当期のわが国経済は、実質賃金の伸び悩みや下期以降の株安による消費者マインドの悪化などにより個人消費は力強さを欠く状況を見せ、また企業業績の改善により設備投資に持ち直しの動きが見られたものの、輸出の停滞などにより、企業が慎重な姿勢を強めつつあるなど、回復基調に陰りが見られました。海外では、米国経済は景気の回復が続き、金融政策の正常化へ移行し、欧州経済も緩やかな回復が続きました。その一方で中国経済は景気減速が鮮明化し、その他新興国でも中国経済減速の影響や原油等資源価格の低迷を受け成長ペースが鈍化するなど、世界経済全体としては総じて緩やかな減速基調にありました。
このような経営環境のもと、当社グループは、前期にスタートした「中期経営計画2016」を推進し、当期は以下の項目を重点施策として事業運営を行ってまいりました。
プラスチック加工機械事業では、ドイツの子会社のSUMITOMO(SHI)DEMAG PLASTICS MACHINERY GmbHとの間で欧州での電動式射出成形機の販売、開発の連携強化を継続するとともに、中国において同社の新工場を開設するなど、中国及びアジア市場の需要対応力を強化してまいりました。減・変速機事業では、ベルギーの子会社のHANSEN INDUSTRIAL TRANSMISSIONS NVの海外拠点再編を進めるとともに、日本及びアジアの生産拠点間において大型の減・変速機のサプライチェーンの再編を行い、コスト競争力の強化を図ってまいりました。また、極低温冷凍機事業では、今後さらに成長が期待される中国市場において販売とサービス体制の強化を目的に新たな拠点を開設し、営業力強化を図ってまいりました。
プラスチック加工機械事業では、全電動中型射出成形機の開発に注力し、従来機より大きな金型の搭載を可能とすることで成形品の生産性向上に大きく寄与することのできる新シリーズSEEV-A-HDの販売を開始しました。また、産業機器事業では、サイクロトロン中性子照射システムとホウ素化合物を用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の医療機器化を図るため、がんに対する治療効果を検証する臨床試験を開始し、最先端のがん医療技術の実現化に向けて前進することができました。
グループ内で培ったシステム制御技術で差別化を実現した、ハイブリッド油圧ショベルやショベルの後方視界を確保するFVM(フィールドビューモニター)の普及が進みました。また、注力するエネルギー分野では、ボイラ事業とタービン事業の協業を進めるなど、グループ内で連携し競争力強化を図ってまいりました。
プラスチック加工機械事業、半導体関連事業など精密機械部門において、差別化された商品力を活かし顧客ニーズに応えることで売上、利益の改善が進みました。また、運搬機械事業において「繰返し型生産モデル」への変革を推進し、生産効率を高めることで売上、利益の改善が進みました。さらに、各事業部門において中期経営計画の重点課題であるアフターマーケット・ビジネスの強化に努め、経営環境が変動する中で利益確保へ大きく貢献いたしました。
本社経営品質本部がリーダーシップをとり、当社グループの製品品質管理機能を強化するための取組みを継続的に進めました。安全への取組みにつきましても、安全衛生改革基本計画の第二次実行計画に基づき、安全衛生管理力の強化と労働災害撲滅に努めてまいりました。
「コンプライアンスは全てに優先する」という基本原則のもと、当期は独占禁止法遵守の教育やディスカッション方式及びeラーニングによるコンプライアンス教育等を行いました。また、中国の事業拠点においても、ディスカッション方式のコンプライアンス教育を行い、コンプライアンス体制の強化を図りました。
これらの経営施策に取り組みました結果、当社グループの当期の受注高は、前期比7%減の6,859億円、売上高につきましては、前期比5%増で過去最高の7,008億円となりました。
損益面につきましては、営業利益は前期比10%増の506億円、経常利益は前期比9%増の491億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比36%増の331億円となりました。また、税引後のROICは7.6%となりました。
各部門状況は概ね次のとおりであります。
中国市況が低迷したものの、国内や北米市況が堅調に推移したことから、受注、売上ともに増加いたしました。
この結果、受注高は前期とほぼ同じ1,050億円、売上高は前期比5%増の1,076億円、営業利益は前期比35%増の89億円となりました。
プラスチック加工機械事業は、アジアでのIT関連需要が一巡する一方、国内、欧州及び北米の市況が堅調に推移したことから、受注、売上ともに増加いたしました。
その他事業は、半導体関連機種の受注が減少したものの、売上は増加いたしました。
この結果、受注高は前期とほぼ同じ1,546億円、売上高は前期比6%増の1,546億円、営業利益は前期比38%増の187億円となりました。
油圧ショベル事業は、中国市場の需要が大幅に減少し回復を見せないことや、国内における前期の排ガス規制対応の駆け込み需要の反動減などにより、受注、売上ともに減少いたしました。
建設用クレーン事業は、北米市場の需要が低調な推移であったことから、受注が減少したものの、売上は増加いたしました。
この結果、受注高は前期比5%減の1,971億円、売上高は前期とほぼ同じ2,019億円、営業利益は前期比63%減の44億円となりました。
運搬機械事業は、国内造船業界向けを中心に好調に推移し、また産業機器事業においては、陽子線治療システムを受注するなど、部門全体では、受注、売上ともに増加いたしました。
