第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における経済の動向は、米国では雇用環境は引き続き改善しているものの、利上げ実施後の景気拡大は緩慢な動きとなっており、欧州でもプラス成長とはいえ加速感に欠ける推移となりました。さらに原油安や新興国経済減速の影響も相まって世界経済全体の先行きに不透明感が強まりました。わが国においてはマイナス金利の導入など大胆な金融緩和による景気刺激はあったものの個人消費や設備投資に停滞感が見られ、景気の足踏み状態が続きました。また年初来の円高進行による輸出企業の採算悪化が懸念される状況となっています。
 このような状況の中、当社グループは国内外のユーザーの様々なニーズを捉え、市場に適合した新機種の開発と産地に密着した提案型の営業活動に注力いたしました。
 当連結会計年度の売上の状況は、主力のコンピュータ横編機事業では上半期は緩やかな進捗でしたが、11月にミラノで開催された世界最大の国際繊維機械見本市ITMA展以降は受注が拡大し、アジア市場や中東市場を中心に販売が伸長しました。また、デザインシステム関連事業においてはデザインシステム、自動裁断機ともに販売が順調に伸びました。しかし、手袋靴下編機事業の売上高は前期に比べ低調となりました。その他事業については順調な推移となりました。
 この結果、当連結会計年度の全体の売上高は495億82百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
 利益面におきましては、通期平均為替レートの好転にともなう円換算販売価格の向上や増産効果などにより売上総利益率は上昇しましたが、前連結会計年度に特別損失を計上したインドネシアの顧客向け売上債権に対して貸倒引当金約12億円を追加繰入したことなどで販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は57億81百万円(前年同期比0.6%増)にとどまりました。また期末にかけての急速な円高の進行により営業外で為替差損18億93百万円が発生したことなどで、経常利益は45億32百万円(前年同期比46.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、32億71百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
 
 セグメント別の業績は次のとおりであります。
 
(横編機事業)
 当社のコア・ビジネスである横編機事業において、主力のアジア市場の売上高は上半期がスローペースに推移したことで前期に比べて減少しましたが、ASEAN諸国やバングラデシュで生産効率の高いコンピュータ横編機の設備需要が期の後半にかけて活発な動きを取戻し、コストパフォーマンスに優れた「SSR」やさらに高速編成を可能とする「SVR」を中心に販売が進みました。また、景気減速が懸念される中国市場においても、国内需要をターゲットとして品質の向上により競争力の回復を図る提案営業を進めたことで前期並みの売上を確保し、韓国市場においてはホールガーメント横編機の最新機種「MACH2XS」の導入がいち早く進みました。
 中東のトルコにおいては、アジア市場での生産拡大によりここ数年低調な推移でしたが、欧州アパレルの短納期要請に対応することで競争力が回復し、コンピュータ横編機の設備投資が大きく伸張しました。
 先進国市場においては、11月にイタリアのミラノで開催されたITMA展の出展内容を見極めるため、展示会前の設備投資がスローダウンしたことで欧州地域の売上高は前年同期比で減少しましたが、ITMA展において最新鋭のホールガーメント横編機「MACH2XS」をはじめとする当社の独自技術を駆使した製品群が高い評価を受けて、次期に期待をつなぐ多くの引合いを獲得しました。また、米国において自国内生産機運が高まり、ホールガーメント横編機を含むコンピュータ横編機の売上が増加しました。
 国内市場は、ホールガーメント横編機を中心に売上が増加しました。
 これらの結果、横編機事業の売上高は378億6百万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益(営業利益)は89億48百万円(前年同期比7.0%増)となりました。

 

(デザインシステム関連事業)
 デザインシステム関連事業では「SDS-ONE APEX3」を核として生産および流通の革新的な効率向上を図る提案型営業を積極的に展開したことにより、ニット業界以外にもテキスタイルやインテリア、家具、雑貨など幅広い業種に採用が広がりました。
 また自動裁断機「P-CAM」については機種バリエーションを拡充し、アパレル業界以外にも自動車内装部品や家具関連、航空機関連、産業資材分野など幅広い業界で売上が伸びました。これらによりデザインシステム関連事業の売上高は41億36百万円(前年同期比13.5%増)、セグメント利益(営業利益)は11億60百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
 
