文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「愛」「創造」「氣」を合言葉に「Ever Onward ― 限りなき前進」を掲げ、事業の持続的発展により、「世の中になくてはならない企業」になることを目指してまいります。
「 愛 」 私たちは、仕事を愛し、人を愛し、国や地域を愛し、
地球を愛することを通じて、人や環境にやさしい
「もの創り」を目指し、社会に貢献します。
「創造」 私たちは、高感度・高感性で創造力を発揮し、
世の中に無い魅力的なものを創り出すことを目指します。
「 氣 」 私たちは、何ごとにも、成し遂げる“氣”を持って挑戦し、
製品やサービスに魂を込め、未来を切り開いていきます。
この経営理念の下、当社の独創的な技術が広まることで、ファッション業界の発展に貢献する「課題解決型企業」へ進化していることと、ファッション業界で培った強みを活かして、他の業界の発展にも貢献する「感性情報型企業」へ進化していることを、当社グループの10年後ビジョンとして掲げ、その実現に向けグループが一丸となって邁進してまいります。
(2) 経営戦略
消費行動の変化やコロナ禍を背景にしたEC化の加速、SDGsへの関心の高まり、当社顧客業界での更なる効率化経営の追求など、当社を取り巻く経営環境は加速度的に変化しています。
そうした世界的な変化の潮流の中、ビジネスチャンスを確実に掴むべく、社員一人一人の「意識」と「スピード」を変革し、ゼロから生まれ変わるべく、当社グループでは「変革」と「再生」をキーワードとし、次の4つの重点施策を推進することで、業績の回復ならびに企業価値の向上に努めてまいります。
<4つの重点施策>
① ホールガーメント事業の最強化
成型機中心からホールガーメント機中心の事業構造へ
② ソリューションビジネスへの業態変換
ファッション業界全体のサプライチェーン改革へ
③ 独自性を持った事業多角化の推進
早期の新事業立ち上げによる経営安定化へ
④ 社会の変化に対応した経営基盤の再構築
コロナ後を見据えた経営体制へ
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後は、新型コロナウイルス感染拡大ペースの鈍化や各国の行動制限の緩和等を背景に景気は緩やかに回復傾向にあると予想されますが、ウクライナ情勢による資源や食料品の価格高騰を通じたインフレの加速、サプライチェーンの混乱等により、先行きは引き続き不透明感が強い状況にあります。
当社の主力製品であるホールガーメント横編機や従来型のコンピュータ横編機の需要は、各国の経済活動の再開にともない顧客業界の設備投資が拡大すると予想されます。他方、コロナ禍を背景とした海外物流網の混乱に加え、半導体その他電子部品など原材料の供給が逼迫している状況が続いております。
アパレル・ファッション業界においては、エシカル消費やカスタム志向などの消費行動の変化や、デジタル化の急速な進展、SDGsなどサステナビリティに関する企業の社会的責任の増大など、コロナ禍を転機に、変化する事業環境への対応が求められています。こうした環境のもと、これまでのようなリードタイムの長い大量生産・大量消費を前提としたビジネスモデルから脱却し、市場ニーズに即した消費者満足度の高い商品を、必要なときに必要な量だけ生産し、短納期で消費者に届ける「あるべきビジネスモデル」の構築が急務となっています。
従来より「トータルファッションシステム」として、新しいもの創りの在り方を提唱してきた当社グループは、こうした状況をビジネスチャンスと捉え、2021年度から開始した中期経営計画「Ever Onward 2023」において、4つの重点施策の取り組みに全社一丸となって注力し、顧客業界の課題解決への寄与を通じて、業界全体の変革の流れを作り、連結業績の黒字化を目指します。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営指標としては、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益を重視しております。
当社は、当社グループの事業活動に関するリスクを所管するリスク管理委員会を設置し、リスク管理規程に従い、リスク管理体制の構築と運用にあたっております。
当社グループは、事業展開においてリスク要因となり、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な項目を以下のとおり認識しておりますが、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや現時点において影響度が小さいと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
当社グループではこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生時の適切な対応に努めております。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 市場環境の変動リスク