この結果、受注高は前期比3%増の926億円、売上高は前期比16%増の879億円、営業利益は前期比73%増の100億円となりました。
当社が特化している中型タンカー市場は比較的安定していたものの、新造船市況全般は厳しさが増しており、当期は、前期より7隻少ない2隻の新造船を受注いたしました。また、売上は前期と同じ3隻の引渡しとなりました。
この結果、受注高は前期比64%減の225億円、売上高は前期比11%増の290億円、営業利益は10億円となりました。
エネルギープラント事業は、海外のIPP(独立発電事業者)向け循環流動層ボイラの受注や国内のバイオマス発電設備の受注がありましたが、受注件数が少なかったことから、受注は減少したものの、売上は増加いたしました。
水処理プラント事業は、大規模改修工事を受注したことから受注、売上ともに増加いたしました。
この結果、受注高は前期比7%減の1,061億円、売上高は前期比4%増の1,097億円、営業利益は前期比23%減の58億円となりました。
受注高は前期比20%減の81億円、売上高は前期比18%増の101億円、営業利益は前期比2%減の18億円となりました。
営業活動による資金の増加は183億円(前年同期は622億円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益472億円、減価償却費197億円、仕入債務の増加額28億円です。支出の主な内訳は売掛債権の増加額310億円、法人税等の支払額164億円です。
投資活動による資金の減少は154億円(前年同期は141億円の資金の減少)となりました。これは、主として固定資産の取得による支出192億円によるものです。
財務活動による資金の減少は238億円(前年同期は369億円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金の返済による支出(借入金による収入との純額)131億円、配当金の支払による支出86億円によるものです。
これらの要因により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ217億円減少し、686億円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
機械コンポーネント | 106,254 | 2.3 |
精密機械 | 154,043 | 4.6 |
建設機械 | 204,046 | △2.4 |
産業機械 | 92,607 | 22.9 |
船舶 | 28,583 | 7.7 |
環境・プラント | 110,519 | 2.7 |
その他 | 7,951 | △17.4 |
合計 | 704,005 | 3.6 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
機械コンポーネント | 105,047 | 0.3 | 28,167 | △8.4 |
精密機械 | 154,571 | △0.0 | 47,419 | 0.0 |
建設機械 | 197,060 | △4.6 | 28,856 | △14.4 |
産業機械 | 92,591 | 3.3 | 102,730 | 4.7 |
船舶 | 22,500 | △63.7 | 58,711 | △9.9 |
環境・プラント | 106,089 | △6.5 | 109,925 | △3.2 |
その他 | 8,085 | △19.9 | 1,939 | △51.4 |
合計 | 685,943 | △7.4 | 377,747 | △3.8 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
機械コンポーネント | 107,614 | 4.9 |
精密機械 | 154,556 | 5.6 |
建設機械 | 201,916 | △0.0 |
産業機械 | 87,939 | 16.0 |
船舶 | 28,974 | 11.1 |
環境・プラント | 109,706 | 3.9 |
その他 | 10,133 | 17.7 |
合計 | 700,838 | 5.1 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
事業を取り巻く経済環境は、国内においては、国際経済、金融情勢の不透明感を反映した円高進行やマイナス金利政策の効果に対する様子見の状況などにより、足踏みが続いております。また個人消費は雇用環境が良好な一方、賃金の伸び悩みから停滞感が強く、企業部門では、個人消費や輸出の停滞から、生産、出荷が一進一退で推移しており、設備投資にも一時の勢いが見られません。海外においては、米国経済は依然好調を維持しているものの、中国経済低迷の長期化と、それに伴う新興国の景気停滞により不透明な状況が続いております。
平成26年度からスタートした「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標としております。また経営指標のROICは、7%以上の確保をめざしております。
当社グループは、上記の目標達成のため、「一流商品を提供し続ける企業」をめざし、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実に成長してまいります。
注力する分野としては、当社グループの広範囲な事業領域の中でも、特に需要が拡大するエネルギー関連分野を成長領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。
計画遂行においては、引き続き、財務規律を維持するとともに、中期経営計画期間3か年における配当性向は30%を目標に設定しております。