(手袋靴下編機事業)
 手袋靴下編機事業は、前連結会計年度に売上が大幅に増加した反動に加えて作業用手袋の需要の落ち込みで、売上高は15億12百万円(前年同期比46.8%減)、セグメント利益(営業利益)は2億37百万円(前年同期比63.5%減)と減少しました。
 
(その他事業)
 その他事業については、保守部品の販売が伸びたことなどで、売上高は61億27百万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益(営業利益)は6億54百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
 
 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて34億12百万円減少し、97億52百万円となりました。

 

なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3 資金の流動性および源泉についての分析 (1)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

横編機

34,652

110.5

デザインシステム関連

2,167

62.3

手袋靴下編機

1,504

55.9

合計

38,323

102.1

 

(注) 金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

横編機

44,745

135.5

11,600

248.8

デザインシステム関連

4,098

106.8

390

91.3

手袋靴下編機

1,611

58.2

238

171.0

合計

50,455

127.3

12,229

233.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

横編機

37,806

104.7

デザインシステム関連

4,136

113.5

手袋靴下編機

1,512

53.2

その他

6,127

106.4

合計

49,582

102.5

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
 
 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がいないため、
記載はありません。

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 

今後の世界経済につきましては、中国経済の減速や原油安の長期化などによる景気の下振れリスクが懸念され、先行きに不透明感が漂っておりますが、米国においては堅調な雇用拡大が見込まれるなど緩やかな拡大基調が持続し、欧州においても追加金融緩和による景気刺激に下支えされ底堅く推移するものと予測します。新興国経済においては総じて減速傾向が続くものの、財政政策により急速な景気悪化リスクは回避されると見込まれます。我が国においては足踏み状態が続くものの、金融政策や財政出動による下支えなどで緩やかに持ち直す見通しです。

当社の主要販売先となるアパレルマーケットの状況につきましては、グローバルに展開するファストファッションアパレルやGMSの売上規模が拡大する一方で、消費者の上質志向に訴求する高級ブランドの販売増加が見込まれるなど、二極化が進展しています。

このような状況を背景に主力の横編機事業では、コストを重視した大量生産型のモノづくりについてはASEAN諸国やバングラデシュが中心となり、生産効率の高いコンピュータ横編機の需要はさらに拡大すると見込まれます。
  一方、人件費の高騰した中国市場での生産は品質を重視する国内SPAブランド向けや、国内富裕層向けの中高級品ゾーンでのモノづくりに移行しており、ホールガーメント横編機を含む高機能なコンピュータ横編機の売上の拡大が期待できます。さらに前連結会計年度に大幅に売上が回復した中東のトルコ市場においても編成効率を重視した「SVR」を中心に設備投資は引き続き進展する見込みです。また新たな取組みとしてスポーツシューズ関連へのコンピュータ横編機の活用も拡大しており、中国市場を中心に販売の増加に寄与するものと思われます。

先進国市場においてはホールガーメント横編機とデザインシステムを核とする「トータルファッションシステム」の提案により、革新的な消費地型生産モデルを推進し、「MACH2XS」を今後の横編機販売の中核を担う機種として新たな成長ステージへと引き上げていく考えです。

デザインシステム関連事業においては、高速かつ極めて高精細な3Dバーチャルシミュレーション機能を実現した「SDS-ONE APEX3」をファッション業界にとどまらず、異業種分野でも積極的な営業活動を展開し、さらなる新規需要の開拓を図ってまいります。

また、自動裁断機「P-CAM」については、ユーザーに密着した技術サービスと海外市場での販売ネットワークの拡充に努め、アパレル業界のみならず自動車関連、家具関連、航空機関連、産業資材分野など、幅広い分野への営業活動を強化し、さらなる販売拡大を図ります。

