第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「技術創造」「社会貢献」「明るい社風」を経営理念に掲げ、「株主」「取引先」「社員」及び「地域社会」に対して適正な利益を還元し、社会に貢献していくことを経営の基本理念と考えております。また、「お客様視点のものづくり」を常に心掛け、お客様からの高い満足と信頼を得られる企業づくりを目標に事業展開してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは金属加工機械事業の単一セグメントであることやその事業規模、企業規模等を勘案し、役職員及び利害関係者にわかりやすい経営指標を設定することが重要だと考えていることから、目標とする経営指標を売上高、経常利益としております。

これらの指標は事業計画を策定する中で、生産システムの合理化による売上総利益の改善、経費削減による営業利益の確保、あるいは経常利益の向上といった損益を重視した財務体質の改善を図りつつ、バランスのとれた企業に成長するよう検討し、年1回策定しております。

 

2025年5月期連結会計年度の事業計画は、次のとおりであります。

区  分

2024年5月期

実績(百万円)

2025年5月期

計画(百万円)

前年同期比(%)

売 上 高

5,464

5,500

0.6

経常利益

659

600

△9.0

 

 

2025年5月期の見通しは、引き続き都市部を中心とする鋼構造物プロジェクト需要が見込まれ、国土強靭化基本計画による国内インフラ補強、物流倉庫、データセンター等の継続的な内需によって底堅く推移するものの、本年4月から始まった建設、運輸分野に係る2024年問題と構造的な人手不足による影響はコストの増加や建設工期の進捗に影響を及ぼし、引き続く鋼材価格の高止まりやエネルギー価格の上昇、不安定な為替相場、長期金利の上昇などの負の要素が加わり、事業環境は極めて不透明な状況で推移するものと予想しております。

なお、将来の不確実な経営環境の影響を受け、業績予想は大きく変動する可能性があります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは「お客様視点のものづくり」を基本原点に、建築鉄骨業界・製缶板金業界に形鋼加工機、自動車関連業界・鋼材加工業界に丸鋸切断機を主力製品として、各種鋼材(H形鋼、パイプ材、丸材、角材、平板等)に穴あけ・切断加工を施す金属加工機械の製造販売、自社製品の保守サービス、自社・他社のプレス機械に利用する金型の製造販売のほか、他社製品の部品加工、組立といった製造を請け負う受託生産を事業として展開しております。

当社グループの製品・保守サービスにおける販売体制は、国内は代理店・販売店を介したルート販売と直接販売、海外は現地の販売店、国内の代理店・販売店を介したルート販売によって販売活動が行われており、当社グループ製品により加工した各種鋼材は、ビル、橋、造船、架台などの鋼構造物の柱や梁の部材、自動車・機械関係の部品として旋盤加工や鍛造加工などを施すための素材に利用されております。

当社グループの主力製品である形鋼加工機、丸鋸切断機は、標準機やお客様の利便性に応える豊富なオプションをラインアップするほか、お客様固有のご要望に応えるようカスタマイズを施した客先仕様機を製造販売するなど、グローバルな競合他社に負けない競争力を強化すべく基盤体制づくりを進めております。

 

当社グループを取り巻く事業環境は、都市部の鋼構造物プロジェクトを中心に高度成長期に建築された社会インフラの老朽化による補強や更新、近年の相次ぐ天災から国土強靭化計画による国内インフラの補強に加え、少子高齢化に伴う生産人口の減少による省人化といった高機能な製品へのリプレースなど、内需の継続は期待できますが、中長期的な視点では国内の人口減少による内需の縮小が懸念されます。

こうした事態に備え、競合他社との事業の優位性を確保するため、多くのお客様に共通するニーズを捉えた製品開発やオプションの機能充実、ラインアップの拡充を図りつつ、積極的な客先仕様機の対応や保守サービスの強化によってお客様の満足と安心をご提供し、選ばれる会社を目指してまいります。また、内需の縮小には海外市場に売上拡大を図り、外需で対応するよう事業を展開する必要があります。そこで、将来的にはグローバルステージ参画の強化と海外事業を成長させることによって市場の拡大を図り、企業価値を高め、安定した収益を確保できる企業体質の構築を目指してまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループの翌期から中長期にかけての会社の経営戦略に掲げる経営課題は、以下のとおりであります。

