99百万円となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、27億73百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては内外の市場動向が挙げられます。国内市場においては、引き続き、日銀の金融緩和政策や政府の補助金政策のほか、老朽化設備の更新需要などもあり、今後も継続した需要が見込まれます。海外市場においては、北米及び欧州では自動車及び航空宇宙関連の需要は堅調に推移しており、足元では総じて緩やかな回復が見込まれています。また、米国新政権による減税、規制緩和、インフラ投資などが期待される一方、自由貿易協定の見直しなど世界経済に及ぼす影響が懸念されるほか、英国のEU離脱問題、欧州各地での国政選挙など不確定要素があり、さらに原油をはじめとする資源価格の動向や欧州・中東等での地政学リスク、米国での追加利上げに伴う為替変動リスクなどもあり依然として先行きは不透明は状況にあります。中国及び東南アジア等の新興国市場では、中国の成長率鈍化の影響もあり、総じて減速感が見られますが、人件費の高騰や自動化対応のための高精度機の需要は増加していくと予想されます。
こうした中、工作機械事業及び産業機械事業におきましては、日本・欧米などの成熟市場と中国市場、東南アジアはじめとする新興国市場それぞれに応じた事業展開を推進しております。成熟市場においては、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守メンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器及び消耗品の販売強化を図ります。中国市場及び新興国市場においては、景気減速の影響もあり、価格競争が激化しております。その状況の中で、新興国市場のニーズを反映した低価格機種の開発、販売を強化するとともに、拠点整備などを推進し、収益力の確保を図っています。当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。
また、次世代のものづくりを担う金属3Dプリンタを新たな成長ドライバーに事業の拡大を図っております。金属3Dプリンタにおいて、加工速度・加工精度の向上、製品ラインナップの拡充、対応する金属粉の種類の充実など、研究開発に力を入れ、販売を強化しています。2016年4月からは日本、中国及びその他アジア地域に加え、金属3Dプリンタの先行市場である欧米地域での営業活動を開始いたしました。さらにまた、大型機「OPM350L」の開発により、金型だけでなく部品加工の分野まで裾野を広げることでさらなる需要の創造、拡大を目指してまいります。さらに、ものづくりのすべての工程が当社グループの技術のみで完結できるワンストップソリューションの強みを活かし、「プラスチック成形革命」をキーワードに、金型製造リードタイムの短縮や生産コストの削減に加えて、金属3Dプリンタで製造した金型専用の射出成形機を活用して成形サイクルの短縮を実現してまいります。
さらに、景気動向に左右されにくい事業ポートフォリオ構築を目指し食品機械事業にも注力してまいります。国内市場では、調理麺の品質向上を目的とした設備の導入、海外市場においては膨大な人口と豊かな食文化をもつ中国の存在、日本食ブームの高まりなど、食品機械事業の成長性は非常に高いと言えます。さらには製麺機の技術を応用して、製菓業界や包装米飯・包装惣菜業界など、製麺業界以外にも需要先の拡大を進めております。今後は放電加工機と同様、食品機械業界のリーディングカンパニーとなることを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。
当社グループは従来から放電加工機や射出成形機等をネットワークに接続し活用するアプリケーションソフトウエアを提供してまいりましたが、近年のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やインダストリー4.0(ドイツ政府が推進する製造業の高度化・デジタル化)などの動きを踏まえて、さらなる生産性向上、生産自動化など、様々な取り組みを強化してまいります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
また近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。