手袋靴下編機事業においては、医療、精密作業用など高付加価値分野の需要の掘り起こしを強化し、前連結会計年度に落ち込んだ売上の回復を図ってまいります。

以上のように世界の市場においてそれぞれの地域の顧客ニーズに合わせたきめ細やかな提案活動を積極的に展開していくとともに、高度な技術力で付加価値の高い製品を供給し続けることで、業界全体の活性化と当社グループの成長を目指してまいります。また、収益力を高めるべくコストダウンや経費の削減にも徹底した取組みを継続し、中期経営計画「Ever Onward 2017」の達成に向け邁進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】


 当社グループは、事業展開においてリスク要因となり、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な項目を以下のとおり認識しています。
 当社グループではこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生の回避および発生時の適切な対応に努めております。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
 
①特定の海外市場への依存
 当社グループの海外売上比率は85%前後で推移しており、なかでもバングラデシュや中国さらにASEAN諸国などを合わせたアジア市場での売上高は2分の1を超える水準にあります。当市場における他社横編機メーカーとの競合、金融政策、税制の変更、他地域との貿易摩擦などの経済及び政治状況等の変化が受注減につながる懸念があり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
②為替レートの変動
 当社グループは全世界に製品を販売しており、取引においては円貨以外に外国通貨建で行われております。このため先物為替予約取引等によりリスクヘッジを行っておりますが、円高による外貨建債権の評価損の発生や価格競争力の低下により計画した販売活動を確実に実行できない場合があるため、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
③与信及び売上債権の回収リスク
 世界販売戦略のなかで主要マーケットである中国及び欧州市場においては当社グループが直接、ユーザーに対する適正な与信管理を行い、債権の回収リスクと販売のバランスを図りながら総合的な海外営業戦略を実施しております。一方で、連結経営における的確な与信対応の重要性が一層高まり、ユーザーの業績や信用状態の変動及びカントリーリスクの顕在化が、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
④知的財産保護戦略の課題
 当社グループが持つ独自の技術とノウハウの一部は、特定の国、地域においては法令遵守意識の欠如等により知的財産権による完全な保護が不可能または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため第三者が当社グループの知的財産権を違法に使用して模倣製品を製造する行為を、効果的に防止できない可能性があり、それに伴う売上シェアの低下や価格競争を引き起こすことで当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑤生産拠点の一極集中
 当社は製品を本社のある和歌山県で集中的に生産し、開発から製造までの一貫体制を敷くことで効率化を図っております。このため、和歌山県近郊で大規模な地震災害等が発生した場合、製造ラインの操業が長期間停止する可能性があります。また、電力供給が安定的に受けられない事態が発生した場合には、計画どおりに生産が行えず、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥事業展開地域での社会的な制度変更等の影響
 当社グループは日本国内はもとより、全世界にわたり事業を展開しております。これらの地域においては、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象の発生は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
  Ⅰ. 経済状況の悪化による需要の低迷
  Ⅱ. 予期しない法律または規制の変更
  Ⅲ. テロ、戦争、政変、治安の悪化その他の要因による社会的混乱
  Ⅳ. 地震等の天変地異
 
⑦衣料消費の動向や天候不順等による影響
 当社グループの製品の主要な販売先は国内外のアパレルやニットメーカーであり、百貨店や量販店などの店頭での売上は、衣料に対する個人の消費マインドやトレンドの変化に左右される傾向があります。また猛暑、暖冬、風水害などの天候不順が衣料における市場動向を決定する大きな要因のひとつであり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
 

5 【経営上の重要な契約等】

 

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

 

