文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「われわれはつねに最高の品質をめざし社会に貢献する」の社是のもと、世界最高の技術と品質を究めたモノづくりと、公正な企業活動を通じて産業の発展に寄与し、安全で豊かな市民生活と持続可能な世界の実現に寄与することを経営の基本方針としている。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2021年~2023年の3カ年をターゲットにして、連結売上高560億円、営業利益率10%の達成を目標とした「中期経営計画2023」を取り組んでいる。新製品を市場投入して売上・シェアの拡大、徹底した生産の効率化とコストダウンを図り、投資家の皆さまへの利益還元を実現する企業体質への転換を図っていく。
(3)経営環境及び対処すべき課題
(事業構造)
当社グループの事業構造は、超高速ジェットルーム及びその周辺準備機械等を中心とする繊維機械事業と、NC円テーブルやマシンバイス等を中心とする工作機械関連事業を主力事業としている。また、新規の事業開拓として、炭素繊維複合素材の自動加工装置を開発販売するコンポジット機械事業、ロボットインテグレーションシステムの開発・提供を行うTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)事業、航空機部品加工事業等を展開している。
(市場の状況)
繊維機械事業では、中国やインドを中心とした新興国市場が大きな比率を占めている。こうした市場に対し、使いやすく、生産性と環境性能が優れた機械の提供を行うとともに、市場特性に合わせたきめ細かな製品仕様の展開とサービスの提供を強みとしている。工作機械関連事業では、工作機械業界、自動車業界、電子機器・通信等のEMS業界を主力市場として、加工特性に最適な3つの駆動方式をラインアップした唯一のメーカーとして高精度NC円テーブルを提供している。
コンポジット機械事業は、航空機業界向けに革新的な加工装置を開発し参入したが、昨今の航空機業界の不振等により大きな拡大には至っていない。一方、自動車・一般機械分野でも炭素繊維複合素材の利用拡大の動きが出はじめており、国内研究機関とともに共同研究・製品開発を進めている。自動車分野におけるEV化やカーボンニュートラルに向けた軽量・高強度素材の利活用の拡大とともに事業の拡大を図っていく。
(経営戦略等)
新型コロナウイルス感染拡大は、ワクチンの接種と治療薬の開発が進むことで状況の改善が期待できる一方、新たな変異株の流行により、正常化には時間がかかる懸念が広がってきた。また、足元では原油価格高騰、半導体をはじめとする原材料不足、海上輸送運賃の高騰、円安など新たな課題が噴出し、不透明感が広がってきた。
当社グループは、後述の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり新型コロナウイルスの感染拡大に大きな影響を受けたが、2021年から2023年の3カ年をターゲットとした「中期経営計画2023」を策定し、取り組んでいる。詳細は後述の「(4)中期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであるが、収益体質への転換を確実なものとするとともに、さらにその先の時代の変化を見越した技術・製品の開発を進めていく。
繊維機械事業は、市場投入を行った新型機種の販売拡大に注力していく。特に新型エアジェットルームは、仕様拡大を進めるとともに、ターゲットとする市場でのモデル工場拡大やプライベート展の開催等を通して、市場認知の向上と受注の獲得を図っていく。ウォータジェットルームは、本社で生産する新型モデルの販売を強化するとともに、販売・生産体制が整ってきた中国子会社 津田駒機械製造(常熟)有限公司を活用して、需要が堅調な中国のボリュームゾーンの取り込みを図っていく。
工作機械関連事業では、自動車業界、工作機械業界の需要動向を的確に判断し、最適な製品の提供を図っていく。特にEV化へのシフトが進む自動車業界の需要に対応するため、汎用機種の生産拡大など新たな製品構成への転換を進めていく。また、国内向けに販売が好調なマシンバイスは、新製品を市場投入し、一層の販売拡大を目指す。
生産面では、特に新型エアジェットルームの効率的な生産体制の構築に注力していく。また、すべての事業において徹底したコストダウン、経費の圧縮を行い、利益確保を図っていく。
(4)中期的な会社の経営戦略~「中期経営計画2023」について~
当社グループは、2021年度から2023年度をターゲットにして、連結売上高560億円、営業利益率10%の達成を目標とした「中期経営計画2023」に取り組んでいる。長引く景気停滞の影響から進捗の遅れはあるものの、基本的な方向性は変更せず、計画進捗の管理を徹底して計画の中核としている営業利益率10%の達成に向け、繊維機械事業の黒字化と継続的な利益確保ができる事業体質の構築に注力していく。また、工作機械関連事業をはじめ、コンポジット機械事業など非繊維機械の事業分野の拡大を図っていく。
