第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。

 当社グループは、「創造」「実行」「苦労・克服」の精神のもと、お客様へ最高の価値を提供し、「未来を創る」企業としてものづくりを通して社会の持続的な発展に貢献すべく取り組んでいます。自動車や通信分野をはじめとした技術革新、省人化ニーズの高まり、カーボンニュートラル・持続可能な開発目標(SDGs)の促進を背景に、ものづくりの現場においても、更なる高精度化、高速化、自動化はもとより、操作性の向上、電力使用量や廃棄物の削減、工程集約、DX化の推進等が求められています。これらの「進化するものづくりへの貢献」を重要な経営課題と捉え、新製品開発の促進、トータルソリューションの展開、アフターサービスの充実、DXを活用した付加価値の提供等、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを一体で推進しています。

① 長期経営計画「Next Stage 2026」

 当社グループでは、2019年2月に、設立50周年を迎える2026年をターゲットとした長期経営計画「Next Stage 2026~Toward Further Growth~」を発表しました。自動車産業の変革、IoT・AI技術の進化、5Gの普及、新興国におけるものづくりの高度化をはじめ、当社を取り巻く国際的な環境の変化に柔軟に対応しながら、持続的な成長をめざすためのビジョンであり、各事業において計画達成に向けた様々な施策を実施しています。

ガイドライン

業績目標

売上高

2026年12月期に1,250億円

営業利益

2026年12月期に 170億円

財務方針

資本効率  ※1

ROE 8%以上(5年平均)

財務健全性 ※1

ネットキャッシュプラス

自己資本比率50%以上

株主還元  ※1・2

DOE 2%以上 かつ 総還元性向 40%以上

※1:2022年2月に改訂   ※2:2022年11月に改訂

② 長期経営計画「Next Stage 2026」における主要な事業の方針

 当社グループは既存事業の競争力を高め、成長を牽引する製品群を育成し、事業規模を拡大します。また、ポートフォリオを変革し、安定した収益基盤を構築してまいります。

工作機械事業

 

2022年実績

2026年計画

売上高

56,492百万円

76,000百万円

セグメント利益

7,046百万円

15,000百万円

・技術革新への対応

・自動化・ロボット等の自動化・省人化ラインナップを強化

・放電加工機の競争力の維持

・成長市場での販売体制を強化(新興国市場(インド、メキシコ等)強化、欧米地域シェア拡大)

・金属3Dプリンタの販売・研究開発を加速

・精密マシニングセンタの販売を強化し、高付加価値加工のニーズを取り込む

・生産工場のマルチファクトリー化による生産体系の最適化

産業機械事業

 

2022年実績

2026年計画

売上高

10,656百万円

24,000百万円

セグメント利益

820百万円

2,400百万円

・海外売上高比率を70%以上に向上

・軽金属射出成形機の拡販

・自動生産システム、IoT・AIによる予防保全・状態管理等のソリューション力を強化

・海外生産比率の向上、部品共通化等のコストダウンによる販売競争力の向上

食品機械事業

 

2022年実績

2026年計画

売上高

6,813百万円

15,000百万円

セグメント利益

447百万円

2,000百万円

・海外売上高比率の向上(製麺機、包装米飯装置)

・製麺機・米飯装置以外の製品開発及び販路確立

・生産、開発体制の強化

 

③ 長期経営計画「Next Stage 2026」の進捗

 長期的には当初想定した自動車産業の変革や、IoTやAIの進展、通信ネットワークの機能拡大等に伴うものづくりの進化による高精度機需要の高まりは今後も継続することが見込まれ、当社グループは長期経営計画の達成に向けた様々な施策を実施し、着実に成長を遂げています。

 しかしながら、インフレやサプライチェーンの混乱、米中貿易摩擦、新型コロナウイルスの世界的流行、ロシアによるウクライナ侵攻等の計画策定時には想像もしなかった事象の発生により、経済情勢や市場環境は著しく変化しているほか、今後の経営環境にも不透明さが残る状況が継続していく見通しです。

 また、2022年1月に実施した企業変革に伴い、組織変革に加え当社ビジネスの在り方や財務方針の見直しを実施したほか、長期的な成長に必要不可欠な人的資本に関しても、労働環境の改善や健康経営を進めることにより、多様な人材が成長できるような取り組みを新たに強化しています。さらに、サステナブルな社会への取り組みも重要な経営課題と位置づけ、環境マネジメントへの対応やガバナンスの強化も推進しています。

