第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、『高松機械は「社会に貢献」する。お客様には安全でメリットのある商品を、従業員には生活の安定と希望を、株主には適切な配当を提供するとともに、協力企業とも共存共栄の精神をもって、社会の発展に積極的に貢献する。』という経営理念を掲げ、工作機械メーカーとして、「お客様に稼ぐ機械を提供する」をモットーとしております。高機能・高品質な製品を提供することによる価値の創造と、ステークホルダーへの適切な配分を考慮し、経営活動を行っております。

 

(2) 経営環境

日本経済の先行きについては、輸出や生産の一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が継続するとともに、各種政策の効果もあって、緩やかな回復基調が続くと期待されますが、海外経済の動向及び影響等によっては、景気が下振れするリスクがあります。

当社グループの主力分野である工作機械業界の先行きについても、特に中国経済の動向に留意が必要ですが、内需・外需とも人手不足や熟練技術を補完するための自動化・効率化ニーズが見込まれ、自動車や半導体製造装置からの継続的な需要が期待されます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは持続的成長を志向し、2019年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画「中期計画2021」を策定しました。収益性に関する指標として連結売上高営業利益率を、企業価値に関する指標として連結ROEを、経営規模に関する指標として連結売上高を採用し、具体的な目標数値を以下のとおり定めております。

≪2021年度の経営目標≫
  ① 連結売上高営業利益率  10%以上
  ② 連結ROE         10%以上
  ③ 連結売上高       260億円以上

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

「中期計画2021」は「挑戦し、成長し続ける企業となるべく、3ヵ年で更なる企業基盤の強化を目指す」ことを基本方針とし、最重要テーマとして「収益力の強化」「売上高の拡大」を取り上げております。

目標達成に向けて、「生産能力の増強」「人材育成の強化」「中期IT戦略の推進」「収益源の多角化」「働き方改革の推進」に取り組むとともに、各事業において収益の強化と売上の拡大のための戦略を推進していきます。

工作機械事業では、設備投資や増員等の経営資源の投入、効率的な生産の実施による生産性の向上など、施策が成果を上げている一方で、受注残高が依然として高い水準にあることから生産対応が課題となっております。そこで業務改善・効率化の推進とともにサプライヤーとの連携強化によって最適生産の実施に努めます。

また、原材料費の上昇、人件費等の固定費増加が見込まれますので、全社員が高いコスト意識を持って、効率化・合理化による収益の改善をはかります。

IT関連製造装置事業、自動車部品加工事業では、中長期的な事業規模の拡大を目指し、売上高拡大のための施策に取り組みます。

 

(5) 株式会社の支配に関する基本方針

当社は、2008年5月9日開催の取締役会において、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます)を決定しております。

 

Ⅰ.会社の支配に関する基本方針の内容

当社は、株式公開会社として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。

しかしながら、近年わが国の資本市場においては、株主に買収内容を判断するために必要な合理的な情報・期間を十分に与えることなく、一方的に大規模買付行為を強行する動きが顕在化しており、これら大規模買付提案の中には、濫用目的によるものや、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの等、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのあるものも散見されます。

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉、当社のステークホルダーとの信頼関係を理解した上で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。

従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案、又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような提案に対して、当社取締役会は株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様の判断のために必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

 

Ⅱ.会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み

当社は、1948年に織機メーカーの下請けとして個人創業後、工作機械の自社ブランド製品を開発したことで工作機械事業に進出し、1961年に会社を設立して以降、工作機械及び周辺装置の製造・販売を主要な事業として発展してきました。

当社の経営理念は、『高松機械は「社会に貢献」する。お客様には安全でメリットのある商品を、従業員には生活の安定と希望を、株主には適切な配当を提供するとともに、協力企業とも共存共栄の精神をもって、社会の発展に積極的に貢献する。』であります。この経営理念と、「お客様に稼ぐ機械を提供する」ことをモットーとして、これまで成長を続けてきました。

