第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、『高松機械は「社会に貢献」する。お客様には安全でメリットのある商品を、従業員には生活の安定と希望を、株主には適切な配当を提供するとともに、協力企業とも共存共栄の精神をもって、社会の発展に積極的に貢献する。』という経営理念を掲げ、工作機械メーカーとして、「お客様に稼ぐ機械を提供する」をモットーとしております。高機能・高品質な製品を提供することによる価値の創造と、ステークホルダーへの適切な配分を考慮し、経営活動を行っております。

 

(2) 経営環境

日本経済の先行きについては、新型コロナウイルス感染症拡大への各種対策や海外経済の改善により、回復が期待されるものの、新たな変異ウイルスの影響により社会経済活動が再び停滞する恐れや、ウクライナ情勢等の影響もあり、先行きは不透明な状況が続くと予想されます。

当社グループの主力分野である工作機械業界の先行きについても、原材料価格やエネルギー価格の高騰のほか、部品の調達問題による生産や出荷への影響が引き続き懸念されるものの、内需、外需ともに幅広い業種で旺盛なニーズがあり、自動車や半導体製造装置など幅広い分野からの需要が期待されます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは持続的成長を志向し、2022年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画「中期計画2024」を策定しました。収益性に関する指標として連結売上高営業利益率を、企業価値に関する指標として連結ROEを、経営規模に関する指標として連結売上高を採用し、具体的な目標数値を以下のとおり定めております。

≪2024年度の経営目標≫
  ① 連結売上高営業利益率  8%以上
  ② 連結ROE         8%以上
  ③ 連結売上高       240億円以上

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題

中期計画2024では、経済、社会等の外部環境が大きく変化していく中でも、フラッグシップ・ファクトリー(旗艦工場)であるあさひ工場の操業開始を起点として、更なる成長を遂げるため、『チェンジ!チャレンジ!2024! 当たり前を「変える」、新しいことに「挑戦する」』を基本方針として、社員と会社が一体となって変化と挑戦を続けていきます。

経営目標達成に向けて、「加速する事業環境の変化への対応」「工作機械事業の質的転換」「収益構造の改善」「経営基盤の強化」「サステナビリティの実現」の5つの主要戦略に取り組み、積極的なチェンジ・チャレンジで更なる成長を遂げ、過去最高の売上高達成をはかります。

工作機械事業では、自動車関係をはじめとして様々な分野で需要の回復が見込まれるため、お客様の投資需要を適切に捉え、受注と売上を確保するとともに、最新鋭のあさひ工場を最大限に活用し、生産高の拡大をはかります。

また、事業体制を強化するため、2022年4月に工作機械事業本部とFAソリューション推進室を立ち上げました。営業本部と生産本部を統括する工作機械事業本部では、生販一体の連携を進め、お客様への製品、サービスの提供体制の向上に努めます。営業本部に新設したFAソリューション推進室では、ロボットなどの付帯装置を含めた省人化ニーズに対応したソリューション提案を進めるなど、部門一体となって事業活動に取り組んでいきます。

更に、設備投資に伴う減価償却費や人件費の増加に加え、原材料価格の高騰に対処するため、効率的な生産の実現や原価低減、抑制に努めるとともに、適正な価格で適正な利益を確保し、より多くの利益確保に努めていきます。

IT関連製造装置事業、自動車部品加工事業では、積極的な営業活動とともに、既存設備の効率的活用に加え、新規設備投資も視野に入れ、売上高拡大をはかっていきます。

また、社員一人ひとりが個性や能力を十分に発揮できる会社を目指し、働きやすく、働きがいのある職場づくりと人材育成を進めていきます。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 新型コロナウイルス感染症に関する影響

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、先行き不透明な状況にあります。一方で、当社グループの主たる事業である工作機械事業では、経済活動の再開や各種政策の効果などにより、需要は回復基調で推移しております。

