当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな拡大傾向が続き、企業の設備投資も堅調に推移した。また、欧米の景気拡大や中国の設備投資が進んだことから、輸出関連企業の業績が拡大した。
こうした中、当社グループは黒字体質への転換を目指し、受注・売上の拡大と生産効率化の活動を進めた。繊維機械事業では、インド市場を中心に概ね堅調に推移したが、インドの経済改革に伴う銀行業務の混乱の影響を受けた。工作機械関連事業は、積極的な自動車産業の設備投資に支えられ好調に推移した。
この結果、全体の受注高は42,799百万円(前期比18.0%増加)となった。売上高は繊維機械事業においてインド案件のL/C(信用状)開設遅れの影響もあり39,686百万円(前期比2.1%増加)の微増にとどまった。一方、損益面では、第1四半期の落ち込みの影響から、営業利益は622百万円(前期比14.5%減少)となった。また、営業外費用(持分法による投資損失)として中国関連会社(経緯津田駒紡織機械(咸陽)有限公司)での固定資産の減損損失を含む297百万円の損失を計上したため、経常利益は356百万円(前期比39.0%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は183百万円(同比58.1%減少)となった。
セグメント別の状況は次のとおりである。
①繊維機械事業
繊維機械事業では、インド市場は引き続き設備投資意欲が高く、商談は活発に進んだ。また、インドでは継続的な経済成長を図るための様々な経済改革が進められ、今後の市場の拡大が期待できた。ただ、その実行過程における銀行業務の混乱等から、一時的に、当社も影響を受けた。第1四半期は2016年11月の高額紙幣廃止による混乱から業績が落ち込んだ。また、2017年7月には、GSTと呼ばれる新税制(物品・サービス税)の導入の影響から、同10月頃までL/C(信用状)の開設が停滞した。
中国市場は、回復の傾向を強めた。ウォータジェットルームが多数導入されている地区では、排水規制が強化され、排水基準を満たさない繊維工場の強制的な操業停止や、過剰設備の整理が進んだ。このため優良な企業には織物の注文が増加し、新設備増設のために当社ウォータジェットルームの需要が回復した。また、当社の中国子会社の津田駒機械製造(常熟)有限公司でも受注が増加した。また、エアジェットルームについては、高付加価値織物の需要が増えていることから、市場全体で設備投資は回復の傾向を強めている。
台湾市場では、台湾企業の積極的な国外投資が進み、受注・売上に結びついた。また、中国国内の経済発展に伴い、中国市場に向けた製品提供を狙うバングラデシュやインドネシア、ベトナムなどの周辺国市場への販売促進を図った。
コンポジット機械では、航空機部材用の炭素繊維複合素材自動積層機の新規納入を行なった。また、航空機以外の産業分野と共同研究を進めるなど、炭素繊維複合素材の用途拡大と装置の利用拡大に向けた取り組みを展開した。
この結果、繊維機械事業の受注高は32,818百万円(前期比15.0%増加)、売上高は31,100百万円(前期比0.2%減少)、営業利益は994百万円(同比17.2%減少)となった。
②工作機械関連事業
工作機械関連事業では、国内や米国、中国などの自動車業界の積極的な設備投資や、中国の製造業全体で進められた加工設備の自動化、高度化のための設備投資、さらに米国の製造業の活性化などの需要に支えられて、高水準の受注と生産が続いた。
当事業部門では、高速・高精度を実現した新製品のボールドライブ駆動NC円テーブルをエンジン部品の加工用装置として採用され、継続的に納入した。また、急激な需要の拡大に対し、全社を挙げての生産応援と効率化活動を進めるとともに、設備投資を伴う生産能力の拡大に取り組んだ。また、設計部門では、汎用NC円テーブルの設計のプラットホーム化を進めた。
また、事業の拡大を図るため設置している新製品推進室では、航空機部品の加工事業は徐々に部品点数を増やしている。さらに、当社独自のノウハウとロボットを使った搬送装置の新製品の開発を進めた。
この結果、工作機械関連事業の受注高は9,981百万円(前期比29.3%増加)、売上高は8,586百万円(前期比11.2%増加)、営業利益は781百万円(同比34.3%増加)となった。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ421百万円減少し6,373百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権が増加したものの、税金等調整前当期純利益342百万円の計上、減価償却費1,000百万円の計上や仕入債務の増加等により、408百万円(前期 288百万円)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,171百万円等により、マイナス1,155百万円(前期 マイナス668百万円)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出624百万円があったものの、短期及び長期借入による収入958百万円等により、331百万円(前期 マイナス1,648百万円)となった。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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繊維機械事業 |