当社グループ製品の主要な販売先である国内外のニット製品を製造するメーカーの生産動向は、消費者の生活様式や消費スタイルの変化、サステナビリティ対応等の環境意識の高まり、暖冬など天候不順の影響を受け、その結果、横編機等の設備投資が減退する可能性があります。
また資材調達においては、サプライチェーンにおける通商問題の悪化や新型コロナウイルス感染症の拡大による都市のロックダウン、資源不足による部品調達難や燃料費の高騰などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(「⑨自然災害、国際紛争、事故、感染症の拡大などのリスク(2)生産面への影響」に詳細記載。)
これらリスクに対し、当社グループではホールガーメント横編機とデザインシステムの活用による、消費地における需要動向に対応した適時適量生産の提案を積極的に行っております。また顧客とのコミュニケーションを密にし、ニーズを把握することにより新たな価値を提案できる仕組みの構築や非アパレル分野でのニット化を高める取り組みを行っています。
② 事業展開地域での社会的な制度変更などの影響
アパレル産業は、経済のグローバル化の進展に伴い、サプライチェーンも同時にグローバル化してきました。消費国と生産国において貿易摩擦などが発生し、通商問題に発展した場合、設備投資動向にも大きく影響を及ぼします。
米中貿易摩擦に端を発する相互関税の引き上げ、技術輸出規制などの経済措置の動向には細心の注意を払い、適切に対処していくべく努めておりますが、各国政府や国際的枠組みによる規制が新たに導入、変更された場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。このため、世界各国に展開している現地法人・販売代理店などのネットワークを活用して、いち早く現地動向を察知し、迅速な行動が取れるよう体制の整備を進めております。
③ 為替レートの変動
当社グループは海外売上高比率が80%前後で推移しており、取引においては日本円以外に外国通貨建で行われているため、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループは、連結財務諸表等 注記事項(デリバティブ取引関係)に記載のとおり、売上債権のうち外貨建債権に対して先物為替予約取引などでリスクヘッジを行っております。
④ 与信及び売上債権の回収リスク
売上債権に占める割合の多くは、横編機事業にかかる債権となっております。多くのユーザーは素材仕入れから製品販売までの期間が長期となり、債権回収も長期間にわたることが業界内での特有の商慣習になっております。そのため、当社グループでは、主要地域において直接ユーザーに対する与信管理の強化を行っております。引き続き、アジア市場ではグローバルアパレルとニットメーカーが両輪となり、大規模な生産活動が行われ、1社あたりの取引金額も膨らむ傾向となっております。回収リスク低減のため、債権流動化の実施、担保設定、リース取引の推進、貿易保険の付保を行うと同時に、横編機にPMS(パスワードマネジメントシステム)を搭載し、期日までの支払いを促す仕組みを構築しております。回収遅延などが発生している場合には、過去の実績率や個別の回収可能性等の見積りに基づき保守的に引当金を計上するなどの対策を行っております。
⑤ 知的財産保護戦略の課題
当社グループが保有する独自技術やノウハウの一部は、海外競合他社における法令遵守意識の欠如などにより知的財産権による完全な保護が不可能または限定的にしか保護されない可能性があります。ホールガーメント横編機をはじめとする当社製品は、高度な技術が結集されています。当社グループでは開発本部の中に知的財産部を設け、「横編機等の機構・制御」、「ニットの編成技術」、「デザインシステム関連」など幅広い技術について知的財産権で保護し、他社との差別化を図っています。しかし特許の侵害などにより模倣製品が流通した場合、当社事業に与える影響は大きくなります。このため当社グループは、他社による特許侵害を常に監視し、また各国の現地法人、代理店等からの情報を有効活用し、必要に応じて注意喚起や法的手続きをとる体制を整えております。
⑥ 人材に関するリスク
当社は創業当時から、世の中にないものを創り出し、最高機能の製品を経済的な価格で提供することで、業界から高く評価されてきました。これらを支えるのは高度な専門性、創造性、独自性を持つ人材であり、継続的な人材の確保、育成に努めておりますが、その技術の伝承や後継となる人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合、あるいは退職等により人材が流出した場合には、製品開発力や製品品質の低下を招き、その結果事業競争力の低下により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。このため、若手社員に対する社内研修の充実や各種技能検定へのチャレンジ推奨、ベテラン社員によるOJTの拡充など技術の伝承に積極的に取り組んでおります。
⑦ 製造物責任に関するリスク