当社グループは、ICT活用による営業戦略の強化や新たな働き方への転換等の取り組みによって、事業環境の変化に対応しておりますが、新型コロナウイルス感染症が長期化もしくは更なる流行拡大となった場合には、当社グループの業績が想定以上に低迷し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループでは、将来にわたり企業価値を向上し続けていくために必要な設備投資として、あさひ工場を建設し、2022年4月から稼働を開始しておりますが、新型コロナウイルス感染症が長期化もしくは更なる流行拡大となった場合には、あさひ工場の稼働率が想定を下回り、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 経済情勢に関する影響

当社グループの主たる事業である工作機械事業は、民間設備投資動向に大きく影響を受けますので、国内外の景気動向や経済情勢の変動により、工作機械の需要は拡大縮小の波を繰り返します。当社グループの主要製品であるCNC旋盤(コンピュータにより制御されたNC旋盤)は、一般的に金属加工の機械を作る機械(マザーマシン)として広く製造業で使用されておりますが、特に当社製品の販売先は自動車関連業界が半分以上を占めております。そのため、自動車関連業界における設備投資動向等が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に落ち着きつつある中で、自動車の販売台数や生産台数も回復基調で推移しております。これにより自動車関連業界の設備投資も回復しつつありますが、感染が再拡大又は長期化となった場合には、当社グループの業績が想定以上に低迷し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

IT関連製造装置事業は、シリコンサイクルやクリスタルサイクルと呼ばれる周期的な好不況の波の影響で需要の変動が激しいことにより、また自動車部品加工事業は、世界における自動車需要の縮小や部品メーカー間の競争激化等の影響によりまして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 他社との競合に関する影響

当社グループが属する工作機械業界は、数多くのメーカーが存在し、競合の激しい業界であります。当社グループは単なる標準品でなく、ユーザニーズに合わせて、それぞれに最適な加工を実現できる自動化システムを提案することで他社との差別化をはかっておりますが、特に需要の縮小期においては過当競争となり、価格競争が激化します。足元では新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に落ち着きつつある中で、需要は回復基調にありますが、感染症の影響の長期化もしくは更なる拡大で需要の縮小期となった場合には、同業他社との競合が激化することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 原材料等の調達及び価格に関する影響

当社グループは、2社購買の推進や長納期品の先行発注など、サプライヤーとの連携強化のもと、適正な調達活動の実施と適正な在庫の維持管理に努めております。しかし、一部においては取引先の変更や代替品への切り替えが困難なものもあり、当該原材料等において取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には、生産に著しい影響を受け、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、原油価格の高騰や新興国の経済成長等を要因として原材料等の価格が予想以上に急騰した場合もしくは長期にわたって高騰が続いた場合には製造コストの増大により、当社グループの利益が減少する可能性があります。

 

 

(5) 海外展開に関する影響

当社グループは主にアジア、ヨーロッパ及び北米で海外の事業活動を展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は29.9%であります。当社グループの主力製品である工作機械の需要は、中長期的視野では特に海外の成長が見込まれていることから、海外シェア拡大のための施策を推進しております。そのため、それらの地域における予期できない法律・規制、税制の変更、ストライキ等の労働争議、テロ、戦争、感染症や自然災害の発生による社会的混乱、急激な経済情勢の悪化、その他事業活動に対する不利な政治的又は経済的要因が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社の輸出取引は主に円建で行われており、為替相場の変動による損益への影響は軽微でありますが、円高が進行した場合には現地販売価格が他国製品と比較して相対的に高くなる結果、価格競争力低下や販売価格の値下げにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) ディーラに関する影響

当社グループの製品は、ディーラを通じてユーザに販売しておりますので、経営状態や環境の変化によってディーラからの代金回収が滞ったり、回収不能となったりした場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、ディーラは、当社グループの競合製品も取り扱っております。当社では主要ディーラを集めて、新製品の発表や市場ニーズの情報収集、その他販売に関する諸問題を討議する全国ディーラ会議を毎年開催し、主要ディーラとの良好な関係の継続に努めておりますが、主要ディーラの経営方針や環境の変化によって競合製品の取り扱いが優先された場合や、当社製品の取り扱いを行わなくなった場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 品質に関する影響

