当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念とパーパス(存在意義)
当社グループは、「ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指します」という経営理念のもと、「より良い商品とサービスを提供し、顧客の期待と信頼に応える」「コンプライアンスを重視し、社会から信頼される会社であり続ける」「議論・対話を尽くし、活力ある企業風土を醸成する」を重要な行動規範と位置付けております。
また、この経営理念をもとに、将来にわたって当社グループが存在し続ける意義を、以下の通り「まもる」をキーワードとする「パーパス」として掲げております。
まもる:人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成長し続ける会社
・技術の発展を支え、世界のものづくりを「まもる」
・社会インフラ整備に貢献し、社会の発展を「まもる」
・国防に貢献し、国の安全と平和を「まもる」
・災害から人々を防ぎ、安心な生活を「まもる」
当社グループといたしましては、この経営理念とパーパスに基づき、人々が幸せな社会生活を送るうえで、大切なものを「まもる」ために貢献することを常に意識しながら、企業価値の向上に努めてまいります。
(2)サステナビリティの基本方針と今後の取組み
当社グループは、ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指すことを経営理念として掲げ、100年を超える歴史の中で蓄積された技術とノウハウを結集し、幅広い分野で革新的な製品を産み出し、ものづくりの発展に携わってきました。
これからも、当社グループのパーパスである「人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成長し続ける」に基づき、透明性の高い企業統治の下、環境課題の解決や社会との調和に意欲的に取り組み、ステークホルダーとの信頼関係を強固なものとし、中長期にわたって企業価値を向上させてまいります。
また、基本方針に基づき、サステナビリティの今後の取組みにおける重要課題として「事業を通じた価値創造と社会的課題の解決」と「持続的成長に向けた経営基盤の強化」を掲げ、更にそれぞれの項目別に、以下の通り「マテリアリティ」として分類しております。
マテリアリティの具体的な実行に向けては、形骸化することのない、サステナビリティ経営を推進することが重要であり、マテリアリティの中でも「気候変動対応」、「人的資本の強化」と、「デジタル化対応」を早急に対処すべき課題と認識し、長期ビジョンの策定を進めてまいります。
(3)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
①前中期経営計画の振り返り
当社は、前中期経営計画の最終年度となる2025年3月期におきまして、連結売上高248億円、連結営業利益20億円、ROE8.0%の数値目標を掲げました。
前中期経営計画期間中では、政府より防衛予算の増額方針が示され防衛装備品の納入数が大幅に増加する一方で、世界的なEV車需要の鈍化や中国市場の景気低迷などにより自動車関連設備投資が減退しました。このような変化の中、防衛装備品の生産ラインの拡張による生産量増強並びに生産性の向上を図り、ものづくりを通じた企業価値の向上と持続的な成長を目指し、企業競争力の強化と収益力の抜本的な改善に取り組んでまいりました。
しかしながら、最終年度の実績は以下の通りとなり、中期経営計画で掲げた財務目標達成には至らず、企業価値向上の取組は道半ばの状況にございます。
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財務目標 |
目標値(2025年3月期) |
実績値(2025年3月期) |
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連結売上高 |
248.0億円 |
248.2億円 |
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連結営業利益 |
20.0億円 |
12.5億円 |
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ROE |
8.0% |
4.2% |
②新中期経営計画において目標とする経営指標および2026年3月期の見通し
前中期経営計画の結果を踏まえ、2028年3月期を最終年度とする3ヵ年中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期、以下「本計画」)を策定いたしました。本計画におきましては、「工作機械関連事業の市場規模に適合した収益構造への変革」と「既存事業の生産性向上による収益力の向上」が喫緊の課題であると認識し、工作機械関連事業を主体とする体制から事業ポートフォリオを変革し、4つの事業領域がそれぞれの特性を生かしたニッチな分野を探求して事業戦略に取組む体制とし、「収益力の向上」を図ります。また、当社の特性を活かすことができる新規事業の創出に取り組み、将来の事業拡大に向けた基盤を構築します。さらに、収益力の向上により得た原資により財務基盤の健全性を維持しながら「成長投資」と「株主還元」の強化を図ることで、企業価値向上と持続的な成長を目指します。
本計画の初年度となる2026年3月期は、火器の20式小銃の納入数は増加するものの、米国関税政策の影響やその他防衛装備品の減少により火器の収益は減少すると見込んでおります。しかしながら、工作機械関連の収益構造改革をはじめ、特装車両、建材の各事業の収益力の向上により、2025年3月期比で増収、増益を目指してまいります。
これらの状況を踏まえ、2026年3月期の業績予想につきましては、売上高24,900百万円、営業利益1,310百万円、経常利益1,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は930百万円と予想しております。
