当連結会計年度の経済情勢を概観しますと、世界経済は、米国が牽引しましたものの、中国の減速などにより緩やかな回復にとどまり、景気の先行きが懸念されてまいりました。また、日本経済では、個人消費や設備投資に慎重な動きが見られるなど、停滞感が広がりました。こうした情勢のなかで、当社グループは、品質第一に徹してお客様の信頼におこたえいたしますとともに、各市場の動きに的確に対応して、販売の拡大に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度を623億円(3%)上回る2兆2,289億円となりました。
利益につきましては、人件費の増加、減価償却費の増加などがありましたものの、グループあげての原価改善活動の推進、売上げの増加に加え、為替変動による影響などにより、営業利益は前連結会計年度を104億円(9%)上回る1,279億円、経常利益は前連結会計年度を145億円(9%)上回る1,853億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、子会社株式の売却に伴う特別利益898億円を計上したことなどから、前連結会計年度を678億円(59%)上回る1,830億円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① 自動車
自動車におきましては、市場は日本、中南米などの新興国では低迷しましたものの、北米が好調に推移し、世界全体では前年並みとなりました。こうしたなかで、当セグメントの売上高は前連結会計年度並みの1兆457億円となりました。営業利益は前連結会計年度を26億円(7%)下回る333億円となりました。
このうち車両につきましては、生産台数はヴィッツ・RAV4とも減少しましたものの、RAV4にハイブリッド仕様が追加されたことなどにより、売上高は前連結会計年度を210億円(5%)上回る4,800億円となりました。エンジンにつきましては、新たにGD型ディーゼルエンジンの生産を開始しましたものの、主にKD型ディーゼルエンジンやAR型ガソリンエンジンが減少したことにより、売上高は前連結会計年度を338億円(18%)下回る1,582億円となりました。カーエアコン用コンプレッサーにつきましては、北米、欧州、中国などで増加したことにより、売上高は前連結会計年度を180億円(6%)上回る3,426億円となりました。電子機器・鋳造品ほかにつきましては、電子機器、鋳造品ともに減少したことにより、売上高は前連結会計年度を101億円(13%)下回る648億円となりました。
② 産業車両
産業車両におきましては、市場は中国では縮小しましたものの、欧州、北米、日本が拡大し、世界全体では成長を続けました。そのなかで、当社は、各市場の状況に応じて、生産・販売活動を強化するとともに、新製品を投入してまいりました。また、2015年8月に、新興国市場のニーズに合致した製品の開発・生産・販売を強みとする、台湾のタイリフト株式会社のフォークリフト事業を取得し、製品ラインアップを拡充させてまいりました。加えて、10月に、産業車両向け米国販売金融事業を取得するなど、事業領域の拡大にも努めてまいりました。その結果、主力のフォークリフトトラックは、北米、欧州、日本などで増加し、売上高は前連結会計年度を792億円(9%)上回る1兆41億円となりました。営業利益は前連結会計年度を109億円(16%)上回る797億円となりました。
③ 物流
物流におきましては、自動車関連部品の運送事業は増加したものの、物流受託事業は、子会社でありました株式会社アサヒセキュリティおよび株式会社ワンビシアーカイブズの保有株式を2015年12月にすべて売却したことにより減少し、売上高は前連結会計年度を111億円(11%)下回る869億円となりました。営業利益は前連結会計年度を10億円(16%)下回る52億円となりました。
④ 繊維機械
繊維機械におきましては、市場は主力の中国・アジア新興国の経済が低迷したことにより、低調に推移しました。そのなかで、当社は、織機は増加したものの、紡機や繊維品質検査機器が減少したことにより、売上高は前連結会計年度を25億円(4%)下回る656億円となりました。営業利益は前連結会計年度を15億円(52%)上回る41億円となりました。
キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を2,752億円計上したことなどにより、2,349億円の資金の増加となりました。前連結会計年度の1,821億円の増加に比べ、528億円の増加となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、事業譲受による支出により2,776億円を支出したことなどにより、5,263億円の資金の減少となりました。前連結会計年度の1,607億円の減少に比べ、3,656億円の支出の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が1,539億円あったことなどにより、1,309億円の資金の増加となりました。これらの増減に加え、換算差額、期首残高を合わせますと、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は923億円となり、前連結会計年度末に比べ1,563億円(63%)の減少となりました。
(注) 1 本報告書の売上高、受注高等は消費税等抜きで表示しております。
2 セグメントの業績に記載の売上高は、外部顧客に対する売上高を表示しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
自動車 | 1,046,846 | △0.5 |
産業車両 | 1,008,060 | 7.9 |
繊維機械 | 66,115 | △1.4 |
その他 | 26,432 | 6.0 |
合計 | 2,147,455 | 3.3 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 「物流」につきましては、物流サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
産業車両 | 999,710 | 4.2 | 155,655 | △2.8 |
繊維機械 | 64,122 | △0.8 | 19,243 | △7.5 |
その他 | 25,407 | 6.2 | 1,753 | △36.7 |
合計 | 1,089,240 | 3.9 | 176,652 | △3.8 |
(注) 1 「自動車」につきましては、トヨタ自動車株式会社および株式会社デンソーから生産計画の提示を受け、