当社の企業グループにおきまして幅広く研究開発活動を行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、26億9百万円であります。
 セグメントに関連付けた研究開発費については、当社の研究開発活動が開発課題に対応したプロジェクトを必要に応じてフレキシブルに編成して取り組んでおり、セグメント別に関連付けることが困難であるため記載しておりません。
 当連結会計年度における主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。
 当社グループのコア・ビジネスである横編機分野におきましては、4年に1度開催される繊維機械の国際見本市「ITMA2015」(開催は2015年11月)に向けた開発を進めてまいりました。
 前連結会計年度に発表した最新鋭のホールガーメント横編機「MACH2XS」の機種バリエーションを拡充し、さらに、編出し時に無駄を生まない、効率的なモノ創りを実現する2枚の編出し針装置を新たに開発し、ホールガーメント横編機の進化を後押ししました。
 また、ホールガーメント横編機のミニタイプにおいても従来は帽子、マフラーなどファッションアイテム向けが中心でしたが、産業資材など非衣料用途に広がりを見せており、これらに適用する編機の開発を進めてまいりました。
 そして成型編機においても、スプリング式編出し装置を開発し、編出し時の形状をコントロールすることが可能となり、デザインの幅が広がり高品位なニット生産につなげていけます。
 また、ループプレッサーベッド機構を搭載した「SRY183LP」に16ゲージタイプを新たに加えました。同製品の特性を生かす編地に横糸を通すインレイ編みにおいても、より細かな編み表現が可能になることで、今までにない付加価値の高い製品が生み出されると期待されます。
 一方、「ALL in One」コンセプトのもと開発されたデザインシステム「SDS-ONE APEX3」は、トータルソリューションシステムとして進化をつづけております。当期は、株式会社豊田自動織機と共同で開発した織物用デザインシステム「APEX-T」を発表しました。織物の分野における企画デザインからシミュレーション、そして作成データを同社製織機へ転送することで生産性向上につながり、当社のデザインシステムの能力が同分野でも発揮されていくこととなります。
 昨今、ニット生産拠点が中国からベトナム等のASEAN諸国やバングラデシュに分散している中、ユーザーであるニットメーカーでは、その生産管理の面も複雑化してきており、それらのサポートも非常に重要になってきています。全工程が可視化できる生産管理システム「ShimaKnitPLM」を開発し、「ITMA2015」で参考出品しました。

ニット編成面の開発を進めるトータルデザインセンターにおいては、最先端の横編み技術を駆使し、独創的で魅力あふれるニットファッションの開発を行ってまいりました。当期は、ホールガーメント横編機「MACH2XS」を中心に機械の性能を十二分に活かしたオリジナルサンプルの制作に注力し、「ITMA2015」では、多くの来場者に当社機械の特性をアピールすることができました。さらに、インレイ編みに特殊な加工を施すことで独特な風合い、より快適な着心地が得られる技術「KNEAVE(ニーヴ)」や、インレイ技術を活用したホールガーメント製品「Airdrobe(エアドローブ)」のサンプル開発も行い、従来にはない発想で取り組んできました。また、ニットの更なる可能性を広げるため、インテリア製品のサンプル作成やスポーツ関係向けに糸開発も含めたニット製品の提案にも注力いたしました。
 近年、アパレル業界以外での採用が進む自動裁断機の「P-CAM」シリーズは、幅広い産業での需要に対応するための開発を行ってまいりました。当期は、裁断時に生地を保持する為の吸引力を強化するターボファンを装着したタイプを追加しました。さらに省人化に対応するため、裁断機にとどまらず、延反からラベリングそしてピックアップと裁断の前後工程においてもTotal Cutting Solutionとして開発を強化しています。今後も性能の向上に加え、お客様の要望に合わせた開発を継続することで、航空宇宙関連をはじめ自動車産業、産業資材など様々な業界への浸透を図ってまいります。
 さらに、カシミア紡績において世界有数の品質、技術を有する東洋紡糸工業では、新たな紡績技術「E-FILU(イーフィール)」を開発しました。この技術により、これまでにない白度や鮮やかな発色の糸を製造することができるようになりました。
 以上のように、当社グループでは、創業以来、「Ever Onward ― 限りなき前進」の経営理念のもと、「創造性にもとづく独自の技術開発」を基本に、ハードウェア、ソフトウェアを自社開発し、常に顧客の立場に立った製品及びノウハウを生み出すための研究開発に努めております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】