 

① 新製品の開発

お客様の慢性的な人手不足の問題による設備の省人化・省段取りの需要が高まっていることから新製品開発の強化を図るよう年間2機種の開発を目指し、スピード感を持って対応するほか、お客様固有のご要望(客先仕様機)にも積極的に取り組んでまいります。

中長期的には市場全体が求める半歩先のニーズを捉えるマーケティング力を養い、新製品開発力の向上を図ってまいります。

 

ブランディング活動の継続

機能を向上させた新製品の外観を演出するようデザインを刷新し、タケダブランドの認知度向上に向け、その魅力を積極的に発信するようブランディング活動を強化してまいります。

 

③ 付加価値の向上

ICT技術を積極的に活用した業務の改善活動に取り組むほか、お客様からの信頼を獲得するよう品質の強化を図るなど、ムダ取りを徹底することによって、幅広く生産性を向上させてまいります。

中長期的な戦略としてICT技術が備わった製品販売とお客様が求めるサービスの充実を目指し、付加価値を生み出す高収益企業を目指してまいります。

 

④ 在庫コストの削減

近年の部品調達難とお客様に対する納期の確保を受けて在庫高が年々上昇していることから適正在庫の取組みを再強化し、タイムリーな納品を維持しつつ、在庫(客先仕様機を除く。)の最適化を図るための効率的な生産体制と、販売と製造が一体となり市場の需要予測精度を高め、在庫コストを削減してまいります。

 

⑤ 人材育成の強化

OJT・OFF-JTによる自律した人材の育成に積極的に努め、各種資格取得推進と教育制度の拡充による従業員の成長と技術・技能レベルの向上を図るなど、当社グループ全体の総合技術力・人間力の強化に積極的に努めてまいります。

 

⑥ 企業価値の向上

社会が求める多様化する雇用、自然環境等への対応と企業活動の共存を図りつつ、持続可能な成長を可能とする企業活動に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

(1) ガバナンス

当社グループは企業活動を通じ、ESGを巡る課題のうち、企業規模を鑑みつつ、実現可能な課題に対して積極的に取り組み、企業に求められるサステナビリティを推進することを基本方針とし、スローガンに「できることから積極的に取り組もう」を掲げ、全社員が目的を共有して行動してまいります。

この方針に基づき、当社の取締役会は人的資本・知的財産への投資等について、環境に配慮した設備の取得、雇用の改善、人材の採用など幅広く審議し、変化し多様化し続けるサステナビリティへの対応に取り組み、それらの投資状況について定期的に確認するなど、実効性を高めるよう努めております。

 

(2) 戦略

当社グループは、社会が求める多様化する雇用、自然環境等への対応と企業活動の共存を図りつつ、持続可能な成長を可能とする企業活動に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

環境の課題については、非化石電力を本社建物で使用する電力契約を採用し、太陽光発電設備を導入しております。これらによる当連結会計年度におけるCO2排出削減実績は、北陸電力株式会社が現在ホームページで公表しているCO2排出係数(調整後排出係数)を参考に換算した結果、約670トンのCO2を削減しております。このほか、照明のLED化、省エネ・効率性の高い機械設備の導入、ハイブリット車の採用、信頼のあるリサイクル業者及び廃棄業者の選定など環境を意識した企業活動を展開しております。

人的資本・知的財産への投資等については、少子高齢化社会から生じるお客様の人手不足の課題に対する省人化の実現、付加価値を生み出す製品・サービスの充実や社内の業務改善に対するICT技術の活用、社員教育による人材の育成などに取り組むほか、雇用の改善が進む関係法令の改正とともに各種規程を整備し、ワークライフバランスを図れるよう全社員が働きやすい、働きがいのある職場を提供してまいります。