当社グループでは、最高機能の製品を経済的な価格でお届けするというシマセイキスピリットのもと、品質環境基本方針を定め、専門の委員会活動を展開し、製品品質、顧客満足度の向上に努めておりますが、万一製品の欠陥等が発生した場合、損害賠償や対策コスト等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、製造物にかかる賠償責任に備え保険に加入し、リスクの低減を図っております。
⑧ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループにおいて、情報システムは重要な要素の一つです。人的ミス、機器の故障、通信事業者などの第三者の役務提供の瑕疵等により、また、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染などにより、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延などの障害、情報流出などが生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報セキュリティポリシーを定め、すべての役員及び従業員などに対する情報の取り扱いの行動規範を定めるほか、情報セキュリティの物理的対策及び技術的対策の取り組みについて情報セキュリティ委員会を通じて継続した啓発活動を実施しています。
⑨ 自然災害、国際紛争、事故、感染症の拡大などのリスク
地震、台風、津波などの自然災害、国際紛争、火災、停電、感染症の拡大(パンデミック)などが発生した場合、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(1)販売面への影響
主要販売先であるアジア(中国、ベトナムなどASEAN、バングラデシュ等)、イタリアを中心とした欧州市場、トルコを中心とした中東市場でリスクが拡大した場合には、通常の営業活動に支障をきたし、長期化することにより当社業績に与える影響が大きくなります。さらにユーザーの生産活動にも影響を及ぼし、資金繰り悪化による売上債権の回収リスクが高まる可能性があります。(「④与信及び売上債権の回収リスク」に詳細記載。)
(2)生産面への影響
生産面ではサプライヤーの操業停止の長期化により部品不足を招き、生産抑制を余儀なくされることが想定され、当社業績及び財政状況に多大な影響を及ぼします。そのため、当社グループでは緊急時に向けた在庫の確保、複数社からの購買による安定した部品供給体制の構築などの対策に取り組んでおります。
⑩ 生産拠点の一極集中
当社は、製品を本社がある和歌山県で集中的に生産し、開発から製造までの一貫体制を敷くことで効率化やコストダウンを図ってまいりました。このため、和歌山県近郊で大規模な地震、風水害等の自然災害や当社工場での火災等の事故、社内での感染症の拡大が発生した場合、製造ラインの操業が長期間停止する可能性があります。当社は日産体制を構築しておりますので、停止期間が継続する場合、その影響は大きくなります。そのため、当社では、各種保険の付保や操業停止期間を最小化できるよう事業継続計画の整備を行うとともに、建物等の耐震工事、非常時を想定した訓練の実施及び安否確認システムの導入等の対策を講じ、早期に復旧できるような体制を整えております。しかし被害想定を超えた規模の災害等が発生した場合、機能停止・設備の損壊・インフラの供給停止、交通機関や通信手段の停止等により、事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 新型コロナウイルス感染症等の流行に関するリスク
新型コロナウイルス感染症等の世界的な拡大(パンデミック)に伴い、社内において感染症の拡大が認められた場合、一時的に工場の稼働停止など事業活動の停止により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、社長を本部長とする危機管理本部を設置し、感染拡大防止に取り組んでおります。不要・不急の会議・出張の禁止、工場見学の受入中止、予防措置の強化(毎日の検温・マスク着用・手指消毒の徹底等)、在宅勤務、ワクチンの職域接種等を実施することにより従業員の安全確保を優先しつつ事業への影響を最小限に留めるよう対応を実施しております。
⑫ コンプライアンスに関するリスク
当社グループでは事業活動を行うにあたり、様々な法令・規則等の適用を受けておりますが、意図せずに違反する場合も含め不正行為など重大なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの社会的な信用を失墜させ、また取引の停止や訴訟等による損害の発生など、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
これに対し、当社グループでは、「シマセイキグループ行動基準」を定め、その遵守に努めるとともに、コンプライアンス体制強化のためのコンプライアンス委員会、法令遵守と企業倫理に関する通報、相談窓口として企業倫理ヘルプラインを設置し、コンプライアンス違反の影響拡大の防止に努めております。
⑬ サステナビリティ課題に関するリスク