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財務目標 |
2025年3月期 実績 |
2026年3月期 中計初年度予想 |
2028年3月期 中計最終年度予想 |
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連結売上高 |
248.2億円 |
249.0億円 |
250.0億円 |
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連結営業利益 |
12.5億円 |
13.1億円 |
22.0億円 |
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ROE |
4.2% |
4.9% |
8.0% |
③本計画の戦略の骨子
本計画では、以下の基本方針と戦略を掲げております。
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基本戦略 |
収益構造の抜本的な改革 |
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事業戦略 |
事業環境の変化に応じて経営資源を配分し、事業特性を活かしたニッチトップを目指す体制の構築により既存事業の強化及びオーガニック成長による稼ぐ力の向上を図る |
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財務戦略 |
財務基盤の健全性を維持しながら、成長投資と安定的な株主還元を実現することで、持続的な成長による企業価値の向上を図る |
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ESG経営 |
特定したマテリアリティに基づき、優先項目への取組みを推進 ・ カーボンニュートラルの実現に向けた推進 ・ 人的資本、DX推進による経営基盤の強化 |
④事業環境認識と対処すべき課題
本計画においては、以下の事業環境認識をし、対処すべき課題を掲げております。
事業環境認識
・自動車のEV化の流れが鈍化しており、サプライチェーンの不確実性により自動車関連メーカーの設備投資需要が不透明である
・防衛予算の増大や地政学的なリスクの増加により防衛装備品に対する 需要は増加すると想定される
・ニッチマーケットである路面清掃車や防音サッシは継続して一定の需要が維持される見込み
対処すべき課題
・工作機械関連事業において市場規模に適合した収益構造への変革
・既存事業の生産性向上による収益力の向上
・新しいマーケット開拓や新しい製品の開発
⑤重点施策
本計画において、以下の3つの重点施策を掲げております。
工作機械関連事業の収益構造改革
・市場規模に合わせた体制への再編(人員削減、工場縮小、中国子会社の縮小)
・採算性を重視した製品戦略・販売戦略の推進
・生産性向上とコストダウンの推進
・ニッチトップとなる領域の開拓と競争力の強化
既存事業の収益力向上
・生産性向上、コスト低減による利益率向上
・安定供給体制の確立による安定収益の確保
・営業力強化による販売促進
・成長分野へのメリハリのあるリソース再配分
・本社及びグループ会社の最適化
新事業・将来事業の創出
・既存製品の拡充、新市場への投入
・関連ビジネスの創出やサービスの転換
・当社の特性を活かすことができる新たな製品・市場の調査
⑥人事制度改革
以上の事業戦略を実現するため、これまで進めてまいりました組織横断的なプロセス改善に加え、従業員一人一人が能力を最大限に発揮し、成果を高め、業績へ貢献できる人材へと成長することを動機付ける取り組みとして、人的資本への投資と人事制度改革を推進しています。
2023年4月より、役割に応じた目標設定と成果評価を行う人事評価制度を、また2024年4月からは、資格等級体系及びそれらに求められる役割を明確にし、役割に対する達成度を評価しステップアップにつなげる、新たな賃金制度を開始しています。更に、2024年7月からは会社の業績向上への意欲・士気を高めるため、成果を上げた従業員に対し自社の株式を給付する制度を導入いたしました。
⑦配当還元方針
1株当たり20円の安定配当を維持しつつ、配当性向30%を目途とすることで、利益が増加した場合の株主の皆様への還元を強化する方針としております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス、戦略及びリスク管理
①ガバナンス
当社は、持続的成長と中長期的な企業価値向上を推進していくために、サステナビリティ(環境・社会・ガバナンス)に関する取組みは必須の課題であることを認識しており、2006年にISO14001の取得を行い、全社の環境管理の権限を持つ委員会である中央環境管理委員会を設置しました。
中央環境管理委員会では、社長から任命される環境管理責任者(取締役)が委員長となり、気候関連問題に対する責任を負い、方針を決定します。
この中央環境管理委員会は、年2回定期開催され、気候変動を含む環境事項を検討・審議し、経営会議、執行役員会に付議報告しております。さらに、半年に1回の頻度で取締役会に報告する体制をとっており、取締役会においては、重要なリスク管理の一部として、サステナビリティに関する取組みの活動状況を監督しております。
なお、2023年7月1日付でサステナビリティ推進室を発足し、このサステナビリティ推進室にて、気候変動対応、人的資本の強化やデジタル化対応を含む各種サステナビリティの推進を進めております。
②戦略
事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスク・機会について特定し、特に影響の大きいリスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
③リスク管理
