当連結会計年度における我が国経済は、中国経済減速の影響を受ける中、原油安や政府の経済対策により景気は堅調に推移しましたが、1月以降の為替や株価の変動を受け、先行き不透明な状況となっております。一方で世界経済は、欧米は引続き堅調に推移いたしましたが、中国経済の減速が鮮明となり、他の新興国においても景気に対する懸念が強まるなど、先行き不透明感が増加しております。
このような情勢の中、当社グループは中国をはじめとしたアジア諸国や欧米への拡販を図るとともに、生産効率化や原価低減などの推進に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、工作機械関連事業部門及び輸送機器関連事業部門ともに減少したことにより26,454百万円(前期比11.6%減)となりました。損益につきましては、工作機械関連事業部門及び輸送機器関連事業部門ともに採算が改善したことにより、営業利益は556百万円(前期は営業損失160百万円)、経常利益は176百万円(前期は経常損失411百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は66百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失582百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
工作機械関連事業部門につきましては、中国向けを中心としたシステム大型案件が減少いたしましたが、対策として、中国の新規顧客開拓と国内の中小型案件の取り込みを推進し、汎用機においても、好調な欧米市場への拡販により挽回を図りました。損益面につきましては、コストダウンに加え、システム商品においてプロジェクト毎の採算管理を徹底したことにより損益を改善することが出来ました。
レーザー関連につきましては、引き続きレーザーシステムインテグレーターとして、高出力半導体レーザー加工機を中心に溶接及び焼入れ加工設備の売上拡大を進めてまいりました。
以上の結果、工作機械関連事業部門の売上高は15,672百万円(前期比17.8%減)、営業利益は345百万円(前期比127.1%増)となりました。
輸送機器関連事業部門につきましては、上期、主力製品であります大型二輪車用、雪上車用エンジン部品及び自動車関連部品の生産が減少する中、先期より積極的に取り込みを推進した新規部品が下期の売上増加に寄与いたしましたが、通期では若干の売上減少となりました。損益面におきましては、ベトナム現地法人の生産が軌道に乗ってきた事と、生産性向上活動などの原価低減施策を継続的に推進した結果、黒字化しました。
以上の結果、輸送機器関連事業部門の売上高は10,679百万円(前期比0.8%減)、営業利益は128百万円(前期は営業損失369百万円)となりました。
その他部門におきましては、不動産賃貸事業により売上高は102百万円(前期比30.9%増)、営業利益は83百万円(前期比39.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」又は「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益」又は「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は3,017百万円と前期と比べ410百万円(前期末比12.0%減)の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,209百万円(前期比13.1%減)の獲得となりました。これは主として減少要因である仕入債務の減少額699百万円を、減価償却費1,166百万円等が上回ったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,147百万円(前期比55.3%増)の使用となりました。これは主として有形固定資産の取得、定期預金の預入によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、392百万円(前期比65.7%増)の使用となりました。これは主として借入れによる収入を借入れの返済による支出が上回ったことによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
工作機械関連事業 | 14,950 | △23.2 |
輸送機器関連事業 | 10,968 | 2.5 |
その他 | ― | ― |
合計 | 25,918 | △14.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
工作機械関連事業 | 14,241 | △4.7 | 6,035 | △19.2 |
輸送機器関連事業 | 10,907 | 5.0 | 3,341 | 7.4 |
その他 | 102 | 32.1 | ― | ― |
合計 | 25,251 | △0.6 | 9,377 | △11.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
工作機械関連事業 | 15,672 | △17.8 |
輸送機器関連事業 | 10,679 | △0.8 |
その他 | 102 | 30.9 |
合計 | 26,454 | △11.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
ヤマハ発動機㈱ | 8,091 | 27.0 | 7,761 | 29.3 |
Shanghai General Motors Company Limited | 5,579 | 18.6 | 452 | 1.7 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
工作機械関連事業部門におきましては、強みであるシステム商品の提案力を更に強化すると共に、国内販売網強化により汎用機、レーザーの拡販を推し進め、海外市場においてはインド・メキシコなどに新たに拠点を設置し販売・サービス体制を強化することにより、売上拡大を図ってまいります。
