第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、『高松機械は「社会に貢献」する。お客様には安全でメリットのある商品を、従業員には生活の安定と希望を、株主には適切な配当を提供するとともに、協力企業とも共存共栄の精神をもって、社会の発展に積極的に貢献する。』という経営理念を掲げ、工作機械メーカーとして、「お客様に稼ぐ機械を提供する」をモットーとしております。高機能・高品質な製品を提供することによる価値の創造と、ステークホルダーへの適切な配分を考慮し、経営活動を行っております。

 

(2) 経営環境

日本経済の先行きについては、新型コロナウイルス感染症拡大への各種対策やワクチンの普及により、回復が期待されるものの、新規感染者が全国的に増加し、社会経済活動が再び停滞する恐れもあり、先行きは不透明な状況が続くと予想されます。

当社グループの主力分野である工作機械業界の先行きについては、感染状況や社会経済活動の状況により各国間で温度差はあるものの、内需・外需ともにコロナ禍前の受注水準に回帰しつつあり、自動車や半導体製造装置など幅広い分野からの需要が期待されます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは持続的成長を志向して「中期計画2021(2019年度~2021年度)」を策定し、その達成に向けて戦略を推進してきましたが、新型コロナウイルス感染症によって経済環境が急激に悪化し、計画策定時の見通しと大きな乖離を生じました。また、先行きにおいても、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せず、工作機械需要の回復時期やその規模も不透明な状況にあります。

このような経済環境の状況等を勘案した結果、中期計画2021で掲げる定量目標の達成が困難であると見込まれたことから、これを取下げております。

なお、中期計画2021において掲げていた定量目標は、連結売上高営業利益率(収益性に関する指標)、連結ROE(企業価値に関する指標)、連結売上高(経営規模に関する指標)の3つであり、その具体的目標数値は以下のとおりであります。

(参考)2021年度の経営目標
  ① 連結売上高営業利益率  10%以上
  ② 連結ROE         10%以上
  ③ 連結売上高       260億円以上

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症による景気停滞の影響により、当社グループは中期計画2021にて掲げていた定量目標を取下げておりますが、中長期的な企業価値の向上をはかるため、中期計画2021の基本方針「挑戦し、成長し続ける企業となるべく、3ヵ年で更なる企業基盤の強化を目指す」及び最重要テーマ「収益力の強化」「売上高の拡大」は継続し、中長期的視点に立った戦略を推進しております。

一方で足元の経済状況は、新型コロナウイルス感染症による先行き不透明感から厳しさも残っておりますが、緩やかな回復基調にあり、今後も緩やかに回復が継続していくものと見込んでおります。

このような状況下であることから当社グループでは、受注・売上高の確保及び収益力の強化に努め、全社一丸となって今なすべきことをしっかり意識し、業務変革に取り組んでいくことが優先的に対処すべき課題となります。

工作機械事業では、受注・売上高の確保をはかるため、需要の回復にいち早く対応していきます。受注獲得に向け、変化する市場環境に対してリアルとデジタルの両面で営業戦略を推進していくとともに、コロナ禍前よりも高い生産能力を発揮するための設備投資や人材育成など、必要な取り組みを推進していきます。

現在建設を進めている新工場は、当社グループが将来にわたり企業価値を向上し続けていくために必要な設備投資であります。2022年4月の操業開始予定に向けて、スムーズに業務移行できるように、また、需要回復局面に新工場が寄与できるように、全社横断的に課題解決をはかっていきます。

IT関連製造装置事業、自動車部品加工事業では、新規取引先の開拓や既存取引先との関係強化に注力していくとともに、経営資源の有効活用や生産能力の増強による事業拡大を志向するなど、売上高拡大のための施策に取り組んでいきます。

また、すべての事業において、今できる費用の削減や抑制に努めるとともに、ITの活用推進によってグループ一丸で更なる業務効率化に取り組むことで、収益力の強化に努めていきます。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 新型コロナウイルス感染症に関する影響

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、先行き不透明な状況にあります。そのため、当社グループの主たる事業である工作機械事業では、需要の減少が見られるほか、主要展示会の中止や訪問営業の自粛など、営業活動の一部に制限を受けております。

