当社は平成29年6月29日開催の第41回定時株主総会で「定款一部変更の件」が承認されたことを受け、平成29年度より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。従いまして、決算期変更の経過期間となる当連結会計年度については、当社並びに3月決算の連結子会社及び持分法適用関連会社は9ヶ月(平成29年4月1日~平成29年12月31日)、12月決算の連結子会社は12ヶ月(平成29年1月1日~平成29年12月31日)を連結対象期間とした変則的な決算となっております。12月決算の連結子会社は中国の連結子会社7社が該当します。このため、対前連結会計年度増減については記載しておりません。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出増加を背景とした好調な企業業績に加え、雇用環境の改善により個人消費も回復基調を維持するなど、総じて緩やかな回復が見られました。海外経済においては、米国政権の政策や欧州の政治情勢、北朝鮮情勢の緊迫化などに対する懸念は依然として残るものの、米国経済は雇用環境の改善や堅調な個人消費、企業業績の回復が下支えとなり堅調に推移したほか、欧州でも輸出の緩やかな増加及び個人消費の拡大を受け、景気回復が継続しました。中国経済は政府によるインフラ投資の拡大や輸出の増加等により底堅く推移しました。アジア経済についても地域ごとに濃淡はありますが総じて回復基調が継続しました。
当社グループが属する機械業界においては、国内では自動車、半導体、電子部品関連を中心に旺盛な需要が継続したことに加え、米国及び欧州でも自動車、航空宇宙関連からの需要が好調に推移しました。中国ではスマートフォン関連で旺盛な需要が見られたほか、自動車、電子部品、産業機械向けなど幅広い業種において設備投資需要が見られ、アジアも回復基調が続きました。
このような事業環境の中、当社グループでは、名古屋で開催されたメカトロテック2017にて金属3Dプリンタ「OPM350L」及び金属3Dプリンタで造形した金型専用の射出成形機「MR30」による「プラスチック成形革命」の実演を行ったほか、ドイツで開催された世界的な工作機械展示会「EMO 2017」にて、大型の金型加工・部品加工に適したワイヤ放電加工機の新機種「ALC800G」を世界初出展するなど、積極的な営業活動を展開しました。またIPF2017(国際プラスチックフェア)においては、最新鋭の全電動射出成形機の展示に加え、成形機への金型の装着から材料乾燥・供給、成形品の製造、金型交換までを完全無人化・自動化を実現できるシステム「ICF-V」を展示し、射出成形のIoTを具現化したスマートファクトリーを提案いたしました。また、研究開発においては、自動車、航空宇宙、エネルギー、電気電子関連等の大型金型及び大型部品加工に対応したリニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「AL800G」を開発いたしました。また、射出可塑化装置を電動化した全電動射出成形機「MSシリーズ」に、精密な小物成形品に対応する「MS50」、自動車部品などのより大きな成形品に対応する「MS200」を加え、新興国などのボリュームゾーンでの販売拡大、シェア拡大を図るためラインナップを拡充しました。食品機械事業でも、製麺装置の技術を応用した無菌包装米飯装置を開発するなど、各事業において積極的な研究開発を行いました。
また、足元の需要増加に対応するため生産体制の強化を進めております。国内では、加賀事業所において市場の変化に柔軟に対応する生産体制を構築するため、放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機など、多種多様な製品の生産が可能なマルチファクトリーの建設に着工しました。また、福井にある物流センターを同敷地内に移転することにより梱包・輸送効率を高め、コスト削減を進めます。海外では、タイの第2工場を増設し、増産体制の構築を進めております。また、金属3Dプリンタ関連の研究開発、新電源、新世代CNC等の新たな要素技術の開発、次世代技術の開発を強化するために横浜本社に研究開発棟を建設しているほか、米国販社は新社屋に移転し、北米市場での営業活動を強化しております。
当社グループの業績は、国内ではものづくり補助金の影響もあり自動車、スマートフォン、半導体関連からの需要が堅調でした。北米では、自動車、航空宇宙、医療機器関連は一服感が見られましたが期末にかけて回復の兆しが見られました。欧州はロシア・トルコ等の一部の地域には停滞感が見られた一方、ドイツ、イタリアを中心に自動車、航空宇宙関連からの需要が堅調でした。中国ではものづくりの高度化及び自動化対応等の影響を受け高精度機の需要が拡大していることに加え、政府の補助金政策も後押しとなり受注・販売共に好調に推移しました。アジア地域においても自動車、スマートフォン、半導体関連などで回復基調が見られました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高656億4百万円、営業利益74億90百万円、経常利益79億10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は57億36百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
〔売上高の内訳〕 (単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成29年12月31日) |
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工作機械事業 |
43,355 |
47,559 |
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産業機械事業 |
9,366 |
9,981 |
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食品機械事業 |
3,429 |
3,467 |
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その他 |
5,661 |
4,596 |
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売上高 合計 |
61,812 |