生産能力を勘案し、見込生産を行っているため、記載を省略しております。
2 「物流」につきましては、物流サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
自動車 | 1,045,782 | △0.5 |
産業車両 | 1,004,127 | 8.6 |
物流 | 86,925 | △11.3 |
繊維機械 | 65,684 | △3.7 |
その他 | 26,425 | 6.7 |
合計 | 2,228,944 | 2.9 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
トヨタ自動車㈱ | 692,725 | 32.0 | 681,687 | 30.6 |
今後の経済の見通しにつきましては、世界各国の政策協調などによる安定的な回復が期待されますものの、中国経済は減速が続くと思われ、また、米国・日本の金融政策や原材料価格の動向などの不透明な要因もあり、企業を取り巻く環境は引き続き予断を許さない状況にあると思われます。
このような環境のなかで、当社グループは、より強固な経営基盤を築き、企業価値の一層の向上に向け、グループの総力をあげて以下の課題に取り組んでまいります。
まず、急激な事業環境の変化にも対応できるよう、企業体質の強化に努めてまいります。具体的には、品質第一を基本に、グローバルで生産性の維持・向上に取り組み、強固な生産基盤を構築してまいります。また、サプライチェーン全体での製品リードタイムの短縮や間接部門での業務改善活動などにより、無駄のない事業運営を追求し、収益性を向上してまいります。同時に、世界情勢の変化に対し迅速かつ的確に対応するため、リスク管理を強化してまいります。こうしたグローバルな連結経営を支えるため、職場力の向上に努め、人材活用の多様性を高めるとともに、世界各国で活躍する人材を育成してまいります。
上記に加えて、3E(Environment, Ecology & Energy)をキーワードに技術の開発を進める一方、生産技術での差別化やIoTの活用によるビジネスモデルの革新にも取り組み、世界中のお客様が求める魅力ある商品をタイムリーに市場へ投入してまいります。さらに、マーケットイン・カスタマーインの視点で新たな成長の芽を育て、事業化をめざしてまいります。こうした活動を通じて、今後も中長期的に拡大が見込まれる自動車および産業車両をはじめとする各市場において、事業を持続的に成長させることにより、2020年ビジョンに示しました「世界の産業・社会基盤を支え、豊かな生活と温かい社会づくりへの貢献」に努めてまいります。
また、並行して、安全をすべてに優先させた職場づくり、法令の遵守をはじめとしたコンプライアンスの徹底はもとより、社会貢献活動へも積極的に参画するなど、広く社会の信頼にこたえ、社会との調和ある成長をめざしてまいります。地球環境保全に対しては、2016年3月に策定しました「第六次環境取り組みプラン」に基づいて、2050年のCO2ゼロ社会を見据えた取り組みをグループ全体で進めてまいります。
当社グループの財政状態、経営成績および株価などに影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 主要な販売先
当社グループは、車両およびエンジンなどの商品を主にトヨタ自動車株式会社に販売しており、当連結会計年度の販売額は当社グループの総売上高の30.6%となっております。そのため、同社の自動車販売動向によっては経営成績に影響を受ける可能性があります。なお、同社は、当連結会計年度末現在、当社の議決権の24.39%を所有しております。
(2) 商品開発
当社グループは、「魅力ある新商品の開発」という考えのもとに、年々高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、お客様の満足が得られるよう、先進技術を導入した積極的な新商品開発を進めております。その主な活動は、現在の事業分野および周辺事業分野での開発・改良であります。この分野での収益が、引き続き、当社グループの収益の大部分を占めると考えており、将来の成長は主にこの分野での新商品の開発と販売に依存すると予想しております。当社グループは、継続して魅力ある新商品を開発できると考えておりますが、「新商品への投資に必要な資金を今後十分充当できる保証はないこと」「市場に支持される新商品を正確に予想できるとは限らず、商品の販売が成功する保証はないこと」「開発した新商品や技術が、知的財産権として必ず保護される保証はないこと」などのリスクをはじめとして、当社グループが市場のニーズを予測できず、魅力ある新商品のタイムリーな開発と市場投入ができない場合には、将来の成長を低下させる可能性があります。
(3) 知的財産権
当社グループは、事業活動を展開する上で、製品、製品のデザイン、製造方法などに関連する特許などの知的財産権を、海外を含め多数取得しておりますが、出願したものすべてが権利として登録されるわけではなく、特許庁で拒絶されたり、第三者からのクレームにより無効となる可能性があります。第三者が当社グループの特許を回避して競合製品を市場に投入する可能性もあります。また、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、第三者の知的財産権に関する訴訟の当事者となる可能性があります。
(4) 商品の欠陥
当社グループは、「クリーンで安全な優れた品質の商品を提供すること」を経営の基本理念のひとつとし、総力をあげて品質向上に取り組んでおります。しかし、すべての商品に欠陥がなく、将来にリコールや製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼし、売上げの減少、収益の悪化、株価の低下などをまねく可能性があります。
(5) 価格競争
当社グループの収益基盤である自動車事業、産業車両事業をはじめ、各業界における競争は厳しいものとなっております。当社グループの商品は、技術的・品質的・コスト的に他社の追随を許さない高付加価値な商品であると考えておりますが、激化する価格競争の環境下で、市場シェアを維持もしくは拡大することによって収益性を保つことができなくなる可能性があります。このような場合は、当社グループの財政状態と経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原材料、部品供給元への依存
