当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループは、「技術創造」「社会貢献」「明るい社風」を経営理念に掲げ、「株主」「取引先」「社員」及び「地域社会」に対して適正な利益を還元し、社会に貢献していくことを経営の基本理念と考えております。また、「お客様視点のものづくり」を常に心掛け、お客様からの高い満足と信頼を得られる企業づくりを目標に事業展開してまいります。
当社グループは金属加工機械事業の単一セグメントであることやその事業規模、企業規模等を勘案し、役職員及び利害関係者にわかりやすい経営指標を設定することが重要だと考えていることから、目標とする経営指標を売上高、経常利益としております。
これらの指標は事業計画を策定する中で、生産システムの合理化による売上総利益の改善、経費削減による営業利益の確保、あるいは経常利益の向上といった損益を重視した財務体質の改善を図りつつ、バランスのとれた企業に成長するよう検討し、年1回策定しております。
2026年5月期連結会計年度の事業計画は、次のとおりであります。
2026年5月期の見通しは、都市部を中心とする鋼構造物、国土強靭化基本計画による国内インフラ補強、物流倉庫、データセンター等の建設需要は見込まれるものの、様々な構造的要因による人手不足の影響は工期の長期化を引き起こし、鋼材価格の高止まりや人件費・物流費の上昇のほか、コストプッシュ型のインフレ圧力も強く加わり、建設計画の見直し又は中止が散見されるなど事業環境は極めて厳しく、不透明な状況で推移するものと予想しております。
なお、将来の不確実な経営環境の影響を受け、業績予想は大きく変動する可能性があります。
当社グループは「お客様視点のものづくり」を基本原点に、建築鉄骨業界・製缶板金業界に形鋼加工機、自動車関連業界・鋼材加工業界に丸鋸切断機を主力製品として、各種鋼材(H形鋼、パイプ材、丸材、角材、平板等)に穴あけ・切断加工を施す金属加工機械の製造販売、自社製品の保守サービス、自社・他社のプレス機械に利用する金型の製造販売のほか、他社製品の部品加工、組立といった製造を請け負う受託生産を事業として展開しております。
当社グループの製品・保守サービスにおける販売体制は、国内は代理店・販売店を介したルート販売と直接販売、海外は現地の販売店、国内の代理店・販売店を介したルート販売によって販売活動が行われており、当社グループ製品により加工した各種鋼材は、ビル、橋、造船、架台などの鋼構造物の柱や梁の部材、自動車・機械関係の部品として旋盤加工や鍛造加工などを施すための素材に利用されております。
当社グループの主力製品である形鋼加工機、丸鋸切断機は、標準機やお客様の利便性に応える豊富なオプションをラインアップするほか、お客様固有のご要望に応えるようカスタマイズを施した客先仕様機を製造販売するなど、グローバルな競合他社に負けない競争力を強化すべく基盤体制づくりを進めております。
当社グループを取り巻く事業環境は、都市部の鋼構造物プロジェクトを中心に高度成長期に建築された社会インフラの老朽化による補強や更新、近年の相次ぐ天災から国土強靭化基本計画による国内インフラの補強、観光立国推進基本計画によるIR(統合型リゾート)の整備を始め、官民が一体となったインバウンドの増加に向けた動きなどの建設需要のほか、少子高齢化に伴う生産人口の減少から省人化に向けた付加価値の高い製品への転換需要なども継続して期待できますが、中長期的には国内の人口減少による内需の縮小が懸念されます。
こうした事態に備え、競合他社との事業の優位性を確保するため、多くのお客様に共通するニーズを捉えた製品開発やオプションの機能充実、ラインアップの拡充を図りつつ、お客様独自の生産最適化を実現する客先仕様機への積極的な対応や保守サービスの強化によってお客様の満足と安心をご提供し、選ばれる会社を目指してまいります。また、内需の縮小には新たな市場を開拓できる確かなマーケティング力の実現とこれを具現化する加工領域を広げた製品開発を積極的に展開することによって売上の拡大を図り、企業価値を高め、安定した収益を確保できる企業体質の構築を目指してまいります。
当社グループの翌期から中長期にかけての会社の経営戦略に掲げる経営課題は、以下のとおりであります。
① 新製品の開発
お客様の慢性的な人手不足に応える省人化・省段取りをテーマに新製品開発の強化を図り、年間2機種の開発にスピード感を持って対応するほか、お客様固有の要望(客先仕様機)にも積極的に取り組んでまいります。
中長期には、市場全体が求める半歩先のニーズを捉えるマーケティング力を養い具現化を目指しつつ、新技術の取込みに果敢に挑戦してまいります。
② 付加価値の向上
ICT技術を積極的に活用した業務の改善活動に取り組むほか、お客様からの信頼を獲得するよう品質の強化を図るなど、ムダ取りを徹底することによって、幅広く生産性を向上させてまいります。