当社はISO9001を認証取得しており、その品質マネジメントシステムを活用して生産及び仕入における品質管理の徹底をはかっております。しかし、生産したすべての製品について欠陥が生じないという保証はなく、また、今後発売する新製品に予期せぬ不具合が発生する等の影響により、製造物責任法に基づく損害賠償責任が生じる可能性があります。当社グループは製造物責任による損害賠償については保険に加入しておりますが、賠償額全額を保険でカバーできる保証はありません。現時点までに製造物責任に関する訴訟は生じておりませんが、当該賠償の発生によって社会的評価及び企業イメージが低下することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 知的財産権に関する影響

当社グループは、特許権等の知的財産権の重要性を強く認識しており、積極的な特許等の申請を推進し、多くの特許等を取得しております。しかし、第三者による当社所有権利の侵害により、ブランドイメージの低下や営業活動が阻害される恐れがあります。

また、過失により第三者が所有する権利を侵害した場合には提訴される可能性があります。このため、損害賠償責任や当該特許等の使用に対する対価の支払義務の発生、又は当該特許等の使用ができないことによる事業展開の制約等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 自然災害等の発生による影響

当社グループの主力事業である工作機械の生産は石川県白山市の本社工場にて行っており、自動車部品の加工及びIT関連製造装置の製造についても、それぞれ同市内の第3工場及び開発センターにて行っております。当社では、緊急時対応手順の策定、十分なデータバックアップ体制の構築、従業員安否確認システムの導入など、事業継続計画の整備に努めておりますが、白山市周辺地域において地震・津波等の大規模な自然災害等が発生した場合、本社機能の停止又は建物や設備の損壊もしくは停電となることで生産に著しい影響を及ぼし、正常な事業活動が行えなくなる可能性があります。

また、当社が直接被害を被らない場合でもインフラ復旧の遅れや電力の使用制限、サプライヤーから必要な原材料、部品等の供給が滞るなどの影響を受け、本社機能及び生産に著しい影響を受ける場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(10)人材のリスク

当社グループが企業成長を進め、安定的な経営体制を確立するためには、人的資本の充実が必須であります。そのため、新卒の定期採用並びに中途採用による人員の確保、OJT及び社外研修等による社員教育を行って人的資本の充実をはかっております。しかし、業績拡大や事業発展のために当社グループが求める人材を十分に確保できなかった場合や退職者が著しく増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11)当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)について

当社は、第47回定時株主総会(2008年6月26日開催)において「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」の承認を得られ、発効しております。有効期間は3年であり、継続に当たっては定時株主総会の承認を得ることと定めておりますが、第59回定時株主総会(2020年6月23日開催)において、所要の変更を行った上で、同総会にて当該買収防衛策の継続に関する議案を付議し、株主の皆様のご承認を得られたことで継続しております。

議決権割合を20%以上とすることを目的とした当社株式等の買付行為もしくは結果として20%以上となる当社株式等の買付行為を行う者が現れた場合において、買収防衛策のルールに基づき、第三者委員会の勧告を最大限尊重の上、当社取締役会で対抗措置の発動・不発動を決定いたしますが、対抗措置を発動した場合に発生する費用等によりまして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(12)棚卸資産の評価に関するリスク

 当社グループでは、棚卸資産は取得原価と正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しており、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するために、滞留期間に応じて規則的に帳簿価額を切下げることとしております。規則的な帳簿価額の切下げは過去の販売・使用実績や処分実績に基づき実施しておりますが、棚卸資産の滞留状況と過去の実績に大きな変化が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)繰延税金資産に関するリスク

当社グループは、将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいており、その予測・仮定が変更された場合や、税率変更を含む税制改正、会計基準等の改正が行われた場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要になり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に回復しつつある中で再拡大や長期化することで当社グループの翌連結会計年度の業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)その他のリスク

当社グループは工作機械事業において、積極的な海外展開、ユーザニーズを捉えた新製品の開発、原価低減等によるコストの削減等を推進するとともに、長年培ってきたノウハウを活かせる分野に資本を投下し、新たな収益の柱作りを推進することで、安定的な収益を確保できる体質の確立を進めてきております。しかし、当社グループが事業を遂行していく限り、前述した影響以外にも、法律や規制等の新設・改正、金融・株式市場、戦争・テロ、仕入先・外注先の供給体制等によりまして、場合によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果やワクチン接種の進展等による経済活動の再開から、輸出や設備投資は回復基調となった一方で、感染力の強い新たな変異ウイルスの出現による断続的な感染拡大に加え、ウクライナ情勢の緊迫化、原油価格や物価の高騰など、依然として先行きが不透明な状況で推移しました。