 上記のような、市場の動向や当社内特有の課題も加味し、現長期経営計画のさらに未来を見据えた新長期経営計画について、2024年発表に向けて策定を進めます。

<長期経営計画 定量目標>

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④ 優先的に対処すべき課題

●お客様へ最高の価値を提供

 当社グループは、お客様が抱えるものづくりの高度化に対する課題解決をするため、最高の製品、サービスを提供すべく、次の取り組みを進めてまいります。

 ・製品の性能・品質において絶対的優位性を確立

 ・DXを駆使した顧客との繋がりを確立、推進

 ・ソリューションビジネスの創出、推進

 ・アフタービジネスの強化

 ・新しい技術分野の取り込みを通じたものづくりイノベーションの提供

●人が成長できる企業への取り組み

 当社グループは、人財が会社にとって最も大切な財産であり、未来へ向けた新たな価値創造の源泉であると考えており、人財が成長できる企業を目指します。

 ・健康経営宣言に基づく労働環境の改善

 ・戦略的人事異動による社員一人ひとりの成長機会の創出

 ・ノウハウの形式知化促進による若い世代への技術継承

 ・次世代経営幹部、管理職者ならびに国内外で活躍できる若い人材育成の強化

 ・人的資本投資の強化(待遇の改善、人材採用、人材育成、多様性確保、女性活躍推進)

 ・従業員満足度調査の実施及び満足度向上に向けた取り組み

●サステナブルな社会への取り組み

 当社グループは「サステナブルな社会」を重要な経営課題と位置づけ、カーボンニュートラルへの取り組みをはじめとした地球環境問題への対応の他、コンプライアンスの強化やSDGsへの貢献も推進してまいります。

 ・環境管理の強化(環境配慮製品/サービス提供、カーボンニュートラル・TCFD提言への対応)

 ・リスクマネジメントやコンプライアンスの強化

 ・マテリアリティの解決に向けた取り組みの強化※

 ・SDGsへの貢献

※当社のマテリアリティ:

「進化するものづくりへの貢献」「環境マネジメントへの対応」「人材の多様性の促進」「ガバナンスの強化」

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループとしては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点はご留意ください。

なお、文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 事業戦略リスク

景気変動に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループの工作機械及び産業機械事業の製品受注は顧客の設備投資活動に直接結びついているため、景況に対して極めて敏感であり、自動車、電気・電子部品、半導体、航空宇宙、医療機器、その他の業界の業績、設備投資動向に大きく影響を受ける傾向があります。また、世界同時不況のような状況に陥った場合は、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、景気変動による影響が比較的少ない食品機械事業などの事業を拡充するほか、要素技術で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図っております。さらに、研究開発の成果によって新しい事業を興し、リスク分散を図り安定した事業ポートフォリオの構築を図ってまいります。
 また、定期保守サービスや消耗品・サプライ品の販売拡大などによるアフターサービス事業の拡大のほか、自動化や省人化に貢献できるソリューション提案の推進などを通して、製品販売の増減に影響されない安定した収益の獲得を図ります。
 さらに、地道な原価低減活動や調達先の見直し等を継続するとともに、自動化・省人化などの生産技術を積極的に展開し、最先端の技術を取り入れながら、市場の変化により柔軟かつ効率的に対応できる生産体制の構築をめざしています。

新規事業に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループは、『世の中にないものは自分たちで創る』という開発理念のもと、お客様のご要望に耳を傾け、どんな困難な技術課題にも挑戦して克服し、問題を解決しており、創業以来放電加工機や高精度マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、独自技術のV-LINE®方式を用いた射出成形機、製麺機、無菌包装米飯製造システム、加圧加熱殺菌装置などの食品機械など様々な製品を開発してきました。技術革新及び市場のニーズへの対応や将来の持続的成長に向けて、今後も常に新製品を市場に投入する必要があります。
 しかし、その新しい製品をお客様に理解して頂き、売上高・利益の増加に貢献するまでには、時間を要する場合があり、そのような場合には、研究開発費、販売促進費などの費用は、その回収に先行して発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

<当社の対応>

当社では、世界最高水準の加工精度、加工速度とお客様が求める多様な機能の拡充をめざして、日本・中国・北米の世界3極の研究開発体制を敷き、最先端技術の研究及び市場動向のマーケティングを行うほか、大学、研究所、学識経験者とも協働して、技術開発・新製品開発に取り組んでおります。また、サステナビリティに関する取り組みとして、省エネルギー・省資源・脱プラ・フードロス削減等に貢献する環境配慮型製品の開発を積極的に推進しています。

 

 