当社グループの生産は、原材料・部品を複数の供給元に依存しております。当社グループは供給元と基本取引契約を結び、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼迫による世界的品不足や供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、生産の遅れをまねき、また、原価を上昇させる可能性があります。
(7) 環境規制
当社グループでは、企業の社会的責任の観点から、環境への負荷の低減および適用される法規制遵守に取り組んでおります。具体的には環境規制に適合した商品開発および環境負荷物質の発生を低減する生産工程設計に努めております。しかし、環境に関するさまざまな規制は、今後も改正・強化される傾向にあり、その対応に失敗した場合には、商品の売上げ減少、生産量の限定など、当社グループの財政状態と経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 他社との提携
当社グループは、事業の拡大などを目的として、提携や合弁などの形で他社との共同による事業活動も行っております。しかし、業界の属するマーケットの変動が激しい場合、あるいは経営、財務およびその他の理由により両者の間で不一致が生じた場合は、効果を享受できない場合があります。
(9) 為替レートの変動
当社グループの事業には、全世界における商品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。一般に、他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上げの重要部分を占めるUSドルおよびユーロに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。当社グループが日本で生産し、輸出する事業においては、他の通貨に対する円高は、製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させ、財政状態と経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 株価の変動
当社グループは、有価証券を保有しており、その多くが上場株式であるため、株価変動のリスクを負っております。各期末日の市場価額に基づき、当社グループは評価差益を認識しておりますが、有価証券に係る評価差益は将来の株価の変動によって減少する可能性があります。また、株価の下落は年金資産を減少させ、年金の積立不足を増加させる可能性があります。
(11) 災害や停電などによる影響
当社グループは、製造ラインの中断によるマイナス影響を最小化するため、生産設備の定期的な検査、点検を行っております。しかし、当社グループならびに仕入先企業の生産施設で発生する人的・自然的災害、停電などの中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内工場や、仕入先などの取引先の多くは、中部地区に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、生産・納入活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態と経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 国際的な活動に潜在するリスク
当社グループは、さまざまな国で商品の生産と販売、サービスの提供を行っております。その国々における予期しない政治的要因、テロ、戦争などの社会的混乱、経済状況の変化などにより、当社グループの財政状態と経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) 退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率などの数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。したがって、割引率の低下や年金資産の減少など実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更された場合は、将来の期間に認識される費用および計上される債務に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは、連結財務諸表提出会社を中心として、「魅力ある新商品の開発」という考えのもとに、年々高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、お客様の満足が得られるよう、先進技術を導入した積極的な新商品開発を進めております。その主な活動は、現在の事業分野および周辺事業分野での開発・改良であります。
具体的な取り組みとしましては、3E(Environment, Ecology & Energy)をキーワードに、省エネルギーや電動化、軽量化などに貢献する要素技術に磨きをかけ、それらを主力事業である自動車および産業車両の新商品に展開しております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は65,440百万円であります。なお、この中には受託研究等の費用10,469百万円が含まれております。セグメントごとの主な内訳は次のとおりであります。
自動車セグメントにおきましては、新型ディーゼルエンジンやターボチャージャー、ハイブリッド車向けの電動コンプレッサー、コンプレッサーの次世代モデル、主にハイブリッド車向けの電源機器、プラグインハイブリッド車および電気自動車用の新型充電スタンドなどの開発に取り組みました。
産業車両セグメントにおきましては、エネルギー効率を高めた電動フォークリフトトラックや燃料電池フォークリフトトラック、フォークリフトトラックの次世代モデル、機台の稼動状況のみえる化によりお客様の効率的な物流現場構築をサポートするテレマティクスなどの開発に取り組みました。
これらセグメント別の研究開発費は、自動車セグメントが40,588百万円、産業車両セグメントが18,795百万円、繊維機械セグメントが4,494百万円、その他のセグメントが1,561百万円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則に基づき作成されています。これらの連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、および連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り、判断ならびに仮定を使用する必要があります。当社グループの重要な会計方針のうち、判断、見積りおよび仮定の割合が高いものは以下に挙げられています。