当社は、リスク管理規定に基づき、重大な事業リスクの把握・分析・評価を行い、環境に関する業務を阻害する要因を含む、8つの重要リスクを定義しております(1:コンプライアンスに関するもの、2:財務報告に関するもの、3:情報システムに関するもの、4:研究開発に関するもの、5:業務手続に関するもの、6:環境に関するもの、7:災害・事故等に関するもの、8:その他、当社の事業に関するもの)。また、気候関連リスクについては、年に1回、ISO14001に沿って、各事業部、環境に関する各種専門委員会それぞれにて前年度のリスクと機会を特定したうえで、全社のリスク、機会の評価および特定を行っております。特定した気候変動による現在の規制、市場、評判などの移行リスクおよび急性・慢性物理的リスクについては、常に評価を行ったうえで、戦略・施策の実施を検討してまいります。
環境管理組織図
(2)人的資本
①戦略
当社グループはパーパス(存在意義)に「まもる:人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成長し続ける会社」を掲げ、サステナビリティ経営を推進しています 。
パーパスの実現と企業価値向上を実現するために
・技術の発展を支え、世界のものづくりを「まもる」
・社会インフラ整備に貢献し、社会の発展を「まもる」
・国防に貢献し、国の安全と平和を「まもる」
・災害から人々を防ぎ、安心な生活を「まもる」
の4つを指針としております。
当社グループは持続的な企業価値創出のために、多様な従業員の個性、スキル、能力を最大限に生かし一人ひとりの働く満足度を高めることが重要であることを認識し、従業員一人ひとりの生み出す価値の最大化を目指してまいります。
また、当社グループは、多様な価値観が当社グループの持続的な成長に必要不可欠であると考えています。これまでも性別・職歴・国籍などを問わない多様な人材採用を行ってきており、特に、女性の管理職については現在のところ人数が少ないため、女性の積極的な採用、育成を通じて、将来的に増やしてまいります。
<人材育成への取組み>
a.人材育成方針
●方針:会社に変革を起こせるイノベーション人材の創出を主眼においた教育・研修制度を整備し、
リーダーの早期育成や次世代経営層育成に注力
また、経営陣幹部育成にあたり評価上位者へキャリア育成外部セミナーへの受講や、
重要な職責を担わせるための異動を経験させ、代表取締役、人事担当役員、部門担当役員等の複数の目で、経営幹部としての資質を評価し、役員候補者を選抜
当社グループでは長い歴史の中で、技能の修得・向上を目的に認定職業訓練校を社内に有するなど、人材の育成に力を入れてきました。その目指す方向は、経済情勢、技術革新など著しい企業環境の変化にも柔軟に対応し、会社、職場の方針を理解して新たな価値の創造に向けて行動できる自律した従業員の育成であります。
b.教育制度
社員教育訓練の目的は、利益の確保、雇用の確保、地域社会への貢献という企業としての責任を果たし、事業を発展させるために掲げた目的、目標を達成し、行動規範に掲げる「企業価値の向上」を実現していくために、課題や問題点を把握してその解決を図り、技術力・競争力を向上させて高付加価値を創造できる能力を備えた“人財”の育成を図ることです。
現在も毎年教育カリキュラムの見直しを行い、様々な階層別・職能別教育を実施し、当社が長年育んできた技術を継承しています。その中でも大学・大学院卒の新入社員を対象とする「新入社員育成制度」は、人を大切にする当社独自の制度で、配属後3年の間、新入社員ひとり一人に先輩社員を育成指導担当者として任命し、目標設定から行動計画の立案、実務行動でのフォローまでマンツーマンで指導を行うもので、業務遂行だけでなく早期に職業人として自律し行動できるよう、本人を戸惑わすことなく成長させることを目的に運用しています。
なお、社員教育訓練は、知識や能力(技術・技能・ノウハウ)を教えることによって育成を図る「OJT(職場内教育訓練)、OFF-JT(職場外教育訓練)」と、従業員自身の成長欲求に基づく「SD(自己啓発)」を柱として展開します。
また、非正規社員に対しては、入社時に社内のルールや安全に対する教育を実施し、当社の従業員として働く上での遵守事項を理解させるとともに、求められる職務の遂行についてはOJT(職場内教育訓練)にて理解させ、規律を持って責任を果たすことを求めます。
<職場環境整備への取組み>
a.人材の採用及び維持に関する方針
●方針:女性従業員の活躍促進、育児休業取得の奨励や短時間勤務制度等、
従業員が安心して働き続けられるような職場環境の整備を実施する
当社グループは、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティをめぐる課題に対応するため、持続的成長と中長期的な企業価値向上を推進していくために、「サステナビリティ(環境・社会・ガバナンス)基本方針(※)」を定めており、取締役会にてサステナビリティに関する取組みの活動状況を監督しています。
なお、環境・社会・ガバナンスに関する取組みについては、当社のホームページ等に掲載しています。
また、当社のダイバーシティ&インクルージョンの取組みとしては、「社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保する上での強みとなり得る」と認識し、女性従業員の採用と育成をはじめ、異業種からの中途採用や外国人の採用など、従業員における多様性の確保に努めています。
特に、女性従業員の活躍促進を優先事項としています。
現状としては、女性従業員の採用と育成については、今以上に推進すべきであり、能力と向上心のある女性が相応の役職に就いて活躍できる取り組みを進めています。
ただし、女性に限らず従業員が働きにくい職場環境では企業の発展はありえないとの認識に基づき、仕事と家庭の両立を図れるよう、半日年休制度や短時間勤務制度などの諸制度を採用し、また、効率的に業務を遂行し早く退社できるような労務管理を行うよう管理職への指導を行っています。
※:サステナビリティ(環境・社会・ガバナンス)基本方針
「ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指す」ことを経営理念に掲げ、100年を超える歴史の中で蓄積された技術とノウハウを結集し、幅広い分野で革新的な製品を産み出し、ものづくりの発展に携わってきました。