人材の確保及び育成に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループが今後も成長を続けていくためには、高度な専門技術を持ったエンジニアや、経営戦略やグローバルな組織運営等のマネジメント能力に優れた人材の確保、育成が重要であると考えております。また、従業員の世代交代が進む中、当社グループにて長年培ってきた高度な技術・技能を有する人材から次世代を担う若手技術者へのコア技術の伝承も非常に重要な課題だと認識しております。しかし、必要な人材を継続的に獲得し、定着させるための競争は厳しく、日本国内では少子高齢化や労働人口の減少、また中国やタイ等の海外拠点においても雇用環境が急速に変化するなど、当社が求める人材の獲得及び育成が計画どおりに進まなかった場合、当社グループの将来の成長に影響を及ぼす可能性があります。

<当社の対応>

高度な専門技術を持ったエンジニアや、経営戦略やグローバルな組織運営等のマネジメント能力に優れた人材の確保・育成においては、積極的な採用活動を行い優秀な人材の獲得に努めるほか、入社後の体系的な人材育成や幹部研修、階層別研修等を通した人材育成にも注力しています。また、2020年4月よりこれまでの人事制度を抜本的に改革した新人事制度の運用を開始し、社員それぞれのキャリア志向・特性に応じたキャリア形成を目指しています。

また、当社のマテリアリティの一つとして「人材の多様性」を掲げており、多様な社員が働きがい・働きやすさを感じ活躍できる企業風土の促進を図っております。

さらに、会社の持続的成長には従業員一人ひとりの心身の健康が重要との考えのもと、2022年1月に「ソディック 健康経営宣言」を制定し健康保持・増進に向けて取り組んでいます。その一環として、従業員エンゲージメントを高めるために、従業員満足度調査を実施し、その結果を踏まえた個別課題を抽出し、具体的な改善策を実行することで、優秀な人材の確保及び定着を図ってまいります。(2022年11月には全従業員を対象に平均9%のベースアップを実施)

為替相場の大幅な変動によるリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループにおける海外売上高の連結売上高に占める割合は約70%を占めており、それぞれの国の経済状況に大きく依存します。また、海外との取引は米ドル、ユーロ、人民元等で決済されており、為替変動によっては、業績に影響を与える場合があります。特に工作機械事業において主要製品の約半数をタイ国の現地法人が製造しているため、タイバーツにおける対円・対米ドル為替相場の大幅な高騰が発生すると製品の製造コストの増大につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、従来より主要製品等の海外生産を進め、為替レート変動による利益面への影響は、収益と費用の相殺効果により限定的となる生産・販売体制を取っております。

また、米ドル、ユーロなどの主要通貨に対しては為替予約による為替ヘッジを行うなど、為替レート変動の影響低減に向けた取り組みを推進しております。また、当社における外貨建ての商流等を精査した上で、必要に応じて為替予約の適用範囲を拡大してまいります。

海外事業におけるリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループはグローバルに事業を展開しており、主要製品の大半を海外にて生産しており、海外売上高比率も約70%を占めております。特に中国市場における売上高は40%程度を占めるなど依存度は高まっています。当社グループが事業活動を展開する国や地域において、予期しない法律または規制の変更、不測の政治体制または経済政策の変化、テロ・戦争・天災・感染症の流行・その他の要因による社会混乱などが発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

<当社の対応>

当社では他社に先駆け中国へ進出し、販売網や生産工場の拡充を行ってまいりましたが、中国国内販売は中国国内生産にて賄うなど地産地消の体制を整備して、中国並びに他国の通商政策等による影響低減を図っております。​
その他の地域につきましては、今後シェア拡大が見込める欧米地域ではテックセンターを活用した販売体制及び顧客サポートの強化を進めます。また、成長が期待できる東南アジア地域、インドなどの新興国でも販売を推進し、地域別売上高比率の最適化による中国市場への依存度の低減を目指してまいります。

 

 

法的規制のリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループの技術及び製品(以下、「製品等」という)については、外国為替及び外国貿易法第25条及び第48条により、輸出等が規制されています。万が一、製品等が懸念される国や需要者等へ違法に販売された場合、法的な制裁や社会的な信用の失墜などで業績に影響を与える可能性があります。

<当社の対応>

当社グループとしては、輸出管理室において製品等が違法に輸出されないよう常に十分な注意を払い、管理しています。また、その他の法的規制の動向に関しても情報収集を行い、社内共有等を通じて法令遵守の徹底に努めております。

