第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における経済の動向は、米国では新政権の政策をめぐる不透明感が生じたものの、雇用環境が改善し、個人消費も拡大するなど総じて堅調な推移となり、欧州でも英国のEU離脱問題の影響は限定的で、緩やかな回復傾向が持続しました。中国では政策の下支えもあり、景気の底入れが一段と進みました。わが国においても雇用情勢の改善や個人消費の持ち直しなど、緩やかな回復基調が続きました。
 このような状況の中、当社グループは国内外のユーザーの様々なニーズを捉え、産地に密着した提案型の営業活動に注力いたしました。
 当連結会計年度の売上の状況は、期中で円高の影響は受けたもののアジア市場を中心に主力のコンピュータ横編機の販売が拡大し大幅な増収となりました。一方で近年順調に売上が伸張していたデザインシステム事業においては若干の減収となりました。手袋靴下編機事業の売上高は回復基調となり、その他事業についても順調な推移となりました。
 この結果、当連結会計年度の全体の売上高は624億32百万円(前年同期比25.9%増)となりました。
 利益面におきましては円高の影響はありましたが、売上高の増加にともなって営業利益も112億62百万円(前年同期比94.8%増)と大きく増加しました。営業外においては為替差損19億29百万円が発生しましたが、経常利益は100億43百万円(前年同期比121.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は71億98百万円(前年同期比120.0%増)といずれも大幅な増益となりました。

  セグメント別の業績は次のとおりであります。

(横編機事業)
 当社のコア・ビジネスである横編機事業において、主力のアジア市場の売上高はASEAN諸国やバングラデシュで生産効率の高いコンピュータ横編機の設備投資が年度を通じて活発に推移し、コストパフォーマンスに優れた「SSR」やさらに高速編成を可能とする「SVR」を中心に販売が拡大しました。また中国においても、同国市場のアパレル消費の高まりを受けて、従来のOEM型生産から脱却し企画提案型・高付加価値化への転換を図る動きが拡がり、ホールガーメント横編機の導入が進んだことや、新たにシューズ生産向けにコンピュータ横編機の活用領域が拡がったことなどで、販売を伸ばしました。韓国市場においてもホールガーメント横編機の最新機種「MACH2XS」の導入が加速しました。
 先進国市場の中心となるイタリアにおいては、一昨年11月にミラノで開催されたITMA展において高い評価を受けた「MACH2XS」や、斬新かつ多彩な編み地の編成を可能とした「SRY」、さらに多色編成に対応する「SIR」の販売が伸びました。
 一方、中東のトルコでは上半期に欧州アパレル向けの設備投資が拡大しましたが、政情不安の広がりから下半期に入り低調となりました。
 また国内市場も、「MACH2XS」の採用が進んだもののコンピュータ横編機の売上高は前期に比べて減少しました。
 これらの結果、横編機事業の売上高は503億78百万円(前年同期比33.3%増)、セグメント利益(営業利益)は150億73百万円(前年同期比68.5%増)となりました。

 

(デザインシステム関連事業)
 デザインシステム関連事業では「SDS-ONE APEX3」を核として生産および流通の革新的な効率性向上を図る提案型営業を積極的に展開し、近年、ニット業界以外にもテキスタイルやインテリア、家具、雑貨など幅広い業種に採用が広がっておりましたが、今期は国内アパレルの不振の影響などで売上高はやや低調となりました。
また自動裁断機「P-CAM」については機種バリエーションを拡充し、アパレル業界以外にも自動車内装部品や家具関連、産業資材分野などへ販路を広げたことで若干ながら売上を伸ばしました。これらによりデザインシステム関連事業の売上高は40億21百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益(営業利益)は10億4百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
 
(手袋靴下編機事業)
 手袋靴下編機事業は、前期に落ち込んだ大手ユーザーの設備投資が回復し、売上高は18億87百万円(前年同期比24.8%増)、セグメント利益(営業利益)は3億67百万円(前年同期比54.8%増)と回復しました。
 
(その他事業)
 その他事業については、メンテナンス部品やニット製品の販売などで、売上高は61億44百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益(営業利益)は5億82百万円(前年同期比11.1%減)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて85億33百万円増加し、182億86百万円となりました。

 

なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3 資金の流動性および源泉についての分析 (1)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

横編機

44,973

129.8

デザインシステム関連

2,367

109.2

手袋靴下編機

1,872

124.5

合計

49,212

128.4

 