また、標準化・モジュール化の更なる推進、調達力・モノづくり力の向上による原価低減と、差別化(新)技術の商品化により、システム・専用機・汎用機・レーザーのどの商品でも確実に安定した利益が確保できるよう体質強化を進めてまいります。
輸送機器関連事業部門におきましては、製品の価値をより高めることなどにより、お客様企業との垂直分業体制をより強固なものとすることや、日本とベトナム以外向け製品のより積極的な取込み活動をすることによって売上高を拡大してまいります。
また、継続的な生産性・品質向上活動による原価低減に加え、海外工場との最適生産体制を構築することにより利益率の向上を図ってまいります。
当社グループ一丸となって各施策を推進することにより、収益性の向上や財務体質の強化に努め、企業価値の増大を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの工作機械関連事業の受注は顧客の設備投資活動に直接結びついているため、景況に対して極めて敏感であり、民間設備投資の増減、特に当社グループの主要顧客である自動車業界の設備投資の影響を大きく受けます。また、好況時と不況時の変動率も大きく、不況時は需給関係により販売価格が低下する傾向にあります。今後はアジア新興国を中心とした外需や、環境対応投資等による設備投資が期待されておりますが、引続き自動車業界の設備投資の動向は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの輸送機器関連事業においてはヤマハ発動機株式会社への売上(受託加工)依存度が高い割合となっています。当社グループとヤマハ発動機株式会社とは長年の取引関係があり、また当社グループの主要株主でもありますので、極めて緊密な関係にあります。今後もこれまでの取引関係を維持し発展させていきますが、同社の事業方針は当社グループの業績に強い影響を与える可能性があります。
最近の同社向販売実績及びその割合は、次のとおりであります。
相手先 | 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | |||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
ヤマハ発動機㈱ | 8,336 | 26.8 | 8,091 | 27.0 | 7,761 | 29.3 |
また、工作機械関連事業の顧客は大手自動車メーカー及びその関連会社が多く、それらの会社の事業方針、財務状況等も当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの工作機械関連事業部門においては、製品を海外に販売しており、全社の海外売上高比率は平成26年3月期56.0%、平成27年3月期52.8%、平成28年3月期47.6%と推移しております。また決済は主に円建でありますが、USD建及びEUR建等の取引もあり為替レートの変動によるリスクを有しております。円建取引の増加や為替予約により影響を少なくするよう努力しておりますが、大幅な為替レートの変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの借入金依存度(借入金の総資産に対する割合)は平成26年3月期38.1%、平成27年3月期39.3%、平成28年3月期40.2%と高い水準となっております。当社グループでは将来の金利変動によるリスク回避を目的として、借入金の一部を金利スワップにより固定金利としております。借入金の借換時及び新規の資金調達に関しても金利情勢の影響を受けることから、金利変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、シンジケートローンを含めた銀行からの借入金による資金調達を中心に、債権の流動化等の方法により調達方法の多様化を図っております。なお、シンジケートローンにつきましては、契約内容に一定の財務制限条項等が付されている場合があり、当該事由に抵触した場合には当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。
当社グループの工作機械関連事業は競合するメーカーが多く、価格競争により販売価格が低下する傾向にあります。特に汎用工作機械分野では競合メーカー製品の値下げ等により、販売価格の低下が生じる場合があります。当社グループでは汎用工作機械分野から、シェアの高いシステム製品分野に特化してまいりました。しかしながら需給関係によっては競合メーカーとの価格競争で販売価格が低下し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループの工作機械関連事業部門は製品の製造に使用する原材料及び部品等について、当社グループ外の多数の供給業者から調達していますが、一部については特定の供給業者に依存しており、市況、災害等の要因によっては納期遅延、コストアップ等の影響が生じることがあります。原材料価格の高騰は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは地震等の自然災害の発生により生産拠点が損害を受ける可能性があります。被害の影響を最小限に抑えるため、建物・設備などの耐震対策、防火対策等の予防策を順次進めていますが、万一、予想される東海地震が発生した場合、当社グループの生産拠点が静岡県内に集中していることもあり、操業の中断、多額の復旧費用等、当社グループの業績が強い影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
相手方の名称 | 国名 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
BANGKOK ENSHU MACHINERY Co.,Ltd. | タイ | EV360T型、EV450T型、 | 製造に関する技術及び販売契約 | 平成27年4月20日から (以後、1年ごとに自動更新) |
遠州(青島)機床製造有限公司 | 中国 | EV360T型、EV450T型 | 製造に関する技術及び販売契約 | 平成26年7月10日から (以後、1年ごとに自動更新) |
