文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、足元では輸出や生産にやや弱さが見られるものの、雇用・所得環境や企業収益の改善等により、景気は緩やかな回復基調が継続しました。海外経済においては、米国経済は雇用環境の改善や堅調な個人消費もあり堅調に推移した一方で、欧州では輸出及び個人消費の減少により、景気の減速が継続しており、中国も米国との貿易摩擦の影響により輸出が鈍化するなど景気減速が継続しました。アジア経済については地域ごとに濃淡はありますが概ね横ばいに推移しました。しかしながら、米中の通商政策の影響、欧州の政治情勢、金融市場の変動などの懸念材料もあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような事業環境の中、当社グループでは、世界各地の展示会に出展しソディックブランドの強化に取り組みました。成長市場であるインドにおいては、1月に同国最大の工作機械展であるIMTEX 2019に出展し、販売拡大に向け当社製品群をアピールしたほか、3月に台湾にて開催された台北国際工作機械見本市(TIMTOS 2019)では、金属3Dプリンタの多様化するニーズに対応すべく高速造形を可能にした金属3Dプリンタ「LPM325」を展示するなど台湾でのシェア拡大に向け積極的な営業活動を展開しました。
営業体制の強化を進めており、シンガポールに金属3Dプリンタを活用した最先端ものづくりをサポートするテクノ・センターを設立しました。最先端技術による金型製作の受託加工、コンサルティング・販売サポート・保守サービスなど顧客のバックアップ体制を整え、シンガポール国内及びアジア地域における金属3Dプリンタの普及拡大を目指します。さらに、英国の営業拠点でもテクニカルセンターの機能を含めた新社屋の建設など、各地域での販売力の強化に努めています。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高188億28百万円(前年同四半期比2.4%増)、営業利益20億93百万円(前年同四半期比6.0%減)、経常利益21億68百万円(前年同四半期比11.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益14億60百万円(前年同四半期比10.2%増)となりました。
セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
〔売上高の内訳〕 (単位:百万円)
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前第1四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年3月31日) |
当第1四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年3月31日) |
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工作機械事業 |
13,366 |
13,362 |
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産業機械事業 |
2,424 |
2,320 |
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食品機械事業 |
1,005 |
1,776 |
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その他 |
1,588 |
1,369 |
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売上高 合計 |
18,385 |
18,828 |
〔セグメント利益の内訳〕 (単位:百万円)
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前第1四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年3月31日) |
当第1四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年3月31日) |
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工作機械事業 |
2,361 |
2,191 |
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産業機械事業 |
148 |
80 |
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食品機械事業 |
68 |
336 |
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その他 |
308 |
△7 |
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調整額 |
△660 |
△507 |
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営業利益 合計 |
2,227 |
2,093 |
<工作機械事業>
当社の最大市場である中国では、米中貿易摩擦による投資判断の先送りなどにより、昨年秋口以降受注が減速していた影響で、販売は伸び悩みましたが、足元では5G対応に向けた設備投資含め、需要は総じて回復傾向にあります。北米の自動車関連では一部慎重さが見られましたが、航空宇宙及び医療関係が堅調だったほか、国内でも自動車関連での大口案件を含め、底堅く推移しました。また、その他アジア地域も、タイ、インド、ベトナム、マレーシアなどは自動車関連を中心に堅調に推移しました。一方で、欧州の自動車関連ではやや力強さを欠く結果となりました。
上記の結果、当事業の売上高は133億62百万円(前年同四半期比0.0%減)、セグメント利益は、工場の稼働率低下等により、21億91百万円(前年同四半期比7.2%減)となりました。
<産業機械事業>
コネクタやセンサー部品など自動車関連の需要は、国内を中心に引き続き堅調に推移しました。北米についても、医療機器関連を中心に堅調な需要が継続しました。スマートフォン関連は中国やアジア地域で依然として一服感が見られましたが、政府の景気対策効果や5G対応に向けたインフラ整備に関する需要が出始めています。
上記の結果、当事業の売上高は23億20百万円(前年同四半期比4.3%減)、セグメント利益は、研究開発費の増加等により、80百万円(前年同四半期比46.0%減)となりました。
<食品機械事業>
