文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「われわれは常に最高の品質をめざし、社会に貢献する」の社是のもと、世界最高の技術と品質を究めたモノづくりと、公正な企業活動を通じて産業の発展に寄与し、安全で豊かな市民生活の実現に寄与することを経営の基本方針としている。
(2)目標とする経済指標
当社グループは、現在、2018年~2020年の3カ年計画「中期経営計画2020」を策定している。圧倒的な性能・技術を有する新製品開発、既存事業における市場とシェアの拡大、コア技術を活かした新規事業の拡大などを骨子とし、2020年度には連結売上高600億円、営業利益率10%を目標とし、投資家の皆さまへの利益還元を実現する企業体質への転換を図っていく。
(3)経営環境及び対処すべき課題
世界経済は、米中の貿易摩擦が激しさを増す中で、徐々にその影響が広がり、不透明感を増している。当社グループは、引き続き情報の収集と分析を進めながら、利益の確保を図るとともに、最適な生産体制の整備を進める。
繊維機械事業では、中国市場で対米貿易摩擦の影響を見定める動きから一部で投資を見合わせる動きが見られる。しかし、環境規制により生産能力が縮小するフィラメント織物分野の操業度は高く、高性能ジェットルーム、サイジングマシンの商談が継続している。インド市場は銀行融資が厳しい状況が続き、L/C(信用状)の開設状況に不透明感がある。しかし、潜在的な設備投資需要は衰えておらず、お客さまとの積極的なコミュニケーションを図り、契約実行に向けた働きかけを強めていく。当面の中心市場はインドや中国であるが、事業の安定的な成長を図るため、市場の多角化に取り組む。部品の電子発注システム(EDI)は、日本・インド以外の地域にも運用の拡大を図り、部品売上の拡大を図る。
工作機械関連事業では、米中貿易摩擦の影響から足元の受注環境に踊り場的な状況が見られる。しかし、2019年度も、自動車業界の設備投資や自動化設備投資の需要は継続すると見込む。当事業部門においては、受注済み案件の生産・売上等により、既に上半期の生産予定は埋まっており、多忙な状況が続くと予想する。
また、社内では堅調な市場環境のもと、生産性の向上と利益の拡大を図るため、積極的な設備・システム投資を進める。製造部門では、当社が開発したTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)を採用した自動化設備を導入し、機械加工や組立工程の自動化を図る。また、管理部門の生産性を高めるため、社内に分散する経営情報の一元的管理を可能にする基幹システムの導入を決定し、準備を進めている。
当社グループは、輸出比率が高く、為替変動をはじめ国際経済の影響、取引相手国の政治状況・経済政策の影響を受けざるを得ない。また、近年は米国を中心とする保護主義的な政策による影響も注視していかなければならない。このような状況から、主に次の要因が当企業グループの経営成績に影響を及ぼすリスクと考えている。
① 取引相手国(主に新興諸国)の政治・経済・金融リスク
② 為替変動リスク
③ 材料素材の価格変動リスク
④ テロ等の騒擾リスク
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである、
当期のわが国経済は、緩やかな回復傾向が続き、戦後最長に並ぶ好景気と言われる状況が続いた。しかし、国際経済には様々な不安定要素が生まれ、特に期の後半には、米中貿易摩擦の影響が広がった。
こうした中、当社グループは利益体質の定着と拡充を目指し、受注・売上の拡大、生産効率と生産能力の向上に注力した。
この結果、繊維機械事業、工作機械関連事業ともに堅調に推移し、第1四半期に一時的な落ち込みはあったものの、第2四半期以降順調に回復し、黒字を確保した。
全体の受注高は47,506百万円(前期比11.0%増加)となった。売上高は42,201百万円(同比6.3%増加)、営業利益934百万円(同比50.0%増加)、経常利益841百万円(同比136.1%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益823百万円(同比348.6%増加)となった。
セグメント別の状況は、次のとおりである。
繊維機械事業
繊維機械事業では、インド市場は、引き続き設備投資意欲は高く、活発な商談が続いた。しかし、銀行融資の審査が厳しくなり、L/C(信用状)の発行に遅れが見られるなど、受注・売上ともに前年度を下回った。中国市場は、厳しい環境規制が続く中で、高性能の当社ウォータジェットルームや当社の子会社で生産するウォータジェットルームの需要が高まった。また、ジェットルームの安定稼働に欠かせない高品質のタテ糸の準備工程(糊付け工程)を担うサイジングマシンの需要が高まった。2018年10月に上海で開催された国際繊維機械展ITMA ASIAでは、最新のジェットルームを実機展示し、好評を得た。台湾市場は、台湾企業による海外投資が進んだ。国内市場は、モノづくり補助金などを活用した設備投資が進んだ。
また、業績の安定化を図るため、市場の多角化を目指して新興地域への販売促進を図った。さらに、部品の販売拡大のために構築した電子発注システム(EDI)は、2018年1月から国内とインドでの体制を整え、運用を拡大した。
コンポジット機械事業は、2018年3月にフランスで開催された世界最大の複合素材展示会JEC WORLD2018に出展し、当社独自の新たな技術提案を行い、高い関心を集めた。今後の商談の具体化を期待している。
この結果、受注高は37,827百万円(前期比15.3%増加)、売上高33,313百万円(同比7.1%増加)となり、営業利益は1,298百万円(同比30.6%増加)となった。
工作機械関連事業
工作機械関連事業では、主要な納入先である自動車業界や工作機械業界の需要を取り込み、過去最高水準の受注・売上となった。