当社グループの主力分野である工作機械業界は、2021年度の業界受注総額が1兆6,675億円(前年同期比68.7%増)となり、外需では2017年度を上回る過去最高受注額1兆1,012億円を記録するなど、好調な受注水準となる一方で、部品不足、原材料価格及び物流コストの高騰等による生産や出荷への影響が継続しました。

当社グループの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費及び営業損益

当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ32億87百万円増加し167億20百万円となりました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ18億69百万円増加し124億42百万円となりました。これは売上高の増加に伴うものであり、これにより売上高に対する比率は74.4%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3億30百万円増加し31億84百万円となりました。これは主に給料及び手当の増加によるものであり、売上高に対する比率は19.0%となりました。

また、研究開発費は前連結会計年度に比べ9百万円増加1億49百万円となり、売上高に対する比率は0.9%となりました。開発部門は研究開発費の効率化をはかりながら、各部門と緊密な連携を取り、当社グループの戦略製品開発や技術開発を行っております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ10億87百万円増加し10億93百万円となり、営業利益率は6.5%となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という)等の適用により、売上高及び売上原価はそれぞれ4億24百万円減少しておりますが、利益に対する影響はありません。

 

② 営業外損益及び経常損益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ1億39百万円減少し、91百万円となりました。これは主に為替差益が増加したものの、助成金収入が減少したことによるものです。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、4百万円となりました。これは主に保険解約損が増加したことによるものです。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ9億46百万円増加し、11億80百万円となりました。

 

③ 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益及びROE

特別利益は、0百万円と前連結会計年度に比べ10百万円の減少となりました。これは主に新株予約権戻入益が減少したことによるものです。

特別損失は、27百万円と前連結会計年度に比べ27百万円の増加となりました。これは主に減損損失が増加したことによるものです。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億95百万円(前年同期は1億15百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。また、1株当たり当期純利益は73.03円、ROEは5.0%となりました。

 

④ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 及び (4)中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 工作機械事業

当連結会計年度の経営成績は、受注高が133億21百万円(前年同期比98.0%増)、受注残高が60億64百万円(同13.9%増)、売上高が148億34百万円(同33.5%増)、営業利益が9億90百万円(前年同期は1億50百万円の営業損失)となりました。

受注高は、経済活動の再開により、内需、外需ともに需要の回復が鮮明となり、年間を通して回復基調で推移しました。地域別内訳は、国内向け及び北米向けが大きく増加した結果、内需が81億18百万円(前年同期比64.5%増)、外需が52億2百万円(同190.2%増)となりました。

売上高の地域別内訳は、国内向け、アジア向け及びヨーロッパ向けが大きく増加した結果、内需が98億74百万円(同25.1%増)、外需が49億60百万円(同54.3%増)、外需比率が33.4%(前年同期は28.9%)となりました。

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続したものの、工作機械需要が回復基調で推移し、当社の主力受注先である自動車関係で投資意欲が高まる中、受注の回復を最優先課題として、リアルとデジタルの両面での営業活動に注力しました。

新規感染者数が減少し、経済活動が活発化した際には、コロナ禍の行動制限により訪問ができていなかったお客様や新規取引先へのリアルの営業活動を強化したほか、名古屋で開催されたMECT2021やイタリアのEMO2021など、国内外の展示会に出展しました。

また、自動車関係以外の業種に積極的な営業活動を行った結果、建機、半導体、船舶及び農機向けなどにおいて、当社とは従来取引の無かったお客様からも受注をいただくことができました。

デジタルを活用した営業活動として、オンラインによる加工相談の実施やメールによる定期的な情報提供を継続したほか、YouTube公式チャンネルによる新機種紹介や加工技術紹介、当社HPにおける製品技術の特設ページやユニークなコラムページの開設、FacebookやInstagramの活用など、お客様との接点の強化に努めました。海外では特に、各地域に適したデジタル販促資料の充実に取り組みました。