当社グループは、ICT活用による営業戦略の強化や新たな働き方への転換等の取り組みによって、事業環境の変化に対応しておりますが、新型コロナウイルス感染症が長期化もしくは更なる流行拡大となった場合には、当社グループの業績が想定以上に低迷し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループでは、将来にわたり企業価値を向上し続けていくために必要な設備投資として、新工場の建設を進めております。新工場は2022年4月稼働予定でありますが、新型コロナウイルス感染症が長期化もしくは更なる流行拡大となった場合には、新工場の稼働率が想定を下回り、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 経済情勢に関する影響

当社グループの主たる事業である工作機械事業は、民間設備投資動向に大きく影響を受けますので、国内外の景気動向や経済情勢の変動により、工作機械の需要は拡大縮小の波を繰り返します。当社グループの主要製品であるCNC旋盤(コンピュータにより制御されたNC旋盤)は、一般的に金属加工の機械を作る機械(マザーマシン)として広く製造業で使用されておりますが、特に当社製品の販売先は自動車関連業界が半分以上を占めております。そのため、自動車関連業界における設備投資動向等が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響によって自動車の販売台数や生産台数が大きく落ち込んでおります。これにより自動車関連業界では設備投資を抑制している傾向にありますが、当該状況が長期化もしくは更なる拡大となった場合には、当社グループの業績が想定以上に低迷し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

IT関連製造装置事業は、シリコンサイクルやクリスタルサイクルと呼ばれる周期的な好不況の波の影響で需要の変動が激しいことにより、また自動車部品加工事業は、世界における自動車需要の縮小や部品メーカー間の競争激化等の影響によりまして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 他社との競合に関する影響

当社グループが属する工作機械業界は、数多くのメーカーが存在し、競合の激しい業界であります。当社グループは単なる標準品でなく、ユーザニーズに合わせて、それぞれに最適な加工を実現できる自動化システムを提案することで他社との差別化をはかっておりますが、特に需要の縮小期においては過当競争となり、価格競争が激化します。足元では新型コロナウイルス感染症の影響によって工作機械需要が大きく減少しておりますので、影響の長期化もしくは更なる拡大となった場合には、同業他社との競合がより激化することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 原材料等の調達及び価格に関する影響

当社グループは、2社購買の推進や長納期品の先行発注など、サプライヤーとの連携強化のもと、適正な調達活動の実施と適正な在庫の維持管理に努めております。しかし、一部においては取引先の変更や代替品への切り替えが困難なものもあり、当該原材料等において取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には、生産に著しい影響を受け、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、原油価格の高騰や新興国の経済成長等を要因として原材料等の価格が予想以上に急騰した場合もしくは長期にわたって高騰が続いた場合には製造コストの増大により、当社グループの利益が減少する可能性があります。

 

(5) 海外展開に関する影響

当社グループは主にアジア、ヨーロッパ及び北米で海外の事業活動を展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は24.1%であります。当社グループの主力製品である工作機械の需要は、中長期的視野では特に海外の成長が見込まれていることから、海外シェア拡大のための施策を推進しております。そのため、それらの地域における予期できない法律・規制、税制の変更、ストライキ等の労働争議、テロ、戦争、感染症や自然災害の発生による社会的混乱、急激な経済情勢の悪化、その他事業活動に対する不利な政治的又は経済的要因が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社の輸出取引は主に円建で行われており、為替相場の変動による損益への影響は軽微でありますが、円高が進行した場合には現地販売価格が他国製品と比較して相対的に高くなる結果、価格競争力低下や販売価格の値下げにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) ディーラに関する影響

当社グループの製品は、ディーラを通じてユーザに販売しておりますので、経営状態や環境の変化によってディーラからの代金回収が滞ったり、回収不能となったりした場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、ディーラは、当社グループの競合製品も取り扱っております。当社では主要ディーラを集めて、新製品の発表や市場ニーズの情報収集、その他販売に関する諸問題を討議する全国ディーラ会議を毎年開催し、主要ディーラとの良好な関係の継続に努めておりますが、主要ディーラの経営方針や環境の変化によって競合製品の取り扱いが優先された場合や、当社製品の取り扱いを行わなくなった場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 品質に関する影響