ステークホルダーからのESGを重視した経営やSDGsへの関心は年々高まっており、サステナブルな社会の実現への取り組みが、今後ますます重要になっております。
環境面においては、世界的な気候変動対策の観点から脱炭素社会に向けた温室効果ガス排出量の削減や、製品・サービスの環境配慮が、顧客やサプライヤーに加えて社会全体からも求められています。
当社は環境マネジメントシステムの運用に基づき、環境関連諸規制における要求事項の遵守とともに、顧客における環境負荷低減に配慮した製品・サービスの設計・開発を行っています。もの創りにおいてはCO2排出抑制/削減のための電力使用量削減、廃棄物の排出量削減とリサイクルの推進、資源の有効利用などにも取り組んでおります。
しかし各種の法規制が変更又は新たに制定された場合はその遵守対応のための費用が増加し、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、グローバルに事業を展開する企業に対する「ビジネスと人権」に関する意識はますます高まっており、ステークホルダーによる人権への対応要求やサプライチェーンにおける紛争鉱物や強制労働への対応要求が求められています。
当社は人権方針を策定し、事業活動に関わるすべての人の人権を尊重するためにあらゆる人が固有にもつ多様性を尊重し、誰もが働きやすい職場環境の実現に取り組んでおります。
しかし、当社及びサプライチェーンにおいて適切な対応が取られていない場合、取引の停止や行政罰、企業に対する社会的信頼の喪失、事業機会の損失等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は今後も製品・サービスを通してサステナブルなもの創りを提案し、企業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでまいります。
このような経済情勢の中、当社グループは世界各地の顧客、業界の課題解決に向けて、ニット製品の可能性を大きく広げるホールガーメント横編機、バーチャルサンプルによって商品企画のプロセスを飛躍的に効率化できるデザインシステムをはじめ、生産工場やアパレル企業のビジネスモデル変革やサステナブルなもの創りを実現するための製品・サービス・ソリューションの提案活動に注力しました。
当連結会計年度の売上の状況は、横編機事業において、中国や欧州市場で経済活動の再開にともなう設備投資が活発となりホールガーメント横編機等の販売が伸長しました。デザインシステム関連事業においては、横編機事業の売上増加にともない販売台数が増加しました。手袋靴下編機事業においても、国内及び海外大手ユーザーの設備投資が順調となり販売が増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は309億98百万円(前期比26.6%増)となりました。利益面におきましては、物流費や原材料費の高騰の影響はあったものの、工場操業度が改善したことにより売上総利益率は回復傾向となり、さらに販売費及び一般管理費の抑制に努めた結果、営業損失は改善し42億96百万円(前期は営業損失91億43百万円)、経常損失34億0百万円(前期は経常損失72億73百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失35億89百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失178億66百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(横編機事業)
当社のコア・ビジネスである横編機事業は、アジア地域では、中国市場においてOEM型生産から国内衣料品市場に向けた高付加価値商品のもの創りへの転換を図るとともに、EC市場の拡大にともないリードタイム短縮や人件費上昇と人手不足から省人化を進める動きは強く、主にファインゲージのホールガーメント横編機の導入が伸長しました。さらに韓国市場においてもホールガーメント横編機等の販売が増加しました。
欧州では、付加価値の高い商品開発を得意とするイタリア市場において、経済活動の再開にともない設備投資が活発化し、ホールガーメント横編機や高いデザイン性を発揮する成型編機を中心に需要が増加しました。
中東のトルコ市場においては、第3四半期から第4四半期にかけて海外アパレルからの受注による設備投資が活発となりコンピュータ横編機を中心に売上高が伸長しました。
国内市場においては、ホールガーメント横編機等の販売台数は前期に比べて増加しました。
これらの結果、横編機事業の売上高は206億92百万円(前期比33.1%増)、セグメント利益(営業利益)は5億88百万円(前期は営業損失32億81百万円)となりました。
(デザインシステム関連事業)
デザインシステム関連事業は、アパレルデザインシステム「SDS-ONE APEX4」については横編機事業の売上増加にともない海外市場を中心に販売台数が増加し、さらに今期より本格的にスタートした「APEXFiz」は欧米、国内アパレルブランドを中心にライセンス契約数が伸長しました。また自動裁断機「P-CAM」についても国内を中心に需要が回復傾向となりました。