(注) 金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

横編機

50,554

113.0

11,775

101.5

デザインシステム関連

3,937

96.1

307

78.6

手袋靴下編機

1,878

116.6

229

96.2

合計

56,370

111.7

12,312

100.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

横編機

50,378

133.3

デザインシステム関連

4,021

97.2

手袋靴下編機

1,887

124.8

その他

6,144

100.3

合計

62,432

125.9

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

     外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がいないため、記載はありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「愛」「創造」「氣」を合言葉に「Ever Onward ―限りなき前進」を掲げ、事業の持続的発展により、「世の中になくてはならない企業」になることを目指してまいります。

「 愛 」 私たちは、仕事を愛し、人を愛し、国や地域を愛し、
     地球を愛することを通じて、人や環境にやさしい
     「もの創り」を目指し、社会に貢献します。

「創造」 私たちは、高感度・高感性で創造力を発揮し、
     世の中に無い魅力的なものを創り出すことを目指します。

「 氣 」 私たちは、何ごとにも、成し遂げる“氣”を持って挑戦し、
     製品やサービスに魂を込め、未来を切り開いていきます。
 

 そして、この経営理念の下、当社の持つ技術が世界中に波及し、魅力あるファッション製品の「もの創り」のスタンダードに昇華させ、また当社のコア・コンピタンスが、ファッション製品以外の業界にも貢献できる、新たな成長ステージを創造し、感性情報型企業へ進化していくことを10年後のビジョンといたします。
 さらに当社グループでは、事業の持続的発展を通じて、すべてのステークホルダーに対して貢献してまいります。そのうえで、株主に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつとして位置づけ、長期的視点から事業の成長を図るとともに、業績に裏付けられた成果の配分を安定的かつ積極的に行うことを基本方針といたします。

 

(2)目標とする経営指標

 創業から50余年を経た当社グループは、「次の50年」の企業成長の礎を築く「基盤強化」フェーズとして位置づけた「中期経営計画」を策定しました。
 環境配慮型経営を推進し、持続的な成長を実現するための経営基盤の強化を図るとともに、過去最高益の更新を目指して、抜本的な経営施策を全社的に展開することで、当社グループとして「売上高:730億円」「営業利益:150億円」「経常利益:150億円」「当期純利益:100億円」「ROE:8.5%」を2018年3月期の達成目標といたします。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは、次の基本方針に基づいて、中期経営計画を策定しました。
 ① 当社の提唱するトータルファッションシステムにより、もの創りの変革を推し進め、ファッション業界の発
   展に寄与する。
 ② コアビジネスで培ったリソースを活用して新たな市場を創造するとともに、社会に貢献できるビジネスソリ
   ューションを提供する。
 ③ 現在の業務内容を原点に立ち返ってすべて見直し、新たなビジネスモデルを再構築する。

そして、中期経営計画において、次の4つの成長戦略を掲げ、経営資源の選択と集中を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。

 Ⅰ. 横編機事業の最強化

ホールガーメント横編機を核とした革新的なマーケティング手法の提案強化などにより、顧客満足度をさらに高め、コアビジネスである横編機事業をより一層強靭なものにする。

 

 Ⅱ. 独自性をもった事業範囲の拡大

ホールガーメント技術など当社独自の技術を活用し、非衣料市場への横編機事業の展開や自動裁断機事業の強化など、革新的な事業の創出、差別化戦略を推進する。

 Ⅲ. 収益構造の改革

アフターセールス強化などの収益源の多様化、営業キャッシュ・フローの改善など、事業・業務の抜本的な見直しにより、持続可能な収益源の確保と戦略的なコスト削減を進める。

 Ⅳ. 経営基盤の強化

創造力のある人材・多様性のある人材の採用・育成など、人材面を中心に、全般的な経営資源の整備を進めるとともに、CSRをさらに重視した経営体制を構築する。

 