2021年度は、繊維機械事業で今後の主力機種となる新型エアジェットルームを公表し、販売を開始したほか、ウォータジェットルーム、サイジングマシンでも新製品の販売を開始した。生産効率化の面では、社内で設置を進めていたロボットシステムを活用した自動化設備を立ち上げ、生産を開始するとともに、ロボットシステムの導入を検討されるお客さまに公開し、TRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)事業のアピールを行い、徐々に引き合いを増やしている。SDGsの取り組みでは、昨年4月に当社ホームページを通じてSDGs宣言を行った。社内にSDGs推進委員会を設置して具体的な取組をスタートしている。また、健康経営の推進では、日本政策投資銀行様の『DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付』において、石川県内初の最高ランク格付を取得し、これに基づく融資を受けた。
2022年度は、「2 事業等のリスク ⑧継続企業の前提に関する重要事象等」で記載のとおり、重点施策を確実に実行していく。
当社グループは、輸出比率が高く、為替変動をはじめ国際経済の影響、取引相手国の政治状況・経済政策の影響を受けざるを得ない。また、直近では米中貿易摩擦問題に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済への影響が重大なリスクとなっている。このような状況から、主に次の要因が当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスクと考えている。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
①新型コロナウイルスの感染状況
繊維機械事業では、営業面においては、特に海外市場における販売促進活動及び客先での実機試験など対面を要求される活動が大幅に制限される。また、当社顧客においても最終市場への販売・アクセスが制限されるため、当社製品への投資が慎重になっている。工作機械関連事業では、コロナ禍における行動変容に伴って需要が拡大した業界もあるが、当社グループの主力市場である工作機械業界、自動車業界では設備投資に慎重な動きが拡大した。社内においては、労使が連携して「新型コロナウイルス対策チーム」を立ち上げ、県・市町村・保健所・医療機関等と連携しながら地域・グループ内における感染防止対策を行っている。
②米中間の経済対立
特に繊維機械事業における主力市場の中国では、米国が重要な繊維製品の輸出相手国となっており、米中貿易摩擦・追加関税引き上げにより、繊維製品輸出が減少すると設備投資に影響が及ぶ。一方、こうした環境の中で、中国から隣国等への生産拠点の移動現象も見られ、新たな商機と捉えていく。
③インド市場の金融政策
インド市場は、繊維製品においては中国に次ぐ市場であるが、金融面に脆弱性がある。当社は代金回収リスクを回避するためL/C決済を行っているが、金融政策の急激な変更、銀行融資業務の停滞が、L/Cの発行遅延リスクとなる。
④半導体等、基幹部品の不足及び素材価格の変動リスク
当社製品の主要素材である半導体をはじめとする原材料の供給不足やサプライチェーンの混乱により、生産の減速、納期の遅延が生ずるリスクがある。また、主要素材である金属類、半導体等の価格高騰に加え、災害によるサプライチェーンの寸断や国際的な需給バランスの変動も調達コストの上昇リスクとなる。サプライチェーンの多様化により、リスクの解消を図っている。
⑤海上輸送運賃の高騰リスク
当社は、主に船便によるコンテナ輸送で当社製品を顧客へ引渡しを行っている。コンテナ不足による物流停滞は、海上輸送運賃の高騰を引き起こし、輸出契約時に見込んでいた海上輸送運賃を上回る費用が発生するリスクとなる。海上輸送運賃の高騰を反映した販売価格の改善を積極的に顧客に提案することで、採算性の改善を図っていく。
⑥為替変動リスク
当社は輸出にあたっては、為替リスクを回避する手段として、円建て契約を基本としているが、急激な円高は相手側の円調達リスクとなる。また、当社客先とその最終仕向国の間の為替変動による資金調達リスクが、当社客先の設備投資に影響する。
⑦金利上昇リスク
米国の量的金融緩和の縮小とともに、利上げの想定が見込まれている。米国の金融政策の変更が市場に与える影響を注視する必要がある。
⑧継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、令和元年11月期以降3期連続で営業損失を計上することとなった。特に令和2年11月期、令和3年11月期は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による需要の急激な冷え込みとともに、主力市場における経済活動の停滞、海外渡航制限による営業活動の自粛等から、受注・売上が大きく減少し、大幅な営業損失の計上を余儀なくされた。令和4年11月期についても、世界経済は回復傾向に向かうと見られるものの、新型コロナウイルス感染拡大による事業活動への影響は不透明であり、継続的に営業キャッシュ・フローを確保するにはいましばらくの時間を要することが見込まれる。このような状況から、当社グループには、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。