これからも、当社のパーパス「人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成長し続ける」に基づき、透明性の高い企業統治の下、環境課題の解決や社会との調和に意欲的に取り組み、ステークホルダーとの信頼関係を強固なものとし、中長期にわたって企業価値を向上させてまいります。
b. 安全衛生活動方針
当社グループは、従業員並びに構内で就業する他社従業員の心身の健康と安全を第一に考え、経営者並びに全ての従業員が安全衛生活動に取り組むことを自らの責務であると自覚し、事業活動の全過程において職場の危険要因の除去と健康保持増進に取り組みます。
・私たちは、全てに安全を優先します。
・私たちは、安全衛生に関係する諸法令や、社内規程を遵守します。
・私たちは、リスクアセスメント活動を継続することで、全ての作業のリスクを洗い出し、その低減に努めます。
②指標と目標
<人材育成への取組み>で記載した通り、当社は、会社に変革を起こせるイノベーション人材の創出を主眼においた教育・研修制度を重視しております。当連結会計年度の実績は、以下の通りです。
|
区分 |
開催数 |
受講者数 |
備 考 |
|
階層別 |
8 |
30 |
管理職研修、基幹職研修、中堅社員研修、 昇格者研修 |
|
職能別 |
7 |
106 |
技術者スキルアップ研修、知的財産研修、営業職研修、品質マネジメントセミナー等 |
|
安全衛生 |
6 |
48 |
技能講習・安全衛生特別教育・その他 |
|
社外派遣研修 |
29 |
50 |
受講料、受験料を全額補助 (技能検定受検料は2回目まで) |
|
技能検定 |
13 (受検作業数) |
41 |
|
|
合 計 |
63 |
275 |
- |
(注)当連結会計年度の実績は、連結子会社の従業員数が少ないため、提出会社の従業員の状況となります。
<職場環境整備への取組み>で記載した通り、当社は、女性従業員の活躍促進、育児休業取得の奨励や短時間勤務制度を重視しております。
・女性従業員の活躍促進について、当社は、新卒者の採用において、採用者に占める女性の割合を 20%以上とする目標を設定しております。当連結会計年度の目標及び実績は、以下の通りです。
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指標の内容 |
目標 |
実績 |
備 考 |
|
|
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採用者8名のうち、2名が女性 |
(注)目標及び実績は、連結子会社の従業員数が少ないため、提出会社の従業員の状況となります。
・育児休業取得の奨励について、当社は、女性従業員の育児休業取得率 100%を維持するとともに、男性従業員の取得率40%以上とする目標を設定しております。当連結会計年度の目標及び実績は、以下の通りです。
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指標の内容 |
目標 |
実績 |
備 考 |
|
|
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- |
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|
対象者6名のうち、4名が 育児休業取得 |
(注)目標及び実績は、連結子会社の従業員数が少ないため、提出会社の従業員の状況となります。
・毎月の残業時間について、平均15時間以下とする目標を設定しております。当連結会計年度の目標及び実績は、以下の通りです。
|
指標の内容 |
目標 |
実績 |
備 考 |
|
|
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|
- |
(注)目標及び実績は、連結子会社の従業員数が少ないため、提出会社の従業員の状況となります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 各事業領域におけるリスク
① 工作機械関連について
(ア)工作機械:主な需要先は自動車及び自動車部品業界であり、当社グループの主力製品は、自動車部品の専用加工ラインであるため、自動車のモデルチェンジ等に伴うラインの更新時期に需要が集中し、売上高は年度によりかなりの幅で変動します。このため、需要の少ない時期には当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)の進展による自動車業界の構造変化が当社の想定を超えて急速に進んだ場合や、自動車業界自体が次世代車の方向性の見極め等により投資を控えるなど、需要が縮小した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(イ)海外向け:アジアを中心とする海外向けにつきましては、各々の地域における政治的・経済的要因、戦争・暴動・テロ・伝染病・ストライキその他の社会的混乱により現地における事業活動が影響を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、米国における関税政策は、日系自動車メーカー各社の収益やコスト構造にも影響を及ぼし、それに伴い自動車関連設備投資の抑制や延期が発生する可能性があります。これにより、当社の主要顧客である自動車部品メーカーによる専用工作機械の需要が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 火器について
(ア)防衛省向け小火器:防衛省の装備品調達予算に全面的に依存しており、同予算の執行状況によっては、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(イ)民間向けスポーツライフル:米国市場への依存度が高いため、同市場の需要が停滞する場合には、売上高が減少する恐れがあります。また、米ドル建の取引であるため、地政学リスク等による急激な円高/ドル安に向かえば、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、米国における関税政策による相互関税が高くなった場合、同市場での競争力が低下し売上高が減少する可能性があります。