(4)会社の対処すべき課題

 今後の世界経済につきましては、米国新政権の政策への懸念や国際関係の緊張の高まりなどで、先行きに不透明感が漂っておりますが、米国においては堅調な雇用拡大が見込まれるなど景気の拡大基調が持続し、欧州においても金融緩和による景気刺激に下支えされ底堅く推移するものと見込まれます。わが国においては雇用・所得環境の改善や政策効果により、景気は緩やかに回復していくことが期待されます。
 当社の主要販売先となるアパレル業界においては、多様化する消費者の好みに迅速に対応し、売れ筋情報を即座に商品開発・生産につなげ、サプライチェーンを効率化することで採算を改善するという課題に取り組んでいます。また、拡大するe-コマースへの対応や、IT技術を活用したオンデマンド生産、IoTやロボットの活用による生産工程の効率化促進といった流れも今後さらに活発になると思われます。
 このような環境の中で当社グループは中期経営計画「Ever Onward 2017」の最終年度として、「次の50年」に向けた成長の礎を築く経営基盤の強化に取り組むとともに、経営計画の必達に邁進してまいります。
 グローバルに展開する大規模アパレルの生産拠点であるバングラデシュやASEAN諸国においては生産効率の高いコンピュータ横編機の需要はさらに拡大すると見込まれ、ユーザーに対するきめ細かいサービスの提供を強化することで受注の拡大につなげていきます。中国におけるニット製造業においては市場構造の変化を背景に省人化、高付加価値化、環境対応といったニーズが拡大しており、従来のOEM型生産から脱皮し、企画から販売までを一貫で手掛けるSPA型ビジネスへ挑戦する顧客も増えています。これらの顧客にはデザインシステム「SDS-ONE APEX3」とホールガーメント横編機を活用した「トータルファッションシステム」の提案で、消費地型生産体制への転換を促進します。
 また新たな取組みとしてスポーツ、カジュアルシューズ関連へのコンピュータ横編機の活用も拡大しており、中国市場を中心に販売の増加に寄与するものと思われます。
 先進国市場においても「トータルファッションシステム」による革新的な消費地型生産モデルを推進し、最新のホールガーメント横編機「MACH2XS」の拡販に注力します。
 デザインシステム関連事業においては、高速かつ極めて高精細な3Dバーチャルシミュレーション機能を実現した「SDS-ONE APEX3」をファッション業界にとどまらず、異業種分野でも積極的な営業活動を展開し、さらなる新規需要の開拓を図ってまいります。

 また、自動裁断機「P-CAM」については、ユーザーに密着した技術サービスと海外市場での販売ネットワークの拡充に努め、アパレル業界のみならず自動車関連、家具関連、航空機関連、産業資材分野など、幅広い分野への営業活動を強化し、さらなる販売拡大を図ります。

 手袋靴下編機事業においては、医療、精密作業用など高付加価値分野の需要の掘り起こしを強化し、売上の回復を図ってまいります。

 

 また、ニット生産の各プロセスを見える化して、ものづくりのサプライチェーンを最適化できる「Shima Knit PLM」や、コンテンツの提供を通してオリジナリティーあるものづくりを支援するWEBサービス「staf」の販売を通して顧客のビジネスソリューションを推進します。
 以上のように世界の市場においてそれぞれの地域の顧客ニーズに合わせたきめ細やかな提案活動を積極的に展開していくとともに、高度な技術力で付加価値の高い製品を供給し続けることで、業界全体の活性化と当社グループの成長を目指してまいります。また、収益力を高めるべく徹底したコストダウンや経費の削減にも引き続き取組んでまいります。

 

4 【事業等のリスク】


 当社グループは、事業展開においてリスク要因となり、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な項目を以下のとおり認識しています。
 当社グループではこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生の回避および発生時の適切な対応に努めております。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
 
①特定の海外市場への依存
 当社グループの海外売上比率は85%前後で推移しており、なかでもバングラデシュや中国さらにASEAN諸国などを合わせたアジア市場での売上高は3分の2を超える水準にあります。当市場における他社横編機メーカーとの競合、金融政策、税制の変更、他地域との貿易摩擦などの経済及び政治状況等の変化が受注減につながる懸念があり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
②為替レートの変動
 当社グループは全世界に製品を販売しており、取引においては円貨以外に外国通貨建で行われております。このため先物為替予約取引等によりリスクヘッジを行っておりますが、円高による外貨建債権の評価損の発生や価格競争力の低下により計画した販売活動を確実に実行できない場合があるため、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
③与信及び売上債権の回収リスク
 世界販売戦略のなかで主要マーケットである中国及び欧州市場においては当社グループが直接、ユーザーに対する適正な与信管理を行い、債権の回収リスクと販売のバランスを図りながら総合的な海外営業戦略を実施しております。一方で、連結経営における的確な与信対応の重要性が一層高まり、ユーザーの業績や信用状態の変動及びカントリーリスクの顕在化が、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
④知的財産保護戦略の課題
 当社グループが持つ独自の技術とノウハウの一部は、特定の国、地域においては法令遵守意識の欠如等により知的財産権による完全な保護が不可能または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため第三者が当社グループの知的財産権を違法に使用して模倣製品を製造する行為を、効果的に防止できない可能性があり、それに伴う売上シェアの低下や価格競争を引き起こすことで当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑤生産拠点の一極集中
 当社は製品を本社のある和歌山県で集中的に生産し、開発から製造までの一貫体制を敷くことで効率化を図っております。このため、和歌山県近郊で大規模な地震災害等が発生した場合、製造ラインの操業が長期間停止する可能性があります。また、電力供給が安定的に受けられない事態が発生した場合には、計画どおりに生産が行えず、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥事業展開地域での社会的な制度変更等の影響
 当社グループは日本国内はもとより、全世界にわたり事業を展開しております。これらの地域においては、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象の発生は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
  Ⅰ. 経済状況の悪化による需要の低迷
  Ⅱ. 予期しない法律または規制の変更
  Ⅲ. テロ、戦争、政変、治安の悪化その他の要因による社会的混乱
  Ⅳ. 地震等の天変地異
 