機械単体の標準機を販売するのではなく、お客様のニーズに細かく対応し、当社からも適切な加工方法などの提案を行うことで、コストパフォーマンスや使い勝手に優れた自動化された製品群をお客様に提供し続けることが当社の企業価値の源泉であると考えており、そのためのたゆまぬ努力を継続しています。

また、企業体質の強化をはかるため、これまで工作機械事業で培ってきたノウハウを活かした事業の多角化として、液晶や半導体関連の製造装置の一部を製造するIT関連製造装置事業、自社製品で構築された自動化ラインによって部品加工を行う自動車部品加工事業を展開しており、受注・生産・販売を積極的に行うことで、事業の安定と事業規模の拡大を推進し、企業価値の向上をはかっています。

 

Ⅲ.会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が決定されることを防止するための取り組み

近年わが国においては、会社の経営陣との間で、十分な協議又は合意のプロセスを経ることなく、一方的に大規模買付行為を強行するといった動きが顕在化しております。

もとより、大規模買付行為に応じて当社株式等を売却するか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであります。しかしながら、大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様に短期間のうちに適切に判断していただくためには、大規模買付者と当社取締役会の双方から必要かつ十分な情報が提供されることが不可欠であり、当社株式を継続保有することを考える株主の皆様にとっても、大規模買付者の提案(経営方針、事業計画等)は、その継続保有の是非を検討する上で重要な判断材料となります。

また、当社取締役会が当該大規模買付行為についてどのような意見を有しているのか、大規模買付者の提案と比べて当社の企業価値ひいては株主共同の利益を高める代替案があるのか否かという点も、株主の皆様にとっては重要な判断材料となります。

このようなことを踏まえ、当社取締役会では、大規模買付行為に際しては、まず、大規模買付者が事前に株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報を提供すべきであるという結論に至りました。

当社取締役会も、かかる情報が提供された後、大規模買付行為に対する検討を速やかに開始し、当社取締役会としての意見を公表します。また、大規模買付者が行った提案内容の改善についての交渉や当社取締役会としての株主の皆様に対する代替案の提示を行うこともあります。

かかるプロセスを経ることにより、株主の皆様は、当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案に対する諾否、あるいは当社取締役会から提示した代替案がある場合には、大規模買付者の提案と当該代替案との優劣を比較検討することが可能となり、大規模買付者の提案に対する最終的な諾否を適切に決定するために必要かつ十分な情報の確保と検討の機会が得られることとなります。

以上のことから、当社取締役会は、大規模買付行為が一定の合理的なルールに従って行われることが、不適切な買収を防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考え、当社株式等の大規模買付行為に関するルールを設定するとともに、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策」(以下、「本プラン」といいます)の継続を第56回定時株主総会(2017年6月28日開催)に議案として上程し、株主の皆様のご承認をいただきましたので発効しました。

なお、詳細につきましては、当社ホームページに掲載の2017年5月9日付プレスリリース「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照下さい。
(https://www.takamaz.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/170509-3.pdf)

 

Ⅳ.本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
1.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上、②事前開示・株主意思、③必要性・相当性)に沿うものであります。また、本プランは企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」にも適合するものであります。

 

2.当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的としていること

本プランは、大規模買付者に対し、事前に当該大規模買付行為に関する情報の提供及び評価・検討等を行う期間の確保を求めることにより、株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるべきか否かを適切に判断すること、当社取締役会が代替案等を提示すること、又は大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的としております。

 

3.合理的な客観的発動要件の設定

本プランにおける対抗措置は、あらかじめ定められた合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。

 

4.株主意思を尊重するものであること

本プランは、第56回定時株主総会における株主の皆様の承認をもって継続されました。また、株主総会における本プラン廃止の通常決議を通じて本プランを廃止することが可能です。この点においても株主の皆様の意思が反映されることとなっております。

 

5.独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の自己保身のために本プランが濫用されることを防止するために、第三者委員会を設置し、当社取締役会が本プランに基づく対抗措置の発動を判断するに当たっては、取締役会の恣意的判断を排除するために、第三者委員会の勧告を最大限尊重した上で、その決議を行うこととしております。

また、その判断の概要については、株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

 

 

