第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針とサステナビリティの追求

1997年に制定した当社の企業理念である「DISCO VALUES」では、ディスコが社会において果たそうとする役割、つまり社会的使命(Mission)と、このMissionの実現に向けて確実に前進していくために、目標とする企業像(Target)を明らかにしています。

 

<Mission>

高度なKiru・Kezuru・Migaku技術によって

遠い科学を身近な快適につなぐ

 

<Target>

わたしたちの技術とサービスが国際的標準となり、

世界各地で喜ばれるようになる

 

企業活動すべてを一級のものとし

わたしたちの存在が社会・ステークホルダーから

歓迎されるようになる

 

当社は、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」をビジネステーマとして定め、「切る」、「削る」、「磨く」という3つの技術領域から逸脱することなく、これらの技術をより使いやすい形にして社会に提供し続けることにより、人々の暮らしの豊かさや快適さに帰結させていくことを自らの社会的使命(Mission)としています。また当社では、一般的に企業の成長とされる売上やシェア、規模の拡大などは成長と捉えず、Missionの実現性が向上することや、「従業員」「顧客」「株主」などのステークホルダーとの価値交換性が向上したかどうか、つまり昨年よりも今年、当社がより社会に役立ったかどうかを「成長」と定義しています。ゆえに、サステナビリティは1997年の「DISCO VALUES」制定以来、追求してきた当社の存在意義そのものであると考えています。

2002年には、日常の企業活動・業務を行う上で、役員・従業員を含む当社の構成員が、上記のMission、Target等に沿った行動や判断ができるように、200を超える、より具体的なステートメントを追加しました。そして、今日に至るまで、構成員が「DISCO VALUES」を理解し、日々実践・実現出来るように全社的な研修や職場単位での勉強会等を通じた浸透活動を継続的に実施しています。

また、これら企業理念を徹底する文化を醸成する一方で、企業としての組織能力を高めるために、各組織および各構成員が自律的に最良な機能を果たすために有効なWill会計(当社独自の管理会計)やPIM(Performance Innovation Management)と称する全社的な業務の改善、効率化を促進する活動をグループ全社で推進しています。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標

Missionの実現を目指す上での中長期のマイルストーンとして「DISCO VISION 2030」を策定しています。この「DISCO VISION 2030」は、その策定にあたって、「DISCO VISION 2020」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素に偏らず、定性的な要素も含めた内容になっています。事業や組織、人的資源といった「企業を構成する主要な要素:エレメントアングル」と、「従業員」「顧客」「株主」「取引先」「地域社会」など「ステークホルダーとの関係性:ステークホルダーアングル」から、当社の2030年度末の到達点をより立体的に定義しています。

中長期の経営指標に関しては、下記の2つの定量的目標を維持する態勢を構築することを掲げています。

・4年累計連結経常利益率20%以上

当社の大部分の顧客が所属する半導体業界では、業界特有の需給バランスにより市況が変動するシリコンサイクルと呼ばれる景気変動の波があります。これにより、単年の成果よりも的確に会社の成長を計ることができると考え、この4年累計連結経常利益率を重要業績指標と位置づけています。

・4年累計RORA(Return On Risk Assets)20%以上

棚卸資産や固定資産などの、換金性の低い資産の効率性を表す指標を用いて、事業における本質的な資産効率の向上を目指しています。なお、下記の計算式により算定しています。

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また、前記のステークホルダーに対する取り組み等の定性的な分野についても、定期的に実施しているCS(顧客満足度)調査やSS(サプライヤー満足度)調査、ES(従業員満足度)調査を活用し、「DISCO VISION 2030」の達成状況を確認しています。各ステークホルダーに対する取り組みや目指す姿等の詳細は次のURLからご覧いただくことができます。

https://www.disco.co.jp/jp/csr/sustainability/sustainability.html#kadai

 

(3)経営環境及び会社の対処すべき課題

今後は、情報通信技術の進展等によりAI、IoT、自動運転技術等に関連する分野での当社の「Kiru・Kezuru・Migaku技術」の用途の拡大が見込まれます。加えて、脱炭素社会への移行を背景とした半導体需要の高まりによって、中長期的に当社製品の需要が拡大すると考えております。このような状況下においても、引き続き、当社のミッション:「高度なKiru ・Kezuru ・Migaku 技術によって 遠い科学を身近な快適につなぐ」の実現性の向上とステークホルダーとの価値交換性の向上を軸に事業活動を行ってまいります。