中長期には、ICT技術が備わった製品販売とお客様が求めるサービスの充実を目指し、付加価値を生み出す高収益企業を目指してまいります。
③ 在庫コストの削減
お客様への納期対応を受けて在庫高が高止まっていることから、適正在庫の取組みを再強化し、タイムリーな納品を維持しつつ、在庫(客先仕様機を除く。)の最適化を図るための効率的な生産体制と販売・製造が一体となって市場の需要予測精度を高め、在庫コストを削減してまいります。
④ 人材育成の強化
OJT・OFF-JTによる自律した人材の育成に積極的に努め、各種資格取得推進と教育制度の整備による従業員の成長と技術・技能レベルの向上を図るなど、当社グループ全体の総合技術力・人間力の強化に積極的に努めてまいります。
中長期には、人事制度の再構築と教育制度を連動させ、社員が自己目標に対する達成や実現を感じられる体制を構築してまいります。
⑤ 企業価値の向上
当社グループは、社会が求める多様化する雇用、自然環境等への対応と企業活動の共存を図りつつ、持続可能な成長を可能とする企業活動に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
過去に導入した本社建物における太陽光発電設備と非化石電力の利用によるCO2の排出削減に貢献しつつ、市場の動向を鑑みながら、中長期には新たにGX(グリーントランスフォーメーション)に向けた取組みにも挑戦してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは企業活動を通じ、ESGを巡る課題のうち、企業規模を鑑みつつ、実現可能な課題に対して積極的に取り組み、企業に求められるサステナビリティを推進することを基本方針とし、スローガンに「できることから積極的に取り組もう」を掲げ、全社員が目的を共有して行動してまいります。
この方針に基づき、当社の取締役会はESGへの投資等について、環境に配慮した設備の取得、雇用の改善、人材の採用など幅広く審議し、変化し多様化し続けるサステナビリティへの対応に取り組み、それらの投資状況について定期的に確認するなど、実効性を高めるよう努めております。
当社グループは、社会が求める多様化する雇用、自然環境等への対応と企業活動の共存を図りつつ、持続可能な成長を可能とする企業活動に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
環境の課題については、非化石電力を本社建物で使用する電力契約を採用し、太陽光発電設備を導入しております。これらによる当連結会計年度におけるCO2排出削減実績は、北陸電力株式会社が現在ホームページで公表しているCO2排出係数(調整後排出係数)を参考に換算した結果、約682トンのCO2を削減しております。このほか、照明のLED化、省エネ・効率性の高い機械設備の導入、ハイブリット車の採用、信頼のあるリサイクル業者及び廃棄業者の選定など環境を意識した企業活動を展開しております。
人的資本・知的財産への投資等については、少子高齢化社会から生じるお客様の人手不足の課題に対する省人化の実現、付加価値を生み出す製品・サービスの充実や社内の業務改善に対するICT技術の活用、社員教育による人材の育成などに取り組むほか、雇用の改善が進む関係法令の改正とともに各種規程を整備し、ワークライフバランスを図れるよう全社員が働きやすい、働きがいのある職場を提供してまいります。
当社グループのリスク管理は、
また、当社グループが認識する主要なリスクのうち、人的資源に関するリスクは、
当社グループは、(2)項に記載する人材育成及び社内環境整備に関するもののうち、男女間のバランスを意識した働きやすい、働きがいのある職場を分析するため、女性活躍推進法に基づき、労働者に占める女性労働者の割合、男女の平均継続勤務年数の差異、有給休暇取得率の3項目をその対象としております。
当該項目についての実績値及び中長期の目標値は、次のとおりであります。
(注) 1.実績値及び中長期の目標値は、臨時従業員を含めて算出しております。
2.上記の数値は、当社及び連結子会社タケダ精機株式会社におけるそれぞれの平均数値を加重平均して算出しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 政治・経済情勢に関するリスク
当社グループの業績は国内外の政治・経済情勢の動向に応じて変動する影響を受けておりますが、さまざまなリスクが存在しております。
具体的なリスクとして、大規模な金融危機、貿易摩擦、テロ、デモ、戦争等の地政学的リスクの発生が急速な信用収縮を引き起こし、企業の資金繰りが悪化することが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該事象が発生した場合は、企業の設備投資が長期にわたり低迷し、当社グループ製品の需要が著しく減少することから、企業活動の停滞又は休止、資金の流動性の低下、競合他社との厳しい価格競争にさらされることが考えられます。