6.デッドハンド型及びスローハンド型の買収防衛策でないこと

本プランは、当社の株主総会における普通決議で廃止することができるため、デッドハンド型の買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の期差選任を行っていないため、スローハンド型の買収防衛策でもありません。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済情勢に関する影響

当社グループの主たる事業である工作機械事業は、民間設備投資動向に大きく影響を受けますので、国内外の景気動向や経済情勢の変動により、工作機械の需要は拡大縮小の波を繰り返します。当社グループの主要製品であるCNC旋盤(コンピュータにより制御されたNC旋盤)は、一般的に金属加工の機械を作る機械(マザーマシン)として広く製造業で使用されておりますが、特に当社製品の販売先は自動車関連業界が半分以上を占めております。そのため、自動車関連業界における設備投資動向等が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

IT関連製造装置事業は、シリコンサイクルやクリスタルサイクルと呼ばれる周期的な好不況の波の影響で需要の変動が激しいことにより、また自動車部品加工事業は、世界における自動車需要の縮小や部品メーカー間の競争激化等の影響によりまして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) ディーラに関する影響

当社グループの製品は、ディーラを通じてユーザに販売しておりますので、経営状態や環境の変化によってディーラからの代金回収が滞ったり、回収不能となったりした場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、ディーラは、当社グループの競合製品も取り扱っております。当社では主要ディーラを集めて、新製品の発表や市場ニーズの情報収集、その他販売に関する諸問題を討議する全国ディーラ会議を毎年開催し、主要ディーラとの良好な関係の継続に努めておりますが、主要ディーラの経営方針や環境の変化によって競合製品の取り扱いが優先された場合や、当社製品の取り扱いを行わなくなった場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 海外展開に関する影響

当社グループは主にアジア、ヨーロッパ及び北米で海外の事業活動を展開しております。それらの地域における予期できない法律・規制、税制の変更、ストライキ等の労働争議、テロ、戦争、感染症や自然災害の発生による社会的混乱、急激な経済情勢の悪化、その他事業活動に対する不利な政治的又は経済的要因の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社の輸出取引は主に円建で行われており、為替相場の変動による損益への影響は軽微でありますが、円高が進行した場合には現地販売価格が他国製品と比較して相対的に高くなる結果、価格競争力低下や販売価格の値下げにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 他社との競合に関する影響

当社グループが属する工作機械業界は、数多くのメーカーが存在し、競合の激しい業界であります。当社グループは単なる標準品でなく、ユーザニーズに合わせて、それぞれに最適な加工を実現できる自動化システムを提案することで他社との差別化をはかっておりますが、特に需要の縮小期においては、過当競争及びそれに伴う価格競争の激化により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(5) 原材料等の調達及び価格に関する影響

当社グループは、原材料等を多数の取引先から購入しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には、取引先の変更や代替品への切り替えが困難となり、生産に著しい影響を受けることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、原油価格の高騰や新興国の経済成長等を要因として原材料等の価格が予想以上に急騰した場合もしくは長期にわたって高騰が続いた場合には製造コストの増大により、当社グループの利益が減少する可能性があります。

 

(6) 品質に関する影響

当社はISO9001を認証取得しており、その品質マネジメントシステムを活用して生産及び仕入における品質管理の徹底をはかっております。しかし、生産したすべての製品について欠陥が生じないという保証はなく、また、今後発売する新製品に予期せぬ不具合が発生する等の影響により、製造物責任法に基づく損害賠償責任が生じる可能性があります。当社グループは製造物責任による損害賠償については保険に加入しておりますが、賠償額全額を保険でカバーできる保証はなく、当該賠償の発生によって社会的評価及び企業イメージが低下することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 知的財産権に関する影響

当社グループは、特許権等の知的財産権の重要性を強く認識しており、積極的な特許等の申請を推進し、多くの特許等を取得しております。しかし、第三者による当社所有権利の侵害により、ブランドイメージの低下や営業活動が阻害される恐れがあります。

また、過失により第三者が所有する権利を侵害した場合には提訴される可能性があります。このため、損害賠償責任や当該特許等の使用に対する対価の支払義務の発生、又は当該特許等の使用ができないことによる事業展開の制約等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 自然災害等の発生による影響