 

(3) リスク管理

当社グループのリスク管理は、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1) コーポレート・ガバナンスの概要、② 企業統治の体制、3) 会社の機関の内容及び内部統制システム、リスク管理体制の整備状況」に記載するリスク管理体制に基づき、適切に対処してまいります。

また、当社グループが認識する主要なリスクのうち、人的資源に関するリスクは、「3 事業等のリスク、(4) 人的資源に関するリスク」に記載しております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、(2)項に記載する人材育成及び社内環境整備に関するもののうち、男女間のバランスを意識した働きやすい、働きがいのある職場を分析するため、女性活躍推進法に基づき、労働者に占める女性労働者の割合、男女の平均継続勤務年数の差異、有給休暇取得率の3項目をその対象としております。

 

当該項目についての実績値及び中長期の目標値は、次のとおりであります。

 

2022年5月期

実績値

2023年5月期

実績値

2024年5月期

実績値

中長期の

目標値

労働者に占める女性労働者の割合

 

 

 

 

 

 

 正規従業員

13.2%

12.4%

12.9

15.0

 臨時従業員

14.3%

14.3%

11.2

15.0

男女の平均継続勤務年数の差異
(注)1

男性 14.0年

女性 15.2年

男性 14.3年

女性 15.0年

男性 14.4年

女性 15.5年

 

 

差異 △1.2年

差異 △0.7年

差異 △1.1

差異 0.0

有給休暇取得率 (注)1

38.4%

45.8%

53.9

70.0

 

(注) 1.実績値及び中長期の目標値は、臨時従業員を含めて算出しております。

2.上記の数値は、当社及び連結子会社タケダ精機株式会社におけるそれぞれの平均数値を加重平均して算出しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 政治・経済情勢に関するリスク

当社グループの業績は国内外の政治・経済情勢の動向に応じて変動する影響を受けておりますが、さまざまなリスクが存在しております。

具体的なリスクとして、大規模な金融危機、貿易摩擦、テロ、デモ、戦争等の地政学的リスクの発生が急速な信用収縮を引き起こし、企業の資金繰りが悪化することが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該事象が発生した場合は、企業の設備投資が長期にわたり低迷し、当社グループ製品の需要が著しく減少することから、企業活動の停滞又は休止、資金の流動性の低下、競合他社との厳しい価格競争にさらされることが考えられます。

このような状況に対して、資金の流動性を高めるよう手許資金と必要な内部留保を確保しつつ、バランスのとれた財務体質を構築し、安定した事業継続を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。このほか、材料・部品の調達に関する政治・経済情勢のリスクは、(2)項に記載しております。

 

(2) 材料・部品の調達に関するリスク

当社グループは鋼材等の素材、加工部品、購入部品といった多岐にわたる材料・部品を製品の所要量に基づき調達し、在庫が増加又は滞留しないよう適正な管理に努めておりますが、さまざまなリスクが存在しております。

具体的なリスクとして、特殊な材料・部品を供給する調達先の倒産・事業撤退、災害等による調達先の罹災のほか、政治・経済情勢の動向に応じて為替、原材料価格、材料・部品の供給と需要の関係等が著しく変動し、材料・部品の調達が不安定になることが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該事象が発生した場合は、材料・部品の価格上昇、納期遅延の問題が長期にわたることから、製造原価の上昇影響を販売価格に転嫁できないことによる収益の悪化、生産活動の停滞又は休止が考えられます。

このような状況に対して、材料・部品の標準化又は共通化、調達先の分散化、納期遅延となることが予想される材料・部品の先行調達等を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。

 

(3) 製品開発に関するリスク

当社グループはお客様がご要望する製品(客先仕様機)の開発と販売を積み重ね、将来の市場ニーズを捉えるよう付加価値の創出と信頼性の向上を図るべく効果的な製品開発を行っておりますが、さまざまなリスクが存在しております。