⑦衣料消費の動向や天候不順等による影響
 当社グループの製品の主要な販売先は国内外のアパレルやニットメーカーであり、百貨店や量販店などの店頭での売上は、衣料に対する個人の消費マインドやトレンドの変化に左右される傾向があります。また猛暑、暖冬、風水害などの天候不順が衣料における市場動向を決定する大きな要因のひとつであり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑧情報システムに関するリスク
 当社グループにおいて、情報システムは重要な要素の一つです。人的ミス、機器の故障、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により、また、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等により、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

 

当社の企業グループにおきまして幅広く研究開発活動を行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、26億76百万円であります。
 セグメントに関連付けた研究開発費については、当社の研究開発活動が開発課題に対応したプロジェクトを必要に応じてフレキシブルに編成して取り組んでおり、セグメント別に関連付けることが困難であるため記載しておりません。
 当連結会計年度における主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。
 当社グループのコア・ビジネスである横編機分野では、地域のニーズに適応する機種バリエーションの充実を進めていく一方で、部品の共通化や組立作業の自動化を進める改良など、品質の向上や生産効率化を図る取り組みも行なってまいりました。
 ホールガーメント横編機におきましては、最新機種「MACH2XS」に15ゲージのスモールフックタイプを追加しました。この開発によりゲージ範囲の拡大のみならず、ファインゲージの編成において品質の安定化をさらに図ることができます。
 成型編機では、SVRシリーズにループプレッサーベッドを搭載したSVR123SPが加わりました。インレイ柄などの複雑な編成が可能でファッションからテクニカルテキスタイルまで幅広いモノづくりに対応します。
 一方、「All in One」コンセプトのもと開発されたデザインシステム「SDS-ONE APEX3」は、トータルソリューションシステムとしてソフトの充実を図り進化を続けております。
 また、ニット生産拠点が中国からASEAN諸国やバングラデシュに分散が加速している一方で、商品の市場投入の短サイクル化が進んでいます。これらの課題解決のため、マーケティングから製品企画、生産から販売までのプロセスを如何に無駄なく、迅速に行うことが重要になっており、全工程を可視化できる生産管理システム「Shima Knit PLM」の開発に引き続き取り組んできました。
 ニット編成面の開発を進めるトータルデザインセンターにおいては、最先端の横編み技術を駆使し、独創的で魅力あふれるニットファッションの開発を行ってまいりました。当期もホールガーメント横編機「MACH2XS」を中心に機械の性能を十二分に活かしたオリジナルサンプルやループプレッサーの機能を応用した編地開発に取り組みました。さらに昨今、スポーツウエアが普段着として浸透している背景を受け、スポーツ関係に向けてサンプル提案や素材開発に注力しました。

また、ファッション業界に向けて、新たなWEBサービス「staf」を発表しました。この「staf」には過去50年分のファッションアーカイブやトレンド情報に加え、膨大な量のファッション関連コンテンツが用意されており、オリジナリティあるモノづくりを支援するこれまでにないサービスとして開発しました。
 アパレル業界以外での採用が進む自動裁断機の「P-CAM」シリーズは、機種バリエーションの拡充とともに、Total Cuttin Solutionを確立させるため、裁断機の開発にとどまらず、延反からラベリングそしてピックアップと裁断の前後工程において生産性向上や省人化につながる開発を強化しました。
 当期発表した自動ラべリング装置「P-LAB」シリーズは、サイズや品番など、ピックアップに必要な情報をラベルに印字し、裁断する生地の上に自動で貼付する装置で、データをもとに最適な位置にラベルを貼付することで、裁断パーツの仕分け時のミスを軽減します。
 また、新たに開発した自動延反機「P-SPR2」は、反物を必要な長さに延反してカットし、指定された枚数を精度よく自動で重ねることができます。

 