当社グループは、2021年度から2023年度をターゲットとする「中期経営計画2023」を策定しているが、このような状況を解消し、健全な企業活動を継続するために、特に2022年度においては、以下の点を重点項目として取り組んでいく。
繊維機械事業の受注・売上拡大
繊維機械事業では、直近の受注・成約残高は増加している。また、当期に入り、主力市場のインド市場、中国市場でL/C(信用状)の開設が進んでいることから、昨年度より受注・成約済み案件の実行が増加し、環境は改善すると判断している。当期は商談・成約案件を確実に受注・売上に結び付けるとともに、下記の取り組みを通して、さらなる拡大を図る。
a. 新型エアジェットルーム ZAX001neoの販売促進
2021年度に販売を開始したZAX001neoの販売拡大のため、客先から要望を得ている仕様の拡大・充実を図り、早期に市場投入を行う。また、主要市場においてモデル工場の展開、プライベート展示会の開催等を通してZAX001neoシリーズの市場への普及を図る。
b. 新型ウォータジェットルームの販売強化と中国内需向けボリュームゾーンの市場確保
当社の強みであるウォータジェットルームは、世界経済の回復期においては、輸出用の高品位織物製織のために当社の高性能ウォータジェットルームの需要が高まると見ており、新型ウォータジェットルームZW8200の販売促進を図る。
また、中国市場における市場シェアを確保するため、2022年下期を目途に中国子会社 津田駒機械製造(常熟)有限公司の製品ラインアップを刷新し、中国内需向けのボリュームゾーンへの販売拡大を図る。
c. 準備機械の販売体制見直しによる販売促進
ウォータジェットルームと同様に当社の強みである、サイジングマシン(準備機械)は販売会社の株式会社T-Tech Japanに対するバックアップ体制を強化し、販売拡大を図る。
繊維機械事業における採算性の改善
a. 販売価格改定
採算性を改善するために、原材料や海上輸送運賃の高騰などを反映した販売価格の改善を積極的に顧客への提案を進めている。
b. タイムリーかつ詳細な原価管理の実施
新基幹システムの機能を活用し、タイムリーかつ詳細な製造コストの把握、設計図面の見直しも含めた製造コストの削減を進める。
工作機械関連事業の受注・売上の拡大、採算性改善
工作機械関連事業では、主要な納入先の工作機械業界や自動車業界等の回復を背景に直近の受注残高、成約案件は増加している。当期はこれらを確実に売上に結び付けるとともに、下記の取り組みを通してさらに拡大していく。
a. 自動車業界の回復、EVシフトに対応した製品の販売促進
工作機械関連事業においては、当社の主要な納入先の自動車業界ではエンジン車の生産は当面継続するため、自動車業界の正常化とともに当社が強みとする特注機の需要が回復すると見込んでいる。一方、EV化の動きも加速している。部品の多様化に伴い、当社においても、汎用機の需要が増加すると見込んでいる。これまで進めてきた効率的な設計を可能とした開発(プラットフォーム)手法の効果を最大限に発揮できると判断しており、顧客に迅速に製品供給できるよう効率的な生産管理体制を構築する。
b. 新製品の迅速な市場投入、EMS業界の需要取り込み
2022年度は、EMS関連業界の需要の拡がりが見込まれる。当社は、実績のある従来機種に加え、新製品を提供し、受注の取り込みを進める。
キャッシュ・フロー確保に向けた対応策
資金計画については、令和4年度の通期予算を基礎に策定している。通期予算は、最近の受注高および受注見込額の推移、過去の売上推移による趨勢を検討の上、収益予測を行っている。また、コスト・費用面においても現状の事業構造を基に計算しているが、更にコストダウン計画の遂行、経費節減の徹底によって改善を図っていく。なお、資金計画には主要金融機関からの借入更新が含まれている。
取引金融機関とは、定期的に資金計画及び中期経営計画の進捗状況の説明を行うなど、緊密な関係を維持している。
また、売却の意思決定を行った政策保有株式などの保有金融資産について、相手企業との同意の内容や株式相場を勘案したうえで売却を実施してゆく。
これらの施策により、主要金融機関からの支援等の対応策を含めて資金計画を検討した結果、翌事業年度末までの資金繰りに懸念は無いと判断している。
以上のことから、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当期のわが国経済は、一部の業界で回復の傾向が見られたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大や世界的な半導体不足等の影響により、先行き不透明な状況が続いた。
こうした中、当社グループは、受注・売上の拡大に注力するとともに、生産の効率化とコスト削減活動を進め、業績の改善を図った。
繊維機械事業、工作機械関連事業ともに受注・売上は前期を上回ったが、十分な量を確保するには至らず、生産は低水準で推移した。