具体的なリスクとして、先端技術への対応、市場ニーズとの乖離による製品開発の遅れ又は競合他社に対する後れが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該事象が発生した場合は、競合他社の画期的な新製品が市場に先行投入されることのほか、製品開発が長期にわたることから、当社グループ製品の陳腐化による市場シェアの縮小、既存製品の大幅な値下げ、開発コストの上昇影響を販売価格に転嫁できないことによる収益の悪化が考えられます。

このような状況に対して、営業部門・技術サービス部門・技術開発部門が一体となりマーケティングを展開し、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(4) 会社の対処すべき課題、① 新製品の開発」に記載する課題に取り組み、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。

 

(4) 人的資源に関するリスク

当社グループは人的資源の確保に必要な人事制度、社員教育制度、福利厚生制度等を設けておりますが、さまざまなリスクが存在しております。

具体的なリスクとして、我が国の少子高齢化社会の問題に歯止めがかからず、将来において事業に必要な人材を確保できないことのほか、後継者育成の遅れ又は経営に係る主要な人物が何らかの理由によって業務の執行が行えないことが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該事象が発生した場合は、現状の企業活動が困難になることから、生産納期の遅延による機会損失、保守サービス活動の遅延によるお客様満足度の低下を招くほか、販売活動、社内業務においても支障をきたし、事業の維持又は拡大に影響を与えることが考えられます。

 

このような状況に対して、人事考課制度の改善、インセンティブな資格取得制度による役職員のスキルアップの促進、OJT・外部研修機関等による社員教育の充実、ICT技術の活用による生産性の向上を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。

 

(5) 災害等に関するリスク

当社グループは国内外に生産拠点、販売拠点及び取引先が点在しており、自然災害や事故に備えて災害等のリスク発生の可能性と費用効果のバランスを考慮しつつ、当社グループの資産及び役職員に対して部分的に保険を付保するほか、迅速な対応が行えるよう規程等を整備しておりますが、さまざまなリスクが存在しております。

具体的なリスクとして、当社グループ及び取引先の保有する棚卸資産・設備等の財産、役職員が地震・水害・雪害等の自然災害、火災・爆発等の事故、新型ウイルス感染症等の流行によって罹災し、多大な損害を被ることが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該事象が発生した場合は、復旧が長期にわたることから、一時的な損害に止まらず、企業活動の停滞又は休止に陥ること、とりわけ、生産拠点は1拠点に集中しており、当該拠点が罹災したときは甚大な損害になることが考えられます。

このような状況に対して、自然災害又は事故には現状の保険内容や緊急時対応規程等の定期的な見直しのほか、状況に応じて緊急対策本部を設け、体系的に的確かつ迅速な復旧活動に取り組み、新型ウイルス等の感染症の流行には行政機関が指導するガイドラインに従った行動や当該機関との緊密な連携を図りつつ適宜に対応し、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。

このほか、材料・部品の調達に関する災害等のリスクは(2)項、情報管理に関する災害等のリスクは(6)項に記載しております。

なお、当該リスクの発生が企業の資金繰りを悪化させ、企業の設備投資が長期にわたり低迷し、当社グループ製品の需要が著しく減少する影響は、(1)項に記載する内容と同様に対応してまいります。

 

(6) 情報管理に関するリスク

当社グループは取引先を含め、販売取引・仕入取引に係る顧客情報、技術情報、経営情報等の機密情報及び個人情報を取り扱い、これらに対してセキュリティ対策を講じておりますが、さまざまなリスクが存在しております。

具体的なリスクとして、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染、社内設備の故障、災害等による機密情報及び個人情報の流出、消失又は基幹システムの大規模な障害の発生のほか、持ち出しによる機密情報及び個人情報の紛失・盗難等が想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該事象が発生した場合は、当社グループ及び取引先に対する社会的信頼、市場優位性の喪失、基幹システムの障害が長期にわたることから、人材の流出、取引先の流出による市場シェアの縮小、企業活動の停滞が考えられます。