企業の社会的責任に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループは、社会の持続可能な発展のために、地球環境への配慮・労働環境の整備・人権の尊重など企業の社会的責任を重要な経営課題と認識しております。しかしながら、事業活動において、環境汚染、労働災害の発生等の労働安全衛生に係る問題、または特定の労働者への差別やハラスメント等の人権に係る問題等が生じた場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止、または一部事業からの撤退等により、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、社会的要請の変化を踏まえ、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、体系的にコンプライアンス、社会貢献、人材育成、品質管理、環境などサステナビリティ関連の重要なテーマに対する取り組みを継続しております。また、当社グループは、EVや車両の軽量化、脱プラ、フードロス削減など環境負荷低減に向けたものづくりにも積極的に関与することで、地球環境に配慮したものづくりを通し、サステナブルな社会に寄与する事業展開を推進しています。また、事業運営においても、新たに設置した専門部署にて、カーボンニュートラルや省エネルギー、CO2排出削減等、気候変動に対する取り組みを強化しています。

競合環境に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

国内外に競合企業が存在する中で、他社の技術により当社グループの技術でカバーできる範囲を大きく超えた製品が開発された場合、当社は市場占有率を失う可能性があります。また、当社グループに関しましては、競合他社とは、技術力で差別化する戦略をとっておりますが、他社の値下げ攻勢により、当社グループ製品の販売価格も引き下げざるを得ない状況になった場合、利益を圧迫する可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、競合他社に対し技術力で差別化する戦略をとっており、工作機械事業においては、NC装置やリニアモータ、セラミックスなど製品の重要な基幹部品を内製化することにより、機械の性能を最大限向上させてまいりました。また、納入後のアフターサービスの強化やデジタル技術を活用したソリューション提供等によりお客様のものづくりを一貫してサポートできる体制を取ることで、競合他社に勝るサービスを展開してまいります。

 

 

原材料・部品の調達に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

機械の主要構造体である鋳物や加工タンクなどに使用されるステンレス材、消耗品等に使われる真鍮や銅等の価格の高騰が長期化した場合、当社製品の原価に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、受注の一時的集中や天災等の影響による仕入先の部材供給能力低下などで、部材の需要量が供給量を大きく超えた場合、生産数量の不足から受注機会の損失が生じる可能性があります。

<当社の対応>

当社では、調達基本方針を定めており、サプライヤー様との相互理解と信頼関係を構築したうえで、品質・価格・安定性など適正な基準に基づき、最適な部品をグローバルに調達しております。安定した部材調達を目指すべく、国内外の複数の調達ルート・サプライヤー様を確保することで調達先を分散し部材の供給不足や材料費・物流費等の高騰へのリスクに対応しております。また、在庫については、定期的にチェックを行い、規則的に簿価を切り下げており、不良棚卸資産発生と長期在庫化のリスク回避に努めております。
 さらに、サプライチェーン全体のリスクを把握するため、調達部門においてサプライヤー様の事業継続計画(BCP)策定状況を調査しており、その調査結果を踏まえた上で、当社のBCPの診断・維持・更新を行っています。
 足元では、半導体をはじめとする部材の調達難や、エネルギー価格の上昇及び原材料等の高騰供給不足に伴うリードタイムの長期化や、輸送面の混乱による輸送コストの上昇などが継続していますが、その影響を最小化すべく、流通在庫や代替品等の調達などの対応を取っております。

 

② 財務関連リスク

有利子負債のリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

2022年12月末現在の有利子負債残高は326億66百万円となっております。事業資金の調達及び返済は、金利情勢その他の外的環境に左右されるため、金利が上昇するなどした場合には業績に影響が及ぶ可能性があります。また、当社の業績が著しく悪化した場合には、金融機関からの資金調達が困難になる可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、主に固定金利での資金調達により金利上昇リスクを低減させるほか、適切な設備投資計画の策定や資産の効率化を図るなど有利子負債の削減に取り組んでおります。

固定資産に関する減損リスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループが保有する産業機械事業の機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品、ソフトウエアなどの固定資産について、景気変動等の影響による設備投資の抑制及び需要の減退や当該事業の収益性低下等により帳簿価額が回収できない場合、必要な減損処理を実施することになり、将来の当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

<当社の対応>

当社グループにおいては、EV関連、レンズ向け成形機や北米での医療関連など成長市場での販売拡販を目指し、産業機械事業の販売体制を強化するとともに、生分解性プラスチックの成形加工を可能とした射出成形機など環境に配慮した製品の開発及び拡販を進めてまいります。また、中国向けの販売におけるコストダウンを推進するため、中国工場での生産を行ってまいります。

 

 