  以下の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
 

1 当連結会計年度の経営成績の分析
 

(1) 売上高の状況

売上高の状況につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、主力のコンピュータ横編機事業は、前年同期に引き続き円高の是正で事業環境が改善されたこともあり、当社製品へのニーズが増大し、主力のアジア市場を中心に販売が拡大しました。

デザインシステム関連事業においては、「SDS-ONE APEX3」がバーチャルサンプル活用によるビジネスの効率化の提案が評価され、ニット業界以外にもテキスタイルやプリント、タオルなどの業界のほか、インテリア、家具、雑貨など幅広い業種に採用が広がりました。また自動裁断機「P-CAM」もアパレル業界以外にも自動車内装部品や家具関連、航空機関連、産業資材分野などへ販路を広げたことで売り上げを伸ばしました。

手袋靴下編機事業は、前年同期に売り上げが大幅に増加した反動に加えて作業用手袋の需要の落ち込みで売上が減少しました。

これらの結果、当連結会計年度の全体の売上高は前年同期に比べ2.5%増加し、495億82百万円となりました。

このうち海外売上高は413億91百万円(前年同期比1.8%増)であり、海外売上高比率は83.5%(前年同期比0.6ポイント減)となりました。売上高全体に占める地域別割合はアジア55.2%(前年同期比5.3ポイント減)、欧州12.9%(前年同期比2.3ポイント減)、中東10.0%(前年同期比6.1ポイント増)、その他の地域5.3%(前年同期比0.8ポイント増)となりました。

また国内売上高は81億91百万円(前年同期比6.5%増)となりました。

 

(2) 利益の状況

利益面におきましては、通期平均為替レートの好転にともなう円換算販売価格の向上や増産効果などにより売上総利益率は上昇しましたが、前連結会計年度に特別損失を計上したインドネシアの顧客向け売上債権に対して貸倒引当金約12億円を追加繰入したことなどで販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は57億81百万円(前年同期比0.6%増)にとどまりました。また期末にかけての急速な円高の進行により営業外で為替差損18億93百万円が発生したことなどで、経常利益は45億32百万円(前年同期比46.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、32億71百万円(前年同期比10.3%減)となりました。

 

2 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べて5億71百万円減少し、1,264億15百万円となりました。主な減少の理由は現金及び預金、投資有価証券が減少したことによるものであります。負債は前連結会計年度末に比べて6億85百万円減少し、281億22百万円となりました。主な減少の理由は未払法人税等及び短期借入金が減少したことによるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べて1億13百万円増加し、982億93百万円となりました。主な増加の理由は親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。自己資本の額は前連結会計年度末に比べて1億17百万円増加し、981億2百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末より0.4ポイント上昇し77.6%となりました。

 

 

3 資金の流動性および源泉についての分析
  (1) キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて34億12百万円減少し、97億52百万円となりました。
 
 各活動別のキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
 
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
 売上債権の増加による資金減少はありましたが、税金等調整前当期純利益の増加などの資金増加要因により当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは12億57百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は19億56百万円の資金の減少)
 
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
 定期預金の払戻や投資有価証券の売却による収入などがありましたが、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出などにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは23億50百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は22億87百万円の資金の増加)
 
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
 配当金の支払やファイナンスリース債務返済による支出などにより、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは17億76百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は19億66百万円の資金の減少)
 
 

(2) 財務政策

当社グループの資金調達においては、資金の使途、目的に対応して、営業活動から得られるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等、多様な調達方法を組み合わせて低コストかつ安定的な資金を確保するように努めております。

財務の安全性を示す指標である自己資本比率及び流動比率は、当連結会計年度末においてそれぞれ、77.6%、460.3%となり、極めて良好な財務状態を保っております。

今後も当社グループが将来にわたり世界のリーディングカンパニーとして強固な地位を占め、安定的に成長を維持するために必要な運転資金および設備投資資金は、良好な財務状態および活発な営業活動により、充分調達することが可能と考えております。

次期においても、世界の各市場においてグループ各社の連携による積極的な事業展開を推進するとともに、なお一層のコスト削減を進め、さらなる業績の向上、収益力の強化を図ってまいります。