平成28年度は、中期経営計画の最終年度として、以下の施策に取り組んでまいります。
各拠点、各事業の置かれている外部環境、事業環境によってそれぞれ施策は異なりますが、事業拡大に向けた施策として、グループ全体最適の視点で必要な重点投資を積極的かつタイムリーに実施し、着実な成長を図ってまいります。
また、機種ごとに培った固有技術のブラッシュアップに加え、材料、制御などの共通技術による商品力強化を進めてまいります。製造の基盤である接合、加工等の生産技術の継続的改善、生産革新とともにエンジニアリングの強化を狙いとするイノベーション活動を推進してまいります。技術本部を中心にこれらの技術を基盤とした次期商品開発に注力するとともに、全社を挙げてICTの活用に取り組んでまいります。
さらに事業部門間連携の施策として、サービス事業の強化をグループ共通課題と位置付け、マーケティング機能、拠点ネットワーク、人材及び情報化等の基盤を強化し、事業拡大に向けた営業プロセス変革を推進してまいります。
ポートフォリオ・マネジメントを継続し、各事業の成長段階や外部環境を踏まえて目標利益と重点課題を明確にし、経営資源の再配分と事業構造改革を推進してまいります。本社部門においては、外部コンサルティング会社を採用し、間接費の削減に取り組んでおります。また機械コンポーネント事業や精密機械事業などの当社グループをリードする事業群においては、高い目標を設定して高収益を牽引するとともに、全ての事業部門、機種、地域において達成すべき下限目標を設定し、高収益体質への変革、事業の骨太化を図ります。
本社と事業部門が協業し、総力を挙げて製品品質の向上に取り組むなど、品質第一の経営を実践してまいります。
当社グループは、コンプライアンスの徹底を最重要課題の一つとして捉え、当社及びグループ各社の役員及び社員に対してコンプライアンス教育を継続して行い、グループ全体にコンプライアンス意識の一層の周知徹底を図ってまいります。
当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成28年度は第二次実行計画の最終年になります。計画の目標達成に向けて、安全衛生管理力の強化、労働災害撲滅、健康管理の推進に取り組んでまいります。
平成28年度は、現中期経営計画「中期経営計画2016」の最終年度にあたります。国際経済、金融情勢の不透明感、中国経済の低迷長期化とそれに端を発した新興国の成長停滞等の影響もあり、計画当初の財務目標を達成することは困難な状況となってきておりますが、「着実な成長」、「高収益への反転」及び「たゆみなき業務品質改善」の基本目標は、このような環境下でも着実に進展していると確信しております。「中期経営計画2016」の成果と経営環境の変化を踏まえ、平成29年度を初年度とする新中期経営計画を策定いたします。新しい経営理念のもと、当社グループは顧客価値を第一に考え、変化に挑戦し、一流商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーとして、社会の発展に貢献することを企業使命に、上記施策を着実に実行、推進していく所存でございます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方については、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主の皆様共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
当社の企業価値は、「一流商品」の提供、事業間価値連鎖によるシナジー及びグローバルネットワークと、住友の事業精神に則った経営によって維持、強化されてきた株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、社会との信頼関係を源泉としており、さらにはこれらが有機的一体となって機能することによって、より大きな価値を生み出しております。
当社としては、企業価値を増大させること及び生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式の取得をめざす者による当社株式の取得により、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、このような当社株式の取得をめざす者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、必要かつ相当な範囲において、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保ないし向上のための措置を講じることをその基本方針といたします。
当社グループは、上記基本方針の実現のため、以下の取組みを行ってまいります。
「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標といたします。なお、ROICを引き続き当社グループの財務目標とし、ROIC>WACCを継続するとともに、ROIC7%以上の確保をめざします。
上記の財務目標達成のため、(a)持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」、(b)「高収益への反転」、(c)「たゆみなき業務品質改善」を計画の目的に掲げ、「一流商品を提供し続ける企業」をめざします。単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実な成長を達成することが重要です。
なお、計画期間3か年における配当性向の目標は30%であります。