当社はISO9001を認証取得しており、その品質マネジメントシステムを活用して生産及び仕入における品質管理の徹底をはかっております。しかし、生産したすべての製品について欠陥が生じないという保証はなく、また、今後発売する新製品に予期せぬ不具合が発生する等の影響により、製造物責任法に基づく損害賠償責任が生じる可能性があります。当社グループは製造物責任による損害賠償については保険に加入しておりますが、賠償額全額を保険でカバーできる保証はありません。現時点までに製造物責任に関する訴訟は生じておりませんが、当該賠償の発生によって社会的評価及び企業イメージが低下することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 知的財産権に関する影響

当社グループは、特許権等の知的財産権の重要性を強く認識しており、積極的な特許等の申請を推進し、多くの特許等を取得しております。しかし、第三者による当社所有権利の侵害により、ブランドイメージの低下や営業活動が阻害される恐れがあります。

また、過失により第三者が所有する権利を侵害した場合には提訴される可能性があります。このため、損害賠償責任や当該特許等の使用に対する対価の支払義務の発生、又は当該特許等の使用ができないことによる事業展開の制約等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 自然災害等の発生による影響

当社グループの主力事業である工作機械の生産は石川県白山市の本社工場にて行っており、自動車部品の加工及びIT関連製造装置の製造についても、それぞれ同市内の第3工場及び開発センターにて行っております。当社では、緊急時対応手順の策定、十分なデータバックアップ体制の構築、従業員安否確認システムの導入など、事業継続計画の整備に努めておりますが、白山市周辺地域において地震・津波等の大規模な自然災害等が発生した場合、本社機能の停止又は建物や設備の損壊もしくは停電となることで生産に著しい影響を及ぼし、正常な事業活動が行えなくなる可能性があります。

また、当社が直接被害を被らない場合でもインフラ復旧の遅れや電力の使用制限、サプライヤーから必要な原材料、部品等の供給が滞るなどの影響を受け、本社機能及び生産に著しい影響を受ける場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)人材のリスク

当社グループが企業成長を進め、安定的な経営体制を確立するためには、人的資本の充実が必須であります。そのため、新卒の定期採用並びに中途採用による人員の確保、OJT及び社外研修等による社員教育を行って人的資本の充実をはかっております。しかし、業績拡大や事業発展のために当社グループが求める人材を十分に確保できなかった場合や退職者が著しく増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11)当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)について

当社は、第47回定時株主総会(2008年6月26日開催)において「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」の承認を得られ、発効しております。有効期間は3年であり、継続に当たっては定時株主総会の承認を得ることと定めておりますが、第59回定時株主総会(2020年6月23日開催)において、所要の変更を行った上で、同総会にて当該買収防衛策の継続に関する議案を付議し、株主の皆様のご承認を得られたことで継続しております。

議決権割合を20%以上とすることを目的とした当社株式等の買付行為もしくは結果として20%以上となる当社株式等の買付行為を行う者が現れた場合において、買収防衛策のルールに基づき、第三者委員会の勧告を最大限尊重の上、当社取締役会で対抗措置の発動・不発動を決定いたしますが、対抗措置を発動した場合に発生する費用等によりまして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(12)たな卸資産の評価に関するリスク

 当社グループでは、たな卸資産は取得原価と正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しており、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するために、滞留期間に応じて規則的に帳簿価額を切下げることとしております。規則的な帳簿価額の切下げは過去の販売・使用実績や処分実績に基づき実施しておりますが、たな卸資産の滞留状況と過去の実績に大きな変化が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)繰延税金資産に関するリスク

当社グループは、繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいており、その予測・仮定が変更された場合や、税率変更を含む税制改正、会計基準等の改正が行われた場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要になり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大・長期化することで当社グループの翌連結会計年度の業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)その他のリスク