この結果、全体では当期の受注高は29,361百万円(前期比34.8%増加)、売上高は27,796百万円(同比33.3%増加)となった。損益面では、工作機械関連事業は利益を確保したものの、繊維機械事業で新型エアジェットルームの本格生産開始に伴う初期投資費用の増加等もあり、営業損失3,723百万円(前期 営業損失4,484百万円)、経常損失3,605百万円(前期 経常損失4,688百万円)となった。
また、特別利益では、資本政策として政策保有株式の圧縮を進め、投資有価証券売却益197百万円を計上した。一方、特別損失として保有株式の下落により投資有価証券評価損559百万円が発生したことに加え、固定資産の減損損失333百万円を計上した。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失4,495百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失4,520百万円)となった。
セグメント別の状況は下記のとおりである。
繊維機械事業
繊維機械事業では、主要市場のインド市場は、前半は感染再拡大に伴うロックダウン等の影響を受けたが、第3四半期以降はコロナ禍の鎮静化に伴い、受注が回復した。中国市場では、内需向け織物用を中心に需要が続いた。一方で、設備投資計画の遅れや電力供給制限による客先工場の稼働休止などにより、受注・売上ともに計画を下回った。
こうした市場環境の中、当社は環境性能・高速性に優れた新製品(エアジェットルーム「ZAX001neo」、ウォータジェットルーム「ZW8200」)を市場投入し、需要の掘り起こしに取り組んだ。特に新型エアジェットルームは、インド、パキスタンで積極的に市場投入した結果、目標とした高速性、省エネ性能を達成して高い評価を得て、すでに多くの受注をしている。中国市場でも、上海市で6月に開催された国際繊維機械見本市で両機種の紹介を行ったほか、11月にはプライベート展を開催し、多くの引き合いを得た。準備機械においても、新型サイジングマシンの販売を開始した。
また、販売網の強化ため、中国四川省に連絡事務所を新設したほか、イタリア・ミラノ市に設立した子会社TSUDAKOMA Europe s.r.l.の営業を開始し、欧州市場での販売強化を図った。
この結果、受注高は23,421百万円(前期比39.2%増加)、売上高は22,293百万円(同比43.3%増加)となった。一方、損益面では、生産が低水準で推移したことに加えて、新型エアジェットルームの本格生産開始に伴い、新設計部品生産のための治具・型投資や、生産工程の再編過程での効率の低下など、初期投資費用が増加した。また、海上輸送運賃の急騰や原材料の高騰の影響もあり、営業損失は2,504百万円(前期 営業損失2,856百万円)となった。
工作機械関連事業
工作機械関連事業では、好調なEMS業界向けのNC円テーブルの大口受注を得た。主要な納入先の国内自動車業界や工作機械業界でも回復の傾向が見られたが、半導体部品の供給不足に加え、東南アジア地域での感染再拡大に伴う部品調達難等が重なり、設備投資計画の延期などの影響を受けた。一方、開発面では自動車業界のEV化に対応した機種の開発を進めた。
この結果、受注高は5,940百万円(前期比19.8%増加)、売上高は5,502百万円(同比3.9%増加)となった。損益面では、売上が増加したことに加え、従来から進めていた設計のプラットフォーム化等によるコストダウンの効果が表れたものの、営業利益は29百万円(前期 営業損失407百万円)となった。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ852百万円増加し32,325百万円となった。主な増減は、現金及び預金の減少に加え、固定資産の減損及び投資有価証券で評価損を計上したものの、売上の増加に伴い営業債権が増加したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ4,896百万円増加し27,073百万円となった。主な増減は、生産の増加により仕入債務の増加及び借入金の導入等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失4,495百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,044百万円減少し5,252百万円となり、自己資本比率は15.9%となった。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,989百万円減少し4,871百万円になった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失4,311百万円の計上などによりマイナス2,905百万円となった。(前期 マイナス3,522百万円)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出910百万円などによりマイナス626百万円となった。(前期 マイナス1,174百万円)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による収入3,300百万円などにより1,525百万円となった。(前期 4,366百万円)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 金額には消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去している。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