当社は、かねてよりコーポレートガバナンスの強化に取り組んでおります。具体的には、平成11年の執行役員制の導入、平成14年以降の社外取締役の選任、平成19年の取締役の任期の2年から1年への短縮、さらに平成27年からは社外取締役を複数名選任するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。
また、平成27年11月には、当社グループの企業価値の増大を図り、あらゆるステークホルダーからの評価と信頼をより高めていくため、効率的で透明性の高い経営体制を確立することを目的として、「住友重機械コーポレートガバナンス基本方針」を制定しております。
監査役は、グループ会社監査役会議を定期的に開催し、グループ全体の監査機能の充実を図っており、また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。
さらに、当社は、社外役員全員について、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外役員であると判断し、株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ております。これら独立役員については、取締役会などにおける業務執行に係る決定局面等において、一般株主への利益への配慮がなされるよう必要な意見を述べるなど、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが求められます。
当社は、以上述べてきた施策、戦略の遂行により、事業の一層の成長による企業価値の増大及び継続的な増配による利益還元を通じて、株主の皆様共同の利益の向上を実現するべく、一層の努力を続けてまいります。
当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行ったうえで、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することにつき、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認をいただきました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。
本プランは、大規模買付者に対して、大規模買付ルールに従うことを求めるものです。大規模買付ルールとは、大規模買付者が事前に取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会が当該大規模買付行為について評価検討し、企業価値委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動、不発動又は中止に関して取締役会又は必要に応じて株主総会による決議を行い、対抗措置不発動又は中止に係る決議がなされた場合に初めて大規模買付行為が開始されるべきというものです。
対抗措置は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は②大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を守るために発動される場合があります。当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の最大化を確保し、その他これを防衛するために必要かつ相当な、会社法第277条以下に規定される新株予約権無償割当て、又は、企業価値委員会の意見などを踏まえてその時点で最も適切と取締役会が判断した方法といたします。
当社の中期経営計画及びその実践は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させる具体的方策として、当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮、交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断できること、当社取締役会が企業価値委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保、向上を目的として導入されるものであり、当社の基本方針に沿うものと考えます。
特に、本プランは、事前の開示を充実させたものであること、株主意思の重視が図られているものであること、外部専門家の意見を取得することを認めていること、企業価値委員会の設置により当社取締役会の恣意的判断を排除していること、ガイドラインの設定により、対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準の客観性、透明性が高いこと、デッドハンド型買収防衛策又はスローハンド型買収防衛策ではないことなどから、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足し、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上高のうち大半を占める資本財に対する需要は、当社グループが販売している国内、海外諸地域の経済状況の影響を受けます。したがって日本、アジア、北米及び欧州その他の当社製品の主要市場における景気後退とそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業には、世界各国での製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時のレートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当連結会計年度における海外売上高の比率は53%であります。為替相場の変動が業績に与える影響を軽減するために、為替先物予約などのリスクヘッジを行っておりますが、これにより全てのリスクを排除することは困難であります。このことから、当社グループの業績は為替相場の変動に影響を受ける可能性があります。