中国市場は、自動車業界が通年に渡り好調に推移したほか、前半にはEMS(携帯電話等)向けのNC円テーブル需要が高まった。米国市場は、自動車業界のほかエネルギーや医療分野向けの需要が続いた。国内市場は、自動車業界、工作機械業界向けのNC円テーブルのほか、加工素材を固定するマシンバイスの需要が高まった。
こうした市場環境に対応するため、当社は積極的な設備投資や改善活動による生産能力の拡大を図り、生産対応と納期短縮に努めた。一方で、対応を上回る需要拡大と業界全体の多忙感に伴う短納期要請や基幹部品の長納期化など、十分に吸収できない部分もあり、今後の課題を残した。
この結果、受注高は9,678百万円(前期比3.0%減少)、売上高8,888百万円(同比3.5%増加)となり、営業利益は899百万円(同比15.1%増加)となった。
2018年1月から取り組んでいるTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)事業は、3件受注し、2019年度の納入を予定している。2018年11月に東京で開催された国際工作機械見本市JIMTOF2018 に、当事業部門では初となるロボットを使ったTRIシステムの展示を行い、大きな反響を得た。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,247百万円増加し39,606百万円となった。主な増減は、生産の増加によりたな卸資産が増加したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ1,020百万円増加し24,974百万円となった。主な増減は、生産の増加により仕入債務が増加したこと等によるものである。純資産は、その他の包括利益累計額合計が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益823百万円を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ226百万円増加し14,632百万円となり、自己資本比率は33.99%となった。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ917百万円増加し7,290百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産が増加したものの、税金等調整前当期純利益817百万円の計上、減価償却費1,023百万円の計上等により1,983百万円(前期 408百万円)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出666百万円等により、マイナス755百万円(前期 マイナス1,155百万円)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出290百万円等により、マイナス294百万円(前期 331百万円)となった。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
繊維機械事業 |
28,964 |
109.9 |
|
工作機械関連事業 |
9,047 |
111.0 |
|
合計 |
38,011 |
110.1 |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
|
セグメントの名称 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
|
繊維機械事業 |
37,827 |
115.3 |
11,206 |
167.4 |
|
工作機械関連事業 |
9,678 |
97.0 |
4,044 |
124.3 |
|
合計 |
47,506 |
111.0 |
15,251 |
153.3 |
(注) 金額には消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
繊維機械事業 |
33,313 |
107.1 |
|
工作機械関連事業 |
8,888 |
103.5 |
|
合計 |
42,201 |
106.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去している。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度の相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。
3 金額には消費税等は含まれていない。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成している。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりである。
連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した見積りが含まれているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は売上高42,201百万円、営業利益934百万円、経常利益841百万円、親会社株主に帰属する当期純利益823百万円となった。