26,357 |
101.3 |
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工作機械関連事業 |
8,151 |
108.2 |
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合計 |
34,509 |
102.8 |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
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セグメントの名称 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
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繊維機械事業 |
32,818 |
115.0 |
6,692 |
134.5 |
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工作機械関連事業 |
9,981 |
129.3 |
3,254 |
175.1 |
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合計 |
42,799 |
118.0 |
9,946 |
145.6 |
(注) 金額には消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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繊維機械事業 |
31,100 |
99.8 |
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工作機械関連事業 |
8,586 |
111.2 |
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合計 |
39,686 |
102.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去している。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度の相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。
3 金額には消費税等は含まれていない。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
当企業グループは、売上高に占める輸出比率が高く、また主力である繊維機械事業ではインドや中国など、持続的な成長を図るための様々な経済改革を進める市場が売上の中心となっていることから、世界経済や国際政治あるいは各国の経済・金融政策の動向に大きな影響を受けざるを得ない。
こうした環境に対し、当社グループは、新たに2018年~2020年の3カ年計画「中期経営計画2020」を策定した。圧倒的な性能・技術を有する新製品開発、既存事業における市場とシェアの拡大、コア技術を活かした新規事業の拡大などを骨子とし、2020年度には連結売上高600億円、営業利益率10%を目標とし、投資家の皆さまへの利益還元を実現する企業体質への転換を図っていく。
当社グループは、輸出比率が高く、為替変動をはじめ国際経済の影響、取引相手国の政治状況・経済政策の影響を受けざるを得ない。このような状況から、主に次の要因が当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスクと考えている。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
① 取引相手国(主に新興諸国)の政治・経済・金融リスク
② 為替変動リスク
③ 材料素材の価格変動リスク
④ テロ等の騒擾リスク
該当事項はない。
研究開発については、世界市場での優位性を確保するため、引き続き多様性、高度化するマーケットニーズに応え戦略製品の開発に取り組んでいる。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は1,615百万円である。
当連結会計年度における主な事業の研究開発活動は次のとおりである。
当社が中心となり、織機では、ウォータジェットルームはZW8100、エアジェットルームはZAX9200i、準備機では、スパンサイジングマシンはTTS10S、TTS20S、フィラメントサイジングマシンはTSE30Fを製品展開しており、これらの性能向上を目指し、開発に取り組んでいる。
近年のユーザーの要望として、生産性、省エネルギー、省資源(ウォータジェットルームでは省水、エアジェットルームでは省エア、サイジングマシンでは省蒸気)に加え、省人化を挙げられており、これらの要望に応えるべく注力している。また、衣料分野だけでなく、産業資材分野への開発にも注力している。
ウォータジェットルームでは、新型ノズルを開発した。ノズルの内部形状を見直し、ヨコ糸を搬送する噴射水の収束性を向上させた。従来のノズルに比べ、約10%の省水、約10%の回転数アップを実現、アピールできた。