当社グループは特に機械コンポーネント部門、精密機械部門及び建設機械部門において北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っております。しかしながら、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制の変更などにより当該製品の市場が影響を受けることがあり、その結果、当社グループの海外事業での業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、高い品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、これに起因する当社グループ負担の保証工事が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が全ての賠償額をカバーできるという保証はありません。品質問題から起こった当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任は、多額なコストの発生により当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年3月31日公布法律19号)に基づき、平成14年3月31日に事業用の土地の再評価をしております。再評価を行った土地の当期末における時価と再評価後の帳簿価額との差額は189億円(下落率21%)でありますが、今後地価が一層下落した場合や、資産または資産グループの帳簿価額が回収できない可能性を示す事象が発生した場合、固定資産の減損を認識する可能性があります。減損を認識した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、お客様と個別に受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件につきましては、受注契約締結前の多面的な受注検討を行っております。しかし、当初想定できなかった経済情勢の変動、設計や工程の混乱等による当初見積り以上のコストの発生、訴訟等の提起、製品の性能・納期上の問題によるペナルティーの支払い等の可能性があり、その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また、お客様都合による受注契約取り消しのケースでは、受注契約条件において違約金の設定などリスク回避の努力を最大限に行っておりますが、発生したコストの全額が回収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「グループ環境方針」のもと、環境リスクの回避や廃棄物のミニマム化など環境負荷低減に取り組んでおります。環境汚染防止に対しては万全の体制をもって臨んでおりますが、不測の事態等により環境汚染が発生する可能性があります。環境汚染が発生した場合は多額なコストの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは火災、地震、台風及び風水害などの各種災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑えるために点検、訓練及び連絡体制の整備を行っております。しかしながら、これら災害による物的・人的被害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。また、これらによる損害額が損害保険等で十分にカバーされる保証はありません。
契約締結先(国籍) | 契約項目 | 対価 | 契約有効期間 |
FN Herstal S.A. | 5.56ミリ機関銃の製作技術 | (1) イニシャルペイメント (2) ロイヤルティ (3) 技師招聘費 | 平成5年7月22日~ |
General Electric Company | 医療診断用粒子加速器の | (1) イニシャルペイメント (2) アディショナルペイメント | 平成10年12月29日~ |
AMEC Foster Wheeler | 循環流動層ボイラの設計・ | (1) イニシャルペイメント (2) ロイヤルティ (3) 技師招聘費 | 平成13年12月7日~ |
BAE Systems Bofors AB | 40ミリ機関砲の設計・ | (1) イニシャルペイメント (2) ロイヤルティ (3) 技師招聘費 | 平成15年6月18日~ |
会社名 | 契約締結先 | 契約項目 | 対価 | 契約有効期間 |
住友重機械 | Valmet AB | 緑液清澄装置(スミ | (1) イニシャルペイメント (2) ロイヤルティ (3) 技師派遣費 | 平成17年10月19日~ |
住友建機㈱ | CNH Industrial N.V. | 油圧ショベルの製造・ | (1) イニシャルペイメント (2) ロイヤルティ | 平成26年5月12日~ |