ENSHU VIETNAM Co.,Ltd. | ベトナム | 鍛造ピストン及び | 製造に関する技術 | 平成25年4月1日から (以後、1年ごとに自動更新) |
(注) 上記の技術供与契約においては、ロイヤルティとして売上高の一定率を受けとっております。
当社グループでは、お客様から選ばれ続ける企業であるために「高付加価値製品の開発と提供」を目指し、自動車関連の加工システム機械、光関連産業との提携商品の分野において、市場ニーズを先取りし、また、新たな市場を開拓するため、新製品、新技術、新商品の開発に向け研究活動を進めております。
なお、当社グループにおいては、研究開発活動は提出会社のみが行い、輸送機器関連事業部門については行っておりません。
工作機械関連事業部門において、国内生産機種は、主力のシステム市場向けに対応した性能向上のうえ、関連機種との共通性も高めた新機種の開発、汎用機市場向け将来機種の能力向上を踏まえた先行試作開発、更に次世代エンジンを意識した加工機の実証開発を進めております。
海外事業所生産機種は、新機種生産も軌道に乗って来た事から、APC仕様機の販売を開始するとともに、新たなセグメントに向けた派生機種を開発中であります。
レーザー関連機種は、高出力ファイバーレーザーの商品群強化、高出力半導体レーザーの小型化のみならず、周辺機器を含めたトータルでの肉盛り加工機の開発、主力の自動車部品市場向けの特殊レーザー加工機の基礎研究を進めております。
以上の新規開発機種、派生機種を本年開催されるJIMTOF2016へ展示出来るよう、鋭意対応中であります。また、お客様のご要望を早期に具現化するため、従来同様に共同開発等に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は55百万円であります。
文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込み額を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、回収不能額に対して評価性引当額を計上しております。繰延税金資産を計上するにあたっては、将来の課税所得、回収見込みを検討のうえ慎重に行なっております。
当社グループの退職給付費用及び債務の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。これらの仮定と実際の差額は数理計算上の差異として累積され、期間損益計算において、将来の会計期間にわたって償却されます。
当連結会計年度の売上高につきましては、工作機械関連事業部門及び輸送機器関連事業部門ともに減少したことにより、3,467百万円減の26,454百万円(前期比11.6%減)となりました。また、受注高及び受注残高につきましては、工作機械関連事業部門で中国等アジア新興国における積極的な拡販に努めてまいりましたが、アジア全般において市場が鈍化しており、受注高は150百万円減少し25,251百万円(前期比0.6%減)となりました。受注残高は1,202百万円減少の9,377百万円(前期比11.4%減)となっております。
当連結会計年度の売上総損益につきましては、652百万円増加し3,781百万円の売上総利益となりました。また、営業損益につきましても、717百万円増加し556百万円の営業利益となり、売上高営業利益率は2.1%(前期は△0.5%)となりました。
当連結会計年度は支払利息及び為替差損の計上により、営業外収益より営業外費用を差し引いた純額は380百万円(前期比51.2%増)の費用計上となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は176百万円となりました。
当連結会計年度の特別損益は固定資産廃棄損等の計上により、特別利益より特別損失を差し引いた純額は6百万円の費用計上(前期比79.1%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は66百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,524百万円減少し32,952百万円(前期末比4.4%減)となりました。このうち流動資産は824百万円減少し17,603百万円(前期末比4.5%減)となり、固定資産は699百万円減少し15,349百万円(前期末比4.4%減)となりました。流動資産の減少の主な要因は、電子記録債権が601百万円、受取手形及び売掛金が65百万円増加したものの、商品及び製品が812百万円、信託受益権が292百万円、その他流動資産が243百万円減少したことによります。固定資産の減少の主な要因は有形固定資産が590百万円、無形固定資産が56百万円、投資その他の資産が52百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,048百万円減少し25,717百万円(前期末比3.9%減)となりました。このうち流動負債は922百万円減少し14,443百万円(前期末比6.0%減)となり、固定負債は125百万円減少し11,274百万円(前期末比1.1%減)となりました。流動負債の減少の主な要因は短期借入金が215百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が850百万円、その他流動負債が378百万円減少したことによります。固定負債の減少の主な要因は退職給付に係る負債が585百万円増加したものの、長期借入金が519百万円、再評価に係る繰延税金負債が83百万円、リース債務が74百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて476百万円減少し7,234百万円(前期末比6.2%減)となりました。この主な要因は利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により66百万円増加したものの、退職給付に係る調整累計額が701百万円減少したことによるものであります。