(1) 業績
当連結会計年度における工作機械業界は、内需におきましては展示会や補助金等の効果があったものの前年度比で減少し、外需もアジア、欧州、北米の主要3極において減少しました。このため内外需合わせた受注総額は1兆2,893億円と前年度を下回りましたが、年度後半からは受注額が5か月連続で1,000億円を超えるなど、回復の兆しが見られました。
このような経済環境下、当社グループは前年度後半から市場投入した複合外周研削盤「APX-105」及び全自動溝入れ工具研削盤「GIG-202」をはじめ、各分野の製品について販売拡大に取り組んでまいりました。また、全自動プロファイル研削盤「iPG-X」を開発し、高精度加工の自動化に向けた製品ラインナップの充実を図るとともに、これらの新機種を「JIMTOF2016」に出展するなど、積極的な受注活動を行ってまいりました。
海外展開につきましては、台湾の連結子会社の活用や、ドイツのHAAS社との販売提携契約を継続するほか、欧州の大手切削工具メーカーへの販売拡大や、北米地域の市場開拓に向けた取り組みを行っております。
しかしながら、国内外における設備投資への慎重な動きから受注が減少し、利益面については新機種販売に伴う広告宣伝費などの経費が増加しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は4,821百万円(前年同期比22.3%減)、営業利益は302百万円(前年同期比66.9%減)、経常利益は312百万円(前年同期比66.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は189百万円(前年同期比69.7%減)となりました。
品目別に業績を示すと、次のとおりであります。
(金型関連研削盤)
国内向けの販売はほぼ横ばいで推移しましたが、中国やその他アジア地域向けの販売が減少し、売上高は1,690
百万円(前年同期比18.5%減)となりました。金型関連研削盤の売上高は当社グル―プの総売上高の35.1%を占
めております。
(切削工具関連研削盤)
国内向けの販売は前年同期比で増加しましたが、海外向けの販売が減少し、売上高は2,086百万円(前年同期比
29.5%減)となりました。切削工具関連研削盤の売上高は当社グループの総売上高の43.3%を占めております。
(その他の機械)
NCプロッター(作図機)およびHAAS社製品等の機械については、売上高は86百万円(前年同期比47.3%減)と
なりました。その他の機械の売上高は、当社グループの総売上高の1.8%を占めております。
(アフターサービス)
アフターサービス(有償修理)及びメンテナンス部品については、売上高は958百万円(前年同期比4.8%減)とな
りました。アフターサービスにおける売上高は、当社グループの総売上高の19.8%を占めております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ519百万円増加し、2,198百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、637百万円(前年同期は608百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益270百万円を計上したほか、収入の主な内訳は、減価償却費282百万円、売上債権の減少額429百万円、たな卸資産の減少額251百万円等であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額179百万円、法人税等の支払額468百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、33百万円(前年同期は39百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、出資金の回収による収入100百万円等であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出56百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、149百万円(前年同期は762百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入262百万円、長期借入れによる収入850百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出379百万円、長期借入金の返済による支出672百万円、リース債務の返済による支出100百万円、配当金の支払額109百万円であります。
当社グループは工作機械の製造・販売業の単一セグメントでありますので、セグメント情報は記載しておりません。以下は当連結会計年度における品目別の状況を記載しております。
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
金型関連研削盤 |
|
1,622,011 |
79.9 |
|
切削工具関連研削盤 |
|
2,086,534 |
72.1 |
|
その他の機械 |
|
81,160 |
49.7 |
|
アフターサービス |
|
958,806 |
95.2 |
|
合計 |
4,748,512 |
77.9 |
|
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
金型関連研削盤 |
1,876,805 |
111.0 |
742,337 |
133.6 |
|
切削工具関連研削盤 |
1,679,834 |
62.3 |
86,600 |
17.6 |
|
その他の機械 |
91,715 |
124.0 |
17,200 |
149.5 |
|
アフターサービス |
958,806 |
95.2 |
― |
― |
|
合計 |
4,607,160 |
84.3 |
846,137 |
79.8 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
金型関連研削盤 |
|
1,690,052 |
81.5 |
|
切削工具関連研削盤 |
|
2,086,534 |
70.5 |
|
その他の機械 |
|