このような状況に対して、資金の流動性を高めるよう手許資金と必要な内部留保を確保しつつ、バランスのとれた財務体質を構築し、安定した事業継続を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。このほか、材料・部品の調達に関する政治・経済情勢のリスクは、(2)項に記載しております。
当社グループは鋼材等の素材、加工部品、購入部品といった多岐にわたる材料・部品を製品の所要量に基づき調達し、在庫が増加又は滞留しないよう適正な管理に努めておりますが、さまざまなリスクが存在しております。
具体的なリスクとして、特殊な材料・部品を供給する調達先の倒産・事業撤退、災害等による調達先の罹災のほか、政治・経済情勢の動向に応じて為替、原材料価格、材料・部品の供給と需要の関係等が著しく変動し、材料・部品の調達が不安定になることが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該事象が発生した場合は、材料・部品の価格上昇、納期遅延の問題が長期にわたることから、製造原価の上昇影響を販売価格に転嫁できないことによる収益の悪化、生産活動の停滞又は休止が考えられます。
このような状況に対して、材料・部品の標準化又は共通化、調達先の分散化、納期遅延となることが予想される材料・部品の先行調達等を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。
当社グループはお客様がご要望する製品(客先仕様機)の開発と販売を積み重ね、将来の市場ニーズを捉えるよう付加価値の創出と信頼性の向上を図るべく効果的な製品開発を行っておりますが、さまざまなリスクが存在しております。
具体的なリスクとして、先端技術への対応、市場ニーズとの乖離による製品開発の遅れ又は競合他社に対する後れが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該事象が発生した場合は、競合他社の画期的な新製品が市場に先行投入されることのほか、製品開発が長期にわたることから、当社グループ製品の陳腐化による市場シェアの縮小、既存製品の大幅な値下げ、開発コストの上昇影響を販売価格に転嫁できないことによる収益の悪化が考えられます。
このような状況に対して、営業部門・技術サービス部門・技術開発部門が一体となりマーケティングを展開し、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(4) 会社の対処すべき課題、① 新製品の開発」に記載する課題に取り組み、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。
当社グループは人的資源の確保に必要な人事制度、社員教育制度、福利厚生制度等を設けておりますが、さまざまなリスクが存在しております。
具体的なリスクとして、我が国の少子高齢化社会の問題に歯止めがかからず、将来において事業に必要な人材を確保できないことのほか、後継者育成の遅れ又は経営に係る主要な人物が何らかの理由によって業務の執行が行えないことが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該事象が発生した場合は、現状の企業活動が困難になることから、生産納期の遅延による機会損失、保守サービス活動の遅延によるお客様満足度の低下を招くほか、販売活動、社内業務においても支障をきたし、事業の維持又は拡大に影響を与えることが考えられます。
このような状況に対して、人事制度の改善、インセンティブな資格取得制度による役職員のスキルアップの促進、OJT・外部研修機関等による社員教育の充実、ICT技術の活用による生産性の向上を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。
当社グループは国内外に生産拠点、販売拠点及び取引先が点在しており、自然災害や事故に備えて災害等のリスク発生の可能性と費用効果のバランスを考慮しつつ、当社グループの資産及び役職員に対して部分的に保険を付保するほか、迅速な対応が行えるよう規程等を整備しておりますが、さまざまなリスクが存在しております。
具体的なリスクとして、当社グループ及び取引先の保有する棚卸資産・設備等の財産、役職員が地震・水害・雪害等の自然災害、火災・爆発等の事故、新型ウイルス感染症等の流行によって罹災し、多大な損害を被ることが想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該事象が発生した場合は、復旧が長期にわたることから、一時的な損害に止まらず、企業活動の停滞又は休止に陥ること、とりわけ、生産拠点は1拠点に集中しており、当該拠点が罹災したときは甚大な損害になることが考えられます。