また、同製品の事故による製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、賠償額を保険により十分にカバーできる保証はなく、重大な事故が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 特装車両について
路面清掃車については、自動車の国際基準調和と認証の相互承認推進のため保安基準が変更され、その影響を受けるため、遵法性の確保のための様々な研究開発・投資コストを負担しております。今後規制の強化により想定を上回る負担が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、路面清掃車の国内市場におけるEV化等の脱炭素化の流れが当社の想定を超えて急速に進んだ場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 建材について
防衛省向け防音サッシへの依存度が高いため、防衛省の予算の増減によっては、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの各事業部門におけるリスクへの対応のため、当社グループでは新中期経営計画に基づき、事業環境の変化に応じて経営資源を配分し、事業特性を生かしたニッチトップを目指す体制の構築により既存事業の強化及びオーガニック成長による稼ぐ力の向上を図ります。また、財務基盤の健全性を維持しながら、成長投資と安定的な株主還元を実現することで、持続的な成長による企業価値向上を図ります。
(2)その他経営全般に係るリスク
① 固定資産の減損について
当社グループにおいては、新中期経営計画におきまして、事業環境の変化に応じて経営資源を配分し、事業特性を生かしたニッチトップを目指す体制の構築により既存事業の強化及びオーガニック成長による稼ぐ力の向上を図ります。しかしながら、現段階では収益性の低い事業を抱えており、取り組みによる強化・改善が想定通りに進捗しない場合、各資産グループにおいて収益性の低下等を要因とする固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 棚卸資産の評価について
当社グループは、事業セグメントごとに様々な製品群を有しており、それぞれのセグメントで製品別に将来の受注予測を立てた上で最適な生産体制を構築し、製造コストの低減を図っておりますが、需給バランスの急激な悪化等の外部環境の変化に対し対応の遅れが生じた場合、適正水準以上の在庫が積み上がることによって棚卸資産の評価損が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料等の価格上昇について
原材料等の価格上昇によるコストアップを社内でのコストダウンでカバーできない場合、もしくは製品価格に十分に転嫁できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付費用及び退職給付債務について
当社グループの年金資産の時価が下落した場合、当社グループの年金資産の運用利回りが予定を下回った場合、又は退職給付債務を計算する前提となる割引率等に変更があった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、年金制度の変更があった場合には、未認識の過去勤務費用が一時に発生する可能性があります。
⑤ 繰延税金資産について
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有価証券について
当社グループは、金融資産として市場価格のある株式を多く保有しております。このため、株価の下落は保有有価証券の資産価値を減少させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害による影響について
当社グループの製造は、ほとんどが愛知県の本社工場に集中しているため、同地域に大規模な地震・水害等の自然災害が発生した場合には、復旧するまでは操業停止状態となり、生産能力が著しく低下し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 土壌汚染による影響について
当社グループが保有する土地につき、環境基準を超える有害物質による土壌汚染がある場合には、汚染拡散防止等に要する環境安全対策費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 財務制限条項について
当社グループの借入金の一部に純資産及び経常損益に関する財務制限条項が付されております。万一、当社の業績が悪化し、当該財務制限条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの経営全般に係るリスクへの対応のため、当社では取締役から構成される経営会議がリスク管理委員会を兼ねる体制とし、当会議体においてこれらのリスクを検証し、リスク対応方針を決定する仕組みを構築しております。また決定事項については、代表取締役から執行役員会・内部監査委員会等を通じて業務執行方針・内部統制方針を浸透させ、迅速かつ適切にリスクに対処できる体制としております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善や各種政策の効果もあって、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、物価上昇や米国の通商政策等による景気の下振れリスクがあり、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の下、当社グループでは、第5期中期経営計画の最終年度として、営業活動の強化と生産性の向上などにより採算性改善に取り組むとともに、事業環境の大きな変革期であるという認識のもと、強弱をつけた経営資源の投入による経営効率の最適化により、事業環境の変化に適応した事業基盤の構築に取り組みました。