① ミッションの実現性の向上

上記の中長期的な当社製品の需要を取り込むために、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」を核として、単に製品を販売するのではなく、装置、消耗品、そして、装置と消耗品を組み合わせ最適な加工条件を導き出すアプリケーション技術、これら3つの技術力を背景に、顧客の加工課題に対するトータルソリューション(総合的な解決策)を提供いたします。また、トータルソリューションの迅速な提供に必要なリソースの最適化や仕組みづくりを進め、「Kiru・Kezuru・Migakuの探究ならばディスコ」と先端技術に携わる人々から認められる状態を追求してまいります。そのためには、継続的な技術開発が必要ですので、研究開発設備の投資等のための財務的・経営的基盤作りに注力してまいります。

② ステークホルダーとの価値交換性の向上

当社は、上記のミッションの実現性の向上のためには、従業員・顧客・サプライヤー・株主など、すべてのステークホルダーとの価値交換が充実し、お互いの満足感が高まる状態を継続的に目指すことが必要と考えております。そして、これらのためには、経営基盤を支えるコーポレートガバナンスのさらなる高度化が必要です。そこで、指名委員会等設置会社への移行に伴う社外取締役比率の向上や女性取締役の選任による取締役会における多様性の確保等を行い、誠実かつ良質なガバナンスの実現と継続的な向上を目指します。また、当社が社会の一員としてステークホルダーとの価値交換性を高めるためには、まず、ステークホルダーに直接働きかける従業員の満足度を高めることが重要と考えています。継続的に、従業員の働きがいの向上を含めた従業員満足度向上のための諸施策に取り組んでまいります。そして、環境の側面では、バリューチェーンにおける環境負荷の低減を目指すべく、2021年度に新たな温室効果ガスの削減目標として、以下の中長期目標を設定しました。

中期目標:「2030年度までに自社操業に関連する排出量(Scope1+2)のカーボンニュートラル実現を目指す」

長期目標:「2050年度までにサプライチェーン全体の排出量(Scope1+2+3)のカーボンニュートラル実現を目指す」

上記の重要課題を含め、全企業活動を通じサステナブルな社会の実現に貢献する企業を目指してまいります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症の影響

当連結会計年度(以下、当期)は、引き続き新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、経済活動が制限される状況にありましたが、顧客からの強い引き合いが継続しており、当期の業績に重大な影響を与えたとは認識しておりません。

また、2020年4月7日に日本政府より、緊急事態宣言下においても事業継続が求められるものとして半導体工場が追加指定されました。当社グループは、お客様の半導体工場の継続稼働を支える製品を製造する立場であり、今後もBCM体制のさらなる強化に取り組み、半導体生産向けの消耗品である精密加工ツールおよび精密加工装置等を生産し納入してまいります。これらを踏まえ、当該感染症拡大の影響による当社グループの経営戦略等の変更はありません。

ただし、今後、当該感染症の影響により経済状況が悪化し最終製品需要が著しく減退した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)半導体市場等の変動による影響

当社グループは世界中の半導体メーカや電子部品メーカ向けに製品を製造・販売しているため、お客さまの設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に半導体は、需給のバランスによって変化する市場であり、半導体メーカの業績はこうした動き、いわゆるシリコンサイクルの影響を受けます。そのためダウンサイクルや予期せぬ市場変動によってお客さまが設備投資凍結や減産などを行った場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

この需給の変動への対策が、変化への対応力のある組織づくりです。前述のWill会計(当社独自の管理会計)、PIM(Performance Innovation Management)と称する改善活動の継続的な取り組みは、コストダウンやミスの低減等が利益率の向上に寄与しダウンサイクルへの備えとなるだけでなく、一人ひとりが自ら考え、より良い解決策を実行する人財の育成、延いては、変化に柔軟に対応する企業文化の醸成に繋がっております。

 

(2)新技術の誕生による影響

当社グループは主に半導体シリコンウェーハ加工用の半導体切断・研削装置や精密ダイヤモンド砥石を製造・販売しております。今後、精密ダイヤモンド砥石に替わる加工技術が誕生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。当社グループは精密ダイヤモンド砥石では切断が難しい素材向けなどに、レーザやプラズマを用いた加工技術等の開発を進めております。

 

(3)災害等の発生による影響

当社グループは東京都大田区内に本社・R&Dセンター、広島県及び長野県に生産拠点を有しております。今後それらの地区に大規模な災害や大規模な感染症の流行などが発生した場合、本社機能や製品生産に影響を与える可能性があります。