このような状況に対して、自然災害又は事故には現状の保険内容や緊急時対応規程等の定期的な見直しのほか、状況に応じて緊急対策本部を設け、体系的に的確かつ迅速な復旧活動に取り組み、新型ウイルス等の感染症の流行には行政機関が指導するガイドラインに従った行動や当該機関との緊密な連携を図りつつ適宜に対応し、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。
このほか、材料・部品の調達に関する災害等のリスクは(2)項、情報管理に関する災害等のリスクは(6)項に記載しております。
なお、当該リスクの発生が企業の資金繰りを悪化させ、企業の設備投資が長期にわたり低迷し、当社グループ製品の需要が著しく減少する影響は、(1)項に記載する内容と同様に対応してまいります。
当社グループは取引先を含め、販売取引・仕入取引に係る顧客情報、技術情報、経営情報等の機密情報及び個人情報を取り扱い、これらに対してセキュリティ対策を講じておりますが、さまざまなリスクが存在しております。
具体的なリスクとして、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染、社内設備の故障、災害等による機密情報及び個人情報の流出、消失又は基幹システムの大規模な障害の発生のほか、持ち出しによる機密情報及び個人情報の紛失・盗難等が想定され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該事象が発生した場合は、当社グループ及び取引先に対する社会的信頼、市場優位性の喪失、基幹システムの障害が長期にわたることから、人材の流出、取引先の流出による市場シェアの縮小、企業活動の停滞が考えられます。
このような状況に対して、重要データのバックアップ保管、ハードウェアの保守、パスワード管理の強化、セキュリティソフトの導入、文書管理規程による情報管理(電磁的記録及び書類記録)のほか、情報管理に係る社内教育の実施による人為的なミスの未然防止を図り、当該リスクを軽減するよう対応してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、国内外の金融政策の見直しによる為替相場の変動を受け、国内では金利や人件費の上昇等とともに物価が上昇する中、地政学的リスクに米国の経済・外交政策が加わるほか、中国経済の減速、ウクライナ、中東情勢などが長引くなど、先行きが不透明な状況のまま推移しました。
当社グループの事業環境においては都市部を中心とする鋼構造物、国土強靭化基本計画によるインフラ補強、物流倉庫・データセンターなどの内需は見込まれるものの、建築物・鋼構造物に係る鋼材価格や人件費等の上昇、人手不足による建設計画の見直し、工期の遅延から建設需要が高まらず、不透明な景況感も相俟って設備投資を抑制する傾向が見受けられたほか、仕入価格等の高止まりや物価の上昇に伴う様々なコストの上昇も重なり、収益面や利益面に影響を与えました。
このような状況の下、当社グループは「お客様視点のものづくり」を基本原点に、新製品開発、人手不足の緩和に向けた省人化・省段取りに係る提案営業、保守サービスの充実等を展開するほか、付加価値の向上や人手不足の解消に対し、ICT技術を積極的に活用した生産性向上にも継続的に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は4,890百万円(前年同期比10.5%減)、営業利益は431百万円(前年同期比32.2%減)、経常利益は441百万円(前年同期比33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は293百万円(前年同期比31.2%減)となりました。
① 品目別売上高の概況
1) 形鋼加工機シリーズ
同項「(1) 経営成績」に記載のとおり、都市部を中心とした鋼構造物、物流倉庫・データセンター等の建設需要は見込まれるものの、建設計画の見直しや工期の遅延により停滞傾向にあったことから、売上高は3,034百万円(前年同期比18.9%減)となりました。
2) 丸鋸切断機シリーズ
お客様からの省人化・自動化といったご要望を受け、客先仕様機による提案営業を積極的に展開したことから、売上高は364百万円(前年同期比33.0%増)となりました。
3) 金型シリーズ
金型消耗部品の需要は前年度並みに安定しておりましたが、形鋼加工機に付帯する金型の出荷は本機の売上高と連動して落ち込んだことから、売上高は431百万円(前年同期比8.0%減)となりました。
4) 受託事業・その他
製造業における不安定な外部環境が受託事業に影響を及ぼす中、子会社のタケダ精機株式会社の売上高が297百万円(前年同期比9.8%増)となったことから、売上高は299百万円(前年同期比9.6%増)となりました。
5) 部品・サービス
新規の設備投資を抑制する傾向が見受けられる中、既存の設備を維持・活用した生産活動を行う動向が高まったことから、売上高は760百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