(1)経営成績等の状況の概要に記載したとおり、繊維機械事業では、インド市場は、銀行融資の審査が厳しくなりL/C(信用状)の発行に遅れが見られ、前年を下回った。中国市場は、厳しい環境規制が続く中で、高性能の当社ウォータジェットルームや当社子会社で生産するウォータジェットルームの需要が高まった。売上高は前期比7.1%増加の33,313百万円、営業利益は同比30.6%増加の1,298百万円となった。工作機械関連事業については、主要な納入先である自動車業界や工作機械業界の需要を取り込み、過去最高水準の受注・売上となった。中国市場は、自動車業界が通年に渡り好調に推移し、前半にはEMS(携帯電話等)向けのNC円テーブル需要が高まった。米国市場は、自動車業界のほかエネルギーや医療分野向けの需要が続いた。国内市場は、自動車業界、工作機械業界向けのNC円テーブルのほか、加工素材を固定するマシンバイスの需要が高まった。売上高は前期比3.5%増加の8,888百万円、営業利益は同比15.1%増加の899百万円となった。
この結果、全体の売上高は前期比6.3%増加の42,201百万円となった。売上原価率は前期比0.4%改善し84.4%となった。販売費及び一般管理費は広告宣伝費等の増加により前連結会計年度に比べ261百万円増加し5,669百万円となった。その結果、営業利益は前期比50.0%増加の934百万円となった。営業外収益は、受取配当金、受取保険金や補助金収入の計上等により138百万円となった。一方、営業外費用は、持分法による投資損失の計上や為替差損の計上等により231百万円となった。特別利益は固定資産売却益1百万円の計上があり、特別損失は固定資産処分損2百万円の計上、減損損失23百万円の計上となっている。
当社グループは、売上高に占める輸出比率が高く、また主力の繊維機械事業ではインドや中国など、持続的な成長を図るための様々な経済改革を進める市場が売上の中心となっており、世界経済や国際政治あるいは各国の経済・金融政策の動向に大きな影響を受けざるを得ない。
こうした環境に対し、当社グループは、新たに2018年~2020年の3カ年計画「中期経営計画2020」を策定し、圧倒的な性能・技術を有する新製品開発、既存事業における市場とシェアの拡大、コア技術を活かした新規事業の拡大などを骨子とし、2020年度には連結売上高600億円、営業利益率10%を目標としている。
当社グループの運転資金需要は主に、原材料及び部品等の購入費用、製造費、販売及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備である。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。
運転資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達しており、設備投資資金は自己資金を充当している。
該当事項はない。
研究開発については、世界市場での優位性を確保するため、引き続き多様性、高度化するマーケットニーズに応え戦略製品の開発に取り組んでいる。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は1,825百万円である。
当連結会計年度における主な事業の研究開発活動は次のとおりである。
当社が中心となり、中国・上海で開催された国際繊維機械展示会「ITMA_ASIA+CITME2018」において、「スマートエコロジー 環境と生産の調和」をテーマとして、エアジェットルーム「ZAX9200 MASTER」、及びウォータジェットルーム「ZW8100」を出展し好評を得た。
エアジェットルームではタオル、デニムの製織を実演展示。ともに同織物では過去最高の回転数を達成し圧倒的な高速性能と高品位に注目を集めた。同時に新開発の省エアサブノズル、省エアリード、新型補助メインノズルを搭載し、省エネに対する津田駒の弛まない取り組みをアピールした。ウォータジェットルームでは、新型ノズル、上下二重ビームと4色の採用により、高難度織物での高速性能をアピールした。
また、中国子会社 津田駒機械製造(常熟)有限公司からウォータジェットルーム「ZW508」を、中国合弁企業 経緯津田駒紡織(咸陽)有限公司からエアジェットルーム「ZAX-GSi」を当社グループとして同一ブースに出展し、より多くのユーザーに津田駒ブランドを使い頂けるようアピールした。
経糸準備機械では、スパンサイザーの新型糊付け方式の研究に取り組んでいる。また、顧客利益につなげる活動として、タオル用サイザーでは生産速度20%の向上、ガラス用サイザーでは各部の張力制御の精度UPを実現した。
繊維機械全般の研究テーマとしては、従来の「省エネルギー、省人化、省資源」をメインテーマとして継続すると共に、特徴のある製品をサブテーマとして顧客利益に繋げる活動を進めている。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は1,293百万円である。
当社が中心となり、当事業の主力製品であるNCロータリテーブル、マシンバイスなどの把持系製品のラインナップの拡充、新製品の研究・開発に注力した。また、ここ3年に渡って進めてきた製品の設計標準化(ユニット化・モジュール化)を、既存製品に展開する活動に着手した。設計・調達・生産の効率化とともに、納期の短縮を可能にするなど、当社とお客さま双方にとってのメリットを期待している。
2018年11月に東京で開催されたJIMTOF2018においては、上述の標準設計適用モデルとして、高い生産性を提供する多連傾斜テーブルTWN-160を出展し好評を得た。シリーズとしてTWN-200もリリースしており、高生産性指向の強い欧米での拡販に注力する。また、ハイエンドモデルであるボールドライブ駆動NC円テーブルは、大径レンジ仕様のRBB-300、400の試作機が完成し、2019年度の市場投入に向けて評価中である。
さらに新市場、新しい顧客の開拓に向けて、当社が有する旋回軸技術にIoTを取り込んだ新たな製品の研究開発に注力している。ソサイエティ5.0や自動車業界の新しい潮流(CASE:コネクテッド化、自動化、シェアリング、電動化)など、製造業を取り巻く変化に対応したノウハウと知見を蓄積していく。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は531百万円である。