第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(以下、当期)においては、スマートフォンなどのモバイル機器の需要拡大に関連した投資意欲が旺盛だったことから、半導体・電子部品を生産するメーカ各社は設備投資を積極的に行いました。

精密加工装置は、精密切断装置(ダイサ)ではロジックIC向けの需要が低調だった一方、精密研削装置(グラインダ)はフラッシュメモリ向けや電子部品向け、イメージセンサ向けなど幅広いアプリケーションで需要が拡大しました。消耗品である精密加工ツールは、為替の影響などもあり底堅く推移しました。その結果、連結売上高は3期連続で過去最高を更新しました。

利益については、積極的な研究開発などにより販売管理費が増加しましたが、為替の影響や製品構成の変化などによりGP率が上昇したことから、営業利益は大幅に増加しました。

以上の結果、当期の業績は売上高1,278億50百万円(前期比1.5%増)、営業利益303億38百万円(同13.4%増)、経常利益306億90百万円(同15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益230億96百万円(同15.1%増)となり、各利益とも過去最高を更新しました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前期末から149億84百万円増加し、571億62百万円となりました。「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」を合算したフリー・キャッシュ・フローは、221億42百万円の資金増加となりました。なお、当期における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動で得られた資金は、293億16百万円(前期比16.4%増)となりました。これは税金等調整前当期純利益が306億12百万円となり、たな卸資産の減少などによる資金増加があった一方、仕入債務の減少や法人税等の支払いよる資金減少があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は71億74百万円(同82.2%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は67億34百万円(同358.8%増)となりました。これは主に配当金の支払いに伴う資金支出によるものです。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

精密加工システム事業(百万円)

96,553

96.6

合計(百万円)

96,553

96.6

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

精密加工システム事業

126,778

98.1

10,067

90.4

合計

126,778

98.1

10,067

90.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

精密加工システム事業(百万円)

127,850

101.5

合計(百万円)

127,850

101.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

(1)高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の開発とCS(お客様満足度)の向上

当社の社会的使命(ミッション)を果たすために、半導体・各種電子部品の技術革新を支える高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の継続的な開発が必要となります。そのために、継続的な開発投資を可能にする財務的・経営的基盤作りに注力して取り組んでまいります。

さらに、CS(お客様満足度)の向上を図っていくため、お客様のニーズに対し、アプリケーション技術やサービスを含めたトータルソリューションを迅速に提供できるリソースの最適化および仕組みづくりを進めてまいります。

 

(2)BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)体制のさらなる強化

「安心して取引できる会社」「安心して働ける会社」を目指し、事業継続管理体制の構築、維持に取り組んでいます。製造・研究および本社機能を、地震が多い日本に置いていることから、本社・R&Dセンターおよび工場に免震棟を導入しています。さらに、自然災害や火災、感染症の流行、システム障害などが現実となっても事業を継続し、早期復旧するBCP(Business Continuity Plan)を策定し、全社的な対応計画を整備しています。重要製品の部材の備蓄、情報システムの二重化、従業員の訓練を継続的に行うことで、災害に強い企業づくりをさらに進めます。東日本大震災の発生を受け、今後はサプライチェーン対策をさらに進め、何があっても供給責任を果たすことができる体制づくりを強化していきます。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)半導体市場等の変動による影響

当社グループは世界中の半導体メーカや電子部品メーカ向けに製品を製造・販売しているため、お客さまの設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に半導体は、需給のバランスによって変化する市場であり、半導体メーカの業績はこうした動き、いわゆるシリコンサイクルの影響を受けます。そのためサイクルの下降局面や予期せぬ市場変動によってお客さまが設備投資凍結や減産などを行った場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)新技術の誕生による影響

当社グループは主に半導体シリコンウェーハ加工用の半導体切断・研削装置や精密ダイヤモンド砥石を製造・販売しております。今後、精密ダイヤモンド砥石に替わる加工技術が誕生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。なお、当社グループは精密ダイヤモンド砥石では切断が難しい素材向けなどに、レーザソーを製品化しております。

 

(3)災害等の発生による影響

当社グループは東京都大田区内に本社・R&Dセンター、広島県及び長野県に生産拠点を有しております。当社では、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)の強化に努めていますが、今後それらの地区に大規模な災害や新型インフルエンザなどが発生した場合、本社機能や製品生産に影響を与える可能性があります。

 

(4)為替の変動

当社グループは国内で製品を製造し、世界中の半導体メーカ、電子部品メーカへ輸出しております。基本は円建て取引ですが、地域、お客さまによっては米ドルなどの外貨建ての決済ニーズがあります。そのため、為替変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)環境規制に関連するリスク

当社グループはCO2排出、水質、化学物質、廃棄物等多様な環境問題に対し環境法及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。法令順守のみならず、当社が目指す環境中期目標を「環境ビジョン2020」として定め、環境リスク低減に努めています。環境法等の厳格化に対応するため、追加的義務並びにコスト増加が発生するリスクがあり、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)その他

上記に挙げたリスクに加え、世界及び各地域における経済情勢、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、製品の欠陥、仕入先の供給体制、知的財産権などの影響を受けます。これらの諸要因により、場合によっては当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費総額は134億99百万円となりました。

当社グループは、主に半導体や電子部品などの微細加工に使用される精密加工装置や精密加工ツール(消耗品)、アプリケーション技術に関する研究開発活動を行っています。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末(以下、当期末)の資産合計は、前連結会計年度末(以下、前期末)と比べ59億78百万円増加し、2,079億53百万円となりました。

流動資産は、前期末と比べ87億10百万円増加し、1,383億33百万円となりました。これは主にたな卸資産が28億2百万円、受取手形及び売掛金が16億49百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が149億80百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、前期末と比べ27億32百万円減少し、696億19百万円となりました。これは主に有形固定資産が13億60百万円、定期預金の払戻により長期預金が12億円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(負債)

負債合計は、前期末と比べ101億38百万円減少し、399億17百万円となりました。

流動負債は、前期末と比べ87億46百万円減少し、302億46百万円となりました。これは主に電子記録債務が43億27百万円、支払手形及び買掛金が24億80百万円それぞれ減少したことによるものであります。

固定負債は、主に長期借入金が8億33百万円減少したことにより、前期末に比べ13億92百万円減少し、96億71百万円となりました。

 

(純資産)

純資産合計は、前期末と比べ161億16百万円増加し、1,680億35百万円となりました。この結果、自己資本比率は80.4%(前期末比5.6ポイント増)となりました。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度(以下、当期)の当社グループの売上高は、前連結会計年度(以下、前期)に比べ19億30百万円増加し、1,278億50百万円となりました。

 

(営業利益)

売上原価は555億52百万円、売上総利益は722億98百万円となり、この結果、売上総利益率は56.5%(前期比2.4ポイント増)となりました。販売費及び一般管理費は、主に給料及び賞与、研究開発費が増加したことにより、419億59百万円となりました。これらの結果、営業利益は前期と比べ35億78百万円増加し、303億38百万円となりました。

 

(経常利益)

経常利益は、前期と比べ42億1百万円増加し、306億90百万円になりました。これは主に営業利益が大きく増加したことに加え、為替差損が減少したことによるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は1億50百万円、特別損失は2億28百万円となり、税金等調整前当期純利益は前期と比べ31億15百万円増加し、306億12百万円となりました。

税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率(負担率)は24.6%と、前期と比べ2.3ポイントの減少したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比べ30億28百万円増加し、230億96百万円となりました。

 

なお、業績等の概要については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照ください。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。