(1)業績
当連結会計年度(以下、当期)においては、データセンタ向けサーバやスマートフォンの高機能化に伴い、メモリ向けを中心に半導体メーカ各社は設備投資を積極的に行いました。
精密切断装置(ダイサ)・精密研削装置(グラインダ)ともにメモリ向けが堅調に推移した一方、前期好調だった電子部品向けや光半導体向けが減少したことにより、精密加工装置の売上高は約4%減少しました。
消耗品である精密加工ツールは、メモリの薄化需要の高まりと顧客の高い設備稼働率に比例して、グラインディングホイールを中心に出荷数量が大幅に増加しました。その結果、精密加工ツールの売上高は過去最高となりました。
これらの結果、為替による売上高の減少影響があったものの、連結売上高は4期連続で過去最高を更新しました。
利益については、為替による粗利益の減少、研究開発費・人件費などの販売管理費の増加があったものの、売上高の増加および製品構成の良化等により、営業利益は微増となりました。
以上の結果、当期の業績は売上高1,342億4百万円(前期比5.0%増)、営業利益313億41百万円(同3.3%増)、経常利益317億26百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益242億3百万円(同4.8%増)となり、各利益とも過去最高を更新しました。
(2)キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、329億5百万円の収入(前期比12.2%増)となりました。これは税金等調整前当期純利益が305億66百万円となり、減価償却や仕入債務増加により資金が増加した一方で、売上債権増加や法人税等の支払いに伴い資金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、63億42百万円の支出(同11.6%減)となりました。これは桑畑工場の拡張など有形固定資産の取得によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、119億56百万円の支出(同77.5%増)となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
以上の結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末から145億28百万円増加し、716億90百万円となりました。また、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」を合算したフリー・キャッシュ・フローは、265億63百万円の資金増加となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
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自己資本比率(%) |
69.8 |
71.4 |
74.8 |
80.4 |
79.9 |
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時価ベースの 自己資本比率(%) |
115.2 |
128.0 |
217.1 |
164.2 |
269.0 |
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キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
1.3 |
1.3 |
0.4 |
0.3 |
0.3 |
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インタレスト・カバレ ッジ・レシオ(倍) |
278.4 |
399.9 |
575.0 |
675.1 |
825.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(1)生産実績
当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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精密加工システム事業(百万円) |
98,822 |
102.4 |
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合計(百万円) |
98,822 |
102.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注状況は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
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精密加工システム事業 |
137,786 |
108.7 |
13,649 |
135.6 |
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合計 |
137,786 |
108.7 |
13,649 |
135.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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精密加工システム事業(百万円) |
134,204 |
105.0 |
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合計(百万円) |
134,204 |
105.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」をビジネステーマとして定め、「切る」、「削る」、「磨く」という3つの技術領域から逸脱することなく、日々進歩する科学を暮らしの豊かさや快適さに帰結させていくことを社会的使命(ミッション)としています。また当社では、一般的に企業の成長とされる売上やシェア、規模の拡大などは成長と捉えず、ミッションの実現性が向上すること、またお客様・株主・取引先・従業員など、すべてのステークホルダーとの価値交換性が向上することを「成長」と定義しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標
当社は、企業理念である「DISCO VALUES」を全ての構成員が理解し、日々実践・実現出来るよう浸透活動を徹底する一方で、企業としての組織能力を高めるために、Will会計(当社独自の管理会計)やPIM(Performance Innovation Management)と称するマネジメント手法をグループ全社で推進しています。
また、当社ではさらなる進化を遂げるためDISCO VISION 2020を策定しております。DISCO VISION 2020は、企業を構成する主要な要素という観点と当社を取り巻く代表的なステークホルダーとの関係性という観点から、当社の2020年における実現したい到達点を定義しています。
企業像としては、どんな環境でも生き抜く卓越した生命力を持ち、多くのステークホルダーにとって、「甲斐」のある企業となっている状態を目指します。
定量的な目標の一つとしては、4年累計で20%以上の連結売上高経常利益率を維持する態勢を構築することを掲げ、これまでと同様、シリコンサイクルによる市況の大きな変動に耐えうる十分な経済的能力と構造を構築してまいります。
さらに定性的な分野についても、定期的に実施しているCS(お客様満足度)調査やSS(サプライヤー満足度)調査、ES(従業員満足度)調査を活用しながら、DISCO VISION 2020の達成基準の検討を全社的に取り組んだ上で、各部門にて目標値とマイルストーンを設定して活動を展開してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
① 高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の開発とCS(お客様満足度)の向上