当連結会計年度は、火器が防衛省向け装備品の納入数が増加したことにより、大幅な増収増益となりました。また、特装車両は路面清掃車の売上台数増加、建材も収益性改善により、黒字化となりました。しかしながら、工作機械関連は各種改善の効果により収益性は改善されたものの赤字が継続したことに加えて、一部の滞留在庫について収益性が低下したと認められることから棚卸資産評価損を売上原価に計上しました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は24,827百万円(前年同期比25.5%増)、営業利益は1,253百万円(同222.9%増)となりました。また、営業外収益に受取配当金などを計上した結果、経常利益 は1,413百万円(同203.2%増)となり、特別損失に減損損失などを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は749百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失873百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(売上高)
工作機械関連
・工作機械:主要顧客である自動車関連業界における設備投資需要が減少したことなどから、前連結会計年度と比較し、1.4%減の4,994百万円となりました。
・空油圧機器:シリンダの受注は増加したものの、チャックの受注が減少したことなどから、前連結会計年度と比較し、1.3%減の1,406百万円となりました。
・電子機械:主な市場である中国において主力製品のセラミック積層装置の売上が増加したことから、前連結会計年度と比較し、246.3%増の561百万円となりました。
以上の結果、工作機械関連全体では前連結会計年度と比較し、4.6%増の6,962百万円となりました。
火器:海外向けスポーツライフルの売上が減少したものの、国内では20式小銃および付属品をはじめとした防衛省向け装備品の売上が増加したため、前連結会計年度と比較し、77.0%増の7,903百万円となりました。
特装車両:路面清掃車の販売台数が増加したため、前連結会計年度と比較し、77.6%増の3,328百万円となりました。
建材:防音サッシ、一般サッシの売上が減少したため、前連結会計年度と比較し、4.8%減の3,014百万円となりました。
不動産賃貸:前連結会計年度と比較し、0.2%増の494百万円となりました。
国内販売子会社:前連結会計年度と比較し、3.0%増の2,196百万円となりました。
国内運送子会社:前連結会計年度と比較し、8.3%減の776百万円となりました。
その他:前連結会計年度と比較し、1.3%減の150百万円となりました。
(営業利益)
工作機械関連:売上は増加したものの、一部の滞留在庫について収益性が低下したと認められることから棚卸資産評価損を売上原価に計上したことなどにより、営業損失は、前連結会計年度の367百万円から、457百万円に拡大しました。
火器:防衛省向け装備品の売上が増加したことなどにより、営業利益は、前連結会計年度の382百万円に比べ138.5%増の911百万円となりました。
特装車両:路面清掃車の売上が増加したことなどにより、前連結会計年度の133百万円の営業損失に対し、129百万円の営業利益となりました。
建材:防音サッシ、一般サッシの売上が減少しましたが、収益性改善により、前連結会計年度の40百万円の営業損失に対し、39百万円の営業利益になりました。
不動産賃貸:営業利益は、ほぼ横這いの396百万円となりました。
国内販売子会社:増収などにより、営業利益は、前連結会計年度の73百万円に比べ87.7%増の137百万円となりました。
国内運送子会社:減収となりましたが、経費の減少などにより、営業利益は、前連結会計年度の23百万円に比べ73.9%増の40百万円となりました。
その他:減収となりましたが、営業利益は、ほぼ横這いの52百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ974百万円(25.5%)減少し、2,852百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、55百万円となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益1,206百万円、棚卸資産の減少額1,296百万円による資金の増加要因と、売上債権及び契約資産の増加額2,961百万円による資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、2,554百万円となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出2,375百万円による資金の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の増加は、1,493百万円となりました。これは、主として長期借入れによる収入1,448百万円、短期借入金の純増加額1,300百万円による資金の増加要因と、長期借入金の返済による支出1,010百万円、配当金の支払額241百万円による資金の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
工作機械関連(百万円) |
7,176 |
93.6 |
|
火器(百万円) |
7,974 |
175.5 |
|
特装車両(百万円) |
3,304 |
174.2 |
|
建材(百万円) |
2,992 |
97.4 |
|
不動産賃貸(百万円) |
- |
- |
|
国内販売子会社(百万円) |
- |
- |
|
国内運送子会社(百万円) |