65,604 |
〔セグメント利益の内訳〕 (単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成29年12月31日) |
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工作機械事業 |
6,213 |
7,478 |
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産業機械事業 |
617 |
976 |
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食品機械事業 |
159 |
178 |
|
その他 |
859 |
847 |
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調整額 |
△2,614 |
△1,991 |
|
営業利益 合計 |
5,236 |
7,490 |
※当連結会計年度は決算期変更の経過期間となり、9ヶ月間の変則決算となっております。そのため、対前期比増減については記載しておりません。
<工作機械事業>
主に放電加工機の製造・販売、その保守サービスや消耗品の販売を行っております。
当社の最大市場である中国において、ものづくりの高度化や自動化対応、中国政府の補助金政策の影響により、電動化が進む自動車関連や高機能化するスマートフォン関連を中心に受注、販売共に期初計画を大きく上回り業績を牽引しました。足元では、需要急増による主要部材の供給不足等もあり、生産の遅れや納期の長期化など一部影響が見られましたが、中国では例年受注が減速する秋口以降においても幅広い産業から旺盛な需要が継続しています。北米では需要にやや一服感がある一方、日本ではものづくり補助金の影響が追い風となったほか、欧州でもドイツ、イタリアを中心に、自動車、航空宇宙関連が引き続き堅調に推移しました。その他アジア地域も、自動車、半導体関連が回復基調にあります。上記の結果、当事業の売上高は475億59百万円、セグメント利益は74億78百万円となりました。
<産業機械事業>
主に射出成形機の製造・販売、その保守サービスや消耗品の販売を行っております。
日本、中国、アジアを中心に車載用コネクタやセンサー部品のほか、スマートフォン及び車載カメラ用光学レンズなど高付加価値部品向けの需要が堅調でした。また、スマートフォンの防水機能強化のためのシリコーン成形機の需要も底堅く推移した結果、当事業の売上高は99億81百万円、セグメント利益は9億76百万円となりました。
<食品機械事業>
各種製麺機、麺製造プラントなどの開発・製造・販売、その保守サービスを行っております。
高品質な調理麺の製造設備需要が引き続き堅調であったほか、健康志向の高まりによる豆腐麺などユニークな麺製造向けや、製麺設備の一部を応用した包装米飯製造装置の需要も見られました。また、省人化、衛生面の向上を目的とした自動化設備の需要も拡大しています。複数の案件で検収が遅れていたため、第2四半期までの売上高は低調に推移しておりましたが、第3四半期において検収が進んだ結果、売上高は34億67百万円となりました。
一方、セグメント利益については、新製品立ち上げコストが一時的に発生したことにより1億78百万円となりました。
<その他>
精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業、放電加工機、マシニングセンタ及び射出成形機などのリース事業から構成されております。
精密金型・精密成形事業は、自動車関連から旺盛な需要が継続したほか、活況な半導体製造装置向けにセラミックスの販売も好調に推移した結果、売上高は45億96百万円、セグメント利益は8億47百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ37百万円増加し、当連結会計年度末の残高は360億75百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、45億22百万円(前連結会計年度は83億73百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益77億72百万円、減価償却費23億60百万円、仕入債務の増加17億45百万円などの増加要因によるもので、売上債権の増加42億38百万円、たな卸資産の増加41億16百万円などで一部相殺されています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、47億15百万円(前連結会計年度は21億32百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出42億13百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億39百万円(前連結会計年度は31億34百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出82億44百万円、配当金の支払による支出9億39百万円などによるものですが、長期借入による収入87億31百万円などで一部相殺されています。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (平成29年4月1日~平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
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工作機械事業 |
48,420 |
- |
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産業機械事業 |
11,502 |
- |
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食品機械事業 |
3,429 |
- |
|
報告セグメント計 |
63,353 |
- |
|
その他 |
6,020 |
- |
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合計 |
69,374 |
- |
(注)1.金額は、販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