なお、前連結会計年度における江蘇蘇美達国際技術貿易有限公司については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略している。
3 金額には消費税等は含まれていない。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
経営成績
当社グループは、売上高に占める輸出比率が高く、また主力の繊維機械事業ではインドや中国など、持続的な成長を図るための様々な経済改革を進める市場が売上の中心となっており、世界経済や国際政治あるいは各国の経済・金融政策の動向に大きな影響を受けざるを得ない。
こうした環境に対し、当社グループは、2021年から2023年度をターゲットとした「中期経営計画2023」に取り組んでいる。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要に記載したとおりであるが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による需要の急激な冷え込み、主力市場での経済活動の停滞、海外渡航制限による営業活動の自粛等から、連結売上高、営業利益率共に目標の達成には至らなかった。全体では、受注高は29,361百万円(前期比34.8%増加)、売上高は27,796百万円(同比33.3%増加)となった。損益面では、生産・売上は前期比増加し、売上原価率は前期比6.1%改善し93.1%となった。販売費及び一般管理費は売上が増加し販売手数料や荷造運送費等の増加により前連結会計年度に比べ992百万円増加し5,646百万円となった。その結果、営業損失3,723百万円(前期 営業損失4,484百万円)となった。
営業外収益では、受取配当金、為替差益の計上等により287百万円となった。一方、営業外費用は、支払利息、持分法による投資損失等により169百万円となった。特別利益では、政策保有株式の圧縮を進め、投資有価証券売却益の計上等で198百万円となった。特別損失では、投資有価証券評価損や減損損失等の計上で905百万円となった。セグメント別では、繊維機械事業では、受注高は23,421百万円(前期比39.2%増加)、売上高は22,293百万円(前期比43.3%増加)、営業損失2,504百万円(前期 営業損失2,856百万円)となった。工作機械関連事業では、受注高は5,940百万円(前期比19.8%増加)、売上高は5,502百万円(同比3.9%増加)、営業利益29百万円(前期 営業損失407百万円)となった。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ852百万円増加し32,325百万円となった。主な増減は、現金及び預金の減少に加え、固定資産の減損及び投資有価証券で評価損を計上したものの、売上の増加に伴い営業債権が増加したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ4,896百万円増加し27,073百万円となった。主な増減は、生産の増加により仕入債務の増加及び借入金の導入等によるのである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失4,495百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,044百万円減少し5,252百万円となり、自己資本比率は15.9%となった。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、長期借入金の借入による収入があったものの、税金等調整前当期純損失の計上、有形無形固定資産の取得による支出等により、前連結会計年度末に比べ1,989百万円減少し4,871百万円となった。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りである。
当社グループの運転資金需要は主に、原材料及び部品等の購入費用、製造費、販売及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備である。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。