工事原価見積りのリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社の食品機械事業においては、麺製造プラントや包装米飯製造装置などの開発・製造・販売を行っていますが、各案件の個別性が高く、かつ受注から検収までの期間が長期になる傾向があります。食品機械事業の売上の大半は、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する収益認識基準を適用しており、具体的な工事進捗度の見積りにおいては、当連結会計年度末までに発生した工事原価が工事原価総額に占める割合を工事進捗度とするコストに基づくインプット法を採用し、その見積りに基づき、進捗部分の確実性が認められる場合に収益を認識しております。しかしながら、工事内容の変更による契約金額の変更や原材料価格の変動等によりこれらの見直しが必要になった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

<当社の対応>

当社は案件ごとに継続的に工事原価総額や予定工事期間の見直しの必要性を確認し、変更が必要と認められた場合には工事原価総額を即時修正する等、適切な原価管理によって工事原価総額の見積りの精度向上を図っています。

 

③ オペレーションリスク

情報セキュリティのリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループは、事業活動を通して個人情報を入手することがあるほか、営業上・技術上の機密情報を保有しております。これらの情報に関して、サイバー攻撃、コンピューターウイルスの感染、不正アクセス、インフラ障害、情報システムの不具合などにより情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止など不測の事態が生じた場合には、当社グループに対する社会的信用の低下や事業活動の中断、対策費用の発生、多額の課徴金の支払い、取引の停止などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、適切なIT技術対策や社内体制の整備、従業員への教育などにより、営業上・技術上の機密情報の厳格な管理に努めています。社内標準端末としてシンクライアント利用の徹底に加え、IT資産管理・内部情報漏えい・サイバー攻撃等への対策として、総合型のセキュリティ管理ツールを導入するなどの対策を講じております。更なるセキュリティ体制強化に向け、定期的な第三者機関による脆弱性診断等も実施してまいります。また、テレワーク実施者の増加に合わせて、引き続き情報セキュリティの強化に努めています。

災害等に関するリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

当社グループの工場、事業所などにおいて、大きな産業事故、地震・津波・水害等の自然災害、戦争・テロ・暴動等の人為的災害、感染症の流行など各種災害が発生した場合には、部材調達、生産活動、製品の販売活動などの遅延や中断などによって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、被害を最小限に抑え、事業継続を確実にするため、事業継続計画(BCP)を策定し運用しています。生産拠点の分散化による災害に強い生産体制の構築、災害後の復旧活動早期化に寄与する安否確認システムの導入のほか、自然災害による経済的な損失に対しては各種保険に加入しています。​

なお、新型コロナウイルスの感染拡大に関する対応につきましては、以下「新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリスク」に記載しております。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリスク

発生可能性

影響度

<リスクの内容>

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、ワクチン接種の普及等により正常化の兆しも見えますが、一定の事業活動制限やサプライチェーン等の混乱は継続している状況です。今後、事態の長期化や更なる感染拡大が生じた場合には、景気減速に伴う顧客の設備投資マインドの悪化による需要減、部材調達困難によるサプライチェーンの寸断、国内及び海外工場の生産停止等により、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

<当社の対応>

当社グループでは、2020年1月下旬に対策本部を立ち上げ、お客様、取引先様、従業員並びにご家族の安全を最優先とし、従業員一人ひとりが行うことができるマスク着用・手指消毒等による衛生面の予防に加え、在宅ワークや時差出勤の推進、WEB会議の活用等により感染予防対策の徹底に努めております。また、Web展示会やリモートツールを活用した営業活動及びサービス体制の強化を図っております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、世界的なインフレの進行、サプライチェーンの混乱、金融政策の引き締め、急激な為替変動に加え、ロシアのウクライナ侵攻を始めとする地政学的リスクや中国における厳格な新型コロナウイルス政策等による景気減速の懸念など不透明な状況で推移しました。

 当社グループは、「創造」「実行」「苦労・克服」の精神のもと、お客様へ最高の価値を提供し、「未来を創る」企業としてものづくりを通して社会の持続的な発展に貢献すべく取り組んでいます。自動車や通信分野をはじめとした技術革新、省人化ニーズの高まり、カーボンニュートラル・持続可能な開発目標(SDGs)の促進を背景に、ものづくりの現場においても、更なる高精度化、高速化、自動化はもとより、操作性の向上、電力使用量や廃棄物の削減、工程集約、DX化の推進等が求められています。これらの「進化するものづくりへの貢献」を重要な経営課題と捉え、新製品開発の促進、トータルソリューションの展開、アフターサービスの充実、DXを活用した付加価値の提供等、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを一体で推進しています。