これらによりデザインシステム関連事業の売上高は28億69百万円(前期比14.4%増)、セグメント利益(営業利益)は7億32百万円(前期比544.6%増)となりました。
(手袋靴下編機事業)
手袋靴下編機事業は、国内及び海外大手ユーザーの設備投資が順調に伸びたことにより売上高は24億46百万円(前期比24.2%増)、セグメント利益(営業利益)は14百万円(前期は営業損失2億42百万円)となりました。
(その他事業)
その他事業については、メンテナンス部品や紡毛糸の販売などで、売上高は49億89百万円(前期比11.8%増)、セグメント利益(営業利益)は5億28百万円(前期比4,247.4%増)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がいないため、記載はありません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、売上債権の減少などで、前連結会計年度末に比べて83億31百万円減少し、1,018億9百万円となりました。負債合計は短期借入金の減少などで前連結会計年度末に比べて70億90百万円減少し、130億13百万円となりました。純資産は利益剰余金の減少などで12億40百万円減少し、887億95百万円となりました。また、自己資本の額は前連結会計年度末に比べて12億34百万円減少し887億61百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末より5.5ポイント上昇し87.2%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて13億11百万円減少し、242億71百万円となりました。
各活動別のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純損失の計上となりましたが、売上債権の減少や棚卸資産の減少などにより、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは61億96百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は59億37百万円の資金の増加)
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有形固定資産の取得による支出などにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは10億23百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は12億99百万円の資金の増加)
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
短期借入金の返済や配当金の支払いなどにより、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは77億59百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は37億76百万円の資金の減少)
当社グループの資本の財源および資金の流動性については次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、事業活動にかかる運転資金、生産能力増強・生産効率化のための設備投資及び新製品開発・成長領域での製品開発投資等によるものであります。資金調達においては、資金の使途、目的に対応して、営業活動から得られるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等、多様な調達方法を組み合わせて低コストかつ安定的な資金を確保するように努めております。財務の安全性を示す指標である自己資本比率及び流動比率は、当連結会計年度末においてそれぞれ、87.2%、910.3%となり、極めて良好な財務状態を保っております。今後も当社グループが将来にわたり世界のリーディングカンパニーとして強固な地位を占め、安定的に成長を維持するために必要な運転資金、設備投資資金及び製品開発投資資金は、良好な財務状態および営業活動により、充分調達することが可能と考えております。
昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として先行きは不透明な状況が続いておりますが、現時点で必要充分な手許資金を確保しており、また必要に応じて金融機関等から資金調達が可能な体制を整えております。