当社グループの主力事業である工作機械の生産は石川県白山市の本社工場にて行っており、自動車部品の加工及びIT関連製造装置の製造についても、それぞれ同市内の第3工場及び開発センターにて行っております。そのため、白山市周辺地域において地震・津波等の大規模な自然災害等が発生した場合、本社機能の停止又は建物や設備の損壊もしくは停電となることで生産に著しい影響を及ぼし、正常な事業活動が行えなくなる可能性があります。

また、当社が直接被害を被らない場合でもインフラ復旧の遅れや電力の使用制限、サプライヤーから必要な原材料、部品等の供給が滞るなどの影響を受け、本社機能及び生産に著しい影響を受ける場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 人材のリスク

当社グループが企業成長を進め、安定的な経営体制を確立するためには、人的資本の充実が必須であります。そのため、新卒の定期採用並びに中途採用による人員の確保、OJT及び社外研修等による社員教育を行って人的資本の充実をはかっております。しかし、業績拡大や事業発展のために当社グループが求める人材を十分に確保できなかった場合や退職者が著しく増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)について

当社は、第47回定時株主総会(2008年6月26日開催)において「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」の承認を得られ、発効しております。有効期間は3年であり、継続に当たっては定時株主総会の承認を得ることと定めておりますが、第56回定時株主総会(2017年6月28日開催)において、所要の変更を行った上で、同総会にて当該買収防衛策の継続に関する議案を付議し、株主の皆様のご承認を得られたことで継続しております。

議決権割合を20%以上とすることを目的とした当社株式等の買付行為もしくは結果として20%以上となる当社株式等の買付行為を行う者が現れた場合において、買収防衛策のルールに基づき、第三者委員会の勧告を最大限尊重の上、当社取締役会で対抗措置の発動・不発動を決定いたしますが、対抗措置を発動した場合に発生する費用等によりまして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(11)その他のリスク

当社グループは工作機械事業において、積極的な海外展開、ユーザニーズを捉えた新製品の開発、原価低減等によるコストの削減等を推進するとともに、長年培ってきたノウハウを活かせる分野に資本を投下し、新たな収益の柱作りを推進することで、安定的な収益を確保できる体質の確立を進めてきております。しかし、当社グループが事業を遂行していく限り、前述した影響以外にも、法律や規制等の新設・改正、金融・株式市場、戦争・テロ、仕入先・外注先の供給体制等によりまして、場合によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、中国経済の減速など海外経済の動向と政策に関する不確実性が懸念されつつも、企業収益や設備投資が増加し、雇用・所得環境も改善するなど、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループの主力分野である工作機械業界においては、2018年度の業界受注総額は1兆6,891億円(前年同期比5.1%減)と、過去最高額を記録した2017年度の反動を受けて内需・外需ともに減少傾向が続きましたが、過去2番目の高水準となりました。

当社グループの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費及び営業損益

当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ28億69百万円増加し226億50百万円となりました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ19億65百万円増加し167億9百万円となりました。これは売上高の増加に伴うものであり、これにより売上高に対する比率は73.8%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1億74百万円増加し36億11百万円となりました。これは主に給料及び手当の増加によるものであり、売上高に対する比率は15.9%となりました。

また、研究開発費は前連結会計年度に比べ17百万円減少1億51百万円となり、売上高に対する比率は0.7%となりました。開発部門は研究開発費の効率化をはかりながら、各部門と緊密な連携を取り、当社グループの戦略製品開発や技術開発を行っております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ7億30百万円増加し23億29百万円となりました。なお、営業利益率は10.3%となりました。

 

② 営業外損益及び経常損益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ1億35百万円増加し、2億1百万円となりました。これは主に持分法による投資利益が増加したことによるものです。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ5百万円減少し、30百万円となりました。これは主に為替差損が増加したものの、持分法による投資損失やデリバティブ評価損が減少したことによるものです。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ8億70百万円増加し、25億円となりました。

 

 