 このような状況のもと、当社は世界四大工作機械見本市である「JIMTOF2022」(日本)及び「IMTS2022」(米国・シカゴ)、プラスチック・ゴムに関する世界最大級の見本市である「K2022」(ドイツ・デュッセルドルフ)、国際的な食品機械の展示会である「FOOMA JAPAN 2022」に出展し、当社の技術力をPRしました。4年ぶりのリアル開催となったJIMTOF2022(日本国際工作機械見本市)へ出展し、EVのモーターコア用プレス金型や半導体パッケージのリードフレーム用金型等の製造向けに開発した超精密ワイヤ放電加工機「AX350L」、熱変位補正機能により品質安定に貢献するマシニングセンタ「UX450L」、複数の材料の使用でも交換等のメンテナンス負荷を抑え、大型サイズの安定造形を可能にした金属3Dプリンタ「LPM450」などの新製品の展示に加え、当社ブースをデジタルツインで再現し、特設Webサイトにて公開しました。今後もデジタルとリアルの両方でお客様とつながり、お客様のものづくりの課題を解決すべくご提案を行ってまいります。

 このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高804億95百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益58億13百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益82億75百万円(前年同期比3.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益60億21百万円(前年同期比8.6%減)となりました。

② セグメント別の状況

工作機械事業

 売上高

56,492百万円

(前年同期比

   9.7%増

 営業利益

7,046百万円

(前年同期比

   129百万円減

 中華圏における自動車、半導体関連での設備投資意欲の低下やウクライナ・ロシア情勢等を背景とした物価高騰、サプライチェーンの混乱等の影響はあるものの、日本、欧米、アジアにおいては電子部品、半導体、EV関連向けを中心に堅調に推移しました。為替の円安影響もあり、売上高は前年同期比で増加となりました。

 ものづくりの高度化は今後も継続するとみられ、高速・高精度加工のニーズは高まるほか、操作性向上、省エネ対応、長時間の安定加工や加工物の大型化・複雑化等も重要な機会と認識し、同事業を展開しています。高精度な加工が求められる地域と顧客を視野に、強みのある放電加工機の一層の拡販と同時に、中長期的に大きな成長が期待できる金属3Dプリンタ、精密マシニングセンタについても、技術開発の推進や販売体制の強化により、高付加価値加工ニーズを取り込んでいきます。

 上記のようなニーズに対応するため、当社独自のワイヤ回転機構により高速・高精度に加え消費電力量・ワイヤ消費量の削減を実現し、脱炭素社会に向けた環境に対応するワイヤ放電加工機「AL i Groove + Edition」シリーズを開発しました。「AL600G i Groove + Edition」は日刊工業新聞社主催の「第65回十大新製品賞」において本賞を受賞しました。

産業機械事業

 売上高

10,656百万円

(前年同期比

   2.8%増

 営業利益

820百万円

(前年同期比

   317百万円増

 国内においてEV関連向けの需要が堅調である一方で、スマートフォンの需要減少の影響もあり電子部品関係の需要は低調となりました。また、各地域においても電子部品関連の需要減少による設備投資意欲の低下もみられましたが円安影響もあり、売上高は前年同期比で増加となりました。

 中華圏、アジア地域において、ものづくりの高精度化が進展し、当社が得意とする超高精度の射出成形機の需要が高まることが予測されます。また、電力使用量や成形に伴う廃棄物の削減ニーズについても重要な機会と認識し、同事業を展開しています。

 上記のようなニーズに対応するため、ハイブリッド竪型ロータリ式射出成形機「VREシリーズ」の後継機種として更なる制御能力向上に加え、エネルギーロスの少ない動作による電力消費量の削減を実現した「VR Gシリーズ」を開発しました。

 

 

食品機械事業

 売上高

6,813百万円

(前年同期比

   1.0%減

 営業利益

447百万円

(前年同期比

   383百万円減

 中華圏での新型コロナウイルス政策による行動制限や世界的なインフレ等の影響を受けたお客様における原価上昇に伴う設備投資意欲の低下もみられましたが、国内向けの製麺機関連設備や海外向けの無菌包装米飯製造装置等の需要は堅調に推移したことに加え、中華圏での無菌包装米飯装置の複数案件が進捗したため、売上高は前年同期比で微減に留まりました。

 今後、国内における製麺、米飯製造での衛生面、省人化ニーズへの対応に加え、惣菜、製菓、パン業界など幅広い分野での事業拡大を図るほか、さらに中華圏、アジアを中心とした海外市場にて食の高品質化やインフラの整備等で生麺や米飯の需要が高まると想定しており、生産能力確保のため、2023年1月から厦門新工場が稼働するほか、加賀事業所においても生産能力増強のための拡張、改修を進めています。