当社グループは工作機械事業において、積極的な海外展開、ユーザニーズを捉えた新製品の開発、原価低減等によるコストの削減等を推進するとともに、長年培ってきたノウハウを活かせる分野に資本を投下し、新たな収益の柱作りを推進することで、安定的な収益を確保できる体質の確立を進めてきております。しかし、当社グループが事業を遂行していく限り、前述した影響以外にも、法律や規制等の新設・改正、金融・株式市場、戦争・テロ、仕入先・外注先の供給体制等によりまして、場合によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気は急速に悪化しました。各種政策や感染対策により、わずかに景気持ち直しの動きが見られたものの、感染は収束せず、2021年1月には首都圏等で2回目の緊急事態宣言が発出され、社会経済活動が再び制限されるなど、1年を通じて先行き見通しが不透明な状況で推移しました。

当社グループの主力分野である工作機械業界においても感染症拡大の影響を受け、2020年度の業界受注総額は11年ぶりに1兆円を割り込む9,884億円(前年同期比10.1%減)となりましたが、2021年2月及び3月には、業界の好不況の目安とされる1,000億円を2ヵ月連続で超えるなど、2020年5月を底に回復基調で推移しました。

当社グループの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費及び営業損益

当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ85億14百万円減少し134億32百万円となりました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ59億30百万円減少し105億72百万円となりました。これは売上高の減少に伴うものであり、これにより売上高に対する比率は78.7%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ7億30百万円減少し28億53百万円となりました。これは主に旅費及び交通費の減少によるものであり、売上高に対する比率は21.2%となりました。

また、研究開発費は前連結会計年度に比べ16百万円減少1億39百万円となり、売上高に対する比率は1.0%となりました。開発部門は研究開発費の効率化をはかりながら、各部門と緊密な連携を取り、当社グループの戦略製品開発や技術開発を行っております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ18億53百万円減少し6百万円となりました。なお、営業利益率は0.0%となりました。

 

② 営業外損益及び経常損益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ4百万円増加し、2億30百万円となりました。これは主に持分法による投資利益が減少したものの、助成金収入が増加したことによるものです。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ28百万円減少し、3百万円となりました。これは主に為替差損が減少したことによるものです。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ18億20百万円減少し、2億33百万円となりました。

 

③ 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益及びROE

特別利益は、10百万円と前連結会計年度に比べ8百万円の増加となりました。これは主に新株予約権戻入益が増加したことによるものです。

特別損失は、0百万円と前連結会計年度に比べ2百万円の減少となりました。これは主に固定資産除却損が減少したことによるものです。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1億15百万円(前年同期は14億15百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。また、1株当たり当期純損失は、10.56円、ROEは△0.7%となりました。

 

④ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 及び (4)中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 工作機械事業

当連結会計年度の経営成績は、受注高が67億27百万円(前年同期比10.4%増)、受注残高が53億25百万円(同32.6%減)、売上高が111億8百万円(同42.6%減)、営業損失が1億50百万円(前年同期は16億45百万円の営業利益)となりました。

受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う先行きの不透明感から、第1四半期において急激に落ち込みました。その後、当社の主要な取引先である自動車関係の設備投資意欲が強まったため、内需は回復基調で推移しました。地域別内訳は、国内向けが大きく増加し、アジア向けやヨーロッパ向けも増加した一方、北米向けが大きく減少した結果、内需が49億34百万円(前年同期比38.6%増)、外需が17億93百万円(同29.2%減)となりました。

売上高の地域別内訳は、ヨーロッパ向けがわずかに増加したものの、国内向け、アジア向け及び北米向けが大きく減少した結果、内需が78億93百万円(同35.4%減)、外需が32億14百万円(同55.0%減)、外需比率が28.9%(前年同期は36.9%)となりました。

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、工作機械需要は大きな落ち込みを見せました。営業面においても、主要な展示会の中止や、移動自粛等による訪問営業活動の制限など、厳しい環境にありました。

このような状況の中、当社グループでは需要の確保を優先課題と位置付け、リアルとデジタルの両面で全社一丸となって受注獲得に注力してきました。

デジタルを活用した営業活動として、YouTube公式チャンネルの開設、バーチャル展示会の開催、オンライン新製品発表会の開催などに取り組み、動画による新機種紹介や加工技術紹介を行うことで、ユーザとの関係維持、受注の確保に努めてきました。また、オンラインでの加工相談を始めたほか、Web会議やWeb立会などにも取り組み、コロナ禍に対応した営業戦略の推進をはかってきました。