今後も性能の向上に加え、お客様の要望に合わせた開発を継続することで、航空宇宙関連をはじめ自動車産業、産業資材など様々な業界への浸透を図ってまいります。
 また、インクジェットプリンティングマシンの「SIP-160F3」シリーズでは、顔料インクに白インクを搭載できるようになりました。生地表面に白色顔料をプリントし、その上に色をつけることで生地色に左右されることなく高いコントラストが得ることができます。
 以上のように、当社では、創業以来、「Ever Onward ― 限りなき前進」の経営理念のもと、「創造性にもとづく独自の技術開発」を基本に、ハードウェア、ソフトウェアを自社開発し、常に顧客の立場に立った製品及びノウハウを生み出すための研究開発に努めております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】


  以下の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
 

1 当連結会計年度の経営成績の分析

(1) 売上高の状況

売上高の状況につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、主力のコンピュータ横編機事業は、期中で円高の影響は受けたものの、ASEAN諸国やバングラデシュで生産効率の高いコンピューター横編機の設備投資が年度を通じて活発に推移し、アジア市場を中心に販売が拡大しました。

デザインシステム関連事業においては、「SDS-ONE APEX3」を核として生産および流通の革新的な効率性向上を図る提案型営業を積極的に展開し、近年、ニット業界以外にもテキスタイルやインテリア、家具、雑貨など幅広い業種に採用が広がっておりましたが、今期は国内アパレルの不振の影響などで売上高はやや低調となりました。また自動裁断機「P-CAM」については機種バリエーションを拡充し、アパレル業界以外にも自動車内装部品や家具関連、産業資材分野などへ販路を広げたことで若干ながら売り上げを伸ばしました。

手袋靴下編機事業は、前年に落ち込んだ大手ユーザーの設備投資が回復し、売り上げが回復しました。

これらの結果、当連結会計年度の全体の売上高は前年同期に比べ25.9%増加し、624億32百万円となりました。

このうち海外売上高は546億88百万円(前年同期比32.1%増)であり、海外売上高比率は87.6%(前年同期比4.1ポイント増)となりました。売上高全体に占める地域別割合はアジア67.1%(前年同期比11.9ポイント増)、欧州11.6%(前年同期比1.3ポイント減)、中東5.0%(前年同期比5.0ポイント減)、その他の地域3.8%(前年同期比1.5ポイント減)となりました。

また国内売上高は77億43百万円(前年同期比5.5%減)となりました。

 

(2) 利益の状況

利益面におきましては、円高の影響はありましたが、売上高の増加にともなって営業利益も112億62百万円(前年同期比94.8%増)と大きく増加しました。営業外においては為替差損19億29百万円が発生しましたが、経常利益は100億43百万円(前年同期比121.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は71億98百万円(前年同期比120.0%増)といずれも大幅な増益となりました。

 

2 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は受取手形及び売掛金の増加などで、前期末に比べて155億15百万円増加し、1,419億31百万円となりました。負債合計は短期借入金の増加などで前期末に比べて89億29百万円増加し、370億51百万円となりました。この結果、純資産は前期末に比べて65億86百万円増加し、1,048億79百万円となりました。また、自己資本の額は前期末に比べて67億12百万円増加し1,048億15百万円となり、自己資本比率は前期末より3.8ポイント低下し73.8%となりました。

 

 

3 資金の流動性および源泉についての分析

(1) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べて85億33百万円増加し、182億86百万円となりました。

各活動別のキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]
 売上債権の増加などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益が99億79百万円と高水準にあったことや、仕入債務の増加、たな卸資産の減少などの資金増加要因により当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは69億88百万円の資金の増加となりました。(前期は12億57百万円の資金の増加)

[投資活動によるキャッシュ・フロー]
 定期預金の払戻や投資有価証券の償還による収入などがありましたが、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出などにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは12億41百万円の資金の減少となりました。(前期は23億50百万円の資金の減少)

[財務活動によるキャッシュ・フロー]
 配当金の支払やファイナンス・リース債務返済による支出などがありましたが、短期借入金の増加などにより、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは24億70百万円の資金の増加となりました。(前期は17億76百万円の資金の減少)

(2) 財務政策

当社グループの資金調達においては、資金の使途、目的に対応して、営業活動から得られるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等、多様な調達方法を組み合わせて低コストかつ安定的な資金を確保するように努めております。

財務の安全性を示す指標である自己資本比率及び流動比率は、当連結会計年度末においてそれぞれ、73.8%、325.8%となり、極めて良好な財務状態を保っております。

今後も当社グループが将来にわたり世界のリーディングカンパニーとして強固な地位を占め、安定的に成長を維持するために必要な運転資金および設備投資資金は、良好な財務状態および活発な営業活動により、充分調達することが可能と考えております。

次期においても、世界の各市場においてグループ各社の連携による積極的な事業展開を推進するとともに、なお一層のコスト削減を進め、さらなる業績の向上、収益力の強化を図ってまいります。