 上記のようなニーズに対応するため、調味液等添加・撹拌工程の無人化を実現し、手作業工程の削減による調理麺商品の鮮度延長が可能となり、フードロス削減に貢献する調理麺製造ライン用自動麺ほぐし・調味機「ネオマザール」を開発しました。本製品は日刊工業新聞社主催の「第19回/2022年モノづくり部品大賞」において「機械・ロボット部品賞」を受賞しました。

その他

 売上高

6,533百万円

(前年同期比

   1.5%増

 営業利益

313百万円

(前年同期比

   498百万円減

精密コネクタなどの受託生産を行う金型成形事業、リニアモータやセラミックス部材の販売等を行う要素技術事業から構成されています。金型成形事業においては自動車関連向けの需要が低調なため売上高は前年同期比微減となるものの、要素技術事業においては前年同期比で増加となりました。また、サプライチェーンの混乱や材料費高騰の影響の継続に伴う原価高により利益率は低下しました。

 

③ 財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ35億66百万円増加し、1,384億33百万円となりました。主な増加要因としては、長期預金の増加45億62百万円、原材料及び貯蔵品の増加29億63百万円、商品及び製品の増加25億3百万円、建物及び構築物の増加20億26百万円、機械装置及び運搬具の増加17億34百万円などがあげられますが、現金及び預金の減少92億27百万円等により一部相殺されております。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ29億89百万円減少し、574億39百万円となりました。主な減少要因としては、長期借入金の減少34億89百万円などがあげられます。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ65億55百万円増加し、809億93百万円となりました。主な増加要因としては、為替換算調整勘定の増加37億12百万円、利益剰余金の増加30億82百万円などがあげられます。以上の結果、自己資本比率は、58.5%となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、以下のキャッシュ・フローの増減により、前連結会計年度末に比べ110億70百万円減少し、当連結会計年度末の残高は331億58百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、35億43百万円(前連結会計年度は76億42百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益80億85百万円、契約負債の増加32億30百万円などによるものですが、棚卸資産の増加51億25百万円などで一部相殺されています。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、109億57百万円(前連結会計年度は22億3百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出68億40百万円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、60億12百万円(前連結会計年度は19億32百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出69億21百万円、配当金の支払額13億99百万円などによるものですが、長期借入れによる収入50億円などで一部相殺されています。

 

⑤ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(2022年1月1日~2022年12月31日)

前年同期比(%)

工作機械事業

50,795

107.1

産業機械事業

11,121

94.8

食品機械事業

6,392

96.3

 報告セグメント計

68,309

103.9

その他

9,601

122.0

合計

77,911

105.8

 (注)1.金額は、販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、サービス売上等の生産を伴わないものは含めておりません。

 

b. 受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

41,879

89.7

10,653

88.5

産業機械事業

8,580

92.1

2,528

97.2

食品機械事業

9,006

130.2

6,238

183.6

合計

59,467

94.5

19,420

107.6

 (注)上記の金額には、サービス・消耗品等の受注は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(2022年1月1日~2022年12月31日)

前年同期比(%)

工作機械事業

56,713

109.3

産業機械事業

10,878

104.2

食品機械事業

6,813

99.0

 報告セグメント計

74,404

107.5

その他

8,731

100.1

83,136

106.7

調整額

△2,640

合計

80,495

107.1

 (注)金額にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 売上高につきましては、中華圏での工作機械及び射出成形機の販売台数が減少したものの、円安による押し上げ効果で、前期と比較して7.1%増加の804億95百万円となりました。

 利益面につきましては、原材料・エネルギー価格の高騰、人件費等の増加などにより営業利益は前期比10億円減の58億13百万円となり、営業利益率は7.2%に低下しました。

 

b. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④ キャッシュ・フローの状況」に詳細は記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローで35億43百万円の資金を獲得し、設備投資など投資活動によるキャッシュ・フローで109億57百万円の支出となり、借入金の返済など財務活動によるキャッシュ・フローで60億12百万円の支出となりました。

 当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資などに対応するものであります。これらを自己資金、金融機関からの短期・長期借入金や社債(無利息の転換社債型新株予約権付社債についても対象としております。)により調達しており、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関とコミットメント契約を締結しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、その他の流動負債に含まれるリース債務、社債、長期借入金、その他の固定負債に含まれるリース債務の合計)は326億66百万円であります。