コロナ禍が一旦落ち着きを見せた時には、ユーザ訪問時に製品知識の高い当社技術部員や製造部員が同行し、当社製品の無料診断や生産性向上提案を行う「お客様生産性向上キャンペーン」を実施しました。また2020年11月には本社プライベートショーを開催し、お客様に新製品や自動化事例を見る機会を提供するとともに、生産性向上につながるソリューションを提案するなど、対面営業の強みを活かした活動も推進してきました。

その他の主な取り組みとして、生産面では、受注量に応じた生産調整を行いつつ、ユーザからの短納期要望や、多様化するニーズに応える設計・製造対応を推進し、最適生産の実施に努めてきました。また、コロナ禍をチャンスと捉えて人材育成を積極的に推進し、従業員教育・トレーニングの徹底をはかるなど、生産性の向上にも取り組んできました。

製品面では、市場ニーズ・ユーザニーズに応える新製品開発に取り組み、1スピンドル1タレット旋盤「XT-8M」「XT-8MY」を開発したほか、IoTやAI等のデジタル技術を活用する研究開発の取り組みを推進してきました。

また、当社製ローダ「Σiローダ高速タイプ」が性能の高さを評価され、2020年度日本機械学会優秀製品賞を受賞しました。2019年の第49回機械工業デザイン賞(日刊工業新聞社主催)における審査委員会特別賞に続く、2つ目の受賞となります。

 

② IT関連製造装置事業

当連結会計年度の経営成績は、売上高は16億36百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益が1億83百万円(同28.9%減)となりました。

一部の製造請負案件にて需要の減少があったものの、半導体関連やその他の既存取引先からのリピート受注が増加した結果、売上高は堅調に推移しました。

一方で、製品構成比の影響及び販管費の上昇等により、営業利益は減少しました。

 

③ 自動車部品加工事業

当連結会計年度の経営成績は、売上高は6億88百万円(前年同期比15.5%減)、営業損失が21百万円(前年同期は33百万円の営業損失)となりました。

 第1四半期に既存取引先が行った生産調整の影響が大きかったものの、2020年7月以降の自動車部品需要は回復基調で推移し、年度末にかけて売上高の持ち直しが進みました。

収益面では、適切な生産対応とコストダウンに取り組んだ結果、営業損失は減少しました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

金額(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

629

7,512

△49.9

IT関連製造装置事業

自動車部品加工事業

合計

629

7,512

△49.9

 

(注) 1 金額は、消費税等を含まない販売価格によって表示しております。

2 工作機械事業におきましては、旋盤に限定して表示しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

台数
(台)

金額
(百万円)

前年同期比
(%)

台数
(台)

金額
(百万円)

前年同期比
(%)

工作機械事業

807

6,727

+10.4

490

5,325

△32.6

IT関連製造装置事業

自動車部品加工事業

合計

807

6,727

+10.4

490

5,325

△32.6

 

(注) 1 金額は、消費税等を含まない販売価格によって表示しております。

2 工作機械事業におきましては、旋盤・改造機に限定して表示しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

金額(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

(286)

(3,214)

(△55.0)

993

11,108

△42.6

IT関連製造装置事業

1,636

△7.8

自動車部品加工事業

()

(26)

(△5.4)

688

△15.5

合計

(286)

(3,240)

(△54.8)

993

13,432

△38.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 ( )内の数字は海外販売台数及び海外販売高であり、内数であります。

3 最近2連結会計年度における主要な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

山下機械株式会社

3,184

14.5

1,640

12.2

ユアサ商事株式会社

2,629

12.0

 

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

5 当連結会計年度のユアサ商事株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は215億63百万円前連結会計年度末に比べ26億89百万円の減少となりました。

区分別にみますと、流動資産は150億6百万円となり、前連結会計年度末に比べて26億86百万円減少しました。その主な要因としては、現金及び預金が11億65百万円増加したものの、電子記録債権が19億93百万円、受取手形及び売掛金が9億70百万円、たな卸資産が8億83百万円減少したことによるものです。

固定資産は65億56百万円となり、前連結会計年度末に比べて3百万円減少しました。その主な要因としては、建設仮勘定が3億16百万円増加したものの、繰延税金資産が3億33百万円減少したことによるものです。