- |
- |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
21,448 |
124.9 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
工作機械関連 |
6,822 |
101.8 |
3,539 |
96.2 |
|
火器 |
9,331 |
272.4 |
3,704 |
162.7 |
|
特装車両 |
2,936 |
132.5 |
414 |
51.4 |
|
建材 |
2,871 |
91.3 |
634 |
81.6 |
|
不動産賃貸 |
- |
- |
- |
- |
|
国内販売子会社 |
1,945 |
101.0 |
351 |
58.3 |
|
国内運送子会社 |
776 |
91.7 |
- |
- |
|
その他 |
92 |
101.1 |
- |
- |
|
合計 |
24,776 |
135.0 |
8,644 |
106.2 |
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
工作機械関連(百万円) |
6,962 |
104.6 |
|
火器(百万円) |
7,903 |
177.0 |
|
特装車両(百万円) |
3,328 |
177.6 |
|
建材(百万円) |
3,014 |
95.2 |
|
不動産賃貸(百万円) |
494 |
100.2 |
|
国内販売子会社(百万円) |
2,196 |
103.0 |
|
国内運送子会社(百万円) |
776 |
91.7 |
|
その他(百万円) |
150 |
98.7 |
|
合計(百万円) |
24,827 |
125.5 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月 1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
防衛装備庁 |
1,627 |
8.2 |
5,182 |
20.9 |
|
英和株式会社 |
1,180 |
6.0 |
2,601 |
10.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は、34,051百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,761百万円増加しました。これは、主として売掛金の増加2,633百万円、投資有価証券の増加1,495百万円によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、15,314百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,359百万円増加しました。これは、主として短期借入金の増加1,439百万円、繰延税金負債の増加430百万円によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、18,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,402百万円増加しました。これは、主としてその他有価証券評価差額金の増加889百万円、利益剰余金の増加504百万円によるものであります。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、建材が減少したものの、工作機械関連、火器、特装車両は増加し、前連結会計年度と比較して25.5%増の24,827百万円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ27.6%増の19,669百万円となり、海外売上高は、前連結会計年度に比べ17.9%増の5,158百万円となりました。
(営業利益)
工作機械関連は赤字拡大したものの、火器の増益、特装車両および建材の黒字化などにより、営業利益は、前連結会計年度の388百万円に比べて222.9%増の1,253百万円となりました。
(営業外収益(費用))
営業外収益(費用)は、シンジケートローン手数料が64百万円減少したこと、受取配当金が30百万円増加したことや、為替差益が21百万円減少したことなどにより、前連結会計年度の77百万円の利益(純額)から160百万円の利益(純額)となり、82百万円損益が改善しました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度の466百万円に比べて203.2%増の、1,413百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、固定資産売却益が前連結会計年度は7百万円、当連結会計年度は4百万円となったことなどにより、2百万円減少しました。特別損失は、減損損失が前連結会計年度は1,342百万円、当連結会計年度は211百万円となったことなどにより、1,130百万円減少しました。これらの結果、特別損益純額では、前連結会計年度の1,334百万円の損失から206百万円の損失となり、1,127百万円損益が改善しました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の868百万円の損失から2,075百万円改善し、1,206百万円の利益となりました。
(法人税等・非支配株主に帰属する当期純利益)
法人税等は、法人税、住民税及び事業税が404百万円増加し、法人税等調整額が47百万円増加したことにより、前連結会計年度に比べ451百万円増の457百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、ありません。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の873百万円の損失から1,623百万円改善し、749百万円の利益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の72.49円の損失に対し62.18円の利益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要には、運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要の主なものは、製品を製造するための材料費、外注費、人件費等、受注獲得のための販売費、新製品開発のための研究開発費であります。設備資金需要の主なものは、機械設備の更新や合理化投資等であります。