株主還元については経営の最重要課題のひとつとして位置付けており、事業の持続的な発展を通じて、安定した配当を長期にわたって継続することを基本方針としております。中期経営計画「Ever Onward 2023」に基づき、業績の黒字化を実現し、連結配当性向30%を目安とするとともに、株価水準や資金の状況、市場環境などを総合的に勘案し、時機に応じて柔軟に自己株式の取得を行うなど、資本効率の向上にも努めるものとしております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その回収可能性が低下した場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価について、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に従い将来の課税所得を見積り、回収可能と認められない金額について評価性引当額を計上しております。当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
④投資有価証券の減損
当社グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。時価のある有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の事業計画などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。時価のない有価証券につきましては、その有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合に回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の事業計画などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
当社の企業グループでは幅広く研究開発活動を行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
セグメントに関連付けた研究開発費については、当社の研究開発活動が開発課題に対応したプロジェクトを必要に応じてフレキシブルに編成して取り組んでいることから、セグメント別に関連付けることが困難であるため記載しておりません。当連結会計年度における主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。
ファッション業界では、業界全体にSDGs(持続可能な開発目標)をはじめとするサステナブルな取り組みが広がってきています。当社においては、ホールガーメント横編機と高精細な3次元バーチャルサンプルを生み出すデザインシステムを活用した「トータルファッションシステム」を核として持続可能な消費と生産を実現するサステナブルなもの創りを業界に対して訴求しています。
当社グループのコア・ビジネスである横編機分野では、ホールガーメント横編機の新機種「SWG-XR」を開発。当社が独自開発したスライドニードルの特徴を最大限に活かし、これまで培ってきたシンカーニット技術を融合させることで生産性の向上はもとより、デザインの多様化に対応しオールシーズンでも活躍できる機種として劇的に進化させました。さらにアパレル業界以外もターゲットにする機種の開発やニット製品のもの創りにおける自動化、省人化ニーズに対応するソリューションの開発も引き続き進めております。
ニット製品の企画から生産、販売にいたるサプライチェーンの短縮化やサステナビリティを実現させるためにはもの創りにおけるデジタル化が不可欠であり、デザインシステム「SDS-ONE APEX4」、デザインソフトウェア「APEXFiz」では、バーチャルサンプル作成のシミュレーション機能の高速化、高精細化やホールガーメント製品の普及に向けた機能向上に取り組んでおります。当期は「APEXFiz」に新たに自動裁断機に対応したアパレルCADシステム「APEXFiz PGM」が加わりました。
また、自動裁断機の「P-CAM」シリーズでは、裁断精度の向上を軸に取り組んできました。そして延反からラベリング、裁断、ピックアップまでの流れを一元化した「Shima Cutting Solution」を深化させ、生産性向上や省人化につながる開発を行ってきました。当期は、タオル業界が抱える生産性向上と自動化の課題を解決する自動タオル裁断機「SATC90」を発表しました。
手袋靴下編機についても開発コンセプトを明確にし、新たな製品開発に取り組んでおります。
ニット編成面の開発を進めるトータルデザインセンターでは、最先端の横編み技術を駆使し、ホールガーメントサンプルの開発に取り組みました。なかでも新機種「SWG-XR」の発表に合わせ、シンカーニット技術を取り入れた柄や、機械特性を発揮したレース調の柄等、多様なデザインを取り入れたサンプル開発を行いました。
また、ファッション業界にとどまらず、スポーツやメディカル、インテリア業界、産業資材など異業種への提案を行うためのサンプル開発も継続しています。
さらに市場の変化に対応し、サステナブル素材を採用したサンプル開発や当社の糸データ検索WEBサービス「yarnbank」を活用しバーチャルサンプルを用いたサステナブルなもの創りの開発にも注力しました。
以上のように、当社では創業以来、「Ever Onward ― 限りなき前進」の経営理念のもと、「創造性にもとづく独自の技術開発」を基本とし、顧客が当社に期待するものを追求し、製品及びノウハウを生み出すための研究開発に努めております。