次に当連結会計年度末の負債は60億59百万円前連結会計年度末に比べて24億71百万円の減少となりました。

区分別にみますと、流動負債は49億14百万円となり、前連結会計年度末に比べて22億12百万円減少しました。その主な要因としては、流動負債のその他(未払金等)が3億59百万円増加したものの、電子記録債務が16億46百万円、支払手形及び買掛金が4億50百万円、未払法人税等が2億28百万円、賞与引当金が1億10百万円減少したことによるものです。

固定負債は11億45百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億58百万円減少しました。その主な要因としては、退職給付に係る負債が1億96百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産は155億3百万円前連結会計年度末に比べて2億18百万円の減少となりました。その主な要因としては、退職給付に係る調整累計額が1億84百万円増加したものの、利益剰余金が3億33百万円減少したことによるものです。なお、自己資本比率は71.8%となりました。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

① 工作機械事業

工作機械事業の総資産は131億24百万円で前連結会計年度末に比べて37億60百万円の減少となりました。その主な要因としては、電子記録債権の減少によるものです。

 

② IT関連製造装置事業

IT関連製造装置事業の総資産は14億38百万円で前連結会計年度末に比べて1億48百万円の増加となりました。その主な要因としては、電子記録債権の増加によるものです。

 

③ 自動車部品加工事業

自動車部品加工事業の総資産は5億81百万円で前連結会計年度末に比べて39百万円の減少となりました。その主な要因としては、TP MACHINE PARTS CO., LTD.の現金及び預金の減少によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

① 営業活動によるキャッシュ・フローは、16億82百万円の資金流入(前連結会計年度は21億96百万円の資金流入)となりました。その主な要因としては、仕入債務の減少や法人税等の支払等があったものの、売上債権の減少やたな卸資産の減少等があったことによるものです。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フローは、19百万円の資金流出(前連結会計年度は10億29百万円の資金流出)となりました。その主な要因としては、定期預金の払戻による収入等があったものの、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものです。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フローは、3億66百万円の資金流出(前連結会計年度は3億40百万円の資金流出)となりました。その主な要因としては、配当金の支払や長期借入金の返済による支出等があったことによるものです。

 

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は12億79百万円の増加(前連結会計年度は8億27百万円の増加)となり、当連結会計年度末残高は45億34百万円(前連結会計年度末残高は32億54百万円)となりました。

 

当社グループの事業活動に必要な資金については、営業活動から得たキャッシュ・フローによることを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達を行っております。また、資金調達に際しては、低コストかつ中長期にわたる安定的な資金の確保を重視して取り組んでおります。当連結会計年度末の現金及び預金の総額は67億57百万円、また借入金は短期、長期あわせて10億26百万円であります。当社グループは、取引先金融機関との現在の健全かつ緊密な関係を維持していくことで、当社グループが将来必要とする運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(1) 工作機械事業

工作機械事業においては、あらゆるユーザニーズに対応可能な製品の提供を目指して、研究開発活動を実施しております。この点、当社の主力製品であるCNC精密旋盤のみならず、コレットチャックやローダ等の周辺装置群の開発を含めて、省力化や自動化といったユーザニーズを充足することに努めております。

当連結会計年度においては、「XT-8M」及び「XT-8MY」の2機種を新たに開発いたしました。

「XT-8M」は、従来機種「XT-8」にミーリング加工機能を具備させた1スピンドル1タレットのCNC精密旋盤です。「XT-8」にて実現させた高い生産性はそのままに、より複雑な加工が可能となり、ユーザの作業効率アップに貢献します

「XT-8MY」は、「XT-8M」の機能を発展させて、Y軸加工を追加したベーシックな1スピンドル1タレットのCNC精密複合旋盤です。幅広い複合加工を可能としながら、クラス最小のフロアスペースを実現しました。特にシャフトワークに秀でており、自動車産業のニーズをとらえております。

その他、新製品の開発だけではなく、将来的視野に立った基礎研究及び産学官の共同研究、当社が得意とする自動化システムの研究開発、IoTやAI等のデジタル技術の活用などに取り組んできました。

なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は、139百万円であります。

 

(2) IT関連製造装置事業

該当事項はありません。

 

(3) 自動車部品加工事業

該当事項はありません。