当社の連結子会社である住友重機械搬送システム株式会社は、平成27年5月8日付にて、三菱重工業株式会社の連結子会社である三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社との間で、同社の産業用クレーン事業を平成27年10月1日を効力発生日として承継する旨の吸収分割契約を締結しております。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係) をご参照ください。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「中期経営計画2016」(平成26~28年度)において、3つの基本方針である『着実な成長』『高収益への反転』『たゆみなき業務品質改善』を掲げて、一流の商品とサービスの提供を通して社会の発展に貢献することを目指しております。具体的には、グローバル市場に通用する一流商品の創出のために、「商品一流化活動」を推進し、顧客の収益性向上に貢献する「知性に富んだ魅力的な商品(スマート商品)」の開発など、当社グループ一丸で取り組んでおります。また、開発段階における市場品質確保を目的とした、プロセス変革活動を精力的に進めております。
当連結会計年度の研究開発投資総額は124億円であり、セグメント毎の主な研究開発成果は次のとおりです。
減・変速機につきましては、サーボモータ用高精度遊星減速機「IBシリーズ」に大型同心軸機種「P2タイプ」2サイズおよび小型直交軸機種「PK1タイプ」3サイズを追加、販売を開始しました。業界トップクラスのコンパクト性と、各サーボモータメーカに対応した取付けフランジを揃え、金属加工機械や精密制御用途での要求に応えています。
当該部門に係る研究開発費は18億円であります。
プラスチック加工機械につきましては、全電動射出成形機の汎用ベースマシンにおいて、精密・安定性、操作性、金型対応性を向上させた「SEEV-Aシリーズ」として「SEEV-A」(型締力50~180ton)、「SEEV-A-HD」(型締力220~500ton)を市場投入しました。また、複合成形に適した全電動竪型射出成形機(ロータリーテーブルタイプ)「SR-Zシリーズ」において、従来の型締力50、75tonに加えて、新たに120tonの「SR120Z」を市場投入しました。更に、モバイル端末用液晶パネルの導光板成形における更なる薄型化要求に対応するべく、射出・型締性能を強化した導光板専用機「SE180EV-A-LGP」を市場投入しました。
精密機器につきましては、GM冷凍サイクルの運転圧力を上げることにより,圧縮機の圧縮比を低減し現行のシステムに比べ消費電力を約40%削減すると共に、顧客装置の稼働率向上のため、従来にないコンセプトの冷却パネルデザインにより、アルゴンガス吸蔵量を従来比67%向上させた、次世代クライオポンプ「SICERA Ultra」を市場投入しました。
制御コンポーネントにつきましては、ダイボンダ用エアソニックの市場投入とコーターライン制御用ソフトウェアの機能拡張を行いました。
電子機械につきましては、パワーデバイス用レーザアニール装置のラインナップを拡充しました。また、溶接・切断用途のファイバーレーザを搭載したレーザシステムを拡充しました。
半導体製造装置につきましては、イオン注入機「SAion-300」を市場投入しました。この装置は、従来の中電流イオン注入機と高電流イオン注入機の機能を1台で果たすことができる新しいコンセプトの装置です。今後、台湾、日本を初めとして、北米、韓国市場へと順次投入し、世界展開を進めてまいります。
平面研削盤につきましては、従来の油圧シリンダー駆動用油圧ユニットに対して40~50%の省エネ効果が得られる「HST駆動装置」を開発しました。
当該部門に係る研究開発費は48億円であります。
建設機械につきましては、経済性、環境保全性、及び安全性を追求した市場・顧客ニーズに応える新商品開発、研究に取り組んでおります。
油圧ショベルにつきましては、先進国及び新興国それぞれの排ガス規制に対応したエンジンを搭載した新型機種を市場投入しました。また、操作性、低燃費で好評なアクティブハイブリッドショベル「SH200HB-6」のハイブリッド技術に関する性能向上の研究を行っております。
道路機械につきましては、暫定第4次排出ガス規制対応エンジンを搭載し、国内生産機では最大級の舗装幅となるアスファルトフィニッシャ「HA90C-2」を国内市場に投入しました。「HA90C-2」では、2.8mから7.5mまで無段伸縮が可能なスクリード「J・paver2875」を新規開発し、高い舗装精度と利便性を両立させました。これまで、国内の大型機市場は、欧州メーカーの独擅場でありましたが、本機の利便性並びに舗装性能が評価され、東京国際空港(羽田空港)で誘導路を舗装しました。また、新型ミニアスファルトフィニッシャ4機種「HB1741W-5C、HB31W-5C、HB1432W-5C、HB25W-5C」並びに新型振動ローラ4機種「HW30VWH-6、HW41VWH-6、HW30VSH-6、HW41VSH-6」を国内市場へ投入しました。
当該部門に係る研究開発費は38億円であります。
医療機器につきましては、アルツハイマー病の原因のひとつである、脳内アミロイドベータプラークのPET検査に用いられる、放射性医薬品合成設備「MPS200Aβ」の医療機器製造販売承認を国産品として初めて取得し販売を開始しました。また、陽子線治療システムとして、世界初のラインスキャニングによる治療が開始され、平成27年12月に第1例の治療が完了しました。更に、サイクロトロン中性子照射システムとホウ素化合物を用いた、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による治験(第Ⅱ相)が開始され、安全性と忍容性が確認出来た最大線量にて治験を行い、BNCTの有効性を確認する計画です。
鍛造プレスにつきましては、自動車ボディ・フレームの大幅な軽量化を実現する製造システム「STAF」を開発しております。
蒸気タービンにつきましては、初段全周高圧ケースの開発が完了し、先に市場投入した長翼機の適用範囲を拡大しました。海外自家発市場を中心に、展開を開始しております。