 

d. 目標とする経営指標

 当社の目標とする経営指標及び当該目標に対する当連結会計年度の達成度合は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2022年4月15日開催の取締役会において、2022年7月1日を効力発生日として当社の完全子会社である株式会社ソディックエフ・ティの放電加工機用消耗品の開発、製造、販売事業を会社分割の方法により、承継することを決議し、実施いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

5【研究開発活動】

 研究開発活動の拠点として、横浜本社技術研修センター研究開発棟に研究開発部門を置き、中国上海、米国カリフォルニア州シリコンバレーに研究開発子会社を開設しております。この世界3極体制のもと、技術研修センターを軸に、機械構造設計開発、放電加工機用電源の開発、放電加工機及びマシニングセンタなどの性能向上の研究を行っております。さらに中国上海、カリフォルニア州シリコンバレーなどの地域性を利用し、各種ソフトウエア開発、CNC装置開発、モーションコントローラ開発などの工作機械の基礎技術となる研究開発を実践しております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費総額は3,168百万円(工作機械事業2,275百万円、産業機械事業329百万円、食品機械事業102百万円、その他460百万円)であり、連結売上高の3.9%であります。

 

 当連結会計年度における主な研究開発の成果は、以下のとおりであります。

・リニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「AL i Groove + Edition」シリーズの開発(工作機械事業)

 ワイヤ放電加工の本質である放電回路と制御の大幅な改善に取り組み、加工速度20%向上と加工精度向上の両立を実現いたしました。また、消費電力量の20%削減や、ワイヤ消費量の削減など、環境に配慮した機械です。さらに、自動化対応や操作性向上など、お客様の様々な要望に応えた優れた製品であり、日刊工業新聞社主催の2022年「第65回十大新製品賞 本賞」を受賞しました。

 

・造形サイズの大型化と稼働率向上を実現した金属3Dプリンタ「LPM450」の開発(工作機械事業)

 独自開発の粉末材料を用いることにより、最大容積で従来機種比5.8倍の大型サイズの安定造形を可能にしたとともに、高速高品質造形ができるよう、デュアルレーザーを標準搭載し、オプションでクワッドレーザーもそろえました。また、レーザー加工時に発生する金属蒸気の集積物(ヒューム)の回収装置により、メンテナンス頻度を従来機種比約半分に削減し、稼働率向上も実現しました。

 

・リニアモータ駆動マシニングセンタ「UX450L」の開発(工作機械事業)

 超軽量ヘッド、機械構造体、各軸案内機構およびリニアモータ全てを新たに設計したことにより、更なる高速・高精度加工を可能としました。また、「簡易プログラム作成機能」や「マシニングレコーダ機能」の搭載により、操作性を向上させるとともに、新開発「アイドリングストップ機能」により、省エネにも対応しました。また、手ミガキ作業などこれまで職人の技が必要であった作業を機械加工に置き換える性能向上がさらに重要な役割を担うことをふまえ、ダイヤモンド工具を使用する高硬度材料直彫り加工の高速化や、光学レンズの鏡面仕上げ加工の効率アップなどに対応しました。

 

・制御精度や利便性を高めた新機種電動式射出成形機「MS G2」シリーズの開発(産業機械事業)

 電動式射出成形機「MS」シリーズの後継モデルとして、従来機の高精度な繰り返し安定性、生産性向上、省エネ効果、IoT 対応をそのまま継承しつつ、制御精度や利便性を高めた次世代の射出成形機です。独自機構「eV-LINEⓇシステム」による可塑化やサーボモータ駆動とする方式で、安定して高精度の成形が可能となり、新コントローラーや高精度温調システムを使用し、制御精度向上と温度制御を実現しました。また、スマートフォン感覚の操作パネルや条件設定を容易にするための成形支援機能も搭載し、利便性も高めました。国際安全規格ISO20430(JIS B 6711)にも準拠しています。

 

・パスタや焼きそばなどのほぐしと調味を1台で実現「ネオマザール」の開発(食品機械事業)

 従来、手作業に頼ってきた調理麺製造におけるソースなど調味液等の添加や撹拌工程の無人化を実現しました。手作業工程の削減により雑菌及び異物混入のリスクを低減することで、調理麺商品の鮮度延長が可能となり、フードロス削減に貢献し、お客様のSDGsに対する取り組みをサポートします。また、自動茹麺装置等の他装置との組み合わせや、麺のバリエーション、調味液の数や種類のカスタマイズにも柔軟に対応し、お客様の製造ラインに最適なソリューションをトータルで提供いたします。