第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調となりましたが、米中貿易摩擦の長期化等により先行きの不透明感が一段と強まる展開となりました。海外経済においては、米国では雇用環境の改善や個人消費を背景に底堅く推移したものの製造業の景況感は悪化しており、欧州でも英国のEU離脱問題が混迷する中、製造業を中心に景気減速が継続しました。中国でも米国との貿易摩擦の影響により輸出の減少や設備投資が慎重化するなど景気が減速したほか、アジア経済も地域ごとに濃淡はありますが、やや弱さが見られました。

 

 このような事業環境の中、当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。

〔工作機械事業〕

 北米では航空宇宙関連、医療機器関連が引き続き堅調に推移しましたが、当社の最大市場である中国をはじめ、全世界的に米中貿易摩擦の影響が長期化しており、スマートフォン関連向けの落ち込みの継続及び比較的堅調だった自動車関連の需要も回復しておらず、売上高は前年同期比で大幅に減少しました。

 セグメント利益は販売台数の減少に伴う工場稼働率の低下や固定費の増加等により前年同期比減益となりました。

〔産業機械事業〕

 米中貿易摩擦による設備投資判断の先送りにより国内外で設備投資の鈍化が継続し、スマートフォン及び電子部品関連の需要は日本や中国及びアジア地域で依然として一服感が見られました。一方で足元では国内の自動車関連の需要が見られたほか、光学レンズの成形や防水対応用シリコーン成形機の需要、5G対応に向けたインフラ整備に関する需要が出始めています。

〔食品機械事業〕

 各種製麺機、麺製造プラント、無菌包装米飯製造装置などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っております。高品質な調理麺の製造設備需要が引き続き堅調に推移したほか、無菌包装米飯製造装置の需要も国内外で増加しています。また、衛生面や省人化を目的とした自動化設備の需要も拡大しましたが、主要な案件の検収が第4四半期に集中しており、販売は伸び悩みました。

〔その他〕

 精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業から構成されております。精密金型・精密成形事業は足元で需要は回復傾向ではあるものの、セラミックス等は需要の減少が継続しました。

 利益面では、中長期的な事業拡大に向けた製造設備の能力増強や自動化対応のための研究開発投資が先行し、収益性は回復していない状況が続いております。

 

 当社グループの主な取組として、国内外の展示会に出展しソディックブランドの強化を図りました。海外ではドイツ・ハノーバーで開催された世界的な工作機械展示会EMO 2019(国際金属加工見本市)にリニアモータ駆動 高速・超精密ワイヤ放電加工機「ALC400P」や欧州では初出展となるサーボモータ駆動による安定した高精度成形をハイサイクルで実現する電動式横型射出成形機「MS100」等を出展し、シェア拡大に向け積極的な営業活動を展開しました。東京ビッグサイトにて開催されたFOOMA JAPAN 2019(国際食品工業展)には新たに開発した「粉体冷却装置」を初出展しました。製菓業界で課題となっている生地の原材料の温度調整に対して、当製品の開発により原材料を迅速・均一に冷却、既存の製造設備と連続した自動運転が可能となります。従来の主要顧客である製麺、米飯業界に加え、製パン、製菓業界へ積極的な事業展開を進めてまいります。

 また、研究開発において主要事業である工作機械事業では、大型金型の加工に適した大型形彫り放電加工機「AG200L」を開発しました。加工寸法を従来の大型放電加工機比約2倍に拡大し、近年自動車関連を中心に需要が拡大する大型でより複雑な金型の加工に対応可能となります。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高497億7百万円(前年同四半期比20.6%減)、営業利益27億46百万円(前年同四半期比66.7%減)、経常利益25億77百万円(前年同四半期比68.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億77百万円(前年同四半期比79.1%減)となりました。

 セグメントの経営成績は以下のとおりであります。

〔売上高の内訳〕                                    (単位:百万円)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年1月1日

  至 2018年9月30日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年1月1日

  至 2019年9月30日)

 

増減

(金額)   (率)

工作機械事業

45,117

34,498

△10,618

△23.5%

産業機械事業

7,736

7,242

△493

△6.4%

食品機械事業

4,934

3,470

△1,464

△29.7%

その他

4,789

4,496

△292

△6.1%

売上高 合計

62,577

49,707

△12,869

△20.6%

 

〔セグメント利益の内訳〕                                (単位:百万円)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年1月1日

  至 2018年9月30日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年1月1日

  至 2019年9月30日)

 

増減

(金額)   (率)

工作機械事業

8,033

3,564

△4,469

△55.6%

産業機械事業

604

218

△386

△63.9%

食品機械事業

618

369

△248

△40.2%

その他

931

236

△695

△74.6%

調整額

△1,935

△1,643

292

営業利益 合計

8,253

2,746

△5,507

△66.7%

 

 

(2)財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比較して、46億37百万円減少し、1,144億45百万円となりました。主な減少要因としては、受取手形及び売掛金の減少22億57百万円、減価償却累計額の増加16億95百万円などがあげられます。