当該部門に係る研究開発費は11億円であります。
船舶につきましては、厳しい新環境規則にも適合し、かつ、シェール革命に代表される市場の変化にも対応した、顧客収益性の高い中型タンカーを開発、市場投入し、多くの顧客から好評を得ています。また、生産技術開発の面では、塗装技術や溶接技術のほか、生産管理の高度化にも取り組み、更なる品質と生産性の向上を実現しました。
当該部門に係る研究開発費は1億円であります。
水環境プラントにつきましては、民間向けに、微細な懸濁物質を高速で沈降分離する「スミシックナーZ」を市場投入し、製鉄所の循環水や排水処理において導入に向けた検討を進めております。また、下水処理場の高度処理を行う反応タンク向けに省エネ型撹拌機を開発し、従来の水中曝気撹拌機と比べて1/20、低動力型と比べて1/7の省エネを実現し(当社比)、公的機関の認証を得ました。
化工機につきましては、汎用および高機能樹脂の分野で使用されている「MAXBLEND」「SUPERBLEND」などの撹拌装置に加え、ファインケミカル分野での使用拡大が期待される高粘度液の微粒子製造装置「NANOVisK」を市場投入しました。
冷却塔につきましては、主力の新型中容量冷却塔「KG05」用として、新たに充填材(熱交換器)スピンエフを開発しました。基本形状を最適化することで冷却塔の処理水量の増加に加え、顧客ニーズである省エネ・省スペースを実現しました。
塑性加工機につきましては、アイドリングストップ車向けにフローフォーミングによる増肉加工技術を発展させ、一体化により疲労強度を向上、高耐久化を実現しました。
当該部門に係る研究開発費は7億円であります。
(SICERAは、住友重機械工業㈱の登録商標です。)
(SAionは、住友重機械イオンテクノロジー㈱の登録商標です。)
(アクティブ ハイブリッド ショベルは、住友建機㈱の登録商標です。)
(J・paverは、住友建機㈱の登録商標です。)
(スミシックナーは、住友重機械エンバイロメント㈱の登録商標です。)
(MAXBLENDは、住友重機械プロセス機器㈱の登録商標です。)
売上高は、前期比337億円増の7,008億円となりました。これは、建設機械部門を除くすべての部門において売上が前期を上回ったことによります。
売上原価は、売上高の増加に伴い、前期比208億円増の5,375億円となりました。売上原価率は前期比0.8ポイント減少の76.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比84億円増の1,128億円となりました。
営業外損益は、14億円の損失となり、前期比では6億円の悪化となりました。営業外収益は、為替差益が減少したことなどにより前期比4億円減の64億円となりました。営業外費用は、為替差損が増加したことなどにより前期比1億円増の79億円となりました。
特別損益は、20億円の損失となり、前期比では44億円の好転となりました。特別利益は、前期、当期ともに発生しませんでした。特別損失は、減損損失が29億円減少したことなどにより、前期比44億円減の20億円となりました。
法人税等は、前期比17億円増の161億円となりました。
非支配株主に帰属する当期純損失は、21億円となり、前期比では21億円の悪化となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比88億円増の331億円となりました。
総資産は、前連結会計年度末と比べて、現金及び預金が84億円、受取手形及び売掛金が250億円、たな卸資産が24億円それぞれ増加した一方、有価証券が300億円、投資有価証券が35億円、長期貸付金22億円がそれぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて32億円減の7,829億円となりました。
負債合計は、有利子負債が154億円減少(対総資産比率は8.7%と1.9ポイント減少)した一方、前受金が95億円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて209億円減の4,000億円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が51億円、退職給付に係る調整累計額が56億円それぞれ減少しした一方、利益剰余金が258億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて177億円増の3,828億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比2.3ポイント増加し、48.1%となりました。
当社グループは現在、運転資金及び設備資金につきましては、借入金及び社債並びに内部資金により調達しております。
営業活動による資金の増加は183億円(前年同期は622億円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益472億円、減価償却費197億円、仕入債務の増加額28億円です。支出の主な内訳は売掛債権の増加額310億円、法人税等の支払額164億円です。
投資活動による資金の減少は154億円(前年同期は141億円の資金の減少)となりました。これは、主として固定資産の取得による支出192億円によるものです。
財務活動による資金の減少は238億円(前年同期は369億円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金の返済による支出(借入金による収入との純額)131億円、配当金の支払による支出86億円によるものです。