なお、部品の売上高は644百万円(前年同期比9.8%増)、サービスの売上高は116百万円(前年同期比4.3%減)となっております。
② 当連結会計年度の課題における活動の概況
当連結会計年度の課題における活動の概況は、以下のとおりであります。
1) 新製品の開発
形鋼加工機のモデルチェンジ機としてABP-GⅢの販売を開始したほか、ことづくりプロジェクトによる省人化を目的とした周辺機器の構想設計を行い、製品化に向けた開発活動を行いました。
2) ブランディング活動の継続
新デザインの製品ラインアップを充実するようデザイナーと共に継続して創作したほか、新卒採用が厳しい中、2025年5月15日から3日間にかけて開催された展示会「MEX金沢2025」では学生向けのブースを新たに設け、当社のPR活動を行いました。
3) 付加価値の向上
デジタル技術の活用を目指してIT技術の教育とその水平展開を実施したほか、社内ポータルサイトを活用した情報の共有化から業務の効率化を推進しました。
4) 在庫コストの削減
製造リードタイムの見直しや製造及び営業が一体にとなり対応を図ったものの、生産活動が翌期に仕掛かる客先仕様機の影響も受け、期末棚卸高は2,600百万円(前年同期比6.2%増)となり削減には至りませんでした。
5) 人材育成の強化
外部研修の受講や資格取得の推進にeラーニングや通信教育を活用するなど、継続して人材育成の強化に取り組む中、階層別教育システムの充実を図り、新入社員の早期戦力化に向けた仕組みづくりを行いました。
6) 企業価値の向上
持続可能な成長を可能とする企業活動への取組みは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、環境への貢献、ワークライフバランスの充実に取り組みました。
③ 当連結会計年度の目標とする経営指標と実績数値との分析
当連結会計年度における事業計画数値と実績数値との分析は、次のとおりであります。
2025年5月期における当社グループの事業計画は前事業年度の有価証券報告書の「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(2) 目標とする経営指標」に記載しており、当連結会計年度における事業状況の結果は同項「(1) 経営成績」に記載する経営成績のとおりとなりました。
事業計画数値と実績数値との分析として、主な要因は形鋼加工機の売上高が想定より落ち込んだ影響を受けて売上高、経常利益ともに事業計画数値を下回りましたが、翌期に向けた納入案件によって操業が一定程度維持され、経常利益の減少を抑制する結果となりました。
④ 各段階利益の概況
1) 売上総利益及び営業利益
当連結会計年度における当社グループの取組みとして、同項「(1) 経営成績」に記載する製造コストの上昇を抑えるよう付加価値の改善等に努めましたが、売上高及び生産高の減少に伴って原価率が上昇したことから、売上高は前年同期に対して573百万円減少(前年同期比10.5%減)の4,890百万円、売上総利益は前年同期に対して257百万円減少(前年同期比15.2%減)の1,435百万円、売上総利益率は前年同期に対して1.6%減の29.3%(前年同期は31.0%)、営業利益は前年同期に対して204百万円減少(前年同期比32.2%減)の431百万円となりました。
なお、販売費及び一般管理費は、前年同期に対して52百万円減少(前年同期比5.0%減)の1,003百万円となりました。これは、主に賞与引当金繰入額が14百万円、役員賞与引当金繰入額が11百万円、製品保証引当金繰入額が10百万円減少したこと等によるものであります。
2) 経常利益
経常利益は、前年同期に対して217百万円減少(前年同期比33.0%減)の441百万円となりました。これは、主に営業利益が204百万円減少したこと等によるものであります。
3) 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に対して133百万円減少(前年同期比31.2%減)の293百万円となりました。これは、主に経常利益が217百万円、法人税等合計が64百万円減少したことに加え、当連結会計年度に発生した保険解約返戻金23百万円(特別利益)の影響等によるものであります。
⑤ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における品目別生産実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当社グループは見込生産のため、受注実績の記載を省略しております。
当連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりであります。
当連結会計年度末における資産の残高は7,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ294百万円減少しております。