生産面では、不足が懸念される部品について、仕入先との情報共有の強化、先行調達、代替品の活用などを実施し、安定生産に努めました。なお、原材料価格の高騰に対して、原価低減活動を進めるとともに、機械本体や各種オプション等の販売価格の改定を行いました。

製品面では、市場ニーズ・ユーザニーズに応える新製品開発に取り組み、3つの縦型旋盤を1台に集約し生産性アップを実現した「XV-3」や、多関節ロボットとトレーチェンジャをワンパッケージにした自動化システム「ServoROT-01」を販売開始したほか、IoTやAI等のデジタル技術を活用する研究開発の取り組みを推進してきました。

設備投資面では、当社の企業価値向上のために建設を進めておりました「あさひ工場」が、2022年4月4日に操業を開始しました。更なる飛躍を目指し、増産体制の確立を進めていきます。

 

② IT関連製造装置事業

当連結会計年度の経営成績は、売上高は15億87百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益が1億30百万円(同28.7%減)となりました。

部品不足の影響を受けたものの、半導体関係において旺盛なリピート受注があったため、売上高は堅調に推移しました。

一方で、製品構成比及び材料費高騰の影響により、営業利益は減少しました。

 

③ 自動車部品加工事業

当連結会計年度の経営成績は、売上高は2億98百万円(前年同期比56.7%減)、営業損失が29百万円(前年同期は21百万円の営業損失)となりました。

自動車部品の需要回復により、年度当初は当社の業績も回復基調にありましたが、第2四半期から年度末にかけて、半導体不足等による取引先の減産の影響が継続したため、生産高や利益を押し下げました。

なお、当連結会計年度より「収益認識会計基準」等を適用したため、売上高及び売上原価が4億24百万円減少しておりますが、利益に対する影響はありません。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

金額(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

1,080

10,601

+41.1

IT関連製造装置事業

自動車部品加工事業

合計

1,080

10,601

+41.1

 

(注) 工作機械事業におきましては、旋盤に限定して表示しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

台数
(台)

金額
(百万円)

前年同期比
(%)

台数
(台)

金額
(百万円)

前年同期比
(%)

工作機械事業

1,585

13,321

+98.0

597

6,064

+13.9

IT関連製造装置事業

自動車部品加工事業

合計

1,585

13,321

+98.0

597

6,064

+13.9

 

(注) 工作機械事業におきましては、旋盤・改造機に限定して表示しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

金額(百万円)

前年同期比(%)

工作機械事業

(487)

(4,960)

(+54.3)

1,478

14,834

+33.5

IT関連製造装置事業

1,587

△3.0

自動車部品加工事業

()

(40)

(+56.0)

298

△56.7

合計

(487)

(5,001)

(+54.3)

1,478

16,720

+24.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 ( )内の数字は海外販売台数及び海外販売高であり、内数であります。

3 最近2連結会計年度における主要な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

山下機械株式会社

1,640

12.2

2,302

13.8

ユアサ商事株式会社

1,980

11.8

 

4 前連結会計年度のユアサ商事株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は253億63百万円前連結会計年度末に比べ38億円の増加となりました。

区分別にみますと、流動資産は161億67百万円となり、前連結会計年度末に比べて11億61百万円増加しました。その主な要因としては、現金及び預金が7億1百万円減少したものの、電子記録債権が8億12百万円、売掛金が5億84百万円、流動資産のその他(未収消費税等)が4億51百万円増加したことによるものです。

固定資産は91億95百万円となり、前連結会計年度末に比べて26億39百万円増加しました。その主な要因としては、建設仮勘定が2億36百万円減少したものの、建物及び構築物(純額)が27億46百万円増加したことによるものです。

次に当連結会計年度末の負債は90億62百万円前連結会計年度末に比べて30億2百万円の増加となりました。

区分別にみますと、流動負債は80億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて31億55百万円増加しました。その主な要因としては、流動負債のその他(未払消費税等)が1億29百万円減少したものの、営業外電子記録債務が18億2百万円、電子記録債務が10億15百万円、未払法人税等が1億83百万円、支払手形及び買掛金が1億81百万円増加したことによるものです。