このような状況に対して、重要データのバックアップ保管、ハードウェアの保守、パスワード管理の強化、セキュリティソフトの導入、文書管理規程による情報管理(電磁的記録及び書類記録)のほか、情報管理に係る社内教育の実施による人為的なミスの未然防止を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、経済活動の正常化に向けて緩やかな回復基調の中、長期金利の上昇、ウクライナ・中東情勢の問題や円安の為替相場によるエネルギー価格、鋼材価格の高止まり、中国経済の減速、不安定な半導体部品の供給に米中の地政学的リスクが加わるなど、先行きが不透明なまま推移しました。

 

このような状況の下、当社グループは「お客様視点のものづくり」を基本原点に、新製品開発の促進、提案営業の展開、保守サービスの充実等に取り組むほか、継続的な生産性向上への取組みや人手不足の解消に向けてICT技術を積極的に活用するなど、付加価値を向上させるよう推進してまいりました。

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は5,464百万円(前年同期比16.5%増)、営業利益は636百万円(前年同期比65.8%増)、経常利益は659百万円(前年同期比58.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は427百万円(前年同期比34.8%増)となりました。

 

① 品目別売上高の概況

1) 形鋼加工機シリーズ

鋼材価格等の高止まりや人手不足の影響を受け、総じて建設需要は停滞傾向にあったものの、都市部を中心とした鋼構造物プロジェクトや物流倉庫、データセンター等の建設は堅調に推移したことから、売上高は3,739百万円(前年同期比15.5%増)となりました。

 

2) 丸鋸切断機シリーズ

自動車関連業界は前年度の生産調整から全体的に回復基調にあったものの、設備投資の需要は低調に推移しましたが、鋼材加工業界の生産活動が堅調に推移したことから、売上高は274百万円(前年同期比119.1%増)となりました。

 

3) 金型シリーズ

形鋼加工機に付帯する金型の出荷は前年度並みだったものの、お客様の機械稼働の改善によって金型消耗部品の需要が増加したことから、売上高は468百万円(前年同期比3.6%増)となりました。

 

4) 受託事業・その他

製造業における不安定な外部環境が受託事業に影響を及ぼす中、新規取引先の開拓を積極的に展開し、子会社のタケダ精機株式会社の売上高が271百万円(前年同期比12.8%増)となったことから、売上高は273百万円(前年同期比12.5%増)となりました。

 

5) 部品・サービス

お客様の機械稼働が改善する中、迅速な対応で「お客様満足度の向上」を図るよう増員とアフターサービスの充実を展開したことから、売上高は708百万円(前年同期比12.6%増)となりました。

なお、部品の売上高は586百万円(前年同期比10.7%増)、サービスの売上高は121百万円(前年同期比22.8%増)となっております。

 

② 当連結会計年度の課題における活動の概況

当連結会計年度の課題における活動の概況は、以下のとおりであります。

 

1) 新製品の開発

形鋼加工機のCBF、UWFについて新デザインを取り入れたモデルチェンジを行ったほか、製品の開発構想の強化を目指して「ことづくりプロジェクト」を立ち上げ、組織横断的に取り組み、有識者によるマーケティング講習を12回受講し、開発に係る課員の知識・スキルの向上を図るよう展開しました。

 

2) ブランディング活動の継続

製品の性能や機能を兼ね備えつつ、製品に新しいタケダのイメージを創出する新デザインを施すよう2022年5月期から継続的に展開し、外観デザインをデザイナーと共に創作しました。また、当社ホームページにバーチャル展示場を開設し、タケダ製品の魅力を幅広く発信しました。

 

3) 付加価値の向上

生産活動にIoT技術を、業務活動にICT技術を活用した改善活動に継続して取り組みました。また、お客様へのサービス活動にスマートグラスを取り入れ、課員の技術向上とお客様に対するサービスの充実を図るほか、サービス課員を増員するなど、お客様に安心を届ける付加価値の向上に努めてまいりました。

 

 