③ 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益及びROE

特別利益は、1百万円と前連結会計年度に比べ1百万円の増加となりました。これは主に固定資産売却益を計上したことによるものです。

特別損失は、0百万円と前連結会計年度に比べ0百万円の減少となりました。これは主に固定資産除却損が減少したことによるものです。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ5億92百万円増加し、17億8百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は、158.12円、ROEは12.3%となりました。

 

④ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 及び (4)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 工作機械事業

当連結会計年度の経営成績は、受注高が185億4百万円(前年同期比31.5%減)、受注残高が187億27百万円(同3.1%増)、売上高が205億57百万円(同16.0%増)、営業利益が22億42百万円(同46.3%増)となりました。

受注高は、前連結会計年度の第4四半期会計期間にて非常に強い需要があった反動から前連結会計年度を下回っていますが、年間生産高に匹敵する高い水準の需要が継続しました。地域別内訳は、国内向け、欧州向け、アジア向けが減少し、内需が116億91百万円(同38.7%減)、外需が68億12百万円(同14.5%減)となりました。

売上高の地域別内訳は、国内向けが好調に推移する中、アジア向けが大きく伸長した結果、内需が137億40百万円(同14.8%増)、外需が68億17百万円(同18.5%増)、外需比率が33.2%(前年同期は32.5%)となりました。

当連結会計年度における主な取り組みとして、IMTS2018(アメリカ)やJIMTOF2018(東京)等の展示会への出展、国内・海外でのプライベートショー開催などによる製品・システム群のプロモーションを推進し、需要確保に努めてきました。あわせて更なる販路拡大をはかり、広島駐在所の営業所格上げ(4月)、厚木営業所、広島営業所及びアメリカ販売子会社の事務所移転・拡大(10月)、タイ販売子会社の新支店開設(2月)を実施しました。

生産面では、生産性の向上をはかりながらフル生産を続け、高水準が続く需要に対応してきました。また、生産の拡大及び効率化をはかるため、本社工場に隣接する土地及び建物を11月に取得し、1月より第4工場として本格稼働させました。

製品面では、ロングセラー機である「XL-100」を進化させたCNC1スピンドル1タレット精密旋盤「XT-6/XT-6M」、加工可能なワークサイズを拡大したCNC2スピンドル2タレット精密旋盤「XWT-10」、一貫加工で工程集約のニーズに応えるCNC2スピンドル2タレット複合精密旋盤「XYT-51」の3機種を発表しました。特に「XT-6/XT-6M」は、ラインの一括稼動監視・集中操作等の生産性アップに繋がるシステムが搭載でき、見える化を促進するIoT技術にも対応が可能です。

 

② IT関連製造装置事業

当連結会計年度の経営成績は、売上高は13億27百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は1億20百万円(同6.1%増)となりました。

既存取引先から安定需要が続く中、適切な生産に努めることで売上高の確保をはかってきたとともに、コストダウンの推進、利益管理の徹底に努めてきたことで営業利益が大きく改善し、売上高・営業利益ともに2年連続で過去最高を更新しました。

 

③ 自動車部品加工事業

当連結会計年度の経営成績は、売上高は7億64百万円(前年同期比0.8%増)、営業損失は32百万円(前年同期は45百万円の営業損失)となりました。

売上高の確保とコストダウンの推進に注力してきましたが、売上高が前期同水準にとどまったことで固定費が吸収できず、営業損失の計上となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

金額(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

1,553

15,710

+10.1

IT関連製造装置事業

自動車部品加工事業

合計

1,553

15,710

+10.1

 

(注) 1 金額は、消費税等を含まない販売価格によって表示しております。

2 工作機械事業におきましては、旋盤に限定して表示しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

台数
(台)

金額
(百万円)

前年同期比
(%)

台数
(台)

金額
(百万円)

前年同期比
(%)

工作機械事業

2,008

18,504

△31.5

1,716

18,727

+3.1

IT関連製造装置事業

自動車部品加工事業

合計

2,008

18,504

△31.5

1,716

18,727

+3.1

 