86,020 |
52.7 |
|
アフターサービス |
|
958,806 |
95.2 |
|
合計 |
4,821,412 |
77.7 |
|
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 経営方針
当社グループは、コアの技術である精密工作機械製造技術、制御技術、研削加工技術を基盤とし、お客様との直接対話によって開発した独創的な工作機械を、最良の品質と最善のコストでお客様に提供するとともに、コアの技術と製品を継続的に進化させ、お客様の更なる満足に応えることを経営の基本方針に掲げ、特殊研削盤分野でのトップメーカーを目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
当社は、ニッチ市場におけるシェアを維持することにより、経営基盤と収益力を確保してまいりました。このため、ニッチ市場に特有のものとして、市場規模が限定的であるため業容の拡大が制限されることや、販売先が特定の業種に集中しているため景気変動の影響を受けやすいことを課題として抱えています。
こうした課題に対処し、持続的な成長と安定した収益を確保するため、次のような施策を進めております。
① グローバルニッチトップをめざした海外市場展開
国内市場では既に一定のシェアを確保しておりますが、海外市場においてはシェア拡大の余地が残されています。ニッチトップ戦略をグローバルに展開することにより、さらなる成長をめざします。
また、安全保障輸出管理につきましても、輸出関連法規の遵守に関する内部規定及びマニュアルの厳格な運用に努め、今後も重点課題として厳正に対応してまいります。
② 戦略製品の開発と新製品の投入
主要な取引分野である金型関連業界及び切削工具関連業界に対応する戦略製品の開発と新製品の投入により、より一層の需要の開拓と新たな用途・分野への需要拡大をめざします。
③ 新分野への製品展開
特定の業種への集中から脱却し、新たな事業分野へ進出することにより、企業成長の柱を創出することをめざすべく、長年にわたり培ってきたコア技術である高精度、高品質、高生産性をもとに、半導体市場向けの製品を開発し積極的に市場参入を試みていきます。
④ 経営基盤の強化
急激な景気変動により厳しい経営環境にさらされた場合においても、業績への影響を最小限に止めるため、利益体質の強化や業務システムの改善を継続的に進めております。
本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性がある事項について次に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資者の判断上重要と考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識したうえで、その回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
(1) 景気循環サイクル(製造業における設備投資動向の変動)
当社の所属する工作機械業界は売上の変動が極めて大きい業界の一つであり、日銀短観調査DI及び経済産業省が発表する鉱工業生産指数の推移とほぼ同じ動きをしております。
このような業界景気循環サイクルの中で、当社グループは景気の低迷期においても利益の確保ができる体質にすべく、利益管理体制の強化を図っておりますが、景気循環サイクルによる売上高の増減により利益が大きく変動するという側面を持っており、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。
(2) 金型関連業界及び切削工具関連業界の設備投資動向
当社グループでは、主力製品である金型関連研削盤と切削工具関連研削盤の売上高に占める割合が高く、当連結会計年度においては、78.4%(金型関連研削盤35.1%、切削工具関連研削盤43.3%)となっております。
また、当社グループ製品は、金型関連業界及び切削工具関連業界において高いブランド力を持っていることから、国内における製品の市場占有率も高く、精密金型使用メーカー(電子部品、家電、半導体、IT関連機器、精密機械、自動車製造、金型製造等)及び切削工具の製造・使用メーカー(切削工具製造、自動車製造、自動車部品製造等)の設備投資動向に、当社グループの業績が連動するという側面を有しております。
したがいまして、当社グループの経営成績は、金型関連業界及び切削工具関連業界の設備投資動向に大きな影響を受ける可能性があります。
(3) 海外需要の変動
当社グループの当連結会計年度における海外売上高の割合は31.3%となっていることから、各海外地域における景気変動や政情変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替レートの変動
当社グループの外貨建取引につきましては、円建決済を取引の原則としておりますが、為替レートの変動は現地通貨での価格競争力に影響を及ぼすことは否めなく、中国を含むアジア市場、ヨーロッパ市場及びアメリカ市場への積極的な販売活動による外貨建取引の増加は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、各海外地域における売上、費用を含む現地通貨建ての各項目は、連結財務諸表及び財務諸表の作成のため円換算されており、換算時の為替レートによりこれらの項目は各地域における景気変動がなかったとしても影響を受ける可能性があります。
(5) 工作機械の輸出管理(外為法等規則)
我が国では、武器を輸出しないこと、大量破壊兵器等関連汎用品が大量破壊兵器等の開発、製造、使用、貯蔵に使用されないこと、通常兵器関連汎用品が通常兵器の過剰な蓄積に寄与しないことを目的に、関係法令等の仕組みの中で安全保障輸出を管理しております。当社グループが生産し販売する工作機械は、大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれがある貨物として、貨物及び技術の提供等につき外為法に基づく輸出管理対象となる場合があります。当社では輸出管理を統括する専門部署を設置し厳格に輸出管理を行っておりますが、当社グループが工作機械を輸出する場合、または技術を提供する場合において、外為法等に基づく規則を遵守できなかった場合には法的な処分を受け、また、社会的な信用の失墜等を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国際情勢の変化によりこれらの規制が強化されることとなれば、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの業績に影響を及ぼすリスク要因は、これらに限定されるものではありません。