3.上記の金額には、サービス売上等の生産を伴わないものは含めておりません。
4.当連結会計年度(平成29年12月期)は、決算期変更により変則的な決算となっております。このため、対前年同期比については記載しておりません。
(2)受注状況
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
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工作機械事業 |
43,551 |
- |
12,213 |
- |
|
産業機械事業 |
8,164 |
- |
2,647 |
- |
|
食品機械事業 |
5,389 |
- |
5,797 |
- |
|
合計 |
57,105 |
- |
20,658 |
- |
(注)1.上記の金額には、サービス・消耗品等の受注は含まれておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
3.当連結会計年度(平成29年12月期)は、決算期変更により変則的な決算となっております。このため、対前年同期比については記載しておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (平成29年4月1日~平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
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工作機械事業 |
47,632 |
- |
|
産業機械事業 |
10,168 |
- |
|
食品機械事業 |
3,467 |
- |
|
報告セグメント計 |
61,267 |
- |
|
その他 |
7,230 |
- |
|
計 |
68,498 |
- |
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調整額 |
△2,893 |
- |
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合計 |
65,604 |
- |
(注)1.金額にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
3.当連結会計年度(平成29年12月期)は、決算期変更により変則的な決算となっております。このため、対前年同期比については記載しておりません。
文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、最高の製品を提供し、お客様の「ものづくり」をサポートすることによって、社会の発展に貢献することを基本方針としており、社名の由来である「創造(SO)」「実行(DI)」「苦労、克服(C,K)」の理念の下、お客様と共に困難な問題を解決することによって、お客様に信頼して頂くことが企業の継続的発展のために最も重要なことと考えております。
当社グループは、現在までその中で培った貴重な経験を集約して、新たな技術・製品を開発することにより、多くのビジネスチャンスを見つけてまいりました。
今後におきましてもこの企業理念を守り、技術的優位性が高く、お客様に資する製品の開発に努め、収益力の強化につながるよう、グループ全社を挙げて取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、中長期的な株主の皆様への利益還元と、財務体質の強化を重視しており、その前提となる経営指標は、連結経常利益率とD/Eレシオを採用しております。当連結会計年度においては、連結経常利益率12.1%、D/Eレシオ0.84倍となりました。連結経常利益率につきましては、目標を達成いたしましたが、D/Eレシオにつきましては、下記の数値目標を早期に達成できるよう努めてまいります。
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区 分 |
数値目標 |
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連結経常利益率 |
10%以上 |
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D/Eレシオ |
0.5倍以下 |
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業領域は、放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機、食品機械、これら当社製の機械装置を使用して精密な金型や成形品を製造する事業及びファインセラミックス部材、リニアモータなど当社グループの製品を製造するために開発した技術を使用した応用機器の外部販売など、「ものづくり」に関係する多岐に渡るビジネスを展開しております。
当社グループでは「未来を創る」をコンセプトとして、お客様の「ものづくり」のお手伝いをする中で培ったコア技術を応用することによりお客様が必要とされる生産財を一貫して提供できる体制を整えること、組織の再編を通じて経営資源の最適化を図ることにより、収益力の一層の強化を図っております。また、中長期的な成長を実現するため中長期計画を策定し、経営基盤の強化に努めております。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては内外の市場動向が挙げられます。米国の通商政策及び欧州の政治情勢、東アジアでの地政学リスクのほか、欧米等での金利引き上げに伴う為替変動リスクなどが懸念されるものの、グローバルにものづくりが発展していく中で、設備投資需要は継続的に拡大していくものと見ています。その中でも、当社の主要な仕向け先である自動車産業における軽量化への対応、電装化、次世代自動車へのシフトに加え、スマートフォンの高機能化の動きもあり、高精度機のニーズはさらに高まっていくことが予想されます。
こうした中、工作機械事業及び産業機械事業におきましては、日本・欧米などの成熟市場と中国市場、東南アジアをはじめとする新興国市場それぞれに応じた事業展開を推進しております。成熟市場においては、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守メンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器及び消耗品の販売強化を図ってまいります。中国市場及び新興国市場においては、市場のニーズを反映した低価格機種の開発、販売を強化するとともに、拠点整備などを推進し、収益力の確保を図っております。当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。