(注) 1 金額は、消費税等を含まない販売価格によって表示しております。

2 工作機械事業におきましては、旋盤・改造機に限定して表示しております。

3 当連結会計年度において、受注高に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度の第4四半期会計期間に大手ユーザ層から大量受注があったことによります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

金額(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

(660)

(6,817)

(18.5)

1,910

20,557

+16.0

IT関連製造装置事業

1,327

+2.1

自動車部品加工事業

()

(23)

(88.8)

764

+0.8

合計

(660)

(6,841)

(18.6)

1,910

22,650

+14.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 ( )内の数字は海外販売台数及び海外販売高であり、内数であります。

3 最近2連結会計年度における主要な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

山下機械株式会社

2,513

12.7

4,249

18.8

ユアサ商事株式会社

2,483

12.6

 

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

5 当連結会計年度のユアサ商事株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は237億37百万円前連結会計年度末に比べ18億13百万円の増加となりました。

区分別にみますと、流動資産は173億11百万円となり、前連結会計年度末に比べて16億55百万円増加しました。その主な要因としては、受取手形及び売掛金が12億46百万円減少したものの、電子記録債権が20億6百万円、たな卸資産が4億73百万円、現金及び預金が4億45百万円増加したことによるものです。

固定資産は64億25百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億57百万円増加しました。その主な要因としては、土地が1億99百万円増加したことによるものです。

次に当連結会計年度末の負債は92億8百万円前連結会計年度末に比べて5億61百万円の増加となりました。

区分別にみますと、流動負債は76億65百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億61百万円増加しました。その主な要因としては、支払手形及び買掛金が3億89百万円減少したものの、電子記録債務が4億46百万円、未払法人税等が1億47百万円増加したことによるものです。

固定負債は15億43百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億円増加しました。その主な要因としては、長期借入金が3億37百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産は145億28百万円前連結会計年度末に比べて12億52百万円の増加となりました。その主な要因としては、利益剰余金が14億81百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は61.0%となりました。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

① 工作機械事業

工作機械事業の総資産は173億1百万円で前連結会計年度末に比べて18億11百万円の増加となりました。その主な要因としては、売上高及び生産高の伸長に伴い電子記録債権や在庫等が増加したことによるものです。

 

② IT関連製造装置事業

IT関連製造装置事業の総資産は11億46百万円で前連結会計年度末に比べて2億32百万円の減少となりました。その主な要因としては、受取手形及び売掛金や電子記録債権の減少によるものです。

 

③ 自動車部品加工事業

自動車部品加工事業の総資産は6億6百万円で前連結会計年度末に比べて46百万円の減少となりました。その主な要因としては、TP MACHINE PARTS CO., LTD.の現預金の減少や単体の売上高の減少に伴う電子記録債権等の減少によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

① 営業活動によるキャッシュ・フローは、10億2百万円の資金流入(前連結会計年度は13億60百万円の資金流入)となりました。その主な要因としては、売上債権の増加、法人税等の支払、たな卸資産の増加等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上等があったことによるものです。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フローは、12億46百万円の資金流出(前連結会計年度は25百万円の資金流出)となりました。その主な要因としては、有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出等があったことによるものです。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フローは、20百万円の資金流入(前連結会計年度は6億28百万円の資金流出)となりました。その主な要因としては、配当金の支払や長期借入金の返済による支出等があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものです。

 

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は2億55百万円の減少(前連結会計年度は7億24百万円の増加)となり、当連結会計年度末残高は24億27百万円(前連結会計年度末残高は26億83百万円)となりました。

 

当社グループは、営業活動から得たキャッシュや、金融機関からの借入等により資金調達を行っております。また、資金調達に際しては、低コストかつ中長期にわたる安定的な資金の確保を重視して取り組んでおります。当連結会計年度末の現金及び預金の総額は40億24百万円、また借入金は短期、長期あわせて12億97百万円であります。当社グループは、取引先金融機関との現在の健全かつ緊密な関係を維持していくことで、当社グループが将来必要とする運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。

 

(4) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成では、期末日における資産、負債並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。当社経営陣は、特に以下の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

 

① 収益の認識

当社グループの主力製品であるCNC旋盤の売上高は、主として、検収を基準としております。

 