食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラント、包装米飯製造装置などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っております。高品質な調理麺の製造設備需要が引き続き堅調に推移したほか、包装米飯製造装置の需要も国内外で増加しています。国内において、付加価値の高い製麺設備の販売が見られた結果、当事業の売上高は17億76百万円(前年同四半期比76.7%増)、セグメント利益は3億36百万円(前年同四半期比388.0%増)と高い収益性を確保しました。
<その他>
その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業、放電加工機、マシニングセンタ及び射出成形機などのリース事業から構成されております。精密金型・精密成形事業は、自動車関連で一服感が見られたほか、セラミックスの販売も半導体製造装置向けが減速した結果、当事業の売上高は13億69百万円(前年同四半期比13.8%減)、セグメント損失は7百万円(前年同四半期はセグメント利益3億8百万円)となり、中長期的な成長に向けた研究開発及び設備への先行投資により収益性は悪化しました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して、9億5百万円減少し、1,181億77百万円となりました。主な減少要因としては、その他の流動資産の減少13億42百万円、現金及び預金の減少13億17百万円などがあげられますが、受取手形及び売掛金の増加18億9百万円などにより一部相殺されております。
また、負債につきましては前連結会計年度末と比較して、23億12百万円減少し、586億40百万円となりました。主な減少要因としては、その他の流動負債の減少21億5百万円などがあげられます。
純資産につきましては前連結会計年度末と比較して、14億7百万円増加し、595億36百万円となりました。主な増加要因としては、利益剰余金の増加8億90百万円、為替換算調整勘定の増加5億23百万円などがあげられます。以上の結果、自己資本比率は、50.3%(前連結会計年度末比1.6%増)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億4百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては内外の市場動向が挙げられます。米国の通商政策及び欧州の政治情勢、東アジアでの地政学リスクのほか、欧米等での金利引き上げに伴う為替変動リスクなどが懸念されるものの、グローバルにものづくりが発展していく中で、設備投資需要は継続的に拡大していくものと見ています。その中でも、当社の主要な仕向け先である自動車産業における軽量化への対応、電装化、次世代自動車へのシフトに加え、スマートフォンの高機能化の動きもあり、高精度機のニーズはさらに高まっていくことが予想されます。
こうした中、工作機械事業及び産業機械事業におきましては、日本・欧米などの成熟市場と中国市場、東南アジアをはじめとする新興国市場それぞれに応じた事業展開を推進しております。成熟市場においては、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守メンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器及び消耗品の販売強化を図ってまいります。中国市場及び新興国市場においては、市場のニーズを反映した低価格機種の開発、販売を強化するとともに、拠点整備などを推進し、収益力の確保を図っております。当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。
また、次世代のものづくりを担う金属3Dプリンタを新たな成長ドライバーに事業の拡大を図っております。金属3Dプリンタにおいて、加工速度・加工精度の向上、製品ラインナップの拡充、対応する金属粉の種類の充実、残留応力の抑制により大型金型部品の安定造形を可能とする「SRT工法」の開発など、研究開発に力を入れ販売を強化しています。従来のOPMシリーズに加え、エントリーモデルである「LPM325」の開発により、金型だけでなく部品加工の分野まで裾野を広げることでさらなる需要の創造、拡大を目指してまいります。さらに、ものづくりのすべての工程が当社グループの技術のみで完結できるワンストップソリューションの強みを活かし、「プラスチック成形革命」をキーワードに、金型製造リードタイムの短縮や生産コストの削減に加えて、金属3Dプリンタで製造した金型専用の射出成形機「MR30」を活用して成形サイクルの短縮を実現してまいります。
産業機械事業においては、海外売上高比率の向上を図るため、マーケットニーズの高い全電動射出成形機「MSシリーズ」のラインナップを拡充し、新興国などのボリュームゾーンでの販売拡大を図ってまいります。また、軽量化が求められる自動車業界向けを中心にアルミニウム合金対応の射出成形機「ALM450」を従来のダイカストマシンに代わる製品となるよう取り組んでおります。
さらに、景気動向に左右されにくい事業ポートフォリオ構築を目指し食品機械事業にも注力してまいります。国内市場では、調理麺の品質向上を目的とした設備の導入、海外市場においては膨大な人口と豊かな食文化をもつ中国の存在、日本食ブームの高まりなど、食品機械事業の成長性は非常に高いと言えます。加えて製麺機の技術を応用して、製菓業界や包装惣菜業界など製麺業界以外への展開や新たに立ち上げた包装米飯製造装置の国内外での販売先の拡大を進めております。今後は放電加工機と同様、食品機械業界のリーディングカンパニーとなることを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。
当社グループは従来から放電加工機等をネットワークに接続し活用するアプリケーションソフトウエアを提供してまいりましたが、近年のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やインダストリー4.0(ドイツ政府が推進する製造業の高度化・デジタル化)などの動きを踏まえ様々な取り組みを推進しています。当社では、金属3Dプリンタで造形した金型専用の射出成形機「MR30」を用いた金型の自動交換システム「ICF-V」を開発し、射出成形のIoTを具現化したスマートファクトリーを提案しています。成形機への金型の装着から材料乾燥・供給、成形品の製造、金型交換までを完全無人化・自動化を実現できるシステムであり、ネットワークに接続された機械の各情報を活用し、監視、保守、制御、分析することで、工程の見える化を実現できます。今後もさらなる生産性向上、生産自動化など、様々な取り組みを強化してまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
また近年、地震のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。