① 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れのリスクに備えるため、一般債権については貸倒実績率などにより、貸倒懸念債権など特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。この評価は性質上、判断が入り、将来の見積りキャッシュ・フローの金額およびタイミングを含め、大きく変動し得る重要な見積りを避けられません。当社グループのマネジメントは、現在入手可能な情報に基づき、現在の貸倒引当金は十分であると考えておりますが、当社グループの貸倒引当金を大幅に増加させる必要が生じた場合、将来の業績に悪影響を与える可能性があります。
② 退職給付
退職給付費用および退職給付債務の計算は、その計算の際に使用された前提条件により異なります。これらの前提条件には、割引率、昇給率、脱退率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。これらの前提条件と実際の結果の差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の会計期間に費用化されます。使用した前提条件は妥当なものと考えておりますが、実績との差異、または前提条件自体の変更により、退職給付費用および退職給付債務に影響を与える可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度を623億円(3%)上回る2兆2,289億円となりました。利益につきましては、人件費の増加、減価償却費の増加などがありましたものの、グループあげての原価改善活動の推進、売上げの増加に加え、為替変動による影響などにより、営業利益は前連結会計年度を104億円(9%)上回る1,279億円、経常利益は前連結会計年度を145億円(9%)上回る1,853億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、子会社株式の売却に伴う特別利益898億円を計上したことなどから、前連結会計年度を678億円(59%)上回る1,830億円となりました。
① 売上高
売上高の状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
② 営業利益
営業利益は前連結会計年度を104億円(9%)上回る1,279億円となりました。これは、人件費の増加、減価償却費の増加などがありましたものの、グループあげての原価改善活動の推進、売上げの増加に加え、為替変動による影響などによります。
③ 経常利益
経常利益は前連結会計年度を145億円(9%)上回る1,853億円となりました。これは、主に受取配当金が前連結会計年度を121億円(23%)上回る650億円となったことによります。
④ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度を1,044億円(61%)上回る2,752億円となりました。これは、子会社株式の売却に伴う特別利益898億円を計上したことなどによります。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を678億円(59%)上回る1,830億円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の367円06銭に対し、582円58銭となりました。
(3) 財政状態
総資産につきましては、主に投資有価証券の時価評価額が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ4,517億円減少し、4兆1,991億円となりました。負債につきましては、主に繰延税金負債が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,397億円減少し、2兆852億円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,120億円減少し、2兆1,139億円となりました。
(4) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を2,752億円計上したことなどにより、2,349億円の資金の増加となりました。前連結会計年度の1,821億円の増加に比べ、528億円の増加となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、事業譲受による支出により2,776億円を支出したことなどにより、5,263億円の資金の減少となりました。前連結会計年度の1,607億円の減少に比べ、3,656億円の支出の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が1,539億円あったことなどにより、1,309億円の資金の増加となりました。これらの増減に加え、換算差額、期首残高を合わせますと、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は923億円となり、前連結会計年度末に比べ1,563億円(63%)の減少となりました。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資などの長期資金需要と当社商品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金需要であります。
③ 財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当社グループの財務状況は引き続き健全性を保っており、現金及び現金同等物、有価証券などの流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行と金融機関からの借入れによる調達などを通じて、現行事業の拡大と新規事業の開拓に必要な資金を十分に提供できるものと考えております。
当社グループの資金マネジメントについては、日本国内におきましては、当社が国内子会社を対象に資金集中管理を実施しており、北米におきましては、トヨタ インダストリーズ ノース アメリカ株式会社(以下、「TINA」という。)が北米の子会社の資金集中管理を実施しております。また、欧州におきましては、トヨタ インダストリーズ ファイナンス インターナショナル株式会社(以下、「TIFI」という。)が、欧州の子会社の資金集中管理を実施しております。
当社とTINA、TIFIが緊密な連携をとることにより、資金効率の向上をはかっております。