 また、負債は前連結会計年度末と比較して、32億9百万円減少し、577億43百万円となりました。主な減少要因としては、その他の流動負債の減少18億13百万円、長期借入金の減少12億16百万円などがあげられます。

 純資産は前連結会計年度末と比較して、14億28百万円減少し、567億1百万円となりました。主な減少要因としては、為替換算調整勘定の減少13億36百万円などがあげられます。

 以上の結果、自己資本比率は、49.5%(前連結会計年度末比0.8%増)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、28億70百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては内外の市場動向が挙げられます。米国の通商政策及び欧州の政治情勢、東アジアでの地政学リスクのほか、欧米等での金利引き上げに伴う為替変動リスクなどが懸念されるものの、グローバルにものづくりが発展していく中で、設備投資需要は継続的に拡大していくものと見ています。その中でも、当社の主要な仕向け先である自動車産業における軽量化への対応、電装化、次世代自動車へのシフトに加え、スマートフォンの高機能化の動きもあり、高精度機のニーズはさらに高まっていくことが予想されます。

 こうした中、工作機械事業及び産業機械事業におきましては、日本・欧米などの成熟市場と中国市場、東南アジアをはじめとする新興国市場それぞれに応じた事業展開を推進しております。成熟市場においては、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守メンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器及び消耗品の販売強化を図ってまいります。中国市場及び新興国市場においては、市場のニーズを反映した低価格機種の開発、販売を強化するとともに、拠点整備などを推進し、収益力の確保を図っております。当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。

 また、次世代のものづくりを担う金属3Dプリンタを新たな成長ドライバーに事業の拡大を図っております。金属3Dプリンタにおいて、加工速度・加工精度の向上、製品ラインナップの拡充、対応する金属粉の種類の充実など、研究開発に力を入れ販売を強化しています。従来のOPMシリーズに加え、エントリーモデルである「LPM325」の開発により、金型だけでなく部品加工の分野まで裾野を広げることでさらなる需要の創造、拡大を目指してまいります。ものづくりのすべての工程が当社グループの技術のみで完結できるワンストップソリューションの強みを活かし、「プラスチック成形革命」をキーワードに、金型製造リードタイムの短縮や生産コストの削減に加え、金属3Dプリンタで製造した金型専用の射出成形機「MR30」を活用して成形サイクルの短縮を実現してまいります。

 産業機械事業においては、海外売上高比率の向上を図るため、マーケットニーズの高い全電動射出成形機「MSシリーズ」のラインナップを拡充し、新興国などのボリュームゾーンでの販売拡大を図ってまいります。また、軽金属射出成形機のラインナップ拡充、安定成形、メンテナンス性の向上、アプリケーションの充実による需要創出に取り組んでおります。

 さらに、景気動向に左右されにくい事業ポートフォリオ構築を目指し食品機械事業にも注力してまいります。国内市場では、調理麺の品質向上を目的とした設備の導入、海外市場においては膨大な人口と豊かな食文化をもつ中国の存在、日本食ブームの高まりなど、食品機械事業の成長性は非常に高いと言えます。加えて製麺機の技術を応用して、製菓業界や包装惣菜業界など製麺業界以外への展開や新たに立ち上げた包装米飯製造装置の国内外での販売先の拡大を進めております。今後は放電加工機と同様、食品機械業界のリーディングカンパニーとなることを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 当社グループは従来から放電加工機等をネットワークに接続し活用するアプリケーションソフトウエアを提供してまいりましたが、近年のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やインダストリー4.0(ドイツ政府が推進する製造業の高度化・デジタル化)などの動きを踏まえ様々な取り組みを推進しています。当社では、金属3Dプリンタで造形した金型専用の射出成形機「MR30」を用いた金型の自動交換システム「ICF-V」を開発し、射出成形のIoTを具現化したスマートファクトリーを提案しています。成形機への金型の装着から材料乾燥・供給、成形品の製造、金型交換までを完全無人化・自動化を実現できるシステムであり、ネットワークに接続された機械の各情報を活用し、監視、保守、制御、分析することで、工程の見える化を実現できます。今後もさらなる生産性向上、生産自動化など、様々な取り組みを強化してまいります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループのメイン事業である工作機械及び産業機械事業の業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。これに対し、当社グループでは、景気による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図ってまいります。さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。

 また近年、地震、台風、洪水等のような自然災害、火災、大規模なシステム障害などにより事業継続が困難になる事象が相次いでおります。当社グループでは、そのような危機に直面した場合でも、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画を策定し運用しています。生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。また、地球温暖化など急激な環境変化を背景に、持続可能な社会に貢献する事業活動の重要性が高まっております。当社グループは、次世代自動車や車両の軽量化など環境負荷低減の取組みにも積極的に関与し、地球環境に配慮したものづくりを通し、サスティナブルな社会に寄与する事業展開を推進してまいります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。