また、次世代のものづくりを担う金属3Dプリンタを新たな成長ドライバーに事業の拡大を図っております。金属3Dプリンタにおいて、加工速度・加工精度の向上、製品ラインナップの拡充、対応する金属粉の種類の充実など、研究開発に力を入れ、販売を強化しています。2016年4月からは日本、中国及びその他アジア地域に加え、金属3Dプリンタの先行市場である欧米地域での営業活動を開始いたしました。さらにまた、大型機「OPM350L」の開発により、金型だけでなく部品加工の分野まで裾野を広げることでさらなる需要の創造、拡大を目指してまいります。さらに、ものづくりのすべての工程が当社グループの技術のみで完結できるワンストップソリューションの強みを活かし、「プラスチック成形革命」をキーワードに、金型製造リードタイムの短縮や生産コストの削減に加えて、金属3Dプリンタで製造した金型専用の射出成形機「MR30」を活用して成形サイクルの短縮を実現してまいります。
さらに、景気動向に左右されにくい事業ポートフォリオ構築を目指し食品機械事業にも注力してまいります。国内市場では、調理麺の品質向上を目的とした設備の導入、海外市場においては膨大な人口と豊かな食文化をもつ中国の存在、日本食ブームの高まりなど、食品機械事業の成長性は非常に高いと言えます。加えて製麺機の技術を応用して、製菓業界や包装惣菜業界など製麺業界以外への展開や新たに立ち上げた包装米飯製造装置の国内外での販売先の拡大を進めております。今後は放電加工機と同様、食品機械業界のリーディングカンパニーとなることを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。
当社グループは従来から放電加工機や射出成形機等をネットワークに接続し活用するアプリケーションソフトウエアを提供してまいりましたが、近年のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やインダストリー4.0(ドイツ政府が推進する製造業の高度化・デジタル化)などの動きを踏まえ様々な取り組みを推進しています。当社では、金属3Dプリンタで造形した金型専用の射出成形機「MR30」を用いた金型の自動交換システム「ICF-V」を開発し、射出成形のIoTを具現化したスマートファクトリーを提案しています。成形機への金型の装着から材料乾燥・供給、成形品の製造、金型交換までを完全無人化・自動化を実現できるシステムであり、ネットワークに接続された機械の各情報を活用し、監視、保守、制御、分析することで、工程の見える化を実現できます。今後もさらなる生産性向上、生産自動化など、様々な取り組みを強化してまいります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
また近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
<景気変動の影響について>
工作機械・産業機械業界の業績は、製造業の設備投資の動向に左右されやすいと言われております。当社グループが、今後成長を継続していくためには、世界各地のマーケットの状況を的確に把握し、その市場にあった製品群を投入することにより、地域経済の景気動向に左右されにくい製品構成にする必要があります。また、製品開発においても、不断の研究開発の結果として、常に最先端技術を応用した新製品を市場に投入することにより、より幅広い顧客層を獲得し、安定した収益構造の構築を目指してまいります。
<新市場への対応について>
当社グループは、成長市場である東南アジア・中国市場において、他社に先駆けて生産・開発拠点や販売拠点の拡充を進めてまいりました。その結果、これらの地域では日本同様の高いマーケットシェアを確保しております。しかし「ものづくり」の世界においても、新興成長国の台頭が見られ、工作機械各社もインドやブラジル、ロシア、東欧などに積極的に販売子会社の設立や代理店へのサポートの強化などを進めています。今後も各市場の動向を注視し、適切な対応を継続してまいります。
<原価低減について>
製造面では、設計の見直しや更なる重要部材の調達コスト削減を推進するとともに、たな卸資産の適正化や生産工程の再検討、市場環境に柔軟に対応できる国際的な調達ルートの確立など、原価管理の厳格化を進める必要があり、各事業において収益力強化のため原価低減に向けた取り組みを推進しております。
<財務面について>
平成29年12月末現在で当社グループの有利子負債は、417億4百万円となっております(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)。当期はD / E レシオは0.84倍、連結経常利益率は12.1%となりました。連結経常利益率については、経営数値目標である10%以上を達成いたしましたが、D / Eレシオについては、0.5倍以下の目標達成に向けて、引き続き財務バランスを意識した経営に取り組んでまいります。今後も有利子負債の圧縮を含め様々な施策を行い、株主の皆様に対して継続した利益還元を可能にする強固な財務体質を早期に確立いたします。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項には以下のようなものがあります。当社グループとしては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点はご留意ください。
なお、文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動によるリスク
当社グループの業績は、自動車、家電、精密機器、半導体、航空宇宙分野、医療機器分野、その他の業界の業績、設備投資動向に大きく影響を受ける傾向があります。また、世界同時不況のような状況に陥った場合は、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。
(2)新規事業に関するリスク