当社グループは組織的に継続した対策を実行するために代表取締役社長をチェアマンとする役員で構成され、平時よりBCMS (Business Continuity Management System:事業継続マネジメントシステム)に関する重要事項の審議を行うBCMコミッティーを設置・運営するとともに、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)専門の部署を設置しております。そして、BCMにおける最も重要な対策は「従業員一人ひとりが自分の身を守れること」であると考え、自然災害や感染症などのリスクを想定し、従業員への啓発や身を守るための行動促進に努めています。例えば、感染症は、治療よりもまず感染しないことが重要と考え、パンデミックへの備えと啓発活動の一環として、独自のパンデミックレベルを設定し、レベル別の行動基準の遵守を従業員に義務づけております。また、地震に関しては、本社・R&Dセンターや各生産拠点において免震構造を採用、全ての精密加工ツール・精密加工装置を免震構造棟で生産できる体制を整えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 新型コロナウイルス感染症の影響」に記載しております。

 

(4)原材料・部材の調達

原材料・部材の需給逼迫や災害に起因する原材料・部材の調達難が生産に影響を与える可能性があります。これに対して、当社グループでは重要な原材料・部材を中心に政策的な在庫の確保、仕入先との関係強化等の対策を実施しております。

 

(5)為替の変動

当社グループは国内で製品を製造し、世界中の半導体メーカ、電子部品メーカへ輸出しており、地域、お客さまによっては米ドルなどの外貨建ての決済ニーズがあります。そのため、為替変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。これに対して、為替感応度の分析を行い業績に与える影響を把握し、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定出来る体制を整えております。

 

(6)環境規制に関連するリスク

当社グループは、気候変動問題、水質、化学物質、廃棄物等多様な環境問題に対し環境法及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。環境法等の厳格化に対応するため、追加的義務並びにコスト増加が発生するリスクがあり、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があるため、法令遵守のみならず、環境リスク低減に努めています。なお、当社が目指す環境中期目標は、気候変動、化学物質/汚染予防、水資源、その他の資源(購入品/廃棄物)、生物多様性の観点を含めて「環境ビジョン2030」として策定中であり、決定次第公表いたします。

 

(7)その他

上記に挙げたリスクに加え、世界及び各地域における経済情勢、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、製品の欠陥、仕入先の供給体制、知的財産権などの影響を受けます。これらの諸要因により、場合によっては当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(以下、当期)の市場環境は、5G関連や自動車向けに加え、世界的な脱炭素化の加速などを背景に、ロジックICやメモリ、パワー半導体など幅広い用途で半導体需要が拡大しました。

このような市場環境のもと、顧客である半導体メーカの設備投資意欲が旺盛であることを背景に、精密加工装置であるダイシングソー、グラインダは年度を通じて高水準の出荷となりました。また、顧客の設備稼働率も高水準で推移したことから、消耗品である精密加工ツールの出荷額も好調に推移しました。

 

年度を通じて製品出荷が高水準で推移し、機械製品の検収も順調に進捗した結果、当期の売上高は過去最高を大幅に更新しました。損益については、人件費や研究開発費など販売管理費の増加はありましたが、売上高の大幅な増加および収益性の改善により、営業利益は7割増の大幅増益となりました。

以上の結果、当期の業績は以下のとおりとなり、各利益において過去最高を大幅に更新しました。

 

売上高            2,537億81百万円 (前期比 38.8%増)

営業利益            915億13百万円 (前期比 72.3%増) 営業利益率 36.1%

経常利益            924億49百万円 (前期比 72.4%増) 経常利益率 36.4%

親会社株主に帰属する当期純利益 662億6百万円 (前期比 69.4%増) 純利益率  26.1%

 

なお、当期時点で「4年累計経常利益率」は30.8%(前期は28.7%)となり、当社の目指すべき目標の一つである「4年累計経常利益率20%以上」を6期連続で達成しました。

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下、前期末)と比べ755億14百万円増加し4,045億40百万円となりました。これは、主に現金及び預金を中心とした流動資産が増加したことや、羽田R&Dセンターや桑畑工場A棟Dゾーンなどへの設備投資により有形固定資産が増加したことによるものです。

負債は、前期末と比べ340億54百万円増加し1,107億28百万円となりました。これは、主に契約負債や賞与引当金が増加したことによるものです。

純資産は、前期末と比べ414億60百万円増加し2,938億12百万円となりました。

 

これらの資本構成の結果、各指標は以下のとおりとなりました。

総資産利益率(ROA)          18.1% (前期比 5.1ポイント上昇)