4) 海外売上高の拡大

当連結会計年度の海外売上高は128百万円(売上高比率2.4%)となり、前連結会計年度(海外売上高225百万円、売上高比率4.8%)と比べ、海外売上高は96百万円減少、売上高比率は2.5%減少となりました。

 

5) 人材育成の強化

役員研修、新任管理職研修、技能検定など、外部研修の受講や資格の取得を推進するほか、自己啓発を目的にeラーニングや通信教育を積極的に活用するなど、継続して人材育成の強化に取り組みました。

 

6) 企業価値の向上

持続可能な成長を可能とする企業活動への取組みは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。当連結会計年度はこのほか、本社内の共用スペースをオフィススペースに活用して働きやすい職場環境の充実を図ることに合わせ、LED照明の拡張と断熱効果の高い窓ガラスフィルムの採用によるC02の排出削減に取り組み、また、ワークライフバランスを図るよう有給休暇の取得を促進しました。

 

③ 当連結会計年度の目標とする経営指標と実績数値との分析

当連結会計年度における事業計画数値と実績数値との分析は、次のとおりであります。

区  分

2024年5月期

計画(百万円)

2024年5月期

実績(百万円)

増減比(%)

売 上 高

5,000

5,464

9.3

経常利益

480

659

37.4

 

 

2024年5月期における当社グループの事業計画は前事業年度の有価証券報告書の「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(2) 目標とする経営指標」に記載しており、当連結会計年度における事業状況の結果は同項「(1) 経営成績」に記載する経営成績のとおりとなりました。

事業計画数値と実績数値との分析として、経常利益は生産調整の実施による操業度の影響を受けて微減しましたが、売上高及び経常利益はライン機械(省人化・省段取り)の需要増加、子会社の外販売上高の増加、消耗品・修理の需要増加を受けて増加する結果となりました。

 

④ 各段階利益の概況

1) 売上総利益及び営業利益

当連結会計年度における当社グループの取組みとして、同項「(1) 経営成績」に記載する製造コストの上昇を抑えるよう付加価値の改善等に努め、売上高は前年同期に対して775百万円増加(前年同期比16.5%増)の5,464百万円、売上総利益は前年同期に対して320百万円増加(前年同期比23.3%増)の1,693百万円、売上総利益率は前年同期に対して1.7%増加の31.0%(前年同期は29.3%)、営業利益は前年同期に対して252百万円増加(前年同期比65.8%増)の636百万円となりました。

なお、販売費及び一般管理費は、前年同期に対して67百万円増加(前年同期比6.8%増)の1,056百万円となりました。これは、主に運賃及び荷造費が22百万円、賞与引当金が14百万円増加したこと等によるものであります。

 

2) 経常利益

経常利益は、前年同期に対して242百万円増加(前年同期比58.3%増)の659百万円となりました。これは、主に営業利益が252百万円増加したこと等によるものであります。

 

3) 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に対して110百万円増加(前年同期比34.8%増)の427百万円となりました。これは、主に経常利益が242百万円、法人税等合計額が89百万円増加したことに加え、前連結会計年度に発生した特別利益(補助金収入49百万円)の影響等によるものであります。

 

 

⑤ 生産、受注及び販売の状況

1) 生産実績

当連結会計年度における品目別生産実績を示すと、次のとおりであります。

品       目

生産高(千円)

前年同期比(%)

形 鋼 加 工 機

3,215,097

6.3

丸 鋸 切 断 機

159,909

△12.0

そ   の   他

2,105,977

18.0

合       計

5,480,983

9.8

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

2) 受注実績

当社グループは見込生産のため、受注実績の記載を省略しております。

 

3) 販売実績

当連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。

品      目

販売高(千円)

前年同期比(%)

 

形 鋼 加 工 機

3,739,888

15.5

丸 鋸 切 断 機

274,169

119.1

 

金       型

468,800

3.6

   業・その他

273,448

12.5

 

小        計

4,756,306

17.1

 

部        品

586,916

10.7

 

サ   ー   ビ    ス

121,292

22.8

 