当社グループは、上記(1)にあるように製造業の景気動向に業績が左右されやすい構造になっておりますので、常に新しい顧客層を取り込む必要があるため、新製品を市場に投入しております。しかし、その新しい製品をお客様に理解して頂き、売上高・利益の増加に貢献するまでには、時間を要する場合があり、そのような場合には、研究開発費、販売促進費などの費用は、その回収に先行して発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替相場の大幅な変動によるリスク
当社グループにおける海外売上高の連結売上高に占める割合は60%以上あり、それぞれの国の経済状況に大きく依存します。また、海外との取引は米ドル、ユーロ、人民元等で決済されており、為替変動によっては、業績に影響を与える場合があります。特に工作機械事業において主要製品の90%以上をタイ国及び中国の現地法人が製造しているため、タイバーツ・中国人民元における対円・対米ドル為替相場の大幅な高騰が発生すると製品の製造コストの増大につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります
(4)海外事業におけるリスク
上記(3)為替相場の大幅な変動によるリスクの項目でも挙げましたが、当社グループは主要製品の大半を海外にて生産しており、海外売上高比率も高く、特に中国市場における売上高は30%以上を占めるなど依存度は年々高まっています。当社グループが事業活動を展開する国や地域において、予期しない法律または規制の変更、不測の政治体制または経済政策の変化、テロ・戦争・天災・その他の要因による社会混乱などが発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
(5)法的規制のリスク
当社グループの技術及び製品(以下、「製品等」という)については、外国為替及び外国貿易法の第25条及び第48条により、輸出等が規制されています。当社グループとしては、当社の輸出管理室において製品等が違法に輸出されないよう厳しくチェックしておりますが、万一製品等が懸念される国、需要者等へ違法に販売された場合、法的な制裁や社会的な信用の失墜などで業績に影響を与える可能性があります。
(6)競合に対するリスク
国内外に競合企業が存在するので、他社の技術で当社グループのカバーできる範囲を大きく超えた製品が開発された場合、当社は市場占有率を失う可能性があります。また、当社グループに関しましては、競合他社とは、技術力で差別化する戦略を採っておりますが、他社の値下げ攻勢により、当社グループ製品の販売価格も引き下げざるをえない状況になった場合、利益を圧迫する可能性があります。
(7)仕入れに関するリスク
機械の主要構造体である鉄鋳物や加工タンクなどに使用されるステンレス材、消耗品等に使われる真鍮や銅等の価格の高騰が長期化した場合、当社製品の原価に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、受注の一時的集中や天災等の影響による仕入先の部材供給能力低下などで、部材の需要量が供給量を大きく超えた場合、生産数量の不足から受注機会を損失する可能性があります。
(8)災害に関するリスク
当社グループの工場、事業所などにおいて、万一大きな産業事故や自然災害が発生した場合には、社会的信用の失墜や、補償などを含む事故対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償などによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)有利子負債のリスク
平成29年12月末現在の有利子負債残高は417億4百万円となっております(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)。事業資金の調達及び返済は、金利情勢その他の外的環境に左右されるため、金利が上昇するなどした場合には業績に影響が及ぶ可能性があります。また、当社の業績が著しく悪化した場合には、金融機関からの資金調達が困難になる可能性があります。
当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
シンジケートローンの概要
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(1) |
融資枠設定金額 |
80億円 |
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(2) |
借入人 |
株式会社ソディック |
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(3) |
契約日 |
平成29年9月29日 |
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(4) |
契約満了日 |
平成33年9月30日 |
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(5) |
借入形態 |
コミットメントライン |
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(6) |
資金使途 |
事業資金(株式取得資金を除く) |
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(7) |
アレンジャー |
株式会社三井住友銀行 |
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(8)
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コ・アレンジャー
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株式会社みずほ銀行 株式会社横浜銀行 |
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(9) |
エージェント |
株式会社三井住友銀行 |
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(10) |
貸付人 |
株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社横浜銀行 株式会社三菱東京UFJ銀行 |