② 貸倒引当金

当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失見積り額について、貸倒引当金を計上しております。仮に顧客の支払能力が低下した場合には、その回収可能性を勘案し、追加引当を計上する可能性があります。

 

③ 製品保証引当金

当社グループは、製品販売後における無償での補修費用について、過去の実績に基づく所要額を計上しております。製品の出荷におきましては、品質管理システムに基づく検査等を実施しておりますが、実際の製品不良、修理費用が見積りと異なる場合は、見積り所要額の修正を必要とし、追加引当を計上する可能性があります。

 

④ たな卸資産

当社グループは、たな卸資産につき、収益性の低下が認められた場合には一定の基準に基づき、評価損を計上しております。実際の市場状況により収益性の低下が増大すると認められた場合には、追加の評価損を計上する可能性があります。

 

⑤ 投資有価証券

当社グループの保有する投資有価証券には、価格変動のある公開会社の株式と非公開会社の株式及び関係会社の株式が含まれております。当社グループはこれらに関わる価格・価値の下落が一時的でないと判断した場合には、下落した額を評価損として計上いたします。

将来、市場動向が悪化した場合又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失が発生又は価格・価値に回収不可能が生じた場合、評価損を計上する可能性があります。

 

⑥ 繰延税金資産

当社グループが計上している繰延税金資産は、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性については、将来の課税所得等により検討いたしますが、当社グループが現在計上している繰延税金資産の全部又は一部の回収が不可能であると判断した場合、その年度において繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、当社グループが現在計上している以上の繰延税金資産の回収が可能であると判断した場合、その年度において繰延税金資産の調整により利益を増加させることとなります。

 

⑦ 退職給付に係る負債

当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出された退職給付費用及び債務を計上しております。退職給付費用及び債務の将来の変動要因としては、従業員数の変動や、数理計算上の前提条件(割引率、期待収益率等)の変動によるものがあります。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(1) 工作機械事業

工作機械事業においては、あらゆるユーザニーズに対応可能な製品の提供を目指して、研究開発活動を実施しております。この点、当社の主力製品であるCNC精密旋盤のみならず、コレットチャックやローダ等の周辺装置群の開発を含めて、省力化や自動化といったユーザニーズを充足することに努めております。

当連結会計年度においては、「XT-6/XT-6M」、「XWT-10」及び「XYT-51」の3機種を新たに発表いたしました。

「XT-6」は、当社を代表する機種「XL-100」の次世代機であり、操作性と高速性を更にアップさせつつも、コンパクトなボディを維持したCNC1スピンドル1タレット精密旋盤です。回転工具を搭載した「XT-6M」もあわせてラインナップしました。また、ラインの一括稼動監視・集中操作等の生産性アップに繋がるシステムが搭載でき、見える化を促進するIoT技術にも対応が可能です。

「XWT-10」は、従来機より対応可能なワークサイズを拡大しつつも安定した加工精度を発揮するCNC2スピンドル2タレット精密旋盤です。当社の2スピンドル機では最大の外径加工域を誇るとともに、10角タレット2基を標準搭載し、幅広い加工物に対応可能です。

「XYT-51」は、素材から完品まで一貫加工でき、工程集約のニーズに応えるCNC2スピンドル2タレット複合精密旋盤です。モータ出力アップにより加工能力を向上させるとともに、種類豊富なツーリングを取り付け可能とし、お客様の生産形態に合わせた加工を実現します。

また、スカイビング加工専用機「SKV-8」が、一般社団法人日本機械学会より「2018年度日本機械学会優秀製品賞」を受賞しました。2017年度の「第47回機械工業デザイン賞 審査委員会特別賞」(日刊工業新聞社主催)に続く2つ目の受賞となります。

その他、新製品の開発だけではなく、将来的視野に立った基礎研究及び産学官の共同研究も推進し、当社が得意とする自動化システムにおいても、システム・ソフトの研究開発に取り組んできました。

なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は、151百万円であります。

 

(2) IT関連製造装置事業

該当事項はありません。

 

(3) 自動車部品加工事業

該当事項はありません。