合        計

5,464,515

16.5

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相    手    先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社山善

664,964

14.2

887,968

16.2

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりであります。

 

① 資産

当連結会計年度末における総資産の残高は7,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ620百万円増加しております。

これは、主に現金及び預金が991百万円、棚卸資産が223百万円増加したこと、売上債権が483百万円、リース資産(無形固定資産のリース資産を含む。)が86百万円減少したこと等によるものであります。

 

 

② 負債

当連結会計年度末における負債の残高は2,912百万円となり、前連結会計年度末に比べ214百万円増加しております。

これは、主に未払法人税等が147百万円、支払手形及び買掛金が71百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)が39百万円増加したこと、短期借入金が100百万円、リース債務(流動負債のリース債務を含む。)が82百万円減少したこと等によるものであります。

 

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は4,999百万円となり、前連結会計年度末に比べ406百万円増加しております。

これは、主に利益剰余金が371百万円、その他有価証券評価差額金が35百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,562百万円となり、前連結会計年度末に比べ960百万円増加しております。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,267百万円となりました(前年同期は82百万円の支出)。

これは、主に減価償却費が185百万円(前年同期は225百万円)、仕入債務が85百万円の増加(前年同期は161百万円の増加)、売上債権が483百万円の減少(前年同期は301百万円の増加)、棚卸資産が223百万円の増加(前年同期は372百万円の増加)、税金等調整前当期純利益が667百万円(前年同期は467百万円)、法人税等の支払額が96百万円(前年同期は220百万円)等によるものであります。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は108百万円となりました(前年同期は71百万円の支出)。

これは、主に有形固定資産の取得による支出が26百万円(前年同期は34百万円)、無形固定資産の取得による支出が32百万円(前年同期は16百万円)、定期預金の支出入が30百万円の支出(前年同期は34百万円の支出)等によるものであります。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は197百万円となりました(前年同期は116百万円の支出)。

これは、主に短期借入金の支出入が100百万円の支出(前年同期は100百万円の収入)、長期借入金の支出入が39百万円の収入(前年同期は78百万円の支出)、リース債務の返済による支出が82百万円(前年同期は91百万円)、配当金の支払額が54百万円(前年同期は45百万円)等によるものであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性の状況

当社グループは、資金の流動性を高める資金(フリー・キャッシュ・フロー(注))を獲得し、株主様に対する利益還元の原資を確保しつつ、手許資金を将来の成長投資に充当してまいります。株主様に対する利益還元には、「第4 提出会社の状況、3 配当政策」の記載に基づく配当金のほか、中長期には自己株式の取得を考えております。

将来の成長投資として、短期には製品開発、販売用ソフトウェア、老朽化設備の更新、生産設備の増強等に、中長期には大型の生産設備、建物の更新等に投資するよう考えております。

資金調達については、「第1 企業の概況、3 事業の内容」に記載する事業の運転資金として、銀行借入を基本方針としておりますが、設備投資には利便性やコスト等を勘案してリースによる資金調達を行うほか、大型の生産設備、建物の更新等に投資する場合には増資、社債の発行を検討することもあります。

資金調達に係る流動性リスクの管理については、適宜に資金繰計画を作成、更新するとともに、手許資金の流動性の維持等によって流動性リスクを管理しております。

 

また、資金運用については、短期的な預金等に限定しております。

当連結会計年度末の現金及び預金は2,090百万円であり、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)及びリース債務(流動負債のリース債務を含む。)の総額は1,423百万円であります。

当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは1,158百万円の獲得となり、前連結会計年度に比べ1,313百万円増加となりました(前連結会計年度は154百万円の支出)。

 

(注) フリー・キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算して算出したものであります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは経営理念にある技術創造に基づき、常に技術革新に努め、お客様のご要望に応える製品・サービスを提供し、お客様とともに成長することを掲げております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、3百万円であります。なお、当社グループの事業は金属加工機械事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

当連結会計年度における研究開発活動は、丸鋸を使用した鋼材の切断状況について解析を行いました。