第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。

 

継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、令和元年11月期以降3期連続で営業損失を計上することとなった。特に令和2年11月期、令和3年11月期は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による需要の急激な冷え込みとともに、主力市場における経済活動の停滞、海外渡航制限による営業活動の自粛等から、受注・売上が大きく減少し、大幅な営業損失の計上を余儀なくされた。令和4年11月期についても、世界経済は回復傾向に向かうと見られるものの、新型コロナウイルス感染拡大による事業活動への影響は不透明であり、継続的に営業キャッシュ・フローを確保するにはいましばらくの時間を要することが見込まれる。このような状況から、当社グループには、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。

当社グループは、2021年度から2023年度をターゲットとする「中期経営計画2023」を策定しているが、このような状況を解消し、健全な企業活動を継続するために、特に2022年度においては、以下の点を重点項目として取り組んでいる。

また、当社は令和4年3月25日開催の取締役会において、50歳以上の社員を対象に100名程度の希望退職者の募集を行なうことを決議し、労使間での協議を開始している。これにより損益分岐点の引き下げ、人員構成の是正、受注の変動に耐えうる企業体質への転換を進めることとした。

 

繊維機械事業の受注・売上拡大

繊維機械事業では、直近の受注・成約残高は増加している。また、当期に入り、主力市場のインド市場、中国市場でL/C(信用状)の開設が進んでいることから、昨年度より受注・成約済み案件の実行が増加し、環境は改善すると判断している。当期は商談・成約案件を確実に受注・売上に結び付けるとともに、下記の取り組みを通して、さらなる拡大を図っている。

a. 新型エアジェットルーム ZAX001neoの販売促進

2021年度に販売を開始したZAX001neoの販売拡大のため、客先から要望を得ている仕様の拡大・充実を図っている。また、主要市場においてモデル工場の展開、プライベート展示会の開催等を通してZAX001neoシリーズの市場への普及を図っている。すでに実績としては、中国市場では、プライベート展の効果により、ZAX001neoの受注増加に結び付き、インド、パキスタン市場においても、ZAX001neoの商談が活発化している。また、仕様拡大のための開発も進めている。

b. 新型ウォータジェットルームの販売強化と中国内需向けボリュームゾーンの市場確保

当社の強みであるウォータジェットルームは、世界経済の回復期においては、輸出用の高品位織物製織のために当社の高性能ウォータジェットルームの需要が高まると見ており、新型ウォータジェットルームZW8200の販売促進を図っている。

また、中国市場における市場シェアを確保するため、2022年下期を目途に中国子会社 津田駒機械製造(常熟)有限公司の製品ラインアップを刷新し、中国内需向けのボリュームゾーンへの販売拡大を図っていく。すでに対象機種を確定し、予定通り準備を進めている。

c. 準備機械の販売体制見直しによる販売促進

ウォータジェットルームと同様に当社の強みである、サイジングマシン(準備機械)は販売会社の(株)T-Tech Japanに対するバックアップ体制を強化し、販売拡大を図っている。すでに専任の販売担当者の配置を完了し、販売活動を開始した。

 

 

繊維機械事業における採算性の改善

a. 販売価格改定

採算性を改善するために、原材料や海上輸送運賃の高騰などを反映した販売価格の改善を積極的に顧客への提案を進めている。

b. タイムリーかつ詳細な原価管理の実施

新基幹システムの機能を活用し、タイムリーかつ詳細な製造コストの把握、設計図面の見直しも含めた製造コストの削減を進めている。

 

工作機械関連事業の受注・売上の拡大、採算性改善

工作機械関連事業では、主要な納入先の工作機械業界や自動車業界等の回復を背景に直近の受注残高、成約案件は増加している。当期はこれらを確実に売上に結び付けるとともに、下記の取り組みを通してさらに拡大していく。

a. 自動車業界の回復、EVシフトに対応した製品の販売促進

工作機械関連事業においては、当社の主要な納入先の自動車業界ではエンジン車の生産は当面継続するため、自動車業界の正常化とともに当社が強みとする特注機の需要が回復すると見込んでいる。一方、EV化の動きも加速している。部品の多様化に伴い、当社においても、汎用機の需要が増加すると見込んでおり、高速・複合・旋削加工に対応した製品の市場投入を行っている。これまで進めてきた効率的な設計を可能とした開発(プラットフォーム)手法の効果を最大限に発揮できると判断しており、顧客に迅速に製品供給できるよう効率的な生産管理体制を構築している。

b. 新製品の迅速な市場投入、EMS業界の需要取り込み

2022年度は、EMS関連業界の需要の拡がりが見込まれる。当社は、実績のある従来機種に加え、新製品を提供し、受注の取り込みを進めている。また、複合加工分野の需要を取り込むため傾斜NC円テーブルの増産計画を検討している。

 