固定負債は9億92百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億53百万円減少しました。その主な要因としては、退職給付に係る負債が68百万円、長期借入金が50百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産は163億1百万円前連結会計年度末に比べて7億98百万円の増加となりました。その主な要因としては、利益剰余金が6億86百万円、為替換算調整勘定が1億67百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は64.3%となりました。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

① 工作機械事業

工作機械事業の総資産は180億3百万円で前連結会計年度末に比べて48億78百万円の増加となりました。その主な要因としては、売上債権及び有形固定資産の増加によるものです。

 

② IT関連製造装置事業

IT関連製造装置事業の総資産は14億95百万円で前連結会計年度末に比べて56百万円の増加となりました。その主な要因としては、仕掛品の増加によるものです。

 

③ 自動車部品加工事業

自動車部品加工事業の総資産は5億62百万円で前連結会計年度末に比べて19百万円の減少となりました。その主な要因としては、有形固定資産の減少によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

① 営業活動によるキャッシュ・フローは、8億25百万円の資金流入(前連結会計年度は16億82百万円の資金流入)となりました。その主な要因としては、売上債権の増加等があったものの、仕入債務の増加や税金等調整前当期純利益の計上等があったことによるものです。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フローは、14億20百万円の資金流出(前連結会計年度は19百万円の資金流出)となりました。その主な要因としては、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものです。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フローは、2億43百万円の資金流出(前連結会計年度は3億66百万円の資金流出)となりました。その主な要因としては、配当金の支払等があったことによるものです。

 

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は7億87百万円の減少(前連結会計年度は12億79百万円の増加)となり、当連結会計年度末残高は37億46百万円(前連結会計年度末残高は45億34百万円)となりました。

 

当社グループの事業活動に必要な資金については、営業活動から得たキャッシュ・フローによることを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達を行っております。また、資金調達に際しては、低コストかつ中長期にわたる安定的な資金の確保を重視して取り組んでおります。当連結会計年度末の現金及び預金の総額は60億56百万円、また借入金は短期、長期あわせて9億76百万円であります。当社グループは、取引先金融機関との現在の健全かつ緊密な関係を維持していくことで、当社グループが将来必要とする運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(1) 工作機械事業

工作機械事業においては、あらゆるユーザニーズに対応可能な製品の提供を目指して、研究開発活動を実施しております。この点、当社の主力製品であるCNC精密旋盤のみならず、コレットチャックやローダ等の周辺装置群の開
発を含めて、省力化や自動化といったユーザニーズを充足することに努めております。

当連結会計年度においては、ベストセラー製品である「XC-100」のモデルチェンジや「XW-30」及び「XW-30 PLUS」の統合モデルチェンジに向けた新機種開発に注力しました。「XC-100」は、シングル旋盤のスタンダード機として高い評価を受ける6インチマシンであり、「XW-30」及び「XW-30 PLUS」は、省スペースながら1台で2台分の機能を有する2スピンドル旋盤であります。使いやすさや生産性の向上のみならず、カーボンニュートラル、SDGsといった時代のニーズを捉えながら、製品の発展、進化をはかっております。

当社が進める研究開発活動の成果は、製品への採用などによってユーザに提供しておりますが、その技術が認められ、各種外部団体からの表彰も受けております。当連結会計年度に表彰された「操作盤上下運動連動式ドア開閉機構」は、省スペース型CNCくし型旋盤として高い評価を受ける「XG-4」及び「J-WAVE PLUS」において、機械の省スペース性を保ちつつ、最小限の動作で機械を操作できる特許技術として採用しております。

また、大学との共同研究により開発した「主軸状態監視システムスピモニー」、「熱変位補正システムサーモニー」も表彰されました。

その他、新製品の開発、将来的視野に立った産学官連携による基礎研究、IoTやAI等のデジタル技術の活用のみならず、当社が得意とする自動化システムの研究開発などに取り組んできました。

なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は、149百万円であります。

 

(2) IT関連製造装置事業

該当事項はありません。

 

(3) 自動車部品加工事業

該当事項はありません。