自己資本利益率(ROE)         24.3% (前期比 7.9ポイント上昇)

4年累計RORA(Return On Risk Assets) 37.1% (前期比 1.8ポイント上昇)

自己資本比率               72.3% (前期末比 4.0ポイント低下)

 

当期は、引き続き新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、経済活動が制限される状況にありましたが、顧客からの強い引き合いが継続しており、当期の業績に重大な影響を与えたとは認識しておりません。

 

 

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

精密加工システム事業(百万円)

217,712

164.5

合計(百万円)

217,712

164.5

(注)金額は販売価格によっております。

 

② 受注実績

当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

精密加工システム事業

301,495

148.7

116,550

169.3

合計

301,495

148.7

116,550

169.3

 

③ 販売実績

当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

精密加工システム事業(百万円)

253,781

138.8

合計(百万円)

253,781

138.8

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

営業活動によるキャッシュ・フローは、836億54百万円の収入となりました。(前期比 47.5%増)

これは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、435億91百万円の支出となりました。(前期比 232.6%増)

これは、主に羽田R&Dセンターや桑畑工場A棟Dゾーンなどの有形固定資産の取得による支出によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、271億93百万円の支出となりました。(前期比 71.8%増)

これは、主に配当金の支払いによるものです。

 

これらの結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は、1,257億71百万円となりました。(前期末から159億61百万円の増加)また、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」を合算した「フリー・キャッシュ・フロー」は400億63百万円となりました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金、設備資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を調達しております。これらの自己資金は、機動的な事業経営、柔軟な研究開発活動を目的として、会社の対応力向上のために活用しております。

なお今後の必要資金については運転資金423億円設備拡張資金53億円技術購入予備費6億円税金・配当の支払い等191億円を想定しております

また、株主還元としては、「配当による還元」を基本方針としております。

基本の配当性向は25%(業績連動)とし、年度末時点で将来に備えた投資資金を勘案した上で余剰資金が発生した場合、その余剰資金の3分の1を追加配当として還元いたします。

余剰資金が発生した場合、その時点で全てを還元すると、その年度においては配当額が多額となる一方、次年度には大幅な減配となります。これを防ぐため、配当額をある程度平準化して安定的に支払うためにも余剰資金は毎年3分の1ずつ還元しております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表の作成においては、会計方針の適用や会計上の見積り及び仮定の設定を行っています。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、これらの見直しによる影響は、当該見積りを見直した連結会計年度及び将来の連結会計年度において認識しております。

なお、現時点では新型コロナウイルス感染症の拡大が翌連結会計年度の連結財務諸表に重大な影響を及ぼすとは認識しておらず、当該感染症による影響は見積り及びその基礎となる仮定に含んでおりません。

連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える可能性のある見積り及び仮定は、以下のとおりであります。

 

① 棚卸資産の評価

棚卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価より下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としています。また、滞留期間や将来の販売予測に基づいて営業循環過程から外れた棚卸資産を識別し、処分見込価額等まで帳簿価額を切り下げております。

棚卸資産の評価は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて実施しておりますが、客先の設備投資動向や生産動向の影響による将来の需給バランスや市況の変化等により、正味売却価額や将来の販売予測等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

なお、当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている商品及び製品217億55百万円、仕掛品189億97百万円には、当社グループの主要な製品の1つである精密加工装置が301億41百万円含まれております。

 

② 退職給付債務の測定

退職給付債務は、割引率や将来の退職率・死亡率・昇給率などの計算基礎に基づき算定しており、これらの仮定の合理性については、外部の年金数理人からの助言を得ています。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りにより決定しておりますが、関連法令の改正等により計算基礎に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産は、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、経営者が最善と判断した見積りに基づいて金額を算定しておりますが、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合や、タックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 固定資産の減損

減損損失の認識において使用される将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等の前提条件については、一定の仮定に基づき設定しております。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて決定しておりますが、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合には、固定資産の減損処理を行い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費総額は19,889百万円となりました。

当社グループは、主に半導体や電子部品などの微細加工に使用される精密加工装置や精密加工ツール(消耗品)、アプリケーション技術に関する研究開発活動を行っております。

近年、最終製品の小型化、高性能化に伴い顧客から精密加工のニーズは増え続けていることから、高度なKiru・Kezuru・Migakuに関するアブレイシブ技術やレーザ技術、ソフトウェア技術などに携わるエンジニアを積極的に採用しております。

また、シリコン以外の素材加工のニーズも増えていることからそれらに対応した研究開発も積極的に行っております。