これは、主に売掛金が241百万円、棚卸資産が152百万円、電子記録債権が86百万円増加したこと、現金及び預金が611百万円、リース資産(無形固定資産のリース資産を含む。)が65百万円、投資有価証券が63百万円、受取手形が52百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債の残高は2,401百万円となり、前連結会計年度末に比べ510百万円減少しております。
これは、主に長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)が158百万円、電子記録債務が84百万円増加したこと、支払手形及び買掛金が374百万円、未払法人税等が183百万円、リース債務(流動負債のリース債務を含む。)が69百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は5,216百万円となり、前連結会計年度末に比べ216百万円増加しております。
これは、利益剰余金が220百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が3百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は956百万円となり、前連結会計年度末に比べ605百万円減少しております。
当連結会計年度における営業活動の結果、支出した資金は587百万円となりました(前年同期は1,267百万円の獲得)。
これは、主に減価償却費が175百万円(前年同期は185百万円)、仕入債務が293百万円の減少(前年同期は85百万円の増加)、売上債権が274百万円の増加(前年同期は483百万円の減少)、棚卸資産が152百万円の増加(前年同期は223百万円の増加)、税金等調整前当期純利益が470百万円(前年同期は667百万円)、法人税等の支払額が332百万円(前年同期は96百万円)等によるものであります。
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は23百万円となりました(前年同期は108百万円の支出)。
これは、主に有形固定資産の取得による支出が25百万円(前年同期は26百万円)、無形固定資産の取得による支出が45百万円(前年同期は32百万円)、投資有価証券の売却による収入が59百万円(前年同期は4百万円)、定期預金の支出入が6百万円の収入(前年同期は30百万円の支出)等によるものであります。
当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は4百万円となりました(前年同期は197百万円の支出)。
これは、主に長期借入金の支出入が158百万円の収入(前年同期は39百万円の収入)、リース債務の返済による支出が81百万円(前年同期は82百万円)、配当金の支払額が72百万円(前年同期は54百万円)等によるものであります。
当社グループは、資金の流動性を高める資金(フリー・キャッシュ・フロー(注))を獲得し、株主様に対する利益還元の原資を確保しつつ、手許資金を将来の成長投資に充当してまいります。株主様に対する利益還元には、「第4 提出会社の状況、3 配当政策」の記載に基づく配当金のほか、中長期には自己株式の取得を考えております。
将来の成長投資として、短期には製品開発、販売用ソフトウェア、老朽化設備の更新、生産設備の増強等に、中長期には大型の生産設備、建物の更新等に投資するよう考えております。
資金調達については、「第1 企業の概況、3 事業の内容」に記載する事業の運転資金として、銀行借入を基本方針としておりますが、設備投資には利便性やコスト等を勘案してリースによる資金調達を行うほか、大型の生産設備、建物の更新等に投資する場合には増資、社債の発行を検討することもあります。
資金調達に係る流動性リスクの管理については、適宜に資金繰計画を作成、更新するとともに、手許資金の流動性の維持等によって流動性リスクを管理しております。
また、資金運用については、短期的な預金等に限定しております。
当連結会計年度末の現金及び預金は1,478百万円であり、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)及びリース債務(流動負債のリース債務を含む。)の総額は1,512百万円であります。
当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは610百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,768百万円減少となりました(前連結会計年度は1,158百万円の獲得)。
(注) フリー・キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算して算出したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。