該当事項はありません。
当社グループは、精密工作機械技術、研削加工技術及び制御技術をコアの技術とし、ユーザーの要求や環境の変化に対応しつつ独自性のある製品開発を主体に研究開発活動に取り組んでおります。
新製品の開発に必要な基礎技術及び要素技術の研究については、開発テーマごとに各開発チームが担当し、テーマによりましては、大学、エンドユーザー及び取引業者と、共同で研究開発を行う等、各々鋭意取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、323,023千円であり、品目別の研究開発の取り組みは、次のとおりであります。
(金型関連研削盤)
・ 次期プロファイル研削盤の開発
(切削工具関連研削盤)
・ 次期工具研削盤の開発
(その他の機械)
・ 半導体ウエハ加工の高精度・高能率を目指した超精密平面研削盤の開発
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、次のとおりであります。なお、将来に関する事項については、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
(1) 財政状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況
(資産)
総資産は、前連結会計年度末に比べ479百万円減少し、8,334百万円となりました。これは、主として現金及び
預金が519百万円増加し、受取手形及び売掛金が469百万円、仕掛品が154百万円、機械装置及び運搬具(純額)が
138百万円減少したことなどによります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ574百万円減少し、2,712百万円となりました。これは、主として長期借入金
が179百万円増加し、支払手形及び買掛金が179百万円、短期借入金が116百万円、未払法人税等が294百万円減少
したことなどによります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ94百万円増加し、5,622百万円となりました。これは、主として利益剰
余金が80百万円増加したことなどによります。
(2) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
(3) 経営成績の分析
(受注状況)
当連結会計年度における受注高は、海外景気の下振れ及び為替相場や素材価格の変動リスク等により、受注水準は先行き不透明な状況にあります。
当連結会計年度及び前連結会計年度に係る受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
前連結会計年度 (自平成27年4月1日 至平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
||||||
|
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
|
|
金型関連研削盤 |
1,690,542 |
75.8 |
555,584 |
59.2 |
1,876,805 |
111.0 |
742,337 |
133.6 |
|
切削工具関連研削盤 |
2,696,334 |
79.2 |
493,300 |
65.3 |
1,679,834 |
62.3 |
86,600 |
17.6 |
|
その他の機械 |
73,936 |
39.5 |
11,505 |
11.4 |
91,715 |
124.0 |
17,200 |
149.5 |
|
アフターサービス |
1,006,871 |
116.6 |
― |
― |
958,806 |
95.2 |
― |
― |
|
合計 |
5,467,684 |
81.8 |
1,060,389 |
59.1 |
4,607,160 |
84.3 |
846,137 |
79.8 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(販売状況)
当連結会計年度における売上高は、国内向けの切削工具関連研削盤の販売が堅調に推移しました。また、当社グループでは、海外における販売体制の強化としてドイツのHAAS社と販売提携契約を締結し、ヨーロッパ地域向けの海外販売網を構築しております。
当連結会計年度及び前連結会計年度に係る販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
|
地域 |
前連結会計年度 (自平成27年4月1日 至平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
||
|
売上高 |
前年同期比 |
売上高 |
前年同期比 |
|
|
日本 |
3,522,986 |
100.7 |
3,310,781 |
94.0 |
|
中国 |
1,196,326 |
131.1 |
773,185 |
64.6 |
|
アジア地域(中国を除く) |
1,216,380 |
114.6 |
555,649 |
45.7 |
|
その他の地域 |
266,072 |
93.4 |
181,796 |
68.3 |
|
合計 |
6,201,765 |
107.7 |
4,821,412 |
77.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 国または地域の区分は、地理的近接度によっております。
3 各区分に属する主な国または地域は以下のとおりです。
中国……………………………中国
アジア地域(中国を除く)……台湾、韓国、東南アジア地域、南アジア地域等
その他の地域…………………米国、ヨーロッパ地域、アフリカ地域等