運転資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達しており、設備投資資金は自己資金を充当している。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成している。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりである。
連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した見積りが含まれているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載している。
該当事項はない。
研究開発については、世界市場での優位性を確保するため、引き続き多様化、高度化するマーケットニーズに応え戦略製品の開発に取り組んでいる。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は
当連結会計年度における主な事業の研究開発活動は次のとおりである。
繊維機械全般の研究テーマとしては、「省エネルギー、省人化、省資源」をSDGs貢献へのテーマとして取組むと共に、特徴のある製品をサブテーマとして顧客利益に繋げる活動を進めている。
エアジェットルームの新機種「ZAX001neo」とウォータジェットルームの新機種「ZW8200」を開発し、販売開始した。
ZAX001neoは、最高常用回転数1350回転という超高速化とともに、従来機比20%の省エネを実現した。ソレノイドバルブと補助メインノズルボディーの一体化により、残圧低減と緯入れ搬送力の向上を実現。加速性能を大幅に向上させたことで、起動時や多色自由交換時の貯留量変化を抑え、緯入れが安定化する。新バルブシステムを使うことにより省エネを実現した。従来の緯入れタイミング制御(角度)に、時間による自動補正機能を追加し、無駄な空気消費を省く。フレームは全く新しい構造として振動を従来比30%抑えた。単純な平板状、箱状ではなく立体凹凸に富む形状で、高い剛性と動部材の軽量化を両立させた。リンク機構の最適化で、従来よりも疑似ドエルを拡大。同じ開口量の条件で飛走角を従来比5%広げ、開口不良の低減と稼働向上につなげた。
ZW8200は、従来比10%の高速化に加え、水使用量は10%削減、排水へのグリス混入は70%削減した。搭載するUH型ノズルは安定した緯入れを実現し、噴射水の空気中への飛散を大幅に削減する。ノズル間距離を短縮し、安定した高速緯入れを実現し、新型モーターと送り機構で多様な緯入れに対応する。従来機よりもおさ打ちストロークを短縮し、第1枠位置を織口に近接させることで高い織物品位と高速性を両立した。
IoTにおいては、客先の織機と津田駒工業をインターネット経由で結び、稼働改善、生産性向上、予防保全を実現する「TISS」(津田駒インターネットサポートシステム)の製品化を行った。
経糸準備機械では、新型スパンサイザー「TTS30S」を市場に投入した。新開発の糊付装置(シャワー&ディップ方式)や高効率乾燥装置で省資源、省エネルギーをアピールした。新納入した客先からの評価も高く高品位経糸供給により織機の高稼働を支援した。
SDGsへの貢献として準備機械製造・稼働のノウハウを活かした新分野での商品開発に着手した。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は
主力製品である傾斜NCロータリテーブルのプラットフォーム化展開として、中型部品加工向けのTN-320を標準設計適用製品としてフルモデルチェンジした「TWB-320」を開発した。また、高付加価値製品として回転軸を高速ダイレクトドライブモータで駆動し、旋削加工にも対応可能な小型傾斜テーブル「RTT-134,AA」を開発した。同機は、小型3軸マシンに搭載することが出来、回転軸旋回速度は、MAX3000min-1の性能を有している。同時5軸、位置決め、旋削の各種加工に対応出来る事により、小物加工品などにおいて大幅な工程集約が可能となり、自動化にも対応可能となっている。
新型コロナウイルス感染拡大により国内では2年ぶりの対面での開催となったMECT2021では、前述の「RTT-134,AA」、当社独自技術であるBallDrive機のRBS、TBSシリーズ、信頼性が高い当社のウォーム駆動機であるRWA、TWAシリーズなど、客先に生産性向上と利益をもたらす数々の製品を展示し好評を得た。
海外では、世界三大工作機械展示会の一つであるEMO MILANO 2021にて前述の「TWB-320」を初出展した。また、同展示会ではIoT機能を付加した開発機を展示して当社の技術力と開発力をアピールすることが出来た。
事業価値の更なる向上と新中計目標達成に資するために、新しいマーケットに向けた新商材開発にも注力している。特に円テーブルの付属品となる高速回転継手の開発や、機械加工において発生するバリの除去工程を自動で行う装置の開発に注力してきた。まず社内工程や評価機において機能面、性能面での優位性を確認し、顧客にとっての価値を検証したうえで市場に投入するというスタンスで様々な開発を進めている。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は