当社グループは、主として営業活動によるキャッシュ・フローおよび金融機関からの借入を資金の源泉としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社は、前中期経営計画の最終年度となる2025年3月期におきまして、連結売上高248億円、連結営業利益20億円、ROE8.0%の数値目標を掲げました。
前中期経営計画期間中では、政府より防衛予算の増額方針が示され防衛装備品の納入数が大幅に増加する一方で、世界的なEV車需要の鈍化や中国市場の景気低迷などにより自動車関連設備投資が減退しました。このような変化の中、防衛装備品の生産ラインの拡張による生産量増強並びに生産性の向上を図り、ものづくりを通じた企業価値の向上と持続的な成長を目指し、企業競争力の強化と収益力の抜本的な改善に取り組んでまいりました。
しかしながら、最終年度では、中期経営計画で掲げた財務目標達成には至らず、企業価値向上の取組は道半ばの状況にございます。
今般策定した新中期経営計画におきましては、「工作機械関連事業の市場規模に適合した収益構造への変革」と「既存事業の生産性向上による収益力の向上」が喫緊の課題であると認識し、工作機械関連事業を主体とする体制から事業ポートフォリオを変革し、4つの事業領域がそれぞれの特性を生かしたニッチな分野を探求して事業戦略に取組む体制とし、「収益力の向上」を図ります。また、当社の特性を活かすことができる新規事業の創出に取り組み、将来の事業拡大に向けた基盤を構築します。さらに、収益力の向上により得た原資により財務基盤の健全性を維持しながら「成長投資」と「株主還元」の強化を図ることで、企業価値向上と持続的な成長を目指します。
以上の詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載の通りです。
(シンジケートローン契約の締結)
当社は、2023年12月18日付で株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結しております。
(1)シンジケートローン契約締結の目的
当契約は、火器事業部の銃製造ラインの増設に伴う資金調達を目的としております。
(2)シンジケートローン契約の概要
契約形態 :実行可能期間付タームローン(コミットメント型)
総貸付限度額 :23.0億円
当連結会計年度末での借入残高:23.0億円
契約締結日 :2023年12月18日
コミットメント期間 :2023年12月21日から2025年5月30日
満期日 :2037年5月29日
担保 :工場財団に根抵当権を設定
アレンジャー兼エージェント :株式会社三菱UFJ銀行
参加金融機関 :株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社京都銀行、
株式会社名古屋銀行、株式会社横浜銀行
(3)財務制限条項
上記の契約については、以下の財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合は、本契約上のすべての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。
①各連結会計年度末日における連結貸借対照表における純資産の部の金額を、当該連結会計年度の直前の連結会計年度末日又は2023年3月期末日における連結貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること
②2023年3月期末日並びにそれ以降の各連結会計年度末日における連結損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと
当連結会計年度の研究開発活動は、「独自技術で差別化したブランド力のある製品」「顧客の期待を上回る魅力ある製品」「デジタル技術を応用した付加価値の高い製品」を目指した製品開発を行いました。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
工作機械関連
・工作機械関係
生産工場におけるIoT、生産管理システム、自動搬送装置及び制御システムを統合したスマートファクトリーの研究を進めました。
xEV化に伴う電動パワートレイン関連ワークをターゲットとした次世代マシニングセンタ試作機を、JIMTOF2024に出展しました。
多様化する顧客ニーズに応えるマシニングセンタを開発するための要素技術研究を進めました。
・電子機械関係
MLCC市場に向けた新製品の開発を進めました。
・空油圧機器関係
新型中空楔型チャック、超大口径中空チャック、新型空圧クランプシリンダの開発を進めました。
改良型AJCチャックを開発し、JIMTOF2024に出展しました。
以上の研究開発費の金額は
火器
20式小銃訓練銃を開発し、量産を開始しました。
また、銃身のコア技術の研究を進めました。
研究開発費の金額は、
特装車両
ICT路面清掃車を開発し、販売を開始しました。
パワースイーパーでは、環境に配慮した市街地向けの電動式小型スイーパー「EVタウンスイーパー」及び、これをベースにした自律走行清掃車「EVロボスイーパー」の開発を進めました。
研究開発費の金額は、
建材
防水関連製品では、リモコン操作タイプの防水自動ドア「アルティマ スマート」、及び、浸水高さ5mまで対応可能なスイング式大型防水扉を開発、販売を開始しました。
シールドルームへの使用を想定した製品として、電磁波漏洩を防ぐハニカムフィルタの開発を進めました。
研究開発費の金額は、