エアジェットルームでは、筬切断不要のニードルレスタッカを開発し、高速性、高生産性をアピールした。従来のニードル付タッカでは、高速性に制限があり、従来のニードルレスタッカでは、織物幅に応じて筬を切断する必要があったが、これらの問題を解決した。
サイジングマシンでは、糊箱からの放熱を少なくし、蒸気消費量の削減を達成した。具体的には、糊箱上部の解放部を小さくし、従来機に比べ約20%の蒸気消費量削減を実現、アピールできた。
また、IoT対応として、これまでの展示会で発表した織機向けTISS(津田駒・インターネット・サポート・システム)、準備機向けT-NSS(T-Tech・ネットワーク・サポート・システム)の開発を進めており、ユーザーのニーズに応えてゆく。
今後も、ユーザーニーズに対応し、トップブランドを目指し、新たなテーマにスピーディーに挑戦していゆく。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は1,104百万円である。
既存製品であるロータリテーブル、マシンバイスの市場シェア拡大と顧客満足度のより一層の向上を目的とした高性能化、市場対応力強化に繋がる開発を積極的に推進した。また、長年培った旋回軸技術や高精度位置決め技術などを活かしての既存市場の枠を超えるための新製品の開発にも積極的に取り組んだ。
さらに、成長分野参入と新規顧客の取り込みを目的とした研究開発活動として、少子高齢化による人手不足解消や生産性向上策として今後需要の高まりが見込まれるロボット自動化システムの市場投入に向け、提案力と開発力を高めるべく知見とスキルの習得に注力した。
当事業の主力であるロータリテーブル、バイスに関する研究開発活動は以下のとおり。
当社が中心となり、超薄型ダイレクトドライブ(DD)ロータリテーブル『RDS-200』を制御可能な1軸数値制御装置「TPC-DD」を開発、2017年10月に名古屋で開催されたMECT2017に出展して、DDテーブルを既存の工作機械に容易に後付け出来る点をアピールし注目を集めた。従来駆動機構のウォームドライブ、次世代駆動機構の「BallDrive」、そして、「RDS-200」によってより身近な存在となったダイレクトドライブの3駆動要素を手掛ける唯一のメーカーとして市場のニーズに応えてゆきたい。また、同展にはマシンバイスメーカとしてのノウハウを盛り込んだ5軸加工用センタリングバイスも出展。来場者の目を引いた。
また、IoT関連の取組として、当社が主体となり、ロータリテーブルにセンサーを組込んでの波形取得、解析などの将来に活かせる技術の積極的な研究開発に取み組んだ。引き続き市場要求の高度化・多様化に後れを取らないための研究開発に注力してゆく。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は510百万円である。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、当連結会計年度末(平成29年11月30日)現在の連結財務諸表等に基づいて分析した内容である。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,179百万円増加し38,358百万円となった。主な増減は、売上の増加による売上債権の増加等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ1,080百万円増加し23,953百万円となった。主な増減は、短期借入金の導入や生産の増加による仕入債務の増加等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益183百万円の計上、株価の上昇によりその他有価証券評価差額金の増加や退職給付に係る調整累計額が減少したこと等により前連結会計年度末に比べ1,098百万円増加し14,405百万円となり、自己資本比率は34.73%となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は売上高39,686百万円、営業利益622百万円、経常利益356百万円、親会社株主に帰属する当期純利益183百万円となった。
「1 業績等の概要 (1)業績」に記載したとおり、繊維機械事業では、インド市場でエアジェットルームを中心に引き続き設備投資意欲が高く、商談は活発に進んだ。中国市場は、回復傾向を強めている。売上高は前期比0.2%減少の31,100百万円、営業利益は同比17.2%減少の994百万円となった。工作機械関連事業については、国内や米国、中国などの自動車業界の積極的な設備投資や、中国の製造業全体で進められた加工設備の自動化、高度化のための設備投資、米国の製造業の活性化などの需要に支えられ、高水準の受注と生産が続いている。売上高は前期比11.2%増加の8,586百万円、営業利益は同比34.3%増加の781百万円となった。
この結果、全体の売上高は前期比2.1%増加の39,686百万円となり、同比14.5%減少の営業利益622百万円となった。営業外収益は、補助金収入の計上等により160百万円となった。一方、営業外費用は、持分法による投資損失の計上や為替差損の計上等により427百万円となった。特別利益は固定資産売却益0百万円の計上があり、特別損失は固定資産処分損14百万円の計上となっている。