当社の社会的使命(ミッション)を果たすために、半導体・各種電子部品の技術革新を支える高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の継続的な開発が必要となります。そのために、継続的な開発投資を可能にする財務的・経営的基盤作りに注力して取り組んでまいります。
さらに、CS(お客様満足度)の向上を図っていくため、お客様のニーズに対し、アプリケーション技術やサービスを含めたトータルソリューションを迅速に提供できるリソースの最適化および仕組みづくりを進めてまいります。
② BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)体制のさらなる強化
「安心して取引できる会社」「安心して働ける会社」を目指し、事業継続管理体制の構築、維持に取り組んでいます。製造・研究および本社機能を、地震が多い日本に置いていることから、本社・R&Dセンターおよび工場に免震棟を導入しています。さらに、自然災害や火災、感染症の流行、システム障害などが現実となっても事業を継続し、早期復旧するBCP(Business Continuity Plan)を策定し、全社的な対応計画を整備しています。重要製品の部材の備蓄、情報システムの二重化、従業員の訓練を継続的に行うことで、災害に強い企業づくりをさらに進めます。東日本大震災の発生を受け、今後はサプライチェーン対策をさらに進め、何があっても供給責任を果たすことができる体制づくりを強化していきます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)半導体市場等の変動による影響
当社グループは世界中の半導体メーカや電子部品メーカ向けに製品を製造・販売しているため、お客さまの設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に半導体は、需給のバランスによって変化する市場であり、半導体メーカの業績はこうした動き、いわゆるシリコンサイクルの影響を受けます。そのためサイクルの下降局面や予期せぬ市場変動によってお客さまが設備投資凍結や減産などを行った場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)新技術の誕生による影響
当社グループは主に半導体シリコンウェーハ加工用の半導体切断・研削装置や精密ダイヤモンド砥石を製造・販売しております。今後、精密ダイヤモンド砥石に替わる加工技術が誕生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。なお、当社グループは精密ダイヤモンド砥石では切断が難しい素材向けなどに、レーザソーを製品化しております。
(3)災害等の発生による影響
当社グループは東京都大田区内に本社・R&Dセンター、広島県及び長野県に生産拠点を有しております。当社では、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)の強化に努めていますが、今後それらの地区に大規模な災害や新型インフルエンザなどが発生した場合、本社機能や製品生産に影響を与える可能性があります。
(4)為替の変動
当社グループは国内で製品を製造し、世界中の半導体メーカ、電子部品メーカへ輸出しております。基本は円建て取引ですが、地域、お客さまによっては米ドルなどの外貨建ての決済ニーズがあります。そのため、為替変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)環境規制に関連するリスク
当社グループはCO2排出、水質、化学物質、廃棄物等多様な環境問題に対し環境法及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。法令順守のみならず、当社が目指す環境中期目標を「環境ビジョン2020」として定め、環境リスク低減に努めています。環境法等の厳格化に対応するため、追加的義務並びにコスト増加が発生するリスクがあり、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)その他
上記に挙げたリスクに加え、世界及び各地域における経済情勢、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、製品の欠陥、仕入先の供給体制、知的財産権などの影響を受けます。これらの諸要因により、場合によっては当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当連結会計年度の研究開発費総額は146億70百万円となりました。
当社グループは、主に半導体や電子部品などの微細加工に使用される精密加工装置や精密加工ツール(消耗品)、アプリケーション技術に関する研究開発活動を行っています。
(1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末(以下、当期末)の資産合計は、前連結会計年度末(以下、前期末)と比べ177億95百万円増加し、2,257億48百万円となりました。
流動資産は、前期末と比べ163億6百万円増加し、1,546億39百万円となりました。これは主に現金及び預金が105億30百万円、受取手形及び売掛金が54億30百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前期末と比べ14億89百万円増加し、711億8百万円となりました。これは主に有形固定資産が13億89百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債合計は、前期末と比べ45億13百万円増加し、444億30百万円となりました。
流動負債は、前期末と比べ134億76百万円増加し、437億22百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が73億13百万円、電子記録債務が32億39百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、主に長期借入金が85億83百万円減少したことにより、前期末に比べ89億64百万円減少し、7億7百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前期末と比べ132億83百万円増加し、1,813億18百万円となりました。この結果、自己資本比率は79.9%(前期末比0.5ポイント減)となりました。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度(以下、当期)の当社グループの売上高は、前連結会計年度(以下、前期)に比べ63億54百万円増加し、1,342億4百万円となりました。
(営業利益)
売上原価は597億9百万円、売上総利益は744億95百万円となり、この結果、売上総利益率は55.5%(前期比1.0ポイント減)となりました。販売費及び一般管理費は、主に給料及び賞与、研究開発費が増加したことにより、431億53百万円となりました。これらの結果、営業利益は前期と比べ10億3百万円増加し、313億41百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前期と比べ10億36百万円増加し、317億26百万円になりました。これは主に営業利益が増加したことに加え、持分法による投資利益が増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は9百万円、特別損失は11億69百万円となり、税金等調整前当期純利益は前期と比べ46百万円減少し、305億66百万円となりました。
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率(負担率)は20.7%と、前期と比べ3.9ポイント減少したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比べ11億7百万円増加し、242億3百万円となりました。
なお、業績等の概要については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照ください。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。