キャッシュ・フロー確保に向けた対応策

資金計画については、令和4年度の通期予算を基礎に策定している。通期予算は、最近の受注高および受注見込額の推移、過去の売上推移による趨勢を検討の上、収益予測を行っている。また、コスト・費用面においても現状の事業構造を基に計算しているが、更にコストダウン計画の遂行、経費節減の徹底によって改善を図っていく。なお、資金計画には主要金融機関からの借入更新が含まれている。

取引金融機関とは、定期的に資金計画及び中期経営計画の進捗状況の説明を行うなど、緊密な関係を維持している。また、希望退職者の募集の決議とともに、新たに取引金融機関2行とコミットメントライン契約等を締結し、総額20億円を極度額とする融資枠を設定した。

売却の意思決定を行った政策保有株式などの保有金融資産について、相手企業との同意の内容や株式相場を勘案したうえで売却を実施している。

これらの施策により、主要金融機関からの支援等の対応策を含めて資金計画を検討した結果、翌第1四半期末までの資金繰りに懸念は無いと判断している。

 

以上のことから、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用している。この結果、前第1四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、当第1四半期連結累計期間における経営成績に関する説明は、前第1四半期連結累計期間と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せず説明している。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ①経営成績の状況

 当第1四半期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、半導体・電装部品不足や原材料価格高騰の影響が深刻化し、景気の持ち直し基調に不透明感が広がってきた。

こうした中、当社グループは、2021年度から2023年度をターゲットにした「中期経営計画2023」に基づき、受注・売上の拡大に向けて取り組んだ。

繊維機械事業では、市場は総じて回復傾向にあり、昨年から展開している新型ジェットルームのプライベート展等の効果もあり、受注が増加した。一方、売上では、当初から前年度の受注減少の影響を想定していたが、加えて半導体・電装部品不足に伴う購入部品の納期遅れが生じたため、製品の船積みが遅れ、売上計上が次期にずれ込む案件が発生し、計画を下回った。

工作機械関連事業では、工作機械業界や自動車業界の回復を受け、受注、売上ともに堅調に推移した。

この結果、売上高は、繊維機械事業が低水準で推移したことから、4,899百万円(前年同四半期 4,291百万円)となった。損益面では、工作機械関連事業で利益を確保したものの、繊維機械事業で生産が低水準であったことに加え、受注損失引当金の計上もあり、全体では営業損失1,283百万円(前年同四半期 営業損失930百万円)、経常損失1,263百万円(前年同四半期 経常損失930百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,183百万円(前年同四半期 親会社株主に帰属する四半期純損失1,184百万円)となった。資本政策として政策保有株式の売却を進め、投資有価証券売却益105百万円を特別利益として計上している。

セグメント別の状況は下記のとおりである。

 

 (繊維機械事業)

繊維機械事業では、各市場ともに新型コロナウイルス感染症の影響が残る中ではあったが、昨年発表した新型エアジェットルーム・ウォータジェットルームを中心に、販売促進活動を展開した。

新型エアジェットルームは、特に綿織物が盛んなインド、パキスタン市場で多くの引き合いがあり、成約を積み増し、受注も拡大した。また中国市場では、昨年出展した国際繊維機械見本市やプライベート展の効果が表れ、受注を増やした。新型エアジェットルームと同時期に発表した新型ウォータジェットルームは、中国市場で受注した。準備機械では、昨年発表した新型サイジングマシンが、中国、パキスタンの客先で稼働を開始した。客先と周辺市場から高い評価を得て、引き合いが増加している。

この結果、前年度の受注減少による生産の減少や船積みの遅れ等の影響から、売上高は3,402百万円(前年同四半期 3,113百万円)となった。損益面では、生産・売上の減少、受注損失引当金の計上などにより、営業損失1,224百万円(前年同四半期 営業損失646百万円)となった。

 

 (工作機械関連事業)

 工作機械関連事業では、主要な納入先の国内工作機械業界や自動車業界が回復傾向を示す中、NC円テーブル・マシンバイスの受注が堅調に推移した。昨年出展した内外の国際工作機械見本市での引き合いを、受注に結び付けることができた成果と考えている。海外市場では、中国市場でEMS業界向けのNC円テーブルの大口案件を受注した。北米市場でも、自動車・エネルギー関連等を中心に需要が回復した。

一方、半導体・部材等の調達難を理由として、客先が計画を先延ばしされる案件がみられるなど、一部に不透明感も表れた。

 この結果、売上高は1,497百万円(前年同四半期 1,177百万円)となった。損益面では、生産・売上の増加や、設計のプラットフォーム化の効果もあり、営業利益218百万円(前年同四半期 営業利益20百万円)となった。

 

 ②財政状態の状況

 当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,501百万円減少し30,823百万円となった。主な増減は、船積みの遅れ等により製品が増加している一方、売上の減少により営業債権が減少したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ263百万円減少し26,809百万円となった。主な増減は、受注損失引当金が増加している一方、長期借入金の返済や生産の減少による仕入債務が減少したこと等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失1,183百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,237百万円減少し4,014百万円となり、自己資本比率は12.66%となった。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はない。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はない。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はない。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の主な研究開発活動の金額は353百万円である。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はない。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。