研究開発活動の拠点として、横浜本社技術研修センターに研究開発部門を置き、中国上海、米国カリフォルニア州シリコンバレーに研究開発子会社を開設しております。この世界3極体制のもと、技術研修センターを軸に、機械構造設計開発、放電加工機用電源の開発、放電加工機及びマシニングセンタなどの性能向上の研究を行っております。さらに中国上海、カリフォルニア州シリコンバレーなどの地域性を利用し、各種ソフトウエア開発、CNC装置開発、モーションコントローラ開発などの工作機械の基礎技術となる研究開発を実践しております。
なお、基礎・応用研究には、当社グループの合計で33億44百万円(工作機械事業24億96百万円、産業機械事業3億26百万円、食品機械事業62百万円、その他4億58百万円)の研究開発費を投入いたしました。
当連結会計年度における主な研究開発の成果は、以下のとおりであります。
・リニアモータ駆動 大型ワイヤ放電加工機の開発(工作機械事業)
精密金型、精密部品加工分野において好評を頂いておりますワイヤ放電加工機 「ALシリーズ」の大型モデルとして「AL800G」「ALN800G」を開発いたしました。自動車及び電気関連の大型金型や自動車、航空宇宙、エネルギー関連等の大型部品の加工に適しております。また、「Sodick IoT」を標準対応しており、インターネットを活用した次世代のものづくりをサポートします。さらに、先進的な環境対応型機械として独創的なフルカバースタイルを採用しており、グローバル規格に準拠しています。
・全電動射出成形機の開発(産業機械事業)
高精度成形で独自技術を培ってきたV-LINE®の基本性能をベースとし、射出可塑化装置を電動化したeV-LINEを搭載した全電動射出成形機MSシリーズの新モデル「MS50」及び「MS200」を開発いたしました。昨年リリースした型締め力100トンの「MS100」に、より精密な小物成形品に対応する型締め力50トンの「MS50」及び自動車部品などのより大きな成形品に対応する型締め力200トンの「MS200」を加えラインナップを拡充しました。新興国などのボリュームゾーンをターゲットに販売拡大、シェア拡大を目指します。
・金型自動交換システムの開発(産業機械事業)
金属3Dプリンタで造形した金型専用の射出成形機「MR30」を用いた金型の自動交換システム「ICF-V」を開発しました。成形機への金型の装着から材料乾燥・供給、成形品の製造、金型交換までを完全無人化・自動化を実現できるシステムです。ネットワークに接続された機械の各情報を活用し、監視、保守、制御、分析することで、工程の見える化を実現できます。
・無菌包装米飯製造装置(食品機械事業)
製麺装置の技術を応用し、無菌包装米飯製造装置を開発いたしました。高温高圧でお米を調理でき、家庭で炊いたようなふっくらとした炊き上がりが実現できます。自動ラインでの連続的な生産により生産効率が向上するほか、高い安全性を確保できます。個食化の進展や簡便調理のニーズ拡大、災害時の備蓄用として、国内外において包装米飯の需要が高まっており、今後の市場拡大が期待できます。
文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク (1)景気変動によるリスク」にあるように、当社グループの業績は、顧客の設備投資意欲に大きく依存する傾向にあります。これをできうる限り回避し、安定した企業経営を行うため、グループ各社において効率性を重視した研究開発投資を行い、従来にない多様な製品・サービスを提供することにより、顧客層を広げ景気変動の業績に対する影響を極力抑えることを経営課題としております。また同様の目的で、景気動向に左右されにくい傾向にある食品機械事業や高い成長性が見込まれるLED照明分野に取り組むなど、事業基盤の安定を図っております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ37百万円増加し、当連結会計年度末の残高は360億75百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、45億22百万円(前連結会計年度は83億73百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益77億72百万円、減価償却費23億60百万円、仕入債務の増加17億45百万円などの増加要因によるもので、売上債権の増加42億38百万円、たな卸資産の増加41億16百万円などで一部相殺されています。
投資活動の結果使用した資金は、47億15百万円(前連結会計年度は21億32百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出42億13百万円などによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、4億39百万円(前連結会計年度は31億34百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出82億44百万円、配当金の支払による支出9億39百万円などによるものですが、長期借入による収入87億31百万円などで一部相殺されています。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、社債(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)、長期借入金の合計)は417億4百万円であります。
(5)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ125億43百万円増加し、1,218億15百万円となりました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金が37億31百万円、建設仮勘定が18億4百万円、原材料及び貯蔵品が17億88百万円増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ60億87百万円増加し、666億48百万円となりました。主な増加要因は、その他の流動負債が21億72百万円、長期借入金が23億39百万円増加したことなどがあげられます。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ64億55百万円増加し、551億66百万円となりました。主な増加要因は、利益剰余金が47億79百万円増加したことなどがあげられます。以上の結果、自己資本比率は、45.2%となりました。